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ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物および成形体
説明

ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物および成形体

【課題】帯電防止性に優れたポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を提供する。
【解決手段】ポリフェニレンエーテル系樹脂(A)99質量%〜51質量%と、エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体をアルカリけん化してなり、アルカリ金属イオン濃度が0.1〜5.8モル/kgの範囲にある重合体けん化物(B)1質量%〜49質量%と、を含むポリフェニレンエーテル系樹脂組成物(但し、前記ポリフェニレンエーテル系樹脂(A)の含有量と前記重合体けん化物(B)の含有量との合計を100質量%とする)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物および成形体に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂は、1957年にGE(General Electric)社のA.Hayにより酸化カップリング法により合成され、1965年にGE社によって工業化された樹脂である。
【0003】
ポリフェニレンエーテル樹脂の加工性を向上させるために、単体のポリフェニレンエーテル樹脂と、ポリスチレン系樹脂やポリアミド系樹脂などの他の樹脂と、を含む混合物(ポリマーアロイ)も検討されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
これらの混合物(ポリマーアロイ)は「変性ポリフェニレンエーテル(樹脂)」とも呼ばれている。
【0004】
一方、樹脂に帯電防止性を付与するためには、一般に、界面活性剤を主成分とする帯電防止剤を樹脂に添加することが行われる。樹脂に添加される帯電防止剤は、「内部添加型帯電防止剤」とも呼ばれている。界面活性剤を主成分とする帯電防止剤は多数存在するので、その中から状況に応じて適当なものを選択し得る。実際、内部添加型帯電防止剤として、数多くの、界面活性剤を主成分とする帯電防止剤が研究され試験されてきた。
前記界面活性剤としては、例えば、イオン性界面活性剤(アニオン界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン界面活性剤(分子内に第四窒素を有するカチオン界面活性剤など)など)、非イオン性界面活性剤、有機スルホン酸の金属塩が用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−189618号公報
【特許文献2】特開2008−280532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、界面活性剤を主成分とする帯電防止剤を、樹脂に対する内部添加型帯電防止剤として用いる場合、以下の問題がある。
即ち、アニオン界面活性剤は、樹脂との相溶性及び均一分散性に劣り、加熱時に分解又は劣化する傾向があるので、取り扱いが難しい。
また、両性界面活性剤及びカチオン界面活性剤(分子内に第四窒素を有するカチオン界面活性剤など)は、帯電防止性は良好であるが、耐熱性が著しく乏しいため、限られた状況下でしか使用できない。
また、非イオン性界面活性剤は、樹脂との相溶性に関しては上述のイオン性界面活性剤(アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤)に比べて相対的に優れているが、帯電防止性に弱い傾向があり、しかも、帯電防止性の効果が常温及び高温で時間経過とともに消失する。さらに、こうした非イオン性界面活性剤型の帯電防止剤は熱安定性に乏しいため、それらをPPE(例えば変性PPE)のようなエンジニアリングプラスチック樹脂と共に使用する場合、該エンジニアリングプラスチック樹脂の加工処理温度が制限される。
有機スルホン酸の金属塩に関しても、特に高温で成形されるポリカーボネート及びポリエステル樹脂用の内部添加剤型帯電防止剤として報告されているが、これらは樹脂との相溶性や耐熱性が十分でない。
【0007】
上述の事情により、ポリフェニレンエーテル系樹脂については、帯電防止性を改善できるには至っていないのが現状である。従って、埃などの付着を抑制する観点から、帯電防止性に優れたポリフェニレンエーテル系樹脂組成物が求められる。
本発明は上記に鑑みなされたものであり、帯電防止性に優れたポリフェニレンエーテル系樹脂組成物及びその成形体を提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するための具体的手段は以下のとおりである。
<1> ポリフェニレンエーテル系樹脂(A)99質量%〜51質量%と、エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体をアルカリけん化してなり、アルカリ金属イオン濃度が0.1〜5.8モル/kgの範囲にある重合体けん化物(B)1質量%〜49質量%と、を含むポリフェニレンエーテル系樹脂組成物(但し、前記ポリフェニレンエーテル系樹脂(A)の含有量と前記重合体けん化物(B)の含有量との合計を100質量%とする)。
【0009】
<2> 更に、ダイマー酸及びダイマー酸金属塩の少なくとも一方を含む<1>に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
