説明

ポリマー/過酸化水素複合体に基づいた組成物及びその使用

本発明は、ポリマー−H複合体を含む第1無水組成物(前記組成物は過酸化水素と非共有化学結合を形成することができる水素結合受容基を有する)と、Hの分解を促進する活性化剤を含む第2組成物とを含む、皮膚の外観の改善する化粧用アセンブリに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマー−H複合体を含む第1無水組成物と、Hの分解を促進する活性化剤を含む第2組成物とを含む化粧用アセンブリに関する。
また、化粧品若しくは皮膚科学の分野におけるこの化粧用アセンブリの使用又はこのアセンブリを皮膚に適用することを含む化粧方法に関する。
【背景技術】
【0002】
消費者は、計測可能な短期間の効果で皮膚の外観に顕著で永続する改善を有するスキンケア製品を探している。特に、望ましい効果は、皮膚起伏、あまり目立たない孔及び/若しくはあまり明かではない微起伏やしわを滑らかにすること、しみを希薄化すること、特にくすんだ皮膚若しくは色黒の皮膚をより鮮やかな肌色にすること又は特に脂性の皮膚においてより清潔な若しくはてかりの少ない皮膚である。これらの結果は、比較的長い処置時間かかって(3か月超)従来のケア製品により得ることができる。化学薬品による剥離のような他の処置も、数回の適用を実施した後、永続的及び知覚可能な様式で皮膚の外観を改善することを可能にする。例えば適用実施の数日後の著しい落屑のように、これらの処置には一般に大きな欠点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
脂性の皮膚は、てかりがあり、時々油っぽい外観を有し、ねばねばしており、拡大した毛包脂腺孔を有する皮膚により特徴付けられる。皮脂過分泌は、一般に、内分泌腺によるアンドロゲンの過剰産生又は周囲のプロアンドロゲン及び/若しくはアンドロゲンからの皮脂腺における過剰周辺産生のいずれかに起因するアンドロゲン過剰症に関連する。
ざ瘡の傾向を有する脂性の皮膚は、一般に、皮膚欠陥、拡大孔、皮膚の不均一なきめ及び赤い斑点を示す。
【0004】
しかし、既知の組成物は、皮膚の外観に顕著で永続する改善を迅速に得ることを可能にしない。更に、従来技術の既知の組成物よりも安定し良好に許容される利用可能な皮膚ケア製品を有することが望ましい。
【0005】
ポリビニルピロリドン−H複合体を含む配合物がざ瘡の処置に提案されている。したがって、米国特許第5,122,370号(ISP)は、無水媒質に分散したポリビニルピロリドン−H複合体のざ瘡の処置における使用を記載する。しかし、提案された配合物は本発明において考慮されるような化粧用途には十分ではない。
【0006】
したがって、皮膚の外観における顕著で永続する改善のための、特に、皮膚起伏、あまり目立たない孔及び/若しくはあまり明かではない微起伏やしわを滑らかにすること、しみを希薄化すること、特にくすんだ皮膚若しくは色黒の皮膚をより鮮やかな肌色にすること又は特に脂性の皮膚においてより清潔な若しくはてかりの少ない皮膚を得る目的のための、化粧処置を提供する必要性が依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
出願人は、驚くべきことに、そして予想外のことに、下記に定義される化粧用アセンブリが上記に特定された必要性を満たすのを可能にすることを示すことができた。
【0008】
出願人により調製される化粧用アセンブリの組成物は、安定しており、皮膚の外観を改善するのに特に効果的である。更に、本発明の化粧用アセンブリにより提供されるケアは、利用可能な化粧ケアよりも皮膚において良好に許容される。
【0009】
したがって本発明の主題は、下記:
−少なくとも1つのポリマー−H複合体を含む第1無水組成物(前記ポリマーは、過酸化水素と非共有化学結合を形成することができる水素結合受容基を示す);及び
−Hの分解を促進する少なくとも1つの活性化剤を含む第2組成物
を含む化粧用アセンブリである。
【0010】
本発明の化粧用アセンブリの使用は、特に、皮膚の欠陥、しみ及びざ瘡病変を希薄にすること、皮膚起伏を滑らかにすること、孔をあまり目立たなくすること(特に孔の大きさを低減することにより)、面皰及び黒色面皰の数を低減すること、微起伏及びしわをあまり明らかにしないこと、特にくすんだ、蒼白な若しくは色黒の皮膚において、皮膚の鮮やかさを回復すること、及び/又は特に皮膚のつや消し外観を促進する若しくは皮膚のてかりを低減することによる脂性皮膚の外観を改善することによって、皮膚の外観の改善を可能にする。本発明の化粧用アセンブリは、また、皮膚を明るくすること、肌色の鮮やかさを促進すること、肌色を均一にすること、しみ、特に加齢しみ若しくは日光による汚斑を低減すること、又はメーキャップの持ちを改善することを可能にする。
【0011】
したがって本発明の目的は、皮膚の外観を改善するための、特に少なくとも1つの上記記述の効果を皮膚に与えるための化粧方法であって、本発明の化粧用アセンブリを、前記アセンブリを構成する組成物を混合した後で皮膚に適用することを含む。
【0012】
本発明の別の目的は、特に皮膚をつや消しにする目的の脂性皮膚の化粧ケア方法であって、上記記載の化粧用アセンブリを、前記アセンブリを構成する組成物を混合した後で皮膚に局所適用することを含む。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここで、本発明の化粧用アセンブリを構成する組成物を詳細に記載する。
【0014】
本発明の化粧用アセンブリの第1組成物は、このように、少なくとも1つのポリマー−H複合体を含む無水組成物である。
【0015】
本発明の文脈における用語「ポリマー−H複合体」は、下記に定義されているポリマーと過酸化水素の複合体を意味する。複合体を、特に、本発明の第1組成物に組み込まれる前に形成することができる。前記複合体において、ポリマーと過酸化水素は、特に水素結合を介して非共有結合している。
【0016】
用語「ポリマー」は、本発明の文脈において、過酸化水素と非共有化学結合を形成することができる水素結合受容基である基を示す任意のポリマーを意味する。水素結合受容基は、前記ポリマーの直鎖構造(又は直鎖の主鎖)において、過酸化水素と安定した水素結合を形成するように、炭素原子5個以下、好ましくは炭素原子3個以下の間隔で有利に離されている。好ましくは、水素結合受容基は、過酸化水素と1:1のモル比、2:1のモル比又はこれらの混合の比率で非共有化学結合を形成する。水素結合受容基は、化学の分野における技術水準の一部を形成する。記述されうるものは、酸素又は窒素原子のような、自由電子対を有するヘテロ原子である。
水素結合受容基は、好ましくはN−C=O又はN−C=N基であり、これは前記ポリマーの直鎖構造に組み込まれうるか又はポリマーの炭素含有側鎖、例えば直鎖又は環、好ましくは環により担持されうる。
【0017】
好ましくは、ポリマーは皮膚に連続膜を形成することができ、したがって皮膜形成の性質を示す。
【0018】
本発明の化粧用アセンブリの第1組成物に使用することができるポリマーのうち、好ましいものは、N−ビニル複素環単位に基づいたポリマーである。
N−ビニル複素環単位に基づいたポリマーは、N−ビニル複素環モノマーから誘導される、ホモ−又はコポリマーであり、好ましくは、複素環においてカルボニル(C=O)基及び窒素原子が含まれる3〜7個の原子を示し、そしてビニル基を含むN−ビニル複素環モノマーを含む。好ましくは、環は5〜6個の原子を含み、硫黄又は酸素のようなヘテロ原子を含み、置換されていても、いなくてもよい。好ましくは、N−ビニル複素環モノマーは、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン若しくはN−ビニルイミダゾール又はこれらの混合物である。考慮されうるコモノマーは、酢酸ビニル、酢酸イソプロペニル、ラウリン酸ビニル、安息香酸ビニル、メチルビニルエーテル、2−メチルビニルイミダゾール、N−ビニルピペリドン、N−ビニル−2−オキサゾリドン、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、スチレン又はカチオン変性ビニルモノマーであることができる。適切なコポリマーは、例えば、ポリマーの総重量に対して30〜99重量%のN−ビニルモノマー及び1〜70重量%のコモノマーを含む。有利には、ポリマーは、ポリ−N−ビニル−ポリ−2−ピロリドン又はそのコポリマーのうちの1つである。ポリ−N−ビニル−ポリ−2−ピロリドンは、ポリビニルピロリドン又は「PVP」としても一般的に知られている。ポリマーは、可溶性又は不溶性であり、架橋されている又はされていない、PVPポリマーを含む。PVPを含有するコポリマーは、ビニルピロリドン/酢酸ビニル(コポリビドン、コポリビドナム又はVP−VAcの名称でも知られている)から又はビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートから誘導することができる。
【0019】
本発明の文脈において、用語「ポリビニルピロリドン−H複合体」又は「PVP−H」は、上記に定義されたポリビニルピロリドンと過酸化水素の複合体を意味する。PVP−H複合体は、それらの皮膜形成特性と、配合媒質が何であるかに関わりなく同等のHレベルで遊離過酸化水素と同じ活性を示すという事実とを利点として有する。これらは、容易な適用と顔面における生成物の良好な保持とを可能にし、同時に、特に眼の中に流れ込むのを回避することを可能にする。
【0020】
ポリマー−H複合体は、当業者に既知の手順によって生成することができる。
