説明

ポリマー組成物および用具

スルホニルジフェノール、ヒドロキシ安息香酸およびジカルボン酸を含む、整形外科用途で用いるに適した高強度生体吸収性ポリマー。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマー組成物およびこれを用いて製造した加工品に関する。詳細には、本発明は、高い機械的強度および弾性率を有する生体吸収性ポリマーおよび体内への移植に適した耐荷重性医療用具の製造のためのこれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
整形外科手術は、生体適合性と高荷重に耐える能力の両方を有するべき材料を移植することを伴う。伝統的には金属、例えばチタンおよびチタン合金などが用いられているが、それらは数多くの欠点を有する。近年、金属が整形外科用途で示す欠陥を克服することを目標とした生体適合性で生体吸収性のポリマーが開発された。しかしながら、現在の生体吸収性ポリマー、例えばポリ(グリコール酸)(PGA)およびポリ(乳酸)(PLA)およびこれらのコポリマーなどは耐荷重性整形外科用途に要求される強度を達成するには多大な処理を必要とする。その上、上記材料は高荷重下の変形に耐えるに充分な剛性も示さない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明によれば、少なくとも下記のモノマー:スルホニルジフェノール(BPS)、ヒドロキシ安息香酸(HBA)およびジカルボン酸(DCA)から形成されたポリマーが提供される。本発明によるポリマー組成物は、少なくともスルホニルジフェノール、ヒドロキシ安息香酸およびジカルボン酸モノマーから形成されたポリマー組成物であり、したがって、ポリマー組成物は他のモノマーも含んでいてもよい。モノマーは高純度形態であってもよくまたは合成中に除去される保護基を持っていてもよい。ポリマー組成物はスルホニルジフェノール、ヒドロキシ安息香酸およびジカルボン酸を含む。1つの実施形態では、ポリマーは、下記のモノマー:4,4'-スルホニルジフェノール、ヒドロキシ安息香酸およびジカルボン酸から作られたコポリエステルであってもよい。
【0004】
4,4'-スルホニルジフェノールは適切にはビスフェノール-S、ジメチルビスフェノール-Sまたはテトラメチルビスフェノール-Sである。ビスフェノールはハロゲンまたはより大きなアルキル基を含有していてもよい。ヒドロキシ安息香酸成分には、1,4-ヒドロキシ安息香酸、バニリン酸またはシリンガ酸が含まれ得るが、他のヒドロキシ安息香酸も当業者に知られているであろう。ジカルボン酸には、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸またはこれらの混合物が含まれる。適切な脂肪族ジカルボン酸には、セバシン酸、スベリン酸、ドデカン酸、アジピン酸、ジグリコール酸および3,6-ジオキサオクタン二酸が含まれる。適切な芳香族ジカルボン酸には、メタ-、イソ-またはパラ-アリーレンが含まれ、これらは追加的に1つまたは複数の置換基、例えばハロゲンまたは低級アルキル基なども含有していてもよい。テレフタル酸が特に適切な芳香族ジカルボン酸である。
【0005】
高強度のポリマーを得るには、DCAとBPSの比率を1対1に近くするのが好適である。適切にはHBAがポリマーの1から99モルパーセントを占めるようにすべきであり、適切にはHBAがポリマーの25から85モルパーセントを占めるようにすべきであり、好ましくはHBAがポリマーの50から75モルパーセントを占めるようにすべきであり、最も好ましくはHBAがポリマーの約62.5モルパーセントを占めるようにすべきである。
【0006】
本発明によれば、更に、ポリマーの製造方法も提供され、この方法は、スルホニルジフェノール、ヒドロキシ安息香酸およびジカルボン酸を溶媒中で混合する段階、混合物を約80℃に加熱する段階、ビルスマイヤー試薬を添加する段階、得られたポリマーを溶液から沈澱させる段階を含む。1つの実施形態では、下記のモノマー:4,4'-スルホニルジフェノール、ヒドロキシ安息香酸およびジカルボン酸から作られたポリマーを製造する方法が提供される。この方法では、モノマーを溶媒中で混合した後に約80℃に加熱する。次いで、ビルスマイヤー試薬を添加することでポリマーをその溶液から沈澱させる。
