説明

ポリマー、着色剤および安定剤を含む組成物

本発明は、少なくとも1つの式(I)のピペリジン化合物を安定剤として含む組成物に関する。式(I)において、変数R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、Yおよび指数nは、請求項1および明細書に記載された意味を有する。本組成物はまた、ポリマー成分および着色剤を含む。さらに、本発明は、顔料含有ポリマー組成物に関し、そして分散助剤としての式(I)の化合物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つのポリマー、少なくとも1つの着色剤、および安定剤として少なくとも1つのピペリジン化合物を含む組成物に関する。安定剤は、光、酸素および/または熱への曝露から組成物を保護すること、さらに顔料含有ポリマーの良好な着色安定性を確保することが特に意図される。本発明は、分散助剤としてピペリジン化合物を使って、ポリマー成分と顔料とを密に接触させることにより顔料含有ポリマー組成物を製造する方法に関し、さらに分散助剤としてのピペリジン化合物の使用に関する。
【0002】
プラスチックの機械的、化学的および/または審美的特性は、光、酸素および/または熱への曝露により劣化することが知られている。プラスチックの部分的な劣化は、経年劣化とも言われるが、材料の黄化、脱色、クラックまたは脆化として一般的に顕著となる。概して、経年劣化は、熱、光、機械的ストレス、混入物との触媒作用もしくは反応により引き起こされ得る酸化反応において見出される。プラスチックの経年劣化現象は、その製造もしくは成形方法の間、および/または成形稼働中にも見られ得る。したがって、製品の機械的特性の低下および脱色を防ぐためには、安定剤または安定剤組成物を使ってプラスチックを安定化することが一般的である。
【0003】
立体障害アミン(ヒンダードアミン光安定剤:HALS)は、プラスチックの光分解および熱分解に対する公知の安定剤である。従来技術でのHALS化合物は、2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン誘導体である。安定化のために使用されるHALS化合物は、モノマーまたはオリゴマーのいずれでも構わない。
【0004】
EP0316582およびWO01/74777は、4−ホルミルアミノ−2,2,6,6−テトラ(C1−C4)アルキルピペリジン誘導体を、有機材料、特にポリオレフィン、ポリアミドおよびポリウレタンのための有効な光安定剤として記述している。モノマー性HALS化合物を含む多数の安定剤混合物が、着色ポリオレフィンの安定化に関する従来技術において記述されている。その例としては、EP1338622、DE19735974およびEP1342748である。WO2005/054353は、少なくとも1つのUV吸収剤、少なくとも1つのモノマー性HALS化合物および少なくとも1つのオリゴマー性HALS化合物を含む着色ポリスチレンについて記述している。
【0005】
従来技術で公知のモノマー性HALS化合物は、その性能特性の点からしばしば不十分な場合がある。最も大きな欠点は、モノマー性HALS化合物の低い移行安定性のために保護効果の持続性が頻繁に不十分になることである。さらなる欠点は、光安定剤として公知のものの多くが、可視光線領域において明らかにわかる固有色を有していることである。その固有色は、着色料含有プラスチックの色強度および輝度を低下させる。さらに、多くの光安定剤は、適用される媒体中で低い溶解性しか有しない。この結果生じる光安定剤の結晶化は、望ましくないポリマーの曇りを引き起こす。したがって、性能特性が改良されたことを示す安定剤および安定剤組成物に対する要求が存在し続いている。
【0006】
したがって、本発明は、特性が改良された安定剤および安定剤混合物を提供するという目的に基づく。特に長期持続性を有する高いレベルでの保護効果を達成すべきものである。さらに、安定剤および安定剤混合物は、安定化させる固有色が低いレベルのポリマーと相溶性を有しなければならない。本発明のさらなる目的は、顔料含有ポリマー組成物を製造するための方法を提供することである。本発明の方法で得られるポリマー組成物は、公知の着色剤含有ポリマー組成物より成形体の製造、特に顔料を少量化することを可能にし、同時に従来のポリマー製造物と同等の色強度を保持できるようにしなければならない。
【0007】
これらの目的は、式(I)
【化1】

[式中、nは、1または2である;
1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立してC1−C4−アルキル、またはR1およびR2および/またはR3およびR4は、結合している炭素原子と共に4−、5−、6−、7−または8員環を形成する;
5およびR7は、それぞれ独立して水素またはC1−C4−アルキルである;
6は、水素、オキシル、ヒドロキシ、アシル、C1−C40−アルキルまたはC2−C40−アルケニルである。このうち後2つの基は、酸素、硫黄、−NH−および−N(C1−C10−アルキル)−からそれぞれ独立して選択される1つ以上の非隣接基によって中断されており、および/またはシアノ、ヒドロキシ、アミノおよびアリールから選択される1つ以上の置換基を有することができる。上記アリールは、C1−C4−アルキル、ハロゲン、C1−C4−アルコキシ、ジ(C1−C4−アルキル)アミノ、メチレンジオキシまたはエチレンジオキシで1回以上置換することができる;
8は、水素またはC1−C10−アルキルである;および
nが1の場合、
Yは、水素であるか、または非置換または同一もしくは異なるRa基で1回以上置換されるC1−C22−アルキルであり、酸素、硫黄、−NH−および−N(C1−C10−アルキル)−からそれぞれ独立して選択される1つ以上の非隣接基によって中断されていてよい;または
Yは、C3−C22−アルケニル、C3−C12−シクロアルキル、C6−C12−ビシクロアルキル、C3−C10−シクロアルケニルであり、これらの基は、1つ以上のRa基を有することでき、そしてC3−C12−シクロアルキル、C6−C12−ビシクロアルキル、C3−C10−シクロアルケニルは、さらに1つ以上のアルキル基を有することができる;または
Yはアリールであり、そのアリールは、ハロゲン、C1−C4−アルキル、C1−C4−アルコキシ、C1−C4−アルコキシカルボニル、メチレンジオキシ、エチレンジオキシまたはジ−(C1−C4−アルキル)アミノで1回以上置換することができる;または
Yは、適切であれば、オキシル、ヒドロキシ、アシル、C1−C40−アルキルまたはC2−C40−アルケニルから選択される1つ以上の同一または異なる基を有するヘテロ環である。このうちC1−C40−アルキルまたはC2−C40−アルケニルは、酸素、硫黄、−NH−および−N(C1−C10−アルキル)−からそれぞれ独立して選択される1つ以上の非隣接基によって中断されており、および/またはシアノ、ヒドロキシ、アミノおよびアリールから選択される1つ以上の置換基を有することができる。上記アリールは、C1−C4−アルキル、ハロゲン、C1−C4−アルコキシ、ジ(C1−C4−アルキル)アミノ、メチレンジオキシまたはエチレンジオキシで1回以上置換することができる;
aは、シアノ、アミノ、ヒドロキシル、ヒドロキシ−C1−C4−アルコキシ、C1−C4−アルコキシカルボニル、アリール、またはヘテロ環であり、このうち後2つの基は、ハロゲン、ヒドロキシル、C1−C4−アルキル、C1−C4−アルコキシ、C1−C4−アルコキシカルボニル、メチレンジオキシ、エチレンジオキシまたはジ(C1−C4−アルキル)アミノで1回以上置換することができる;
そしてnが2の場合、
Yは、隣接結合の間に1から30個の架橋原子を有する二価基である。その二価基は、アルキレン、アルケニレン、アリーレン、ヘテロシクリレン、シクロアルキレンから選択される構造単位を有する。上記アルキレン及びアルケニレンは、酸素、硫黄、−NH−および−N(C1−C10−アルキル)−によって1回以上中断されており、そしてアリーレン、ヘテロシクリレンおよびシクロアルキレンは、C1−C4−アルキルで1回以上置換することができる]のピペリジン化合物を使用することで達成される。
【0008】
かくして、本発明の目的は、まず、安定剤としての(i)、少なくとも1つの式(I)のピペリジン化合物、少なくとも1つの上記のポリマー(ii)および少なくとも1つの着色剤(iii)を含む組成物を提供することである。
【0009】
本発明の具体的な実施態様は、酸化防止剤、光安定剤、金属不活性剤、帯電防止剤、補強剤、フィラー、曇り防止剤および殺生剤から選択される少なくとも1つの添加剤をさらに含む組成物に関する。
【0010】
本発明は、さらに、連続的なポリマー相と、そこに分散する微粒子着色相とを含む顔料含有ポリマー組成物を製造する方法を提供する。その方法は、ポリマー組成物を顔料と密に接触させること、および分散助剤として少なくとも1つの式(I)のピペリジン化合物を使用することを含む。
【0011】
さらに、本発明は、顔料含有ポリマー組成物中において分散助剤として式(I)のピペリジン化合物に使用することを提供する。
【0012】
本発明の目的においては、用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を表す。
【0013】
1−C22アルキルは、1〜22個の炭素原子を有する直鎖または分岐の飽和炭化水素基を表す。例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、2−ペンチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,2−ジメチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、n−ヘキシル、2−ヘキシル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1−エチル−2−メチルプロピル、n−ヘプチル、2−ヘプチル、3−ヘプチル、2−エチルペンチル、1−プロピルブチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、2−プロピルヘプチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、ノニル、デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−トリデシル、iso−トリデシル、n−テトラデシル、n−ヘキサデシル、n−オクタデシル、n−エイコシルなどである。
【0014】
1−C40アルキルは、1〜40個の炭素原子を有する直鎖または分岐の飽和炭化水素基を表す。例としては、C1−C22アルキル、さらにトリアコンタニル(triacontanyl)、トリトリアコンタニル(tritriacontanyl)またはテトラコンタニル(tetracontanyl)である。
【0015】
アルキルに、酸素、硫黄、−NH−およびN(C1−C10−アルキル)から互いにそれぞれ独立して選択される1つ以上、例えば1、2、3、4、5、6、7または8つの非隣接基によって中断されている場合、アルキル基の末端は炭素原子より形成される。例としては、以下である:−(CH23N(CH32、−(CH2)N(C252、−(CH23−OCH3、−(CH23−O−CH(CH32、−(CH22O(CH22−OCH3、−CH2−(CH22−CH2−N(CH23、−(CH22−N[CH(CH322、−(CH22−N(C252、−(CH22N(CH32、−(CH22OCH3、−(CH22OCH2CH3、−(CH23−SCH3、−(CH23−S−CH(CH32、−(CH22S(CH22−SCH3、−(CH22SCH3および−(CH22SCH2CH3
【0016】
上記で定義されたC1−C40アルキルは、シアノ、アミノ、ヒドロキシ、およびアリールから互いにそれぞれ独立して選択される1つ以上、例えば1、2、3、4、5または6つの置換基を有することができる。アリールは、1回以上、例えば1回、2回、3回または4回、ハロゲン、C1−C4−アルキル、C1−C4−アルコキシ、メチレンジオキシ、エチレンジオキシまたはジ(C1−C4−アルキル)アミノで置換することができる。
【0017】
1−C22アルキルが1つ以上の同一または異なるRa基を有する場合、アルキル基は、1、2、3、4、5または6個のRa基を有するのが好ましい。
【0018】
ヒドロキシ置換アルキルの場合、アルキル基は、1つまたは2つ、特に1つのヒドロキシ基を有するのが好ましい。例えば、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル−1−イル、2−ヒドロキシプロプ−1−イル、3−ヒドロキシプロプ−1−イル、1−ヒドロキシプロプ−2−イル、2−ヒドロキシブト−1−イル、3−ヒドロキシブト−1−イル、4−ヒドロキシブト−1−イル、1−ヒドロキシブト−2−イル、1−ヒドロキシブト−3−イル、2−ヒドロキシブト−3−イル、1−ヒドロキシ−2−メチルプロプ−3−イル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロプ−3−イルまたは2−ヒドロキシメチルプロプ−2−イルである。
【0019】
アミノ置換基の場合、アルキル基は、1つまたは2つ、特に1つのアミノ基を有するのが好ましい。例えば、アミノメチル、2−アミノエチル−1−イル、2−アミノプロプ−1−イル、3−アミノプロプ−1−イル、1−アミノプロプ−2−イル、2−アミノブト−1−イル、3−アミノブト−1−イル、4−アミノブト−1−イルまたは1−アミノブト−2−イルである。
【0020】
ヒドロキシ−C1−C4−アルコキシ置換アルキルの場合、アルキル基は、1つまたは2つ、特に1つのヒドロキシ−C1−C4−アルコキシ置換基を有するのが好ましい。
【0021】
1−C4−アルコキシカルボニル置換アルキルの場合、アルキル基は、1つまたは2つ、特に1つのアルコキシカルボニル置換基を有するのが好ましい。例えば、メトキシカルボニルメチル、エトキシカルボニルメチル、2−メトキシカルボニルエチル、1−メトキシカルボニルエチル、2−エトキシカルボニルエチル、1−エトキシカルボニルエチル、n−プロポキシカルボニルメチル、イソプロポキシカルボニルメチル、n−ブトキシカルボニルメチル、(1−メチルプロポキシ)カルボニルメチルまたは(2−メチルカルボニルプロポキシ)メチルである。
【0022】
シアノ置換アルキルの場合、アルキル基は、1つまたは2つ、特に1つのシアノ置換基(例えば、シアノメチルまたはシアノエチル)を有するのが好ましい。
【0023】
アリール置換アルキルの場合、アルキル基は、1、2、3、または4つの、特に1つまたは2つのアリール置換基を有するのが好ましい。そのアリール基は、C1−C4−アルキル、ハロゲン、C1−C4−アルコキシ、C1−C4−アルコキシカルボニル、メチレンジオキシ、エチレンジオキシまたはジ(C1−C4−アルキル)アミノで、1回以上、特に1回または2回置換することができる。好ましくは、アリールは、フェニルである。フェニル置換アルキルの例としては、ベンジル、メトキシベンジル、メチルベンジル、エチルベンジル、イソプロピルベンジル、トリメチルベンジル、フルオロベンジル、クロロベンジル、メチレンジオキシベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル、ジメチルアミノベンジル、ジフェニルメチルおよび1,3−ジフェニルプロップ−2−イルである。
【0024】
2−C22−アルケニルは、2〜22個の炭素原子およびいずれかの位置に1つの二重結合を有する直鎖または分岐の1不飽和炭化水素基である。例えば、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−メチルエテニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−メチル−1−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−メチル−2−プロペニル、2−メチル−2−プロペニルなどである。アルケニル基が1つ以上の置換基Raを有する場合、例えば、1、2、3、4、5または6つの置換基Raを有することができる。
【0025】
2−C40−アルケニルは、酸素、硫黄、−NH−およびN(C1−C10−アルキル)(すなわち、アルケニル基の末端が炭素原子からなる)からそれぞれ独立して選択される1つ以上、例えば1、2、3、4、5、6、7または8つの非隣接基によって中断され、適切であれば、シアノ、ヒドロキシ、アミノおよびアリールから選択される1つ以上の、例えば、1、2、3、4、5、6、7または8つの置換基を有することのできる2〜40個の炭素原子およびいずれかの位置に1つの二重結合を有する直鎖または分岐の1不飽和炭化水素基である。上記アリールは、C1−C4−アルキル、ハロゲン、C1−C4−アルコキシ、ジ(C1−C4−アルキル)アミノ、メチレンジオキシまたはエチレンジオキシで1回以上置換することができる。
【0026】
シクロアルキルは、例えば、3〜12個の炭素環員を有する単環式飽和炭化水素基を表す。例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシルなどである。シクロアルキルは、1つ以上のRa基、1、2、3、4、5または5以上のような1以上のアルキル基(例えばC1−C10−アルキル基)を有することができる。シクロアルキルがRaで置換される場合、シクロアルキルは、1、2、3、4、5または6つの置換基を一般に有する。
【0027】
ビシクロアルキルは、例えば、6〜12個の炭素原子を有する二環式飽和炭化水素基である。例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−1−イル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−7−イル、ビシクロ[2.2.2]オクト−1−イル、ビシクロ[2.2.2]オクト−2−イル、ビシクロ[3.3.0]オクチル、ビシクロ[4.4.0]デシルなどである。ビシクロアルキルは、1つ以上のRa基、1、2、3、4、5または5以上のような1以上のアルキル基(例えばC1−C10−アルキル基)を有することができる。ビシクロアルキルがRaで置換される場合、ビシクロアルキルは、1、2、3、4、5または6つの置換基Raを一般に有する。
【0028】
シクロアルケニルは、例えば、3〜10個の炭素環員を有する単環式一不飽和炭化水素基である。例えば、シクロペンテン−1−イル、シクロペンテン−3−イル、シクロヘキセン−1−イル、シクロヘキセン−3−イルなどである。シクロアルケニルは、1つ以上のRa基、1、2、3、4、5または5以上のような1以上のアルキル基(例えばC1−C10−アルキル基)を有することができる。シクロアルケニルがRaで置換される場合、シクロアルケニルは、1、2、3、4、5または6つの置換基Raを一般に有する。
【0029】
本発明の目的において、表記「アリール」には、単環または多環の芳香族炭化水素基が含まれる。表記「アリール」は、フェニル、トリル、キシリル、メシチル、デュリル、ナフチル、フルオレニル、アントラセニル、フェナントレニルまたはナフチルを表し、より好ましくはフェニルまたはナフチルを表す。アリールは、C1−C4−アルキル、ハロゲン、C1−C4−アルコキシ、C1−C4−アルコキシカルボニル、メチレンジオキシ、エチレンジオキシまたはジ(C1−C4−アルキル)アミノで、1回以上、例えば、1、2、3、4、5または6回置換することができる。
【0030】
表記「アシル」としては以下のものが挙げられる:一般に1〜22個、好ましくは1〜11個の炭素原子を有するアルカノイル、ヘタロイルおよびアロイル基、例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、ペンタノイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、2−エチルヘキサノイル、2−プロピルヘプタノイル、ベンゾイルまたはナフトイル基。
【0031】
nが2である場合、Yは、隣接結合との間にある1〜30個の架橋原子を有する二価基である。その二価基は、アルキレン、アルケニレン、アリーレン、ヘテロシクリレンおよびシクロアルキレンから選択される、例えば、1、2、3、4、5、6または7つの構造単位を有する。そのうちアルキレンおよびアルケニレンは、酸素、硫黄、−NH−およびN(C1−C4−アルキル)のような−N(C1−C10−アルキル)−によって1回以上中断されていてよい。そして、アリーレン、ヘテロシクリレンおよびシクロアルキレンは、1回以上(1回、2回、3回または4回)、例えばC1−C4−アルキルで置換することができる。
【0032】
Yが構造単位としてアルキレンを含む場合、アルキレンは、好ましくは1〜30炭素原子を有する直鎖または分岐の飽和炭化水素鎖である。例えば、1,1−エタンジイル、1,2−エタンジイル、プロプ−1,2−イレン、プロプ−1,3−イレン、ブト−1,2−イレン、ブト−1,3−イレン、ブト−1,4−イレン、2−メチルプロプ−1,3−イレン、ペント−1、2−イレン、ペント−1、3−イレン、ペント−1、4−イレン、ペント−1、5−イレン、ペント−2,3−イレン、ペント−2,4−イレン、1−メチル−1,4−ブチレン、ヘキシ−1,3−イレン、ヘキシ−2,4−イレン、ヘキシ−1,4−イレン、ヘキシ−1,5−イレン、ヘキシ−1,6−イレン、ヘプト−1,7−イレン、オクト−1,8−イレンなど。
【0033】
Yが構造単位として、酸素、硫黄、−NH−およびN(C1−C4−アルキル)のような−N(C1−C10−アルキル)−によって1回以上、例えば、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回または8回中断されたアルキレンを含む場合、その例としては以下のものが挙げられる:−(C36O)−C36−、−(C36O)2−C36−、−(C36O)3−C36−、−(C36O)4−C36−、−(C36O)5−C36−、−(CH23O(CH24O(CH23−、−(CH23O(CH22O(CH22O(CH22−、−(CH23O(CH22O(CH23−、−(CH2)−[N(CH3)]−(CH22−、−CH2−C(CH3)−[O(CH25CH3]−CH2−CH(CH3)−CH2−、−CH2−C(CH3)−[O(CH25CH3]−CH2−CH(C2H5)−CH2−、−(C36S)−C36−、−(C36S)2−C36−、−(C36S)3−C36−、−(C36S)4−C36−、−(C36S)5−C36−、−(CH23S(CH24S(CH23−、−(CH23S(CH22S(CH22S(CH22−、−(CH23S(CH22S(CH23−、−CH2−C(CH3)−[S(CH25CH3]−CH2−CH(CH3)−CH2−、−CH2−C(CH3)−[S(CH25CH3]−CH2−CH(C25)−CH2−。
【0034】
Yが構造単位としてアルケニレンを含む場合、アルキレンは、2〜30個の炭素原子を有する直鎖または分岐の一不飽和の炭化水素である。
【0035】
Yが構造単位としてアリーレンを含む場合、アリーレンは、非置換であるか、またはC1−C4−アルキルで1回以上、例えば1、2、3、または4回置換される。例としては、ナフチレン、フェニレンおよびビフェニレンである。
【0036】
Yが構造単位としてシクロアルキレンを含む場合、シクロアルキレは、好ましくは5〜22個の炭素原子を有する。シクロアルキレンは、非置換であるか、または1つ以上の、例えば1、2、3、または4つのメチルのようなC1−C4−アルキル基で置換することができる。
【0037】
Yが構造単位としてヘテロ環を含む場合、ヘテロ環は、好ましくは、環員として1、2、3、または4つのO、SおよびNから選択されるヘテロ原子を含む5、6、7、8−、9または10員複素環である。ヘテロ環は、飽和、部分的不飽和または芳香族であり得る。ヘテロ環は、環員として2つの窒素原子を含むことができる。ヘテロ環は、非置換であるか、または1つ以上の、例えば1、2、3、または4つのメチルのようなC1−C4−アルキル基を含むことができる。
【0038】
表記「ヘテロ環」、「ヘテロサイクル」または「ヘテロサイクリル」は、5−、6−、7−、8−、9−または10員のヘテロ環(ヘテロサイクリル)を表し、芳香族ヘテロ環(ヘトアリールまたはヘテロアリール)だけでなく、完全飽和または部分的不飽和のヘテロ環基を含む。ヘテロ環は、1、2、3、または4つのO、SおよびNから選択されるヘテロ原子を有する。ヘテロ原子の例としては、1、2、3、または4つ窒素原子、1、2または3つの窒素原子、1または2つの酸素原子、または1つの酸素原子および1または2つの窒素原子または1つの硫黄原子および1または2つの窒素原子である。好ましくは、ヘテロ環は、5または6つの環原子を含む。
【0039】
ヘテロ環は、非置換または適切であれば、1つ以上の、例えば、1、2、3、4、5、6または7つの同一または異なる基であって、オキシル、ヒドロキシ、アシル、C1−C40−アルキルまたはC2−C40−アルケニルから選択される基を有する。C1−C40−アルキルおよびC2−C40−アルケニルは、それぞれ独立して酸素、硫黄、−NH−およびN(C1−C10−アルキル)−から選択される1つ以上の非隣接基によって中断されること、および/またはそれぞれ独立してシアノ、ヒドロキシ、アミノおよびアリールから選択される1つ以上の置換基を有することができる。上記アリールは、C1−C4−アルキル、ハロゲン、C1−C4−アルコキシ、ジ−(C1−C4−アルキル)アミノ、メチレンジオキシまたはエチレンジオキシで1回以上置換することができる。
【0040】
本組成物に含まれる式(I)のピペリジン化合物は、使用されるポリマーおよび着色剤、特に使用される顔料との高いレベルの相溶性のため、低い蒸気圧および低い移行性のために注目すべきものである。したがって、本発明の組成物は、式(I)のペリジン組成物より、むしろ従来技術の安定剤を含む組成物と比べて、高い安定性を示す。
【0041】
本発明の組成物中の式(I)のピペリジン化合物の使用に関しては、変数R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8が、それぞれ独立して、特に組み合わされて以下の定義を有するのが好ましい:
1、R2、R3、R4メチル;
5、R7水素;
8水素;
6水素;C1−C10−アルキル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル;シアノメチルまたはシアノエチルのようなC1−C4−シアノアルキル;アミノメチル、アミノエチルのようなC1−C4−アミノアルキル;ヒドロキシメチルまたはヒドロキシエチルのようなC1−C4−ヒドロキシアルキル;ベンジル、フェニルエチルまたはフェニルプロピルのようなフェニル−C1−C4−アルキル;2−メチルベンジル、3−メチルベンジルまたは4−メチルベンジルのようなトリル−C1−C4−アルキル;アリルのようなC2−C6−アルケニル;C1−C22−アルカノイル、例えばホルミル、アセチル、プロピオニル、ブタノイルまたはペンタノイルまたはベンゾイルのようなアシル;特に、水素、アセチル、シアノメチル、アミノエチル、および特に水素。
【0042】
本発明の好ましい実施態様においては、R1、R2、R3およびR4がそれぞれメチルであり、そしてR5およびR7がそれぞれ水素である。
【0043】
nが1である場合、Yは、好ましくは以下の定義のうちの1つを有する:
i)水素;
ii)C1−C22−アルキル、例えば、メチル、エチル、n−プロピルおよびイソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、オクタデシル、3,3−ジメチルブト−2−イル、ネオペンチル、4−メチルペント−2−イルおよび2−エチルヘキシル;
iii)1回以上、例えば、1回、2回または3回、同一または異なるRa基で置換されるC1−C10−アルキル:その例としては、シアノメチルまたはシアノエチルのようなC1−C10−シアノアルキル;ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチルのようなC1−C10−ヒドロキシアルキル;C1−C4−アルコキシカルボニル置換C1−C10−アルキル、例えば、メトキシカルボニルエチルおよびエトキシカルボニルエチル;
フェニル−C1−C10−アルキル(このフェニルは、1回以上、例えば、1回または2回、C1−C4−アルキル、フッ素、塩素、C1−C4−アルコキシ、ジ(C1−C4−アルキル)アミノ、メチレンジオキシで置換することができる。例えば、ベンジル、メチルベンジル、エチルベンジル、イソプロピルベンジル、トリメチルベンジル、メトキシベンジル、フルオロベンジル、クロロベンジル、ジメチルアミノベンジル、3,4−(メチレンジオキシ)ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピルおよびフェニルブチル、ジフェニルメチルおよび1,3−ジフェニルプロプ−2−イル;5−、6−、7−、8−、9−または10−員の飽和、部分不飽和または芳香族ヘテロ環で置換されるC1−C10−アルキル(このヘテロ環は、1、2,3または4つの酸素、窒素または硫黄から選択されるヘテロ原子を環員として含む。および適切であれば、オキシル、ヒドロキシ、アシル、C1−C10−アルキルまたはC2−C10−アルケニルから選択される1つ以上の、例えば、1または2つの、置換基を有する。例としては、以下の式のもの。)
【化2】

