説明

ポリベンゾオキサゾール及びその製造方法

【課題】植物バイオマスに含まれるリグリンから得られるバニリンを出発原料とし、高機能性高分子である7位にメトキシ基を有する新規2,5−ポリベンゾオキサゾール及びその製造方法を提供する。
【解決手段】バニリン又はバニリン酸から得られる3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−メトキシ安息香酸を脱水重縮合することにより2,5−ポリベンゾオキサゾールを製造することができる。
【化1】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐熱性が高く、結晶性を有する繊維状の新規2,5−ポリベンゾオキサゾール及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリベンゾオキサゾール類は、優れた耐熱性、絶縁性、機械的特性、耐水性、低誘電性、低熱膨張率等を有することが知られており、耐熱性繊維等、産業の様々な分野で使用されている。例えば、下記式で表わされるポリ(パラフェニレンベンゾビスオキサゾール)は、高い引っ張り強度、弾性率を有する合成線維で、防弾チョッキ、コンクリート補強材等として実用化されている。
【0003】
【化1】

【0004】
従来、下記式(A)
【0005】
【化2】



【0006】
(式中、Rは、水素原子、カルボキシル基等を表わす)
で表わされる繰り返し単位を含むポリベンゾオキサゾール類が、UV吸収剤として知られている。当該ポリマーは、アミノヒドロキシ安息香酸類からポリリン酸等の脱水剤の存在下に重縮合反応により製造されている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
また、下記式(B)
【0008】
【化3】



【0009】
で表わされる繰り返し単位を含む2,4−ポリベンゾオキサゾールが知られている。当該ポリマーは、生合成で製造される2,3−ジヒドロ−3−ヒドロキシアントラニル酸からモノマーの3−ヒドロキシアントラニル酸とし、当該化合物の重縮合反応により製造されている(例えば、特許文献2参照)。
【0010】
また、微生物から生産される下記式(C−1)で表わされる3−アミノ−4−ヒドロキシベンズアルデヒドを重合して得られるポリアゾメチン(C−2)を得、これを加熱重合することにより2,5−ポリベンゾオキサゾール(C−3)を製造する方法が知られている(例えば、特許文献3参照)。
【0011】
【化4】



【0012】
さらに、本願発明のポリベンゾオキサゾールの出発原料となるバニリンやバニリン酸が、植物由来のリグニン類から得られることが知られている(例えば、非特許文献1〜3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特表2005−526881号公報
【特許文献2】特開平7−309946号公報
【特許文献3】特開2008−29325号公報
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】Ind.Eng.Chem.Res.,49,520−525(2010)
【非特許文献2】Appl.Biochem.Biotech.,91,71−80(2001)
【非特許文献3】J.Chem.Educ.,74,1055−1059(1997)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
近年、低炭素社会の構築に向けて、植物バイオマスを原材料とする液体燃料や素材の開発が盛んである。サトウキビやトウモロコシなどと違い、食料と競合しないリグノセロール系バイオマス(セルロース系バイオマス)は、エネルギーや各種素材の原材料として有望な資源である。しかし、これに含まれるリグニンは、現時点で熱源としての利用以外に有効な用途が開発されていない。本発明の課題は、リグノセルロース系植物バイオマスに含まれるリグリンから得られるバニリンやバニリン酸を出発原料とし、高機能性高分子である7位にメトキシ基を有する新規2,5−ポリベンゾオキサゾール及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明者等は、有効な利用方法の限られているリグニンに着目し、これから得られるバニリンやバニリン酸を原材料として化学合成法により3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−メトキシ安息香酸を製造し、更にこれをモノマーとして脱水重縮合し、2,5−ポリベンゾオキサゾールを製造する方法を見出し、本発明を完成するに至った。
【0017】
すなわち、本発明は、
(1) 式(I)
【化5】



で表わされる繰り返し単位を有する2,5−ポリベンゾオキサゾールや、
(2) ホモポリマーであることを特徴とする上記(1)記載のポリベンゾオキサゾールに関する。
また、本発明は、
(3) 式(II)
【化6】



で表わされる3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−メトキシ安息香酸を重縮合することを特徴とする上記(1)又は(2)のいずれか記載のポリベンゾオキサゾールの製造方法や、
(4) 重縮合反応が、脱水縮合剤の存在下に行うことを特徴とする上記(3)記載のポリベンゾオキサゾールの製造方法や、
(5) 脱水縮合剤が、ポリリン酸、五酸化リン、メタンスルホン酸、リン酸及び硫酸の一種又は二種以上から選ばれることを特徴とする上記(4)記載のポリベンゾオキサゾールの製造方法に関する。
さらに、本発明は、
(6) 式(VI)
【化7】



で表わされるバニリン(4−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒド)をニトロ化し、式(IV)
【化8】