特に、米国特許第5、077,047号(ISP)、米国特許第5,122,370号(ISP)又は米国特許第5,674,436号(BASF)の特許及びこれらの特許に引用されている参考文献に記載されている方法のうちの1つを選択することができる。あるいは、市販のポリマー−H複合体が選択される。このような訳で、記述されうるものは、Peroxydone(登録商標)のブランド、特にPeroxydone(登録商標)K-30及びK-90の製品、好ましくはPeroxydone(登録商標)K-30でISPにより販売されている製品である。Peroxydone(登録商標)K-30及びK-90の製品は、それぞれ、分子量が58,000及び1,300,000のN−ビニルピロリドンの直鎖ホモポリマーであり、複合体の総重量に対して17〜20重量%の量で存在する過酸化水素と複合体形成する。
【0021】
上記に記載された複合体における過酸化水素の量は、前記複合体の総重量に対して過酸化水素の重量パーセントとして表すことができる。
【0022】
過酸化物指数(PI)は、試料に存在する生成物(過酸化水素を含むポリマー−H複合体)の量であり、標準ISO3960及びAFNOR T 60−220により定義された操作条件下でヨウ化カリウムを酸化する、1キログラムあたりの活性酸素のミリ当量として表された。
【0023】
複合体におけるHの重量パーセントは、
過酸化物/1000/10×PMを含む会合のPI
に対応し、ここで
MW=Hの分子量であり、
PI=原材料(特に過酸化水素を含むポリマー−H複合体)の過酸化物指数であり、標準ISO3960及びAFNOR T 60−220により定義された操作条件下で計算される。
【0024】
例としては、前記複合体における過酸化水素の量は、特に、前記複合体の重量に対して0.1〜30重量%、好ましくは10〜25重量%であることができる。
【0025】
好ましくは、第1組成物におけるHの量は、0.1〜30%である。好ましくは、0.1〜25重量%、好ましくは0.1〜20重量%である。
好ましい実施態様において、化粧用アセンブリの第1組成物は、前記第1組成物の総重量に対して0.5〜25重量%の過酸化水素を含む。
【0026】
有利には、上記に記載された複合体の量は、化粧用アセンブリ(すなわち、上記に定義された化粧用アセンブリの第1及び第2組成物を混合して得られた組成物)におけるHの含有量が、化粧用アセンブリの総重量に対して0.01〜7重量%、好ましくは0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜2重量%であるようなものであり、Hの特定の量は、化粧用アセンブリの総重量に対して0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3及び4重量%である。
【0027】
第1組成物におけるポリマー−H複合体の量は、特に、第1組成物の総重量に対して0.1〜100重量%であることができる。
【0028】
特定の形態によると、第1組成物は、ポリマー−H複合体から構成され、前記ポリマーは、好ましくはPVPである。この形態によると、第1組成物は、特に粉末の形態である。
【0029】
別の実施態様によると、第1組成物は、第1組成物の総重量に対して、ポリマー−H複合体を、特に0.5〜85重量%の、特に1〜75重量%、2〜55重量%、3〜45重量%、好ましくは5〜40重量%、さらにより好ましくは10〜40重量%含む。有利には、複合体は、第1組成物の総重量に対して11〜22重量%の量で存在する。
【0030】
本発明の特定の実施態様によると、化粧用アセンブリの第1組成物は、上記に定義されたポリマー−H複合体及び化粧用又は皮膚科用に許容される無水ビヒクルを含む。本発明のアセンブリは皮膚への局所使用が意図されているので、第1組成物のビヒクルは、とりわけ、不快な臭い、色又は外観を有さず、使用者に許容されないちくちく感、こわばり感又は発赤を生じることなく、化粧用又は皮膚科用に許容されなければならない。
【0031】
用語「化粧用又は皮膚科用に許容されるビヒクル」は、皮膚、粘膜、爪、頭皮及び/又は毛髪のようなヒトのケラチン性物質に適合性がある媒質を意味することが理解される。
【0032】
本明細書の文脈における用語「ビヒクル」は、有機溶媒又は有機溶媒の混合物を意味する。有機溶媒は、特に、化粧用又は皮膚科用に許容されるグリコール(グリコールビヒクル)、アルコール(アルコールビヒクル)、ケトン、エーテル、エステル、アルデヒド及びこれらの混合物に基づいたビヒクルから選択することができる。
【0033】
用語「アルコールビヒクル」は、ビヒクルの少なくとも50重量%を表す少なくとも1つの水溶性低級モノアルコールを含むビヒクルを意味することが理解される。用語「低級モノアルコール」は、1〜8個の炭素原子を含み、単一のヒドロキシル官能基のみを含むアルコールを意味することが理解される。記述されうるものは、低級モノアルコールとして、例えば、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール及びこれらの混合物である。好ましくは、1〜4個の炭素原子を含む第一級アルコールが選択される。エタノールが好ましい。
【0034】
用語「グリコールビヒクル」は、少なくとも2つのヒドロキシル官能基を示す少なくとも1つの有機化合物(本記載ではグリコールが言及されている)を含むビヒクルを意味することが理解される。
【0035】
特に、記述されうるものは下記である:
−グリセロール;
−モノマーグリコール、特にジオール、例えば、とりわけプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、エチレングリコール、ヘキシレングリコール、イソプレングリコール、ペンチレングリコール、ブタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ペンタンジオール、特に1,5−ペンタンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール及びこれらのエーテル、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル又は2−ブトキシエタノール;
−ポリマーグリコール、例えば、特に高又は低分子量ポリエチレングリコール(PEG)、とりわけPEG−8(又はポリエチレン400)、PEG−6及びPEG−12のような分子量が600未満のポリエチレングリコール。
【0036】
好ましいグリコールのうち記述されうるものは、ポリマーグリコール、特にPEG−8(又はポリエチレン400)、PEG−6及びPEG−12のような分子量が600未満のポリエチレングリコールである。
好ましいPEGとして記述されうるものは、PEG−8又はPEG−6である。
【0037】
特定の形態によると、本発明のグリコールビヒクルは、モノマーグリコール及びPEG又は低分子量PEG及び高分子量PEGから選択される少なくとも2つのグリコールを含む。
別の特定の形態によると、本発明のグリコールビヒクルは、グリセロール又はPEGから選択される少なくとも1つのジオール及び少なくとも1つのグリコールを含む。例として、グリコールビヒクルは、以下のグリコールの組み合わせを含むことができる:
−(プロピレングリコール又はブチレングリコール)とグリセロール;
−(プロピレングリコール又はブチレングリコール)とPEG−8;
−(プロピレングリコール又はブチレングリコール)とグリセロール及びPEG−8。
【0038】
有利には、本発明のグリコールビヒクルは、ブチレングリコールと、場合によりPEG−8を含む。好ましくは、グリコールビヒクルはPEG−8を含む。
【0039】
好ましい実施態様において、本発明の化粧用アセンブリの第1組成物は、PVP−H複合体と、PEG−8を含むグリコールビヒクルとを含む。
【0040】
好ましい形態によると、グリコールビヒクルがグリコール/グリセロール混合物を含む場合、グリセロール含有量は、ビヒクルの総重量に対して50重量%未満のグリセロールである。
【0041】
別の好ましい形態によると、ビヒクルが、グリセロールに基づいたグリコールビヒクルとアルコールビヒクル(特に、エタノールに基づく)の混合物から構成される場合、グリセロール含有量は、ビヒクルの総重量に対して50重量%未満のグリセロールである。
【0042】
別の形態によると、ビヒクルは、少なくとも1つの上記に定義された(好ましい形態を含む)グリコール、好ましくはモノマーグリコール及び/又はポリマーグリコールと、少なくとも1つの上記に定義されたアルコール、好ましくはエタノールとを含むビヒクルを含む。
【0043】
組成物においてビヒクルとして使用することができる他の有機溶媒のうち、特に記述されうるものは、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン、アセトンのような周囲温度(20〜25℃)で液体であるケトン;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノ(n−ブチル)エーテルのような周囲温度で液体であるプロピレングリコールエーテル;ガンマ−ブチロラクトンのような環状エーテル;酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソペンチル、酢酸メトキシプロピル又は乳酸ブチルのような短鎖エステル(合計で3〜8個の炭素原子を有する);ジエチルエーテル、ジメチルエーテル又はジクロロジエチルエーテルのような周囲温度で液体であるエーテル;ベンズアルデヒド又はアセトアルデヒドのような周囲温度で液体であるアルデヒド;及びこれらの混合物である。