iv)−O−、−S−、−NH−および−N(C1−C4−アルキル)−によって中断され、適切であればヒドロキシルにより置換されるC4−C22−アルキル、例えば、−(CH23N(CH32、−(CH23N(C252、−(CH23−OCH3、−(CH23−O−CH(CH32、−(CH22O−(CH22−OH、−CH2−(CH22−CH2−N(CH23、−(CH22−N[CH(CH322、−(CH22−N(C2H5)2、−(CH22N(CH32、−(CH22−OCH3および−(CH22OCH2CH3
v)C3−C22−アルケニル、例えば、アリル、1−ブテニル、1−ペンテニルおよびオレイル;
vi)C3−C12−シクロアルキル、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロドデシル、特にシクロペンチルおよびシクロヘキシル;
vii)C6−C12−ビシクロアルキル、例えばビシクロヘプチル;
viii)適切であればC1−C4−アルキルまたはC1−C4−アルコキシカルボニルで置換されるフェニル、例えば、フェニル、トリル、メトキシカルボニルフェニルおよびエトキシカルボキシルフェニル;または
ix)以下の式の基
【化3】

式中、#はアミド窒素原子との結合部位を表し、R1〜R7は上記の定義によるもの、特に好ましいと定義されたものである。
【0044】
nが2である場合、Yは、アミド窒素原子に結合する二価基であって、好ましくは以下の定義のうちの1つを有する:
a)C1−C12−アルキレン、例えば、メチレン、1,2−エタンジイル、プロパン−1,3−ジイル、ブタン−1,4−ジイル、ペンタン−1,5−ジイル、ヘキサン−1,6−ジイル、ヘプタn−1,7−ジイル、オクタン−1,8−ジイル、
【化4】

式中、#は、それぞれのアミド窒素原子との結合部位を表し、特に未分岐のC4−C8−アルキレン、その中でも特にヘキサン−1,6−ジイルである;
b)は、隣接結合との間にある1から30個の架橋原子を有する二価基である。その二価基は、アルキレンから選択される構造単位を有する。上記アルキレンは、酸素、硫黄、−NH−および−N(C1−C4−アルキル)−のような−N(アルキル)−によって1回以上、例えば、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回または8回中断される。例としては、−(CH23O(CH24O(CH23−、−(CH23O(CH22O(CH22O(CH23−、−(C36O)−C36−、−(C36O)2−C36−、−(C36O)3−C36−、−(C36O)4−C36−、−(C36O)5−C36−、−(CH23O(CH22O(CH23−、
【化5】

c)は、隣接結合との間にある1〜30個の架橋原子を有する二価基である。その二価基は、アルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクリレンおよびフェニレンから選択される構造単位を有する。そのうちフェニレン、ヘテロシクリレンおよびシクロアルキレンは、1回以上、1回、2回または3回、C1−C4−アルキルで置換することができる。例としては、1,2−フェニレン、1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、
【化6】

式中#は、2つのアミド窒素原子とのY基の結合部位を表す。
【0045】
本発明の特に好ましい実施態様において、式(I)における変数R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、Yおよび指数nは、以下の定義である:指数nは2であり、R1、R2、R3、R4は、それぞれメチルであり、R5、R6、R7およびR8は、それぞれ水素であり、Yは、ヘキサン−1,6−ジイルである。
【0046】
一般式(I)の化合物は、一般式(II)の化合物(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、Yおよびnは、上で定義されたもの)と、ギ酸もしくはギ酸エステル(R8が水素の場合)またはC1−C10−カルボン酸もしくはC1−C10−カルボン酸エステル(R8=C1−C10−アルキルの場合)と反応させることにより製造できる。この目的のためには、メチルエステルおよびエチルエステルが好ましい。これらの反応は、触媒の有無にかかわらず行なうことができる。触媒はルイス酸であればよく、特にチタンオルトエステルおよびチタンオルトブチレートであり得る。
【0047】
【化7】