<3> 前記エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体がエチレン・アクリル酸エステル共重合体である<1>又は<2>に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
<4> 前記エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体における不飽和カルボン酸エステルに由来する構成単位の含有率が、5質量%〜50質量%の範囲にある<1>〜<3>のいずれか1項に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
<5> 前記ポリフェニレンエーテル系樹脂(A)が、ポリフェニレンエーテル樹脂とポリスチレン系樹脂との混合物である<1>〜<4>のいずれか1項に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
【0010】
<6> 前記エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体における不飽和カルボン酸エステルに由来する構成単位の含有率が、20質量%〜35質量%の範囲である<1>〜<5>のいずれか1項に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
<7> 前記重合体けん化物(B)のアルカリ金属イオン濃度が1モル/kg〜3モル/kgの範囲である<1>〜<6>のいずれか1項に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
<8> 前記重合体けん化物(B)のけん化度が10%〜90%の範囲である<1>〜<7>のいずれか1項に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
【0011】
<9> <1>〜<8>のいずれか1項に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を用いてなる成形体。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、帯電防止性に優れたポリフェニレンエーテル系樹脂組成物及びその成形体を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
≪ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物≫
本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物(以下、「本発明の樹脂組成物」や「樹脂組成物」ともいう)は、ポリフェニレンエーテル系樹脂(A)99質量%〜51質量%と、エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体をアルカリけん化してなり、アルカリ金属イオン濃度が0.1〜5.8モル/kgの範囲にある重合体けん化物(B)1質量%〜49質量%と、を含む(但し、前記ポリフェニレンエーテル系樹脂(A)の含有量と前記重合体けん化物(B)の含有量との合計を100質量%とする)。
本発明において、数値範囲における「〜」は、「〜」の前後の数値を含むことを意味し、例えば、0.1〜5.8モル/kgはアルカリ金属イオン濃度が「0.1モル/kg以上5.8モル/kg以下」であることを示す。
以下、ポリフェニレンエーテル系樹脂(A)を「A成分」とも称する。また、エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体をアルカリけん化してなり、アルカリ金属イオン濃度が0.1〜5.8モル/kgの範囲にある重合体けん化物(B)を、単に「重合体けん化物(B)」または「B成分」とも称する。
【0014】
<ポリフェニレンエーテル系樹脂(A)>
本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は、ポリフェニレンエーテル系樹脂(A)を少なくとも1種含む。
本発明の樹脂組成物中におけるポリフェニレンエーテル系樹脂(A)の含有量(ポリフェニレンエーテル系樹脂(A)の含有量と重合体けん化物(B)の含有量との合計を100質量%としたときのポリフェニレンエーテル系樹脂(A)の含有量。以下同じ)は、99質量%〜51質量%である。
ここで、含有量99質量%〜51質量%とは、A成分をB成分よりも多く含むことを示しており、この範囲であることにより、組成物において、A成分(ポリフェニレンエーテル系樹脂)の性能(例えば、寸法安定性等)を発揮しながら、帯電防止性を向上させることができる。帯電防止性の向上により、樹脂組成物及びその成形体に対する埃などの付着が低減される。
A成分の含有量の下限は、A成分(ポリフェニレンエーテル系樹脂)の性能(例えば、寸法安定性等)をより効果的に発揮させる観点より、55質量%が好ましく、60質量%がより好ましい。
【0015】
本発明における「ポリフェニレンエーテル系樹脂」は、単体のポリフェニレンエーテル樹脂、及び、単体のポリフェニレンエーテル樹脂と他の樹脂との混合物(ポリマーアロイ)の総称である。
本発明における「ポリフェニレンエーテル系樹脂」としては特に限定はなく、公知のポリフェニレンエーテル系樹脂を用いることができる。
