ポリマーマトリクス中に組み込まれる固体粒子を有する複合材料からなる製品を製造するための方法及び装置、並びに固体粒子を粘稠液体中へ分散させる方法及び装置
ポリマーマトリクスに組み込まれる固体粒子を有する複合材料からなる製品を製造するための方法は、第一の経路(P1)に沿ってポリマーマトリクスを規定するのに適した粘稠液体を運搬すること、第二の経路(P2、P2’)に沿って、素固体粒子の集合物を運搬すること、前記集合物と前記粘稠液体とを混合すること、浸透装置(3;103;153;163)によって第三の経路(P3)に沿って前記素固体粒子の中へ前記粘稠液体を浸透させること、前記浸透装置(3;103;153;163)の下流に配置した分散装置(5;62;78;105;155;165)によって第三の経路(P3)に沿って前記素固体粒子を前記粘稠液体へ分散させることを提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマーマトリクス中に含まれる固体粒子を有する複合材料からなる製品を製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、固体粒子を含有するポリマーマトリクスを有する複合材料からなる製品は、ますます多くの用途、とりわけ、構造強化部品、充填フィルム、ナノ複合材料などにみられる。このような複合材料からなる製品の増大する普及は、それらの高性能、汎用性及び相対的な低製造コストに依存する。複合材料は、いくつかの異なる特性を満足することが可能で、固体粒子の形状、量、及び構成材料に依存する機械的及び物理的特性を提供することができる。
【0003】
ポリマーマトリクスは、一般に、熱可塑性ポリマー、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリスチレン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン、ポリスルホン、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレートなどからなるが、ポリマーマトリクスは、熱硬化性樹脂からなることができる。熱硬化性樹脂の例は、硫化ゴム、フェノール-ホルムアルデヒド(ベークライト)、尿素-ホルムアルデヒド、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂などである。
【0004】
ポリマーマトリクス中に含まれる固体粒子は、通常、粉末か繊維である。粉末と繊維の両方は、液体ポリマーマトリクス中で液体-固体混合工程によってポリマーマトリクスの凝固前に混合される。
【0005】
粉末は、ポリマーマトリクスとともに混合するのに適した球状又は角柱形を有する充填剤又は添加剤であり、例えば、大部分が1nmから10,000.00nm(nm=ナノメーター)の範囲の寸法を有する、無機粉末、木粉、粉末有機物質、固体又は中空ガラス球である。
【0006】
ポリマーマトリクスに組み込まれる繊維は、典型的に細長い形状を有し、アスペクト比又は、長さの厚みに対する割合によって特徴付けられる。ポリマーマトリクス中に組み込まれるのに適する繊維は、ガラス繊維などの無機繊維、カーボン又はアラミドなどの合成繊維、又はポリエステル繊維、又はジュート、綿、麻、亜麻、ケナフ麻、サイザル麻、ココヤシ、羊毛などの天然繊維である。繊維は、ガラスロービングなどの複数の連続長繊維のストランドから切断され、しばしば、単位長さ当たりの極低重量(TEX=キロメータ当たりのグラム重量)によって規定される。例えば、Cetrotex-Europe社によってロービングRO99P319として販売されている連続長繊維は、17ミクロン直径のEガラス長繊維からなり、各ストランドは1200のTEX値を有し、約2000長繊維からなる。
【0007】
一般に、固体粒子は、粉末であろうと繊維であろうと、仮に、それらが液体ポリマーマトリクスの至るところに、前記ポリマーマトリクスが最終的に凝固する前に完全に分散されるなら、最終複合材料にプラスの機械的貢献を与える。
【0008】
完全な分散とは、各素固体粒子が液体-固体混合工程中に液体ポリマーマトリクスによって完全に囲まれるか、又は、言い換えれば、液体-固体界面領域が総ての素固体粒子の総ての外側の表面領域の合計と等しいことを意味する。もし、例えば、Nが球形状の総ての素固体粒子の数であり、Rが素固体粒子の平均統計半径であると仮定すると、完全な分散は、液体-固体界面表面Siは、N4πR2と等しいとき生じる。他方、もし、大部分の長繊維の例のように素粒子が円筒型形状を有するなら、完全な分散は、液体-固体界面Siが、NL2Rπ(ここで、Lは、円筒型形状粒子の長さであり、Rは平均統計断面の半径である。)に等しいとき生じる。
【0009】
粘稠液体ポリマーマトリクスの完全な粉末分散の意味をよりよく理解するために、凝集体と集合物の概念を想い起こす価値がある。凝集体は、例えば、粉砕工程によって得られ、しばしば平均統計寸法について規定されるような素固体粉末粒子である。例えば、粉末が2μの統計平均寸法を有することとして参照されるとき、それは、当該粉末を規定する凝集体の平均統計寸法が2μであることを意味する。実際のところ、凝集体は、第一のファン・デル・ワールス-ハマカ(Van der Waals-Hamaker)力のような結合性吸引力の下で集合物に集合化される。明確化のために、上述したような界面表面Siは、凝集体の外側表面を意図するべきである。
【0010】
たとえファン・デル・ワールス-ハマカ力が、繊維や長繊維を用いるよりも粉末を用いる方が強いとしても、ファン・デル・ワールス-ハマカ力は、粉末ばかりでなく、繊維及び長繊維にも影響を及ぼす。さらに、ストランドの長繊維は、それらを分解することなくそれらを放出可能な上限臨界エネルギーが、かなり低いとき、分散させることがかなり困難である。繊維の長さ、結果として、複合材料の機械特性を害さないようにするために、長繊維を液体ポリマーマトリクス中へ分散させるとき、制御されていない方法で長繊維を破壊させないことは明白に重要である。
【0011】
要するに、「凝集体」の語の意味は、個々の粉末粒子、及び個々の繊維を包含し、「集合物」の語の意味は、個々の粉末粒子の集合、及び連続長繊維ストランド又は束を包含する。
【0012】
ポリマーマトリクスを規定するのに適した熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂は、10Pas〜20、000Pasまでの範囲の典型的な粘度値を有する液体ポリマーマトリクスへの塑性化又は溶融によって液化する一方、集合物は、液体ポリマーマトリクス中へ導入される。
【0013】
既知の方法は、ポリマーマトリクスの可塑化によって;集合物とポリマーマトリクスとを、後者が粘稠液体状態において見出される限り、組み合わせることによって;押出成型機の所定の部分において組成物を混合することによって、凝集体をポリマーマトリクス中へいかに分散させるかを教示する。既知の方法は、それらが、集合物中へ集合した凝集体へ過剰な圧力を放出するとき、凝集体をポリマーマトリクスへ最適に分散させるには不適当である。過剰の静水圧縮力が、集合物へ放出されるとき、それらの密度は増加し、集合物を通じて毛細管流動チャンネルを形成する内部凝集体自由空間が、より小さくなり、液体ポリマーマトリクスのチャンネルへの浸透を困難にするか時々不可能にする。さらに、集合物が長繊維ストランドであるとき、過剰な混合圧は長繊維の大きな制御不可能な破壊を生じさせる可能性がある。
【0014】
特に、Werner & Phleiderer に対する英国特許第1,151,964号は、連続長繊維ストランド(ロービング)を、ポリマーマトリクスが運搬されているスクリュー押出成型機の中へいかに導入するかを教示する。この押出成型機は、共回転、自己-拭取り式ツインスクリュー押出成型機である。上述した方法の主な欠点は、液体ポリマーマトリクスによって濡れる前に長繊維がスクリューによって圧力を加えられて、それゆえに制御不可能な破壊を経ることである。
【0015】
Werner & Phleiderer に対する米国特許第5,110,275号は、連続長繊維ストランドをスクリュ−押出成型機の中へ前浸透装置を通じて導入することを教示する。前浸透装置は、静流装置であり、たとえば、引っ張り力を調整する困難性などの引き抜き用の他の同様の装置から既知のすべての欠点を招く。さらに、ゆっくりとした引っ張り速度は、かなり多くの長繊維ストランド糸巻きを要求する。
【0016】
Woodshed Technologies社に対する米国特許第6,186,769号は、連続長繊維ストランドを、ロールによって挟まれ、繊維へと切断し、前記繊維を射出成型装置へ供給する切断位置へ如何に充填し供給するかを教示する。最も明白な欠点の一つは、ピンチングロールを通じての高繊維速度であり、それは、十分な浸透を許さず、ロールのかみ具合の頻繁な調整を要求する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】英国特許第1,151,964号
【特許文献2】米国特許第5,110,275号
【特許文献3】米国特許第6,186,769号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
発明の開示
本発明の目的は、従来技術の方法の欠点を克服する、ポリマーマトリクス中に組み込まれる固体粒子を有する複合材料からなる製品を製造するための方法を提供し、特に、ポリマーマトリクスの至る所への固体粒子の分散を改善する。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明に従って、ポリマーマトリクス中に組み込まれる固体粒子を有する複合材料からなる製品を製造するための方法が提供され、当該方法は、第一の経路に沿ってポリマーマトリクスを規定するのに適した粘稠液体を運搬する工程と、第二の経路に沿って、素固体粒子を規定する凝集体の集合物を運搬する工程と、前記集合物と前記粘稠液体とを混合する工程とからなり、前記方法は、さらに浸透装置において第三の経路に沿って前記凝集体中に前記粘稠液体を浸透させる工程と、前記浸透装置の下流に配置した分散装置において第三の経路に沿って前記凝集体を前記粘稠液体の中へ分散させる工程とからなることによって特徴付けられる。
【0020】
さらに、本発明は、ポリマーマトリクス中に組み込まれる素固体粒子を有する複合材料からなる製品を製造するのに適した装置に関する。
【0021】
本発明によれば、ポリマーマトリクスに組み込まれる固体粒子を有する複合材料からなる製品を製造するための装置であって、前記装置は、ポリマーをポリマーマトリクスを規定するのに適する粘稠液体中に溶解し、前記粘稠液体を第一の経路に沿って運搬するための可塑化装置と、素固体粒子又は凝集体の集合物を第二経路に沿って供給するための供給装置とからなり、前記装置は、前記粘稠液体を前記凝集体の間に第三の経路に沿って浸透させるための浸透装置、及び前記凝集体を前記粘稠液体中へ前記第三の経路に沿って分散させるために、前記第三の経路に沿って前記浸透装置の下流に配置した分散装置とからなることによって実現される。
【0022】
本発明は、固体粒子を粘稠液体へ分散させる方法に関する。
【0023】
本発明によれば、粘稠液体及び固体粒子が経路に沿って運搬されるとき、前記固体粒子を前記粘稠液体の中へ分散装置によって分散させる方法が提供され、前記方法は、前記粘稠液体及び前記固体粒子を所定の方向へ前記分散装置において運搬する工程からなり、前記方法は、前記運搬方向に対して横向きの鋭角末端部材を経由して貫通させることを特徴とする。
【0024】
本発明は、さらに固体粒子を粘稠液体の中へ分散させるための装置に関する。
【0025】
本発明によれば、固体粒子を粘稠液体の中へ分散させるための装置であって、軸の周りを回転可能なシャフトを有する押出成型機と、前記シャフトに固定され、かつ前記粘稠液体及び前記固体粒子を経路に沿って運搬方向において運搬するのに適した少なくとも1つのスクリューモジュールとからなり、前記分散装置は、前記押出成型機が、前記シャフトに固定され、かつ前記粘稠液体中において回転可能で前記シャフトの回転方向にともに配向した第一の鋭角末端部材を含む少なくとも1つの分散モジュールからなるという事実によって特徴付けられる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本発明の追加の原理及び利点は、以下の説明、非限定的な具体例を通じて、添付図の図面を参照して、さらに明確になるであろう。
【図1】図1は、いくつかの部分が透明性のために除かれていて、他の部分が断面化されている本発明による装置の透視図である。
【図2】図2は、いくつかの部分が透明性のために除かれていて、他の部分が断面化されている図1の装置の詳細を示す拡大スケール透視図である。
【図3】図3は、いくつかの部分が透明性のために除かれていて、他の部分が断面化されている、動作における図1の装置のさらなる詳細を示す拡大スケールの透視図である
【図4】図4は、いくつかの部分が透明性のために除かれていて、他の部分が断面化されている、本発明による分散装置の透視図である。
【図5】図5は、図4の分散装置の拡大した断面図である。
【図6】図6は、図4及び図5の分散装置の変形物の断面図である。
【図7】図7は、いくつかの部分が透明性のために除かれていて、部分が断面化されている、本発明の第二の実施態様によるポリマーマトリクス中に組み込まれた固体粒子を有する複合材料を生産する装置の透視図である。
【図8】図8は、いくつかの部分が透明性のために除かれていて、他の部分が断面化されている図7の装置の詳細を示す拡大スケールの透視図である。
【図9】図9は、いくつかの部分が透明性のために除かれていて、他の部分が断面化されている図7の装置のさらなる詳細を示す拡大スケールの透視図である。
【図10】図10は、図9の装置の詳細を示す拡大スケールの透視図である。
【図11】図11は、部分が断面の状態の、図10の詳細を示す透視図である。
【図12】図12は、図9の詳細の拡大スケールにおける透視図である。
【図13】図13は、いくつかの部分が断面化されていて、他の部分が透明性のために除かれている、本発明の第三の実施態様によるポリマーマトリクス中に組み込まれた固体粒子を有する複合材料を生産する装置の透視図である。
【図14】図14は、いくつかの部分が断面化されていて、他の部分が透明性のために除かれている、本発明の第四の実施態様によるポリマーマトリクス中に組み込まれた固体粒子を有する複合材料を生産する装置の透視図である。
【図15】図15は、図14の装置の詳細を示す拡大スケールの断面正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明を実施するための最良の形態
図1を参照しながら、参照番号1は、ポリマーマトリクス中に組み込まれる固体粒子を有する複合材料からなる製品を製造するための装置を示す。装置1は、可塑化装置2、浸透装置3;切断装置4;及び分散装置5を含む。
【0028】
可塑化装置2は、熱可塑性ポリマーを可塑化する機能を有し、ポリマーマトリクスが熱硬化性樹脂からなるとき、必ずしも必要ではなく、省略することができる。装置1は、連続長繊維ストランド7を浸透装置3へ運搬するための連続長繊維ストランド供給装置6と、粉末集合物9を浸透装置3へ運搬するための粉末集合物供給装置8とを含む。連続長繊維ストランド7は、本質的に細長い繊維又は凝集体などの素固体粒子の集合物である。同様に、粉末集合物9は、素固体粒子又は凝集体の結合した集団である。可塑化装置2は、ハウジング10と、ハウジング10内での回転用及び粘稠液体のポンプ用の可塑化スクリュー11と、ポリマー、例えば、顆粒G状のものを、ハウジング10及び可塑化スクリュー11、及び出口金型13へ供給するためのホッパー12と、を含む。顆粒Gは、ホッパー12へ供給されて、可塑化スクリュー11によって出口金型13へ経路P1に沿って運搬される。ハウジング10は、駆動モーターによって回転する可塑化スクリュー11と共同して、添付の図において図示しない既知の手段によって顆粒Gを融解するために加熱される一方、出口金型13は、粘稠液体状態のポリマー材料を浸透装置3へ供給する。簡潔さのために、粘稠液体状態における前記ポリマー材料は、以下において、「粘稠液体」と言及される。