【0044】
特に好ましい実施態様において、第1組成物のビヒクルは、少量の油を含む。換言すると、油の量は、一般に、第1組成物の総重量に対して10重量%を超えない。第1組成物における油の量は、好ましくは、第1組成物の総重量に対して7重量%以下、さらにより好ましくは5重量%未満、好ましくは4重量%未満である。好ましくは、第1組成物のビヒクルは油を含まない。上記に示されているように、第1組成物の複合体に使用されるポリマーは、皮膜形成特性を有する。したがって、皮膜形成ポリマーと油の混合物は、油が上記に示されている量よりも多い場合、化粧用途にあまり適合しない外観及びきめを示す組成物の形成をもたらす。用語「油」は、本発明によると、周囲温度(およそ25℃)で液体であり、特に下記に定義されているような脂肪物質を意味することが理解される。
【0045】
特に有利な実施態様において、本発明の第1組成物は、ポリマー−H複合体として、Peroxydone(登録商標)の名称でISPにより販売されているPVP−H複合体の1つ、特にPeroxydone(登録商標)K-30及びK-90の製品、好ましくはPeroxydone(登録商標)K-30を含む。好ましくは、このPVP−H複合体はPEG−8に分散されている。
【0046】
本発明の化粧用アセンブリの第1組成物は、無水である。換言すると、第1組成物の含水量は低い。したがって、水の量は、一般に、第1組成物の総重量に対して10重量%を超えない。特に、使用される原材料から一般的に由来する少量の水を含むことができる。
【0047】
第1組成物における水の量は、好ましくは、第1組成物の総重量に対して7重量%以下、さらにより好ましくは5重量%未満、好ましくは4重量%未満である。
本発明の第1組成物における低含水量は、組成物における過酸化水素のより大きな安定性という効果を有する。
【0048】
好ましい実施態様において、本発明のアセンブリの第1組成物は、Hの分解を促進する活性化剤を含まない(用語「Hの分解を促進する活性化剤」の定義における第2組成物の下記記載を参照すること)。したがって、活性化剤は、過酸化水素と離されており、このことは本発明の化粧ケアの有効性を改善することを可能にする。
【0049】
化粧料アセンブリの第2組成物は、Hの分解を促進する少なくとも1つの活性化剤を含む。
用語「Hの分解を促進する活性化剤」は、水及び酸素へのHの分解をもたらすことができる任意の分子又は組成物を網羅する。
したがって、この用語は、当業者に既知の多数の化合物を網羅する。活性化剤として特に記述されうるものは、塩基性化合物、とりわけ水酸化ナトリウム又はカリウム、アンモニア又はトリエタノールアミン、重炭酸ナトリウム(又はアンモニウム)、炭酸ナトリウム、グルコン酸マンガン、ホウ酸ナトリウム、過酸化カルシウム、水酸化カルシウム、塩基性アミノ酸及びこれらの塩、例えばリシン、アルギニン及びこれらの塩;グアニジン;炭酸カリウム、尿素、アミノメチルプロパノール、アミノプロパノール、モノエタノールアミン(MEA)、アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)、ケイ酸ナトリウム又はマグネシウム誘導体、特にラポナイト(とりわけRockwoodにより販売されているLaponite XLG)、スメクタイト、メタケイ酸ナトリウム、ヘクトライト、塩基性ゼオライト、特にX-MOLとしてZeochemにより販売されているゼオライト、又はこれらの混合物である。有利には、活性化剤は、重炭酸ナトリウム、ラポナイト、ゼオライト、過酸化カルシウム、水酸化ナトリウム(好ましくは水中10%)、メタケイ酸ナトリウム及びこれらの混合物から選択される。活性化剤は、好ましくは重炭酸ナトリウム、ゼオライト及び過酸化カルシウムから選択される。特に好ましくは、活性化剤はゼオライトである。したがって、特定の実施態様において、本発明の化粧用アセンブリの第2組成物は、ゼオライトを含む。
【0050】
有利には、本発明の化粧用アセンブリは、
−好ましくはPEG−8を含むグリコールビヒクル中にPVP−H複合体を含む、第1無水組成物、及び
−ゼオライトを含む第2組成物
を含む
【0051】
活性化剤は、混合物(ポリマー−H/水)の総重量に対して11重量%のポリマー−H複合体と(水性組成物中のHの率が2%である)水中で混合されると、8.5を超える、好ましくは9を超えるpHを生じることができる化合物又は組成物から好ましく選択することができる。
【0052】
PVP−H複合体の場合、以下の手順を用いて、活性化剤を選択することができる。75gの水中の11gのPeroxydone K-30(登録商標)(ISP)の分散体が生成され、それに増加量の活性化剤を添加する。pHを、それぞれの添加の直後に測定する。活性化剤を、活性化剤/Hの重量比が10に達するまで、過剰量で加える。この例では、Hの量はおよそ2gであり、それはPeroxydone K-30(登録商標)が、Peroxydone K-30(登録商標)(すなわち、複合体)の総重量に対して18.5重量%のHを含むからである。
好ましい活性化剤は、RockwoodのラポナイトXLG、Zeochemにより販売されるゼオライトX−MOL、過酸化カルシウム、水酸化ナトリウム(水中10%)、メタケイ酸ナトリウム及びこれらの混合物から選択される(下記の表1を参照すること)。
【0053】
【表1】

【0054】
当業者は、本発明の化粧用アセンブリの組成物を混合した後、使用者の皮膚の外観を改善するために有効である、Hの分解に十分な量の活性化剤を特に注意深く導入する。
【0055】
上記に記載された試験において9〜11、好ましくは9〜10のpHを得ることを可能にする、1つ以上の活性化剤が好ましく選択される。
【0056】
第2組成物における活性化剤の量は、本発明の化粧用アセンブリの第1及び第2組成物の成分、それらの対応する量及びそれらのガレノス形態に依存する。特に、当業者は、本発明の化粧用アセンブリの組成物が混合される場合、もたらされる混合物が8.5を超える、好ましくは9を超える、特に9〜11、好ましくは9〜10のpHを表すことができるように、活性化剤の量を注意深く選択する。しかし、許容性の理由から、9〜9.5のpHが好ましい。例示として、上記の表1に基づいて定義された活性化剤の量を使用することができる。
【0057】
特定の形態によると、混合物のpHは、pH8.3〜9までである。
【0058】
本発明の文脈における用語「pHを表す可能性」は、化粧用アセンブリの2つの組成物の混合物の、この混合物が水を含む場合のpHを定義することであると理解される。
【0059】
本発明の第1組成物は無水であり、第2組成物も無水でありうる。この場合、2つの無水組成物の混合物は、pHの測定を可能にしない。無水混合物により表されるpHがどのようなものであるかを知るために、水をこの混合物に、水+組成物の混合物の総重量に対して、例えば15重量%を超える、好ましくは20重量%を超える量で加えて、pHを測定する。この測定されたpHが、表されたpHである。
【0060】
第2組成物は、少なくとも1つの活性化剤と、場合により、化粧用又は皮膚科用に許容されるビヒクルとを含む。
【0061】
代替的な形態によると、第2組成物は、1つ以上の活性化剤のみで構成される。この代替的形態によると、第2組成物は粉末形態であることができる。この代替的形態の好ましい実施態様によると、活性化剤は粉末形態のゼオライトである。さらにより好ましくは、第1組成物は、PVP−H複合体と、PEG−8を含むグリコールビヒクルとを含み、第2組成物は、粉末形態のゼオライトから構成される。
【0062】
別の代替的な形態によると、第2組成物は、少なくとも1つの活性化剤と、化粧用又は皮膚科用に許容されるビヒクルとを含む。本発明のアセンブリは皮膚への局所使用が意図されているので、第2組成物のビヒクルも、とりわけ、不快な臭い、色又は外観を有さず、使用者に許容されないちくちく感、こわばり感又は発赤を生じることなく、化粧用又は皮膚科用に許容されなければならない。
【0063】
化粧用アセンブリの第1組成物についての上記記載と同じビヒクルを第2組成物に使用することができる。加えて、第2組成物は、ビヒクルとして少なくとも1つの油を含むことができる。水を含むこともできる。
【0064】
例えば、本発明の組成物に使用することができる記述されうる油は、下記である:
−鉱物若しくは合成由来の直鎖若しくは分岐鎖炭化水素(例えば、揮発性若しくは非揮発性液体パラフィン及びこれらの誘導体、ペトロラタム、ポリデセン)又は水素化ポリイソブテン(例えば、Parleam(登録商標)油);イソドデカン(2,2,4,4,6−ペンタメチルヘプタンとしても知られている)、イソデカン又はイソヘキサデカンのようなC〜C16イソアルカンのようなC〜C16分岐鎖アルカン;
−ヘプタン酸若しくはオクタン酸のトリグリセリドのような4〜10個の炭素原子を含む脂肪酸の液体トリグリセリドのようなトリグリセリド;又はさらに例えばスイートアーモンド、ヒマワリ、トウモロコシ、ダイズ、カボチャ、コリアンダー、ブドウの種、ゴマ、ヘーゼルナット、アプリコット(ホンアンズ油)、マカデミア、アララ、ヒマシ油若しくはアボカド油のような植物由来の炭化水素油、Stearineries Duboisにより販売されているもの若しくはDynamit NobelによりMiglyol 810、812及び818の名称で販売されているもののようなカプリン酸/カプリル酸のトリグリセリド、ホホバ油若しくはシアバター油;