【0048】
この種の反応は、EP0316582に記述されている。
【0049】
6=Hである一般式(I)の化合物は、公知の変換方法(例えば、アルキル化、還元アミノ化、グリコール酸ニトリルなどとの反応)により、Rが非置換またはアルキル、アルケニル、アシルで置換された一般式(I)の化合物に変換できる。適切なアルキル化剤の例としては、アルキルクロライド、アルキルブロマイドまたはアルキルヨーダイドのようなアルキルハライド(例えば、メチルクロライド、メチルブロマイドまたはメチルヨーダイド)、またはジメチルスルフェートまたはジエチルスルフェートのようなジアルキルスルフェートが挙げられる。アルキル化剤との反応は、溶媒の存在下で有利に実行できる。これらの反応で使用される溶媒は、温度範囲によるが、以下のものである:脂肪族、シクロ脂肪族または芳香族の炭化水素(例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン)、塩素化脂肪族および芳香族炭化水素(例えば、ジクロロメタン、クロロベンゼン)、開鎖ジアルキルエーテル(例えば、ジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル)、環状エーテル(テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン)、グリコールエーテル(例えば、ジメチルグリコールエーテル)またはこれら溶媒の混合物。
【0050】
6=Hである一般式(I)の化合物は、例えば酸化により、対応するオキシル基に変換できる。適切な酸化剤としては、過酸化物(過酸化水素、tert−ブチル過酸化水素、クメン過酸化水素)、過酸(過酢酸、meta−クロロ過安息香酸、オルト−クロロ過安息香酸、過安息香酸、para−ニトロ過安息香酸またはマグネシウムモノパーオキシフタレート)が挙げられる。酸化は、不活性溶媒(例えば、塩化メチレンのような塩素化炭化水素)、脂肪族炭化水素(例えば、石油エーテル)または芳香族炭化水素(例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン)またはそれらの混合物でも起こり得る。
【0051】
式(II)の化合物は、文献により公知であるか、または有機合成の当業者により、それ自体公知の方法の改良により可能である。
【0052】
本発明によれば、式(I)ピペリジン誘導体が、ポリマーおよび少なくとも1つの着色剤を含む組成物の光および/または熱に対する安定化のために使用される。さらに、化合物(I)は、金属不活性剤として作用する能力もまた有する。
【0053】
本発明の好ましい実施態様は、ポリマーii)としてハロゲン化ポリマーを含む組成物に関する。ハロゲン化ポリマーとしては、以下のものが挙げられる:ポリクロロプレン、塩素化ゴムおよびフッ素化ゴム、イソブチレン−イソプレンの塩素化および臭素化コポリマー(ハロゲンゴム)、塩素化およびスルホ塩素化ポリエチレン、エチレンおよび塩素化エチレンのコポリマーおよび塩素化エチレン、エピクロロヒドリンホモポリマーおよびコポリマー、特にハロゲン含有ビニル化合物のポリマー、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、それらのコポリマー(例えば、塩化ビニル/塩化ビニリデン、塩化ビニル/ビニルアセテートまたは塩化ビニリデン/ビニル−アセテート−コポリマー)。ポリ塩化ビニルは、様々な可塑剤含有量で使用される。固形PVCとして0〜12%の可塑剤含有量、柔軟性PVCとして12%以上、そしてPVCペーストとしては非常に高い可塑剤含有量である。一般的な可塑剤の例としては、フタレート、エポキシド、およびアジピン酸エステルが挙げられる。
【0054】
ポリ塩化ビニルは、塩化ビニルのバルク重合、懸濁重合、微懸濁重合および乳化重合におけるフリーラジカル重合で製造できる。重合は、しばしば過酸化物で開始される。PVCは、例えば、合成発泡皮革、断熱壁紙、日用品、靴底、家具、床材およびパイプとして様々に使用される。
【0055】
ポリ塩化ビニリデンは、塩化ビニリデンのフリーラジカル重合で製造できる。塩化ビニリデンはまた、(メタ)アクリレート、塩化ビニルまたはアクリロニトリルと共重合できる。ポリ塩化ビニリデンおよびビニリデンコポリマーは、例えば、フィルムならびにプロフィール、パイプおよびファイバーに成形される。最も重要な用途は、多層フィルムである。ポリ塩化ビニリデンの良好な遮蔽特性は、コーティングにも使用される。
【0056】
さらなる本発明の好ましい実施態様は、以下のような組成物に関する:ポリマーii)が、ポリアルキレングリコールのような環状エーテルのホモポリマーおよびコポリマー、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドまたはビスグリシジルエーテルとのそれらのコポリマーから選択される。ポリアルキレングリコールは、環状エーテル(例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシドまたはテトラヒドロフラン)と、出発分子としてのOH化合物(例えば、水)との重付加により生じる。重付加のための出発分子は、二価または多価のアルコールであり得る。低分子量ポリアルキレングリコールは、合成潤滑油として使用される。さらに、ポリアルキレングリコールは界面活性剤のための安定剤として、石鹸中の結合剤として、書印用インク中成分として、ならびに可塑剤および離型剤として使用される。
【0057】
さらなる本発明の好ましい実施態様は、ポリマーii)が以下から選択される組成物に関する:ポリアセタール、ポリアセタールと環状エーテルとのコポリマーおよび熱可塑性ポリウレタン、アクリレートもしくはメチルアクリレート/ブタジエン/スチレン−コポリマーで修飾されたポリアセタール。ポリアセタールは、アルデヒドまたは環状アセタールの重合で生じる。1つの工業的に重要なポリアセタールは、ホルムアルデヒドまたはトリオキサンのそれぞれカチオ重合またはアニオン重合で得られるポリオキシメチレン(POM)である。修飾POMは、例えば、エチレンオキシドまたは1,3−ジオキソランのような環状エーテルとの共重合で得られる。POMと熱可塑性ポリウレタンエラストマーとの組合せにより、POM系ポリマーブレンドが製造される。未補強POMは、非常に高い剛性、強度および靭性が特徴である。POMは、好ましくは家庭用品を製造するために、装置、自動車および機械を製造するために、ならびに衛生用品および設備工学において使用される。
【0058】
さらなる本発明の好ましい実施態様は、ポリマーii)が、ポリアリールエーテル、ポリアリールスルフィド、およびポリアリールエーテルとスチレンポリマーおよびポリアミドとの混合物から選択される組成物に関する。ポリアリールエーテルの例は、その主鎖が、酸素原子を介して結合し、適切であれば、アルキル基で置換されるフェニレン単位で構成されるポリフェニレンオキシドである。1つの工業的に重要なポリフェニレンオキシドは、ポリ−2,6−ジメチルフェニルエーテルである。ポリアリールスルフィドの例は、1,4−ジクロロベンゾールとナトリウムスルフィドとの縮重合で得られるポリフェニレンスルフィドである。それらは高い強度、剛性、および硬度が特徴である。それらは、ポンプ筺体における金属および機械工学および装置製造の他の構成要素に代わるものである。ポリフェニレンスルフィドのさらなる用途分野は、電気工学および電子工学である。
【0059】
さらなる本発明の好ましい実施態様は、ポリマーii)がポリウレタンから選択される組成物に関する。適切なポリイソシアネート重付加生成物(ポリウレタン)は、例えば、多孔性ポリウレタン(例えば、固形または柔軟性ポリウレタン発泡体)、圧縮ポリウレタン、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、熱硬化性または弾力性ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートである。これらのポリマーは周知のことであり、その製造は広く開示されている。それらは、二価および多価のイソシアネートまたは対応するイソシアネート類似物とイソシアネート反応性化合物との反応により一般的に製造される。その製造は、一般的な方法(例えば、ワンショット法またはプレポリマー法により、例えば、金型、反応押出機において、およびベルトユニット上)で行なわれる。1つの具体的な製造方法は、反応射出成形法(RIM)である。その方法は、発泡核または圧縮核および大部分が圧縮された多孔性でない表面を有するポリウレタン製造のために好ましく使われる。化合物(I)およびその誘導体は、これらの方法の全てに適している。
【0060】
ポリウレタンは、少なくとも1つのポリイソシアネートと、イソシアネート基に対して反応性を有する少なくとも1分子あたり2つの基を有する少なくとも1つの化合物とから一般的に合成される。適切なポリイソシアネートは、好ましくは2〜5つのNCO基を有する。イソシアネート基に対して反応性を有する基は、好ましくは、ヒドロキシル基、メルカプト基、第1および第2アミノ基から選択される。ここでは、二価または多価ポリオールが含まれる。
【0061】
適切なポリイソシアネートは、脂肪族、シクロ脂肪族、アルアリファチックおよび芳香族イソシアネートである。適切な芳香族ジイソシアネートは、例えば、以下である:2,2′−,2,4′−および/または4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフチレンジイソシアネート(NDI)、2,4−および/または2,6−トルイレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3′−ジメチル−ジフェニル−ジイソシアネート、1,2−ジフェニルエタンジイソシアネートおよび/またはフェニレンジイソシアネート。脂肪族およびシクロ脂肪族ジイソシアネートは、例えば、以下である:トリ−、テトラ−、ペンタ−、ヘキサ−、ヘプタ−および/またはオクタメチレンジイソシアネート、2−メチルペンタメチレン−1,5−ジイソシアネート、2−エチルブチレン−1,4−ジイソシアネート、1−イソシアネート−3,3,5−トリメチル−5−イソシアネートメチル−シクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート、IPDI)、1,4−および/または1,3−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン(HXDI)、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、1−メチル−2,4−および/または2,6−シクロヘキサンジイソシアネートおよび/または4,4′−,2,4′−および/または2,2′−ジシクロヘキシルメタン−ジイソシアネート。好ましいジイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)およびイソホロンジイソシアネートが挙げられる。多官能イソシアネートの例は、以下である:トリイソシアネート(例えば、トリフェニルメタン−4,4′,4′′−トリイソシアネート)、前記ジイソシアネートのシアヌレート、ジイソシアネートと水との部分反応で得られるオリゴマー(例えば、前記ジイソシアネートのビウレット)、さらにセミブロックジイソシアネートと、平均して2つより多い、好ましくは3つ以上のヒドロキシ基を有するポリオールとの標的反応により得られるオリゴマー。
【0062】
この状況において、固形ポリウレタン発泡体に使用されるポリオールは、適切であれば、イソシアヌレート構造を有しえるが、多官能ポリオール、特に出発分子として多官能アルコール、糖類アルコールおよび/またはサッカライドをベースとするポリエーテルポリオールである。柔軟性ポリイソシアネート−重付加生成物(例えば、ポリウレタン柔軟性発泡体またはRIM材料)に関しては、好ましいポリオールは、出発分子としてのグリセロールおよび/またはトリメチロールプロパンおよび/またはグリコールをベースとした2−および/または3−官能ポリエーテルポリオール、ならびにエステル化のためのアルコールとしてのグリセリンおよび/またはトリメチロールプロパンおよび/またはグリコールをベースとした2−および/または3−官能ポリエーテルポリオールである。熱可塑性ポリウレタンは、一般的に、二官能ポリエステルポリアルコール、および/または平均官能基数が1.8〜2.5、特に好ましくは1.9〜2.1のポリエーテルポリアルコールをベースとする。
【0063】
この状況において、ポリエーテルポリオールは、公知の技術に従って製造できる。ポリオールの製造のための適切なアルキレンオキシドの例は、例えば、1,3−プロピレンオキシド、1,2−および/または2,3−ブチレンオキシド、スチレンオキシド、および好ましくはエチレンオキシドおよび1,2−プロピレンオキシドである。アルキレンオキシドは、個別に、交互にまたは混合物として使用できる。ポリオール中に第1ヒドロキシル基を生じるアルキレンオキシドを使用するのが好ましい。特に好ましく使用されるポリオールは、アルコキシ化を停止させるために、エチレンオキシドでアルコキシ化され、それにより第1ヒドロキシル基を有するものである。さらに適切なポリエーテルオールは、ポリテトラヒドロフランおよびポリオキシメチレンである。ポリエーテルポリオールは、好ましくは2〜6、特に2〜4つの官能基、および200〜10000、好ましくは200〜8000の分子量を有する。
【0064】
適切なポリエステルポリオールは、例えば、2〜12個の炭素原子を有する有機ジカルボン酸、好ましくは4〜6個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸から、および多価アルコール、好ましくは、2〜12個の炭素原子、好ましくは2〜6個の炭素原子を有するジオールから製造することができる。ポリエステルポリオールは、好ましくは、2〜4個、特に2〜3個の官能基、および480〜3000、好ましくは600〜2000、そして特に600〜1500の分子量を有する。
【0065】
ポリオール成分は、さらにジオールまたは多価アルコールを含む。適切なジオールは、好ましくは2〜25個の炭素原子を有するグリコールである。これらの例としては、以下のものが挙げられる:1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレングリコール、2,2,4−トリメチルペンタン−1,5−ジオール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール、1,4−ジメチロールシクロヘキサン、1,6−ジメチロールシクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン(ビスフェノールB)または1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(ビスフェノールC)。適切な多価アルコールは、例えば、三価(トリオール)、四価(テトラオール)および/または五価アルコール(ペントール)である。これらは、一般に3〜25、好ましくは3〜18個の炭素原子を有する。これらの例としては、以下のものが挙げられる:グリセロール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、エリトリトール、ペンタエリトリトール、ソルビトールおよびそのアルコキシレート。
【0066】
機械特性(例えば、硬度)を改良するために、鎖拡張剤、架橋剤、停止剤、または適切であればそれらの混合物を添加することが有利であることがわかっている。鎖拡張剤および/または架橋剤は、例えば、40〜300の分子量を有する。適切な例は、例えば、2〜14個、好ましくは2〜10個の炭素原子を有する脂肪族、シクロ脂肪族および/またはアルアリッファチックジオールである。その例としては、以下である:エチレングリコール、1、3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,10−デカンジオール−、1,2−,1,3−,1,4−ジヒドロキシシクロヘキサン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールおよび好ましくはエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールおよびビス(2−ヒドロキシエチル)ヒドロキノン、トリオール、例えば、1,2,4−,1,3,5−トリヒドロキシシクロヘキサン、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリエタノールアミン、およびエチレンオキシドおよび/または1,2−プロピレンオキシドをベースとする低分子量ヒドロキシル基含有ポリアルキレンオキシド、および出発分子としての前記ジオールおよび/またはトリオール。適切な停止剤は、例えば、単官能アルコールまたは第2アミンを含む。
【0067】
ポリウレタンは、ほとんど発泡体に成形される。
【0068】
さらなる本発明の好ましい実施態様は、以下のような組成物に関する:ポリマーii)がポリウレア、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリヒダントインおよびポリベンズイミダゾールから選択される。ポリウレアは、公知のジアミンおよびジイソシアネートの重付加で生じる。ポリイミドは、その中心となる構成要素が主鎖中のイミド基であるが、芳香族テトラカルボン酸二無水物と脂肪族または芳香族ジアミンとの反応で生じる。ポリイミドは、とりわけ、複合材における接着剤、コーティング用、薄膜、マイクロエレクトロニクスにおける絶縁材料として、例えば、高モジュールファイバー用、半透過膜、および液晶ポリマーとして使用される。
【0069】
さらなる本発明の好ましい実施態様は、ポリマーii)がポリエステル、好ましくは少なくとも1つの直鎖ポリエステルから選択される組成物に関する。適切なポリエステルおよびコポリエステルは、EP−A−0678376、EP−A−0 595 413およびUS6,096,854に記述されている。これらは、本明細書において参照として援用される。公知のポリエステルは、1つ以上のポリオールと1つ以上のポリカルボン酸との縮合生成物である。直鎖ポリエステルにおいて、ポリオールはジオールであり、そしてポリカルボン酸はジカルボン酸である。ジオール成分は、以下から選択できる:エチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノールおよび1,3−シクロヘキサンジメタノール。そのアルキレン鎖に被隣接の酸素原子によって1回以上中断されるジオールもまた適切である。これらの例としては、以下のものが挙げられる:ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールなど。一般に、ジオールは、2〜18個の炭素原子、好ましくは2〜8個の炭素原子を含む。シクロ脂肪族ジオールは、cis−またはtrans−異性体または異性体混合物として使用できる。酸成分は、脂肪族、脂環状または芳香族ジカルボン酸であり得る。直鎖ポリエステルの酸成分は、一般に以下から選択される:テレフタル酸、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,12−ドデカン二酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸およびそれらの混合物。酸成分の官能誘導体は、例えば、エステル(例えば、メチルエステル)、無水物またはハライド(好ましくは塩化物)を使用できることは理解されるであろう。好ましいポリエステルは、ポリアルキレンテレフタレートおよびポリアルキレンナフタレートであり、それぞれテレフタル酸またはナフタレンジカルボン酸と脂肪族ジオールとの縮合で得ることができる。
【0070】
好ましいポリアルキレンテレフタレートは、テレフタル酸とジエチレングリコールとの縮合で得られるポリエチレンテレフタレート(PET)である。PETは、ジメチルテレフタレートとエチレングリコールとのトランスエステル化(メタノールの脱離、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの形成)によって、およびその生成物を、エチレングリコールを放出する縮重合に供することによっても得られる。さらに好ましいポリエステルは、以下のものである:ポリブチレンテレフタレート(PBT)(テレフタル酸と1,4−ブタンジオールとの縮合で得ることができる)、ポリアルキレンナフタレート(PAN)(例えば、ポリエチレン2,6−ナフタレート(PEN))、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート(PCT)、ならびにポリエチレンテレフタレートとシクロヘキサンジメタノールとのコポリエステル(PDCT)、ポリブチレンテレフタレートとシクロヘキサンジメタノールとのコポリエステル。また、前記ポリアルキレンテレフタレートのコポリマー、トランスエステル化生成物および物理的混合物(ブレンド)も好ましい。特に適切なポリマーは、テレフタル酸の縮重合物または共縮重合物から選択される。例えば、ポリ−またはコポリエチレンテレフタレート(PETまたはCoPETまたはPETG)、ポリ(エチレン−2,6−ナフタレート)(PEN)またはPEN/PET−コポリマーおよびPEN/PETブレンドである。前記コポリマーおよびブレンドは、その製造工程によるが、トランスエステル化生成物の一部を含む。
【0071】
PETおよびPBTは、ファイバーの製造に広く使われ、さらに、例えば、ベアリング、歯車の歯、カムディスク、ローラー、スイッチハウジング、プラグ、ハンドル、操作ボタンなどの工業部品用の熱可塑性材料として高い耐久性を示す。PETは、飲料用ボトルの材料として広く使用される。
【0072】
さらなる本発明の好ましい実施態様は、ポリマーii)がポリカーボネート、ポリエステルカーボネートおよびそれらの混合物から選択される組成物に関する。ポリカーボネートは、例えば、ホスゲンまたは炭酸エステルの縮合で生じる。例えば、ジフェニルカーボネートまたはジメチルカーボネートとジヒドロキシ化合物とである。適切なジヒドロキシ化合物は、脂肪族または芳香族のジヒドロキシ化合物である。芳香族ジヒドロキシ化合物として、ビスフェノールの例は、以下である:2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、テトラアルキルビスフェノールA、4,4−(meta−フェニレンジイソプロピル)ジフェノール(ビスフェノールM)、4,4−(para−フェニレンジイソプロピル)ジフェノール、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(BP−TMC),2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−フェニルエタン,1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(ビスフェノールZ)、ならびに適切であれば、それらの混合物。ポリカーボネートは、少量の分岐剤を使用して、分岐させることができる。適切な分岐剤としては、以下のものが挙げられる:フロログルシノール、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−2、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン;1,3,5−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ベンゾール;1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン;1,3,5−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ベンゾール;1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタン;トリ(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス[4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシル]−プロパン;2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニルイソプロピル)フェノール;2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5′−メチルベンジル)−4−メチルフェノール;2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン;ヘキサ(4−(4−ヒドロキシフェニルイソプロピル)フェニル)オルトテレフタル酸エステル;テトラ(4−ヒドロキシフェニル)メタン;テトラ(4−(4−ヒドロキシフェニルイソプロピル)フェノキシ)メタン;α,α′,α′′−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゾール;2,4−ジヒドロキシベンゾ酸;トリメシン酸;塩化シアヌル;3,3−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロインドール、1,4−ビス(4′,4′′−ジヒドロキシトリフェニル)メチル)ベンゾール、および特に1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタンおよびビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロインドール。
【0073】
鎖末端に適した化合物の例としては、例えば、フェノールのようなフェノール類、アルキルフェノール(例えば、クレゾールおよび4−tert−ブチルフェノール、クロロフェノール、ブロモフェノール、クミルフェノール)またはそれらの混合物が挙げられる。鎖末端の割合は、ジヒドロキシ化合物1モルにつき一般に1〜20mol%である。
【0074】
さらなる本発明の好ましい実施態様は、ポリマーii)がポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトンおよびそれらの混合物から選択される組成物に関する。ポリエーテルケトンは、例えば、電子工業および自動車技術に使用される。
【0075】
さらなる本発明の好ましい実施態様は、ポリマーii)が合成樹脂から選択される組成物に関する。合成樹脂としては、一方がアルデヒド、もう一方がフェノール、ウレアおよびメラミンから誘導される架橋ポリマーが挙げられる。例えば、フェノール/ホルムアルデヒド樹脂、ウレア/ホルムアルデヒド樹脂およびメラミン/ホルムアルデヒド樹脂である。同様に、合成樹脂としては、以下のものが挙げられる:乾燥および非乾燥アルキド樹脂および不飽和のポリエステル樹脂(飽和および不飽和のジカルボン酸と、多価アルコールおよび架橋剤としてのビニル化合物および低可燃性のそれらのハロゲン含有修飾物とのコポリエステル由来)。さらに、合成樹脂としては、置換アクリレート由来の架橋性アクリル樹脂(例えば、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレートまたはポリエステルアクリレート)が挙げられる。さらに、合成樹脂としては、以下のものが挙げられる:アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、およびメラミン樹脂と架橋したアクリレート樹脂、ウレア樹脂、イソシアネート、イソシアヌレート、ポリイソシアネートまたはエポキシ樹脂、および脂肪族、シクロ脂肪族、ヘテロ環状または芳香族グリシジル化合物由来の架橋エポキシ樹脂。周知のように、エポキシ樹脂は、多官能エポキシドの開環架橋反応により生じる。エポキシ樹脂の例は、ビスフェノールAまたはビスフェノールFのジグリシジルを含む。それらは、促進剤の有無にかかわらず、酸無水物またはアミンと架橋させることができる。合成樹脂としてはまた、2000未満の分子量を一般的に有する炭化水素樹脂が挙げられる。炭化水素樹脂は、次の3つのグループに分けることができる:石油樹脂、テルペン樹脂およびコールタール樹脂。本発明の目的のためには、炭化水素樹脂としては、それらの水素化修飾物およびポリアルキレンもまた例示される。
【0076】
さらなる本発明の好ましい実施態様は、ポリマーii)が天然ポリマーから選択される組成物に関する。その例としては、以下である:セルロース、ゴム、ゼラチンおよびその化学修飾誘導体、例えば、セルロースアセテート、セルロースプロピオネートおよびセルロースブチレートまたはセルロースエーテル(例えば、メチルセルロース);ならびにロジンおよびその誘導体。
【0077】
セルロースは、一般的に、衣料分野においてPETファイバーとのブレンドとして、さらに人工シルク、裏地、カーテン材、タイヤコード、原綿、服地および衛生用品として使用される。セルロースエステルは、例えば、ドライバーの柄、眼鏡フレーム、ブラシ、櫛、ボールペン、工業部品(例えば、自動車ハンドル、ランプおよび工業用カバー、タイプライターキー)、絶縁フィルム、写真用フィルム、ならびにコーティング材のための耐光および耐熱性熱可塑性バインダーに加工される。セルロースエーテルは、布地、紙、フィルムおよび金属用の透明コーティング材のためのバインダーとして役立つ。天然ゴム(1,4−cis−ポリイソプレン)は、例えばラジアルタイヤを含めた多くの用途で不可欠である。
【0078】
さらなる本発明の好ましい実施態様は、ポリマーii)が、純粋なモノマー化合物またはそのような化合物の混合物から製造される天然および合成有機材料から選択される組成物に関する。その例は、鉱物油、動物性脂肪および植物性脂肪、油類、およびワックス、または合成エステル(例えば、フタレート、アジペート、ホスフェートまたはトリメリテート)に基づく油類、脂肪およびワックス、ならびに望ましい比率にある合成エステルと鉱物油との混合物、一般に紡糸剤として使用されるもの、ならびにそのような材料の水性エマルジョンである。
【0079】
さらなる本発明の好ましい実施態様は、ポリマーii)が天然ゴムまたは合成ゴムの水性エマルジョンから選択される組成物に関する。天然または合成ゴムの水性エマルジョンとしては、天然ラテックスまたはカルボキシル化スチレン/ブタジエンコポリマーのラテックスが挙げられる。
【0080】
さらなる本発明の好ましい実施態様は、ポリマーii)がポリオレフィンおよびそれらの混合物から選択される組成物に関する。
【0081】
本発明の目的としては、用語′′ポリオレフィン′′としては、さらなる官能基のないオレフィンで構成される全てのポリマーが挙げられる。例としては、以下のものである:ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブト−1−エンまたはポリイソブチレン、ポリ−4−メチルペント−1−エン、ポリイソプレン、ポリブタジエン、シクロオレフィン(例えば、シクロペンテンまたはノルボルネン)のポリマー、ならびにモノ−またはジオレフィンのコポリマー(例えば、ポリビニルシクロヘキサン)。
【0082】
エチレンポリマー:
適切なポリエチレン(PE)ホモポリマーは、密度によって分類され、例としては以下のものである:
−PE−ULD(ULD=超低密度)、PE−VLD(VLD=高低密度);10%までのオクテン−、4−メチルペンテン−1、および時折プロピレンとエチレンのコ−およびターポリマー;密度0.91〜0.88g/cm3;ほとんど結晶性なし、透明
−PE−LD(LD=低密度)、例えば、オートクレーブまたは反応管中での触媒として酸素または過酸物を用いた1000〜3000barおよび150〜300℃における高圧法(ICI)で得られる。異なる長さを有する分岐により、高度に分岐する。結晶化度40〜50%、密度0.915〜0.935g/cm3、最高モル質量600000g/mol。
−PE−LLD(LLD=直鎖低密度)、金属錯体触媒により、低圧力法においてガス相から、溶液(例えば、ベンジン)から、懸濁液において、または改良高圧法により得られる。それ自体が未分岐の側鎖でわずかに分岐する。モル質量は、PE−LDより大きい。
−PE−MD(MD=中密度);密度0.93〜0.94g/cm3;PE−LDとPE−HDとの混合により、またはコポリマーPE−LLDとして直接得られる。
−PE−HD(HD=高密度)、中圧法(Phillips)および低圧法(Ziegler)で得られる。Phillipsでは、30〜40bar、85〜180℃、酸化クロム触媒、モル質量約50000g/mol。Zieglerでは、1〜50bar、20〜150℃、触媒としてチタンハライド、チタンエステルまたはアルミニウムアルキル、モル質量約200000〜400000g/mol。懸濁液、溶液、ガス相またはバルクで実行。ほとんど分岐しない。結晶化度60〜80%、密度0.942〜0.965g/cm3
−PE−HD−HMW(HMW=高分子量)、Ziegler法、Phillips法またはガス相法で得られる。高密度および高モル質量。
−PE−HD−UHMW(UHMW=超高分子量)、修飾Ziegler触媒で得られる。モル質量3000000〜6000000g/mol。
【0083】
特に適切なポリエチレンは、(一般的に支持された)触媒(例えば、Lupolen(登録商標)(Basell社、オランダ))を使ったガス相流体ベッドプロセスで製造される。
【0084】
特に好ましいのは、メタロセン触媒を使って製造されたポリエチレンである。このようなポリエチレンは、例えば、Luflexen(登録商標)(Basell社、オランダ)として市販されている。
【0085】
適切なエチレンコポリマーは、市販されている全てのエチレンコポリマーである。その例としては、Luflexen(登録商標)−グレード(Basell社;オランダ)、Nordel(登録商標)およびEngage(登録商標)(DuPont−Dow社、米国)である。適切なコモノマーの例は、3〜10個の炭素原子を有するα−オレフィンであり、特に以下のものが挙げられる:プロピレン、1−ブテン、ヘキシ−1−エンおよびオクト−1−エン、およびアルキル基に1〜20個の炭素原子を有するアルキルアクリレートおよびメタクリレート、特に、ブチルアクリレート。さらに適切なコモノマーは、ジエン、例えば、ブタジエン、イソプレンおよびオクタジエンである。さらに適切なコモノマーは、シクロオレフィン、例えば、シクロペンテン、ノルボルネンおよびジシクロペンタジエンである。
【0086】
エチレンコポリマーは、一般にランダムコポリマーまたはブロックコポリマーまたはインパクトコポリマーである。エチレンおよびコモノマーの適切なブロックコポリマーまたはインパクトコポリマーは、例えば、以下のようなポリマーである:第1段階でコモノマーのホモポリマーまたはコモノマーのランダムコポリマーが製造され、最高15質量%のエチレンを含み、第2段階で15〜80質量%エチレン含有量を有するコモノマーエチレンコポリマーが重合される。通常、十分なコモノマーエチレンコポリマーは、第2段階で作られるコポリマーのために重合され、最終生成物において3〜60質量%の割合を有する。
【0087】
エチレン−コモノマーコポリマーの製造のための重合は、Ziegler−Natta触媒系により行うことができる。しかしながら、メタロセン化合物または重合活性金属錯体に基づく触媒系を使用することもできる。
【0088】
HDPEは、主に玩具、家庭用品、工業用小部品およびビール箱を製造するのに使用される。HDPEの特定の改良品は、日用の使い捨ておよび大量生産で使用される。LDPEの使用分野は、ペーパーコーティングによるフィルムから、厚型および薄型の成形品にまで広がっている。LLDPEは、機械特性および応力亀裂に対する耐性がLDPEより優れている。LLDPEは、特にパイプおよびフィルムに使用される。
【0089】
プロピレンポリマー:
ポリプロピレンは、以下、プロピレンのホモポリマーおよびコポリマーの両方を言うものと理解されるべきである。プロピレンのコポリマーは、プロピレンと共重合可能な少量のモノマー(例としてC2−C8−1−アルケン;例えば、エチレン、1−ブテン、ペント−1−エンまたはヘキシ−1−エン)を含む。2つ以上の異なるコモノマーを使用することもまたできる。
【0090】
適切なポリプロピレンは、プロピレンのホモポリマーまたはプロピレンと最高50質量%までの共重合された他の8個までのC原子を有する1−アルケンのコポリマーである。この場合、プロピレンのコポリマーは、ランダムコポリマーまたはブロックコポリマーまたはインパクトコポリマーである。プロピレンのコポリマーがランダム構造である場合、それらは、一般的に15質量%まで、好ましくは6質量%までの他の8個までのC原子を有する1−アルケン、特にエチレン、1−ブテン、またはエチレンと1−ブテンとの混合物を含む。
【0091】
適切なプロピレンのブロックコポリマーまたはインパクトコポリマーは、例えば、以下のようなポリマーである:第1段階で、最高15質量%まで、好ましくは6質量%までの最高8個のC原子を有する他の1−アルケンとのプロピレンのプロピレンホモポリマーまたはランダムコポリマーが製造され、第2段階で、15〜80質量%エチレン含有量を有するプロピレン−エチレンコポリマーが重合される。そのプロピレン−エチレンコポリマーは、さらにC4−C8−1−アルケンを含むことがある。通常、十分なプロピレン−エチレンコポリマーは、第2段階で作られるコポリマーが最終生成物において3〜60質量%の割合を有するように重合される。
【0092】
ポリプロピレンを製造するための重合は、Ziegler−Natta触媒系で行なうことができる。この場合、チタン含有固体成分a)に加えて、有機アルミニウム化合物の形にある共触媒b)および電子供与化合物c)を含む触媒系が、特に使用される。
【0093】
しかしながら、メタロセン化合物または重合活性金属錯体をベースとする触媒もまた使用することができる。
【0094】
ポリプロピレンの製造は、ガス相、懸濁液または液相(バルク相)において、少なくとも1つの反応ゾーン、しばしば連続した(反応器カスケード)2つ以上の反応ゾーンにおける重合により一般的に行なわれる。使用される反応器は、C2−C6−1−アルケンの重合に使用される一般的な反応器であってよい。適切な反応器としては、連続攪拌タンク、ループ反応器、パウダーベッド反応器または流体ベッド反応器が挙げられる。
【0095】
使用されるポリプロピレンを製造するための重合は、40〜120℃、特に50〜100℃の温度および10〜100bar、特に20〜50barの圧力における一般的な反応条件の下で行なわれる。
【0096】
適切なポリプロピレンは、2.16kgの質量下で230℃において、0.1〜200g/10分、特に0.2〜100g/10分のメルトフローレート(MFR)(ISO1133)を一般に有する。
【0097】
本発明のさらなる実施態様において、プラスチックは、少なくとも1つのポリオレフィン含む。好ましいポリオレフィンは、共重合状態において、以下から選択される少なくとも1つのモノマーを含む:エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、4−メチル−1−ペンテン、ブタジエン、イソプレンおよびそれらの混合物。適切なのは、上記オレフィンモノマーのホモポリマー、コポリマー、および少なくとも1つの主モノマーとしての上記オレフィンとコモマーとしての他のモノマー(例えば、ビニル芳香族)とのコポリマーである。
【0098】
好ましいポリオレフィンは、低密度ポリエチレンホモポリマー(PE−LD)およびポリプロピレン−ホモポリマーおよびポリプロピレンコポリマーである。好ましいポリプロピレンは、例えば、二軸配向ポリプロピレン(BOPP)および結晶化ポリプロピレンである。前記ポリオレフィンの好ましい混合物は、例えば、ポリプロピレンとポリイソブチレンとの混合物、ポリプロピレンとポリエチレンの混合物(例えば、PP/HDPE、PP/LDPE)、異なる種類のポリエチレン混合物(例えば、LDPE/HDPE)である。
【0099】
本発明のさらなる実施態様は、ポリマーii)が、モノオレフィンまたはジオレフィンとビニルモノマーとのコポリマーおよびそれらの混合物から選択される組成物に関する。これらの例としては、以下のものが挙げられる:エチレン/プロピレンコポリマー、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)および低密度ポリエチレン(LDPE)とのそれらの混合物、プロピレン/1−ブテンコポリマー、プロピレン/イソブチレンコポリマー、エチレン/1−ブテンコポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、エチレン/−メチルペンテンコポリマー、エチレン/ヘプテンコポリマー、エチレン/オクテンコポリマー、プロピレン/ブタジエンコポリマー、イソブチレン/イソプレンコポリマー、エチレン/アルキルアクリレートコポリマー、エチレン/アルキルメタクリレートコポリマー、エチレン/ビニルアセテートコポリマーおよび一酸化炭素とのそれらのコポリマー、またはエチレン/アクリル酸コポリマーおよびその塩(イオノマー)ならびにプロピレンおよびジエン(例えば、ヘキサジエン、ジシクロペンタジエンまたはエチリデン−ノルボルネン)とのエチレンターポリマー;およびこのようなコポリマーの互いおよび上記ポリマーとの混合物。例としては、ポリプロピレン/エチレン−プロピレンコポリマー、LDPE/エチレン−ビニルアセテートコポリマー(EVA)、LDPE/エチレン−アクリル酸コポリマー(EAA)、LLDPE/EVA、LLDPE/EAA、および交互またはランダムのポリアルキレン一酸化炭素コポリマーおよびそれらの他のポリマー(例えば、ポリアミド)との混合物。
【0100】
さらなる本発明の好ましい実施態様は、ポリマーii)が、不飽和アルコールおよびアミンまたはそれらのアシル誘導体またはアセタールから誘導されるポリマー(例えば、ポリビニルアセテート(PVAC)およびポリビニルアルコール(PVAL))から選択される組成物に関する。ポリビニルアルコールとアルデヒドとの反応は、ポリビニルアセタールを生成する。例えば、ホルムアルデヒドとの反応ではポリビニルホルマール(PVFM)、またはブチルアルデヒドとの反応ではポリビニルブチラール(PVB)を生成する。その低いガラス転位温度のために、ポリビニル化合物は、熱可塑性材料ではなく、ポリマー樹脂である。それらは、以下の用途のためのコーティング材料である:例えば、カーペット裏地コーティング、チーズコーティング、紙コーティングスリップ、塗料および顔料のバインダー、塗料ベース、サイズ、接着剤、保護コロイド、チューイングガムベース、コンクリート接着剤、自動車フロントウインドウ用積層ガラスを製造するためのフィルム、および他の様々な目的。
【0101】
さらなる本発明の好ましい実施態様は、ポリマーii)がポリアミド(省略記号PA)またはポリマー主鎖に中心となる構成要素としてアミド基を有するコポリアミドから選択される組成物に関する。ポリアミドは、例えば、ジアミンおよびジカルボン酸またはその誘導体の縮重合で製造できる。適切なジアミンの例としては、以下である:例えば、アルキルジアミン(例えば、C2−C20アルキルジアミン)、例えば、ヘキサメチレンジアミンまたは芳香族ジアミン(例えば、C6−C20芳香族ジアミン、例えば、m−またはp−フェニレンジアミンまたはm−キシロールジアミン)。適切なジカルボン酸含む脂肪族ジカルボン酸またはその誘導体(例えばクロライド)を含む。例えば、C2−C20脂肪族ジカルボン酸(例えば、セバシン酸、デカンジカルボン酸またはアジピン酸)、または芳香族ジカルボン酸(例えばC6−C20芳香族ジカルボン酸またはその誘導体(例えばクロライド))、例えば、2、6−ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸またはテレフタル酸である。この種のポリアミドの例は、以下である:ポリ−2,4,4−トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミドまたはポリ−m−フェニレンイソフタル−アミド、PA6,6(ポリヘキサメチレンアジプアミド)、PA4,6(ポリテトラメチレンアジプアミド)、PA6,10(ポリヘキサメチレンセバクアミド)、PA6/9、PA6/12、PA4/6、PA12/12(ここで、それぞれの第一の数はジアミン中の炭素原子の数を示し、第二の数はジカルボン酸中の炭素原子の数を示す。)。
【0102】
ポリアミドは、アミノ酸(例えば、C2−C20アミノ酸、例えば、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸)からの縮重合、またはラクタム(例えば、カプロラクタム)からの開環重合で得られる。この種のポリアミドの例は、PA4(4−アミノブチル酸からの合成)、PA6(6−アミノヘキサン酸からの合成)である。PA11は例えばポリウンデカノラクタムであり、そしてPA12はポリドデカノラクタムである。この場合、1つのモノマーから合成されるポリアミドの場合、省略記号PAの後の数は、モノマー中の炭素原子の数を示す。
【0103】
適切であれば、ポリアミドは、モディファイアーとしてのエラストマーにより製造できる。適切なコポリアミドの例は、前記のポリアミドと、ポリオレフィン、オレフィンコポリマー、イオノマーまたは化学結合またはグラフトエラストマーとのブロックコポリマー;またはポリエーテル(例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールまたはポリテトラメチレングリコール)とのブロックコポリマーである。EPDM−またはABS−修飾ポリアミドまたはコポリアミド、および処理の間に縮合されたポリアミド(RIMポリアミド系)もまた、適切である。
【0104】
ポリアミドは、高い強靭性、耐磨耗性および熱安定性(寸法安定性)要求を有する射出成形品(例えば、自動車のエンジン部分におけるプラスチック部品、歯車の歯など)に使用される。さらに、ポリアミドは、合成繊維(例えば、ナイロン、ペルロン)に使用される。
【0105】
さらなる本発明の好ましい実施態様は、ポリマーii)が以下から選択される組成物に関する:ブチルアセテートでインパクト修飾された、α,β−不飽和酸およびその誘導体から誘導されるポリマー(例えば、ポリアクリレートおよびポリメタクリレート);ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアクリルアミド(PAA)およびポリアクリロニトリル(PAC)。周知のように、ポリアクリル酸は、アクリル酸の重合で生じる。その重合は、例えば、水中の溶液重合、ベンゼン中の沈殿重合または懸濁重合として実行することができる。
【0106】
ポリアクリル酸は、増粘剤としてその塩の形で、およびコーティング用水性溶剤において使用される。ポリアクリル酸およびそのアクリルアミドとのコポリマーは、顔料様懸濁助剤として、水処理における凝集剤として、鉱業における掘削助剤として、紙助剤として、金属/プラスチック結合のための接着剤として、および他の多くの目的のために使用される。ポリアクリル酸エステルは、塗料およびコーティング材のための結合剤として、コーティングスリップにおける製紙工業において、および結合剤およびサイズ剤として、繊維の仕上げ用に、接着剤およびシーラントとして、皮革助剤として、エストラマーとして、および他の多くの目的のために使用される。PMMAの用途の主要な分野は、フィルム形成樹脂の結合剤における固形成分である。アクリレートと組合せれば、長期の接着性、フィルム耐久性、光沢および耐候性に優れた高級コーティングが製造される。この種の樹脂は、プライマーおよびコーティング、乳液塗料およびワニスにおいて、使用される。PAAは、水処理における凝集剤、紙助剤、鉱業における浮遊助剤として主に使用される。さらに、それは、フルーツジュースの清澄剤、繊維助剤、コーティングにおける架橋剤、皮革セクター、塗料分散液中の増粘剤、接着剤として、および他の多くの用途において使用される。PACの使用分野は、ニットウェア、家庭用繊維製品(例えば、カバー、カーテン、室内装飾品)、およびカーペットである。
【0107】
さらなる本発明の好ましい実施態様は、ポリマーii)が以下から選択される組成物に関する:上記の段落で規定されたモノマーと、互いまたは他の不飽和モノマーとのコポリマー、例えば、アクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル/アルキルアクリレートコポリマー、アクリロニトリル/アルコキシアルキルアクリレートまたはアクリロニトリル/ビニルハロゲンコポリマーまたはアクリロニトリル/アルキルメタクリレート/ブタジエンターポリマー。
【0108】
さらなる本発明の好ましい実施態様は、ポリマーii)が以下から選択される組成物に関する:ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)、スチレンまたはα−メチルスチレンとジエンまたはアクリル誘導体とのコポリマー、またはスチレンもしくはα−メチルスチレンのグラフトコポリマー。
【0109】
さらなる本発明の好ましい実施態様は、ポリマーii)が以下から選択される組成物に関する:スチレンとアクリロニトリルおよびブタジエンおよび/またはアクリルまたはメタクリルエステルとのコポリマー。
【0110】
未修飾スチレンポリマーは、建築および包装における発泡体に処理される。スチレンまたはα−メチルスチレンとジエンまたはアクリル誘導体とのコポリマーには、以下のものが含まれる:スチレン/ブタジエン、スチレン/アクリロニトリル、スチレン/アルキルメタクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルアクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルメタクリレート、スチレン/無水マレイン酸、スチレン/アクリロニトリル/メチルアクリレート;高い耐衝撃性のスチレンコポリマーと他のポリマーとの混合物(例えば、ポリアクリレート、ジエンポリマーまたはメチレン/プロピレン/ジエンターポリマー);およびスチレンのブロックコポリマー(例えば、スチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレン、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレンまたはスチレン/エチレン/プロピレン/スチレン)。
【0111】
スチレンまたはα−メチルスチレンのグラフトコポリマー(例えば、ポリブタジエン上のスチレン、ポリブタジエン−スチレンまたはポリブタジエン−アクリロニトリルコポリマー上のスチレン)の例は、以下である:ポリブタジエン上のスチレンおよびアクリロニトリル(またはメタクリロニトリル);ポリブタジエン上のスチレン、アクリロニトリルおよびメチルメタクリレート;ポリブタジエン上のスチレンおよびマレイン酸無水物;ポリブタジエン上のスチレン、アクリロニトリルおよびマレイン酸無水物またはマレインイミド;ポリブタジエン上のスチレンおよびマレインイミド;ポリブタジエン上のスチレンおよびアルキルアクリレートまたはメタクリレート;エチレン/プロピレン/ジエン−ターポリマー上のスチレンおよびアクリロニトリル;ポリアルキルメタクリレート上のスチレンおよびアクリロニトリル、またはアクリレート/ブタジエンコポリマー上のポリアルキルメタクリレート、スチレンおよびアクリロニトリル、ならびにポリウレア、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリヒダントインおよびポリベンズイミダゾールとのそれらの混合物(例えば、ABS、MBS、ASAまたはAESポリマーとして周知のコポリマー混合物)。
【0112】
ABSの主要な用途は、部品である。その例としては、電気デバイスおよび電子デバイス(電話)のケースおよび自動車用部品である。
【0113】
さらなる本発明の好ましい実施態様は、ポリマーii)がポリマーブレンドである組成物に関する。用語「ポリマーブレンド」は、2つ以上のポリマーまたはコポリマーの混合物を意味する。ポリマーブレンドは、基本成分の特性を促進する作用がある。
【0114】
ポリマーブレンドの例は、以下である:PP/EPDM、ポリアミド/EPDMまたはABS、PVC/EVA、PVC/ABS、PVC/MBS、PC/ABS、PBTP/ABS、PC/ASA、PC/PBT、PVC/CPE、PVC/アクリレート、POM/熱可塑性PUR、PC/熱可塑性PUR、POM/アクリレート、POM/MBS、PPO/HIPS、PPO/PA6,6およびコポリマー、メチルメタクリレートアクリロニトリル/ブタジエン/スチレンポリマー(MABS)、PA/HDPE、PA/PP、PA/PPO、PBT/PC/ABSまたはPBT/PET/PC。
【0115】
アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン−コポリマー(ABS)は、熱可塑性または弾性ポリマーブレンドである。それらは、乳化重合法またはバルク重合法において、3つの基本モノマー(アクリロニトリル、ブタジエンおよびスチレン)のグラフト重合により製造される。ABSの特性は、使用されるモノマーの比率により制御することができる。
【0116】
本発明の組成物は、少なくとも1つの着色剤iii)を含む。用語「着色剤」としては、染料だけでなく、顔料も含まれる。好ましい着色剤は、顔料である。顔料は、有機顔料または無機顔料のどちらでもよい。蛍光染料のように電磁スペクトルの可視領域において蛍光を発する有機化合物もまた、着色剤としてみなされる。着色剤は、導電性のようなさらなる特性を有してもよいし、磁力遮蔽性であってもよい。
【0117】
適切な無機着色顔料の例は、以下である:白色顔料(例えば、ルチル、アナターゼまたは板チタン石の3つの変形における二酸化チタン、鉛白、亜鉛白、亜鉛スルフィドまたはリトポン;黒色顔料(例えば、カーボンブラック、黒色酸化鉄、鉄マンガンブラックまたはスピネルブラック);酸化クロムのようなクロム顔料、酸化クロム水和物グリーン、コバルトグリーンまたはウルトラマリーングリーン、コバルトブルー、鉄ブルー、ミロリブルー、ウルトラマリーンブルーまたはマンガンブルー、ウルトラマリーンバイオレットまたはコバルトおよびマンガンバイオレット;赤色酸化鉄、カドミウムスルホセレニド、モリブデートレッドまたはウルトラマリーンレッド;褐色酸化鉄、混合ブラウン、スピネル相およびコランダム相またはクロムオレンジ;黄色酸化鉄、ニッケルチタンイエロー、クロムチタンイエロー、カドミウムスルフィド、カドミウム亜鉛スルフィド、クロムイエロー、亜鉛イエロー、アルカリ土類金属クロメート、ナポリ黄;ビスマスバナデート、干渉顔料のようなエフェクト顔料および光沢顔料。
【0118】
適切な無機顔料としては、以下が挙げられる:顔料ホワイト6、顔料ホワイト7、顔料ブラック7、顔料ブラック11、顔料ブラック22、顔料ブラック27/30、顔料イエロー34、顔料イエロー35/37、顔料イエロー42、顔料イエロー53、顔料ブラウン24、顔料イエロー119、顔料イエロー184、顔料オレンジ20、顔料オレンジ75、顔料ブラウン6、顔料ブラウン29、顔料ブラウン31、顔料イエロー164、顔料レッド101、顔料レッド104、顔料レッド108、顔料レッド265、顔料バイオレット15、顔料ブルー28/36、顔料ブルー29、顔料グリーン17、顔料グリーン26/50。
【0119】
適切な有機顔料の例としては、以下が挙げられる:アニリンブラック、アントラピリミジン顔料、アゾメチン顔料、アントラキノン顔料、モノアゾ顔料、ジアゾ顔料、ベンズイミダゾロン顔料、キナクリドン顔料、キノフタロン顔料、ジケトピロロピロール顔料、ジオキサジン顔料、フラバントロン顔料、インダントロン顔料、インドリノン顔料、イソインドリン顔料、イソインドリノン顔料、チオインジゴ顔料、金属錯体顔料、ペリノン顔料、ペリレン顔料、ピラントロン顔料、フタロシアニン顔料、チオインジゴ顔料、トリアリールカルボニウム顔料または金属錯体顔料。
【0120】
適切な有機顔料としては、以下が挙げられる:C.I.(色指数)顔料イエロー93、C.I.顔料イエロー95、C.I.顔料イエロー138、C.I.顔料イエロー139、C.I.顔料イエロー155、C.I.顔料イエロー162、C.I.顔料イエロー168、C.I.顔料イエロー180、C.I.顔料イエロー183、C.I.顔料レッド44、C.I.顔料レッド170、C.I.顔料レッド202、C.I.顔料レッド214、C.I.顔料レッド254、C.I.顔料レッド264、C.I.顔料レッド272、C.I.顔料レッド48:2、C.I.顔料レッド48:3、C.I.顔料レッド53:1、C.I.顔料レッド57:1、C.I.顔料グリーン7、C.I.顔料ブルー15:1、C.I.顔料ブルー15:3、C.I.顔料バイオレット19。
【0121】
また、カーボンブラックまたは二酸化チタンのような特定の顔料のいくつかは、例えば、フィラーまたは補強剤および/または核形成剤として機能する能力も有する。
【0122】
白色顔料および黒色顔料、特に、3つの変形にある二酸化チタン、およびカーボンブラックが特に好ましい。有機顔料または無機顔料を組合せた白色顔料または黒色顔料もまた、特に好ましい。
【0123】
適切な染料の例は、以下である:アゾ染料、ピラゾロン染料、アントラキノン染料、ペリノン染料、ペリレン染料、インジゴ染料およびチオインジゴ染料およびアゾメチン染料。
【0124】
本発明の1つの具体的な実施態様において、顔料粒子は、動的光散乱により決定された5μm未満の平均サイズを有している。その平均粒径は、好ましくは0.1nm〜2μmの範囲、特に1nm〜1μmの範囲、および特に好ましくは5nm〜0.5μmの範囲である。
【0125】
本発明の組成物の顔料含有量は、本発明の組成物から成る製品が意図する色の要件によるため、非常に広範囲に変わり得る。好ましくは、顔料成分iii)は、本発明の組成物の全質量に対して、0.0001〜10質量%、好ましくは0.001〜5質量%、特に好ましくは0.01〜3質量%および非常に好ましくは0.1〜2質量%の量で使用される。
【0126】
顔料成分iii)を添加する方法は、特に制限を受けない。顔料は、さらなる添加剤なしに微粉末状で、固体または融解物として、または添加剤とのプレミックスの形(例えば、溶媒)で添加することができる。添加剤がポリマーまたはポリマー組成物である顔料製造物が、ダストフリーの顔料に特に適している。この種のプレミックスは、本発明の文中ではマスターバッチとも記される。マスターバッチに含まれるポリマーおよびポリマー組成物は、好ましくはポリマー成分ii)と同じポリマーおよびポリマー組成物である。マスターバッチ製品は、固体状でも液状でもよい。適切であれば、マスターバッチ製品は、ペースト状であってもよい。マスターバッチ製品は、下記の種類のさらなる添加剤を含むことができる。成分iii)は、ポリマーの製造の前、間および後に添加することができる。ポリマーの重合の後に加えるのが好ましい。顔料成分iii)は、全ての公知の装置および混合による組み込み方法を使って、ポリマーに組み込むことができる。
【0127】
安定剤成分i)は、ポリマーの製造の前、間または後において、固体状または液体状で添加することができる。顔料成分iii)および安定剤成分i)は、ポリマーの製造の前、間または後において、同時または連続的に組み込むことができる。
【0128】
本発明の組成物は、その組成物の全質量に対して、0.01〜5質量%、好ましくは0.02〜2.5質量%、および特に好ましくは0.1〜1.0質量%の量にある少なくとも1つの式(I)の化合物を含む。組成物の全質量とは、化合物(I)ならびに適切であれば、加えられたさらなる添加剤の質量(ポリマー+顔料+他の全ての添加剤の総質量)を意味する。
【0129】
本発明の組成物は、以下から選択される少なくとも1つの添加剤をさらに含む:酸化防止剤、光安定剤、金属不活性剤、帯電防止剤、補強剤、フィラー、曇り防止剤、および殺生剤。好ましくは、本発明の組成物は、式(I)の化合物以外に金属不活性剤は含まない。
【0130】
使用される酸化防止剤、光安定剤、および金属不活性剤はまた、適切であれば、高い耐移行性および耐熱性を有する。適切な酸化防止剤、光安定剤および金属不活性剤は、例えば、以下のグループa)〜s)から選択される:
a)4,4−ジアリールブタジエン、
b)ケイヒ酸エステル、
c)ベンゾトリアゾール、
d)ヒドロキシベンゾフェノン、
e)ジフェニルシアノアクリレート、
f)オキサミド(オキサルアミド)、
g)2−フェニル−1,3,5−トリアジン;
h)酸化防止剤、
i)ニッケル化合物、
j)立体障害アミン、
k)金属不活性剤、
l)ホスファイトおよびホスホナイト、
m)ヒドロキシルアミン、
n)ニトロン、
o)アミンオキシド、
p)ベンゾフラノンおよびインドリノン、
q)チオ共力剤、
r)過酸化スカベンジャー、および
s)基本的な補助安定剤。
【0131】
グループa)の4,4−ジアリールブタジエンとしては、例えば、式Aの化合物が挙げられる。
【0132】
【化8】