【0029】
前記長繊維ストランド-供給装置6は、長繊維ストランド7の糸巻き用に巻き戻し位置14と、長繊維ストランド7を浸透装置3へ経路2に沿って案内するためのガイド部材16とを含む。
【0030】
粉末集合物-供給装置8は、粉末集合物9を浸透装置3へ経路P2’に沿って供給するために粉末スクリュー重力投入ユニット18へ接続された供給ホッパー17を含む。
【0031】
浸透装置3及び分散装置5は、共通経路P3を両者が粘稠液体及び集合物が運搬される共通の経路P3を規定する。
【0032】
浸透装置3は、粘稠液体を長繊維ストランド7の長繊維の間に浸透させる機能を有し、その結果、粘稠液体は、長繊維ストランド7の各長繊維を完全にか、又はほぼ完全に取り囲む。同様に、浸透装置3は、粘稠液体を粉末集合物の間に浸透させる機能を有し、その結果、粘稠液体は、粉末集合物9の各素固体粒子を完全にか、又はほぼ完全に取り囲む。さらに、長繊維ストランドの場合、浸透装置3は、長繊維ストランド7を長繊維ストランド-供給装置6から引っ張り、かつ解すための機能を有する。
【0033】
特に、浸透装置3は、ポンプハウジング20と、ポンプ20に対して軸A1の周りを回転し、変速モーターMによって駆動するローター21とからなる、粘稠液体引込用環状チャンネルポンプ19を含む。
【0034】
ポンプハウジング20は、粘稠液体をローター21へ供給するためのポート22と、2つの長繊維ストランド7をローター21へ供給するための2つのポート23と、粉末9をローター21へ供給するためのポート24とを有する。浸透装置3は、排出管25へ接続した排出ポートを含み、それを通じて長繊維ストランド7及び/又は粉末集合物9とともに混合した粘稠液体がポンプ19によって分散装置5へ押しやられる。
【0035】
図2を参照して、ローター21は、軸A1の周りを回転するシャフト26と、それぞれがスタータ20の円筒型面28によって規定されている3つの環状チャンネル27と、ローター21の円筒型面29と、ローター21に面する2つの環状面30とを有する。各環状チャンネル27は、幅Wと深さHとを有する。
【0036】
図3を参照して、ポンプ19は、3つの転換部材31を含む(図3に示されるものはそれらの1つだけである)。各転換部材は、基本的に角柱体によって規定されており、当該角柱体は、ポンプハウジング20の凹部に取り付けられ、環状チャンネル27において一部突き出しており、円筒型面29がこすれるような、かつ粘稠液体及び集合物が排出管25へ向って転換させるような方法で、ローター21へ円筒型面29に沿って接触している端32を提供する。転換部材31は、環状チャンネル27に沿って供給される粘稠液体においてプラスの圧力勾配を決定するのに寄与する。
【0037】
操作上の観点から、浸透装置3は、同時に、粘稠液体を可塑化装置2から、長繊維ストランド7を長繊維ストランド−供給装置6から受け取る。ポンプ19のローター21が回転し、同時に粘稠液体及び長繊維ストランドを受け取るとき、粘稠液体は、各長繊維ストランド7を図1の矢印によって指示される回転方向へ排出管25へ向って引き込み又は「引っ張る」。長繊維ストランド7が受ける「引っ張り」効果は、粘稠液体と長繊維ストランド7の間に生じる剪断応力のために、粘稠液体の引き込みとカスケード状で長繊維ストランド7の引き込みを促進するローター21の回転の組み合わされた作用を生じさせる。それゆえ、「引っ張り」力は、表面領域Aで濡れた外側長繊維ストランド7を有する粘稠剪断応力τの製品によって決定される(引っ張り力 @ τA)。図3を再度参照して、粘稠液体及び長繊維ストランド7が排出ポートに近づくとき、それらは、対応する転換部材31によって力を受け、環状チャンネル27から抜け出し、本質的に円周方向から、本質的に放射方向へ排出管25を通じてそらされる。
【0038】
環状チャンネルポンプ19内において、環状チャンネル27の第一の部分に沿って、長繊維ストランド7は、粘稠液体(引き込み流)によって実質上引き込まれる一方、環状チャンネルポンプ19の第二の部分において、排出管25の近接において、長繊維ストランド7は、粘稠液体(圧力流)によって実質上プレスされるか、又は押される。
【0039】
ポンプ19のプラスの圧力性能は、典型的に0バールを超えて100バールの間の範囲であり、好ましくは、5と50バールとの間であり、長繊維ストランド-粘稠液体組成物が、環状チャンネル27の下流を経由するという圧力落下に直面するために必要である。
【0040】
言い換えれば、ポンプ19は、プラスの圧力勾配+ΔP/dz(但し、z座標は、チャンネル円周上に置かれる。)を環状チャンネル29の最後の部分において、排出管25の注入口付近の最大圧力で展開する一方、ストランド-粘稠液体組成物は、排出管25注入口付近の最大値を有し、マイナスの圧力勾配−ΔP/dz(但し、z座標は、排出管25運搬方向上に置かれる。)を経る。
【0041】
一般に、粘稠液体のプラスの加圧を生じさせるための環状チャンネル27の機能は、粘稠液体で充填した環状チャンネル27の部分の役割である。粘稠液体で充填した環状チャンネル27の部分は、角度ユニット(ラジアン)で表現される。もし、例えば、環状チャンネル27の下流に沿った所定の圧力落下がπラジアンの充填長さを要求するなら、(環状チャンネル円周の半分)、それは、より低い圧力落下を持つものを意味し、πラジアンより短い充填長さを必要として、逆の場合もまた同様に、より高い圧力落下に対しては、πラジアンより長い充填長さを必要とする。充填したチャンネル部分が長ければ長いほど、浸透されるべき長繊維ストランド7の平均滞留時間も長くなる。
【0042】
排出管25の幾何学は、浸透装置3の浸透プロセスを最適化するために非常に重要な役割を演じる。排出管25は、流れ方向に対して横へ長繊維ストランド7の変形を可能とする、断面を有する。長繊維は、次から次へと変形し、さらなる長繊維間の浸透を促進して折り畳まれる(図3)。長繊維ストランド7の長繊維は、環状チャンネル27から排出管25へ向って通過するとき、排出管25の断面の増加の結果として、液体の運搬速度が減少するために、横方向に沿って変形する。したがって、排出管25の断面を増加又は減少させることは、環状チャンネル内で生じる浸透に加えて、長繊維ストランドの長繊維の間隔を開けたり、緻密にしたり、ひいては、非常に効率的な浸透を促進するための方法である。
【0043】
排出管25によって提供される圧力落下が、環状チャンネル27内での長繊維ストランド-粘稠液体組成物の所望の滞留時間を保障する限り、環状チャンネル27の充填部分を決定するのに十分ではないことが生じるかもしれない。もし長繊維ストランド7が、環状チャンネル27内で十分な時間滞在しないなら、浸透工程は完全ではないであろう。環状チャンネル27における圧力落下を調整する方法は、流量調節装置34を排出管25に沿って配置することからなる(図1)。流量調節装置34は、粘稠液体の流路を調整するための様々な入手可能な従来装置、例えば、1又はそれ以上の流路を有するスライド性ピストンなどの中から選択することができる。
【0044】
図1に示すように、2つの長繊維ストランド7は2つの供給ポート23へ供給され、粉末9は1つの供給ポート24へ供給される。粉末9は、粘稠液体とともに環状チャンネル27内で混合し、排出管25を通じて圧力で押される転換部材31まで運搬される。
【0045】
切断装置4は、長繊維を所望の長さの繊維へ切断する機能を達成し、排出管25に沿って、分散装置5の入口ポートの上流に配置されている。切断装置4は、粘稠液体中に組み込まれた長繊維を切断するのに適する従来の切断装置、例えば、ブレードカッター、スクリューカッター、ピストンカッターなどの中から選択することができる。
【0046】
図1を参照して、分散装置5は、2つの伝達、並行、及び調整円筒型チャンバー53を備えるハウジング52を有する自己拭取り型共回転ツインスクリュー押出成型機51と、一部交わる各軸A3及びA4の周りを前記チャンバー53内に回転するための2つのローター54とを含む。
【0047】
各ローター54は、添付の図面には図示しないモーターによって駆動し、モジュラースクリュー部材56及び分散部材57とを搭載するスプライン軸55を含む。モジュラースクリュー部材56は、粘稠液体を経路P3に沿って運搬し汲み上げる機能を達成する一方、モジュラー部材57は、粉末凝集体9又は繊維のいずれかの集合物を粘稠液体の中へ分散させる機能を有する。
【0048】
一般に、各ローター54は、粘稠液体-固体粒子組成物を運搬するのに適するセクション58と、凝集体を粘稠液体の中へ分散させるのに適するセクション59とを含む。各ローター54は、一連の鋭角末端部材60を含み、それぞれは、図1にしたがって、個別のローター54の軸A3又はA4に相対的に接続方向に配向しそれ自身の軸を有する円錐によって規定されている。より詳細には、各分散モジュラー部材57は、2つの対称性突起物を有するリング61と、1つの突起物近傍のリング61に固定された鋭角末端部材60とを含む。
【0049】
分散装置5は、圧力を粘稠液体へ典型的に5〜1000バールの間、好ましくは、5〜500バールの間の範囲で発生させる。
【0050】
添付の図において示されない別の実施態様によれば、鋭角末端部材60は、円錐又は角錐が上に置かれた円筒又は角柱である。鋭角末端部材は、軸55に対して接続方向へ配向した先端を有し、その結果、鋭角末端部材60は粘稠液体の中へ「貫通」し、凝集体、すなわち繊維を分散させるために、せん断力をそれの中へ移す。さらに、鋭角末端部材60は、繊維をスクリュー軸に相対的に前後方向において必然的に配向させる。この配向は、それが、製品において繊維が完全に軸の方向へ配向することを妨げるとき、特に有益であり、それゆえ、補強特性におけるより高い等方性度を促進させる。
【0051】
図4,5及び6の別の実施態様を参照して、参照番号62は、順に、ハウジング64と、図示しないモーターによって軸A5の周りの回転するためにハウジング64に格納されたローター65とを含むスクリュー押出成型機63を含む分散装置を表す。
【0052】
ローター65は、スプライン軸66と、スクリューモジュール67と、スプライン軸66上に両方とも搭載されている分散モジュール68とを含む。ローター65は、凝集体-粘稠液体組成物を運搬するのに適するスクリューモジュール67によって規定されている第一のセクション69と、凝集体を粘稠液体の至る所へ分散させるのに適する分散モジュールによって規定されている第二のセクション70とを含む。
【0053】
各分散モジュール68は、リング71と、本質的に放射状に突き出ており、軸A5の周りに均等に分配されている4つのアーム72と、各々がそれぞれのアーム72から接線方向において突き出る4つの鋭角末端部材73と、リング71を近接したリング71から間隔をあけるための間隔保持部材74(図7)とを含む。
【0054】
スクリュー押出成型機63は、ハウジング64上に別の軸配列において可動分散モジュール68のリング71で固定されている固定分散モジュール75(図5)を含む。図5においてよりよく示されるように、各固定分散モジュール75は、間隔保持部材74へ向って伸びており、ハウジング64から軸A5に向かって突き出る4つの放射状のアーム76と、軸A6に対して相対的に同じ配向を有する4つの鋭角末端部材77とを含む。各鋭角末端部材77は、軸A5に相対的に接線方向においてローター65の方向と反対に伸びる端部で固定されている。
【0055】
図6の変形物について、参照番号78は、順に、ハウジング80と、図示しないモーターによって駆動し、ハウジング80内で軸A6の周りを回転するローター81とからなるスクリュー押出成型機79を含む分散装置を表す。ローター81は、分散モジュール83と図6に図示しないスクリューモジュールとが搭載されているスプライン軸82を含む。各分散モジュール83は、リング84と、リング84から突き出ており、接線方向において配向した鋭角末端部材86を支持する放射状のアーム85と、リング84から突き出ており、リング84に向かって配向した鋭角末端部材88を支持する放射状のアーム87と、リング84から突き出ており、ハウジング80に向かって放射状に配向した鋭角末端部材を支持する放射状のアーム89とを含む。ハウジング80から3つのアーム91、92、及び93は、ローター81に向かって放射状に突き出ており、別の一組で軸A6にそってアーム85、87、及び89とともに組み立てられており、各鋭角末端部材94、95、及び96を支持する。鋭角末端部材94は、ローター81の回転方向と反対の接線方向に配向しており、鋭角末端部材95は、ローター81回転方向と及びハウジング80に向かって反対方向に配向しており、鋭角末端部材96は、ローター81に向かって放射方向へ配向している。
【0056】
図7に関して、参照番号101は、ポリマーマトリクスに組み込まれた固体粒子を有する複合材料からなる製品を製造するための装置を表す。装置101は、可塑化装置102と、浸透装置113と、粉末集合物9用の粉末集合物供給装置104と、分散装置105を含む。可塑化装置102は、ハウジング106と、ハウジング106内の回転用可塑化スクリュー107と、ポリマー、例えば、顆粒Gを、ハウジング106、及び粘稠液体を汲み上げる機能も達成する可塑化スクリュー107へ供給するためのホッパー108と、出口ポート109とを含む。顆粒Gは、ホッパー108へ供給され、可塑化スクリュー107によって出口ポートへ下方へ経路P1に沿って運搬される。ハウジング106は、添付の図に示さない既知の手段によって加熱され、その結果、顆粒Gは、徐々に融解されて、出口ポート109は、粘稠液体状態のポリマーを浸透装置103へ案内する。
【0057】
粉末集合物供給装置104は、粉末集合物9を供給するためのホッパー110と、定率で粉末集合物9を浸透装置103へ経路P2’に沿って供給するためのLoss-In-Weight型ツインスクリュー重力投入ユニットとを含む。
【0058】
浸透装置103は、粘稠液体を、粉末集合物9を形成している凝集体の間に浸透させる機能を有し、その結果、各間隔が開いた凝集体の完全な又はほぼ完全な表面を粘稠液体によって濡らす。特に、浸透装置103は、ポンプハウジング113と、及び軸A7の周りにポンプハウジング113に関して変速モーターMによって回転するのに適するローター114とを含む環状チャンネルポンプ112を含む。図9によれば、ポンプハウジング113は、粉末集合物供給ポート115と、粘稠液体供給ポート116と、塗布ポート117と、脱気ポート118と、排出管119とを含む。
【0059】
図8を参照して、ローター114は、軸A7の周りを回転可能なシャフト120と、各々がローター114の環状凹部及びポンプハウジング113の円筒型面122によって規定される2つの環状チャンネル121と、ローター114の円筒型面123と、互いに向かい合う2つの環状面124とを含む。
【0060】
図9を参照して、ポート116、115、117、118及び119は、環状チャンネル121近傍に、順に、ローター114の回転方向に関連して位置する。環状チャンネルポンプ113は、ポート116内に搭載され、ローター114の軸A7に向かって環状チャンネル121の内側へ突き出る塗布部材125と、ポート117内に搭載され、軸A7に向かって環状チャンネル121の内側へ突き出る別の塗布部材126と、一部がポート119を占め、環状チャンネル121の中へ突き出る転換部材127とを含む。ポート118は、粘稠液体及び粉末集合物9の組成物を脱気するために、添付の図に示さない真空ポンプへ固定されている管128(図7)に連結されている。