本発明における「ポリフェニレンエーテル系樹脂」としては、例えば、単体のポリフェニレンエーテル樹脂や、単体のポリフェニレンエーテル樹脂と他の樹脂との混合物(一般に「変性ポリフェニレンエーテル」として知られている混合物)を用いることができる。また、例えば特開2008−280532号公報の段落0010〜0041や特開2010−189618号公報の段落0013〜0062等に記載されている公知のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を用いることもできる。
【0016】
前記単体のポリフェニレンエーテル樹脂としては、ポリフェニレンエーテルの単独重合体やポリフェニレンエーテル共重合体を用いることができる。
前記ポリフェニレンエーテルの単独重合体としては、ポリ(1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,5−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジフェニル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレン)エーテル等が挙げられる。中でも、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルが特に好ましい。
また、ポリフェニレンエーテル共重合体としては、例えば、2,6−ジメチルフェノールと他のフェノール類(例えば、2,3,6−トリメチルフェノール、2,6−ジフェニルフェノールあるいは2−メチルフェノール(o−クレゾール))との共重合体などが挙げられる。
【0017】
前記ポリフェニレンエーテル樹脂としては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体が好ましく、さらにはポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルが特に好ましい。
【0018】
前記ポリフェニレンエーテル樹脂は、ジエノフィル化合物により変性されたポリフェニレンエーテルであってもよい。この変性処理には、種々のジエノフィル化合物が使用されるが、ジエノフィル化合物の例としては、例えば無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、フェニルマレイミド、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸、メチルアリレート、メチルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ステアリルアクリレート、スチレンなどの化合物が挙げられる。さらにこれらジエノフィル化合物により変性する方法としては、ラジカル発生剤存在下あるいは非存在下で押出機などを用い、脱揮下あるいは非脱揮下にて溶融状態で官能化してもよい。あるいはラジカル発生剤存在下あるいは非存在下で、非溶融状態、すなわち室温以上、かつ融点以下の温度範囲にて官能化してもよい。
【0019】
本発明におけるポリフェニレンエーテル系樹脂は、前記単体のポリフェニレンエーテル樹脂のみからなる樹脂であってもよいし、前記単体のポリフェニレンエーテル樹脂と他の樹脂との混合物であってもよい。このうち、単体のポリフェニレンエーテル樹脂と他の樹脂との混合物が好ましい。
前記他の樹脂の例としては、ポリスチレン系樹脂(アタクティックポリスチレン、シンジオタクティックポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、など)、ポリアミド系樹脂(ナイロン6,6やナイロン6など)、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、液晶ポリエステルなど)、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリエーテルスルホン系樹脂等が挙げられる。
前記「単体のポリフェニレンエーテル樹脂と他の樹脂との混合物」としては、帯電防止性の観点や、B成分との混和性の観点からは、ポリフェニレンエーテル樹脂とポリスチレン系樹脂とを含む混合物が特に好ましい。
【0020】
本発明におけるポリフェニレンエーテル系樹脂の全量中における単体のポリフェニレンエーテル樹脂の含有量は、15質量%以上が好ましく、60質量%以上が好ましく、80質量%以上が特に好ましい。
【0021】
前記ポリフェニレンエーテル系樹脂が他の樹脂(例えば、ポリスチレン系樹脂)を含む場合、前記ポリフェニレンエーテル系樹脂の全量中における他の樹脂の含有量は、1〜85質量%が好ましく、1〜40質量%がより好ましく、1〜20質量%が特に好ましい。
【0022】
また、本発明におけるポリフェニレンエーテル系樹脂は、難燃剤を含有してもよい。
前記難燃剤としてはリン系難燃剤を好適に用いることができる。
前記リン系難燃剤としては、具体的には、たとえば、赤リンなどの赤リン系;トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、レゾルシノール−ビス−(ジフェニルホスフェート)、2-エチレルヘキシルジフェニルホスフェート、ジメチルメチルホスフォネート、トリアリルホスフェートなどのリン酸エステル;トリクロロエチルホスフェート、トリスジクロロプロピルホスフェート、トリス−β−クロロプロピルホスフェートなどの含ハロゲンリン酸エステル;芳香族縮合リン酸エステル、含ハロゲン縮合リン酸エステルなどの縮合リン酸エステル;ポリリン酸アンモニウム、ポリクロロホスファイトなとのポリリン酸塩系などが挙げられる。