【0133】
上記化合物は、EP−A−916335により公知である。置換基R10および/またはR11は、C1−C8−アルキルおよびC5−C8−シクロアルキルが好ましい。
【0134】
グループb)のケイヒ酸エステルとしては、以下のものが挙げられる:例えば、イソアミル4−メトキシシンナメート、2−エチルヘキシル4−メトキシシンナメート、メチル−α−メトキシカルボニルシンナメート、メチル−α−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、ブチル−α−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメートおよびメチル−α−メトキシカルボニル−p−メトキシシンナメート。
【0135】
グループc)のベンゾトリアゾールとしては、以下のものが挙げられる:例えば、2−(2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール(例えば、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール)、2−(3′,5′−ジ−tert−ブチル−2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3′,5′−ジ−tert−ブチル−2′−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3′−sec−ブチル−5′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−4′−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3′,5′−ジ−tert−アミル−2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3′,5′−ビス−(α,α−ジメチルベンジル)−2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3′−tert−ブチル−5′−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)−カルボニルエチル]−2′−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール,2−(3′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール,2−(3′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3′−tert−ブチル−5′−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3′−ドデシル−2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールおよび2−(3′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニルベンゾトリアゾール、2,2′−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾール−2−イルフェノール];2−[3′−tert−ブチル−5′−(2−メトキシカルボニルエチル)−2′−ヒドロキシフェニル]−2H−ベンゾトリアゾールをポリエチレングリコール300とエステル化した生成物;[R−CH2CH2−COO(CH232(式中、R=3′−tert−ブチル−4′−ヒドロキシ−5′−2H−ベンゾトリアゾール−2−イルフェニル)、ならびにそれらの混合物。
【0136】
グループd)のヒドロキシベンゾフェノンとしては、以下のものが挙げられる:例えば2−ヒドロキシベンゾフェノン(例えば、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−エチルヘキシルオキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(n−オクチルオキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4′−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−3−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸およびそのナトリウム塩、および2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン−5,5′−ビススルホン酸およびそのナトリウム塩。
【0137】
グループe)のジフェニルシアノアクリレートとしては、以下のものが挙げられる:例えば、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート(例えば、Uvinul(登録商標)3035の商品名でBASF AG(ドイツ、ルートヴィヒスハーフェン)から市販)、2−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート(例えば、Uvinul(登録商標)3039としてBASF AG(ドイツ、ルートヴィヒスハーフェン)から市販)、および1,3−ビス[(2′−シアノ−3′,3′−ジフェニルアクリロイル)オキシ]−2,2−ビス{[2′−シアノ−3′,3′−ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチル}プロパン(例えば、Uvinul(登録商標)3030の商品名でBASF AG(ドイツ、ルートヴィヒスハーフェン)から市販)。
【0138】
グループf)のオキサミドとしては、以下のものが挙げられる:例えば、4,4′−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2′−ジエトキシオキサニリド、2,2′−ジオクチルオキシ−5,5′−ジ−tert−ブチルオキサニリド、2,2′−ジドデシルオキシ−5,5′−ジ−tert−ブチルオキサニリド、2−エトキシ−2′−エチルオキサニリド、N,N′−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2−エトキシ−5−tert−ブチル−2′−エチルオキサニリド、ならびに2−エトキシ−2′−エチル−5,4′−ジ−tert−ブチルオキサニリドとの混合物、およびortho−、para−メトキシ−二置換オキサニリドの混合物、およびortho−、para−エトキシ二置換オキサニリドの混合物。
【0139】
グループg)の2−フェニル−1,3,5−トリアジンとしては、例えば、以下のような2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンが挙げられる:例えば、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−トリデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシプロポキシ)−フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−4−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]−1,3,5−トリアジン、および2−(2−ヒドロキシフェニル)−4−(4−メトキシフェニル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン。
【0140】
グループh)の酸化防止剤としては、以下のものが挙げられる。例えば:
h.1)アルキル化モノフェノール:例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチル−フェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジオクタデシル−4−メチル−フェノール、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシメチルフェノール、未分岐または側鎖分岐のノニルフェノール(例えば、2,6−ジノニル−4−メチルフェノール)、2,4−ジメチル−6−(1−メチルウンデシ−1−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1−メチルヘプタデシ−1−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1−メチルトリデシ−1−イル)フェノール、およびそれらの混合物。
【0141】
h.2)アルキルチオメチルフェノール:例えば、2,4−ジオクチルチオメチル−6−tert−ブチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−メチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール、および2,6−ジドデシルチオメチル−4−ノニルフェノール。
【0142】
h.3)ヒドロキノンおよびアルキル化ヒドロキノン:例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−アミルヒドロキノン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルステアレート、およびビス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アジペート。
【0143】
h.4)トコフェロール:例えば、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロールおよびそれらの混合物(ビタミンE)。
【0144】
h.5)ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル:例えば、2,2′−チオビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2′−チオビス(4−オクチルフェノール)、4,4′−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4′−チオビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、4,4′−チオビス(3,6−ジ−sec−アミルフェノール)、および4,4′−ビス(2,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ジスルフィド。
【0145】
h.6)アルキリデンビスフェノール:例えば、2,2′−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチル−フェノール)、2,2′−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−エチルフェノール)、2,2′−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)フェノール],2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2′−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2′−エチリデンビス(6−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2′−メチレンビス[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール],4,4′−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4′−メチレンビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、1,1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−ブタン,2,6−ビス(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコールビス[3,3−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル−フェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2−(3′−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−6−tert−ブチル−4−メチルフェニル]テレフタレート、1,1−ビス(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5−テトラ−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペンタン。
【0146】
h.7)ベンジル化合物:例えば、3,5,3′,5′−テトラ−tert−ブチル−4,4′−ジヒドロキシ−ジベンジルエーテル、オクタデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジル)アミン、1,3,5−トリ(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、ジ(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、イソオクチル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプトアセテート、ビス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチル−ベンジル)ジチオールテレフタレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−リン酸ジオクタデシルエステル、および3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−リン酸モノエチルエステル、カルシウム塩。
【0147】
h.8)ヒドロキシベンジル化マロネート:例えば、ジオクタデシル2,2−ビス(3,5−ジ−tertブチル−2−ヒドロキシベンジル)マロネート、ジオクタデシル−2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル−ベンジル)マロネート、ジドデシルメルカプトエチル−2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、およびビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート。
【0148】
h.9)ヒドロキシベンジル芳香族:例えば、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,4−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フェノール。
【0149】
h.10)トリアジン化合物:例えば、2,4−ビス(オクチルメルカプト)−6−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、および1,3,5−トリス(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート。
【0150】
h.11)ベンジルホスホネート:例えば、ジメチル2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルホスホネート、ジエチル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート(ジエチル(3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル)メチルホスホネート)、ジオクタデシル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルベンジルホスホネート、およびモノメチル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネートのカルシウム塩。
【0151】
h.12)アシルアミノフェノール:例えば、4−ヒドロキシラウリン酸アニリド、4−ヒドロキシ−ステアリン酸アニリド、2,4−ビスオクチルメルカプト−6−(3,5−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−s−トリアジン、およびオクチルN−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)カルバメート。
【0152】
h.13)β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と、一価または多価のアルコールとのエステル:そのアルコールの例としては、メタノール、エタノール、n−オクタノール、イソオクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N′−ビス−(ヒドロキシエチル)オキサルアミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン。
【0153】
h.14)β−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸と、一価または多価のアルコールとのエステル:そのアルコールの例としては、メタノール、エタノール、n−オクタノール、イソオクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N′−ビス−(ヒドロキシエチル)オキサル酸ジアミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン。
【0154】
h.15)β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と、一価または多価のアルコールとのエステル:そのアルコールの例としては、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N′−ビス(ヒドロキシエチル)オキサルアミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、および4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン。
【0155】
h.16)3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸と、一価または多価のアルコールとのエステル:そのアルコールの例としては、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N′−ビス(ヒドロキシエチル)オキサルアミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、および4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン。
【0156】
h.17)β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド:例えば、N,N′−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミン、N,N′−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミン、N,N′−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、N,N′−ビス[2−(3−[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニルオキシ)エチル]オキサミド(例えば、Uniroyal製Naugard(登録商標)XL−1)。
【0157】
h.18)アスコルビン酸(ビタミンC)。
【0158】
h.19)アミン性酸化防止剤:例えば、N,N′−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N′−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N′−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジシクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ビス(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、4−(p−トルエンスルファモイル)ジフェニルアミン、N,N′−ジメチル−N,N′−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N−アリルジフェニルアミン、4−イソプロポキシジフェニルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−(4−tert−オクチルフェニル)−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン(例えば、p,p′−ジ−tert−オクチルジフェニルアミン)、4−n−ブチルアミノフェノール、4−ブチリルアミノフェノール、4−ノナノイルアミノフェノール、4−ドデカノイルアミノフェノール、4−オクタデカノイルアミノフェノール、ビス(4−メトキシフェニル)アミン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ジメチルアミノメチルフェノール、2,4′−ジアミノジフェニルメタン,4,4′−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N′,N′−テトラメチル−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、1,2−ビス[(2−メチルフェニル)アミノ]エタン、1,2−ビス(フェニルアミノ)プロパン,(o−トリル)ビグアニド、ビス[4−(1′,3′−ジメチルブチル)フェニル]アミン、tert−オクチル化N−フェニル−1−ナフチルアミン、モノ−およびジアルキル化tert−ブチル/tert−オクチルジフェニルアミンの混合物、モノ−およびジアルキル化ノニルジフェニルアミンの混合物、モノ−およびジアルキル化ドデシルジフェニルアミンの混合物、モノ−およびジアルキル化イソプロピル/イソヘキシルジフェニルアミンの混合物、モノ−およびジアルキル化tert−ブチルジフェニルアミンの混合物、2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−4H−1,4−ベンゾチアジン,フェノチアジン、モノ−およびジアルキル化tert−ブチル/tert−オクチルフェノチアジンの混合物、モノ−およびジアルキル化tert−オクチルフェノチアジンの混合物、N−アリルフェノチアジン、N,N,N′,N′−テトラフェニル−1,4−ジアミノブト−2−エン、N,N−ビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ヘキサメチレンジアミン、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オール、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとのジメチルサクシネートポリマー[CAS番号:65447−77−0](例えば、Tinuvin(登録商標)622、Ciba Specialty Chemicals製、スイス、)、2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,20−ジアザジスピロ[5.1.11.2]ヘネイコサン−21−オンおよびエピクロロヒドリンのポリマー[CAS番号:202483−55−4](例えば、Hostavin(登録商標)N30、Clariant製、ドイツ、フランクフルトアムマイン)。
【0159】
グループi)のニッケル化合物としては、以下が挙げられる:例えば、2,2′−チオビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]のニッケル錯体(例えば、n−ブチルアミン、トリエタノールアミノまたはN−シクロヘキシル−ジエタノールアミンのような添加リガンドの有無にかかわらず、1:1または1:2錯体)、ニッケルジブチルジチオカルバメート、4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジルホスホン酸モノアルキルエステル(例えば、メチルステルまたはエチルエステル)のニッケル塩、ケトキシム(例えば、2−ヒドロキシ−4−メチルフェニルウンデシルケトキシム)のニッケル錯体、1−フェニル−4−ラウロイル−5−ヒドロキシピラゾールのニッケル錯体、(添加されるリガンドの有無に関係なく)。
【0160】
グループj)の立体障害アミンとしては、以下が挙げられる:例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)サクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)n−ブチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸との縮合生成物、N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレン−ジアミンと4−tert−オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの縮合生成物、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,1′−(1,2−エチレン)ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペラジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジル)マロネート、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)サクシネート、2−クロロ−4,6−ビス(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合生成物、2−クロロ−4,6−ジ−(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチル4−ピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合生成物、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、4−ヘキサデシルオキシ−および4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの混合物、N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの縮合生成物、1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンおよび4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの縮合生成物、N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、2−ウンデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ[4.5]デカン、7,7,9,9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ[4.5]デカンとエピクロロヒドリンとの縮合生成物、ポリ[メトキシプロピル−3−オキシ−4−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル]]シロキサン、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンおよびマレイン酸/C20−C24−α−オレフィンコポリマーから誘導されるポリマーアナログ反応生成物(例えば、Uvinul(登録商標)5050H(BASF Aktiengesellschaft、ルートヴィヒスハーフェン)、およびポリマーアナログ反応生成物との対応物、4−アミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン(例えば、「メチル化Uvinul(登録商標)5050H」)、テトラメチロールアセチレンジウレアおよび4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン縮合生成物(例えば、Uvinul(登録商標)4049H(BASF Aktiengesellschaft、ルートヴィヒスハーフェン)、4−アミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジンとの対応する縮合生成物(例えば、「メチル化Uvinul(登録商標)4049H」)、ポリ[[6−[(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ]−1,6−ヘキサンジイル[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ]][CAS番号71878−19−8]、N,N′,N′′,N′′′−テトラキス{4,6−ビス[ブチル(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ]トリアジン−2−イル}−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン(CAS番号106990−43−6)(例えば、Chimassorb(登録商標)119、Ciba Specialty Chemicals製、スイス)。
【0161】
グループk)の金属不活性剤としては、以下が挙げられる:例えば、N,N′−ジフェニルオキサルアミド、N−サリチラル−N′−サリチロイルヒドラジン、N,N′−ビス(サリチロイル)ヒドラジン、N,N′−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、3−サリチロイルアミノ−1,2,4−トリアゾール、ビス(ベンジリデン)オキサリルジヒドラジド、オキサニリド、イソフタロイルジヒドラジド、セバコイルビスフェニルヒドラジド、N,N′−ジアセチルアジピン酸ジヒドラジド、N,N′−ビス(サリチロイル)オキサル酸ジヒドラジド、およびN,N′−ビス(サリチロイル)チオプロピオニルジヒドラジド。
【0162】
グループl)のホスファイトおよびホスホナイトとしては、以下が挙げられる:例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルアルキルホスファイト、フェニルジアルキルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジステアリルペンタエリトリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、ジイソデシルオキシペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,4,6−トリス(tert−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、トリステアリルソルビトールトリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)4,4′−ビフェニレンジホスホナイト、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12−メチル−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスファイト、2,2′,2′′−ニトリロ[トリエチル−トリス(3,3′,5,5′−テトラ−tert−ブチル−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル)ホスファイト]、および2−エチルヘキシル3,3′,5,5′−テトラ−tert−ブチル−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイルホスファイト。
【0163】
グループm)のヒドロキシルアミンとしては、以下が挙げられる:例えば、N,N−ジベンジルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクチルヒドロキシルアミン、N,N−ジラウリルヒドロキシルアミン、N,N−ジテトラデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジヘキサデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクタデシル−ヒドロキシルアミン、N−ヘキサデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘプタデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、N−メチル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、および水素化獣脂脂肪族アミン由来のN,N−ジアルキルヒドロキシルアミン。
【0164】
グループn)のニトロンとしては、以下が挙げられる:例えば、N−ベンジル−α−フェニルニトロン、N−エチル−α−メチルニトロン、N−オクチル−α−ヘプチルニトロン、N−ラウリル−α−ウンデシルニトロン、N−テトラデシル−α−トリデシルニトロン、N−ヘキサデシル−α−ペンタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−ヘキサデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ペンタデシルニトロン、N−ヘプタデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ヘキサデシルニトロン、N−メチル−α−ヘプタデシルニトロン、および水素化獣脂脂肪族アミンから製造されたN,N−ジアルキルヒドロキシルアミン由来のニトロン。
【0165】
グループo)のアミンオキシドとしては、以下が挙げられる:例えば、米国特許5,844,029および5,880,191に記載されているアミンオキシド誘導体、ジデシルメチルアミンオキシド、トリデシルアミンオキシド、トリドデシルアミンオキシドおよびトリヘキサデシルアミンオキシド。
【0166】
グループp)のベンゾフラノンおよびインドリノンとしては、以下が挙げられる:例えば、米国特許4,325,863;4,338,244;5,175,312;5,216,052;5,252,643;DE−A−4316611;DE−A−4316622;DE−A−4316876;EP−A−0589839またはEP−A−0591102に記載されているもの、または3−[4−(2−アセトキシエトキシ)フェニル]−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2(3H)−オン、5,7−ジ−tert−ブチル−3−[4−(2−ステロイルオキシエトキシ)フェニル]ベンゾフラン−2(3H)−オン、3,3′−ビス[5,7−ジ−tert−ブチル−3−(4−[2−ヒドロキシエトキシ]フェニル)ベンゾフラン−2(3H)−オン]、5,7−ジ−tert−ブチル−3−(4−エトキシフェニル)ベンゾフラン−2(3H)−オン、3−(4−アセトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチル−ベンゾフラン−2(3H)−オン、3−(3,5−ジメチル−4−ピバロイルオキシフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチル−ベンゾフラン−2(3H)−オン、3−(3,4−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチル−ベンゾフラン−2(3H)−オン、Irganox(登録商標)HP−136(Ciba Specialty Chemicals)、および3−(2,3−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチル−ベンゾフラン−2(3H)−オン。
【0167】
グループq)のチオ共力剤としては、以下が挙げられる:例えば、ジラウリルチオジプロピオネートまたはジステアリルチオジプロピオネート。
【0168】
グループr)の過酸化スカベンジャーとしては、以下が挙げられる:例えば、β−チオジプロピオン酸のエステル(例えば、ラウリルエステル、ステアリルエステル、ミリスチルエステルまたはトリデシルエステル)、メルカプトベンズイミダゾールまたは2−メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩、亜鉛ジブチルジチオカルバメート、ジオクタデシルジスルフィド、およびペンタエリトリトールテトラキス(β−ドデシルメルカプト)プロピオネート。
【0169】
グループs)の基本的な補助安定剤としては、以下が挙げられる:例えば、メラミン、ポリビニルピロリドン、ジシアノジアミド、トリアリルシアヌレート、ウレア誘導体、ヒドラジン誘導体、アミン、ポリアミド、ポリウレタン、高級脂肪酸のアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩(例えば、カルシウムステアレート、亜鉛ステアレート、マグネシウムベヘネート、マグネシウムステアレート、ナトリウムリシノレート、およびカルシウムパルミテート、アンチモンピロカテコレートまたは亜鉛ピロカテコレート)。
【0170】
適切なさらなる光安定剤としては、特にジフェニルシアノアクリレート(例えば、エチル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート)が挙げられる。したがって、さらなる本発明の好ましい実施態様は、以下のものである組成物に関する:式(I)の化合物がN,N′−ビス(ホルミル)−N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6ヘキサンジアミンであり、そしてさらなる光安定剤がエチル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートである。エチル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートに対する式(I)の化合物の割合は、一般的に10:1〜1:10の範囲、好ましくは5:1〜1:5の範囲にある。
【0171】
さらに、光安定剤として、特に立体障害アミンも適切である。4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンおよびマレイン酸/C20−C24−α−オレフィンコポリマーのポリマーアナログ反応生成物が、特に好ましい。その例としては、Uvinul(登録商標)5050H(BASF Aktiengesellschaft、ドイツ、ルートヴィヒスハーフェン)および4−アミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジンとの対応するポリマーアナログ反応生成物(例えば、「メチル化Uvinul(登録商標)5050H」)である。したがって、さらなる本発明の好ましい実施態様は、以下のものである組成物に関する:式(I)の化合物が、N,N′−ビス(ホルミル)−N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6ヘキサンジアミンであり、そしてさらなる光安定剤が、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンおよびマレイン酸/C20−C24−α−オレフィンコポリマーのポリマーアナログ反応生成物またはピペリジン窒素原子上でメチル化された対応する生成物である。4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンおよびマレイン酸/C20−C24−α−オレフィンコポリマーのポリマーアナログ反応生成物またはピペリジン窒素原子上でメチル化された対応する生成物に対する式(I)の化合物の比率は、一般的に10:1〜1:10の範囲、好ましくは5:1〜1:5の範囲にある。
【0172】
本発明によれば、本組成物は、帯電防止剤、フィラーまたは補強剤、および核形成剤(グループt)から選択される少なくとも1つの添加剤もまた含むことができる。
【0173】
適切な帯電防止剤は、以下である:アミン誘導体(例えば、N,N−ビス(ヒドロキシアルキル)アルキルアミンまたはN,N−ビス(ヒドロキシアルキル)アルキルアミンアルキレンアミン)、ポリエチレングリコールエステルおよびエーテル、エトキシ化カルボン酸エステルおよびカルボキシアミド、およびグリセロールモノステアレートおよびジステアレート、ならびにそれらの混合物。
【0174】
適切なフィラーまたは補強剤は、例えば、既に上記で述べた顔料が挙げられる。その例としては、以下である:例えば、カーボンブラック、グラファイト、カルシウムカーボネート、ケイ酸塩、タルク、マイカ、カオリン、バリウムスルフェート、金属酸化物および金属水酸化物、木粉および他の天然製品の微粉末またはファイバー、および合成ファイバー。適切なファイバーまたは粉末のフィラーの例としては、以下が挙げられる:カーボンファイバーまたはガラス織物状のグラスファイバー、グラスマットまたはフィラメントグラスロービング、細片ガラス、ガラスビーズおよび珪灰石。グラスファイバーは、短いグラスファイバーであっても、連続ファイバー(ロービング)であっても組み込むことができる。
【0175】
さらに本発明の組成物は、核形成剤もまた含むことができる。適切な核形成剤としては、以下のものが挙げられる:無機材料(例えば、タルク)、金属酸化物(例えば、二酸化チタンまたは酸化マグネシウム)、好ましくはアルカリ土類金属のホスフェート、カーボネートまたはスルフェート;有機化合物(例えば、モノ−またはポリカルボン酸ならびにその塩。その例としては、4−tert−ブチル安息香酸、アジピン酸、ジフェニル酢酸、コハク酸ナトリウムまたはナトリウムベンゾエート;ポリマー化合物(例えば、イオン性コポリマー「イオノマー」)。
【0176】
グループa)〜s)の化合物は、グループp)のベンゾフランを除いて、一般的な量、例えば、組成物の全質量に対して、0.0001〜10質量%、好ましくは0.01〜1質量%の量で使用される。グループt)の添加剤は、一般的な量で使用される。一般的に、それらは、組成物の全質量に対して、0〜60質量%の量で使用される。
【0177】
1つの具体的な実施態様においては、顔料含有ポリマー組成物で使用される顔料は、微粉末状である。すなわち、それらは、5μm(5000nm)未満の1次粒子の平均粒径を有する。しかしながら、微粉末顔料は、融合し、凝集物を形成する傾向にある。顔料をポリマー中で処理する場合、剪断力により顔料凝集物を分解し、微粉末状が確保されるようにする必要がある。この作業を補助するために、分散助剤を添加するのが通例である。
【0178】
一般的に、顔料含有ポリマー組成物に使用される分散剤は、以下である:ポリエチレンワックスおよびポリプロピレンワックス、金属石鹸、脂肪酸エステル、モンタン酸ワックス、ワックス様ポリマーまたはアミドワックス。ごく一般的には、分散助剤の比率は最小とする。
【0179】
熱可塑性プラスチックのさらなる処理に広く用いられている1つの方法は、溶融紡糸プロセスである。このプロセスにおいては、ポリマー組成物は、製造から直接、または押出機での溶融後にスピナレットダイに強制的に通される。その各ダイは、例えば、多数の穴の開いた有孔板で構成される。ポリマー溶融物は、ダイの穴からフィラメントの束として出てくる。しかしながら、例えば分散剤としてワックスを含む従来のポリマー組成物においては、ワックスがポリマー溶融物から移行して、ワックスがダイの周りに沈着する結果となる。溶融紡糸ラインは、切断および洗滌しなければならず、その過程には高いコストがかかる。さらに、移行したワックスがファイバーに沈着し、結果として、例えばダウンストリーム処理操作においてプリントするのが、より難しくなる。したがって、従来の顔料含有ポリマー組成物において分散助剤として使われるワックスは、上記の理由により不都合である。同様に、乾燥紡糸および湿潤紡糸においても、ポリマー組成物がワックス分散助剤を含むことは好ましくない。
【0180】
従来技術から見れば、式(I)の化合物が、顔料含有ポリマー組成物中で分散剤として作用する能力を有することは、当業者にとって、驚くべきことであり、予期できないことである。このような効果は、光、酸素および/または熱に対する従来技術の安定剤によっては示されない。
【0181】
したがって、本発明は、連続的なポリマー相およびそこに分散する粒状顔料相を含む顔料含有ポリマー組成物を製造するための方法をさらに提供する。その方法は、ポリマー組成物と顔料とを密に接触させること、および少なくとも1つの以下の式(I)のピペリジン化合物を分散剤として使用することを含む:
【化9】