【0061】
図10及び11を参照して、塗布部材125は、ポート116へ搭載するのに適する角柱体129と、塗布金型130と環状チャンネル121の環状面124及び円筒型面123との間の小さい間隙160を除き、環状チャンネル121の断面と正確に合致するのに適する塗布金型130と、金型ヘッド130をポンプハウジング113へ外側から固定するフランジとを含む。金型130は、2つの鏡面対称からなり、角錐台132が向き合っている。各角錐台132は、角柱体129を有し不可欠であり、本質的に放射状で並行して反対側の角錐台132に向き合っている主要面133と、主要面133に対して垂直で隣接しており、操作中に環状チャンネル121の側面124に平行な2つの側面134と、主要面133に対して隣接し垂直であり、操作中に環状チャンネル121の円筒型面123と向かい合う前面135と、各々が側面134と他の傾斜面136とに隣接する2つの傾斜面136と、傾斜面136と前面135とに隣接する傾斜面137とを含む。
【0062】
主要面133間において、2つの角錐台132を接合し、ギャップを通じて流れる粘稠液体の圧力下、同様の曲げ又は変形を避けるための接合部材139によって一部占有されるギャップ128が提供される。
【0063】
図11を参照して、塗布部材125は、フランジ131及び角柱体129を通じて伸びて、粘稠液体を環状チャンネル121へ供給するために、可塑化装置102の出口ポート109(図7)をギャップ138へ連通する管140が提供される。粘稠液体は、圧力下、ギャップ138を通じて側面134及び前面135へ流れ、環状チャンネル121の環状面124及び円筒型面123に渡って塗布される。
【0064】
塗布部材125の機能は、粘稠液体と粉末凝集体との間の最大の接触面を混合前に進展させることである。
【0065】
図9を参照して、塗布部材125の下流で、環状チャンネル121が、操作上、環状面124及び円筒型面123へ付着した薄い粘稠液体膜によって覆われる。供給ポート115は、角錐台132に相対的に垂直に位置し、供給ポート115を通じて供給された粉末集合物は、落下する粉末集合物を傾斜面136から環状面124へ向って、及び傾斜面137から円筒型面123へ向って方向転換させる角錐台132へ落ちる。そのような方法で、塗布部材125は、かなり大きい粘稠液体-粉末修吾物接触面を実現することも可能である。
【0066】
図12に関して、塗布部材126は、ポート117にフランジ(つば)をつけるのに適する角柱体141と、塗布金型142と環状チャンネル121の環状面124及び円筒型面123との間の小さい間隙260を除き、環状チャンネル121の断面と正確に合致するのに適する塗布金型142と、ポンプハウジング113に固定されたフランジ143とを含む。塗布金型142は、角柱体141を有し不可欠であり、操作中に環状チャンネル121の側面124に平行な2つの側面144と、操作中に環状チャンネル121の円筒型面123と向かい合う前面145と、各々が側面144に隣接する2つの傾斜面146と、傾斜面146と前面145とに隣接する傾斜面147とを含む。塗布部材126の機能は、環状チャンネル121の環状面124と円筒型面123とへ付着している薄い液体膜を作ること、ポート117と排出管119との間のチャンネル部分における液対-固体組成物の脱気を最適化することである。
【0067】
脱気ポート118を通じて、ガスは、脱気目的のためにチャンネル121から吸引される。塗布部材126は、脱気を別の方法、例えば、分散装置105において実現できるので、決定的なものではない。
【0068】
塗布部材126及び排出ポート118は、機能的に相互接続されており、図示しない変形型が省略されている。
【0069】
方向転換部材127は、環状面124及び円筒型面123を解体するのに適する端149を有するくさび型のものを含む。方向転換部材127は、排出管148において配置されている。
【0070】
端149は、所定の距離で円筒型面123から位置させることができ、それによって、粘稠液体の一部が環状チャンネル121に対して薄い融解膜の形状で再循環されることを可能にする。端149の円筒型面123からの有益な間隔距離は、典型的に約0.01mmから約2mmである。
【0071】
浸透した固体粒子と混合した粘稠液体は、省略されている鋭角末端部材60を除き、分散装置5と同様の機能を有する分散装置105へ集合物-粘稠液体組成物を供給するのに適する連絡管150を通じて方向転換され、案内される。連結管150は、図9において示さない排出管119及び分散装置105へ連結していて、浸透装置103の一部である。
【0072】
環状チャンネルポンプ112は、環状チャンネルポンプ19の反対の方向において回転し、粉末集合物9は、環状チャンネル121の方向に関して反対の方向に供給される。
【0073】
いくつかの場合において、浸透及び分散工程は、集合物-粘稠液体組成物を第三の経路P3に沿って、すなわち、浸透装置103と分散装置105を通じて供給されるとき、集合物の展開を促進するために、集合物を吹付け剤とともに予め混合することによって改善することができる。集合物と吹付け剤との前混合工程は、いずれかの乾燥混合装置、例えば、Plasmec SrI社製(イタリア)により供給されるものの中で、従来技術のターボミキサーのタイプなどによって、集合物を浸透装置103の中へ導入する前に行われる。特に興味深いケースは、1ナノメーター(nm)又はそれ未満のオーダーの少なくとも1つの寸法をもつ凝集体からなるそれらの粉末集合物としてここで規定されるナノ粉末集合物に関する。典型的に非限定的なこのタイプのナノ粉末集合物の例は、約1ミクロン幅、1ミクロン長さ及び1ナノメートル厚さの寸法を有し、1〜3nmの範囲の小板間に自由空間を有する小さい小板の積層によって特徴づけられるモンモリロナイトナノ-クレイである。長年の間、研究者らがナノ粉末集合物のポリマーマトリクス中への剥離を達成しようと試みている。ここで剥離とは、総ての単一小板が粘稠液体によってとり囲まれて、それらを粘稠液体を通じて無秩序状態で分配する効果をいう。例えば、スクリュー処理装置において混合することによって達成されるとき、このような剥離は、理論モデルによれば、凝集体と粘稠液体との間の大きな界面領域と、ナノ粒子の高いアスペクト比(>1000)の結果として、顕著な特性を示す新たな複合材料をもたらす。それでもなお、課題はかなり難しい。なぜなら、内部粒子距離は、典型的に数nm(例えば、3nm又はそれ未満)のオーダーであり、ポリマー分子鎖サイズ、特に、長距離ランダムコイルアモルファス鎖と競合するからである。このような分子サイズ問題のために、長距離ランダムコイルアモルファス鎖は、しばしば、小板の間に入ること(挿入)に成功するが、レピュテーション分子流モデル(the reputation molecular flow model)に従って卑劣な方法で動くので、非常に低い確率である(Plsについては、雑誌「de Gennes, P.G., Scaling
Concepts in Polymer Physics; Cornell University Press; Ithaca, NY, 1979」を参照。)。したがって、このような内部粒子通過を、ポリマー液体が容易に浸透する機会を有する程度まで増加させることが望ましい。このような内部粒子空間において、極性液体溶液の形態で、このような粉末集合物を浸透装置の中へ導入する前に、適切な吹付け剤を挿入することは、しばしば当該粉末は極性、かつ親水性の物質であり、容易に当該極性溶液を吸収するので、マイクロメ―ターであろうとナノメーターであろうと多くの粉末をポリマー液体の中へ浸透させ、かつ分散させる有益な方法を提供することを見出した。溶液の形態におけるこのような吹付け剤の挿入は、重要な条件である。なぜなら、溶液は、総ての寸法において、粒子が総て1nm未満の原子、小さい分子又は小さいイオンのサイズを有することによって特徴づけられ、それゆえに、集合体の凝集体間の極めて小さい自由空間の中へでさえも容易に侵入する機会を有することが周知だからである。したがって、ここで、多元接続性、カスケード機構が開示され、それは、第一の小さい吹付け剤粒子が、前記ナノ又はマイクロ粒子集合物の小さい内部凝集体ギャラリー(狭い空間)(galleries)の中へ前混合によって浸透前に挿入され、その後、このように挿入された吹付け剤粒子は、適切な温度及び圧力を浸透装置内で受けたとき、近接する凝集体を飛ばし、間隔をあけ、その結果、前記ナノ又はマイクロ粒子集合物のギャラリー寸法が拡大する一方、並行して、液体ポリマー分子は、それらが拡大されたガス圧の下、常法の流体力学的な流れ、例えば、圧力勾配又は毛細管流動などによって十分に空間が空いた状態のままである限り、このようなギャラリーの中へ入る機会を持つ。好ましくは、吹付けは、吹付けを生じさせるために適切なスクリュー自由容積を整えておくべき分散装置の最初のセクションにおいて、液体-粒子組成物が、浸透装置を離れた後に生じる。
【0074】
マイクロメーター又はナノメーターの粉末を前混合するのに使用されるために適当な吹付け剤の溶液を調整するのに、いずれの多様な極性溶媒系、たとえば、水、アルコール、プロピレングリコール、1,3ブチレングリコール、及びそれらの混合物、及び多くの他のものを、使用することができ、明白な経済的及び環境的理由から好ましい溶媒は、水である。
【0075】
極性溶媒の中に可溶な多くの吹付け剤は、好ましくは、マイクロメーター又はナノメーター粉末集合物の凝集体の間に浸透させるべきポリマーの処理温度周辺、例えば、50℃と300℃との間の範囲にある温度で分解する物質の中で、目的に応じて役立つように選択されることができる。極性溶媒に可溶な吹付け剤は、例えば、クエン酸、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、などであり、各々は、水溶性であり、それぞれ、20℃で約133g/100ml、30g/100ml、及び17g/100mlの水中での溶解度と、約175℃、100−200℃、及び100℃の分解温度を示す。一般に、前記極性溶媒中に溶解するこのような吹付け剤の有益な濃度は、溶液の全重量に基づいて約0%を超えて約50重量%、好ましくは、溶液の全重量に基づいて約0%を超えて10重量%の範囲である。
【0076】
親水性ナノメーター粉末の例は、例えば、Southern Clay Inc. US社のクロイサイトNa+(CloisiteNa+)という名の下で市場で入手可能な、モンモリロナイトナトリウムNa+である。
【0077】
クエン酸の水溶液は、約1%から約50%の範囲の濃度で、クロイサイトNa+小板のギャラリーの中へ首尾よく浸透し、本発明によって開示されるような同様の装置の中へ処理されて時に、加熱ポリマー溶液中へ導入するのに適している。
【0078】
図13を参照して、参照番号151は、ポリマーマトリクスの中へ組み込まれる固体粒子を有する複合材料の製品を製造する装置を示す。装置151は、可塑化装置152、浸透装置153、供給装置154、及び分散装置155とを含む。
【0079】
装置151の特性は、可塑化装置152及び分散装置155は、図において、複合材料からなる製品を製造するために、ハウジング157と、各々がハウジング157を2つの部分に分離する2つの封止ブロック159を有するローター158と、ポリマーを可塑化しそれを液体状態において浸透装置153の中へ汲み上げる第一のセクションと、凝集体を粘稠液体の中へ分散させて、前記凝集体及び粘稠液体の組成物を図示しない金型を通じて汲み上げる第二のセクションとを含む自己拭取り共回転ツインスクリュー押出成型機である同様の押出成型機156である2つのセクションを表すことである。図1を参照して述べた排出管25と同様の、封止ブロック159の上流の供給管160aによって、及び封止ブロック159の下流の供給管160aによって、浸透装置153はハウジング157へ連結されている。
【0080】
図13を参照して述べた例において、参照が繊維を粘稠液体の中へ分散させるための装置151へなされ、同様の原理が粉末凝集体の浸透及び分散にも適用されると理解される。スクリュー押出成型機156の代用として単一回転スクリュー押出成型機を使用することができる。図示しない多様な図13の装置にしたがって、1以上の浸透装置を、直列に又は並列に同様のスクリュー押出成型機に沿って有益に搭載し、粉末集合物9及び長繊維集合物9、すなわち、長繊維ストランドを浸透させる機能を選択的に、かつ独立して達成することができる。
【0081】
図14に関して、参照番号161は、ポリマーマトリクス中に組み込まれた固体粒子を有する製品を製造するための装置を表す。装置161は、可塑化及びポンプ装置162と、浸透装置163と、長繊維ストランド7用の供給装置164と、分散装置165とを含む。装置は、示さないが、可塑化装置162と、浸透装置163と、及び分散装置165を回転させるための、複数の駆動装置も含む。可塑化装置162及び浸透装置163は、好ましくは分散装置165の後方先端部に位置する。
【0082】
分散装置165は、順にハウジング168と、粘稠液体-固体組成物を金型171の中へ注入するために注入ノズル170が固定されているハウジング168の末端ゲートを通じて粘稠液体を注入するのに適する、軸A8の周りを回転し、同じ軸A8に沿って往復運動するためのローター169とを含むスクリュー押出成型機167を含む。ローター169は、液体-繊維組成物を運搬し、汲み上げるための第一のセクション、及び繊維を分散させるためのセクションであり、シャフト172とともに軸A8に沿って、同時にシャフト169とともに連帯して稼働するように設計された軸受筒175と、注入金型を往復運動させるのに使用される既知のタイプの1つの逆止め弁と一体となった極端な自由端173と、を有するシャフト172を含む第二のセクションの、2つのセクションに分割されている。シャフト172は、水圧、電気的又は別のもののいずれかの適当な往復運動系の結果として軸の方向に動くように配置されている。繊維分散用の第二のセクションにおいて、ローター169は、分散モジュール68(図7及び8を参照して詳細を述べた)、及び図15の説明図によれば、分散モジュール68の鋭角末端部材73に相対的に反対の方向へ配向して軸受筒175に固定されている鋭角末端部材176を有する軸受筒175(図15)とを含む。
【0083】
ここで述べたような装置によって製造される製品は、ポリマーマトリクスに組み込まれた繊維及び/又は粉末凝集体を有する複合材料からなる連続押出又は断続的成形製品のいずれかとすることができる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマーマトリクス中に含まれる固体粒子を有する複合材料からなる製品を製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、固体粒子を含有するポリマーマトリクスを有する複合材料からなる製品は、ますます多くの用途、とりわけ、構造強化部品、充填フィルム、ナノ複合材料などにみられる。このような複合材料からなる製品の増大する普及は、それらの高性能、汎用性及び相対的な低製造コストに依存する。複合材料は、いくつかの異なる特性を満足することが可能で、固体粒子の形状、量、及び構成材料に依存する機械的及び物理的特性を提供することができる。
【0003】