これらのうち、燃焼時の有害ガスの発生を回避する点からは、ハロゲンを含まないものが好ましく、この点から赤リン系のものを使用することが好ましい。なお、赤リンは、フェノール樹脂でコーティングされていたり、水酸化マグネシウムや酸化チタンが配合されたものであっても、使用することができる。
【0023】
また、本発明におけるポリフェニレンエーテル系樹脂は、必要に応じ、スチレン系エラストマーなどの耐衝撃改良剤を含有してもよい。前記スチレン系エラストマーとしては、例えば、スチレン系ブロック共重合体(スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体やスチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体など)を用いることができる。
【0024】
また、本発明におけるポリフェニレンエーテル系樹脂は、必要に応じ、フィラー強化剤を含有してもよい。前記フィラー強化剤としては、例えば、ガラス繊維、燐片状のガラスフレーク、マイカ、などを単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
【0025】
本発明におけるポリフェニレンエーテル系樹脂は、更に、本発明の目的を損なわない範囲で各種添加剤を含んでいてもよい。
このような添加剤の例としては、酸化防止剤、老化防止剤、光安定剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、ブロッキング防止剤、可塑剤、粘着剤、顔料、染料、難燃助剤、発泡剤、発泡助剤などを挙げることができる。
【0026】
また、前記ポリフェニレンエーテル系樹脂(A)は、常法によって合成することができる。
例えば、ポリフェニレンエーテル樹脂の例であるポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルは、2,6−キシレノールの酸化カップリング重合により合成する。
合成されたポリフェニレンエーテル樹脂は、必要に応じ、他の樹脂(例えば、ハイインパクトポリスチレン等のスチレン系樹脂)、難燃剤等の他の成分と混合され、ポリフェニレンエーテル系樹脂(A)が得られる。
【0027】
<エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体をアルカリけん化してなる重合体けん化物(B)>
本発明の樹脂組成物は、エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体をアルカリけん化してなる重合体けん化物(B)を少なくとも1種含む。
本発明の樹脂組成物が重合体けん化物(B)を含むことにより、帯電防止性が向上する。また、前記重合体けん化物(B)は、樹脂に帯電防止性を付与する性質を有し、かつ、界面活性剤を主成分とする従来の帯電防止剤と比較して、耐熱性に優れ、かつ、ポリフェニレンエーテル系樹脂(A)との相溶性(混和性)にも優れる。
【0028】
前記重合体けん化物(B)中におけるアルカリ金属イオン濃度は、0.1〜5.8モル/kgの範囲である。
前記アルカリ金属イオン濃度が0.1モル/kg以上であると、樹脂組成物又は該樹脂組成物の成形体の帯電防止性が向上する。
また、前記アルカリ金属イオン濃度が5.8モル/kg以下であると、溶融粘度が高くなりすぎることがなく、成形性、加工性が良好である。前記アルカリ金属イオン濃度は、より好ましくは1モル/kg〜3モル/kgの範囲である。
【0029】
また、本発明の樹脂組成物中における該重合体けん化物(B)の含有量(ポリフェニレンエーテル系樹脂(A)の含有量と重合体けん化物(B)の含有量との合計を100質量%としたときの重合体けん化物(B)の含有量。以下同じ)は1質量%〜49質量%である。
ここで、重合体けん化物(B)(B成分)の含有量が1質量%以上であることは、樹脂組成物が重合体けん化物(B)(B成分)を積極的に含むことを示しており、これにより、樹脂組成物又は該樹脂組成物の成形体の帯電防止性が向上する。
前記B成分の含有量の下限は、帯電防止性をより向上させる観点より、3質量%が好ましく、8質量%がより好ましく、15質量%が特に好ましい。
前記B成分の含有量の上限は、A成分(ポリフェニレンエーテル系樹脂)の性能(例えば、寸法安定性等)をより効果的に発揮させる観点より、45質量%が好ましく、40質量%がより好ましい。
【0030】
重合体けん化物(B)の素材樹脂であるエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体としては、エチレンと、不飽和カルボン酸のアルキルエステル、例えばアクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、エタクリル酸アルキルエステル、クロトン酸アルキルエステル、フマル酸アルキルエステル、マレイン酸アルキルエステル、マレイン酸モノアルキルエステル、無水マレイン酸アルキルエステル、イタコン酸アルキルエステル及び無水イタコン酸アルキルエステルと、からなる共重合体を例示することができる。
【0031】
アルキルエステルのアルキル部位としては、炭素数1〜12のものを挙げることができ、より具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、セカンダリーブチル、2−エチルヘキシル、イソオクチル等のアルキル基を例示することができる。
本発明では、不飽和カルボン酸エステルとして、特にアクリル酸又はメタクリル酸のメチルエステル、エチルエステル、ノルマルブチルエステル、イソブチルエステルが好ましい。
