説明

ポリマー修飾された生物活性な合成ケモカインならびにその製造方法および使用方法

【課題】炎症性疾患に重要な役割を果たすケモカイン、特にRANTES類に対する、強力なアンタゴニストの提供。
【解決手段】RANTES G1755,G1805,及びG1806等の合成ケモカインで、N末端および/またはC末端に結合する水溶性ポリマーを有し、対応する受容体のダウンモジュレーション(downmodulation)によって特徴付けられるin vitro生物活性を有する合成ケモカイン。水溶性ポリマーは、デキストラン等の多糖類や、ポリエチレングリコール等の合成高分子であり、脂肪族鎖、アミノ酸およびアミノ酸誘導体等の部分によって、ケモカインN末端/C末端を修飾している。


Notice: Undefined index: DEJ in /mnt/www/gzt_disp.php on line 298

【特許請求の範囲】
【請求項1】
RANTES G1755,RANTES G1805,及びRANTES G1806から成る群から選択される合成ケモカインであって、当該合成ケモカインに結合する水溶性ポリマーを有し、該合成ケモカインが結合するケモカイン受容体のダウンモジュレーション(downmodulation)によって特徴付けられるin vitro生物活性を有する合成ケモカインにおいて、
(A)脂肪族鎖、アミノ酸およびアミノ酸誘導体からなる群の中から選択された部分によってN末端が修飾されているか、
または、
(B)脂肪族鎖、多環、アミノ酸およびアミノ酸誘導体からなる群の中から選択された部分によってC末端が修飾されているか、
または、
(C)脂肪族鎖、アミノ酸およびアミノ酸誘導体からなる群の中から選択された部分によってN末端が修飾され、かつ脂肪族鎖、多環、アミノ酸およびアミノ酸誘導体からなる群の中から選択された部分によってC末端が修飾され、
ここで、当該アミノ酸誘導体が式−(N−CnR−CO)−で表され (式中、nは1−22であり、Rは水素、アルキルまたは芳香族であり、N及びCn、N及びR、または、Cn及びRは環状構造を形成することができる。)、当該アミノ酸誘導体は他のアミノ酸誘導体と同じであっても異なっていてもよく、
ここで、当該水溶性ポリマーは、デキストラン、硫酸デキストラン、カルボキシメチルデキストリン;グリコサミノグリカン;ヘパリン;硫酸ヘパラン;硫酸コンドロイチン;硫酸デルマタン;ヒアロロニン;ヒアルロン酸;ポリラクチド;オリゴアクチル−アクリレート;セルロース;メチルセルロース;カルボキシメチルセルロース;コラーゲン;ゼラチン;アルギン酸;デンプン;ポリアルキレンオキシド;ポリエチレンオキシド;エチレン/無水マレイン酸コポリマー、ポリエチレングリコール、モノメトキシポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール;エチレングリコールとプロピレングリコールとのコポリマー;ポリビニルアルコール、ポリビニルエチルエーテル;ポリビニルピロリドン;ポリオキシエチル化ポリオール(プルロニックポリオールを含む);ポリエステル、例えば、ポリ(グリコール酸);ポリ(L−乳酸);ポリ(D−乳酸);ポリ(DL−乳酸);ラクチド/グリコリドコポリマー;ポリ−1,3,6−トリオキサン;ポリ−1,3−ジオキソラン、ポリ(p−ジオキサノン)及びコポリマー;ポリカプロラクトン;PEG−ポリエステルコポリマー;ポリ(リン酸エステル);ポリ無水物;ポリグリセロール;からなる群から選択される、
合成ケモカイン。
【請求項2】
水溶性ポリマーを有しない当該合成ケモカインと比較して10倍よりも大きいinvivo血清循環半減期を有する、請求項1に記載の合成ケモカイン。
【請求項3】
当該水溶性ポリマーが、C末端部位、凝集部位、グリコシル化部位、及びグリコサミノグリカン(「GAG」)結合部位からなる群の中から選択された部位において当該合成ケモカインに結合している、請求項1に記載の合成ケモカイン。
【請求項4】
当該水溶性ポリマーがC末端部位に結合している、請求項1に記載の合成ケモカイン。
【請求項5】
当該水溶性ポリマーが凝集部位において結合している、請求項1に記載の合成ケモカイン。
【請求項6】
当該水溶性ポリマーがグリコシル化部位において結合している、請求項1に記載の合成ケモカイン。
【請求項7】
当該水溶性ポリマーがGAG部位において結合している、請求項1に記載の合成ケモカイン。
【請求項8】
当該水溶性ポリマーが、アミノ、アミド、または、カルボン酸の群によって当該ケモカインと結合している、請求項1に記載の合成ケモカイン。
【請求項9】
複数の水溶性ポリマーが、アミノ、アミド、または、カルボキシルの群によって当該ケモカインと結合しており、1以上の当該水溶性ポリマーが、選択的に、ジアミド・ユニット、ジアシド・ユニット、天然アミノ酸、非天然アミノ酸、脂肪族成分(moiety)、あるいは、付加的な水溶性ポリマーから成る群から選択されたリンカー成分によって、当該アミノ、アミド、または、カルボキシルの群に結合し、
かつ、
アミノ、アミド、または、カルボン酸の群が、また、選択的に、当該リンカー成分によって当該ケモカインに結合している、
請求項8に記載の合成ケモカイン。
【請求項10】
当該アミノ、アミド、または、カルボキシルの群が、当該ケモカインに共有結合されている官能基によって当該ケモカインに結合し、当該官能基が、オキシム、アミド、アミン、ウレタン、エーテル、チオエーテル、エステル、ヒドラジド、オキサゾリジン、及びチアゾリンから選択された結合(a bond)である、
請求項8に記載の合成ケモカイン。