ポリマーマトリクスは、一般に、熱可塑性ポリマー、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリスチレン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン、ポリスルホン、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレートなどからなるが、ポリマーマトリクスは、熱硬化性樹脂からなることができる。熱硬化性樹脂の例は、硫化ゴム、フェノール-ホルムアルデヒド(ベークライト)、尿素-ホルムアルデヒド、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂などである。
【0004】
ポリマーマトリクス中に含まれる固体粒子は、通常、粉末か繊維である。粉末と繊維の両方は、液体ポリマーマトリクス中で液体-固体混合工程によってポリマーマトリクスの凝固前に混合される。
【0005】
粉末は、ポリマーマトリクスとともに混合するのに適した球状又は角柱形を有する充填剤又は添加剤であり、例えば、大部分が1nmから10,000.00nm(nm=ナノメーター)の範囲の寸法を有する、無機粉末、木粉、粉末有機物質、固体又は中空ガラス球である。
【0006】
ポリマーマトリクスに組み込まれる繊維は、典型的に細長い形状を有し、アスペクト比又は、長さの厚みに対する割合によって特徴付けられる。ポリマーマトリクス中に組み込まれるのに適する繊維は、ガラス繊維などの無機繊維、カーボン又はアラミドなどの合成繊維、又はポリエステル繊維、又はジュート、綿、麻、亜麻、ケナフ麻、サイザル麻、ココヤシ、羊毛などの天然繊維である。繊維は、ガラスロービングなどの複数の連続長繊維のストランドから切断され、しばしば、単位長さ当たりの極低重量(TEX=キロメータ当たりのグラム重量)によって規定される。例えば、Cetrotex-Europe社によってロービングRO99P319として販売されている連続長繊維は、17ミクロン直径のEガラス長繊維からなり、各ストランドは1200のTEX値を有し、約2000長繊維からなる。
【0007】
一般に、固体粒子は、粉末であろうと繊維であろうと、仮に、それらが液体ポリマーマトリクスの至るところに、前記ポリマーマトリクスが最終的に凝固する前に完全に分散されるなら、最終複合材料にプラスの機械的貢献を与える。
【0008】
完全な分散とは、各素固体粒子が液体-固体混合工程中に液体ポリマーマトリクスによって完全に囲まれるか、又は、言い換えれば、液体-固体界面領域が総ての素固体粒子の総ての外側の表面領域の合計と等しいことを意味する。もし、例えば、Nが球形状の総ての素固体粒子の数であり、Rが素固体粒子の平均統計半径であると仮定すると、完全な分散は、液体-固体界面表面Siは、N4πR2と等しいとき生じる。他方、もし、大部分の長繊維の例のように素粒子が円筒型形状を有するなら、完全な分散は、液体-固体界面Siが、NL2Rπ(ここで、Lは、円筒型形状粒子の長さであり、Rは平均統計断面の半径である。)に等しいとき生じる。
【0009】
粘稠液体ポリマーマトリクスの完全な粉末分散の意味をよりよく理解するために、凝集体と集合物の概念を想い起こす価値がある。凝集体は、例えば、粉砕工程によって得られ、しばしば平均統計寸法について規定されるような素固体粉末粒子である。例えば、粉末が2μの統計平均寸法を有することとして参照されるとき、それは、当該粉末を規定する凝集体の平均統計寸法が2μであることを意味する。実際のところ、凝集体は、第一のファン・デル・ワールス-ハマカ(Van der Waals-Hamaker)力のような結合性吸引力の下で集合物に集合化される。明確化のために、上述したような界面表面Siは、凝集体の外側表面を意図するべきである。
【0010】
たとえファン・デル・ワールス-ハマカ力が、繊維や長繊維を用いるよりも粉末を用いる方が強いとしても、ファン・デル・ワールス-ハマカ力は、粉末ばかりでなく、繊維及び長繊維にも影響を及ぼす。さらに、ストランドの長繊維は、それらを分解することなくそれらを放出可能な上限臨界エネルギーが、かなり低いとき、分散させることがかなり困難である。繊維の長さ、結果として、複合材料の機械特性を害さないようにするために、長繊維を液体ポリマーマトリクス中へ分散させるとき、制御されていない方法で長繊維を破壊させないことは明白に重要である。
【0011】
要するに、「凝集体」の語の意味は、個々の粉末粒子、及び個々の繊維を包含し、「集合物」の語の意味は、個々の粉末粒子の集合、及び連続長繊維ストランド又は束を包含する。
【0012】
ポリマーマトリクスを規定するのに適した熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂は、10Pas〜20、000Pasまでの範囲の典型的な粘度値を有する液体ポリマーマトリクスへの塑性化又は溶融によって液化する一方、集合物は、液体ポリマーマトリクス中へ導入される。
【0013】
既知の方法は、ポリマーマトリクスの可塑化によって;集合物とポリマーマトリクスとを、後者が粘稠液体状態において見出される限り、組み合わせることによって;押出成型機の所定の部分において組成物を混合することによって、凝集体をポリマーマトリクス中へいかに分散させるかを教示する。既知の方法は、それらが、集合物中へ集合した凝集体へ過剰な圧力を放出するとき、凝集体をポリマーマトリクスへ最適に分散させるには不適当である。過剰の静水圧縮力が、集合物へ放出されるとき、それらの密度は増加し、集合物を通じて毛細管流動チャンネルを形成する内部凝集体自由空間が、より小さくなり、液体ポリマーマトリクスのチャンネルへの浸透を困難にするか時々不可能にする。さらに、集合物が長繊維ストランドであるとき、過剰な混合圧は長繊維の大きな制御不可能な破壊を生じさせる可能性がある。
【0014】
特に、Werner & Phleiderer に対する英国特許第1,151,964号は、連続長繊維ストランド(ロービング)を、ポリマーマトリクスが運搬されているスクリュー押出成型機の中へいかに導入するかを教示する。この押出成型機は、共回転、自己-拭取り式ツインスクリュー押出成型機である。上述した方法の主な欠点は、液体ポリマーマトリクスによって濡れる前に長繊維がスクリューによって圧力を加えられて、それゆえに制御不可能な破壊を経ることである。
【0015】
Werner & Phleiderer に対する米国特許第5,110,275号は、連続長繊維ストランドをスクリュ−押出成型機の中へ前浸透装置を通じて導入することを教示する。前浸透装置は、静流装置であり、たとえば、引っ張り力を調整する困難性などの引き抜き用の他の同様の装置から既知のすべての欠点を招く。さらに、ゆっくりとした引っ張り速度は、かなり多くの長繊維ストランド糸巻きを要求する。
【0016】
Woodshed Technologies社に対する米国特許第6,186,769号は、連続長繊維ストランドを、ロールによって挟まれ、繊維へと切断し、前記繊維を射出成型装置へ供給する切断位置へ如何に充填し供給するかを教示する。最も明白な欠点の一つは、ピンチングロールを通じての高繊維速度であり、それは、十分な浸透を許さず、ロールのかみ具合の頻繁な調整を要求する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】英国特許第1,151,964号
【特許文献2】米国特許第5,110,275号
【特許文献3】米国特許第6,186,769号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
発明の開示
本発明の目的は、従来技術の方法の欠点を克服する、ポリマーマトリクス中に組み込まれる固体粒子を有する複合材料からなる製品を製造するための方法を提供し、特に、ポリマーマトリクスの至る所への固体粒子の分散を改善する。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明に従って、ポリマーマトリクス中に組み込まれる固体粒子を有する複合材料からなる製品を製造するための方法が提供され、当該方法は、第一の経路に沿ってポリマーマトリクスを規定するのに適した粘稠液体を運搬する工程と、第二の経路に沿って、素固体粒子を規定する凝集体の集合物を運搬する工程と、前記集合物と前記粘稠液体とを混合する工程とからなり、前記方法は、さらに浸透装置において第三の経路に沿って前記凝集体中に前記粘稠液体を浸透させる工程と、前記浸透装置の下流に配置した分散装置において第三の経路に沿って前記凝集体を前記粘稠液体の中へ分散させる工程とからなることによって特徴付けられる。
【0020】
さらに、本発明は、ポリマーマトリクス中に組み込まれる素固体粒子を有する複合材料からなる製品を製造するのに適した装置に関する。
【0021】
本発明によれば、ポリマーマトリクスに組み込まれる固体粒子を有する複合材料からなる製品を製造するための装置であって、前記装置は、ポリマーをポリマーマトリクスを規定するのに適する粘稠液体中に溶解し、前記粘稠液体を第一の経路に沿って運搬するための可塑化装置と、素固体粒子又は凝集体の集合物を第二経路に沿って供給するための供給装置とからなり、前記装置は、前記粘稠液体を前記凝集体の間に第三の経路に沿って浸透させるための浸透装置、及び前記凝集体を前記粘稠液体中へ前記第三の経路に沿って分散させるために、前記第三の経路に沿って前記浸透装置の下流に配置した分散装置とからなることによって実現される。
【0022】
本発明は、固体粒子を粘稠液体へ分散させる方法に関する。
【0023】
本発明によれば、粘稠液体及び固体粒子が経路に沿って運搬されるとき、前記固体粒子を前記粘稠液体の中へ分散装置によって分散させる方法が提供され、前記方法は、前記粘稠液体及び前記固体粒子を所定の方向へ前記分散装置において運搬する工程からなり、前記方法は、前記運搬方向に対して横向きの鋭角末端部材を経由して貫通させることを特徴とする。
【0024】
本発明は、さらに固体粒子を粘稠液体の中へ分散させるための装置に関する。
【0025】
本発明によれば、固体粒子を粘稠液体の中へ分散させるための装置であって、軸の周りを回転可能なシャフトを有する押出成型機と、前記シャフトに固定され、かつ前記粘稠液体及び前記固体粒子を経路に沿って運搬方向において運搬するのに適した少なくとも1つのスクリューモジュールとからなり、前記分散装置は、前記押出成型機が、前記シャフトに固定され、かつ前記粘稠液体中において回転可能で前記シャフトの回転方向にともに配向した第一の鋭角末端部材を含む少なくとも1つの分散モジュールからなるという事実によって特徴付けられる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本発明の追加の原理及び利点は、以下の説明、非限定的な具体例を通じて、添付図の図面を参照して、さらに明確になるであろう。
【図1】図1は、いくつかの部分が透明性のために除かれていて、他の部分が断面化されている本発明による装置の透視図である。
【図2】図2は、いくつかの部分が透明性のために除かれていて、他の部分が断面化されている図1の装置の詳細を示す拡大スケール透視図である。
【図3】図3は、いくつかの部分が透明性のために除かれていて、他の部分が断面化されている、動作における図1の装置のさらなる詳細を示す拡大スケールの透視図である
【図4】図4は、いくつかの部分が透明性のために除かれていて、他の部分が断面化されている、本発明による分散装置の透視図である。
【図5】図5は、図4の分散装置の拡大した断面図である。
【図6】図6は、図4及び図5の分散装置の変形物の断面図である。
【図7】図7は、いくつかの部分が透明性のために除かれていて、部分が断面化されている、本発明の第二の実施態様によるポリマーマトリクス中に組み込まれた固体粒子を有する複合材料を生産する装置の透視図である。
【図8】図8は、いくつかの部分が透明性のために除かれていて、他の部分が断面化されている図7の装置の詳細を示す拡大スケールの透視図である。
【図9】図9は、いくつかの部分が透明性のために除かれていて、他の部分が断面化されている図7の装置のさらなる詳細を示す拡大スケールの透視図である。
【図10】図10は、図9の装置の詳細を示す拡大スケールの透視図である。
【図11】図11は、部分が断面の状態の、図10の詳細を示す透視図である。
【図12】図12は、図9の詳細の拡大スケールにおける透視図である。
【図13】図13は、いくつかの部分が断面化されていて、他の部分が透明性のために除かれている、本発明の第三の実施態様によるポリマーマトリクス中に組み込まれた固体粒子を有する複合材料を生産する装置の透視図である。
【図14】図14は、いくつかの部分が断面化されていて、他の部分が透明性のために除かれている、本発明の第四の実施態様によるポリマーマトリクス中に組み込まれた固体粒子を有する複合材料を生産する装置の透視図である。
【図15】図15は、図14の装置の詳細を示す拡大スケールの断面正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明を実施するための最良の形態
図1を参照しながら、参照番号1は、ポリマーマトリクス中に組み込まれる固体粒子を有する複合材料からなる製品を製造するための装置を示す。装置1は、可塑化装置2、浸透装置3;切断装置4;及び分散装置5を含む。
【0028】
可塑化装置2は、熱可塑性ポリマーを可塑化する機能を有し、ポリマーマトリクスが熱硬化性樹脂からなるとき、必ずしも必要ではなく、省略することができる。装置1は、連続長繊維ストランド7を浸透装置3へ運搬するための連続長繊維ストランド供給装置6と、粉末集合物9を浸透装置3へ運搬するための粉末集合物供給装置8とを含む。連続長繊維ストランド7は、本質的に細長い繊維又は凝集体などの素固体粒子の集合物である。同様に、粉末集合物9は、素固体粒子又は凝集体の結合した集団である。可塑化装置2は、ハウジング10と、ハウジング10内での回転用及び粘稠液体のポンプ用の可塑化スクリュー11と、ポリマー、例えば、顆粒G状のものを、ハウジング10及び可塑化スクリュー11、及び出口金型13へ供給するためのホッパー12と、を含む。顆粒Gは、ホッパー12へ供給されて、可塑化スクリュー11によって出口金型13へ経路P1に沿って運搬される。ハウジング10は、駆動モーターによって回転する可塑化スクリュー11と共同して、添付の図において図示しない既知の手段によって顆粒Gを融解するために加熱される一方、出口金型13は、粘稠液体状態のポリマー材料を浸透装置3へ供給する。簡潔さのために、粘稠液体状態における前記ポリマー材料は、以下において、「粘稠液体」と言及される。
【0029】
前記長繊維ストランド-供給装置6は、長繊維ストランド7の糸巻き用に巻き戻し位置14と、長繊維ストランド7を浸透装置3へ経路2に沿って案内するためのガイド部材16とを含む。
【0030】
粉末集合物-供給装置8は、粉末集合物9を浸透装置3へ経路P2’に沿って供給するために粉末スクリュー重力投入ユニット18へ接続された供給ホッパー17を含む。
【0031】
浸透装置3及び分散装置5は、共通経路P3を両者が粘稠液体及び集合物が運搬される共通の経路P3を規定する。
【0032】
浸透装置3は、粘稠液体を長繊維ストランド7の長繊維の間に浸透させる機能を有し、その結果、粘稠液体は、長繊維ストランド7の各長繊維を完全にか、又はほぼ完全に取り囲む。同様に、浸透装置3は、粘稠液体を粉末集合物の間に浸透させる機能を有し、その結果、粘稠液体は、粉末集合物9の各素固体粒子を完全にか、又はほぼ完全に取り囲む。さらに、長繊維ストランドの場合、浸透装置3は、長繊維ストランド7を長繊維ストランド-供給装置6から引っ張り、かつ解すための機能を有する。
【0033】
特に、浸透装置3は、ポンプハウジング20と、ポンプ20に対して軸A1の周りを回転し、変速モーターMによって駆動するローター21とからなる、粘稠液体引込用環状チャンネルポンプ19を含む。
【0034】
