説明

ポリスチレンスルホン酸ポリマー錠剤、その調製および使用

本発明は、少なくとも約70%のポリスチレンスルホン酸ポリマーと、バインダーと、水分とを含有する錠剤を提供する。本発明は、必要としている対象に錠剤を投与することを含む、クロストリジウムディフィシル(Clostridium difficile)を原因とするものなどの抗生物質関連下痢を含む医学的状態を治療する方法にさらに関する。さらに、薬剤ブレンドおよび錠剤を調製する方法が開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2006年9月6日出願の米国仮特許出願第60/842,441号明細書の利益および優先権を主張する。
【0002】
上記出願の技術全体が本明細書において参照により援用される。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
ポリスチレンスルホン酸ポリマーが、抗生物質関連下痢(AAD)を含む種々の医学的状態の治療用として記載されている。AADは、クロストリジウムディフィシル(Clostridium difficile)によって放出されるものなどの病原性毒素により引き起こされる重篤な医学的状態を表す。
【0004】
対象に投与される錠剤の数を最低とし、コート可能であり、経口的な投与が容易であり、および製造および保管で安定である高配合量のポリスチレンスルホン酸ポリマーを含む錠剤を治療薬として提供する必要がある。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、従来技術の問題を解決する、高配合量のポリスチレンスルホン酸ポリマーを含む許容可能なサイズの錠剤を提供する。
【0006】
本発明の一実施形態は、乾燥錠剤重量を基準にして少なくとも約70%のポリスチレンスルホン酸ポリマーと、バインダーと水分とを含む錠剤である。
【0007】
本発明の他の実施形態において、錠剤は、乾燥錠剤重量を基準にして約80%〜約94%のポリスチレンスルホン酸ポリマーと、無水グルコース単位当たり0.4超〜4.6以下のヒドロキシプロピル基により特徴付けられる、乾燥錠剤重量を基準にして約6%〜約20%の、セルロースのヒドロキシプロピルエーテルと、錠剤重量を基準にして約7%〜約13%の水分とを含む。
【0008】
本発明の他の実施形態において、錠剤は、約950mg〜約1070mgのポリスチレンスルホン酸ポリマーと、無水グルコース単位当たり0.4超〜4.6以下のヒドロキシプロピル基により特徴付けられる約118mg〜約236mgのセルロースのヒドロキシプロピルエーテルと、錠剤重量を基準にして約7%〜約13%の水分とを含む。
【0009】
本発明の他の実施形態において、錠剤は、乾燥錠剤重量を基準にして少なくとも約70%のポリスチレンスルホン酸ポリマーを含み、ここで、錠剤の硬度は、約30kp〜約70kpである。
【0010】
本発明の他の実施形態は、ドライブレンド重量を基準にして少なくとも約70%のポリスチレンスルホン酸ポリマーと、バインダーとを含む薬剤ブレンドである。
【0011】
本発明の他の実施形態は、ポリスチレンスルホン酸ポリマーを含有する錠剤を調製する方法である。この方法は、本明細書に開示の薬剤ブレンドを約25kN〜約60kNの圧縮力で圧縮して錠剤を形成するステップを含む。
【0012】
本発明の他の実施形態は、対象における細菌性感染症であって病原性毒素の放出により特徴付けられる細菌性感染症を治療する方法であり、対象に、本明細書に開示の錠剤を投与するステップを含む。
【0013】
本発明の他の実施形態は対象における抗生物質関連下痢を治療する方法であり、前記対象に本明細書に開示の錠剤を投与するステップを含む。
【0014】
本発明のさらに他の実施形態は、対象におけるC.ディフィシル(C.difficile)関連下痢を治療する方法であり、前記対象に本明細書に開示の錠剤を投与するステップを含む。
【発明を実施するための形態】
【0015】
ポリスチレンスルホン酸ポリマーとバインダーと水分とを含む錠剤が、従来の薬学的錠剤製造器具を用いて高薬物配合量を有する許容可能なサイズを有するよう調製することが可能であることが見出された。
【0016】
本明細書において用いられるところ、「許容可能なサイズ」という用語は、錠剤が対象により容易に嚥下可能であるよう十分に小さい錠剤寸法を指す。
【0017】
本明細書において用いられるところ、「対象」とは哺乳動物であって、最も好ましくはヒトであるが、愛玩動物(例えば、イヌ、ネコ等)、家畜(例えば、雌ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマ等)または実験用動物(例えば、ラット、マウス、モルモット等)などの獣医学的治療を必要とする動物であることも可能である。
【0018】
本明細書において用いられるところ、「薬物配合量」という用語は、錠剤中の薬物、例えば、ポリスチレンスルホン酸ポリマーの割合を指す。
【0019】
本明細書において用いられるところ、「錠剤重量」とは、コーティングを含まない錠剤の重量である。
【0020】
本明細書において用いられるところ、「乾燥錠剤重量」とは、水分を含まない錠剤重量である。錠剤中、薬剤ブレンドまたは錠剤処方成分中の含水量は、当該技術分野において公知である方法を用いて乾燥減量(LOD)を測定することにより得ることが可能である。例えば、乾燥錠剤重量を基準にして10%の化合物を含有し、乾燥錠剤重量が1gである錠剤は、100mgの化合物を含有する。さらに、錠剤重量が1.25gである場合、錠剤は250mgの水分を含有する、すなわち、錠剤重量を基準にして20%の水分である。
【0021】
本明細書において用いられるところ、「薬剤ブレンド」(本明細書中以下「ブレンド」ともいう)とは、1種以上の固体の薬学的に活性な薬剤および1種以上の固体の薬学的に好適な不活性な薬剤(例えば、賦形剤、バインダー等)の粉末混合物を指す。具体的には、薬剤ブレンドは、小さい粒径、すなわち粉末の固体化合物の混合物である。典型的には、薬剤ブレンドまたは薬剤ブレンドの一部を圧縮して錠剤を形成することが可能である。薬剤ブレンドは、それらの圧縮成形性によりにより特徴付けられることが可能である。本明細書において用いられるところ、「圧縮成形性」とは、錠剤硬度対錠剤を形成するために薬剤ブレンドに加えられる圧縮力の比である。好ましくは、本発明の薬剤ブレンドは、約9N/kN〜約20N/kNの圧縮成形性を有し得る。
【0022】
本明細書において用いられるところ、「ブレンド重量」とは、薬剤ブレンドの重量である。
【0023】
本明細書において用いられるところ、「ドライブレンド重量」とは、水分を含まないブレンド重量である。
【0024】
本明細書において用いられるところ、「水分」とは、錠剤または薬剤ブレンド処方成分と化学的または物理的相互作用を任意により有することが可能である水を表す。薬剤ブレンドの圧縮成形性は、存在する水分の量に部分的に依存する。従って、薬剤ブレンド中の水分の量は、薬剤ブレンドが錠剤に容易に圧縮されることが可能であるよう調製されることが可能である。
【0025】
典型的には、錠剤は、錠剤重量を基準にして約7%〜約13%の水分を含み得る。より具体的には、錠剤は、錠剤重量を基準にして約8%〜約12%の水分を含み得る。最も具体的には、錠剤は、錠剤重量を基準にして約9%の水分を含み得る。
【0026】
本発明の薬剤ブレンドは、任意により水分を含む。具体的には、薬剤ブレンドは、典型的には、錠剤重量を基準にして約7%〜約13%の水分を含む。より具体的には、薬剤ブレンドは、錠剤重量を基準にして約8%〜約12%の水分を含み得る。最も具体的には、薬剤ブレンドは、錠剤重量を基準にして約9%の水分を含み得る。
【0027】
本明細書において用いられるところ、「バインダー」とは、錠剤または薬剤ブレンド中における空間を占め、および関連する薬剤ブレンドが圧縮された後に錠剤を一体に保持する錠剤または薬剤ブレンド処方成分である。好適なバインダーは、錠剤が少なくとも約70%のポリスチレンスルホン酸ポリマーを含むことを許容する。2種の通常用いられるバインダーは、無水グルコース単位当たり0.4超〜4.6以下のヒドロキシプロピル基により特徴付けられるセルロースのヒドロキシプロピルエーテル(本明細書中以下、「セルロースのヒドロキシプロピルエーテル」)、およびポリエチレングリコールである。より具体的には、錠剤または薬剤ブレンドは、乾燥錠剤重量を基準にして約5%〜約30%の、セルロースのヒドロキシプロピルエーテルまたはポリエチレングリコールを含み得る。さらにより具体的には、錠剤または薬剤ブレンドは、乾燥錠剤重量を基準にして約5%〜約20%、約5.2%〜約20%、約5.4%〜約20%、約5.6%〜約20%、約5.8%〜約20%、約6%〜約20%、約6.2%〜約20%、約6.4%〜約20%、または約6.5%〜約20%の、セルロースのヒドロキシプロピルエーテルまたはポリエチレングリコールを含み得る。最も具体的には、錠剤または薬剤ブレンドは、乾燥錠剤重量を基準にして約6.6%の、セルロースのヒドロキシプロピルエーテルまたはポリエチレングリコールを含み得る。
【0028】
バインダーは、その粒径分布によりにより特徴付けられることが可能である。本明細書において用いられるところ、バインダーの「粒径分布」とは粒径の分布をさし、ここで、各粒子は、バインダー化合物の1つ以上の分子を含む。粒径を計測し、および平均粒径を測定するための数々の方法が当該技術分野において公知である。「平均粒径」は当該技術分野において公知である気相中での分粒(aerosizing)により測定され、および「体積加重平均粒径」は、当該技術分野において公知であるふるい分析に基づく計測および測定による。好ましくは、バインダーの体積加重平均粒径は、約10μm〜約100μmであり得る。より好ましくは、体積加重平均粒径は、約20μm〜約50μmであり得る。より好ましくは、体積加重平均粒径は、約35μm〜約40μmであり得る。