で表わされる4−ヒドロキシ−5−メトキシ−3−ニトロベンズアルデヒドとし、化合物(IV)のアルデヒド基を酸化して、式(III)
【化9】



で表わされる4−ヒドロキシ−5−メトキシ−3−ニトロ安息香酸とし、次いで化合物(III)のニトロ基を還元することを特徴とする上記(3)記載の式(II)で表わされる3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−メトキシ安息香酸の製造方法や、
(7) 4−ヒドロキシ−5−メトキシ−3−ニトロ安息香酸(III)が、式(V)
【化10】



で表わされるバニリン酸をニトロ化して得られることを特徴とする上記(6)記載の3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−メトキシ安息香酸(II)の製造方法や、
(8) バニリンが、リグニンの酸化分解により得られることを特徴とする上記(6)記載の3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−メトキシ安息香酸(II)の製造方法や、
(9) バニリン酸が、リグニンの酸化分解により得られることを特徴とする上記(7)記載の3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−メトキシ安息香酸(II)の製造方法に関する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、化石資源由来のアミノヒドロキシ安息香酸類に替えて、天然由来の芳香族化合物からのポリベンゾオキサゾールの生産が可能になり、また、本発明の製造方法で得られる2,5−ポリベンゾオキサゾールは、耐熱性が高く、結晶性を有する繊維状の高機能性高分子としての特性を有している。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】ポリマー(Ia)の13C−NMRスペクトルを示す図である。
【図2】モノマー(II)とポリマー(Ib)及び(Id)の赤外線吸収スペクトルを示す図である。
【図3】ポリマー(Ib)の示差走査熱量測定(DSC)プロファイルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の2,5−ポリベンゾオキサゾールは、バニリンやバニリン酸を出発材料として、アミノヒドロキシ安息香酸とし、これを重縮合することにより得ることができる。出発材料となるバニリンやバニリン酸は、有機合成化学的にも入手可能であるが、植物バイオマス、特にリグノセルロース系バイオマスをアルカリ酸化分解等による低分子化処理することにより得ることができる。リグニンは、木材、稲ワラ等のリグノセルロース系バイオマスに多く含まれており、これを適当な方法で低分子化することによりバニリンやバニリン酸を得ることが可能である。例えば、クラフトリグニン(Kraft lignin)をヘテロポリ酸化合物を含むメタノール中で処理することにより、収率4.6%でバニリンが得られるとされている(非特許文献1)。また、塩化鉄や硫酸銅を含むアルカリ溶液中で硫酸リグニンを処理することにより、最高4.7%の収率でバニリンが得られるとしている(非特許文献2)。更に、木材チップを亜硫酸法で処理して生成する亜硫酸パルプ廃液中のリグニンスルホン酸を、アルカリ中で酸化分解してバニリンを得ることも可能である(非特許文献3)。
【0021】
バニリン(4−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒド)(VI)から、下記工程により3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−メトキシ安息香酸(II)を得ることができる。
【0022】
【化11】



【0023】
バニリン(VI)を、例えば、酢酸中硝酸等のニトロ化剤でニトロ化することにより4−ヒドロキシ−3−メトキシ−5−ニトロベンズアルデヒド(IV)を得ることができる。次に、化合物(IV)のアルデヒド基を、例えば、水酸化ナトリウム等のアルカリ水溶液中、酸化銀、過マンガン酸カリウム、クロム酸等の酸化剤で酸化することにより4−ヒドロキシ−3−メトキシ−5−ニトロ安息香酸(III)を得ることができる。また、化合物(III)は、例えば、リグニンから得られるバニリン酸(V)或いはバニリン(VI)を上記と同様に酸化して得られるバニリン酸(V)を上記と同様にニトロ化することによっても得ることが可能である。
化合物(III)のニトロ基を、例えば、エタノール中、パラジウム−炭素を触媒としての接触還元、塩化スズ/塩酸溶液、ヒドラジン、ニッケル触媒下に水素雰囲気下での還元等の方法により、3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−メトキシ安息香酸(II)を得ることができる。
【0024】
化合物(II)は、脱水縮合剤の存在下に重縮合反応に付すことにより、2,5−ポリベンゾオキサゾール(I)を得ることができる。
脱水縮合剤としては、ポリリン酸、五酸化リン、メタンスルホン酸、リン酸及び硫酸等が例示でき、これら脱水縮合剤は、一種又は二種以上を混合して用いることができ、また、脱水縮合剤に替えて、反応系から水を分離しながら反応を行うことも可能である。
反応は、溶媒中或いは溶媒なしで行うことができるが、特に、ポリリン酸を脱水縮合剤として使用する場合は、溶媒を使用しないことが好ましい。溶媒を使用する場合、スルホラン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミド等の溶媒が好ましく、スルホランがより好ましく用いられる。また、これら溶媒は、単独で、又は二種以上を混合して用いることもできる。
反応温度は、使用する脱水縮合剤や、溶媒の種類によって異なるが、30〜300℃、好ましくは80〜250℃、より好ましくは120〜200℃であり、反応時間は、1〜48時間、好ましくは8〜36時間、より好ましくは12〜24時間である。
また、反応は、大気中そのまま反応することも可能であるが、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下に行うことが好ましく、通常大気圧下に行われるが、加圧下に或いは減圧下に行うことも可能である。
得られた重縮合物(I)は、通常の単離、精製法、例えば、反応生成物を水等の不溶性媒体中に沈殿し、これを単離、乾燥させることにより得ることができる。
【0025】
上記製造方法で得られる本発明の2,5−ポリベンゾオキサゾール(I)は、モノマー(II)を重縮合して得られる下記式
【化12】