ポンプハウジング20は、粘稠液体をローター21へ供給するためのポート22と、2つの長繊維ストランド7をローター21へ供給するための2つのポート23と、粉末9をローター21へ供給するためのポート24とを有する。浸透装置3は、排出管25へ接続した排出ポートを含み、それを通じて長繊維ストランド7及び/又は粉末集合物9とともに混合した粘稠液体がポンプ19によって分散装置5へ押しやられる。
【0035】
図2を参照して、ローター21は、軸A1の周りを回転するシャフト26と、それぞれがスタータ20の円筒型面28によって規定されている3つの環状チャンネル27と、ローター21の円筒型面29と、ローター21に面する2つの環状面30とを有する。各環状チャンネル27は、幅Wと深さHとを有する。
【0036】
図3を参照して、ポンプ19は、3つの転換部材31を含む(図3に示されるものはそれらの1つだけである)。各転換部材は、基本的に角柱体によって規定されており、当該角柱体は、ポンプハウジング20の凹部に取り付けられ、環状チャンネル27において一部突き出しており、円筒型面29がこすれるような、かつ粘稠液体及び集合物が排出管25へ向って転換させるような方法で、ローター21へ円筒型面29に沿って接触している端32を提供する。転換部材31は、環状チャンネル27に沿って供給される粘稠液体においてプラスの圧力勾配を決定するのに寄与する。
【0037】
操作上の観点から、浸透装置3は、同時に、粘稠液体を可塑化装置2から、長繊維ストランド7を長繊維ストランド−供給装置6から受け取る。ポンプ19のローター21が回転し、同時に粘稠液体及び長繊維ストランドを受け取るとき、粘稠液体は、各長繊維ストランド7を図1の矢印によって指示される回転方向へ排出管25へ向って引き込み又は「引っ張る」。長繊維ストランド7が受ける「引っ張り」効果は、粘稠液体と長繊維ストランド7の間に生じる剪断応力のために、粘稠液体の引き込みとカスケード状で長繊維ストランド7の引き込みを促進するローター21の回転の組み合わされた作用を生じさせる。それゆえ、「引っ張り」力は、表面領域Aで濡れた外側長繊維ストランド7を有する粘稠剪断応力τの製品によって決定される(引っ張り力 @ τA)。図3を再度参照して、粘稠液体及び長繊維ストランド7が排出ポートに近づくとき、それらは、対応する転換部材31によって力を受け、環状チャンネル27から抜け出し、本質的に円周方向から、本質的に放射方向へ排出管25を通じてそらされる。
【0038】
環状チャンネルポンプ19内において、環状チャンネル27の第一の部分に沿って、長繊維ストランド7は、粘稠液体(引き込み流)によって実質上引き込まれる一方、環状チャンネルポンプ19の第二の部分において、排出管25の近接において、長繊維ストランド7は、粘稠液体(圧力流)によって実質上プレスされるか、又は押される。
【0039】
ポンプ19のプラスの圧力性能は、典型的に0バールを超えて100バールの間の範囲であり、好ましくは、5と50バールとの間であり、長繊維ストランド-粘稠液体組成物が、環状チャンネル27の下流を経由するという圧力落下に直面するために必要である。
【0040】
言い換えれば、ポンプ19は、プラスの圧力勾配+ΔP/dz(但し、z座標は、チャンネル円周上に置かれる。)を環状チャンネル29の最後の部分において、排出管25の注入口付近の最大圧力で展開する一方、ストランド-粘稠液体組成物は、排出管25注入口付近の最大値を有し、マイナスの圧力勾配−ΔP/dz(但し、z座標は、排出管25運搬方向上に置かれる。)を経る。
【0041】
一般に、粘稠液体のプラスの加圧を生じさせるための環状チャンネル27の機能は、粘稠液体で充填した環状チャンネル27の部分の役割である。粘稠液体で充填した環状チャンネル27の部分は、角度ユニット(ラジアン)で表現される。もし、例えば、環状チャンネル27の下流に沿った所定の圧力落下がπラジアンの充填長さを要求するなら、(環状チャンネル円周の半分)、それは、より低い圧力落下を持つものを意味し、πラジアンより短い充填長さを必要として、逆の場合もまた同様に、より高い圧力落下に対しては、πラジアンより長い充填長さを必要とする。充填したチャンネル部分が長ければ長いほど、浸透されるべき長繊維ストランド7の平均滞留時間も長くなる。
【0042】
排出管25の幾何学は、浸透装置3の浸透プロセスを最適化するために非常に重要な役割を演じる。排出管25は、流れ方向に対して横へ長繊維ストランド7の変形を可能とする、断面を有する。長繊維は、次から次へと変形し、さらなる長繊維間の浸透を促進して折り畳まれる(図3)。長繊維ストランド7の長繊維は、環状チャンネル27から排出管25へ向って通過するとき、排出管25の断面の増加の結果として、液体の運搬速度が減少するために、横方向に沿って変形する。したがって、排出管25の断面を増加又は減少させることは、環状チャンネル内で生じる浸透に加えて、長繊維ストランドの長繊維の間隔を開けたり、緻密にしたり、ひいては、非常に効率的な浸透を促進するための方法である。
【0043】
排出管25によって提供される圧力落下が、環状チャンネル27内での長繊維ストランド-粘稠液体組成物の所望の滞留時間を保障する限り、環状チャンネル27の充填部分を決定するのに十分ではないことが生じるかもしれない。もし長繊維ストランド7が、環状チャンネル27内で十分な時間滞在しないなら、浸透工程は完全ではないであろう。環状チャンネル27における圧力落下を調整する方法は、流量調節装置34を排出管25に沿って配置することからなる(図1)。流量調節装置34は、粘稠液体の流路を調整するための様々な入手可能な従来装置、例えば、1又はそれ以上の流路を有するスライド性ピストンなどの中から選択することができる。
【0044】
図1に示すように、2つの長繊維ストランド7は2つの供給ポート23へ供給され、粉末9は1つの供給ポート24へ供給される。粉末9は、粘稠液体とともに環状チャンネル27内で混合し、排出管25を通じて圧力で押される転換部材31まで運搬される。
【0045】
切断装置4は、長繊維を所望の長さの繊維へ切断する機能を達成し、排出管25に沿って、分散装置5の入口ポートの上流に配置されている。切断装置4は、粘稠液体中に組み込まれた長繊維を切断するのに適する従来の切断装置、例えば、ブレードカッター、スクリューカッター、ピストンカッターなどの中から選択することができる。
【0046】
図1を参照して、分散装置5は、2つの伝達、並行、及び調整円筒型チャンバー53を備えるハウジング52を有する自己拭取り型共回転ツインスクリュー押出成型機51と、一部交わる各軸A3及びA4の周りを前記チャンバー53内に回転するための2つのローター54とを含む。
【0047】
各ローター54は、添付の図面には図示しないモーターによって駆動し、モジュラースクリュー部材56及び分散部材57とを搭載するスプライン軸55を含む。モジュラースクリュー部材56は、粘稠液体を経路P3に沿って運搬し汲み上げる機能を達成する一方、モジュラー部材57は、粉末凝集体9又は繊維のいずれかの集合物を粘稠液体の中へ分散させる機能を有する。
【0048】
一般に、各ローター54は、粘稠液体-固体粒子組成物を運搬するのに適するセクション58と、凝集体を粘稠液体の中へ分散させるのに適するセクション59とを含む。各ローター54は、一連の鋭角末端部材60を含み、それぞれは、図1にしたがって、個別のローター54の軸A3又はA4に相対的に接続方向に配向しそれ自身の軸を有する円錐によって規定されている。より詳細には、各分散モジュラー部材57は、2つの対称性突起物を有するリング61と、1つの突起物近傍のリング61に固定された鋭角末端部材60とを含む。
【0049】
分散装置5は、圧力を粘稠液体へ典型的に5〜1000バールの間、好ましくは、5〜500バールの間の範囲で発生させる。
【0050】
添付の図において示されない別の実施態様によれば、鋭角末端部材60は、円錐又は角錐が上に置かれた円筒又は角柱である。鋭角末端部材は、軸55に対して接続方向へ配向した先端を有し、その結果、鋭角末端部材60は粘稠液体の中へ「貫通」し、凝集体、すなわち繊維を分散させるために、せん断力をそれの中へ移す。さらに、鋭角末端部材60は、繊維をスクリュー軸に相対的に前後方向において必然的に配向させる。この配向は、それが、製品において繊維が完全に軸の方向へ配向することを妨げるとき、特に有益であり、それゆえ、補強特性におけるより高い等方性度を促進させる。
【0051】
図4,5及び6の別の実施態様を参照して、参照番号62は、順に、ハウジング64と、図示しないモーターによって軸A5の周りの回転するためにハウジング64に格納されたローター65とを含むスクリュー押出成型機63を含む分散装置を表す。
【0052】
ローター65は、スプライン軸66と、スクリューモジュール67と、スプライン軸66上に両方とも搭載されている分散モジュール68とを含む。ローター65は、凝集体-粘稠液体組成物を運搬するのに適するスクリューモジュール67によって規定されている第一のセクション69と、凝集体を粘稠液体の至る所へ分散させるのに適する分散モジュールによって規定されている第二のセクション70とを含む。
【0053】
各分散モジュール68は、リング71と、本質的に放射状に突き出ており、軸A5の周りに均等に分配されている4つのアーム72と、各々がそれぞれのアーム72から接線方向において突き出る4つの鋭角末端部材73と、リング71を近接したリング71から間隔をあけるための間隔保持部材74(図7)とを含む。
【0054】
スクリュー押出成型機63は、ハウジング64上に別の軸配列において可動分散モジュール68のリング71で固定されている固定分散モジュール75(図5)を含む。図5においてよりよく示されるように、各固定分散モジュール75は、間隔保持部材74へ向って伸びており、ハウジング64から軸A5に向かって突き出る4つの放射状のアーム76と、軸A6に対して相対的に同じ配向を有する4つの鋭角末端部材77とを含む。各鋭角末端部材77は、軸A5に相対的に接線方向においてローター65の方向と反対に伸びる端部で固定されている。
【0055】
図6の変形物について、参照番号78は、順に、ハウジング80と、図示しないモーターによって駆動し、ハウジング80内で軸A6の周りを回転するローター81とからなるスクリュー押出成型機79を含む分散装置を表す。ローター81は、分散モジュール83と図6に図示しないスクリューモジュールとが搭載されているスプライン軸82を含む。各分散モジュール83は、リング84と、リング84から突き出ており、接線方向において配向した鋭角末端部材86を支持する放射状のアーム85と、リング84から突き出ており、リング84に向かって配向した鋭角末端部材88を支持する放射状のアーム87と、リング84から突き出ており、ハウジング80に向かって放射状に配向した鋭角末端部材を支持する放射状のアーム89とを含む。ハウジング80から3つのアーム91、92、及び93は、ローター81に向かって放射状に突き出ており、別の一組で軸A6にそってアーム85、87、及び89とともに組み立てられており、各鋭角末端部材94、95、及び96を支持する。鋭角末端部材94は、ローター81の回転方向と反対の接線方向に配向しており、鋭角末端部材95は、ローター81回転方向と及びハウジング80に向かって反対方向に配向しており、鋭角末端部材96は、ローター81に向かって放射方向へ配向している。
【0056】
図7に関して、参照番号101は、ポリマーマトリクスに組み込まれた固体粒子を有する複合材料からなる製品を製造するための装置を表す。装置101は、可塑化装置102と、浸透装置113と、粉末集合物9用の粉末集合物供給装置104と、分散装置105を含む。可塑化装置102は、ハウジング106と、ハウジング106内の回転用可塑化スクリュー107と、ポリマー、例えば、顆粒Gを、ハウジング106、及び粘稠液体を汲み上げる機能も達成する可塑化スクリュー107へ供給するためのホッパー108と、出口ポート109とを含む。顆粒Gは、ホッパー108へ供給され、可塑化スクリュー107によって出口ポートへ下方へ経路P1に沿って運搬される。ハウジング106は、添付の図に示さない既知の手段によって加熱され、その結果、顆粒Gは、徐々に融解されて、出口ポート109は、粘稠液体状態のポリマーを浸透装置103へ案内する。
【0057】
粉末集合物供給装置104は、粉末集合物9を供給するためのホッパー110と、定率で粉末集合物9を浸透装置103へ経路P2’に沿って供給するためのLoss-In-Weight型ツインスクリュー重力投入ユニットとを含む。
【0058】
浸透装置103は、粘稠液体を、粉末集合物9を形成している凝集体の間に浸透させる機能を有し、その結果、各間隔が開いた凝集体の完全な又はほぼ完全な表面を粘稠液体によって濡らす。特に、浸透装置103は、ポンプハウジング113と、及び軸A7の周りにポンプハウジング113に関して変速モーターMによって回転するのに適するローター114とを含む環状チャンネルポンプ112を含む。図9によれば、ポンプハウジング113は、粉末集合物供給ポート115と、粘稠液体供給ポート116と、塗布ポート117と、脱気ポート118と、排出管119とを含む。
【0059】
図8を参照して、ローター114は、軸A7の周りを回転可能なシャフト120と、各々がローター114の環状凹部及びポンプハウジング113の円筒型面122によって規定される2つの環状チャンネル121と、ローター114の円筒型面123と、互いに向かい合う2つの環状面124とを含む。
【0060】
図9を参照して、ポート116、115、117、118及び119は、環状チャンネル121近傍に、順に、ローター114の回転方向に関連して位置する。環状チャンネルポンプ113は、ポート116内に搭載され、ローター114の軸A7に向かって環状チャンネル121の内側へ突き出る塗布部材125と、ポート117内に搭載され、軸A7に向かって環状チャンネル121の内側へ突き出る別の塗布部材126と、一部がポート119を占め、環状チャンネル121の中へ突き出る転換部材127とを含む。ポート118は、粘稠液体及び粉末集合物9の組成物を脱気するために、添付の図に示さない真空ポンプへ固定されている管128(図7)に連結されている。
【0061】
図10及び11を参照して、塗布部材125は、ポート116へ搭載するのに適する角柱体129と、塗布金型130と環状チャンネル121の環状面124及び円筒型面123との間の小さい間隙160を除き、環状チャンネル121の断面と正確に合致するのに適する塗布金型130と、金型ヘッド130をポンプハウジング113へ外側から固定するフランジとを含む。金型130は、2つの鏡面対称からなり、角錐台132が向き合っている。各角錐台132は、角柱体129を有し不可欠であり、本質的に放射状で並行して反対側の角錐台132に向き合っている主要面133と、主要面133に対して垂直で隣接しており、操作中に環状チャンネル121の側面124に平行な2つの側面134と、主要面133に対して隣接し垂直であり、操作中に環状チャンネル121の円筒型面123と向かい合う前面135と、各々が側面134と他の傾斜面136とに隣接する2つの傾斜面136と、傾斜面136と前面135とに隣接する傾斜面137とを含む。
【0062】
主要面133間において、2つの角錐台132を接合し、ギャップを通じて流れる粘稠液体の圧力下、同様の曲げ又は変形を避けるための接合部材139によって一部占有されるギャップ128が提供される。
【0063】
図11を参照して、塗布部材125は、フランジ131及び角柱体129を通じて伸びて、粘稠液体を環状チャンネル121へ供給するために、可塑化装置102の出口ポート109(図7)をギャップ138へ連通する管140が提供される。粘稠液体は、圧力下、ギャップ138を通じて側面134及び前面135へ流れ、環状チャンネル121の環状面124及び円筒型面123に渡って塗布される。
【0064】
塗布部材125の機能は、粘稠液体と粉末凝集体との間の最大の接触面を混合前に進展させることである。
【0065】