−特に脂肪酸の合成エステル及びエーテル、例えば式:RCOOR及びRORの油〔式中、Rは、8〜29個の炭素原子を含む脂肪酸の残基を表し、そしてRは、3〜30個の炭素原子を含む分岐鎖又は非分岐鎖の炭化水素鎖を表す〕、例えばピュアセリンオイル若しくはSymriseの660084 PCL-LIQUID(セテアリール2−エチレンヘキサノエートとイソプロピルミリステートの混合物)、イソノニルイソノナノエート、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、2−エチルヘキシルパルミテート(若しくはオクチルパルミテート)、2−オクチルドデシルステアレート、2−オクチルドデシルエルケート又はイソステアリルイソステアレート;イソステアリルラクテート、オクチルヒドロキシステアレート、オクチルドデシルヒドロキシステアレート、ジイソステアリルマレエート、トリイソセチルシトレート又は脂肪アルコールのヘプタノエート、オクタノエート若しくはデカノエートのような水素化エステル;プロピレングリコールジオクタノエート、ネオペンチルグリコールジヘプタノエート及びジエチレングリコールジイソノナノエートのようなポリオールエステル;並びにペンタエリトリトールテトライソステアレートのようなペンタエリトリトールエステル;
−イソセチルアルコール、イソステアリルアルコール及びこれらの混合物(セテアリールアルコール)、オクチルドデカノール、2−ブチルオクタノール、2−ヒドロキシルデカノール、2−ウンデシルペンタデカノール、オレイルアルコール又はリノレイルアルコールのような、8〜26個の炭素原子を有する脂肪アルコール;
−特開平02−295912に記載されているような部分的にヒドロカーボネート化及び/又はシリコネート化されているフッ素化油;またフッ素化油として記述されうるものは、ペルフルオロメチルシクロペンタン及びペルフルオロ−1,3−ジメチルシクロヘキサン(BNFL Fluorochemicalsにより「Flutec PC1(登録商標)」及び「Flutec PC3(登録商標)」の名称で販売されている);ペルフルオロ−1,2−ジメチルシクロブタン;ドデカフルオロペンタン及びテトラデカフルオロヘキサン(3Mにより「PF 5050(登録商標)」及び「PF 5060(登録商標)」の名称で販売されている)若しくはブロモペルフルオロオクチル(Atochemにより「Foralkyl(登録商標)」の名称で販売されている)のようなペルフルオロアルカン;ノナフルオロメトキシブタン(3Mにより「MSX 4518(登録商標)」の名称で販売されている)、並びにノナフルオロエトキシイソブタン;又は4−(トリフルオロメチル)ペルフルオロモルホリン(3Mにより「PF 5052(登録商標)」の名称で販売されている)のようなペルフルオロモルホリン誘導体;
−シリコーン油、例えば、周囲温度で液体又はペースト状である、直鎖若しくは環状シリコーン鎖を含む揮発性若しくは非揮発性ポリメチルシロキサン(PDMS)、特にシクロヘキサシロキサン及びシクロペンタシロキサンのようなシクロポリジメチルシロキサン(シクロメチコーン);アルキル基、アルコキシ若しくはフェニル基を含むか又はシリコーン鎖の側鎖若しくは末端にあるアルキル基、アルコキシ若しくはフェニル基を含むポリジメチルシロキサン(これらの基は2〜24個の炭素原子を有する);又はフェニルトリメチコン、フェニルジメチルコン、フェニル(トリメチルシロキシ)ジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコン、ジフェニル(メチルジフェニル)トリシロキサン、(2−フェニルエチル)トリメチルシロキシシリケート及びポリメチルフェニルシロキサンのようなフェニル化シリコーン;
−これらの混合物。
【0065】
好ましく使用されるものは、揮発性油、特に短鎖(C〜C20)の炭化水素、短鎖(C〜C20)のエーテル又は短鎖(C〜C20)のポリジメチルシロキサンのような、非酸化揮発性油である。特に述されうるものは、ジカプリリルエーテル及びシクロペンタシロキサンである。
【0066】
特定の実施態様において、本発明のアセンブリの第2組成物は、無水組成物である。換言すると、第2組成物の含水量は低い。したがって、水の量は、一般に、第2組成物の総重量に対して10重量%を超えない。特に、使用される出発材料から一般的に由来する少量の水を含むことができる。第2組成物における水の量は、好ましくは、第2組成物の総重量に対して7重量%以下、さらにより好ましくは5重量%未満、好ましくは4重量%未満である。
【0067】
別の実施態様において、本発明の第2組成物は、水を含む組成物である。水の量は、化粧ケアに考慮される組成物の種類に依存する。
好ましくは、この組成物は、本発明の化粧用アセンブリの第1及び第2組成物の混合物が、混合物の総重量に対して、水を70重量%未満、好ましくは50重量%未満、好ましくは40重量%含むような量で水を含む。この形態によると、そして好ましくは、第2組成物は、第2組成物の総重量に対して10重量%を超える水を含む。
【0068】
特定の実施態様において、本発明のアセンブリの第2組成物は、Hを含まない。
【0069】
本発明の別の特定の実施態様において、第2組成物は、活性化剤としてゼオライトと、ブチレングリコールを含む無水又は水性グリコールビヒクルとを含む組成物である。好ましくは、この実施態様において、ブチレングリコールを含むグリコールビヒクルは、水性ビヒクルである。
【0070】
特定の実施態様において、本発明の化粧用アセンブリの組成物は、少なくとも1つのゲル化剤又は増粘剤を含むこともできる。当業者は、組成物の一方若しくは他方又は両方に、化粧又は皮膚科用途に適合する任意のゲル化剤を注意深く組み込む。ゲル化剤として特に記述されうるものは、特にPEG120メチルジ(若しくはトリ)オレエート(例えば、NoveonのGlucamate DOE 120)又はPEG150ペンタエリトリトールテトラステアレート(例えば、CrodaのCrothix)のようなアルキルポリエチレングルコール(又はアルキルPEGとしても知られている);特にヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、Aqualon HerculesのKlucel HF Pharm)のようなセルロース誘導体;特にエチレンオキシドとプロピレンオキシドとエチレンオキシドの縮合物のようなポロキサマー(例えば、128 EO/54 PO/128 EO)(MW:14,000)、UniquemaによりSynperonic PE/F108の名称で販売(INCI名称:Poloxamer 338):又はアクリルアミドメチルプロパンスルホン酸のアクリルホモ−及びコポリマー、並びにホモ−及びコポリマー(AMPS:アンモニウムポリアクリロイルジメチルタウレート(例えば:ClariantのHostacerin AMPS))である。
【0071】
組成物におけるゲル化剤の量は、大きな範囲で変わることができ、好ましくは、考慮される組成物の総重量に対して、好ましくは0.01〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%である。
【0072】
本発明の組成物において、化粧用又は皮膚科用添加剤及び/又は活性成分を組み合わせることも可能である。
【0073】
したがって、起泡性界面活性剤を使用することが有利でありうる。
起泡性界面活性剤は洗剤であり、HLB(親水性油性バランス)の値が乳化界面活性剤と異なり、HLBは、分子における親水性部分と親油性部分の比である。用語「HLB」は、当業者に周知であり、例えば、“The HLB system. A time-saving guide to Emulsifier Selection”(ICI Americas Inc, 1984出版)に記載されている。
乳化界面活性剤では、HLBは、一般に、油中水(W/O)エマルションの調製では3〜8の範囲及び水中油(O/W)エマルションの調製では8〜18の範囲であるが、起泡性界面活性剤は、一般に20を超えるHLBを有する。
有利には、本発明の組成物は、20を超えるHLBを有する界面活性剤を含むことができる。
界面活性剤は、考慮される組成物の総重量に対して、0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜35重量%、優先的には0.5〜20重量%、特に1〜15重量%、さらには5〜10重量%の範囲の量で本発明のアセンブリの組成物に存在することができる。
【0074】
非イオン性界面活性剤は、例えば、アルキルポリグルコシド(APG)、マルトースエステル、ポリグリセロール化脂肪アルコール、2−エチルヘキシルオキシカルボニル−N−メチルグルカミンのようなグルカミン誘導体及びこれらの混合物から選択することができる。
アルキルポリグルコシドとしての使用が好ましいものは、6〜30個の炭素原子、好ましくは8〜16個の炭素原子を含むアルキル基と、好ましくは1、2又は3つグルコシド単位を含む親水性(グルコシド)基とを含むものである。アルキルポリグルコシドとして記述されうるものは、例えば、Kao ChemicalsによりMydol 10(登録商標)の名称で販売されている製品、CognisによりPlantaren 2000 UP(登録商標)の名称で販売されている製品及びSeppicによりOramix NS 10(登録商標)の名称で販売されている製品のようなデシルグルコシド(アルキルC9/C11ポリグルコシド(1.4));SeppicによりOramix CG 110(登録商標)の名称で販売されている製品のようなカプリリル/カプリルグルコシド;CognisによりPlantaren 1200 N(登録商標)及びPlantacare 1200(登録商標)の名称で販売されている製品のようなラウリルグルコシド;CognisによりPlantacare 818/UPの名称で販売されている製品のようなココグルコシド;並びにこれらの混合物である。
