説明

ポリプロピレン抗静電メンブレン

【課題】内部に抗静電剤を含み、材質が強靭で耐衝撃性を備え、偏光板等の光学材料の切断時マットとして用いると、繊維屑や粉末を発生しにくく、製品表面の傷を減少することができる、ポリプロピレン抗静電メンブレンの提供。
【解決手段】本発明のポリプロピレン抗静電メンブレンは、PP(ポリプロピレン)材質の板体を設け、該板体は抗静電剤を含み、静電気の発生を防止する機能を備え、該板体の少なくとも一面に霧面を設け、偏光板等の光学材料切断用のマットとして用いるとき、PP材質の靭性と弾性に優れた特質により、切断時に表面に残るカッター切口に回復性を持たせ、繰り返し切断後も繊維屑や粉末が発生しにくく、且つPP材質の優れた靭性と耐衝撃性により破裂しにくく、使用寿命が長く、光学材料完成品の表面の押し傷及びひっかき傷を減少できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はポリプロピレン抗静電メンブレンに関し、特に、抗静電剤を含み、材質が強靭で耐衝撃性を備え、偏光板等の光学材料の切断時のマットとして用いるとき、繊維屑や粉末が発生しにくく、製品表面の押し傷や引っかき傷を減少することができる、ポリプロピレン抗静電メンブレンに関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチックは人類の日常生活に非常に密切な関係があるため、人々のニーズ、使用特性及び製造コストに対応することは製造者が考慮しなければならない問題である。このため、業界はプラスチックの合成理論と技術の研究を行っており、各種異なるプラスチック物質の特性を生かして合成技術を利用し、新製品を創造している。こうしてプラスチック工業は迅速に前途ある化学工業となっている。
【0003】
一般に従来偏光板等の光学材料の切断に使用するマットは、ほとんどがPET(ポリエチレンテレフタレート)メンブレンを採用しており、図1に示すように、動作時は偏光板等の光学材料11が切断機の輸送装置によりカッター刃12下方に輸送され、PETメンブレン13も同時に切断機の輸送装置により偏光板等の光学材料11の真下に対応して輸送され、PETメンブレン13の平台作用により、偏光板等の光学材料11を切断し、複数枚のあらかじめ定めた大きさの光学材料完成品を切り出すことができる。
【0004】
しかしながら、従来のPETメンブレンの材質は比較的硬くて弾性もなく、切断時表面に残るカッター切口が開いて回復しないため、繰り返し切断すると繊維屑や粉末を生じやすく、光学材料完成品表面に押し傷やひっかき傷を引き起こし、長期間使用すると変形や破損しやすく、非常に不便である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の発明人は前述の先行技術の欠点に鑑みて、その各種PP製品の製造に従事した経験と技術の蓄積に基づき、上述の欠点に対して各種解決方法の研究を重ね、繰り返し研究、実験、改良を経た後、ついに本発明の全く新しいポリプロピレン抗静電メンブレンの発明の開発に至ったものであり、これにより先行技術の欠点を排除することを見込んでいる。
【0006】
本発明の目的は、内部に抗静電剤を含み、材質が強靭で耐衝撃性を備え、偏光板等の光学材料の切断時のマットとして用いるとき、繊維屑や粉末を発生しにくく、製品表面の押し傷やひっかき傷を減少することができる、ポリプロピレン抗静電メンブレンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するため、本発明のポリプロピレン抗静電メンブレンは、PP(ポリプロピレン)材質の板体が設けられ、該板体は抗静電剤を含み、静電気発生防止機能を備えていると共に、前記板体は少なくとも一面に霧面が設けられ、使用時は、偏光板等の光学材料が切断機の輸送装置によりカッター刃の下方に輸送され、PP板体が形成する板ベルトも同時に切断機の輸送装置により偏光板等の光学材料に対応する真下に輸送され、PP板体の平台作用により、偏光板等の光学材料から数枚のあらかじめ定めた大きさの光学材料完成品を切り出すことができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明のポリプロピレン抗静電メンブレンは、PP材質の優れた靭性と弾性を備えた特質により、切断時表面に残るカッター切口に回復性を持たせ、繰り返し切断後も繊維屑や粉末が発生しにくく、且つPP材質の優れた靭性と耐衝撃性により破裂しにくく、使用寿命がより長く、光学材料完成品の表面の押し傷及びひっかき傷を減少することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の目的、形状、構造装置の特徴及びその効果について、更なる認識と理解を促すため、以下実施例と図面に基づき詳細に説明する。