図9を参照して、塗布部材125の下流で、環状チャンネル121が、操作上、環状面124及び円筒型面123へ付着した薄い粘稠液体膜によって覆われる。供給ポート115は、角錐台132に相対的に垂直に位置し、供給ポート115を通じて供給された粉末集合物は、落下する粉末集合物を傾斜面136から環状面124へ向って、及び傾斜面137から円筒型面123へ向って方向転換させる角錐台132へ落ちる。そのような方法で、塗布部材125は、かなり大きい粘稠液体-粉末修吾物接触面を実現することも可能である。
【0066】
図12に関して、塗布部材126は、ポート117にフランジ(つば)をつけるのに適する角柱体141と、塗布金型142と環状チャンネル121の環状面124及び円筒型面123との間の小さい間隙260を除き、環状チャンネル121の断面と正確に合致するのに適する塗布金型142と、ポンプハウジング113に固定されたフランジ143とを含む。塗布金型142は、角柱体141を有し不可欠であり、操作中に環状チャンネル121の側面124に平行な2つの側面144と、操作中に環状チャンネル121の円筒型面123と向かい合う前面145と、各々が側面144に隣接する2つの傾斜面146と、傾斜面146と前面145とに隣接する傾斜面147とを含む。塗布部材126の機能は、環状チャンネル121の環状面124と円筒型面123とへ付着している薄い液体膜を作ること、ポート117と排出管119との間のチャンネル部分における液対-固体組成物の脱気を最適化することである。
【0067】
脱気ポート118を通じて、ガスは、脱気目的のためにチャンネル121から吸引される。塗布部材126は、脱気を別の方法、例えば、分散装置105において実現できるので、決定的なものではない。
【0068】
塗布部材126及び排出ポート118は、機能的に相互接続されており、図示しない変形型が省略されている。
【0069】
方向転換部材127は、環状面124及び円筒型面123を解体するのに適する端149を有するくさび型のものを含む。方向転換部材127は、排出管148において配置されている。
【0070】
端149は、所定の距離で円筒型面123から位置させることができ、それによって、粘稠液体の一部が環状チャンネル121に対して薄い融解膜の形状で再循環されることを可能にする。端149の円筒型面123からの有益な間隔距離は、典型的に約0.01mmから約2mmである。
【0071】
浸透した固体粒子と混合した粘稠液体は、省略されている鋭角末端部材60を除き、分散装置5と同様の機能を有する分散装置105へ集合物-粘稠液体組成物を供給するのに適する連絡管150を通じて方向転換され、案内される。連結管150は、図9において示さない排出管119及び分散装置105へ連結していて、浸透装置103の一部である。
【0072】
環状チャンネルポンプ112は、環状チャンネルポンプ19の反対の方向において回転し、粉末集合物9は、環状チャンネル121の方向に関して反対の方向に供給される。
【0073】
いくつかの場合において、浸透及び分散工程は、集合物-粘稠液体組成物を第三の経路P3に沿って、すなわち、浸透装置103と分散装置105を通じて供給されるとき、集合物の展開を促進するために、集合物を吹付け剤とともに予め混合することによって改善することができる。集合物と吹付け剤との前混合工程は、いずれかの乾燥混合装置、例えば、Plasmec SrI社製(イタリア)により供給されるものの中で、従来技術のターボミキサーのタイプなどによって、集合物を浸透装置103の中へ導入する前に行われる。特に興味深いケースは、1ナノメーター(nm)又はそれ未満のオーダーの少なくとも1つの寸法をもつ凝集体からなるそれらの粉末集合物としてここで規定されるナノ粉末集合物に関する。典型的に非限定的なこのタイプのナノ粉末集合物の例は、約1ミクロン幅、1ミクロン長さ及び1ナノメートル厚さの寸法を有し、1〜3nmの範囲の小板間に自由空間を有する小さい小板の積層によって特徴づけられるモンモリロナイトナノ-クレイである。長年の間、研究者らがナノ粉末集合物のポリマーマトリクス中への剥離を達成しようと試みている。ここで剥離とは、総ての単一小板が粘稠液体によってとり囲まれて、それらを粘稠液体を通じて無秩序状態で分配する効果をいう。例えば、スクリュー処理装置において混合することによって達成されるとき、このような剥離は、理論モデルによれば、凝集体と粘稠液体との間の大きな界面領域と、ナノ粒子の高いアスペクト比(>1000)の結果として、顕著な特性を示す新たな複合材料をもたらす。それでもなお、課題はかなり難しい。なぜなら、内部粒子距離は、典型的に数nm(例えば、3nm又はそれ未満)のオーダーであり、ポリマー分子鎖サイズ、特に、長距離ランダムコイルアモルファス鎖と競合するからである。このような分子サイズ問題のために、長距離ランダムコイルアモルファス鎖は、しばしば、小板の間に入ること(挿入)に成功するが、レピュテーション分子流モデル(the reputation molecular flow model)に従って卑劣な方法で動くので、非常に低い確率である(Plsについては、雑誌「de Gennes, P.G., Scaling
Concepts in Polymer Physics; Cornell University Press; Ithaca, NY, 1979」を参照。)。したがって、このような内部粒子通過を、ポリマー液体が容易に浸透する機会を有する程度まで増加させることが望ましい。このような内部粒子空間において、極性液体溶液の形態で、このような粉末集合物を浸透装置の中へ導入する前に、適切な吹付け剤を挿入することは、しばしば当該粉末は極性、かつ親水性の物質であり、容易に当該極性溶液を吸収するので、マイクロメ―ターであろうとナノメーターであろうと多くの粉末をポリマー液体の中へ浸透させ、かつ分散させる有益な方法を提供することを見出した。溶液の形態におけるこのような吹付け剤の挿入は、重要な条件である。なぜなら、溶液は、総ての寸法において、粒子が総て1nm未満の原子、小さい分子又は小さいイオンのサイズを有することによって特徴づけられ、それゆえに、集合体の凝集体間の極めて小さい自由空間の中へでさえも容易に侵入する機会を有することが周知だからである。したがって、ここで、多元接続性、カスケード機構が開示され、それは、第一の小さい吹付け剤粒子が、前記ナノ又はマイクロ粒子集合物の小さい内部凝集体ギャラリー(狭い空間)(galleries)の中へ前混合によって浸透前に挿入され、その後、このように挿入された吹付け剤粒子は、適切な温度及び圧力を浸透装置内で受けたとき、近接する凝集体を飛ばし、間隔をあけ、その結果、前記ナノ又はマイクロ粒子集合物のギャラリー寸法が拡大する一方、並行して、液体ポリマー分子は、それらが拡大されたガス圧の下、常法の流体力学的な流れ、例えば、圧力勾配又は毛細管流動などによって十分に空間が空いた状態のままである限り、このようなギャラリーの中へ入る機会を持つ。好ましくは、吹付けは、吹付けを生じさせるために適切なスクリュー自由容積を整えておくべき分散装置の最初のセクションにおいて、液体-粒子組成物が、浸透装置を離れた後に生じる。
【0074】
マイクロメーター又はナノメーターの粉末を前混合するのに使用されるために適当な吹付け剤の溶液を調整するのに、いずれの多様な極性溶媒系、たとえば、水、アルコール、プロピレングリコール、1,3ブチレングリコール、及びそれらの混合物、及び多くの他のものを、使用することができ、明白な経済的及び環境的理由から好ましい溶媒は、水である。
【0075】
極性溶媒の中に可溶な多くの吹付け剤は、好ましくは、マイクロメーター又はナノメーター粉末集合物の凝集体の間に浸透させるべきポリマーの処理温度周辺、例えば、50℃と300℃との間の範囲にある温度で分解する物質の中で、目的に応じて役立つように選択されることができる。極性溶媒に可溶な吹付け剤は、例えば、クエン酸、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、などであり、各々は、水溶性であり、それぞれ、20℃で約133g/100ml、30g/100ml、及び17g/100mlの水中での溶解度と、約175℃、100−200℃、及び100℃の分解温度を示す。一般に、前記極性溶媒中に溶解するこのような吹付け剤の有益な濃度は、溶液の全重量に基づいて約0%を超えて約50重量%、好ましくは、溶液の全重量に基づいて約0%を超えて10重量%の範囲である。
【0076】
親水性ナノメーター粉末の例は、例えば、Southern Clay Inc. US社のクロイサイトNa+(CloisiteNa+)という名の下で市場で入手可能な、モンモリロナイトナトリウムNa+である。
【0077】
クエン酸の水溶液は、約1%から約50%の範囲の濃度で、クロイサイトNa+小板のギャラリーの中へ首尾よく浸透し、本発明によって開示されるような同様の装置の中へ処理されて時に、加熱ポリマー溶液中へ導入するのに適している。
【0078】
図13を参照して、参照番号151は、ポリマーマトリクスの中へ組み込まれる固体粒子を有する複合材料の製品を製造する装置を示す。装置151は、可塑化装置152、浸透装置153、供給装置154、及び分散装置155とを含む。
【0079】
装置151の特性は、可塑化装置152及び分散装置155は、図において、複合材料からなる製品を製造するために、ハウジング157と、各々がハウジング157を2つの部分に分離する2つの封止ブロック159を有するローター158と、ポリマーを可塑化しそれを液体状態において浸透装置153の中へ汲み上げる第一のセクションと、凝集体を粘稠液体の中へ分散させて、前記凝集体及び粘稠液体の組成物を図示しない金型を通じて汲み上げる第二のセクションとを含む自己拭取り共回転ツインスクリュー押出成型機である同様の押出成型機156である2つのセクションを表すことである。図1を参照して述べた排出管25と同様の、封止ブロック159の上流の供給管160aによって、及び封止ブロック159の下流の供給管160aによって、浸透装置153はハウジング157へ連結されている。
【0080】
図13を参照して述べた例において、参照が繊維を粘稠液体の中へ分散させるための装置151へなされ、同様の原理が粉末凝集体の浸透及び分散にも適用されると理解される。スクリュー押出成型機156の代用として単一回転スクリュー押出成型機を使用することができる。図示しない多様な図13の装置にしたがって、1以上の浸透装置を、直列に又は並列に同様のスクリュー押出成型機に沿って有益に搭載し、粉末集合物9及び長繊維集合物9、すなわち、長繊維ストランドを浸透させる機能を選択的に、かつ独立して達成することができる。
【0081】
図14に関して、参照番号161は、ポリマーマトリクス中に組み込まれた固体粒子を有する製品を製造するための装置を表す。装置161は、可塑化及びポンプ装置162と、浸透装置163と、長繊維ストランド7用の供給装置164と、分散装置165とを含む。装置は、示さないが、可塑化装置162と、浸透装置163と、及び分散装置165を回転させるための、複数の駆動装置も含む。可塑化装置162及び浸透装置163は、好ましくは分散装置165の後方先端部に位置する。
【0082】
分散装置165は、順にハウジング168と、粘稠液体-固体組成物を金型171の中へ注入するために注入ノズル170が固定されているハウジング168の末端ゲートを通じて粘稠液体を注入するのに適する、軸A8の周りを回転し、同じ軸A8に沿って往復運動するためのローター169とを含むスクリュー押出成型機167を含む。ローター169は、液体-繊維組成物を運搬し、汲み上げるための第一のセクション、及び繊維を分散させるためのセクションであり、シャフト172とともに軸A8に沿って、同時にシャフト169とともに連帯して稼働するように設計された軸受筒175と、注入金型を往復運動させるのに使用される既知のタイプの1つの逆止め弁と一体となった極端な自由端173と、を有するシャフト172を含む第二のセクションの、2つのセクションに分割されている。シャフト172は、水圧、電気的又は別のもののいずれかの適当な往復運動系の結果として軸の方向に動くように配置されている。繊維分散用の第二のセクションにおいて、ローター169は、分散モジュール68(図7及び8を参照して詳細を述べた)、及び図15の説明図によれば、分散モジュール68の鋭角末端部材73に相対的に反対の方向へ配向して軸受筒175に固定されている鋭角末端部材176を有する軸受筒175(図15)とを含む。
【0083】
ここで述べたような装置によって製造される製品は、ポリマーマトリクスに組み込まれた繊維及び/又は粉末凝集体を有する複合材料からなる連続押出又は断続的成形製品のいずれかとすることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマーマトリクスに組み込まれる固体粒子を有する複合材料からなる製品を製造するための方法であって、前記方法は、第一の経路(P1)に沿ってポリマーマトリクスを規定するのに適した粘稠液体を運搬する工程と、第二の経路(P2、P2’)に沿って、素固体粒子を規定する凝集体の集合物を運搬する工程と、前記集合物と前記粘稠液体とを混合する工程とからなり、前記方法は、さらに浸透装置(3;103;153;163)において第三の経路(P3)に沿って前記凝集体中に前記粘稠液体を浸透させる工程と、前記浸透装置(3;103;153;163)の下流に配置した分散装置(5;62;78;105;155;165)において第三の経路(P3)に沿って前記凝集体を前記粘稠液体へ分散させる工程とからなることによって特徴付けられる複合材料からなる製品の製造方法。
【請求項2】
前記粘稠液体を前記凝集体間に第一の圧力下で浸透させて、各集合物の凝集体間自由空間を第一の圧力で充填すること、及び前記凝集体を前記粘稠液体に前記第一の圧力よりも高い第二の圧力下で分散させることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記第一の圧力が、0バールを超えて100バールの間の範囲、好ましくは5と50の間の範囲であり、前記第二の圧力は、5と1000バールの間の範囲、好ましくは、5と500バールの間の範囲であることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
環状チャンネルポンプ(19;112)の少なくとも回転チャンネル(27;121)において前記集合物を前記粘稠液体とを混合すること、前記第三の経路(P3)が、対応する第一の軸(A1;A7)の周りを回転する前記環状チャンネル(27;121)に沿って一部延長することを特徴とする請求項1〜3項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記第一の軸(A1;A7)周りの前記環状チャンネル(27;121)の回転速度を調整することを特徴とする請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記浸透工程が、前記粘稠液体及び前記凝集体を前記環状チャンネルポンプ(19;112)によって排出管(25;119)及び連結管(33、150)へ運搬することを提供することを特徴とする請求項4又は5項に記載の方法。
【請求項7】
前記排出管(25;119)が、運搬の流れ方向に沿って増大する断面を有することを特徴とする請求項6項記載の方法。
【請求項8】
前記連結管(33;150)の断面を調整することを特徴とする請求項6又は7項に記載の方法。
【請求項9】