式中、n、Y、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8は、上記で定義したもの、特に、好ましいと定義されたものである。
【0182】
ポリマー組成物中の適切なポリマーに関しては、成分ii)について上記で述べられたことが、その全体として参照される。本発明の方法で得られたポリマー組成物は、そのポリマー成分として、好ましくは、射出成形、押出機またはブロー成形でさらに処理され得るポリマーを含む。本発明の方法で得られた顔料含有ポリマー組成物は、特に、溶融紡糸プロセス、乾燥紡糸プロセスまたは湿潤紡糸プロセス、その中でも溶融紡糸プロセスによりさらに処理される。
【0183】
ポリマー成分ii)は、好ましくは以下の群から選択される:ポリオレフィン、ポリオレフィンコポリマー、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルエステル、ポリビニルアルカナール、ポリビニルケタール、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリカーボネートブレンド、ポリエステル、ポリエステルブレンド、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリレートスチレンコポリマーブレンド、ポリ(メタ)アクリレート−ポリビニリデンジフルオライドブレンド、ポリウレタン、ポリスチレン、スチレンコポリマー、ポリエーテル、ポリエーテルケトンおよびポリスルホンおよびそれらの混合物。
【0184】
ポリマー成分ii)は、好ましくは以下の群から選択される:ポリオレフィン、ポリオレフィンコポリマー、ポリビニルアルカナール、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリカーボネート−ポリエステルブレンド、ポリカーボネート−スチレンコポリマーブレンド、ポリエステル、ポリエステルブレンド、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリレート−スチレンコポリマーブレンド、ポリ(メタ)アクリレート−ポリビニリデンジフルオライドブレンド、スチレンコポリマーおよびポリスルホン、およびそれらの混合物。
【0185】
特に好ましいポリマー成分ii)は、以下から選択される:ポリプロピレン、ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリカーボネート、ポリカーボネート−ポリエチレンテレフタレートブレンド、ポリカーボネート−ポリブチレンテレフタレートブレンド、ポリカーボネート−アクリロニトリル/スチレン/アクリロニトリルコポリマーブレンド、ポリカーボネート−アクリロニトリル/ブタジエン/スチレンコポリマーブレンド、メチルメタクリレート−アクリロニトリル/ブタジエン/スチレンポリマー(MABS)、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、インパクト修飾ポリメチルメタクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート−ポリビニリデンジフルオライドブレンド、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレンコポリマー(ABS)、アクリロニトリル/スチレン/アクリルエステルポリマー(ASA)、スチレン/アクリロニトリルコポリマー(SAN)およびポリフェニレンスルホン、ならびにそれらの混合物。
【0186】
顔料成分iii)に関して上で述べられたものが、適切で好ましい顔料である。
【0187】
連続ポリマー相およびその中に分散する粒状顔料相を含む顔料性ポリマー組成物は、密にポリマー成分および顔料と式(1)のピペリジン化合物とを混ぜることによって製造される。本発明の方法を実行するための混合装置の例は、以下が挙げられる:バッチ式操作の加熱内部ニーダーでラムがあるものとないもの;連続内部ニーダーのような連続操作ニーダー、またはアキシャル振動スクリューを備えるスクリューニーダー、およびバンベリーニーダー:さらに、押出機およびロールミル、加熱ロールを備えるロールミキサー、およびカレンダー。
【0188】
当業者に知られている押出機の一般的なタイプは、これらの目的に原則として適している。このような押出機は、バレル、ドライブユニット、輸送部材および/または混練部材を備えた1つ以上の回転軸(スクリュー)から構成される軟化ユニット、およびコントロールユニットを一般的に含む。輸送方向にスクリューに沿って延長して、2以上のゾーンがある。それは、本発明の方法においては、取入口ゾーン、少なくとも1つの軟化および均質化のためのゾーン、および排出ゾーンを含む。各ゾーンは、1つ以上のバレルを最小独立ユニットとして含むことができる。適切な押出機の例は、単一スクリュー押出機、双スクリュー押出機および多スクリュー押出機である。1つの好ましい態様では、双スクリュー押出機が使われる。
【0189】
ポリマー成分は、本発明に従って使われた混合装置に、溶融状で、しかし一般には固体状で供給される。ポリマー成分が固体状で使われる場合、それは顆粒、粉末、ペレットまたはグラインドストックの形状をとることができる。その場合、ポリマー成分は、例えば、150〜300℃の温度で溶融される。
【0190】
顔料は、例えば固体状で、アジュバントなしで使うことができる。しかし、好ましくは、顔料は、マスターバッチ製品の形で使用される。
【0191】
ポリマー成分、顔料、ピペリジン化合物、およびさらなる任意の添加剤は、「低温」で混合することもでき、その後、その混合物を溶融し、均一化する。適切な温度は、一般的に150〜300℃の範囲である。
【0192】
ポリマー成分、顔料および式(I)のピペリジン化合物が加えられる順序は、重要ではない。添加は、同時に、互いに別々に、一度または何回かに分けて行なうことができる。適切であるなら、顔料コンポーネントおよび式(I)のピペリジン化合物のプレミックスを使うことが有利になり得る。密な接触は、以下から選択される少なくとも1つの添加物の存在下で起こり得る:酸化防止剤、光安定剤、金属不活性剤、帯電防止剤、補強剤、フィラー、曇り防止剤、殺生剤、および式(I)の化合物以外の分散助剤。適切な酸化防止剤、光安定剤、金属不活性剤、帯電防止剤、補強剤、フィラー、曇り防止剤および殺生剤に関しては、上記のものが、その全体として参照とされる。式(I)の化合物以外の適切な分散助剤は、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、金属石鹸、脂肪酸エステル、モンタン酸、ワックス様ポリマーおよびアミドワックスである。式(I)の化合物以外の分散助剤の割合は、ポリマー組成物の全質量に対して、好ましくは0.01質量%未満である。本発明の特に好ましい実施態様においては、着色剤含有ポリマー組成物は、式(I)の化合物以外のさらなる分散助剤、特にワックスを含まない。
【0193】
本発明の方法により、顔料は、特に連続ポリマー相の形状にある。顔料の凝集および/または沈殿物は、全く起こらないか、またはほんの小さな程度でしか起こらない。本発明の方法によって製造された顔料含有ポリマー組成物は、従来の顔料含有ポリマー組成物の前記の短所を有しない。
【0194】
したがって、本発明は、ポリマー組成物中の顔料の分散剤としての式(I)のピペリジン化合物の使用をさらに提供する。
【0195】
したがって、式(I)のピペリジン化合物の本発明での使用は、一連の利点を与える。
【0196】
式(I)のピペリジン化合物は、ポリマー組成物中において顔料を非常に効率的に分散させる。したがって、化合物I以外の分散助剤を使用せずに、特に分散助剤としてワックスを使用せずに行なうことが一般にできる。式(I)の化合物以外の分散助剤を使用する場合、その割合は、着色剤含有ポリマー組成物の全質量に対して、0.01質量%未満である。本発明の特に好ましい実施態様においては、式(I)の化合物以外の分散剤は、全く使用されない。
【0197】
顔料含有ポリマー組成物の色強度は、達成された着色剤の分散の度合による。顔料が微粉砕されていればいるほど、顔料含有ポリマーの色は、より深く現れる。光、酸素および/または熱への暴露に対する従来技術の安定剤とは対照的に、式(I)のピペリジン化合物は、ポリマー組成物中において顔料を非常に効率的に分散させる。したがって、同じ色強度を得るためには、光、酸素および/または熱への暴露に対する従来技術の安定剤を含む従来の顔料含有ポリマー組成物と比較して、より少量の顔料しか必要としない。
【0198】
性能調査
使用される安定剤:
−S1:Uvinul(登録商標)4050H、BASF Aktiengesellschaft製、ドイツ、ルートヴィヒスハーフェン、(N,N′−ビス(ホルミル)−N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサンジアミン)、CAS番号124172−53−8;
−S3:Uvinul(登録商標)3035、BASF Aktiengesellschaft製、ドイツ、ルートヴィヒスハーフェン、エチル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、CAS番号5232−99−5;
−S4:Tinuvin(登録商標)234、Ciba Specialty Chemicals製、スイス、(2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス−(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、CAS番号70321−86−7;
−S5:Tinuvin(登録商標)320、Ciba Specialty Chemicals製、スイス、(2−(2H−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール)、CAS番号3864−71−7;
−S6:Tinuvin(登録商標)770、Ciba Specialty Chemicals製、スイス、(ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート)、CAS番号52829−07−9;
−S7:Tinuvin(登録商標)783、Ciba Specialty Chemicals製、スイス、(ポリ−{[6−[(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル]−[2−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)アミノ]ヘキサメチレン−[4−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)イミノ]}とポリ−(N−β−ヒドロキシエチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−コハク酸ヒドロキシピペリジル)との混合物;
−S8:Tinuvin(登録商標)P、(2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール)、Ciba Specialty Chemicals製、スイス、CAS番号2440−22−4;
−S9:Chimassorb(登録商標)2020、Ciba Specialty Chemicals製、スイス、1,6−ヘキサンジアミン、N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−、2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンとのポリマー、N−ブチル−1−ブタンアミンおよびN−ブチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジンアミンとの反応生成物、CAS番号192268−64−7;
−S10:Chimassorb(登録商標)944、CibaSpecialityChemicals製、スイス、ポリ[[6−[(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル]−[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ]−1,6−ヘキサンジイル[2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ]]、CAS番号71878−19−8;
−S11:Cyasorb(登録商標)3346、Cytec製、USA、(ポリ[[6−(モルホリノ)−s−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]−ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]])、CAS番号082451−48−7;
−S12:Cyasorb(登録商標)3529、Cytec製、USA、1,6−ヘキサンジアミン、N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−、モルホリノ−2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンとのポリマー、CAS番号193098−40−7;
−S13:Cyasorb(登録商標)3853、Cytec製、USA、CAS番号167078−06−0;
【化10】