本発明において、特に好ましいエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体は、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体であり、更に好ましくはエチレン・アクリル酸エステル共重合体であり、とりわけ、エチレン・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、エチレン・アクリル酸ノルマルブチル共重合体、エチレン・アクリル酸イソブチル共重合体、エチレン・メタアクリル酸メチル共重合体、エチレン・メタアクリル酸エチル共重合体、エチレン・メタアクリル酸ノルマルブチル共重合体、エチレン・メタアクリル酸イソブチル共重合体が好ましい。
【0032】
前記けん化前のエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体における不飽和カルボン酸エステルに由来の構成単位の含有率は、5質量%〜50質量%が好ましく、20質量%〜35質量%がより好ましい。即ち、不飽和カルボン酸エステルに由来の構成単位の含有率がこの範囲にあると、帯電防止性、柔軟性、他樹脂との混和性のバランスに優れる。
また、前記けん化前のエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体の190℃、2160g加重荷重におけるメルトフローレート(MFR)〔JIS K7210-1999に準拠〕は、1g/10分〜1300g/10分の範囲にあることが好ましい。
また、前記けん化前のエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体は2種以上を混合しても用いてもよい。
【0033】
なお、本発明では、エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体を構成する不飽和カルボン酸エステル共重合体が、アクリル酸メチルである場合における「不飽和カルボン酸エステルに由来の構成単位の含有率」を、『MA含量』とも称する。
また、エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体を構成する不飽和カルボン酸エステル共重合体が、アクリル酸エチルである場合における「不飽和カルボン酸エステルに由来の構成単位の含有率」を、『EA含量』とも称する。
【0034】
このようなエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体は、例えばそれ自体公知の高圧ラジカル共重合により製造される。
【0035】
本発明では、前記エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体をアルカリけん化する。けん化に用いる苛性アルカリの金属イオン種としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属が挙げられる。中でも、帯電防止性の観点から、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)等のアルカリ金属が好ましく、カリウムが特に好ましい。
【0036】
重合体けん化物(B)は、成形性、加工性の面から230℃、10kg荷重におけるメルトフローレート(MFR)〔JIS K7210−1999に準拠〕が0.01g/10分〜100g/10分、特に0.1g/10分〜50g/10分のものが好適である。
【0037】
本発明においては、重合体けん化物(B)のうち、けん化されるべきエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体中の全不飽和カルボン酸エステル基単位のモル量に対し、けん化後、カルボン酸塩として存在する金属イオン量のモル量の割合が0.1〜0.9の範囲にあるもの、即ち、けん化度が10%〜90%の範囲にあるものが好ましい。これにより、帯電防止性や他樹脂との混和性がより向上する。
前記けん化度は、好ましくは20%〜80%、更に好ましくは30%〜70%である。
【0038】
因みに、本発明において、重合体けん化物(B)を構成する共重合体中のエステル成分は、アルカリ(土類)金属等によるけん化反応により、部分的にアルカリ(土類)金属塩成分に変化するので、けん化物はエチレン単位、不飽和カルボン酸エステル単位、不飽和カルボン酸アルカリ(土類)金属塩単位を含有する共重合体となり、遊離のカルボキシル基単位は含有しない。
本発明における重合体けん化物(B)は、ポリフェニレンエーテル系樹脂(A)とブレンドしても、その物性、例えばアイゾッド(IZOD)衝撃強度などで代表される耐衝撃性を実質的に損なうことなく、帯電防止性を発現することができる。
【0039】
エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体のけん化は、苛性アルカリ等によりそれ自体公知の方法で行えばよい。例えば、アルカリけん化(例えばカリウムけん化)の方法は、エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体と所定量の苛性アルカリ(例えば水酸化カリウム)とを押出機、ニーダー、バンバリーミキサ等の混練装置中で、例えば100℃〜250℃の温度下で溶融混合するか、あるいはエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体を上記混練装置で溶融均質化し、その後、所定量の苛性アルカリ(例えば水酸化カリウム)を加えることにより、エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体のエステル部分と苛性アルカリ(例えば水酸化カリウム)を反応させてけん化物とする方法を例示することができる。