前記環状チャンネル(27;121)の内側で前記固体粒子と混合した前記粘稠液体を脱気することを特徴とする請求項5〜8項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記凝集体が細長い繊維であり、前記集合物が連続長繊維ストランドであり、前記方法は、前記連続長繊維ストランド(7)を前記環状チャンネル(27)へ前記第二の経路(P2)に沿って運搬し、前記粘稠液体に長繊維ストランド供給装置(6)から前記長繊維ストランド(7)を引きこみ、前記長繊維ストランド(7)を引っ張らせることを提供することを特徴とする請求項5〜9項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記浸透装置(103)の下流で、かつ前記分散装置(105)の上流の第三の経路(P3)に沿って配置されている切断装置(4)によって長繊維ストランドを繊維に切断することを特徴とする請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記粘稠液体と前記繊維が前記第三の経路(P3)に沿って運搬されるとき、前記分散装置(5;62;78)によって前記繊維を前記粘稠液体中へ分散させることを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記繊維を前記粘稠液体の中へ分散させるために、ローター(54;65;81)に関して接続方向に配向した第一の鋭角末端部材(60;73;86;88;90)を回転させて、前記第一の鋭角末端部材(60;73;86;88;90)を前記粘稠液体の中及び前記繊維の間へ貫通させることを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記繊維を前記粘稠液体の中へ分散させるために、ローターによって前記粘稠液体及び前記繊維を第二の鋭角末端部材(77;94,95,96)に対して回転させることを特徴とする請求項12又は13記載の方法。
【請求項15】
凝集体が粉末素固体粒子であり、集合物が結合した粉末素固体粒子の集団であり、前記方法は、前記集合物を第二の経路(P2’)に沿って前記環状チャンネル(27、121)へ少なくとも1つの投入ユニット(18;111)によって供給することを提供することを特徴とする請求項4〜9項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記粘稠液体を前記環状チャンネル(121)の少なくとも1つの面(123、124)に渡って塗布し、前記集合物を前記塗布された粘稠液体に渡って分配することを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記塗布ヘッド(130)と前記環状チャンネル(121)の前記面(123、124)との間の小さな間隙(160)を除いて、前記環状チャンネル(121)のほとんど総ての横断流面を占める塗布ヘッド(130)からなる第一の塗布部材(125)によって、前記粘稠液体を塗布することを特徴とする請求項16記載の方法。
【請求項18】
50℃と300℃の間の範囲の温度で分解する吹出し剤溶液と前記集合物とを予め混合することを特徴とする請求項15〜17項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記吹出し剤が、極性溶媒からなる溶液において溶解することを特徴とする請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記溶液中の前記吹出し剤の濃度が、0重量%を超えて50重量%の間の範囲であることを特徴とする請求項18又は19項に記載の方法。
【請求項21】
前記溶液中に溶解する前記吹出し剤の平均粒子寸法が、1ナノメーター未満であることを特徴とする請求項18〜20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記極性液体溶媒が、水であることを特徴とする請求項18〜21項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記水溶性吹出し剤が、クエン酸、重炭酸ナトリウム、及びそれらの混合物からなる群において選択される請求項18〜22項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
ポリマーマトリクスに組み込まれる固体粒子を有する複合材料からなる製品を製造するための装置であって、前記装置(1;101;151;161)は、ポリマーをポリマーマトリクスを規定するのに適する粘稠液体中に溶解し、前記粘稠液体を第一の経路(P1)に沿って運搬するための可塑化装置(2;102;152;162)と、素固体粒子又は凝集体の集合物を第二経路(P2)に沿って供給するための供給装置(6;8;104;154;164)とからなり、前記装置は、前記粘稠液体を前記凝集体の間に第三の経路(P3)に沿って浸透させるための浸透装置(3;103;153;163)と、及び前記凝集体を前記粘稠液体中へ前記第三の経路(P3)に沿って分散させるために、前記第三の経路(P3)に沿って前記浸透装置(3;103;153;163)の下流に配置した分散装置(5;105;155;166)とからなることを特徴とする装置。
【請求項25】
前記浸透装置(3;103;153;163)が、対応する第一の軸(A1;A7)周りの回転用に少なくとも環状チャンネル(27;121)からなり、かつ前記粘稠液体を引きこむのに適した少なくとも環状チャンネルポンプからなることを特徴とする請求項24記載の装置。
【請求項26】
前記環状チャンネルポンプ(19;112)は、前記環状チャンネル(27;121)の回転速度を調整するための変速モーター(M)を含むことを特徴とする請求項25記載の装置。
【請求項27】
前記浸透装置(3;103;153;163)が前記少なくとも1つの環状チャンネルポンプ(19;112)の排出管(25;119)を含むことを特徴とする請求項24〜26項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項28】
前記排出管(25;119)は、運搬の流れ方向において増大する断面を提供する部分を含むことを特徴とする請求項27記載の装置。
【請求項29】
前記連結管(33;150)が、前記部分の下流に流量調整弁(34)を含むことを特徴とする請求項28記載の装置。
【請求項30】
前記環状チャンネルポンプ(19;112)が、ポンプハウジング(20;113)と;少なくとも1つの環状チャンネル(27;121)を有するローター(21;114)と;前記液体―固体組成物を環状チャンネル(27)の内側で脱気するか、気体を前記液体―固体組成物へ供給するために、前記ポンプハウジング(20;113)を横切り前記少なくとも1つの環状チャンネル(27;113)を外側に連結するための引き込み口(118)とからなる請求項24〜29項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項31】
前記可塑化装置(152)及び前記分散装置(155)が単一の押出成型機(156)によって規定されており、前記浸透装置(103)は前記単一の押出成型機(156)に迂回して連結していることを特徴とする請求項24〜30項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項32】
前記分散装置(165)は、ハウジング(168)を有する押出成型機(167)と、前記ハウジング(168)において第二の軸(A8)周りを回転し、前記粘稠液体及び前記分散された素固体粒子の前記組成物を注入ノズルを通じて注入するために前記第二の軸に沿って往復運動することが可能なローター(169)と、鋭角末端部材(176)を支持し、かつシャフト(172)とともに往復運動するのに適した軸受筒(175)とからなることを特徴とする請求項24〜30項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項33】
凝集体が細長い繊維であり、集合物が連続長繊維ストランドであり、前記装置が、前記環状チャンネル(27)への連続長繊維ストランド供給装置(6)と、前記環状チャンネル(27;121)が回転に置かれたとき前記連続長繊維ストランド(7)を引き込むための前記粘稠液体充填環状チャンネル(27)とからなる請求項24〜32項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項34】
前記浸透装置(103)の下流と前記分散装置(105)の上流に位置し、前記第三の経路(P3)に沿って連続長繊維ストランド(7)を繊維に切断する切断装置(4)を含むことを特徴とする請求項33記載の装置。
【請求項35】
前記分散装置(5;62;78)が、所定の方向において4つの軸(A3,A4;A5;A6)周りに回転可能なシャフト(55;66;82)を有する押出成型機と、前記シャフト(55;66;82)に固定され、前記粘稠液体及び繊維を第三の経路(P3)に沿って運搬するのに適した少なくとも1つのスクリュー運搬モジュール(56;67)と、前記繊維を前記粘稠液体に分散させるのに適した前記シャフト(55;66;82)に固定された少なくとも1つの分散モジュール(57;68;83)とからなることを特徴とする請求項24〜34項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項36】
各分散モジュールが、前記粘稠液体及び前記繊維の中で回転可能であり、前記シャフト(55;66;82)の回転方向でともに配向する第一の鋭角末端部材(60;73;86;88)を含むことを特徴とする請求項35記載の装置。
【請求項37】
前記押出成型機(51;63;79)が、前記シャフト(55;66;82)の回転方向に関して反対の方向に配向する第二の鋭角末端部材(77;94,95,96)を含むことを特徴とする請求項36記載の装置。
【請求項38】
凝集体が粉末素固体粒子であり、集合物が粉末素固体粒子の結合した集団であり、前記装置が第二の経路(P2’)に沿って前記粉末集合物を前記環状チャンネル(27;121)へ連続的に運搬するための投入ユニット(18;111)からなる粉末集合物供給装置(8;104)を含むことを特徴とする請求項24〜37項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項39】
前記環状チャンネル(121)が、2つの環状面(123)及び円筒型面(124)によって規定され、前記環状チャンネルポンプ(112)が、前記環状面(123)の少なくとも1つ及び前記円筒型面(123)に渡って前記粘稠液体を塗布するのに適する第一の塗布部材(125)と、前記粉末集合物を前記環状チャンネル(121)に沿って塗布された前記粘稠液体に渡って分配する投入ユニット(18;111)とからなることを特徴とする請求項38記載の装置。
【請求項40】
第一の塗布部材(125)が、塗布ヘッド(130)と前記環状面(124)及び前記円筒型面(123)との間の小さな間隙(160)を除いて、前記環状チャンネル(121)のほとんど総ての横断流面を占め、前記粉末集合物を前記粘稠液体に渡って分配するのに適する傾斜面(136、137)を含む前記塗布ヘッド(130)からなることを特徴とする請求項39記載の装置。
【請求項41】
脱気目的のために、前記粘稠液体に混合した前記粉末集合物の前記組成物を塗布するための第二の塗布部材(126)からなり、前記第二の塗布部材(126)が、前記環状チャンネル(121)の回転方向において、前記第一の塗布部材(125)の下流に位置し、かつ塗布ヘッド(142)と前記環状面(124)及び前記円筒型面(123)との間の小さな間隙(260)を除いて、前記環状チャンネル(121)のほとんど総ての横断流面を占める前記塗布ヘッド(142)を含むことを特徴とする請求項39又は40記載の装置。
【請求項42】
粘稠液体及び固体粒子が経路(P3)に沿って運搬されるとき、分散装置(5;62;78)によって前記固体粒子を前記粘稠液体の中へ分散させる方法であって、前記方法が、前記分散装置において前記粘稠液体と前記固体粒子を所定の方向へ運搬する工程からなり、前記方法は、前記粘稠液体を前記運搬方向に対して横向きの鋭角末端部材を経由して貫通させることを特徴とする方法。
【請求項43】
前記固体粒子を前記粘稠液体中へ分散させるために、ローター(54;65;81)に関して接続方向に配向する第一の鋭角部材(60;73;86、88、90)を回転させて、前記第一の鋭角部材(60;73;86、88、90)を前記粘稠液体及び前記固体粒子間へ貫通させることを特徴とする請求項42記載の方法。
【請求項44】
前記固体粒子を前記粘稠液体中へ分散させるために、ローターによって前記粘稠液体及び前記固体粒子を第二の鋭角末端部材(77;94、95,96)に対して回転させることを特徴とする請求項42又は43項に記載の方法。
【請求項45】
固体粒子を粘稠液体中へ分散させる装置であって、軸(A3、A4;A5;A6)の周りを回転可能なシャフト(55;66;82)を有する押出成型機(51;63;79)と、前記シャフト(55;66;82)に固定され、かつ前記粘稠液体及び前記固体粒子を経路(P3)に沿って運搬方向において運搬するのに適した少なくとも1つのスクリューモジュール(56;67)とからなり、前記分散装置は、前記押出成型機が前記シャフト(55;66;82)に固定され、かつ前記粘稠液体中において回転可能で前記シャフトの回転方向にともに配向した第一の鋭角末端部材(60;73;86,88)を含む少なくとも1つの分散モジュール(57;68;83)とからなることを特徴とする装置。
【請求項46】
前記押出成型機(51;63;79)が、ハウジングと、前記ハウジングに固定され、かつ前記第一の鋭角末端部材(60;73;86,88)の反対の方向に配向させた前記第二の鋭角末端部材(77;94,95,96)とからなることを特徴とする請求項45記載の装置。
【請求項1】
ポリマーマトリクスに組み込まれる固体粒子を有する複合材料からなる製品を製造するための方法であって、前記方法は、第一の経路(P1)に沿ってポリマーマトリクスを規定するのに適した粘稠液体を運搬する工程と、第二の経路(P2、P2’)に沿って、素固体粒子を規定する凝集体の集合物を運搬する工程と、前記集合物と前記粘稠液体とを混合する工程とからなり、前記方法は、さらに浸透装置(3;103;153;163)において第三の経路(P3)に沿って前記凝集体中に前記粘稠液体を浸透させる工程と、前記浸透装置(3;103;153;163)の下流に配置した分散装置(5;62;78;105;155;165)において第三の経路(P3)に沿って前記凝集体を前記粘稠液体へ分散させる工程とからなることによって特徴付けられる複合材料からなる製品の製造方法。
【請求項2】
前記粘稠液体を前記凝集体間に第一の圧力下で浸透させて、各集合物の凝集体間自由空間を第一の圧力で充填すること、及び前記凝集体を前記粘稠液体に前記第一の圧力よりも高い第二の圧力下で分散させることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記第一の圧力が、0バールを超えて100バールの間の範囲、好ましくは5と50の間の範囲であり、前記第二の圧力は、5と1000バールの間の範囲、好ましくは、5と500バールの間の範囲であることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
環状チャンネルポンプ(19;112)の少なくとも回転チャンネル(27;121)において前記集合物を前記粘稠液体とを混合すること、前記第三の経路(P3)が、対応する第一の軸(A1;A7)の周りを回転する前記環状チャンネル(27;121)に沿って一部延長することを特徴とする請求項1〜3項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記第一の軸(A1;A7)周りの前記環状チャンネル(27;121)の回転速度を調整することを特徴とする請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記浸透工程が、前記粘稠液体及び前記凝集体を前記環状チャンネルポンプ(19;112)によって排出管(25;119)及び連結管(33、150)へ運搬することを提供することを特徴とする請求項4又は5項に記載の方法。