マルトース誘導体は、例えば、6’−(O−オクタノイル)−D−マルトースのような欧州特許公報第566,438号に記載されているもの、あるいは、フランス特許第2,739,556号に記載されている6’−(O−ドデカノイル)−D−マルトースである。
【0075】
ポリグルセロール化脂肪アルコールのうち記述されうるものは、ポリグルセロール化ドデカンジオール(グリセロール3.5mol)であり、ChimexによりChimexane NF(登録商標)の名称で販売されている製品である。
【0076】
アニオン性界面活性剤は、例えば、石鹸(脂肪酸のアルカリ金属塩)、カルボキシレート、アシルアミノ酸、アミドエーテルカルボキシレート、アルキルポリアミノカルボキシレート、ナトリウムラウレススルフェートのようなアルキルエーテルスルフェート、アルキルスルホネート、イセチオネート、アルキルメチルタウレート、アルキルスルホスクシネート、アルキルスルホアセテート、アルキルホスフェート(モノ−又はジアルキルホスフェート)、これらの塩及びこれらの混合物から選択することができる。
カルボキシレートとして特に記述されうるものは、アルキルグリコールカルボン酸(又は2−(2−ヒドロキシアルキルオキシ)酢酸)及び例えばSanyoによりBeaulight SHAA(登録商標)若しくはBeaulight LCA-25N(登録商標)の名称で販売されているナトリウムラウリルグリコールカルボキシレート(CTFA名称:ナトリウムラウリルグリコールカルボキシレート)のようなこれらの塩又はSanyoによりBeaulight SHAA (Acid Form)(登録商標)の名称で販売されている対応する酸形態である。
アシルアミノ酸として記述されうるものは、例えば、Amilite GCS 12の名称でAjinomotoにより販売されているナトリウムココイルグリシネート、Amisoft LS11の名称でAjinomotoにより販売されているナトリウムラウロイルグルタメート及びOramix L 30の名称でSeppicにより販売されているナトリウムラウロイルサルコシネートである。
アルキルホスフェートとして記載されうるものは、例えば、MAP 20の名称でKaoにより販売されているラウリルホスフェートである。
【0077】
両性及び双性イオン性の起泡性界面活性剤は、例えば、アミドプロピルベタイン、アンホアセテート及びアンホジアセテートを含むベタイン誘導体、ヒドロキシスルタイン及びこれらの混合物から選択することができる。
ベタイン誘導体として記述されうるものは、例えば、CognisによりDehyton AB-30(登録商標)の名称で販売されている製品のようなココベタイン;ClariantによりGenagen KB(登録商標)の名称で販売されている製品のようなラウリルベタイン;Shin Nihon RicaによりLauryl Ether (10 OE) Betaine(登録商標)の名称で販売されている製品のようなオキシエチレン化ラウリルベタイン(10OE);Shin Nihon RicaによりStearyl Ether (10 OE) betaine(登録商標)の名称で販売されている製品のようなオキシエチレン化ステアリルベタイン(10OE);例えばCognisによりVelvetex BK 35(登録商標)の名称で販売されているコカミドプロピルベタイン;例えばCecaによりAmphoram U(登録商標)の名称で販売されているウンデシレンアミドプロピルベタイン;及びこれらの混合物である。
アンホアセテート及びアンホジアセテートとして記述されうるものは、例えば、Rhodia Chimieにより Miranol C2M Concentrate NP(登録商標)の名称で販売されている製品のようなN−二ナトリウムN−ココイルーN−カルボキシメトキシエチル−N−(カルボキシメチル)エチレンジアミン(CTFA名称:二ナトリウムココアンホジアセテート);N−ナトリウム−N−ココイル−N−ヒドロキシエチル−N−(カルボキシメチル)エチレンジアミン(CTFA名称:ナトリウムココアンホアセテート);及びこれらの混合物である。
本発明の実施態様によると、本発明に適した界面活性剤は、アルキルポリグリコシド、ベタイン誘導体、アルキルグリコールカルボン酸及びその塩、アルキルエーテルスルフェート、アルキルホスフェート、アンホジアセテート、アンホアセテート、アルキルグリシネート、アシルグルタメート、アシルサルコシネート及びこれらの混合物から選択することができる。
一つの実施態様によると、本発明に適した界面活性剤は、デシルグルコシド、ココイルグルコシド、ナトリウムラウリルエーテルスルフェート、ココイルベタイン、ラウロイルベタイン、ココアミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、ラウリルグリコールカルボキシレート、ココアンホ(ジ)アセテート、ラルロアンホ(ジ)アセテート、カリウムラウリルホスフェート又はこれらの混合物から選択することができる。
【0078】
好ましい起泡性界面活性剤として記述されうるものは、下記である:
−ナトリムココイルイセチオネート、例えば、Jordapon CI P(登録商標)の名称でBASFにより販売されているナトリウムココイルイセチオネート/ナトリウムイセチオネート混合物;
−デシルグルコシド、例えば、Cognisにより販売されているPlantacare 2000 UP(登録商標);
−カリウムラウレート、例えば、Stearinerie Duboisにより販売されているLaurate de Potassium DUB LK(登録商標);
−ナトリウムラウロイルOATアミノ酸、例えば、SeppicによりProteol OAT(登録商標)の名称で販売されている、保護ナトリウム塩形態(フェノニップ1.4%)のラウロイルオートムギアミノ酸の30%水溶液;
−カリウムラウロイルコムギアミノ酸、例えば、CrodaによりAminofoam W OR(登録商標)の名称で販売されている、水中25%の安定化された(フェノニップ/カリウムソルベート0.4−0.4%)カリウムラウロイル加水分解コムギタンパク質;
−ポリグリセリル−3ヒドロキシラウリルエーテル又はポリグリセロール化ドデカンジオール(グリセロール3.5mol)、例えば、ChimexのChimexane(登録商標);
−ナトリウムラウリルエーテルスルフェート、例えば、CognisのTexapon AOS 225 UP(登録商標);
−N−二ナトリウムN−ココイル−N−カルボキシメチルエチル−N−(カルボキシメチル)エチレンジアミン(CTFA名称:二ナトリウムココアンホジアセテート)、例えば、Rhodia ChimieによりMiranol C2M Concentrate NP(登録商標)の名称で販売されている製品;
−水溶液中のココベタイン又はココイルベタイン、例えば、RhodiaのMirataine BB/FLA;
−PEG−7グリセリルココエート又はオキシエチレン化グリセリルココエート(7OE)、例えば、CognisのCetiol HE(登録商標);
−ラウリルベタイン、例えば、HuntsmanによりEmpigen BB/LS(登録商標)の名称で販売されている、水溶液中30%のラウリルジメチルアミンベタイン;
−ナトリウムココアンホアセテート、例えば、RhodiaによりMiranol Ultra C 32(登録商標)の名称で販売されている、ナトリウムN−ココイルアミドエチル−N−(ヒドロキシエチル)グリシネートの32%水溶液;
−トリエタノールアミンラウリルスルフェート又はTEA−ラウリルスルフェート、例えば、CognisによりTexapon T 42(登録商標)の名称で販売されている、トリエタノールアミンラウリルスルフェート(C12/C14 70/30)の40%の水溶液;
−SanyoによりBeaulight SHAA(登録商標)又はBeaulight LCA-25N(登録商標)の名称で販売されているナトリウムラウリルグリコールカルボキシレート(CTFA名称:ナトリウムラウリルグリコールカルボキシレート)又はSanyoによりBeaulight SHAA (Acid Form)(登録商標)の名称で販売されている対応する酸形態;
−MAP 20(登録商標)の名称でKaoにより販売されているラウリルホスフェート;
−ナトリウムココイルグリシネート、例えば、AjinomotoのAmilite GCS(登録商標)12。
【0079】
また、本発明のアセンブリの組成物において使用されうるものは、薄片粒子、充填剤又はこれらの混合物である。
【0080】
薄片粒子として使用されうるものは、鉱物、植物又は有機物由来の薄片又は擦片粒子(scrubbing particles)である。したがって、使用されうるものは、例えば、EquistarによりMicrothene MN 727若しくはMicrothene MN 710-20の名称で販売されているようなポリエチレンビーズ若しくは粉末、又はDupontによりGotalene 120 Colorless 2の名称で販売されている粉末;Orgasol 2002 EXD NAT COSの名称でArkemaにより販売されているナイロン粒子;Pulpe Polyamide 12185 Taille 0.3 mmの名称でUtexbelにより販売されているポリアミド繊維のような繊維;ポリ(塩化ビニル)粉末;Eyraudのpumice 3/Bのような軽石(INCI名称);アプリコット仁又はクルミ殻由来の粉砕材料のような粉砕果実仁殻;おがくず;ガラスビーズ;Marketech InternationalによりDermagrain 900の名称で販売されている製品のようなアルミナ(INCI名称)(酸化アルミニウム);糖結晶;例えばInduchemによりUnisphereの名称で販売されているマンニトール及びセルロースに基づいた球体、CognisによりPrimaspongeの名称で販売されている寒天に基づいたカプセル、FloratechによりFlorasphereの名称で販売されているホホバエステルに基づいた球体のような、皮膚に適用する際に溶融するビーズ、並びにこれらの混合物である。