【0007】
このポリマーは、当業者に公知の方法を用い、更に精製することも可能である。
【0008】
適切な溶媒にはピリジン/ジメチルホルムアミドの混合物が含まれる。ピリジンとジメチルホルムアミドの大部分の比率が有効であるが、純粋な溶媒に近い混合物を用いると収率が低くなる。ビルスマイヤー試薬を製造する種々の方法が存在しており、これらは当業者に公知であろう。
【0009】
得られたポリマーは、典型的には溶融加工可能であり、200℃未満、好ましくは約180℃の融点を有し、交差偏光下で複屈折を示し得る。その上、それらは好ましくは、射出成形可能であり、有意なモル質量損失無しにガンマ殺菌可能である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
ポリマーは繊維に成形可能であり、その繊維は典型的に少なくとも150MPaの引張強度および少なくとも3GPaの引張係数を示すが、特定の高強度用途では、少なくとも250MPaの引張強度および少なくとも12GPaの引張係数を示す繊維が好適である。繊維は非晶質または半結晶性であり得る。半結晶性繊維の形成には、ポリ[(4-ヒドロキシ安息香酸)50(バニリン酸)25(4,4'-スルホニルビス(2-メチルフェノール))12.5(ジカルボン酸)12.5]を含むポリマーが特に適切である。ジカルボン酸は好ましくはアジピン酸である。繊維を少なくとも100℃でアニーリングすることにより、繊維の強度および引張係数を更に向上させることができる。
【0011】
ポリマーおよびこれを用いて製造した繊維は生体吸収性および/または生分解性であり、したがって、ヒトの体に用いる医療用具で用いるに適する。そのような用具には、縫合糸、ケーブル、プレート、ロッド、ネジ、ピン、ステント、医療用具用コーティング、薬剤送達用用具および複合用具または他のそのような品目が含まれる。そのような用具は射出成形により作製できる。射出成形された用具が示す弾性率は少なくとも4GPaであり得る。別の実施形態では、繊維をポリマーマトリクスの中に埋め込むことで繊維強化複合材料を生じさせる。好ましくは、複合材料の強度を向上させるために、繊維を実質的に一方向に配向させる。適切なポリマーマトリクス材料には、ポリ(ε-カプロラクトン)または当業者に公知の他のポリマーが含まれる。
【0012】
1つの実施形態では、ポリマーは非晶質ガラスである。そのようなガラスは形状記憶特性を有する物品に成形することができ、即ち最初に第1の形状を有する物品に成形し、次に、可塑的に変形させて第2の形状を有する物品とし、ポリマーのガラス転移温度未満の温度に冷却した物品であり、第2の形状を有する物品をポリマーのガラス転移温度より高い温度に加熱することにより、第1の形状を回復し得る物品に成形可能である。形状記憶物品に成形するのに適したポリマー組成物には、ポリ[(4-ヒドロキシ安息香酸)50(テレフタル酸)12.5(4,4'-スルホニルビス(2-メチルフェノール))25(ドデカン酸)12.5]が含まれる。
【0013】
本発明の1つの実施形態によれば、コポリエステルはポリ[(4-ヒドロキシ安息香酸)50(4,4'-スルホニルビス(2-メチルフェノール))12.5(アジピン酸)12.5(バニリン酸)25]を含む。
【0014】
本発明の1つの実施形態によれば、コポリエステルにはポリ[(4-ヒドロキシ安息香酸)50(4,4'-スルホニルビス(2-メチルフェノール))25(テレフタル酸)12.5(スベリン酸)12.5]を含む。
【0015】
本発明の別の実施形態は、ポリ[(4-ヒドロキシ安息香酸)60(バニリン酸)15(4,4'-スルホニルビス(2-メチルフェノール))12.5(セバシン酸)12.5]を含む。
【0016】
別の実施形態は、ポリ[(4-ヒドロキシ安息香酸)47(バニリン酸)23(4,4'-スルホニルビス(2-メチルフェノール))15(セバシン酸)15]を含む。