【請求項7】
前記排出管(25;119)が、運搬の流れ方向に沿って増大する断面を有することを特徴とする請求項6項記載の方法。
【請求項8】
前記連結管(33;150)の断面を調整することを特徴とする請求項6又は7項に記載の方法。
【請求項9】
前記環状チャンネル(27;121)の内側で前記固体粒子と混合した前記粘稠液体を脱気することを特徴とする請求項5〜8項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記凝集体が細長い繊維であり、前記集合物が連続長繊維ストランドであり、前記方法は、前記連続長繊維ストランド(7)を前記環状チャンネル(27)へ前記第二の経路(P2)に沿って運搬し、前記粘稠液体に長繊維ストランド供給装置(6)から前記長繊維ストランド(7)を引きこみ、前記長繊維ストランド(7)を引っ張らせることを提供することを特徴とする請求項5〜9項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記浸透装置(103)の下流で、かつ前記分散装置(105)の上流の第三の経路(P3)に沿って配置されている切断装置(4)によって長繊維ストランドを繊維に切断することを特徴とする請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記粘稠液体と前記繊維が前記第三の経路(P3)に沿って運搬されるとき、前記分散装置(5;62;78)によって前記繊維を前記粘稠液体中へ分散させることを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記繊維を前記粘稠液体の中へ分散させるために、ローター(54;65;81)に関して接続方向に配向した第一の鋭角末端部材(60;73;86;88;90)を回転させて、前記第一の鋭角末端部材(60;73;86;88;90)を前記粘稠液体の中及び前記繊維の間へ貫通させることを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記繊維を前記粘稠液体の中へ分散させるために、ローターによって前記粘稠液体及び前記繊維を第二の鋭角末端部材(77;94,95,96)に対して回転させることを特徴とする請求項12又は13記載の方法。
【請求項15】
凝集体が粉末素固体粒子であり、集合物が結合した粉末素固体粒子の集団であり、前記方法は、前記集合物を第二の経路(P2’)に沿って前記環状チャンネル(27、121)へ少なくとも1つの投入ユニット(18;111)によって供給することを提供することを特徴とする請求項4〜9項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記粘稠液体を前記環状チャンネル(121)の少なくとも1つの面(123、124)に渡って塗布し、前記集合物を前記塗布された粘稠液体に渡って分配することを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記塗布ヘッド(130)と前記環状チャンネル(121)の前記面(123、124)との間の小さな間隙(160)を除いて、前記環状チャンネル(121)のほとんど総ての横断流面を占める塗布ヘッド(130)からなる第一の塗布部材(125)によって、前記粘稠液体を塗布することを特徴とする請求項16記載の方法。
【請求項18】
50℃と300℃の間の範囲の温度で分解する吹出し剤溶液と前記集合物とを予め混合することを特徴とする請求項15〜17項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記吹出し剤が、極性溶媒からなる溶液において溶解することを特徴とする請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記溶液中の前記吹出し剤の濃度が、0重量%を超えて50重量%の間の範囲であることを特徴とする請求項18又は19項に記載の方法。
【請求項21】
前記溶液中に溶解する前記吹出し剤の平均粒子寸法が、1ナノメーター未満であることを特徴とする請求項18〜20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記極性液体溶媒が、水であることを特徴とする請求項18〜21項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記水溶性吹出し剤が、クエン酸、重炭酸ナトリウム、及びそれらの混合物からなる群において選択される請求項18〜22項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
ポリマーマトリクスに組み込まれる固体粒子を有する複合材料からなる製品を製造するための装置であって、前記装置(1;101;151;161)は、ポリマーをポリマーマトリクスを規定するのに適する粘稠液体中に溶解し、前記粘稠液体を第一の経路(P1)に沿って運搬するための可塑化装置(2;102;152;162)と、素固体粒子又は凝集体の集合物を第二経路(P2)に沿って供給するための供給装置(6;8;104;154;164)とからなり、前記装置は、前記粘稠液体を前記凝集体の間に第三の経路(P3)に沿って浸透させるための浸透装置(3;103;153;163)と、及び前記凝集体を前記粘稠液体中へ前記第三の経路(P3)に沿って分散させるために、前記第三の経路(P3)に沿って前記浸透装置(3;103;153;163)の下流に配置した分散装置(5;105;155;166)とからなることを特徴とする装置。
【請求項25】
前記浸透装置(3;103;153;163)が、対応する第一の軸(A1;A7)周りの回転用に少なくとも環状チャンネル(27;121)からなり、かつ前記粘稠液体を引きこむのに適した少なくとも環状チャンネルポンプからなることを特徴とする請求項24記載の装置。
【請求項26】
前記環状チャンネルポンプ(19;112)は、前記環状チャンネル(27;121)の回転速度を調整するための変速モーター(M)を含むことを特徴とする請求項25記載の装置。
【請求項27】
前記浸透装置(3;103;153;163)が前記少なくとも1つの環状チャンネルポンプ(19;112)の排出管(25;119)を含むことを特徴とする請求項24〜26項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項28】
前記排出管(25;119)は、運搬の流れ方向において増大する断面を提供する部分を含むことを特徴とする請求項27記載の装置。
【請求項29】
前記連結管(33;150)が、前記部分の下流に流量調整弁(34)を含むことを特徴とする請求項28記載の装置。
【請求項30】
前記環状チャンネルポンプ(19;112)が、ポンプハウジング(20;113)と;少なくとも1つの環状チャンネル(27;121)を有するローター(21;114)と;前記液体―固体組成物を環状チャンネル(27)の内側で脱気するか、気体を前記液体―固体組成物へ供給するために、前記ポンプハウジング(20;113)を横切り前記少なくとも1つの環状チャンネル(27;113)を外側に連結するための引き込み口(118)とからなる請求項24〜29項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項31】
前記可塑化装置(152)及び前記分散装置(155)が単一の押出成型機(156)によって規定されており、前記浸透装置(103)は前記単一の押出成型機(156)に迂回して連結していることを特徴とする請求項24〜30項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項32】
前記分散装置(165)は、ハウジング(168)を有する押出成型機(167)と、前記ハウジング(168)において第二の軸(A8)周りを回転し、前記粘稠液体及び前記分散された素固体粒子の前記組成物を注入ノズルを通じて注入するために前記第二の軸に沿って往復運動することが可能なローター(169)と、鋭角末端部材(176)を支持し、かつシャフト(172)とともに往復運動するのに適した軸受筒(175)とからなることを特徴とする請求項24〜30項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項33】
凝集体が細長い繊維であり、集合物が連続長繊維ストランドであり、前記装置が、前記環状チャンネル(27)への連続長繊維ストランド供給装置(6)と、前記環状チャンネル(27;121)が回転に置かれたとき前記連続長繊維ストランド(7)を引き込むための前記粘稠液体充填環状チャンネル(27)とからなる請求項24〜32項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項34】
前記浸透装置(103)の下流と前記分散装置(105)の上流に位置し、前記第三の経路(P3)に沿って連続長繊維ストランド(7)を繊維に切断する切断装置(4)を含むことを特徴とする請求項33記載の装置。
【請求項35】
前記分散装置(5;62;78)が、所定の方向において4つの軸(A3,A4;A5;A6)周りに回転可能なシャフト(55;66;82)を有する押出成型機と、前記シャフト(55;66;82)に固定され、前記粘稠液体及び繊維を第三の経路(P3)に沿って運搬するのに適した少なくとも1つのスクリュー運搬モジュール(56;67)と、前記繊維を前記粘稠液体に分散させるのに適した前記シャフト(55;66;82)に固定された少なくとも1つの分散モジュール(57;68;83)とからなることを特徴とする請求項24〜34項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項36】
各分散モジュールが、前記粘稠液体及び前記繊維の中で回転可能であり、前記シャフト(55;66;82)の回転方向でともに配向する第一の鋭角末端部材(60;73;86;88)を含むことを特徴とする請求項35記載の装置。
【請求項37】
前記押出成型機(51;63;79)が、前記シャフト(55;66;82)の回転方向に関して反対の方向に配向する第二の鋭角末端部材(77;94,95,96)を含むことを特徴とする請求項36記載の装置。
【請求項38】
凝集体が粉末素固体粒子であり、集合物が粉末素固体粒子の結合した集団であり、前記装置が第二の経路(P2’)に沿って前記粉末集合物を前記環状チャンネル(27;121)へ連続的に運搬するための投入ユニット(18;111)からなる粉末集合物供給装置(8;104)を含むことを特徴とする請求項24〜37項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項39】
前記環状チャンネル(121)が、2つの環状面(123)及び円筒型面(124)によって規定され、前記環状チャンネルポンプ(112)が、前記環状面(123)の少なくとも1つ及び前記円筒型面(123)に渡って前記粘稠液体を塗布するのに適する第一の塗布部材(125)と、前記粉末集合物を前記環状チャンネル(121)に沿って塗布された前記粘稠液体に渡って分配する投入ユニット(18;111)とからなることを特徴とする請求項38記載の装置。
【請求項40】
第一の塗布部材(125)が、塗布ヘッド(130)と前記環状面(124)及び前記円筒型面(123)との間の小さな間隙(160)を除いて、前記環状チャンネル(121)のほとんど総ての横断流面を占め、前記粉末集合物を前記粘稠液体に渡って分配するのに適する傾斜面(136、137)を含む前記塗布ヘッド(130)からなることを特徴とする請求項39記載の装置。
【請求項41】
脱気目的のために、前記粘稠液体に混合した前記粉末集合物の前記組成物を塗布するための第二の塗布部材(126)からなり、前記第二の塗布部材(126)が、前記環状チャンネル(121)の回転方向において、前記第一の塗布部材(125)の下流に位置し、かつ塗布ヘッド(142)と前記環状面(124)及び前記円筒型面(123)との間の小さな間隙(260)を除いて、前記環状チャンネル(121)のほとんど総ての横断流面を占める前記塗布ヘッド(142)を含むことを特徴とする請求項39又は40記載の装置。
【請求項42】
粘稠液体及び固体粒子が経路(P3)に沿って運搬されるとき、分散装置(5;62;78)によって前記固体粒子を前記粘稠液体の中へ分散させる方法であって、前記方法が、前記分散装置において前記粘稠液体と前記固体粒子を所定の方向へ運搬する工程からなり、前記方法は、前記粘稠液体を前記運搬方向に対して横向きの鋭角末端部材を経由して貫通させることを特徴とする方法。
【請求項43】
前記固体粒子を前記粘稠液体中へ分散させるために、ローター(54;65;81)に関して接続方向に配向する第一の鋭角部材(60;73;86、88、90)を回転させて、前記第一の鋭角部材(60;73;86、88、90)を前記粘稠液体及び前記固体粒子間へ貫通させることを特徴とする請求項42記載の方法。
【請求項44】
前記固体粒子を前記粘稠液体中へ分散させるために、ローターによって前記粘稠液体及び前記固体粒子を第二の鋭角末端部材(77;94、95,96)に対して回転させることを特徴とする請求項42又は43項に記載の方法。
【請求項45】
固体粒子を粘稠液体中へ分散させる装置であって、軸(A3、A4;A5;A6)の周りを回転可能なシャフト(55;66;82)を有する押出成型機(51;63;79)と、前記シャフト(55;66;82)に固定され、かつ前記粘稠液体及び前記固体粒子を経路(P3)に沿って運搬方向において運搬するのに適した少なくとも1つのスクリューモジュール(56;67)とからなり、前記分散装置は、前記押出成型機が前記シャフト(55;66;82)に固定され、かつ前記粘稠液体中において回転可能で前記シャフトの回転方向にともに配向した第一の鋭角末端部材(60;73;86,88)を含む少なくとも1つの分散モジュール(57;68;83)とからなることを特徴とする装置。
【請求項46】
前記押出成型機(51;63;79)が、ハウジングと、前記ハウジングに固定され、かつ前記第一の鋭角末端部材(60;73;86,88)の反対の方向に配向させた前記第二の鋭角末端部材(77;94,95,96)とからなることを特徴とする請求項45記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公表番号】特表2010−513583(P2010−513583A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−540782(P2009−540782)
【出願日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際出願番号】PCT/EP2007/063919
【国際公開番号】WO2008/071782
【国際公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願人】(509167121)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際出願番号】PCT/EP2007/063919
【国際公開番号】WO2008/071782
【国際公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願人】(509167121)
【Fターム(参考)】
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