【0029】
本発明の錠剤および薬剤ブレンドは、ポリスチレンスルホン酸ポリマーを含む。具体的には、錠剤または薬剤ブレンドは、乾燥錠剤重量を基準にして少なくとも70%のポリスチレンスルホン酸ポリマーを含み得る。より具体的には、錠剤または薬剤ブレンドは、乾燥錠剤重量を基準にして約70%〜約94%のポリスチレンスルホン酸ポリマーを含み得る。さらにより具体的には、錠剤または薬剤ブレンドは、乾燥錠剤重量を基準にして約70%〜約93.5%、約75%〜約93.5%、約80%〜約93%、または約85%〜約90%のポリスチレンスルホン酸ポリマーを含み得る。最も具体的には、錠剤または薬剤ブレンドは、乾燥錠剤重量を基準にして約92.8%のポリスチレンスルホン酸ポリマーを含み得る。
【0030】
好ましくは、錠剤は、約600mg〜約1200mg、約700mg〜約1200mg、約800mg〜約1100mg、約950mg〜約1070mgのポリスチレンスルホン酸ポリマーを含み得る。最も好ましくは、錠剤は、約1000mgのポリスチレンスルホン酸ポリマーを含み得る。
【0031】
本明細書において用いられるところ、「ポリスチレンスルホン酸ポリマー」は、ポリスチレンスルホン酸(すなわち、高分子酸)およびその薬学的に許容可能な塩を包含する。「生理学的に許容可能な」とは、薬学的使用に好適であることを意味する。「塩」という用語は、薬学的に許容可能なカチオンとの組み合わせでの高分子酸の部分的または完全脱プロトン化形態を指す。好適なカチオンとしては、これらに限定されないが、ナトリウム、カリウムおよびセシウムイオンなどのアルカリ金属イオン;カルシウムおよびマグネシウムイオンなどのアルカリ土類イオン;遷移金属イオンならびに、非置換および置換(第1級、第2級、第3級および第4級)アンモニウムイオンが挙げられる。一実施形態においては、カチオンは、Ca2+、Mg2+、Zn2+、Al3+、Bi3+、Fe2+またはFe3+などの多価金属イオンである。典型的には、ポリスチレンスルホン酸ポリマーは、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ポリスチレンスルホン酸カリウム、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムおよびポリスチレンスルホン酸カリウムのコポリマー、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムおよびポリスチレンスルホン酸カリウムの混合物、またはポリスチレンスルホン酸ナトリウムおよびポリスチレンスルホン酸カリウムのコポリマーの混合物であることができる。
【0032】
本発明のポリスチレンスルホン酸ポリマーは、既述の方法により調製されることが可能である。例えば、米国特許第6,270,755号明細書および米国特許第6,290,946号明細書、および国際公開第2004/009100A1号パンフレットには、スチレンスルホン酸の重合によるポリスチレンスルホン酸ポリマーの合成方法が記載されている(例えば、米国特許第6,290,946号明細書の実施例8および12)。上記の文献の全教示は、参照により本明細書において援用される。好ましくは、ポリスチレンスルホン酸ポリマーは、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、すなわち、以下の構造式(I)の繰り返し単位から構成されるポリマーであることが可能である。
【化1】

【0033】
あるいは、ポリスチレンスルホン酸ポリマーは、ポリスチレンスルホン酸カリウム、すなわち、以下の構造式(II)の繰り返し単位から構成されるポリマーであることが可能である。
【化2】

【0034】
他の代替において、ポリスチレンスルホン酸ポリマーは、トレバマー(TOLEVAMER)などのポリスチレンスルホン酸ナトリウムおよびポリスチレンスルホン酸カリウムのコポリマー、すなわち、ポリスチレンスルホン酸コポリマーであることが可能である。ポリスチレンスルホン酸コポリマーは、構造式(I)および構造式(II)により表される繰り返し単位を含み得るか、またはそれらから構成され得る。好ましくは、繰り返し単位の約20%〜約70%が構造式(II)によって表され得、および繰り返し単位の約30%〜約80%が構造式(I)によって表され得る。あるいは、繰り返し単位の約30%〜約45%が構造式(II)によって表され得、および繰り返し単位の約55%〜約70%が構造式(I)によって表され得、繰り返し単位の約35%〜約40%が構造式(II)によって表され得、および繰り返し単位の約60%〜約65%が構造式(I)によって表され得、または繰り返し単位の約37%が構造式(II)によって表され得、および繰り返し単位の約63%が構造式(I)によって表され得る。
【0035】
さらに他の代替において、ポリスチレンスルホン酸ポリマーは、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムおよびポリスチレンスルホン酸カリウムの混合物であることが可能である。ポリスチレンスルホン酸混合物は、約20%〜約70%、約30%〜約45%、約35%〜約40%、または約37%のポリスチレンスルホン酸カリウムおよび約30%〜約80%、約55%〜約70%、約60%〜約65%、または約63%のポリスチレンスルホン酸ナトリウムを含み得る。
【0036】
ポリスチレンスルホン酸ポリマーの重量は、胃腸管によって吸収されないようにポリマーが十分に大きいよう、典型的には、100,000ダルトン超および好ましくは400,000ダルトン超であり得る。重量の上限は重要ではない。典型的には、本発明のポリスチレンスルホン酸ポリマーは、約100,000ダルトン〜約5,000,000ダルトン、または約200,000ダルトン〜約2,000,000ダルトン、または約300,000ダルトン〜約1,500,000ダルトンの重量であり得る。ポリスチレンスルホン酸ポリマーは、架橋または未架橋のいずれかであることが可能であるが、好ましくは未架橋であると共に水溶性である。
【0037】
ポリスチレンスルホン酸ポリマーは、その粒径分布により特徴付けられることが可能である。本明細書において用いられるところ、ポリスチレンスルホン酸ポリマーの「粒径分布」とは、各粒子が1つ以上のポリスチレンスルホン酸ポリマー分子を含む粒径の分布を指す。粒径を計測し、平均粒径を測定するための数々の方法が当該技術分野において公知である。「平均粒径」は当該技術分野において公知である気相中での分粒により測定され、および「体積加重平均粒径」は、当該技術分野において公知であるふるい分析に基づく計測値および測定値を指す。好ましくは、平均粒径は約15μm〜約70μmであり得、および体積加重平均粒径は約30μm〜約90μmであり得る。より好ましくは、平均粒径は約25μm〜約50μmであり得、および体積加重平均粒径は約40μm〜約60μmであり得る。
【0038】
本発明の錠剤および薬剤ブレンドは、1種以上の薬学的に許容可能な賦形剤をさらに含み得る。本明細書において用いられるところ、「賦形剤」としては、これらに限定されないが、充填材または希釈剤、崩壊剤、流動促進剤、潤滑剤、粘着防止剤、香料および着色料(「薬学的賦形剤ハンドブック(Handbook of Pharmaceutical Excipients)」、第5版、レイモンドC.ロー(Raymond C.Rowe)ら編。ロンドン(London);イリノイ州グレイスレイク(Greyslake,IL):ファーマシューティカルプレス(Pharmaceutical Press);ワシントンDC(Washington,DC):米国薬剤師会(American Pharmacists Association)、2006年も参照のこと)が挙げられる。
【0039】
「流動促進剤」は、薬剤ブレンドに添加されて、錠剤の形成に用いられる薬剤ブレンドの流動性を向上させることが可能である化合物である。流動促進剤の例は、リン酸カルシウム(三塩基性)、ケイ酸カルシウム、セルロース(粉末状)、微結晶性セルロース(例えば、エンコセル(Emcocel)(登録商標)SP15)、ケイ酸マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、二酸化ケイ素、コロイド状二酸化ケイ素(例えば、Cab−O−Sil(登録商標))、スターチ(例えば、スターチ−1500、すなわち、アルファ化スターチ)、およびタルクである。好ましくは、錠剤は、コロイド状二酸化ケイ素を流動促進剤として含み得る。具体的には、錠剤は、乾燥錠剤重量を基準にして約0%〜約1%の、コロイド状二酸化ケイ素などの流動促進剤を含み得る。より具体的には、錠剤は、乾燥錠剤重量を基準にして約0.02%〜約1%の、コロイド状二酸化ケイ素などの流動促進剤を含み得る。さらにより具体的には、錠剤は、乾燥錠剤重量を基準にして約0.02%〜約0.5%の、コロイド状二酸化ケイ素などの流動促進剤を含み得る。さらにより具体的には、錠剤は、乾燥錠剤重量を基準にして約0.02%〜約0.2%または乾燥錠剤重量を基準にして約0.05%〜約0.15%の、コロイド状二酸化ケイ素などの流動促進剤を含み得る。最も具体的には、錠剤は、乾燥錠剤重量を基準にして約0.1%の、コロイド状二酸化ケイ素などの流動促進剤を含み得る。
【0040】