【0040】
本発明の樹脂組成物は、帯電防止性をより向上させる観点から、また、ポリフェニレンエーテル系樹脂(A)と重合体けん化物(B)との混和性の観点から、ポリフェニレンエーテル系樹脂(A)の含有量が97〜51質量%であり、かつ重合体けん化物(B)の含有量が3〜49質量%であることが好ましく、ポリフェニレンエーテル系樹脂(A)の含有量が92〜51質量%であり、かつ重合体けん化物(B)の含有量が8〜49質量%であることがより好ましく、ポリフェニレンエーテル系樹脂(A)の含有量が85〜51質量%であり、かつ重合体けん化物(B)の含有量が15〜49質量%であることが特に好ましい。
【0041】
<ダイマー酸、ダイマー酸金属塩>
本発明の樹脂組成物は、帯電防止性を高める観点から、さらに、ダイマー酸およびダイマー酸金属塩の少なくとも一方を含むことが好ましい。
ダイマー酸は、不飽和脂肪酸の2分子又はそれ以上の分子が重合反応して得られる多価カルボン酸であって、通常2種類以上の混合物として得られ、混合物として各種の用途に供されている。
また、ダイマー酸は、炭素原子数8〜22の直鎖状又は分岐状の不飽和脂肪酸を二量化することによって得られるものであり、その誘導体も含まれる。ダイマー酸の誘導体としては、水素添加物などを挙げることができる。具体的には、前記ダイマー酸に水添して、含有される不飽和結合を還元した水添ダイマー酸などが使用できる。
ダイマー酸およびダイマー酸金属塩の少なくとも一方を重合体けん化物(B)とともに含有することにより、重合体けん化物(B)の流動性が向上する。
【0042】
ダイマー酸は、例えば、3−オクテン酸、10−ウンデセン酸、オレイン酸、リノール酸、エライジン酸、パルミトレイン酸、リノレン酸、あるいはこれらの2種以上の混合物等を、あるいは工業的に入手可能なこれら不飽和カルボン酸の混合物であるトール油脂肪酸、大豆油脂肪酸、パーム油脂肪酸、米ぬか油脂肪酸、亜麻仁油脂肪酸などを原料としたものであってもよい。これらダイマー酸としては、モノマー酸やトリマー酸を少量含有するものであってもよい。
【0043】
従来から、ダイマー酸は通常、モンモリロナイト系白土を触媒として用い、トール油脂肪酸などの不飽和脂肪酸を高温下で二量化して製造することができる。
【0044】
ダイマー酸の例として、下記一般式(1)で表される鎖状ダイマー酸が挙げられる。
【0045】
【化1】

【0046】
前記一般式(1)で表される鎖状ダイマー酸のほかに、下記一般式(2)又は(3)で表される環状ダイマー酸を含む混合物などが得られる。
【0047】
【化2】

【0048】
【化3】

【0049】
工業的に入手可能なダイマー酸としては、例えば、ハリダイマー200、300〔ハリマ化成(株)製〕、ツノダイム205、395〔築野食品工業(株)製〕、エンポール1026、1028、1061、1062〔コグニス(株)製〕、水素添加ダイマー酸として例えば、エンポール1008、1012〔コグニス(株)製〕などが挙げられる。
【0050】
本発明の樹脂組成物は、前記のように重合体けん化物(B)〔B成分〕を含むものである。当該樹脂組成物を製造する際に、B成分とダイマー酸成分とを溶融混合する場合には、B成分中のアルカリ金属とダイマー酸成分中のカルボキシ基の一部または全部とが反応してダイマー酸のアルカリ金属塩の構造となり得る。このため、本発明の樹脂組成物中にダイマー酸を含有する態様として、ダイマー酸アルカリ金属塩の形でダイマー酸を配合する態様を含むことができる。ダイマー酸アルカリ金属塩としては、ダイマー酸リチウム塩(部分塩を含む)、ダイマー酸ナトリウム塩(部分塩を含む)、ダイマー酸カリウム塩(部分塩を含む)、ダイマー酸ルビジウム塩(部分塩を含む)、ダイマー酸セシウム塩(部分塩を含む)を例示できるが、好ましくはダイマー酸カリウム塩(部分塩を含む)である。
【0051】
本発明の樹脂組成物おいて、重合体けん化物(B)の総質量とダイマー酸およびダイマー酸金属塩の総質量との合計質量に対するダイマー酸およびダイマー酸金属塩の総質量(以下、単に「ダイマー酸およびダイマー酸金属塩の含有率」ともいう)は、1質量%〜50質量%であることが好ましい。
前記「ダイマー酸およびダイマー酸金属塩の含有率」が1質量%以上であることで、本発明の樹脂組成物中の重合体けん化物(B)の均一分散性を向上することができ、また、樹脂組成物として良好な溶融流動性〔例えば、230℃、荷重10kgにおけるMFR(JIS K7210−1999に準拠)が5g/10分以下〕を付与できる。
前記「ダイマー酸およびダイマー酸金属塩の含有率」が50質量%以下であることで、重合体けん化物(B)の溶融流動性を成形加工に適切な範囲とすることができる。前記「ダイマー酸およびダイマー酸金属塩の含有率」は、2質量%〜30質量%、特に3質量%〜15質量%であることがより好ましい。
【0052】
<ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物のカリウムイオン濃度>
本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は、カリウムイオン濃度が0.03モル/kg〜2.8モル/kgであることが好ましい。
既述のA成分とB成分とを含む樹脂組成物とする上で、より優れた帯電防止性を得るため、樹脂組成物のカリウムイオン濃度を上記範囲とすることが好ましい。