【0017】
本発明のさらなる適用領域は本明細書の以下に示す詳細な説明から明らかになる。詳細な説明および具体的な実施例は本発明の好適な実施形態を示すものであると同時に単に例示の目的を意図したものであり、本発明の範囲を限定することを意図するものでないと理解されるべきである。
【0018】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付図は、本発明の原理、特性および特徴を説明するための明細書と一緒に、本発明の実施形態を例示するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下の好適な実施形態(1つまたは複数)の記述は事実上単に例であり、本発明も本発明の適用も使用も決して限定することを意図するものでない。
【0020】
図1は、ポリマーの概略図を示し、BPSはスルホニル連結ビスフェノールであり、DCAは芳香族もしくは脂肪族のジカルボン酸または両方の混合物であり、HBAは芳香族ヒドロキシル酸または上記種の混合物、例えば1,4ヒドロキシ安息香酸とバニリン酸である。HBA単位は繰り返し単位数がゼロから大きな数に及び得るブロック形態で存在していてもよい。
【0021】
図2は、ポリマーの繰り返し構成単位の表示を示し、ここで、Yは、フェニレン核上の不活性な置換基であり、例えば、Yはメチル基であり、かつm=1であり;R1はパラ置換ヒドロキシ安息香酸であり;R2は脂肪族ジカルボン酸(例えばセバシン酸)と芳香族ジカルボン酸(例えばテレフタル酸)の等モル混合物である。
【0022】
図3は、脂肪基中の炭素数が大きくなると結果としてもたらされるポリマーの引張係数が低くなることを示す。
【0023】
図4は、ポリマーの水性環境中での分解の例を示す。ポリ[(4-ヒドロキシ安息香酸)50(バニリン酸)25(4,4'-スルホニルビス(2-メチルフェノール))12.5(セバシン酸)12.5]を含むポリマーを80℃の模擬体液(pH7の燐酸塩緩衝食塩水)に入れると15日間で分子量が50%以上失われる。
【0024】
図5は、繊維強化複合材料10の例を示す。ポリマー繊維30が実質的に一方向に配向するように、ポリマー繊維をポリマーマトリクス20の中に埋め込む。
【実施例1】
【0025】
2.0211gの4-ヒドロキシ安息香酸、1.2292gのバニリン酸、1.0170gの(4,4'-スルホニルビス(2-メチルフェノール))および0.7436gのセバシン酸を、2:1の比率のピリジンとジメチルホルムアミドの混合溶媒(18.75ml)に溶解させた。7.62gの塩化トシルを9.5mlのピリジンに溶解させ、それに4.5mlのジメチルホルムアミドを添加することでビルスマイヤー試薬を調製した。そのビルスマイヤーを試薬に90℃で15分かけて加えた。次いで、その反応物を過剰量のメタノールに入れることで沈澱させ、濾去した。ポリマーの溶解および再沈澱を繰り返し実施した後、真空乾燥させた。そのポリマーのクロロホルム溶液に関してポリスチレン標準に対するゲル浸透クロマトグラフィー分析を実施した結果、Mwは31345gモル-1、Mnは8034gモル-1、多分散性は3.90であることが分かった。
【実施例2】
【0026】
10.22gの(4,4'-スルホニルビス(2-メチルフェノール))、3.06gのテレフタル酸、3.22gのセバシン酸および10.12gの4-ヒドロキシ安息香酸を、2:1の比率のピリジンとジメチルホルムアミドの混合溶媒(100ml)に溶解させた。38.19gの塩化トシルを50mlのピリジンに溶解させ、それに22.8mlのジメチルホルムアミドを添加することでビルスマイヤー試薬を調製した。そのビルスマイヤーを試薬に80℃で25分かけて加えた。次いで、その反応物を過剰量のメタノールに入れることで沈澱させ、濾去した。ポリマーの溶解および再沈澱を繰り返し実施した後、真空乾燥させた。白色粉末状のポリマーを23.0g得た。そのポリマーのクロロホルム溶液に関してポリスチレン標準に対するゲル浸透クロマトグラフィー分析を実施した結果、Mwは40505gモル-1、Mnは10012gモル-1、多分散性は4.05であることが分かった。