「潤滑剤」は、圧縮された薬剤ブレンドが錠剤化プロセスの最中に器具に固着することを防止するための、粉末ブレンドに添加することが可能である化合物である。これはまた押型からの錠剤の離型を補助し、いくつかの場合においては、薬剤ブレンドの流れの向上を補助し得る。潤滑剤の例は、ステアリン酸カルシウム、D−(+)−グルコース一水和物、モノステアリン酸グリセリン、ベヘン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル、水素化ヒマシ油、水素化植物油(タイプI)、軽鉱物油、ラウリル硫酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、マンニトール、中鎖トリグリセリド、鉱物油、ポロクサマー、ポリビニルアルコール、塩化カリウム、安息香酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、フマル酸ステアリルナトリウム(例えば、プルーブ(Pruv)(登録商標))、タルク、スターチ(例えば、スターチ−1500、すなわち、アルファ化スターチ)、ステアリン酸、亜鉛およびステアリン酸である。好ましくは、錠剤は、フマル酸ステアリルナトリウムを潤滑剤として含み得る。具体的には、錠剤は、乾燥錠剤重量を基準にして約0%〜約5%の、フマル酸ステアリルナトリウムなどの潤滑剤を含み得る。より具体的には、錠剤は、乾燥錠剤重量を基準にして約0.1%〜約5%または約0.1%〜約2.5%の、フマル酸ステアリルナトリウムなどの潤滑剤を含み得る。さらにより具体的には、錠剤は、乾燥錠剤重量を基準にして約0.1%〜約1%または約0.25%〜約0.75%の、フマル酸ステアリルナトリウムなどの潤滑剤を含み得る。最も具体的には、錠剤は、乾燥錠剤重量を基準にして約0.5%の、フマル酸ステアリルナトリウムなどの潤滑剤を含み得る。
【0041】
本発明の錠剤は、抗生物質、抗炎症剤または鎮痛薬などの1種以上の追加の薬をさらに含み得る。
【0042】
本発明の錠剤は、コーティングをさらに含み得る。「コーティング」は圧縮された錠剤処方成分を覆う材料である。好適なコーティングは、錠剤の取り扱いに耐えるよう十分に安定であると共に強固であり、コーティングプロセスの最中の錠剤同士の固着を防止し、大きな錠剤であっても嚥下を容易とする平滑な錠剤面をもたらし、錠剤の溶解を実質的に制限しない。錠剤のコートに用いられ得るコーティング配合物の例は、ラスタークリアー(LustreClear)(登録商標)、ユドラジット(Eudragit)(登録商標)EPO、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)ベースのコーティング、コリコート(Kollicoat)(登録商標)IRおよびオパドライ(Opadry)(登録商標)−IIである。好適なコーティング系は、高い固形分含有量を含むと共に、低い乾燥温度を必要とする。好ましくは、コーティング配合物は、オパドライ(Opadry)(登録商標)−IIであり得る。
【0043】
本発明の錠剤は、これらの硬度により特徴付けられることが可能である。本明細書において用いられるところ、「硬度」とは、当該技術分野において公知であるものなどの硬度試験機にこのような錠剤が縦方向で置かれたときの、錠剤を破砕させるために必要な力(本明細書において「kp」、すなわち、約9.8ニュートンに相当するキロポンドの単位で計測される)の計測値である。好ましくは、錠剤は、約30kp〜約70kpの硬度を有し得る。より好ましくは、錠剤は、約35kp〜約68kpの硬度を有し得る。最も好ましくは、硬度は、約40kp〜約66kpであり得る。
【0044】
本発明の特定の実施形態において、錠剤は、乾燥錠剤重量を基準にして少なくとも約70%のポリスチレンスルホン酸ポリマーと、乾燥錠剤重量を基準にして約5%〜約30%の、セルロースのヒドロキシプロピルエーテルまたはポリエチレングリコールと、水分とを含む。錠剤の含水量は、典型的には錠剤重量を基準にして約7%〜約13%であり、より典型的には、錠剤の含水量は錠剤重量を基準にして約8%〜約12%であり、さらにより典型的には、錠剤の含水量は錠剤重量を基準にして約9%であり得る。
【0045】
他の特定の実施形態において、錠剤は、乾燥錠剤重量を基準にして約70%〜約94%のポリスチレンスルホン酸ポリマーと、乾燥錠剤重量を基準にして約5%〜約30%の、セルロースのヒドロキシプロピルエーテルまたはポリエチレングリコールと、水分とを含む。錠剤の含水量は、典型的には錠剤重量を基準にして約7%〜約13%であり、より典型的には、錠剤の含水量は錠剤重量を基準にして約8%〜約12%であり、さらにより典型的には、錠剤の含水量は錠剤重量を基準にして約9%である。
【0046】
他の特定の実施形態において、錠剤は、乾燥錠剤重量を基準にして約70%〜約93.5%のポリスチレンスルホン酸ポリマーと、乾燥錠剤重量を基準にして約5.5%〜約30%の、セルロースのヒドロキシプロピルエーテルまたはポリエチレングリコールと、水分とを含む。錠剤の含水量は、典型的には錠剤重量を基準にして約7%〜約13%であり、より典型的には、錠剤の含水量は錠剤重量を基準にして約8%〜約12%であり、さらにより典型的には、錠剤の含水量は錠剤重量を基準にして約9%である。
【0047】
他の特定の実施形態において、錠剤は、乾燥錠剤重量を基準にして約75%〜約93.5%のポリスチレンスルホン酸ポリマーと、乾燥錠剤重量を基準にして約5.5%〜約25%の、セルロースのヒドロキシプロピルエーテルまたはポリエチレングリコールと、水分とを含む。錠剤の含水量は、典型的には錠剤重量を基準にして約7%〜約13%であり、より典型的には、錠剤の含水量は錠剤重量を基準にして約8%〜約12%であり、さらにより典型的には、錠剤の含水量は錠剤重量を基準にして約9%である。
【0048】
他の特定の実施形態において、錠剤は、乾燥錠剤重量を基準にして約80%〜約94%のポリスチレンスルホン酸ポリマーと、乾燥錠剤重量を基準にして約5%〜約20%の、セルロースのヒドロキシプロピルエーテルまたはポリエチレングリコールと、水分とを含む。錠剤の含水量は、典型的には錠剤重量を基準にして約7%〜約13%であり、より典型的には、錠剤の含水量は錠剤重量を基準にして約8%〜約12%であり、さらにより典型的には、錠剤の含水量は錠剤重量を基準にして約9%である。
【0049】
他の特定の実施形態において、錠剤は、乾燥錠剤重量を基準にして約80%〜約93.5%のポリスチレンスルホン酸ポリマーと、乾燥錠剤重量を基準にして約5.5%〜約20%の、セルロースのヒドロキシプロピルエーテルまたはポリエチレングリコールと、水分とを含む。錠剤の含水量は、典型的には錠剤重量を基準にして約7%〜約13%であり、より典型的には、錠剤の含水量は錠剤重量を基準にして約8%〜約12%であり、さらにより典型的には、錠剤の含水量は錠剤重量を基準にして約9%である。
【0050】
他の特定の実施形態において、錠剤は、乾燥錠剤重量を基準にして約80%〜約93.5%のポリスチレンスルホン酸ポリマー、乾燥錠剤重量を基準にして約6.5%〜約20%の、セルロースのヒドロキシプロピルエーテルまたはポリエチレングリコールと、水分とを含む。錠剤の含水量は、典型的には錠剤重量を基準にして約7%〜約13%であり、より典型的には、錠剤の含水量は錠剤重量を基準にして約8%〜約12%であり、さらにより典型的には、錠剤の含水量は錠剤重量を基準にして約9%である。
【0051】
他の特定の実施形態において、錠剤は、乾燥錠剤重量を基準にして約80%〜約93%のポリスチレンスルホン酸ポリマーと、乾燥錠剤重量を基準にして約6%〜約20%の、セルロースのヒドロキシプロピルエーテルまたはポリエチレングリコールと、水分とを含む。錠剤の含水量は、典型的には錠剤重量を基準にして約7%〜約13%であり、より典型的には、錠剤の含水量は錠剤重量を基準にして約8%〜約12%であり、さらにより典型的には、錠剤の含水量は錠剤重量を基準にして約9%である。
【0052】
他の特定の実施形態において、錠剤は、乾燥錠剤重量を基準にして約85%〜約90%のポリスチレンスルホン酸ポリマーと、乾燥錠剤重量を基準にして約9%〜約20%の、セルロースのヒドロキシプロピルエーテルまたはポリエチレングリコールと、水分とを含む。錠剤の含水量は、典型的には錠剤重量を基準にして約7%〜約13%であり、より典型的には、錠剤の含水量は錠剤重量を基準にして約8%〜約12%であり、さらにより典型的には、錠剤の含水量は錠剤重量を基準にして約9%である。
【0053】
他の特定の実施形態において、錠剤は、乾燥錠剤重量を基準にして約92.8%のポリスチレンスルホン酸ポリマーと、乾燥錠剤重量を基準にして約6.6%の、セルロースのヒドロキシプロピルエーテルまたはポリエチレングリコールと、水分とを含む。錠剤の含水量は、典型的には錠剤重量を基準にして約7%〜約13%であり、より典型的には、錠剤の含水量は錠剤重量を基準にして約8%〜約12%であり、さらにより典型的には、錠剤の含水量は錠剤重量を基準にして約9%である。
【0054】
本発明の他の実施形態は、乾燥錠剤重量を基準にして約80%〜約94%のポリスチレンスルホン酸ポリマーと、乾燥錠剤重量を基準にして約5%〜約20%の、セルロースのヒドロキシプロピルエーテルと、錠剤重量を基準にして約7%〜約13%の水分とを含む錠剤である。
【0055】
さらなる特定の実施形態において、錠剤は、乾燥錠剤重量を基準にして約92.8%のポリスチレンスルホン酸ポリマーと、乾燥錠剤重量を基準にして約6.6%の、セルロースのヒドロキシプロピルエーテルと、乾燥錠剤重量を基準にして約0.1%のコロイド状二酸化ケイ素と、乾燥錠剤重量を基準にして約0.5%のフマル酸ステアリルナトリウムと、錠剤重量を基準にして約9%の水分とを含む。