R=C11−C20、好ましくはC16−C18
−S14:Hostavin(登録商標)N30、Clariant製、フランフルト/マイン、ドイツ、2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,20−ジアザジスピロ[5.1.11.2]ヘネイコサン−21−オンおよびエピクロルヒドリンのポリマー、CAS番号:202483−55−4;
−S15:Irganox(登録商標)1098、Ciba Specialty Chemicals製、スイス、フェニルプロパンアミド−N,N−1,6−ヘキサンジイルビス[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ]、CAS番号:23128−74−7。
【0199】
実施例1:白色着色ABSの暴露およびオーブン保存
インテンシブミキサーにおいて、全体としての混合物の質量に対して、0.5質量%のS1、0.35質量%のS3、Terluran967Kタイプ(BASF Aktiengesellschaft製、ドイツ、ルートヴィヒスハーフェン)のABSおよび1.0質量%のTiO2を混合し、続いて240℃の温度における実験室押出機により均一化し、粒状とした。得られた粒状物を射出成形し、2mm厚のテスト試料とした。
【0200】
これらのテスト試料をDIN54004に従って45℃に暴露し(第1表)、DIN53383に従って強制通気オーブンで90℃において保存した(第2表)。0、500、1000、1500および2000時間の暴露およびそれぞれ0、250、500および750時間のオーブン保存の後の黄化(黄色指数Yl)を測定した。
【0201】
使用した対照は、安定剤混合物を全く加えなかったこと以外は実施例1に記述されているように製造されたテスト試料であった。比較のために、0.5質量%のS1および0.35質量%のS3の代わりに、0.5質量%のS6および0.5質量%のS8からなる安定剤混合物を加えたこと以外は実施例1に記述されているように製造されたテスト試料を用いた。
【0202】
第1表:45℃における白色着色ABSの暴露
【表1】