【実施例3】
【0027】
10.21gの(4,4'-スルホニルビス(2-メチルフェノール))、3.08gのテレフタル酸、3.16gのスベリン酸および10.43gの4-ヒドロキシ安息香酸を、2:1の比率のピリジンとジメチルホルムアミドの混合溶媒(100ml)に溶解させた。38.65gの塩化トシルを50mlのピリジンに溶解させ、それに21.6mlのジメチルホルムアミドを添加することでビルスマイヤー試薬を調製した。そのビルスマイヤーを試薬に80℃で25分かけて加えた。次いで、その反応物を過剰量のメタノールに入れることで沈澱させ、濾去した。ポリマーの溶解および再沈澱を繰り返し実施した後、真空乾燥させた。白色粉末状のポリマーを22.4g得た。そのポリマーのクロロホルム溶液に関してポリスチレン標準に対するゲル浸透クロマトグラフィー分析を実施した結果、Mwは33995gモル-1、Mnは6808gモル-1、多分散性は5.02であることが分かった。
【実施例4】
【0028】
ポリマーの繊維を小型のラム押出し加工機を用いて調製した。ポリマーの粉末を加熱したバレル内で195〜230℃に加熱した後、60度の角度で先が細くなっている直径0.5mmのダイスに通して油圧式に押し出した。その生じた繊維を引っ張りながら冷却した後、10〜90rpmで回転している直径12cmの回転式ドラムで集めた。その繊維は生分解性繊維充填複合材料に入れる強化剤としてかまたはケーブルとして用いるに有用である。
【実施例5】
【0029】
ポリ[(4-ヒドロキシ安息香酸)50(バニリン酸)25(4,4'-スルホニルビス(2-メチルフェノール))12.5(アジピン酸)12.5]を、280℃のラム押出し加工機内で30分間アニーリングして明確なネマチック溶融物を得た。直径4mmのダイスを用いるラム押出し加工機を280℃で用いて高度に配向した半結晶性繊維を調製し、その押し出された溶融物から押出し加工フィラメントを20m/分の速度で引き出した後、室温に冷却した。弾性率および強度がそれぞれ12GPaおよび232MPaの配向した半結晶性繊維を得た。
【実施例6】
【0030】
種々の脂肪酸を用いたポリ[(4-ヒドロキシ安息香酸)50(バニリン酸)25(4,4'-スルホニルビス(2-メチルフェノール))12.5(ジカルボン酸)12.5]の射出成形を840バール下240℃で実施することでダンベル形状の試験片を生じさせた。図3に、脂肪酸が射出成形棒材の弾性係数に対して示した効果を示す。
【実施例7】
【0031】
ポリ[(4-ヒドロキシ安息香酸)50(テレフタル酸)12.5(4,4'-スルホニルビス(2-メチルフェノール))25(ドデカン酸)12.5]の形状記憶繊維を、ポリマーを240℃まで加熱して等方性液体を得ることにより調製した。その後、ポリマーを240℃でラム押出し加工した後、繊維を室温の空気中で冷却した。その後、第1の形状を有する繊維を150℃のゾーンで延伸して、配向した試験片(第2の形状)を調製した。その後、その配向繊維を150℃で弛緩させると、最初の未配向形状に戻った。
【実施例8】
【0032】
ポリ[(4-ヒドロキシ安息香酸)50(バニリン酸)25(4,4'-スルホニルビス(2-メチルフェノール))12.5(セバシン酸)12.5]を射出成形して長方形の棒材を生じさせた。寸法が2×8×5mm(質量が約0.12g)のサンプルを5mLの模擬体液(pH7の燐酸塩緩衝食塩水)に浸漬した。緩衝液とサンプルを密封型ガラス瓶に入れた。瓶を80℃のファンオーブン中に最長15日間入れた。下記の時点でサンプルを1個ずつ取り出した:3、6、9、12および15日目。残りの瓶の中の緩衝液を取り替えることでpHを維持した。そのサンプルを60℃で24時間真空乾燥させて乾燥させた後、重量平均重量分布をポリスチレンを基準にしたGPCで測定した。図4に、15日間に渡る分解プロファイルを示す。
【実施例9】
【0033】
ポリ[(4-ヒドロキシ安息香酸)50(バニリン酸)25(4,4'-スルホニルビス(2-メチルフェノール))12.5(アジピン酸)12.5]の半結晶性配向繊維をポリ(ε-カプロラクトン)マトリクスの中に埋め込んだ後、高圧下80℃で圧縮することで、一方向繊維強化複合材料を製造した。