【0056】
本発明の他の実施形態において、錠剤は、約950mg〜約1070mgのポリスチレンスルホン酸ポリマーと、約118mg〜約236mgセルロースのヒドロキシプロピルエーテルと、錠剤重量を基準にして約7%〜約13%の水分とを含む。
【0057】
さらなる特定の実施形態において、錠剤は、約1000mgのポリスチレンスルホン酸ポリマーと、約180.18mgのセルロースのヒドロキシプロピルエーテルと、約1.287mgのコロイド状二酸化ケイ素と、約6.435mgのフマル酸ステアリルナトリウムと、錠剤重量を基準にして約9%の水分とを含む。
【0058】
他の実施形態において、本発明の錠剤は、上記14の段落のいずれか1つに記載されているとおり、好ましくは、約30kp〜約70kP、より好ましくは、約35kp〜約68kpおよび、最も好ましくは、約40kp〜約66kpである硬度によりさらに特徴付けられる。
【0059】
本発明の他の実施形態は、ポリスチレンスルホン酸ポリマーを含む薬剤ブレンドに関する。一実施形態においては、薬剤ブレンドは、上記15の段落のいずれか1つに記載されている錠剤と同一の処方成分を含み、ここで、ブレンド中のポリスチレンスルホン酸ポリマーは、好ましくは、約15μm〜約70μmの平均粒径および約30μm〜約90μmの体積加重平均粒径および、より好ましくは、約25μm〜約50μmの平均粒径および約40μm〜約60μmの体積加重平均粒径を有することによりさらに特徴付けられる。
【0060】
関連する実施形態において、薬剤ブレンドは、上記10の段落のいずれか1つに記載されている錠剤と同一の処方成分を含み、ここで、ブレンド中のポリスチレンスルホン酸ポリマーは、好ましくは、約15μm〜約70μmの平均粒径および約30μm〜約90μmの体積加重平均粒径および、より好ましくは、約25μm〜約50μmの平均粒径および約40μm〜約60μmの体積加重平均粒径を有することによりさらに特徴付けられ、セルロースのヒドロキシプロピルエーテルは、好ましくは、約20μm〜約100μmの体積加重平均粒径および、より好ましくは、約35μm〜約40μmの体積加重平均粒径による粒径分布を有することによりさらに特徴付けられる。
【0061】
特定の実施形態において、薬剤ブレンドは、ドライブレンド重量を基準にして少なくとも約70%のポリスチレンスルホン酸ポリマーと、ドライブレンド重量を基準にして約5%〜約30%の、セルロースのヒドロキシプロピルエーテルまたはポリエチレングリコールとを含む。
【0062】
他の特定の実施形態において、薬剤ブレンドは、ドライブレンド重量を基準にして約80%〜約94%のポリスチレンスルホン酸ポリマーとドライブレンド重量を基準にして約5%〜約20%の、セルロースのヒドロキシプロピルエーテルまたはポリエチレングリコールとを含む。
【0063】
他の特定の実施形態において、薬剤ブレンドは、ドライブレンド重量を基準にして約92.8%のポリスチレンスルホン酸ポリマーとドライブレンド重量を基準にして6.6%の、セルロースのヒドロキシプロピルエーテルまたはポリエチレングリコールとを含む。
【0064】
本発明のさらなる実施形態は、ポリスチレンスルホン酸ポリマーを含有する錠剤を調製する方法に関する。本明細書において示されるこの方法は、本発明の薬剤ブレンドを錠剤を形成するために好適な圧縮力で圧縮するステップを含む。好ましくは、圧縮力は、約25kN〜約60kNである。より好ましくは、圧縮力は約35kN〜約50kNである。
【0065】
ポリスチレンスルホン酸ポリマーを含有する錠剤を調製する方法は、予圧縮された薬剤ブレンドをさらに含み得る。
【0066】
本明細書において用いられるところ、「予圧縮力」とは、薬剤ブレンドを押型に入れ、脱気させるために用いられる力を指す。好ましくは、薬剤ブレンドは、約5kN〜約30kNの予圧縮力で予圧縮され得る。より好ましくは、薬剤ブレンドは、約10kN〜約20kNの予圧縮力で予圧縮され得る。最も好ましくは、薬剤ブレンドは、約15kNの予圧縮力で予圧縮され得る。
【0067】
本発明の薬剤ブレンドは、従来の製造器具を用いて錠剤に圧縮されることが可能である。好適なプレス用金型は許容可能な形状および形態の錠剤を形成する。好ましくは、楕円、浅いB−プレス用金型が用いられ得、卵型の錠剤がもたらされる。
【0068】
本発明のさらなる実施形態は、本発明の錠剤を対象に投与するステップを含む対象における医学的状態を治療する方法に関する。本明細書において用いられるところ、「医学的状態」とは、これらに限定されないが、細菌性感染症、抗生物質関連下痢(AAD)、または炎症性大腸炎でありうる。好ましくは、細菌性感染症は、病原性毒素の放出により特徴付けられる。抗生物質関連下痢の一例は、クロストリジウムディフィシル(Clostridium difficile)関連下痢(CDAD)である。本明細書において用いられるところ、「医学的状態を治療する」という用語は、特定の医学的状態の進展に関連する病原性毒素の活性の阻害を指し、医学的状態に感受性の対象の予防的治療;医学的状態の初期発症での治療;進行中の医学的状態の治療;および感受性の対象における再発性の医学的状態の治療を含み得る。本明細書において用いられるところ、「感受性の」対象とは、正常な細菌叢を破壊して例えばCDADをもたらし得る多様な抗生物質の使用、またはこのような医学的状態を生じさせる細菌への露出を含むいずれかの理由により、医学的状態を進展させるまたは医学的状態の再発の可能性がある対象である。病原性毒素は、特にこれらに限定されないが、本発明の錠剤の形態で対象に投与されたポリスチレンスルホン酸ポリマーによる病原性毒素の結合を含む、いずれかのメカニズムにより阻害されることが可能である。
【0069】
本明細書において用いられるところ、「病原性毒素」は、細菌、真菌類、原生動物またはウイルスなどの微生物により放出されるエンドトキシンまたは外毒素であり、好ましくは、病原性毒素は細菌により放出され得る。病原性毒素としては、特に限定されないが、肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)、化膿性連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)およびサングイス連鎖球菌(Streptococcus Sanguis)を含む連鎖球菌属(Streptococcus ssp.);腸炎菌(Salmonella enteritidis)を含むサルモネラ属(Salmonella spp.);カンピロバクタージェジュニ(Campylobacter jejuni)を含むカンピロバクター属(Campylobacter spp.);大腸菌(E.coli)を含むエシュリキア属(Escherichia spp.);クロストリジウムディフィシル(Clostridium difficile)およびボツリヌス菌(Clostridium botulinum)を含むクロストリジウム属(Clostridia spp.);黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)を含むブドウ球菌属(Staphylococcus spp.);志賀赤痢菌(Shigella dysenteriae)を含む志賀菌属(Shigella spp.);シュードモナスエルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)を含むシュードモナス属(Pseudomonas spp.);百日咳菌(Bordetella pertussis)を含むボルデテラ属(Bordetella spp.);リステリア菌(Listeria monocytogenes)を含むリステリア属(Listeria spp.);コレラ菌(Vibrio cholerae);エンテロコリチカ菌(Yersinia enterocolitica)を含むエルシニア属(Yersinia spp.);レジオネラニューモフィラ菌(Legionella pneumophilia)を含むレジオネラ属(Legionella spp.);炭疽菌(Bacillus anthracis)を含むバチルス属(Bacillus spp.);ヘリコバクター属(Helicobacter spp.);コリネバクテリア属(Corynebacteria spp.);アクチノバチルス属(Actinobacillus spp.);エーロモナス属(Aeromonas spp.);バクテロイデスフラジリス(Bacteroides fragilis)を含むバクテロイド属(Bacteroides spp.);骨髄炎菌(N.meningitidis)を含むナイセリア属(Neisseria spp.);カタル球菌(Moraxella catarrhalis)などのモラクセラ属(Moraxella spp.)およびパスツレラ属(Pasteurella spp.)によって生成される毒素が挙げられる。赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica)およびアカントアメーバ属(Acanthamoeba)により生成される毒素などの原生動物性毒素;および寄生性毒素もまた含まれる。特に重要な病原体は、例えば大腸菌(E.coli)菌株06:H−、0157:H7、0143および他の臨床的分離株といった大腸菌(Escherichia coli)、ならびにクロストリジウムディフィシル(Clostridium difficile)である。0157:H7などの腸管出血性大腸菌(E.coli)(EHEC)は、出血性大腸炎として知られる特徴的な非熱性の血性下痢の原因となる可能性がある。EHECは、構造および機能において志賀毒素に類似する2種の関連する細胞毒の1種または両方を高レベルで生成し、これらは、志賀様毒素(SLT IまたはSLT II)と称される。これらの志賀様毒素は、腸粘膜を損傷させて、出血性大腸炎の徴候をもたらすと考えられている。