ここで、カリウムイオン濃度が0.03モル/kg〜2.8モル/kgとする場合、カリウムイオン濃度が前記範囲である限り、A成分とB成分とは、既述の範囲で自由に構成することができ、例えば、B成分として、アルキルけん化がナトリウムけん化である重合体けん化物(B)を含んでいてもよい。
【0053】
ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物のカリウムイオン濃度を上記範囲とする方法は、B成分としてカリウムけん化された重合体けん化物(B)を用いない場合は、別途、水酸化カリウム、塩化カリウム等のカリウム化合物を用意し、A成分及びB成分の含有量に応じてカリウム化合物の含有量を調整しつつ、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物に含めればよい。
一方、B成分としてカリウムけん化された重合体けん化物(B)を用いる場合は、重合体けん化物(B)を構成するエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体のけん化度を10%〜90%の範囲とした重合体けん化物(B)をポリフェニレンエーテル系樹脂組成物に含めればよい。
【0054】
本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は、更に、本発明の目的を損なわない範囲で各種添加剤を含むことができる。
このような添加剤の例としては、酸化防止剤、老化防止剤、光安定剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、ブロッキング防止剤、可塑剤、粘着剤、無機充填剤、ガラス繊維、カーボン繊維などの強化繊維、顔料、染料、難燃剤、難燃助剤、発泡剤、発泡助剤などを挙げることができる。
また、少量であれば、通常の帯電防止剤を配合することもできる。
【0055】
前記ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を得る方法としては、ポリフェニレンエーテル系樹脂(A)と、予め調製された重合体けん化物(B)と、ダイマー酸等の必要に応じて含有すべき成分とを、単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサ、ニーダー等で溶融加熱混合する方法等を例示できる。
【0056】
≪成形体≫
本発明の成形体は、本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を用いて構成される。
ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の成形方法としては、押出成形(溶融押出成形)、射出成形、ブロー成形、延伸成形等、種々の方法が挙げられる。
ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を成形する際の成形温度には特に限定はないが、220℃以上が好ましく、250℃〜330℃がより好ましく、260℃〜330℃が特に好ましい。
また、成形方法としては、帯電防止性をより向上する観点からは、射出成形が好ましい。
既述のように、本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は、帯電防止性に優れていることから、該樹脂組成物を成形して得られた成形体は、天井材、床材等の建築、土木材料;自動車部品;OA機器;電気・電子部品、家電製品部品、またはそれらの保管・収納ケース;文具;日用品などの用途に広く用いることができる。
【実施例】
【0057】
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明する。但し、本発明は、これらの例によって何ら制限されるものではない。また、メルトフローレート(MFR)は、JIS K7210−1999に準拠して測定した。
【0058】
〔実施例1〜3、比較例1〕
≪ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の作製≫
下記B成分90質量%とダイマー酸(商品名ツノダイム395:築野食品工業社製)10質量%とを溶融混合し、溶融混合物を得た。
得られた溶融混合物と下記A成分とを、A成分とB成分との質量比(質量比〔A/B〕)が表1に示す値となる比率で溶融混合し、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を得た。
なお、比較例1では、A成分のみを用い、後述の成形体の作製及び評価を行った。
【0059】
<A成分>
旭化成株式会社製、商品名ザイロン340Z
【0060】
<B成分>
エチレン・エチルアクリレート共重合体(エチレン含量66質量%、EA含量34質量%、MFR=25g/10分;190℃×2160g荷重)の50%カリウムけん化物〔MFR=2g/10分(230℃、荷重10kg)、カリウムイオン濃度1.7モル/kg〕
【0061】
≪成形体の作製及び評価≫
上記で得られたポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を用い、下記の成形体の作製及び評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0062】
<埃付着の評価>
上記で得られたポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を下記射出成形機に投与し、下記条件にて射出成形し、100mm×100mm×厚み2mmの射出シート(角板シート;成形体)を得た。
−射出成形機および射出成形条件−
・射出成形機:東芝機械社製、IS−220F