【0034】
この上に相当する実例を言及することで記載した如き典型的な実施形態に対して種々の変更形態を本発明の範囲から逸脱せずに限り成すことが可能であることから、この上で行った説明に含め、添付図に示したあらゆる事項は限定としてではなくむしろ例示として解釈されるべきであることを意図する。このように、本発明の幅および範囲はこの上に記載した典型的な実施形態のいずれによっても限定されず、本明細書に添付の特許請求の範囲およびそれらの相当物に従うことでのみ限定されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】ポリマーの概略図である。
【図2】ポリマーの繰り返し構成単位の表示を示す図である。
【図3】脂肪酸がポリ[(4-ヒドロキシ安息香酸)50(バニリン酸)25(4,4'-スルホニルビス(2-メチルフェノール))12.5(ジカルボン酸)12.5]の弾性係数に対して示した効果を示す図である。脂肪酸の炭素数:6アジピン酸、8スベリン酸、9アゼライン酸。
【図4】ポリ[(4-ヒドロキシ安息香酸)50(バニリン酸)25(4,4'-スルホニルビス(2-メチルフェノール))12.5(セバシン酸)12.5]の80℃の模擬体液(pH7の燐酸塩緩衝食塩水)中での分解を示す図である。
【図5】本発明のポリマーの繊維を用いて製造した繊維強化複合材料の例を示す図である。
【符号の説明】
【0036】
10 繊維強化複合材料
20 ポリマーマトリクス
30 ポリマー繊維

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも下記のモノマー:スルホニルジフェノール、ヒドロキシ安息香酸、ジカルボン酸から形成されたポリマー。
【請求項2】
溶融加工可能である請求項1に記載のポリマー。
【請求項3】
約180℃の融点を有する請求項1または2に記載のポリマー。
【請求項4】
交差偏光顕微鏡測定下で複屈折を示す請求項1から3のいずれかに記載のポリマー。
【請求項5】
生体吸収性である請求項1から4のいずれかに記載のポリマー。
【請求項6】
生分解性である請求項1から5のいずれかに記載のポリマー。
【請求項7】
前記ジカルボン酸がテレフタル酸である請求項1から6のいずれかに記載のポリマー。
【請求項8】
前記スルホニルジフェノールがビスフェノール-S、ジメチルビスフェノール-Sまたはテトラメチルビスフェノール-Sを含む請求項1から7のいずれかに記載のポリマー。
【請求項9】
前記ビスフェノールがハロゲンを含む請求項8に記載のポリマー。
【請求項10】
前記ビスフェノールがC2からC10の範囲内のアルキル基を含む請求項8に記載のポリマー。
【請求項11】
前記ヒドロキシ安息香酸が1,4-ヒドロキシ安息香酸、バニリン酸またはシリンガ酸を含む請求項1から10のいずれかに記載のポリマー。
【請求項12】
前記ジカルボン酸とスルホニルジフェノールの比率が実質的に1対1である請求項1から11のいずれかに記載のポリマー。
【請求項13】
前記ヒドロキシ安息香酸がポリマーの25から85モルパーセントを含む請求項1から12のいずれかに記載のポリマー。
【請求項14】
前記ヒドロキシ安息香酸がポリマーの50から75モルパーセントを含む請求項1から13のいずれかに記載のポリマー。
【請求項15】
前記ヒドロキシ安息香酸がポリマーの62.5モルパーセントを含む請求項1から14のいずれかに記載のポリマー。
【請求項16】
ポリ[(4-ヒドロキシ安息香酸)50(4,4'-スルホニルビス(2-メチルフェノール))12.5(アジピン酸)12.5(バニリン酸)25]を含む請求項1から14のいずれかに記載のポリマー。
【請求項17】
ポリ[(4-ヒドロキシ安息香酸)60(バニリン酸)15(4,4'-スルホニルビス(2-メチルフェノール))12.5(セバシン酸)12.5]を含む請求項1から14のいずれかに記載のポリマー。
【請求項18】
ポリ[(4-ヒドロキシ安息香酸)47(バニリン酸)23(4,4'-スルホニルビス(2-メチルフェノール))15(セバシン酸)15]を含む請求項1から14のいずれかに記載のポリマー。