【0081】
本発明のアセンブリの組成物は、例えばタルク又は変性若しくは非変性デンプン、特にオクテニルコハク酸無水物でエステル化されたデンプン、とりわけ、Dry-Floの名称でNational Starchにより販売されている製品のような「アルミニウムデンプンオクテニルスクシネート」のような、他の充填剤を含むこともできる。
【0082】
有利な形態によると、本発明のアセンブリの組成物は、少なくとも1つの充填剤を含む。
これらの充填剤は、視覚又は触覚される皮膚の欠陥を覆い隠すことができる任意の材料であることができる。これらの充填剤は、特に、引き締め効果、隠蔽効果又はぼやかし効果により皮膚表面の外観を修正する。
以下の化合物を充填剤の例として示すことができる:
−多孔性シリカ微粒子、例えば、平均サイズが5μmであるMyochiのSilica Beads(登録商標)SB 150及びB 700、並びにサイズがそれぞれ3.5及び5μmであるH33及びH51のようなAsahi GlassのSunspheres(登録商標)シリーズH、
−シリコーン樹脂から形成される中空半球体粒子、例えば、Takemoto Oil and FatのNLK 500(登録商標)、NLK 506(登録商標)及びNLK 510(登録商標)、特に欧州特許公報第1579849号に記載されているもの、
−シリコーン樹脂粉末、例えば、平均サイズが4.5μmであるGE SiliconeのTospearl(登録商標)145 Aシリコーン樹脂、
−アクリルポリマーから、特にポリメチル(メタ)アクリレートから形成される粉末、例えば、平均サイズが8μmであるNihon JunyokiのJurimer MBI(登録商標)PMMA粒子、WackherrによりCovabead(登録商標)LH 85の名称で販売されている中空PMMA球体及びExpancel(登録商標)の名称で販売されている発泡ビニリデン/アクリロニトリル/メチルメタクリレート微粒子、
−ロウ粉末、例えば、平均サイズが7μmであるMicropowdersのParaffin Wax Microease(登録商標)114S粒子、
−特に少なくとも1つのエチレン/アクリルコポリマーを含むポリエチレン粉末、例えば、平均サイズが10μmであるSumimotoのFlobeads(登録商標)EA 209、
−シリコーン樹脂、特にシルセスキオキサン樹脂で被覆されている架橋オルガノポリシロキサンエラストマー粉末であり、Shin Etsuによる名称がKSP 100(登録商標)、KSP 101(登録商標)、KSP 102(登録商標)、KSP 103(登録商標)、KSP 104(登録商標)及びKSP 105(登録商標)であるもの、
−複合タルク/二酸化チタン/アルミナ/シリカ粉末、例えば、Catalyst & ChemicalのCoverleaf AR 80(登録商標)、
−タルク、雲母、カオリン、ラウリルグリシン、オクテニルコハク酸無水物で架橋されているデンプンから形成される粉末、窒化ホウ素、ポリテトラフルオロエチレン粉末、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、ヒドロキシアパタイト、ケイ酸カルシウム、二酸化セリウム及びガラス又はセラミックのマイクロカプセル、
−親水性又は疎水性、合成又は天然及び無機又は有機繊維、例えば、絹、綿、羊毛、亜麻、特に木材、植物若しくは藻から抽出された抽出セルロース、ポリアミド(Nylon(登録商標))、変性セルロース、ポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)、アクリル、ポリオレフィン、ガラス、シリカ、アラミド、炭素、ポリテトラフルオロエチレン(Teflon(登録商標))、不溶性コラーゲン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル若しくはポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、キトサン、ポリウレタン又はポリエチレンフタレートで形成された繊維、ポリマーのブレンドで形成された繊維、欧州特許公報第1,151,742号に記載されている再吸収性合成繊維及びこれらの混合物、
−球状架橋シリコーンエラストマー、例えば、Dow CorningのTrefil E-505C(登録商標)又はE-506 C(登録商標)、
−研磨シリカのような、機械的効果により皮膚の微起伏を滑らかにすることに寄与する研磨充填剤、例えば、SemanezのAbrasif SP(登録商標)又はナッツ若しくは貝殻で形成されている粉末(例えば、Cosmetochemのアプリコット、ナッツ)。
【0083】
充填剤は、ソフトフォーカス充填剤であることができる。用語「ソフトフォーカス充填剤」は、追加的に、肌色に透明性を与え、ぼかし効果を与える充填剤として理解される。好ましくは、ソフトフォーカス充填剤は15ミクロン以下の平均粒径を有する。これらの粒子は、任意の形状を有することができ、特に球形又は非球形であることができる。より好ましくは、これらの充填剤は非球形である。
【0084】
ソフトフォーカス充填剤は、シリカ及びケイ酸塩、特に、アルミナ、ポリメチルメタクリレート(PMMA)型、タルク、シリカ/TiO又はシリカ/塩化亜鉛の複合材で形成される粉末、ポリエチレン粉末、デンプン粉末、ポリアミドで形成される粉末、スチレン/アクリル酸コポリマーで形成される粉末、シリコーンエラストマー、並びにこれらの混合物から選択することができる。
特に記述されうるものは、平均サイズ数が3ミクロン以下であるタルク、例えば、特にNippon TalcによりTalc P3(登録商標)の商標で販売されている平均サイズ数が1.8ミクロンのタルク、特にAtochemによりOrgasol 2002 Extra D Nat Cos(登録商標)の名称で販売されているNylon(登録商標)12粉末、Degussaにより販売されている、1〜2%の鉱ロウで表面が処理されているシリカ粒子(INCI名称:水和シリカ(及び)パラフィン)、Asahi Glassにより例えばH-53(登録商標)が参照されるSunsphereの名称で販売されている非晶質シリカ微細球、並びにMiyoshiによりSB-700(登録商標)又はSB-150(登録商標)の名称で販売されているシリカマイクロビーズであり、このリストは限定的ではない。
【0085】
これらの薄片粒子及び充填剤は、組成物の総重量に対して、例えば0.5〜20重量%、好ましくは1〜15重量%、さらに好ましくは1〜10重量%、さらにより好ましくは2〜5重量%の範囲の量で存在することができる。
【0086】
本発明のアセンブリの組成物は、考慮される用途に通常用いられる全ての構成成分を含むこともできる。特に、有利には、組成物において使用されうるものは、スキンケア用の、特に脂性皮膚のスキンケア用の少なくとも1つの追加的な成分及び/又は活性成分である。
【0087】
特に、脱色剤、防腐剤、抗菌剤、制汗剤、皮脂調節剤、金属キレート剤、UVフィルター、加水分解タンパク質、酸化防止剤、ビタミン、抗炎症剤、鎮静又は抗刺激剤、湿潤剤、植物抽出物、化粧用補助剤及びこれらの混合物を含む、欧州特許公報第1,847,247号(参照として本明細書に組み込まれる)に記載されている追加の活性成分及び成分を組み合わせることが可能である。
【0088】
当然のことながら、当業者は、本発明のアセンブリの有利な特性が、考慮される添加により有害な影響を受けないように又は実質的に受けないように、これらの任意の追加の化合物及び/又はそれらの量を注意深く選択する。
【0089】
本発明の有利な態様において、使用される組成物は、追加的に、少なくとも1つの剥離剤及び/又は少なくとも1つの鎮静剤を含むことができる。
【0090】
用語「剥離剤」は、下記の効果を有することができる任意の化合物を意味することが理解される:
−剥脱を促進することによる剥離への直接的な効果、例えば、β−ヒドロキシ酸、特にサリチル酸及びその誘導体(5−(n−オクタノイル)サリチル酸を含む);グリコール酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸又はマンデル酸のようなα−ヒドロキシ酸;尿素;ゲンチシン酸;オリゴフコース;ケイ皮酸;エンジュ抽出物;又はリスベラトロール;酸では、好ましくはこれらの有機又は無機塩が使用され、好ましくは(5−(n−オクタノイル)サリチル酸の塩が使用される;或いは