【0203】
第2表:90℃における白色着色ABSのオーブン保存
【表2】

【0204】
Y1は、ポリマーに対するダメージの測定値である。Y1の値が小さいほど、安定剤の効果が良好である。第1表および第2表から明らかなように、S1(N,N′−ビス(ホルミル)−N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサンジアミン)とS3(エチル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート)との安定剤の組合せは、S6(ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、)とS8(2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール)との安定剤の組合せより、45℃暴露および90℃オーブン保存の両方において優れている。S1(N,N′−ビス(ホルミル)−N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサンジアミン)とS3(エチル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート)との安定剤の組合せにより、長期間の安定化が達成される。
【0205】
実施例2:グレー着色ABSのオーブン保存
1質量%のTiO2の代わりに2.0質量%のSicostyrenグレー00−6295を使った以外は、実施例1を繰り返した。200、400、600、800および1000時間のオーブン保存の後の黄化(黄色指数Yl)を測定した。
【0206】
第3表:90℃におけるグレー着色ABSのオーブン保存
【表3】

【0207】
実施例3:着色ポリプロピレンファイバーの色当量および残存引張強度
Basel HP561R(ポリプロピレン、Basell製、オランダ)を、第4表および第5表に示された安定剤および顔料と、インテンシブミキサーで混合した。そして、その混合物を182℃の温度における実験室押出機により均一化し、ファイバーユニットにより巻き取った。このようにして得られたファイバーを色当量および残存引張強度について調べた。
【0208】
使用された対照は、0.3質量%のパリオトールイエローK1841または0.3質量%のPVファストイエローHRを顔料として含むポリプロピレンファイバーであった。
【0209】
比較のために、以下の安定剤が使われた:S7;S9;S10;S11;S12;およびS13。
【0210】
第4表:着色ポリプロピレンファイバーの色当量
【表4】