【0070】
特定の実施形態において、病原性毒素は、クロストリジウムディフィシル(Clostridium difficile)から放出される。C.ディフィシル(C.difficile)は毒素Aおよび毒素Bの2種の毒素を生成する。毒素Aは、好中球の浸潤を促し、炎症のメディエータを放出して、体液分泌、膜浸透性変質および出血性壊死をもたらすエンテロトキシンである。毒素Bは細胞毒である。C.ディフィシル(C.difficile)は、多くの場合抗生物質関連下痢に、およびほとんどの場合大腸の重篤で、致死的である可能性のある炎症である偽膜性大腸炎に関連している。C.ディフィシル(C.difficile)感染症の治療は、典型的には、バンコマイシンまたはメトロニダゾールの投与を含む。
【0071】
本明細書において用いられるところ、C.ディフィシル(C.difficile)関連下痢(CDAD)の「治療」は:CDADに感受性の対象の予防的治療;CDADの初期発症での治療;進行中のCDADの治療および感受性の対象のCDADの再発の治療を含む。
【0072】
本明細書において用いられるところ、「治療的有効量」は、対象の身体中あるいは身体上での毒素の作用に関連する組織損傷または他の症状部分的にあるいは完全に阻害または予防するために十分な量、または、このような症状のさらなる進行を予防または低減させるために十分な量である。必要とする対象に投与される薬学的活性処方成分(例えば、ポリスチレンスルホン酸ポリマー)の量は、個体毎に判定されることとなり、個体の大きさ、公知のまたは疑わしい病原性生体(例えばクロストリジウムディフィシル(Clostridium difficile))の同定、治療される症状の重症度ならびに、目標とされる結果を考慮することにより、少なくとも部分的に判定されることとなる。対象に投与される錠剤の「治療的に有効な数」は、上述のとおり判定される治療的有効量に基づくであろう。
【0073】
ポリスチレンスルホン酸ポリマーは、約0.1g/日〜約10g/日およびより好ましくは約1.0g/日〜約7.0g/日およびさらにより好ましくは約2.0g/日〜約6.6g/日の投与量で投与され得る。最も好ましくは、ポリスチレンスルホン酸ポリマーは、約3.0g/日〜約6.0g/日の投与量で投与され得る。例えば、本発明の錠剤に関しては、約1gポリスチレンスルホン酸ポリマーの投与量では、従って、約十分の一〜約10錠が毎日投与され得、より好ましくは約1〜約7錠が毎日投与され得、さらにより好ましくは約2〜約6.6錠が毎日投与され得、最も好ましくは約3〜約7錠が毎日投与され得る。
【0074】
治療的有効量および対応する錠剤数は、一回の投薬量または数時間などの適切な時間間隔により分割された一連の投薬量で投与されることが可能である。
【0075】
本発明の錠剤はまた、例えば当該技術分野において公知である抗生物質から選択される1種以上の抗菌剤と組み合わせて投与されることが可能である。投与される抗生物質は、一般に、当該技術分野において公知であるとおり、病原性微生物のアイデンティティまたは疑わしいアイデンティティに基づいて選択される。例えば、病原性微生物がC.パルブム(C.parvum)である場合、この錠剤と組み合わせて投与されることが可能である1つの好適な抗生物質はパロモマイシンである。錠剤および抗菌剤は、例えば、個別の剤形で、または単一の剤形で、または適切な時間間隔で区切られた順番で同時に投与されることが可能である。
【0076】
他の実施形態において、治療される状態は、抗生物質関連下痢または偽膜性大腸炎などのC.ディフィシル(C.difficile)誘発性胃腸炎である。この実施形態において、本発明の錠剤は、任意により、少なくとも部分的にC.ディフィシル(C.difficile)に対して有効である、バンコマイシンおよびメトロニダゾールなどの1種以上の抗生物質薬剤との組み合わせで投与されることが可能である。
【0077】
「抗菌剤」という用語は、抗細菌剤、抗真菌剤、消毒薬等を含むことが意図される。好適な抗菌剤は当該技術分野において公知であり、イソニアジド、リファンピン、ピラジナミド、エタンブトール、エリスロマイシン、バンコマイシン、テトラサイクリン、クロラムフェニコール、スルホンアミド、ゲンタマイシン、アモキシシリン、ペニシリン、ストレプトマイシン、p−アミノサリチル酸、クラリスロマイシン、クロファジミン、ミノサイクリン、スルホンアミド、エチオナミド、サイクロセリン、カナマイシン、アミカシン、カプレオマイシン、バイオマイシン、チオアセタゾン、リファブチン、ならびに、シプロフロキサシン、オフロキサシンおよびスパロフロキサシンなどのキノロンが挙げられる。「抗細菌剤」という用語は、特に限定されないが:他の微生物の成長を抑制する微生物によって生成される天然の抗生物質、および殺細菌活性または静菌活性のいずれかを有する実験室において合成されまたは変性された薬剤であって、例えば、例えばカルベニシリン;アンピシリン、クロキサシリン、オキサシリンおよびピペラシリンを含むβ−ラクタム抗細菌剤;例えばセファクロール、セファマンドール、セファゾリン、セフォペラゾン、セフタキシム、セフォキシチン、セフタジジム、セフトリアゾンを含むセファロスポリンおよび他のセフェム系抗生物質、ならびに例えば、イミペネムおよびメロペネムを含むカルバペネム;およびグリコペプチド、マクロライド、キノロン(例えばナリジクス酸)、テトラサイクリン、アミノグリコシド(例えばゲンタマイシンおよびパロモマイシン)が挙げられ、抗真菌剤がさらに挙げられる。普通、抗細菌剤が静細菌性である場合、これは、薬剤は、細菌性細胞増殖を基本的に停止させる(しかし、細菌を死滅させない)ことを意味し;薬剤が殺菌性である場合、これは、薬剤は、細菌性細胞を死滅させる(および細菌を死滅させる前に増殖を停止させ得る)ことを意味する。
【0078】
本発明は、如何様にも制限的であるとは意図されない以下の実施例によって説明される。
【実施例】
【0079】
実施例1
薬剤ブレンドは、ブレンド重量を基準として80%のポリスチレンスルホン酸ナトリウム(GT160〜246)、ブレンド重量を基準として16%の各バインダー、ブレンド重量を基準として3.9%のエンコセル(Emcocel)(登録商標)SP15(微結晶性セルロース)、およびブレンド重量を基準として0.1%のプルーブ(Pruv)(登録商標)(フマル酸ステアリルナトリウム)を含有していた。ブレンド処方成分は混合前に乾燥させなかった。従って、薬剤ブレンドは、ブレンド重量を基準として約5%〜6%の水分を含有していた。薬剤ブレンドを、およそ30kp〜50kpの錠剤硬度および約950mgの錠剤重量を有するカプセル形状の錠剤に圧縮した。ほとんどのブレンドの乏しい流動特性により、錠剤圧縮における強制供給器の使用が有利であった。3種の異なる圧縮力(約30kN、37kNおよび45kN)および3種の予圧縮力(約6kN、10kNおよび15kN)を採用した。錠剤キャッピングおよびクラッキングなどの錠剤の物理的特徴を観察した。薬剤ブレンド中に用いたバインダーは、HPCLH−22(セルロースの低置換ヒドロキシプロピルエーテル;供給元:信越化学工業株式会社(ShinEtsu Chemical Co.Ltd.))、HPCLH−32(供給元:信越化学工業株式会社(ShinEtsu Chemical Co.Ltd.))、コリドン(Kollidon)(登録商標)VA−64(コポビドン;供給元:BASF)、プラスドン(Plasdone)(登録商標)S−630(供給元:ISPテクノロジー社(ISP Technologies Inc.))、メトセル(Methocel)(登録商標)A15 Prem LV(メチルセルロース;供給元:ダウケミカルカンパニー(Dow Chemical Company))、PEG−8000(ポリエチレングリコール;供給元:ユニオンカーバイド社(Union Carbide Corporation))、およびクルセル(Klucel)(登録商標)EXAF Pharm(セルロースのヒドロキシプロピルエーテル;供給元:ヘラクレス社(Hercules Inc.)、アクアロン(Aqualon)部門)であった。
【0080】
バインダー粒径の影響を調べるために、異なる粒径のL−HPCを評価した(LH−22およびLH−32)。異なるバインダを含有する錠剤(コーティング無)について判定した物理的特徴がいかに示されている(:±2kNの範囲で変化した実際値;**5回の計測について;***錠剤の側部に生じる1つ以上のクラックに相当する)。
【0081】
【表1】

【0082】
【表2】

【0083】
【表3】

【0084】
クルセル(Klucel)EXAFおよびPEG−8000を含有する薬剤ブレンドのみが良好な流動特性を示し、すべての圧縮力でクラックフリーの許容可能な錠剤を生成したことが見出された。最低限の圧縮力(すなわち、30kN)について、クラックフリー錠剤は、最高の予圧縮力(すなわち、15kN)についてのみ得られた。一般に、圧縮中の予圧縮力の加圧が高い圧縮力でもキャッピングおよびクラッキングを最低限とすることが見出された。
【0085】
さらなる実験において、1150mg以下の錠剤重量が、クルセル(Klucel)EXAFおよびPEG−8000を含有する薬剤ブレンドについて達成された。
【0086】
実施例2