−角膜接着斑(corneodesmosomes)、グリコシダーゼ、角質層キモトリプシン酵素(SCCE)又はさらには他のプロテアーゼ(トリプシン、キモトリプシン様)の剥離又は分解に関与する酵素に対する効果。記述されうるものは、無機塩をキレートする作用物質:EDTA;N−アシル−N,N’,N’−エチレンジアミン三酢酸;アミノスルホン酸化合物、特にN−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸(HEPES);2−オキソチアゾリジン−4−カルボン酸(プロシステイン)誘導体;グリシン型のα−アミノ酸の誘導体(例えば、欧州特許第0,852,949号に記載されているもの及びさらにはTrilon Mの商標でBASFにより販売されているナトリウムメチルグリシンジアセテート);ハチミツ;又は6−(O−オクタノイル)−D−マルトース及びN−アセチルグルコサミンのような糖誘導体である。
【0091】
本発明のアセンブリの組成物に使用することができる鎮静剤として記述されうるものは、五環性トリテルペン及びそれらを含む植物抽出物(例えば、カンゾウ)、例えば、β−グリシレチン酸及びその塩及び/又はその誘導体(グリシレチン酸モノグルクロニド、ステアリルグリシレチネート、3−ステアロイルオキシグリシレチン酸)、ウルソル酸及びその塩、オレアノール酸及びその塩、ベツリン酸及びその塩、ボタン及び/又はシャクヤクの抽出物、サリチル酸塩、特にサリチル酸亜鉛、Codifのフィコサッカライド、カラフトコンブ抽出物、キャノーラ油、ビサボロール及びカモミールの抽出物、アラントイン、SeppicのSepivital EPC(ビタミンE及びCのリン酸ジエステル)、オメガ−3不飽和油、例えば、ジャコウバラ油、クロフサスグリ油、エキウム油又は魚油、プランクトン抽出物、カプリロイルグリシン、SeppicのSepicalm VG(ナトリウムパルミトイルプロリン及びセイヨウスイレン)、ピジウム抽出物、ボスウェリアセラータ(Boswellia serrata)抽出物、センチペンダカニンガミ抽出物、ヒマワリ抽出物、アマ抽出物、トコトリエノール、コラノキ(Cola nitida)抽出物、ピペロナール、丁子抽出物、エピロビウムアングスティフォリウム(Epilobium angustifolium)抽出物、アロエベラ、バコパモニエラ(Bacopa moniera)抽出物、フィトステロール、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、インドメタシン及びベタメタゾンである。
【0092】
これらの活性成分は、一般に、組成物の総重量に対して、0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%の範囲の含有量で本発明のアセンブリの組成物に存在する。
【0093】
当業者は、これらの活性成分から、本発明の組成物の使用条件下で活性を有することができるものを注意深く選択する。また当業者は、この量で使用される活性成分が本発明の化粧用アセンブリを構成する組成物の有利な特性を、特にpHに関して妨げないことを注意深く確実にする。
【0094】
好ましくは、活性成分は、Hの分解用の活性化剤を含む化粧用アセンブリの第2組成物又は化粧用アセンブリの追加の組成物に組み込まれる。
【0095】
本発明のアセンブリの組成物を、前記組成物の特性に適合する化粧又は皮膚科分野に通常使用される任意のガレノス形態で提供することができる。
特に、第1組成物は、適用前に第2組成物と混合される、好ましくは粉末の形態のポリマー−H複合体から構成される。この文脈において、第2組成物は、少なくとも1つの活性化剤と、化粧用又は皮膚科用に許容されるビヒクルとを含む。
【0096】
別の代替的形態によると、第1組成物は、少なくとも1つのポリマー−H複合体と、化粧用又は皮膚科用に許容されるビヒクルとを含み、この組成物は第2組成物と混合される。この代替的形態における第2組成物は、有利には粉末形態の1つ以上の活性化剤から構成されうる。
なお別の代替的形態によると、第1組成物は、少なくとも1つのポリマー−H複合体と、化粧用又は皮膚科用に許容される無水ビヒクルとを含み、これは、少なくとも1つの活性化剤と、化粧用又は皮膚科用に許容されるビヒクルとを含む第2組成物と混合され、第2組成物の前記ビヒクルは、無水であるか又は水性である。
【0097】
本発明の化粧用アセンブリの組成物は、ある程度は流体であることができ、白色若しくは着色のクリーム、軟膏、ミルク、ローション、乳清、ペースト又は泡の外観を有することができる。これらを、場合により、エアゾールの形態で皮膚に適用することができる。これらを固体形態、例えばスティックの形態で提供することもできる。これらをケア製品及び/又はメーキャップ製品として使用することができる。
【0098】
本発明によると、化粧用アセンブリの2つの組成物は、多様な容器、区画、密閉要素、アプリケーター、包装などによる多様な形態の化粧用製品として存在することができる。
【0099】
本発明は、また、下記を含む包装アセンブリに関する:
i.ポリマー−H複合体を含む第1組成物を含む第1区画、
ii.Hの分解を促進する少なくとも1つの活性化剤を含む第2組成物を含む第2区画(前記第2区画は漏止様式で第1から離されている)、及び
iii.2つの組成物を特に使用時に接触させることを可能にする手段。
【0100】
包装アセンブリの第1組成物及び第2組成物は、上記に定義されているとおりである。
【0101】
そのようなアセンブリは、有利には、前記アセンブリを形成する第1区画と第2区画それぞれにおいて別々に包装されている2つの組成物を、使用時に接触させることを可能にする。
【0102】
このアセンブリは、第1区画と第2区画、したがって、それらの内容物を接触させることを可能にする手段を備えることもできる。
【0103】
アセンブリは、有利には、2つの組成物の混合物を分配するのに適切な手段も備える。
【0104】
より詳細には、本発明の実施のための第1組成物及び第2組成物は、2つの別々の容器により又は単一の装置内に形成されている2つの区画内に別々に包装されている。
【0105】
容器は、任意の適切な形態を有することができる。特に、ボトル、チューブ、ポット、ボックス、缶、バッグ又はケースの形態であることができる。
【0106】
容器の密閉要素は、脱着可能な栓、蓋、シール、切り離しストリップ又は、特に容器に固定されている本体を含む種類のカプセル及び本体とつながっているキャップの形態であることができる。容器に選択的密閉を提供する要素、特にポンプ、バルブ又はフラップの形態であることもできる。
【0107】
容器は、適用器具と組み合わせて使用することができる。適用器具は、例えばフランス特許第2,722,380号に記載されている微細ブラシの形態であることができる。適用器具は、泡又はエラストマーのパッド、フェルトペン又はへらの形態であることができる。適用器具は、例えば米国特許第5,492,426号に記載されているような、遊離(パウダーパフ若しくはスポンジ)であることができるか又は密閉要素に担持されているロッドに一体的に結合されていることができる。適用器具は、フランス特許第2,761,959号に記載されているように、容器に一体的に結合されていることができる。
【0108】
組成物は、容器に直接含有されていることも、間接的に含有されていることもできる。例として、組成物は、特にワイプ(wipe)又はワッド(wad)の形態で含浸支持体に位置することができ、缶又はバッグに(単一の単位又は数個の単位で)位置することができる。生成物を組み込んだそのような支持体は、例えば国際公開公報第01/03538号に記載されている。
【0109】
密閉要素は、ねじ締めにより容器に結合することができる。あるいは、密閉要素と容器との結合は、ねじ締め以外の手段により、特に差し込み構造を介して、留め金、締め付け、溶接若しくは接着結合により又は磁気吸引により実施される。用語「留め金」は、特に密閉要素の一部の弾性変形によるロール又はストリップ材料の交差、次にロール又はストリップ材料が交差した後、前記部分が応力を受けない位置に弾性的に戻ること含む、任意の系を特に意味することが理解される。
【0110】
容器は、少なくとも部分的に熱可塑性材料から作製される。熱可塑性材料の例として記述されうるものは、ポリプロピレン又はポリエチレンである。
あるいは、容器は非熱可塑性材料、特にガラス又は金属(若しくは合金)から作製される。
【0111】
容器は、剛性の壁又は変形可能な壁を有することができ、特にチューブ又はチューブボトルの形態であることができる。
【0112】
容器は、組成物の分配を行う又は促進することが意図される手段を含むことができる。例として、容器は、容器内の過剰な加圧に対応して組成物の圧縮を実施するように変形可能な壁を有することができ、過剰な加圧は、容器の壁の弾性(又は非弾性)押しつぶしによって実施される。
【0113】
容器は、ケースから構成され、そのケースは、組成物と、蓋(特に底につながっており、少なくとも部分的に底を覆うことができる蓋)とを含む少なくとも1つの入れ物の範囲を定める底を有する。そのようなケースは、例えば、国際公開公報第03/018423号又はフランス特許第2,791,042号に記載されている。
【0114】
容器は、容器の開口部に近接した位置に排水器を備えることができる。そのような排水器は、適用器具と、場合により、一体的に結合されていることができるロッドを拭き取ることを可能にする。そのような排水器は、例えばフランス特許第2,792,618号に記載されている。
【0115】
本発明の特定の形態によると、容器はボトル又は軟質バッグの形態である。
【0116】
用語「単一装置」は、それにより2つの区画又は容器が互いに一体に結合する装置を意味することが理解される。そのような装置は、特に熱可塑性材料から作製される2つの区画を単一構成要素に成形する方法によって得ることができる。また、任意の形態の組み立てにより、特に接着結合、溶接又は他の留め金操作によりもたらすことができる。
【0117】