で表わされるホモポリマーであり、構造的にベンゾオキサゾールの7位に置換基としてメトキシ基を有する点に特徴を有し、従来知られている非置換の2,5−ポリベンゾオキサゾールに比べ、溶解性や加工性の向上等の優れた特性を有する。
【0026】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
【実施例1】
【0027】
リグノスルホン酸をアルカリ溶液中で酸化分解することにより、バニリンを得た。反応条件及びその結果について表1に示す。
【表1】

【実施例2】
【0028】
4−ヒドロキシ−5−メトキシ−3−ニトロベンズアルデヒド(IV)の合成
バニリン(VI)(10g)を酢酸(30ml)に溶解した溶液に、発煙硝酸(3ml)を酢酸(20ml)に溶解した溶液を、攪拌しながらゆっくりと滴下した。反応溶液を水中に注入し、析出した生成物を濾取し、水洗後、酢酸から再結晶し、目的化合物(IV)を黄色結晶として10.39g(収率80.2%)得た。
H−NMR(アセトン−d):δ=4.03(s,3H),7.70(dd,1H),8.23(dd,1H),9.95(s,1H).
【実施例3】
【0029】
4−ヒドロキシ−5−メトキシ−3−ニトロ安息香酸(III)の合成
50mlのビーカーで、硝酸銀(3.11g、0.018mol)の水溶液15mlを攪拌しながら、水酸化ナトリウム(0.76g、0.019mol)の水溶液7.75mlで処理した。反応溶液を5分間攪拌した後、析出した酸化銀をブフナー漏斗で吸引濾取し、水洗した。得られた酸化銀は、そのまま水31mlと共にフラスコへ移し、激しく攪拌しながら水酸化ナトリウム(3.72g、0.093mol)を添加した。反応温度が55℃以下になった場合は60℃に保持しながら、化合物(IV)(3.01g、0.015mol)を添加し、数分後から反応を開始した。酸化銀は、相当の発熱を伴いふわふわした金属性の銀へと変化した。一昼夜攪拌後、反応溶液を濾過し、沈殿物を10mlの温水で洗浄した。得られた蘆液を、8mlの6規定の塩酸中に激しく攪拌しながら注入した。得られた混合液は、酸性とし、15℃に冷却した。析出した沈殿をブフナー漏斗で濾取し、150mlの氷水で洗浄した。減圧下に乾燥し、目的化合物(III)を黄色結晶として2.88g(収率88.6%)得た。
H−NMR(DMSO−d):δ=3.87(dd,3H),7.64(dd,1H),7.96(t,1H).
【実施例4】
【0030】
3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−メトキシ安息香酸・塩酸塩(II)の合成
化合物(III)(2.00g、9.4mmol)及び1.2mlの濃塩酸水溶液の215mlのエタノール溶液中に、10%Pd−C(0.53g)を添加し、混合液を、室温で4時間激しく攪拌した。反応終了後、結晶を濾過し、蘆液を減圧下に溶媒留去、乾燥し、目的化合物(II)を白色粉末として1.97g(収率95.6%)得た。
H−NMR(DMSO−d):δ=3.88(s,3H),7.37(t,1H),7.62(t,1H).
【実施例5】
【0031】
ポリベンゾオキサゾール(Ia)の合成
高い回転力を有する攪拌機及び窒素導入口を備えた250mlのフラスコに、化合物(II)(1.00g、4.6mmol)、ポリリン酸(10g)及び五酸化リン(2.5g)を入れて、窒素雰囲気下に室温で24時間攪拌した。ガスの生成が収まった時点で、反応溶液を、175℃で、12時間加熱した。反応終了後、反応溶液を室温まで冷却し、蒸留水を加えた。ポリマーの固まりを分離し、ソクスレー抽出装置を用いて水洗し、完全に不純物を除去した。減圧下に乾燥して、目的の重合生成物(Ia)を黒色粉末として0.34g(収率47.5%)得た。
重合生成物(Ia)の13C−NMRスペクトルを図1に示す。
図1に見られるように、生成物(Ia)がベンゾオキサゾール骨格を有していることが分かる。
【実施例6】
【0032】
ポリベンゾオキサゾール(Ib)の合成
化合物(II)1.00gと、脱水縮合剤としてポリリン酸2g及び五酸化リン1gを使用し、185℃で16時間加熱した以外は実施例5記載の方法に順じ、目的の重合生成物(Ib)を0.24g(収率34%)得た。
生成物(Ib)の赤外線吸収スペクトルを図2に示す。
図2に見られるように、生成物(Ib)では、モノマー(II)に見られるC=O(1684cm−1)の振動が無くなり、それに代わってC=N(1623cm−1)の振動に由来するシグナルが見られた。
また、生成物(Ib)の示差走査熱量測定(DSC)について図3に示す。
図3から、生成物(Ib)の融点が328℃及び結晶化温度が313℃であることが分かり、この結果より本生成物が、結晶性ポリマーであるということがいえる。
【実施例7】
【0033】
ポリベンゾオキサゾール(Ic)の合成
化合物(II)1.00gと、脱水縮合剤として五酸化リン3g及びメタンスルホン酸4.7gを使用し、140℃で24時間加熱した以外は実施例5記載の方法に順じ、目的の重合生成物(Ic)を0.71g(収率>99%)で得た。
【実施例8】
【0034】
ポリベンゾオキサゾール(Id)の合成
化合物(II)1.00gと、脱水縮合剤としての五酸化リン2.3g及びメタンスルホン酸3.4gをスルホラン10mLに溶解した混合物を使用し、140℃で24時間加熱した以外は実施例5記載の方法に順じ、目的の重合生成物(Id)を0.71g(収率>99%)で得た。
生成物(Id)の赤外線吸収スペクトルを図2に示す。
図1に見られるように、生成物(Id)では、モノマー(II)に見られるC=O(1684cm−1)の振動が無くなり、それに代わってC=N(1623cm−1)の振動に由来するシグナルが見られた。
【0035】
実施例5〜8で得られる生成物(Ia)〜(Id)の溶解性を表2に示す。
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明により得られる2,5−ポリベンゾオキサゾールは、優れた耐熱性を有する結晶性の繊維状のポリマーであり、強化繊維、配線基板などの電子材料、難燃性繊維等として使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】