Cab−O−Sil(登録商標)(すなわち、コロイド状二酸化ケイ素;供給元:カボットコーポレーション(Cabot Corporation))を流動促進剤として選択した。薬剤ブレンドは、ブレンド重量を基準として80%のポリスチレンスルホン酸ナトリウム(GT160〜246)、ブレンド重量を基準として16%のPEG−8000、ブレンド重量を基準として3.9%、3.8%、3.6%または3.4%のエンコセル(Emcocel)(登録商標)SP15(微結晶性セルロース)、ブレンド重量を基準として0%、0.1%、0.3%または0.5%のCab−O−Sil(登録商標)およびブレンド重量を基準として0.1%のプルーブ(Pruv)(登録商標)(すなわち、フマル酸ステアリルナトリウム;供給元:ピューエストファーマシューティカルカンパニー(Pewest Pharmaceutical Company))を含有していた。ブレンド処方成分は、混合前に乾燥させなかった。従って、薬剤ブレンドは、ブレンド重量を基準として約5%〜6%の水分を含有していた。
【0087】
薬剤ブレンドを、カプセル形状の錠剤に圧縮した。達成された最大錠剤重量が以下に示されている。
【0088】
【表4】

【0089】
結果は、0.1%コロイド状二酸化ケイ素を組み込むことで、著しく高い錠剤重量を達成することが可能であったことを示す。加えて、向上したブレンド流動特徴を、配合物における0.1%コロイド状二酸化ケイ素との圧縮の最中に観察した。しかしながら、0.1%から0.5%への濃度の上昇は、流動特徴をさらに改善することはなく、また錠剤重量を著しくさらに増加させることもなかった。
【0090】
錠剤の側部でのキャッピングまたはクラッキングを、低い圧縮力について観察した。より低い予圧縮力と組み合わせた37kNの圧縮力は、クラックの生じた錠剤をいくつかの場合においてもたらした。45kNの圧縮力は、すべての予圧縮力でクラックフリー錠剤を生成した。
【0091】
実施例3
85.4%トレバマー(TOLEVAMER)(すなわち、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムおよびポリスチレンスルホン酸カリウムのコポリマー)、14%クルセル(Klucel)(登録商標)EXF(すなわち、セルロースのヒドロキシプロピルエーテル;供給元:ヘラクレス社(Hercules Inc.)(アクアロン(Aqualon)部門))、0.1%Cab−O−Sil(登録商標)(すなわち、コロイド状二酸化ケイ素;供給元:カボットコーポレーション(Cabot Corporation))および0.5%プルーブ(Pruv)(登録商標)(すなわち、フマル酸ステアリルナトリウム;供給元:ピューエストファーマシューティカルカンパニー(Pewest Pharmaceutical Company))から構成される薬剤ブレンドを、1000mgの無水有効薬学的処方成分(API)、すなわち、トレバマー(TOLEVAMER)を含有する1287mg錠剤に圧縮した。
【0092】
トレバマー(TOLEVAMER)ロット1はハマリ(Hamari)から入手し、およびロット2〜4は、異なる噴霧乾燥プロセスパラメータを用いてハーバーヒル(Haverhill)で製造した。トレバマー(TOLEVAMER)ロットの物理特性、特に、乾燥減量(LOD)、平均粒径および体積加重平均を、当該技術分野において公知である方法を用いて測定した。ロットは、以下に示されるとおり、含水量(すなわち、乾燥減量)およびポリスチレンスルホン酸ポリマー粒径において異なっていた。
【0093】
【表5】

【0094】
全てのロットを同一の方法でブレンドした。APIのLODを計測し、次いで、V−シェルブレンダーにおいてAPIをクルセル(Klucel)(登録商標)EXFとブレンドした。このブレンドのLODを計測し、高せん断混合下に、算出した水の量をマイクロ噴霧器を用いてブレンドに添加した。薬剤ブレンドの最終的なLODを9%に調整した。薬剤ブレンドの最終含水量に関して、8%、9%および10%含水量(LOD)に調整された所与の薬剤ブレンドについては、圧縮成形性結果における差に顕著な損失はないことが見出された。
【0095】
3種の異なる圧縮力(35kN、40kNおよび45kN)および15kNの一定の予圧縮を用いてブレンドを錠剤に圧縮して、種々の薬剤ブレンドから錠剤を調製した。特に記載されていなければ錠剤プレス速度は40rpmであった。圧縮に用いた金型は、0.748×0.405×0.060インチの寸法を有する楕円形の、浅いB−プレス用金型であった。この金型は、最良の錠剤幾何学的形状および物理的特徴をもたらすことが見出された。この金型の1つの利点は、錠剤クラッキングの防止に優れていると見出されたその浅いカップ深さである。JCMCO−ヘルススター(Healthstar)20ステーション計装B−プレスを、すべての錠剤圧縮のために用いた。
【0096】
トレバマー(TOLEVAMER)ロット4は良好に圧縮されず、40rpmプレス速度でのすべての圧縮力で弱い錠剤が得られた。錠剤プレス速度を、加圧保持時間の延長が許容可能な錠剤を形成することとなるかを調べるために20rpmに減速した。
【0097】
APIの種々のロットのすべての圧縮試験についての結果が以下に示されている。
【0098】
【表6】

【0099】
結果は、トレバマー(TOLEVAMER)ロット1、2および3により実証された圧縮特徴はきわめて類似していたことを示す。9%の最終的なLODを達成するために異なる水の量をロット2および3を含有するブレンドに添加すると共に、両方のブレンドをそれ故異なる回数の高せん断混合に供したことに注意されたい。しかしながら、この差にかかわらず、APIの2つのロットの上述の水分が調整されたブレンドの圧縮成形性に、顕著な差を観察することはできなかった。他のロットより大きい平均粒径を有するトレバマー(TOLEVAMER)ロット4は、同様の圧縮特徴を示さなかった。圧縮された錠剤は脆弱であると共に厚く、コーティングプロセスには許容可能ではなかった。加圧保持時間を延長する試みのための40rpmから20rpmへのプレス速度の減速は、匹敵する圧縮成形性の達成を補助せず、これは、APIの平均粒径が大きくなるに伴って、薬剤ブレンドの圧縮成形性が低下することを示している。
【0100】
これらの結果は、ポリスチレンスルホン酸ポリマーの平均粒径は、適切な硬度および圧縮成形性を有する錠剤の調製を許容するために、十分に小さい必要があることを示す。
【0101】
トレバマー(TOLEVAMER)錠剤の調製に好適であると見出された体積加重平均粒径および対応する粒径分布(乾量基準)のさらなる実施例が以下に示されている。
【0102】
【表7】

【0103】
実施例4
評価したコーティング材料は、HPMCベースのコーティング、コリコート(Kollicoat)(登録商標)IR(すなわち、BASF製の瞬間放出性コーティング配合物)およびオパドライ(Opadry)(登録商標)II(すなわち、PVAベースのコーティング)を含んでいた。
【0104】
コーティングプロセス最適化は、最適なコーティング温度、エアフロー、パン速度および噴霧速度の測定を含む。コーティングに重要なパラメータは、排気および吸気温度ならびにこれらの高温条件下に錠剤がある時間であった。所望の重量増加を達成するために錠剤をより長いコーティングプロセスに供した際には、錠剤は裂けまたはクラックを中心で生じる傾向にあったことが観察された。従って、より短いコーティングプロセスおよびコーティング中のより低い温度が、トレバマー(TOLEVAMER)錠剤のコーティングのためにより好適であると考えられる。
【0105】
HPMCベースのコーティング(例えば、HPMC E−5、E−15および可塑剤の混合物から構成されるスペクトラブレンド(Spectrablend)(登録商標))は低い固形分含有量(約5%)およびそれを超える水を含み、その結果、より高い乾燥温度および、一般により長いコーティングプロセスを必要とする。しかも、HPMCベースのコーティングは、錠剤の表面上に気泡を形成し、これは、コーティングプロセスの初めに遅い噴霧速度および早いパン速度を用いて、より硬い錠剤をコーティングすることにより解消することが可能であることが見出された。
【0106】
コリコート(Kollicoat)(登録商標)IRコーティングは、収率無光沢の仕上げおよび粗い表面の錠剤をもたらすことが見出された。
【0107】
トレバマー(TOLEVAMER)錠剤のコーティングについて、高い固形分含有量を含むことが可能であるコーティング配合物は低い乾燥温度を必要とし、十分速く溶解することが所望される。オパドライ(Opadry)(登録商標)−II、PVA(ポリビニルアルコール)ベースのコーティング配合物はこれらの判断基準を満たすことが見出された。オパドライ(Opadry)(登録商標)−IIは20%の固形分含有量を含み、これは、およそ5%の所望の重量増加を比較的短い全体コーティングプロセスにもたらし、それ故、錠剤が乾燥温度および混転条件下に過ごさなければならない時間が短縮される。また、オパドライ(Opadry)(登録商標)−IIコーティング系について推奨される乾燥温度はより低い(約50℃排気温度)。オパドライ(Opadry)(登録商標)−IIでの溶解速度は、HPMCベースのコーティングと比してより速いことが見出された。オパドライ(Opadry)(登録商標)−IIを用いて最良に作用することが見出されたコーティングパラメータは以下のとおりである。
コーティング配合物のパーセント固形分含有量=20%
吸気温度=72〜76℃
排気温度=50〜55℃
乾燥空気=250cfm
噴霧空気=50psi
噴霧速度=20g/分
パン速度=14rpm