【請求項11】
当該水溶性ポリマーが、ポリアルキレンオキシド及びポリアミドアルキレンオキシドからなる群から選択される、請求項1に記載の合成ケモカイン。
【請求項12】
当該水溶性ポリマーが、下記式:
−[C(O)−X−C(O)NH−Y−NH]n− または
−[NH−Y−NH−C(O)−X−C(O)]n−
のポリアミドであり、
該式中、XおよびYは、同じあるいは異なっていてもよく、かつ分枝状または直鎖状であってもよい二価の基であり、nは1〜100の整数である、請求項1に記載の合成ケモカイン。
【請求項13】
XおよびYのいずれかまたはその両方が、下記式:
−(O−CH2−CH2)n− および
−(CH2−CH2−O)n−
から選択された繰り返しユニットを含み、
該式中、nは1〜100の整数である、請求項12に記載の合成ケモカイン。
【請求項14】
当該水溶性ポリマーが負の正味の荷電を有する、請求項1に記載の合成ケモカイン。
【請求項15】
当該水溶性ポリマーが正の正味の荷電を有する、請求項1に記載の合成ケモカイン。
【請求項16】
前記水溶性ポリマーが中性の正味の荷電を有する、請求項1に記載の合成ケモカイン。
【請求項17】
ウイルス感染の阻害を含む生物学的応答について、対応する野生型ケモカインのin vitro EC50と等しいか、またはそれよりも小さいin vitro EC50を有する合成ケモカインであって、当該合成ケモカインがその対応するケモカイン受容体の1つまたは複数に結合することを特徴とするinvitro細胞系アッセイにおいて前記EC50が測定され、当該受容体の1個以上がウイルス感染に対する共受容体である、
請求項1に記載の合成ケモカイン。
【請求項18】
当該EC50が、1000nM、700nM、500nM、400nM、300nM、200nM、100nM、10nMおよび1nMからなる群から選択される濃度よりも小さい、請求項17に記載の合成ケモカイン。
【請求項19】
(1)対応する野生型ケモカインのEC50と等しいか、またはそれよりも小さいEC50を有し、前記EC50は、前記生物活性な合成ケモカインがその対応するケモカイン受容体の1つまたは複数に結合することを特徴とするinvitro細胞系アッセイにおいて測定され、前記受容体の1つまたは複数がウイルスの共受容体であり、
(2)水溶性ポリマーを有しない当該合成ケモカインと比較して10倍よりも大きい血清循環半減期を有する、
請求項1に記載の合成ケモカイン。
【請求項20】
当該EC50が、1000nM、700nM、500nM、400nM、300nM、200nM、100nM、10nMおよび1nMからなる群から選択される濃度よりも小さい、請求項19に記載の生物活性な合成ケモカイン。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図1C】
image rotate

【図1D】
image rotate

【図1E】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図2C】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図4C】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図6C】
image rotate

【図6D】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10A】
image rotate

【図10B】
image rotate

【図10C】
image rotate

【図10D】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2007−302667(P2007−302667A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−125054(P2007−125054)
【出願日】平成19年5月9日(2007.5.9)
【分割の表示】特願2002−508469(P2002−508469)の分割
【原出願日】平成13年7月12日(2001.7.12)
【出願人】(501084271)グリフォン セラピューティクス,インコーポレーテッド (4)
【Fターム(参考)】