【請求項19】
ポリ[(4-ヒドロキシ安息香酸)50(4,4'-スルホニルビス(2-メチルフェノール))25(テレフタル酸)12.5(スベリン酸)12.5]を含む請求項1から14のいずれかに記載のポリマー。
【請求項20】
繊維に加工されている請求項1から19のいずれかに記載のポリマー。
【請求項21】
少なくとも150MPaの引張強度を有する請求項20に記載のポリマー繊維。
【請求項22】
少なくとも3GPaの引張係数を有する請求項20に記載のポリマー繊維。
【請求項23】
半結晶性である請求項20から22に記載のポリマー繊維。
【請求項24】
ポリ[(4-ヒドロキシ安息香酸)50(バニリン酸)25(4,4'-スルホニルビス(2-メチルフェノール))12.5(ジカルボン酸)12.5]を含む請求項23に記載のポリマー繊維。
【請求項25】
前記ジカルボン酸がアジピン酸である請求項24に記載のポリマー繊維。
【請求項26】
少なくとも250MPaの引張強度および少なくとも12GPaの引張係数を有する請求項24または25に記載のポリマー繊維。
【請求項27】
少なくとも100℃の温度でアニーリングをした請求項20から26のいずれかに記載のポリマー繊維。
【請求項28】
請求項20から27のいずれかに記載のポリマー繊維およびポリマーマトリクスを含む複合用具。
【請求項29】
前記繊維が実質的に一方向に配向している請求項28に記載の複合用具。
【請求項30】
前記ポリマーマトリクスがポリ(ε-カプロラクトン)である請求項28または29に記載の複合用具。
【請求項31】
非晶質ガラスである請求項1に記載のポリマー。
【請求項32】
最初に第1の形状を有する物品に成形し、次に可塑的に変形させて第2の形状を有する物品とし、ポリマーのガラス転移温度未満の温度に冷却するポリマーであって、第2の形状を有する物品をポリマーのガラス転移温度より高い温度に加熱することにより、第1の形状を回復し得る請求項31に記載のポリマー。
【請求項33】
ポリ[(4-ヒドロキシ安息香酸)50(テレフタル酸)12.5(4,4'-スルホニルビス(2-メチルフェノール))25(ドデカン酸)12.5]を含む請求項32に記載のポリマー。
【請求項34】
請求項1から33のいずれかに記載のポリマーを含む整形外科的修復用用具。
【請求項35】
縫合糸またはケーブルである請求項34に記載の用具。
【請求項36】
プレートである請求項34に記載の用具。
【請求項37】
ロッドである請求項34に記載の用具。
【請求項38】
射出成形で成形した請求項34に記載の用具。
【請求項39】
少なくとも4GPaの弾性率を有する請求項38に記載の用具。
【請求項40】
ポリマーの製造方法であって、スルホニルジフェノール、ヒドロキシ安息香酸およびジカルボン酸を溶媒中で混合する段階、混合物を約80℃に加熱する段階、ビルスマイヤー試薬を添加する段階、得られたポリマーを溶液から沈澱させる段階を含む方法。
【請求項41】
更に前記ポリマーを精製する段階を含む請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記溶媒がピリジンおよびジメチルホルムアミドを含む請求項40に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−531510(P2009−531510A)
【公表日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−502194(P2009−502194)
【出願日】平成19年3月23日(2007.3.23)
【国際出願番号】PCT/GB2007/001065
【国際公開番号】WO2007/110609
【国際公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(391018787)スミス アンド ネフュー ピーエルシー (79)
【氏名又は名称原語表記】SMITH & NEPHEW PUBLIC LIMITED COMPANY
【Fターム(参考)】