パン負荷=2.5kg
器具:19−インチパンを備えるトーマスエンジニアリングアクセラコッタ(Thomas Engineering Accela−Cota)
【0108】
実施例5
トレバマー(TOLEVAMER)1gm錠剤の製造プロセスは、ブレンドする工程、湿潤化する工程(水分調整)、水分測定、スクリーニングする工程、潤滑する工程、圧縮、および錠剤コーティングする工程を含む。
【0109】
トレバマー(TOLEVAMER)(GT267〜004)、ヒドロキシプロピルセルロース(クルセル(Klucel)(登録商標)EXF)、およびコロイド状二酸化ケイ素(Cab−O−Sil(登録商標))の規定量(以下の表に示される配合に係る)を分取し、V−型ブレンダー中に5分間混合した。ブレンドした粉末を入れ、および30メッシュステンレススクリーンを通過させた。ヒドロキシプロピルセルロースおよびコロイド状二酸化ケイ素の分散を高めるために、スクリーニングした粉末をV−型ブレンダーに戻し、さらに5分間混合した。ブレンドした混合物を、水分調整のために高せん断造粒機に移した。高せん断造粒機を400rpmのインペラ速度および1000rpmのチョッパ速度で作動させている間に、マイクロ噴霧シリンジで水を粉末ブレンドに添加した。水分調整ステップが完了したら、湿潤化粉末混合物の含水量を120℃で15分間ハロゲン水分分析により試験して、湿潤化ブレンドの含水量をおよそ9%に確保した。湿潤化混合物を、次いで造粒機から出し、粉砕するために30メッシュスクリーンを備えるコミル(co−mill)に通した。コミルにかけた混合物を、5分間V−型ブレンダーを用いて、フマル酸ステアリルナトリウム(プルーブ(Pruv)(登録商標))で潤滑化した。潤滑粉末を、回転錠剤プレスを用いて核錠剤に圧縮した。予圧縮力および主圧縮力は、それぞれ、15kNおよび35〜45kNに設定した。核錠剤を、オパドライ(Opadry)(登録商標)−IIオレンジ色コーティング材料で、従来のコーティングパンを用いてフィルムコートして、3.5%重量増加を達成した。
【0110】
【表8】

【0111】
組成物Aは、80μm〜100μmの範囲で体積加重平均粒子径を有するクルセル(Klucel)EXFを含有していた。組成物B、CおよびDは、35μm〜40μm(マスターサイザー(Mastersizer)を用いて計測した)の範囲で体積加重平均粒径を有するジェットミルにかけた(当該技術分野において公知であるエアジェットミリング技術を用いて)クルセル(Klucel)EXFを含有していた。組成物A、B、およびCは許容可能な錠剤をもたらしたが、その一方で、組成物Dの錠剤は許容可能ではなかった。
【0112】
本発明が、その好ましい実施形態を参照して、詳細に示されおよび説明されてきたが、当業者には、添付の特許請求の範囲に包含される本発明の範囲から逸脱することなく、形態および詳細における種々の変更がなされ得ることが理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥錠剤重量を基準にして少なくとも約70%のポリスチレンスルホン酸ポリマーと、バインダーと、水分とを含む錠剤。
【請求項2】
前記バインダーが、無水グルコース単位当たり0.4超〜4.6以下のヒドロキシプロピル基により特徴付けられるセルロースのヒドロキシプロピルエーテルである請求項1に記載の錠剤。
【請求項3】
乾燥錠剤重量を基準にして約5%〜約30%の、セルロースのヒドロキシプロピルエーテルを含む請求項2に記載の錠剤。
【請求項4】
錠剤重量を基準にして約7%〜約13%の水分を含む請求項3に記載の錠剤。
【請求項5】
乾燥錠剤重量を基準にして約80%〜約94%がポリスチレンスルホン酸ポリマーである請求項2に記載の錠剤。
【請求項6】
乾燥錠剤重量を基準にして約5%〜約20%の、セルロースのヒドロキシプロピルエーテルを含む請求項5に記載の錠剤。
【請求項7】
錠剤重量を基準にして約7%〜約12%の水分を含む請求項6に記載の錠剤。
【請求項8】
乾燥錠剤重量を基準にして約80%〜約93.5%がポリスチレンスルホン酸ポリマーである請求項2に記載の錠剤。
【請求項9】
乾燥錠剤重量を基準にして約6.5%〜約20%の、セルロースのヒドロキシプロピルエーテルを含む請求項8に記載の錠剤。
【請求項10】
錠剤重量を基準にして約8%〜約12%の水分を含む請求項9に記載の錠剤。
【請求項11】
乾燥錠剤重量を基準にして約92.8%がポリスチレンスルホン酸ポリマーである請求項2に記載の錠剤。
【請求項12】
乾燥錠剤重量を基準にして約6.6%の、セルロースのヒドロキシプロピルエーテルを含む請求項11に記載の錠剤。
【請求項13】
錠剤重量を基準にして約9%の水分を含む請求項12に記載の錠剤。
【請求項14】
前記バインダーがポリエチレングリコールである請求項1に記載の錠剤。
【請求項15】
乾燥錠剤重量を基準にして約5%〜約30%のポリエチレングリコールを含む請求項14に記載の錠剤。
【請求項16】
錠剤重量を基準にして約7%〜約13%の水分を含む請求項15に記載の錠剤。
【請求項17】
乾燥錠剤重量を基準にして約80%〜約94%がポリスチレンスルホン酸ポリマーである請求項14に記載の錠剤。
【請求項18】
乾燥錠剤重量を基準にして約5%〜約20%のポリエチレングリコールを含む請求項17に記載の錠剤。
【請求項19】
錠剤重量を基準にして約7%〜約12%の水分を含む請求項18に記載の錠剤。
【請求項20】
乾燥錠剤重量を基準にして約80%〜約93.5%がポリスチレンスルホン酸ポリマーである請求項14に記載の錠剤。
【請求項21】
乾燥錠剤重量を基準にして約6.5%〜約20%のポリエチレングリコールを含む請求項20に記載の錠剤。
【請求項22】
錠剤重量を基準にして約8%〜約12%の水分を含む請求項21に記載の錠剤。
【請求項23】
前記ポリスチレンスルホン酸ポリマーがポリスチレンスルホン酸ナトリウムである請求項1に記載の錠剤。
【請求項24】
前記ポリスチレンスルホン酸ポリマーがスチレンスルホン酸ナトリウムとスチレンスルホン酸カリウムとのコポリマーである請求項1に記載の錠剤。
【請求項25】
前記コポリマーが、30%〜80%のスチレンスルホン酸ナトリウムおよび70%〜20%のスチレンスルホン酸カリウムを含有する請求項13に記載の錠剤。
【請求項26】
流動促進剤および潤滑剤をさらに含む請求項1〜25のいずれか一項に記載の錠剤。
【請求項27】
前記流動促進剤がコロイド状二酸化ケイ素であり、前記潤滑剤がフマル酸ステアリルナトリウムである請求項26に記載の錠剤。
【請求項28】
乾燥錠剤重量を基準にして約0.1%がコロイド状二酸化ケイ素であり、および乾燥錠剤重量を基準にして約0.5%がフマル酸ステアリルナトリウムである請求項27に記載の錠剤。
【請求項29】
前記錠剤がコーティングをさらに含む請求項1に記載の錠剤。
【請求項30】
乾燥錠剤重量を基準にして約80%〜約94%のポリスチレンスルホン酸ポリマーと、無水グルコース単位当たり0.4超〜4.6以下のヒドロキシプロピル基により特徴付けられる、乾燥錠剤重量を基準にして約5%〜約20%の、セルロースのヒドロキシプロピルエーテルと、錠剤重量を基準にして約7%〜約13%の水分とを含む錠剤。
【請求項31】
乾燥錠剤重量を基準にして約92.8%のポリスチレンスルホン酸ポリマーと、無水グルコース単位当たり0.4超〜4.6以下のヒドロキシプロピル基により特徴付けられる、乾燥錠剤重量を基準にして約6.6%の、セルロースのヒドロキシプロピルエーテルと、乾燥錠剤重量を基準にして約0.1%のコロイド状二酸化ケイ素と、乾燥錠剤重量を基準にして約0.5%のフマル酸ステアリルナトリウムと、錠剤重量を基準にして約9%の水分とを含む請求項30に記載の錠剤。
【請求項32】
約860mg〜約1080mgのポリスチレンスルホン酸ポリマーと、無水グルコース単位当たり0.4超〜4.6以下のヒドロキシプロピル基により特徴付けられる約54mg〜約215mgのセルロースのヒドロキシプロピルエーテルと、錠剤重量を基準にして約7%〜約13%の水分とを含む錠剤。
【請求項33】
約1000mgのポリスチレンスルホン酸ポリマーと、無水グルコース単位当たり0.4超〜4.6以下のヒドロキシプロピル基により特徴付けられる約71.1mgセルロースのヒドロキシプロピルエーテルと、約1.19mgのコロイド状二酸化ケイ素と、約5.93mgのフマル酸ステアリルナトリウムと、錠剤重量を基準にして約9%の水分とを含む請求項30に記載の錠剤。
【請求項34】
前記錠剤が約1000mgのポリスチレンスルホン酸ポリマーを含有する請求項1〜33のいずれか一項に記載の錠剤。
【請求項35】
乾燥錠剤重量を基準にして少なくとも約70%のポリスチレンスルホン酸ポリマーを含み、約30kp〜約70kpの硬度を有する錠剤。
【請求項36】
乾燥錠剤重量を基準にして約80%〜約94%のポリスチレンスルホン酸ポリマーを含む請求項35に記載の錠剤。
【請求項37】
前記錠剤の硬度が約40kp〜約66kPである請求項36に記載の錠剤。
【請求項38】
乾燥錠剤重量を基準にして約80%〜約93%のポリスチレンスルホン酸ポリマーを含む請求項35に記載の錠剤。
【請求項39】
前記錠剤の硬度が約40kp〜約66kPである請求項38に記載の錠剤。
【請求項40】
乾燥錠剤重量を基準にして約92.8%のポリスチレンスルホン酸ポリマーを含む請求項39に記載の錠剤。
【請求項41】
ドライブレンド重量を基準にして少なくとも約70%のポリスチレンスルホン酸ポリマーと、バインダーとを含む薬剤ブレンド。
【請求項42】
前記バインダーが、無水グルコース単位当たり0.4超〜4.6以下のヒドロキシプロピル基により特徴付けられるセルロースのヒドロキシプロピルエーテルである請求項41に記載の薬剤ブレンド。