で表わされる繰り返し単位を有する2,5−ポリベンゾオキサゾール。
【請求項2】
ホモポリマーであることを特徴とする請求項1記載のポリベンゾオキサゾール。
【請求項3】
式(II)
【化2】



で表わされる3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−メトキシ安息香酸を重縮合することを特徴とする請求項1又は2のいずれか記載のポリベンゾオキサゾールの製造方法。
【請求項4】
重縮合反応が、脱水縮合剤の存在下に行うことを特徴とする請求項3記載のポリベンゾオキサゾールの製造方法。
【請求項5】
脱水縮合剤が、ポリリン酸、五酸化リン、メタンスルホン酸、リン酸及び硫酸の一種又は二種以上から選ばれることを特徴とする請求項4記載のポリベンゾオキサゾールの製造方法。
【請求項6】
式(VI)
【化3】



で表わされるバニリン(4−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒド)をニトロ化し、式(IV)
【化4】


で表わされる4−ヒドロキシ−5−メトキシ−3−ニトロベンズアルデヒドとし、化合物(IV)のアルデヒド基を酸化して、式(III)
【化5】



で表わされる4−ヒドロキシ−5−メトキシ−3−ニトロ安息香酸とし、次いで化合物(III)のニトロ基を還元することを特徴とする請求項3記載の式(II)で表わされる3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−メトキシ安息香酸の製造方法。
【請求項7】
4−ヒドロキシ−5−メトキシ−3−ニトロ安息香酸(III)が、式(V)
【化6】



で表わされるバニリン酸をニトロ化して得られることを特徴とする請求項6記載の3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−メトキシ安息香酸(II)の製造方法。
【請求項8】
バニリンが、リグニンの酸化分解により得られることを特徴とする請求項6記載の3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−メトキシ安息香酸(II)の製造方法。
【請求項9】
バニリン酸が、リグニンの酸化分解により得られることを特徴とする請求項7記載の3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−メトキシ安息香酸(II)の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−184530(P2011−184530A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−49894(P2010−49894)
【出願日】平成22年3月5日(2010.3.5)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2009年9月7日 The Society of Fiber Science and Technology,Japan(社団法人繊維学会)発行 THE 10TH ASIAN TEXTILE CONFERENCE PROGRAM & SHORT ABSTRACT(第10回アジアンテキスタイル会議 プログラム&ショートアブストラクト)
【出願人】(510063339)
【出願人】(510063340)
【出願人】(510063351)
【出願人】(510062734)
【出願人】(510062756)
【Fターム(参考)】