【0211】
色当量(CE)は、100の対照値(安定剤または分散助剤なしの着色ポリプロピレン)に対して、同様の色効果を得るのに必要とされる顔料の部数を示している。CE値が小さいほど、安定剤および/または分散助剤の効果が良好である。色当量の点では、S1は、パリオトールイエローK1841およびPVファストイエローHRに対して、調べた他の安定剤より、顕著に良好な値を示している。
【0212】
第5表:着色ポリプロピレンファイバーの残存引張強度
【表5】

【0213】
挙げられた残存引張強度は、DIN EN ISO4892−2に従って、500、1000、1500、2000、2500および3000時間の耐候性試験を行なった後に、ファイバーを切断するのに必要とされる力の割合を示している。初期値(耐候性試験0時間)を対照として100%に設定する。残存引張強度が大きいほど、安定剤の効果が良好である。
【0214】
第5表から明らかなように、残存引張強度の点で、S1(N,N′−ビス(ホルミル)−N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサンジアミン)は、パリオトールイエローK1841に対して、調べた他の安定剤より、顕著に良好な値を示している。
【0215】
実施例4:着色ポリアミドファイバーの残存引張強度
ポリアミドUltramid B3S(糸1360f68)(BASF Aktiengesellschaft製、ドイツ、ルートヴィヒスハーフェン)を、インテンシブミキサーにおいて、第6表に示す安定剤と、それぞれ1.0質量% のPalamidイエロー21−0705およびそれぞれ0.85質量%のUltramid PC1(BASF Aktiengesellschaft製、ドイツ、ルートヴィヒスハーフェン)とを混合した。その混合物を260℃の温度における実験室押出機により均一化し、ファイバーユニットにより巻き取った。このようにして製造された糸を残存引張強度について調べた。
【0216】
第6表:着色ポリアミドファイバーの残存引張強度
【表6】

【0217】
挙げられた残存引張強度は、DIN 75 202−3 A10に従って、暴露後のファイバーを切断するのに必要とされる力の割合を示している。初期値(暴露0サイクル)を対照として100%に設定する。残存引張強度が大きいほど、安定剤の効果が良好である。
【0218】
実施例5:厚肉着色ポリアミドにおける色変化
タイプUltramidB3S(BASF Aktiengesellschaft製、ドイツ、ルートヴィヒスハーフェン)のポリアミド6を、インテンシブミキサーにおいて、第7表および8表に挙げられた安定剤および顔料と混合した。その混合物を261℃の温度における実験室押出機により均一化し、粒状とした。得られた粒状物を射出成形し、3mmまたは2mm厚のテストプラークを得た。これらのプラークを、100℃においてDIN75202−3に従って暴露し(第7表)、または65℃においてDIN53387に従って耐候性試験を行なった(第8表)。
【0219】
それぞれ場合において測定されたパラメータは、1、2、3、4および5回サイクルの暴露の後、または1000、1500、2000、2300、2500および3000時間後の耐候性試験の後の色変化(DE*(CIELAB))であった。DE*(CIELAB)値は、安定剤の効率の測定値を表す。この値が低いほど、安定剤の効果は良好である。
【0220】
第7表:厚肉着色ポリアミドの暴露による色変化
【表7】

【0221】
第7表から明らかなように、顕著に良好な安定化は、同量の安定剤を使用した場合、S6(ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、)より、S1(N,N′−ビス(ホルミル)−N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサンジアミン)の方が得られる。
【0222】
第8表:ブルー着色(1.0%SicopalブルーK6310)肉厚ポリアミドの耐候性試験における色変化
【表8】

【0223】
第8表から明らかなように、顕著に良好な安定化は、同量の安定剤を使用した場合、S6(ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、)より、S1(N,N′−ビス(ホルミル)−N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサンジアミン)の方が得られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下のi)〜iii):
i)安定剤としての少なくとも1つの式(I)
【化1】

[式中、nは、1または2である;
1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立してC1−C4−アルキル、またはR1およびR2および/またはR3およびR4は、結合している炭素原子と共に4−、5−、6−、7−または8員環を形成する;
5およびR7は、それぞれ独立して水素またはC1−C4−アルキルである;
6は、水素、オキシル、ヒドロキシル、アシル、C1−C40−アルキルまたはC2−C40−アルケニルであり、このうち後2つの基は、酸素、硫黄、−NH−および−N(C1−C10−アルキル)−からそれぞれ独立して選択される1つ以上の非隣接基によって中断されており、および/またはシアノ、ヒドロキシル、アミノおよびアリールから選択される1つ以上の置換基を有することができ、前記アリールは、C1−C4−アルキル、ハロゲン、C1−C4−アルコキシ、ジ(C1−C4−アルキル)アミノ、メチレンジオキシまたはエチレンジオキシで1回以上置換することができる;
8は、水素またはC1−C10−アルキルである;および
nが1の場合、
Yは、水素であるか、または非置換または同一もしくは異なるRa基で1回以上置換されるC1−C22−アルキルであり、酸素、硫黄、−NH−および−N(C1−C10−アルキル)−からそれぞれ独立して選択される1つ以上の非隣接基によって中断されていてよい;または
Yは、C3−C22−アルケニル、C3−C12−シクロアルキル、C6−C12−ビシクロアルキル、C3−C10−シクロアルケニルであり、これらの基は、1つ以上のRa基を有することでき、そしてC3−C12−シクロアルキル、C6−C12−ビシクロアルキル、またはC3−C10−シクロアルケニルは、さらに1つ以上のアルキル基を有することができる;または
Yはアリールであり、そのアリールは、ハロゲン、C1−C4−アルキル、C1−C4−アルコキシ、C1−C4−アルコキシカルボキシル、メチレンジオキシ、エチレンジオキシまたはジ−(C1−C4−アルキル)アミノで1回以上置換することができる;または
Yは、適切であれば、オキシル、ヒドロキシル、アシル、C1−C40−アルキルまたはC2−C40−アルケニルから選択される1つ以上の同一または異なる基を有するヘテロ環であり、このうちC1−C40−アルキルおよびC2−C40−アルケニルは、酸素、硫黄、−NH−および−N(C1−C10−アルキル)−からそれぞれ独立して選択される1つ以上の非隣接基によって中断されていてよく、および/またはシアノ、ヒドロキシル、アミノおよびアリールからそれぞれ独立して選択される1つ以上の置換基を有することができ、前記アリールは、C1−C4−アルキル、ハロゲン、C1−C4−アルコキシ、ジ−(C1−C4−アルキル)アミノ、メチレンジオキシまたはエチレンジオキシで1回以上置換することができる;
aは、シアノ、アミノ、ヒドロキシル、ヒドロキシ−C1−C4−アルコキシ、C1−C4−アルコキシカルボキシル、アリール、またはヘテロ環であり、このうち後2つの基は、ハロゲン、ヒドロキシル、C1−C4−アルキル、C1−C4−アルコキシ、C1−C4−アルコキシカルボキシル、メチレンジオキシ、エチレンジオキシまたはジ(C1−C4−アルキル)アミノで1回以上置換することができる;
そしてnが2の場合、
Yは、隣接結合の間に1から30個の架橋原子を有する二価基であり、その二価基は、アルキレン、アルケニレン、アリーレン、ヘテロシクリレン、シクロアルキレンから選択される構造単位を有し、前記アルキレン及びアルケニレンは、酸素、硫黄、−NH−および−N(C1−C10−アルキル)−によって1回以上中断されていてよく、そしてアリーレン、ヘテロ環およびシクロアルキレンは、C1−C4−アルキルで1回以上置換することができる]のピペリジン化合物;
ii)少なくとも1つのポリマー;および
iii)少なくとも1つの着色剤
を含む組成物。
【請求項2】
式IにおけるR1、R2、R3およびR4がそれぞれメチルであり、そしてR5およびR7がそれぞれ水素である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
式IにおけるR6が水素である、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
8がHである、請求項1から3までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
式(I)において、nが1であり、そしてYが、非置換の、またはシアノ、ヒドロキシル、C1−C4−アルコキシカルボキシル、ヒドロキシ−C1−C4−アルコキシ、フリル、チエニル、テトラヒドロフラニル、モルホリニル、ピリジル、イミダゾリル、ピペリジニル、ピロリジニル、および2−オキソピペリジニルから選択される置換基を有するC1−C10−アルキルである、請求項1から4までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
式(I)において、nが2であり、そしてYが2〜10員のアルキレン鎖である、請求項1から4までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
式(I)の化合物が、N,N′−ビス(ホルミル)−N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサンジアミンである、請求項1から6までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
前記ポリマーii)が、ハロゲン含有ポリマーおよびその混合物から選択される、請求項1から7までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
前記ポリマーii)が、エーテルのホモポリマーもしくはコポリマーおよびそれらの混合物から選択される、請求項1から7までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
前記ポリマーii)が、ポリアセタール、ポリアセタールと環状エーテルとのコポリマー、および熱可塑性ポリウレタンで、アクリレートもしくはメチルアクリレート/ブタジエン/スチレン−コポリマーで修飾されたポリアセタール、およびそれらの混合物から選択される、請求項1から7までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
前記ポリマーii)が、ポリアリールエーテル、ポリアリールスルフィド、およびポリアリールエーテルとスチレンポリマーおよびポリアミドとの混合物、およびそれらの混合物から選択される、請求項1から7までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
前記ポリマーii)が、ポリウレタンから選択される、請求項1から7までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
前記ポリマーii)が、ポリウレア、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリヒダントイン、ポリベンズイミダゾール、およびそれらの混合物から選択される、請求項1から7までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項14】
前記ポリマーii)が、ポリエステルから選択される、請求項1から7までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項15】
前記ポリマーii)が、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、およびそれらの混合物から選択される、請求項1から7までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項16】
前記ポリマーii)が、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、およびそれらの混合物から選択される、請求項1から7までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項17】
前記ポリマーii)が、合成樹脂から選択される、請求項1から7までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項18】
前記ポリマーii)が、天然ポリマーから選択される、請求項1から7までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項19】
前記ポリマーii)が、純粋なモノマー化合物またはそのような化合物の混合物から製造される天然有機材料または合成有機材料から選択される、請求項1から7までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項20】
前記ポリマーii)が、天然ゴムまたは合成ゴムの水性エマルジョンから選択される、請求項1から7までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項21】
前記ポリマーii)が、モノオレフィンまたはジオレフィンとビニルモノマーとのコポリマー、およびそれらの混合物から選択される、請求項1から7までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項22】
前記ポリマーii)が、不飽和アルコールおよびアミンまたはそれらのアシル誘導体またはアセタールから誘導されるポリマーから選択される、請求項1から7までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項23】
前記ポリマーii)が、α,β−不飽和酸およびそれらの誘導体から誘導されるポリマーから選択される、請求項1から7までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項24】
前記ポリマーii)が、請求項23に記載のモノマー同士のコポリマー、または請求項23に記載のモノマーと他の不飽和モノマーとのコポリマーから選択される、請求項1から7までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項25】
前記ポリマーii)が、ポリアミドおよびコポリアミドから選択される、請求項1から7までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項26】
前記ポリマーii)が、ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)、およびスチレンまたはα−メチルスチレンのコポリマーから選択される、請求項1から7までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項27】
前記コポリマーが、スチレンと、アクリロニトリルおよびブタジエンおよび/またはアクリルエステルまたはメタクリルエステルとのコポリマーである、請求項26に記載の組成物。
【請求項28】
前記ポリマーii)が、ポリオレフィンおよびその混合物から選択される、請求項1から7までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項29】
前記ポリマーii)が、エチレンおよびプロピレンのホモポリマーおよびコポリマー、およびそれらの混合物から選択される、請求項28に記載の組成物。
【請求項30】
前記ポリマーii)が、ポリマーブレンドである、請求項1から7までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項31】
前記着色剤iii)が顔料である、請求項1から30までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項32】
前記顔料が白色顔料または黒色顔料である、請求項31に記載の組成物。
【請求項33】
酸化防止剤、光安定剤、金属不活性剤、帯電防止剤、補強剤、フィラー、曇り防止剤、および殺生剤から選択される少なくとも1つの添加剤をさらに含む、請求項1から32までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項34】
前記光安定剤が、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸エステルである、請求項33に記載の組成物。
【請求項35】
連続的なポリマー相と、そこに分散する粒状顔料相とを含む顔料含有ポリマー組成物を製造する方法であって、前記ポリマー組成物を、顔料と密に接触させ、そして分散助剤として、少なくとも1つの以下の式(I)
【化2】

[式中、nは、1または2である;
1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立してC1−C4−アルキル、またはR1およびR2および/またはR3およびR4は、結合している炭素原子と共に4−、5−、6−、7−または8員環を形成する;
5およびR7は、それぞれ独立して水素またはC1−C4−アルキルである;
6は、水素、オキシル、ヒドロキシル、アシル、C1−C40−アルキルまたはC2−C40−アルケニルであり、このうち後2つの基は、酸素、硫黄、−NH−および−N(C1−C10−アルキル)−からそれぞれ独立して選択される1つ以上の非隣接基によって中断され、および/またはシアノ、ヒドロキシル、アミノおよびアリールから選択される1つ以上の置換基を有することができ、前記アリールは、C1−C4−アルキル、ハロゲン、C1−C4−アルコキシ、ジ(C1−C4−アルキル)アミノ、メチレンジオキシまたはエチレンジオキシで1回以上置換することができる;
8は、水素またはC1−C10−アルキルである;および
nが1の場合、
Yは、水素であるか、または非置換または同一もしくは異なるRa基で1回以上置換されるC1−C22−アルキルであり、酸素、硫黄、−NH−および−N(C1−C10−アルキル)−からそれぞれ独立して選択される1つ以上の非隣接基によって中断されていてよい;または
Yは、C3−C22−アルケニル、C3−C12−シクロアルキル、C6−C12−ビシクロアルキル、C3−C10−シクロアルケニルであり、これらの基は、1つ以上のRa基を有することでき、そしてC3−C12−シクロアルキル、C6−C12−ビシクロアルキル、またはC3−C10−シクロアルケニルは、さらに1つ以上のアルキル基を有することができる;または
Yはアリールであり、そのアリールは、ハロゲン、C1−C4−アルキル、C1−C4−アルコキシ、C1−C4−アルコキシカルボキシル、メチレンジオキシ、エチレンジオキシまたはジ−(C1−C4−アルキル)アミノで1回以上置換することができる;または
Yは、適切であれば、オキシル、ヒドロキシル、アシル、C1−C40−アルキルまたはC2−C40−アルケニルから選択される1つ以上の同一または異なる基を有するヘテロ環であり、このうちC1−C40−アルキルおよびC2−C40−アルケニルは、酸素、硫黄、−NH−および−N(C1−C10−アルキル)−からそれぞれ独立して選択される1つ以上の非隣接基によって中断されていてよく、および/またはシアノ、ヒドロキシル、アミノおよびアリールからそれぞれ独立して選択される1つ以上の置換基を有することができ、前記アリールは、C1−C4−アルキル、ハロゲン、C1−C4−アルコキシ、ジ−(C1−C4−アルキル)アミノ、メチレンジオキシまたはエチレンジオキシで1回以上置換することができる;
aは、シアノ、アミノ、ヒドロキシル、ヒドロキシ−C1−C4−アルコキシ、C1−C4−アルコキシカルボキシル、アリール、またはヘテロ環であり、このうち後2つの基は、ハロゲン、ヒドロキシル、C1−C4−アルキル、C1−C4−アルコキシ、C1−C4−アルコキシカルボキシル、メチレンジオキシ、エチレンジオキシまたはジ(C1−C4−アルキル)アミノで1回以上置換することができる;
そしてnが2の場合、
Yは、隣接結合の間に1から30個の架橋原子を有する二価基であり、その二価基は、アルキレン、アルケニレン、アリーレン、ヘテロ環、シクロアルキレンから選択される構造単位を有し、前記アルキレン及びアルケニレンは、酸素、硫黄、−NH−および−N(C1−C10−アルキル)−によって1回以上中断されていてよく、アリーレン、ヘテロ環およびシクロアルキレンは、C1−C4−アルキルで1回以上置換することができる]のピペリジン化合物を使用する方法。
【請求項36】
前記の密に接触させることが、酸化防止剤、光安定剤、金属不活性剤、帯電防止剤、補強剤、フィラー、曇り防止剤、殺生剤および式Iの化合物以外の分散助剤から選択される少なくとも1つの添加剤の存在下でさらに行なわれる、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
式(I)の化合物以外の前記分散助剤が、ポリエチレンワックスおよびポリプロピレンワックス、金属石鹸、脂肪酸エステル、モンタンワックス、ワックス様ポリマー、およびアミドワックスから選択される、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
式(I)の化合物以外の前記分散助剤の割合が、ポリマー組成物の全質量に対して、0.01質量%未満である、請求項36または37に記載の方法。
【請求項39】
式(I)の化合物以外の分散助剤を全く使用しない、請求項35に記載の方法。
【請求項40】
顔料含有ポリマー組成物における分散助剤としての請求項1で定義された式(I)のピペリジン化合物の使用。

【公表番号】特表2009−531505(P2009−531505A)
【公表日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−502110(P2009−502110)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【国際出願番号】PCT/EP2007/053095
【国際公開番号】WO2007/113248
【国際公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】