【請求項43】
前記セルロースのヒドロキシプロピルエーテルが、約20μm〜約100μmの体積加重平均粒径による粒径分布によりさらに特徴付けられる請求項42に記載の薬剤ブレンド。
【請求項44】
前記セルロースのヒドロキシプロピルエーテルが、約35μm〜約40μmの体積加重平均粒径による粒径分布により特徴付けられる請求項42に記載の薬剤ブレンド。
【請求項45】
前記ポリスチレンスルホン酸ポリマーが、約15μm〜約70μmの平均粒径による粒径分布および約30μm〜約90μmの体積加重平均粒径による粒径分布により特徴付けられる請求項41に記載の薬剤ブレンド。
【請求項46】
前記ポリスチレンスルホン酸ポリマーが、約25μm〜約50μmの平均粒径による粒径分布および約40μm〜約60μmの体積加重平均粒径による粒径分布により特徴付けられる請求項45に記載の薬剤ブレンド。
【請求項47】
前記ポリスチレンスルホン酸ポリマーが、約15μm〜約70μmの平均粒径による粒径分布および約30μm〜約90μmの体積加重平均粒径による粒径分布により特徴付けられ、ならびに、前記セルロースのヒドロキシプロピルエーテルが、約20μm〜約100μmの体積加重平均粒径による粒径分布によりさらに特徴付けられる請求項42に記載の薬剤ブレンド。
【請求項48】
前記ポリスチレンスルホン酸ポリマーが、約25μm〜約50μmの平均粒径による粒径分布および約40μm〜約60μmの体積加重平均粒径による粒径分布により特徴付けられ、ならびに、前記セルロースのヒドロキシプロピルエーテルが、約35μm〜約40μmの体積加重平均粒径による粒径分布によりさらに特徴付けられる請求項47に記載の薬剤ブレンド。
【請求項49】
ドライブレンド重量を基準にして約5%〜約30%の、セルロースのヒドロキシプロピルエーテルを含む請求項42に記載の薬剤ブレンド。
【請求項50】
ブレンド重量を基準として約7%〜約13%の水分をさらに含む請求項49に記載の薬剤ブレンド。
【請求項51】
ドライブレンド重量を基準にして約80%〜約94%がポリスチレンスルホン酸ポリマーである請求項42に記載の薬剤ブレンド。
【請求項52】
ドライブレンド重量を基準にして約5%〜約20%の、セルロースのヒドロキシプロピルエーテルを含む請求項51に記載の薬剤ブレンド。
【請求項53】
ブレンド重量を基準として約7%〜約12%の水分をさらに含む請求項52に記載の薬剤ブレンド。
【請求項54】
ドライブレンド重量を基準にして約80%〜約93.5%がポリスチレンスルホン酸ポリマーである請求項42に記載の薬剤ブレンド。
【請求項55】
ドライブレンド重量を基準にして約6.5%〜約20%の、セルロースのヒドロキシプロピルエーテルを含む請求項54に記載の薬剤ブレンド。
【請求項56】
ブレンド重量を基準として約8%〜約12%の水分をさらに含む請求項55に記載の薬剤ブレンド。
【請求項57】
ドライブレンド重量を基準にして約92.8%がポリスチレンスルホン酸ポリマーである請求項42に記載の薬剤ブレンド。
【請求項58】
ドライブレンド重量を基準にして約6.6%の、セルロースのヒドロキシプロピルエーテルを含む請求項57に記載の薬剤ブレンド。
【請求項59】
ブレンド重量を基準として約9%の水分をさらに含む請求項58に記載の薬剤ブレンド。
【請求項60】
前記バインダーがポリエチレングリコールである請求項41に記載の薬剤ブレンド。
【請求項61】
ドライブレンド重量を基準にして約8%〜30%のポリエチレングリコールを含む請求項60に記載の薬剤ブレンド。
【請求項62】
ブレンド重量を基準として約7%〜約13%の水分をさらに含む請求項61に記載の薬剤ブレンド。
【請求項63】
ドライブレンド重量を基準にして約80%〜約90%がポリスチレンスルホン酸ポリマーである請求項60に記載の薬剤ブレンド。
【請求項64】
約10%〜約20%(ドライブレンド重量基準)のポリエチレングリコールを含む請求項63に記載の薬剤ブレンド。
【請求項65】
ブレンド重量を基準として約8%〜約12%の水分をさらに含む請求項64に記載の薬剤ブレンド。
【請求項66】
前記ポリスチレンスルホン酸ポリマーがポリスチレンスルホン酸ナトリウムである請求項41に記載の薬剤ブレンド。
【請求項67】
前記ポリスチレンスルホン酸ポリマーがスチレンスルホン酸ナトリウムとスチレンスルホン酸カリウムとのコポリマーである請求項41に記載の薬剤ブレンド。
【請求項68】
前記コポリマーが、30%〜80%のスチレンスルホン酸ナトリウムおよび70%〜20%のスチレンスルホン酸カリウムを含有する請求項67に記載の薬剤ブレンド。
【請求項69】
前記ブレンドが、約9N/kN〜約20N/kNの圧縮成形性を有する請求項41に記載の薬剤ブレンド。
【請求項70】
請求項36〜57のいずれか一項に記載の薬剤ブレンドを約25kN〜約60kNの圧縮力で圧縮して錠剤を形成するステップを含む、ポリスチレンスルホン酸ポリマーを含む錠剤を調製する方法。
【請求項71】
前記薬剤ブレンドが、約5kN〜約30kNの予圧縮力で予圧縮される請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記圧縮力が約35kN〜約50kNである請求項70に記載の方法。
【請求項73】
前記薬剤ブレンドが、約10kN〜約20kNの予圧縮力で予圧縮される請求項70に記載の方法。
【請求項74】
対象における細菌性感染症を治療する方法であって、前記細菌性感染症が病原性毒素の放出により特徴付けられ、治療的に有効な数の請求項1〜40のいずれか一項に記載の錠剤を対象に投与するステップを含む方法。
【請求項75】
前記病原性毒素が、連鎖球菌属(Streptococcus ssp.);サルモネラ菌属(Salmonella spp.);カンピロバクター属(Campylobacter spp.);大腸菌属(Escherichia spp.);クロストリジウム属(Clostridia spp.);ビブリオ属(Vibrio spp.);ブドウ球菌属(Staphylococcus spp.);赤痢菌属(Shigella spp.);シュードモナス属(Pseudomonas spp.);ボルデテラ属(Bordetella spp.);リステリア属(Listeria spp.);エルシニア属(Yersinia spp.);レジオネラ属(Legionella spp.);バチルス属(Bacillus spp.);ヘリコバクター属(Helicobacter spp.);コリネバクテリウム属(Corynebacteria spp.);アクチノバチルス属(Actinobacillus spp.);エーロモナス属(Aeromonas spp.);バクテロイデス属(Bacteroides spp.)およびパスツレラ属(Pasteurella spp.)からなる群から選択される細菌から放出される請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記病原性毒素が、肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)、化膿性連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)、腸炎菌(Salmonella enteritidis)、カンピロバクタージェジュニ(Campylobacter jejuni)、大腸菌(Escherichia coli)、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、志賀赤痢菌(Shigella dysenteriae)、シュードモナスエルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、百日咳菌(Bordetella pertussis)、リステリア菌(Listeria monocytogenes)、エンテロコリチカ菌(Yersinia enterocolitica)、レジオネラニューモフィラ菌(Legionella pneumophilia)および炭疽菌(Bacillus anthracis)からなる群から選択される細菌から放出される請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記病原性毒素が、クロストリジウムディフィシル(Clostridium difficile)から放出される請求項74に記載の方法。
【請求項78】
治療的に有効な数の請求項1〜40のいずれか一項に記載の錠剤を対象に投与することを含む、対象における抗生物質関連下痢を治療する方法。
【請求項79】
治療的に有効な数の請求項1〜40のいずれか一項に記載の錠剤を対象に投与することを含む、対象におけるクロストリジウムディフィシル(Clostridium difficile)関連下痢を治療する方法。

【公表番号】特表2010−502709(P2010−502709A)
【公表日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−527405(P2009−527405)
【出願日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際出願番号】PCT/US2007/019432
【国際公開番号】WO2008/030512
【国際公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(591042816)ジェンザイム コーポレーション (20)
【Fターム(参考)】