・成形温度:270℃
・金型:金型6点取り
・金型温度:70℃(チラー温度)
【0063】
得られた射出シートを、屋内倉庫内(平均温度23℃)に保管した。保管開始から1週間後、2週間後、及び4週間後に、射出シートに対する埃の付着の有無を目視で観察し、下記評価基準に従って、埃付着を評価した。埃付着が抑制されている程、帯電防止性に優れている。
【0064】
−埃付着の評価基準−
A … 1週間後、2週間後、及び4週間後の全てにおいて埃付着が確認されなかった。
B … 1週間後及び2週間後には埃付着が確認されなかったが、4週間後に埃付着が確認された。
C … 1週間後には埃付着が確認されなかったが、2週間後及び4週間後に埃付着が確認された。
D … 1週間後、2週間後、及び4週間後の全てにおいて埃付着が確認された。
【0065】
<灰付着の評価>
上記で得られたポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を下記押出成形機に投与し、下記条件にて押出成形し、100mm×100mm×厚み1mmの押出シート(成形体)を得た。灰付着が抑制されている程、帯電防止性に優れている。
−押出成形機および押出成形条件−
・押出成形機:40mmφ押出成形機(L/D=26)(ナカタニ機械株式会社製 VSK40mm単軸押出機)
・成形温度:270℃
・フィッシュテールダイ:150mm幅
【0066】
得られた押出シートを除電ブロワーで除電し、500gの錘をさらし布に包み、錘重のみで3回同方向に擦った。押出シート表面と灰との距離が1cmになるよう押出シートを近づけ、灰の付着レベルを目視で確認し、下記基準に従って灰付着を評価した。
−評価基準−
A … 押出シート表面に灰が全く付着していなかった。
B … 押出シート表面に灰が僅かに付着(1−2点)するが、吹けば灰がなくなった。
C … 押出シート表面の一部に灰付着がみられ、吹いても灰が残っていた。
D … 押出シート表面の全面に灰付着がみられ、吹いても灰が残っていた。
【0067】
【表1】

【0068】
表1に示すように、A成分及びB成分を含む実施例1〜3では、帯電防止性に優れ、埃付着が抑制されていた。特に、B成分の含有量が増大するに従い、帯電防止性が向上し、埃付着に加え灰付着も顕著に抑制されることが確認された(実施例2及び3)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリフェニレンエーテル系樹脂(A)99質量%〜51質量%と、
エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体をアルカリけん化してなり、アルカリ金属イオン濃度が0.1〜5.8モル/kgの範囲にある重合体けん化物(B)1質量%〜49質量%と、
を含むポリフェニレンエーテル系樹脂組成物(但し、前記ポリフェニレンエーテル系樹脂(A)の含有量と前記重合体けん化物(B)の含有量との合計を100質量%とする)。
【請求項2】
更に、ダイマー酸及びダイマー酸金属塩の少なくとも一方を含む請求項1に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
【請求項3】
前記エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体がエチレン・アクリル酸エステル共重合体である請求項1又は請求項2に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
【請求項4】
前記エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体における不飽和カルボン酸エステルに由来する構成単位の含有率が、5質量%〜50質量%の範囲にある請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
【請求項5】
前記ポリフェニレンエーテル系樹脂(A)が、ポリフェニレンエーテル樹脂とポリスチレン系樹脂とを含む混合物である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
【請求項6】
前記エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体における不飽和カルボン酸エステルに由来する構成単位の含有率が、20質量%〜35質量%の範囲である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
【請求項7】
前記重合体けん化物(B)のアルカリ金属イオン濃度が1モル/kg〜3モル/kgの範囲である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
【請求項8】
前記重合体けん化物(B)のけん化度が10%〜90%の範囲である請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
【請求項9】
請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を用いてなる成形体。

【公開番号】特開2013−28730(P2013−28730A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−166037(P2011−166037)
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(000174862)三井・デュポンポリケミカル株式会社 (174)
【Fターム(参考)】