【0010】
本発明のポリプロピレン抗静電メンブレンは、図2、図4に示すように、PP(ポリプロピレン)材質の板体31が設けられ、板体31は抗静電剤32を含み、静電気発生防止機能を備えていると共に、板体は少なくとも一面に霧面34が設けられる。
【0011】
使用時は、図4に示すように、偏光板等の光学材料50(例:光学フィルム、偏光板、輝度上昇フィルム、位相差板等)の切断用マットとして用いるとき、PP材質は靭性と弾性に優れた特質を備えているため、切断在表面に残るカッター切口に回復性を持たせ、繰り返し切断後、繊維屑や粉末が発生しにくく、且つPP材質の優れた靭性と耐衝撃性により、破裂しにくく、使用寿命がより長く、光学材料完成品の表面の押し傷及びひっかき傷を減少することもできる。
【0012】
本発明のポリプロピレン抗静電メンブレンは、図3、図4に示すように、偏光板等の光学材料50切断用のマットとして運用するとき、環状の板ベルト40を形成する。即ち、連続した板体31から成る環状の板ベルト40であり、該板ベルト40の開口41を選定した膠帶42で貼り合わせ、環状の板ベルト40が形成される。該板ベルト40を切断機60の輸送装置61上に設置し、輸送装置61の輸送に伴い回転させる。偏光板等の光学材料50の原料はロール状の光学材料ロール62であり、該ロール62も輸送装置61の輸送に伴いカッター刃63の下方に送り出される。
【0013】
動作時は、偏光板等の光学材料50が切断機60の輸送装置61によりカッター刃63の下方に輸送され、板体31が形成する板ベルト40も同時に切断機60の輸送装置61により偏光板等の光学材料50に対応する真下に輸送され、板体31の平台作用により、偏光板等の光学材料50を切断し、数枚のあらかじめ定めた大きさの光学材料完成51を切り出すことができる。
【0014】
本発明の別の実施例において、図5に示すように、前記切断機60のカッター刃63と偏光板等の光学材料50間に弾性緩衝パッド64(例:海綿パッド、スポンジパッド等)を設置し、弾性緩衝パッド64の弾性により、カッター刃63の切断の力を緩衝し、切断の力が大きすぎて偏光板等の光学材料50の表面に損傷を与えないようにする。
【0015】
上述をまとめると、本発明のポリプロピレン抗静電メンブレンは、確実にこれまでにない新たな構造を備えており、いかなる刊行物にも掲載されておらず、且つ市場にも類似の製品はないため、新規性を具備していることは疑いがない。また、本発明の独特な特徴及び機能は従来品をはるかに越え、従来品に比べて更なる進歩性を確実に具備しており、わが国の特許法の発明特許出願要件の規定を満たしているため、法に基づきここに特許を出願するものである。
【0016】
以上の説明は本発明の最良の具体的な実施例であり、本発明の構造的特徴はこれに限られず、関連技術を熟知した者が本発明の領域内で容易に思いつく変化や修飾はすべて以下の本発明の特許請求の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】従来のPETメンブレンの使用時の状態を示す断面図である。
【図2】本発明のポリプロピレン抗静電メンブレンの断面図である。
【図3】本発明のポリプロピレン抗静電メンブレンの使用時の側面図である。
【図4】本発明のポリプロピレン抗静電メンブレンの使用時の拡大断面図である。
【図5】本発明のポリプロピレン抗静電メンブレンの別の実施例の使用時の拡大断面図である。
【符号の説明】
【0018】
31 板体
32 抗静電剤
34 霧面
50 偏光板等の光学材料
51 光学材料完成品
40 板ベルト
41 開口
42 テープ
60 切断機
61 輸送装置
62 光学材料ロール
63 カッター刃
64 弾性緩衝パッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
PP(ポリプロピレン)材質の板体を設け、前記板体が静電気の発生を防止する抗静電剤を含み、該板体の少なくとも一面に霧面を設けたことを特徴とする、ポリプロピレン抗静電メンブレン。
【請求項2】
前記偏光板等の光学材料が、光学膜、偏光板、輝度上昇フィルムまたは位相差板とすることができることを特徴とする、請求項1に記載のポリプロピレン抗静電メンブレン。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2010−162811(P2010−162811A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−8496(P2009−8496)
【出願日】平成21年1月19日(2009.1.19)
【出願人】(509019107)茂▲ゆぇん▼實業有限公司 (1)
【Fターム(参考)】