第1の実施態様によると、2つの容器は互いに独立して離れている。そのような容器を多様な形態で提供することができる。特に、チューブ、ボトル又は缶であることができる。
【0118】
一方及び/又は他方の容器には、ポンプを作動し、少なくとも1つの分配口を介して組成物を分配するためのプッシュボタンが載せられた手動で作動するポンプを載せることができる。
【0119】
あるいは、一方及び/又は他方の容器を、特に噴射剤、特に噴射ガスを使用して加圧する。この場合、容器は、生成物の分配のためのノズル又は他の任意の分配手段を備えたプッシュボタンが載せられたバルブを備える。
【0120】
噴射剤は、分配される少なくとも1つの組成物との混合物であることができるか又は特に容器内で摺動することができるピストンを介して若しくは組成物が位置するポケット内の軟質壁を介して、離すことができる。
【0121】
容器を多様な材料:プラスチック、ガラス又は金属から構成することができる。
【0122】
好ましい実施態様によると、2つの組成物は単一装置内に存在する。
特定の形態によると、本発明の第1組成物及び第2組成物は、米国特許第6,672,483号の図1に表されているポンプ作動スプレー型の単一装置(1)により範囲が定められている2つの区画(51、52)の中に包装されている。
【0123】
特に、それぞれの区画は、前記第1組成物及び第2組成物を別々に又は混合物として送達することを可能にする少なくとも1つの作動及び分配手段(3)に連結されている、好ましくは手動で作動するポンプ(41、42)を備える。
【0124】
好ましい形態によると、作動及び分配手段(3)は、2つのポンプが共有している。
【0125】
一つの代替案によると、それぞれの区画は、特に噴射剤の使用により加圧され、前記組成物を別々に又は混合物として送達することを可能にする少なくとも1つの作動及び分配手段に連結されているバルブを備える。
特に、作動及び分配手段は、2つのバルブが共有している。
【0126】
米国特許第6,672,483号の図1に表されている包装装置は、並列に位置し、熱可塑性材料を成形することにより得られる構成要素5の内部に形成された2つの区画51、52から構成される。区画51、52は、それぞれ、開口部の範囲を定めるネック53を含む。空気の再取り込みしてもしなくてもよいポンプ41、41が、それぞれの容器のネックの内部に取り付けられている。
【0127】
取り付けの際に、2つの区画51、52の範囲を定める構成要素5は、ハウジング要素10の内部に位置する。
【0128】
ポンプ41、42それぞれのポンプ軸21a、22aは、プッシュボタン3の表面35の軸方向に加えられる圧力に反応して、2つのポンプの同時作動を可能にするように構成された単一プッシュボタン3に備えられた対応するパイプの内部に、強制的に挿入されている。
【0129】
それぞれのポンプに連結しているプッシュボタンのパイプは、プッシュボタン3の外面において互いに隣接して位置している2つの開口31a、32aを生じる。2つの組成物は、ポンプ41、42の作動に反応して別々に、使用者の指又は適用器具のワッド若しくはスワブの上に出る。次に2つの組成物の混合は、処置される表面への適用の際に実施される。
【0130】
例えば、米国特許第5,833,121号、米国特許第4,773,562号及び米国特許第6,672,483号に記載されている装置を使用することができる。
【0131】
別の特定の実施態様によると、2つの区画は同じ軟質バッグの内部に形成され、2つの区画の一方において、使用時に、特にバッグの正確な位置に加えられた圧力に反応して破損しうる弱い溶接又は引裂き領域により分けられている。本発明に使用することができる2区画軟質バッグの例は、特に、特開2000−272674、国際公開公報第99/51509号、欧州特許公報第2,437,30号又はフランス特許第2,876、356号に記載されている。区画は、少なくとも1つのシート、例えば軟質の熱可塑性材料のシートにより作製することができ、弱溶接型の共通端部を介して互いに結合することができる。特定の形態によると、弱溶接型の共通端部は、バッグの全幅にわたっているか又は2つのバッグに漏れ止めチャンネルを形成するより短い幅にわたっている。
【0132】
好ましくは、バッグはアルミニウムのような空気中の酸素に対して不透過性の膜により作製される。
ポリエチレンテレフタレート/シリコーン/ポリエチレン(PET/SiOx/PE)三重層の形態の水に対して不浸透性である膜も使用することができる。
【0133】
また代替的には、2つの区画は、チューブの内部に同心状に形成された2つの区画から形成され、1又は2つの分配口を有するプッシュボタンを供えた空気再取り込みのないポンプが載せられている。ピストンがチューブの内部に備えられており、このピストンは、組成物が容器の内部から引き抜かれると、ポンプの方向に上昇する。そのような分配様式は、特に練り歯磨きの分配に使用される。
【0134】
上記記載の特許又は特許出願の内容は、参照として本出願書に組み込まれる。
【0135】
なお他の装置を本発明の実施のために使用することができ、その本質的な点は、本発明の化粧用アセンブリの2つの組成物を別々に包装すること及びそれらを別々に若しくは混合物として分配することを可能にできることである。
【0136】
本発明の化粧用アセンブリの組成物は、混合した後、顔、手、足若しくは体用の隠蔽、洗浄、保護、処置若しくはケアクリーム(例えば、デイクリーム、ナイトクリーム、メーキャップ除去クリーム、ファンデーションクリーム又は日焼け止めクリーム)、メーキャップ除去ミルク、又はクレンジングローションのような皮膚をケアするローション、ゲル若しくはフォームを形成することができる。
【0137】
本発明の化粧用アセンブリは、特に肌色の鮮やかさに対して明るくする効果及び肯定的な効果を有する、加齢しみを和らげることを可能にする、及び/又は脂性皮膚の外観に対して、特に皮膚のつや消しを促進することにより肯定的な効果を有する。本発明の化粧用アセンブリは、また、皮膚を明るくすること、肌色の鮮やかさを促進すること、肌色を均一にすること、しみ、特に加齢しみ低減すること、又はメーキャップの持ちを改善することを可能にする。
【0138】
したがって、本発明は、皮膚の外観を改善する化粧方法であって、本発明の化粧用アセンブリの組成物を皮膚に適用することを含む方法に関する。
【0139】
より詳細には、本発明は、皮膚の欠陥、しみ及び/若しくはざ瘡病変を和らげる、皮膚起伏を滑らかにする、孔をあまり目立たなくする(特に孔の大きさを低減することにより)、微起伏及び/若しくはしわをあまり明らかにしない、特にくすんだ、蒼白な若しくは色黒の皮膚において、皮膚の鮮やかさを回復する、特に皮膚のつや消し外観を促進することにより脂性皮膚の外観を改善する、皮膚を明るくする、肌色の鮮やかさを促進する、肌色を均一にする、しみ、特に加齢しみ若しくは日光によるしみを低減する、並びに/又はメーキャップの持ちを改善する方法であって、本発明のアセンブリを皮膚に適用することを含む方法に関する。
【0140】
皮膚の欠陥を和らげることは、面皰及び黒色面皰の数を低減すること、並びに/又は皮膚のてかりを低減することよっても実施される。
【0141】
本発明のアセンブリを、皮膚をケアする方法において、当業者により考慮されうる全ての方法において適用することができる。
【0142】
特に、皮膚に適用する前に前記アセンブリの組成物を混合することが考慮されうる。第1組成物に存在するポリマー、特にPVPの特性は、本発明のアセンブリを構成する組成物を混合した後、本発明のアセンブリの容易な適用を可能にし、混合物は、適用後に皮膚に流れ出さないか、僅かしか流れ出さない。
あるいは、皮膚への一方の組成物の前適用、続いて、そのように調製された皮膚への他方の組成物の適用を考慮することが可能である。
例えば、特定の実施態様において、ポリマー−H複合体、好ましくはPVP−H複合体を含む本発明のアセンブリの第1組成物が、最初に皮膚に適用される。その後、Hの分解を促進する活性化剤を含む第2組成物が、少なくとも第1組成物が適用された領域にわたって、皮膚に適用される。
別の実施態様において、上記に定義された活性化剤を含む第2組成物が最初に適用され、次に、ポリマー−H複合体を含む第1組成物が、少なくとも、活性化剤を含む第2組成物が適用された領域にわたって、皮膚に適用される。
【0143】
好ましい形態によると、本発明の前記方法は、化粧用アセンブリの皮膚又は角質付属器(keratinous appendages)への適用後、追加的にすすぎ段階を含む。
【0144】
特定の実施態様によると、本発明の化粧方法は、
−本発明の化粧用アセンブリの第1及び第2組成物を水と混合すること(第1組成物はPVP−H複合体と、PEG−8を含むグリコールビヒクルとを含み、第2組成物は、粉末形態のゼオライトから構成される)、並びに
−得られた混合物を皮膚に適用すること
を含む。
【0145】
本発明の別の目的は、上記に記載された化粧用アセンブリの化粧的使用であって、これは、皮膚の外観を改善する、より詳細には、皮膚の欠陥、しみ及び/若しくはざ瘡病変を和らげる、皮膚起伏を滑らかにする、孔をあまり目立たなくする(特に孔の大きさを低減することにより)、面皰及び黒色面皰の数を低減する、微起伏及びしわをあまり明らかにしない、特にくすんだ、蒼白な若しくは色黒の皮膚において、皮膚の鮮やかさを回復する、特に皮膚のつや消し外観を促進すること若しくは皮膚のてかりを低減することにより脂性皮膚の外観を改善する、皮膚を明るくする、肌色の鮮やかさを促進する、肌色を均一にする、しみ、特に加齢しみ若しくは日光によるしみを低減する、並びに/又はメーキャップの持ちを改善し、上記に記載された本発明の化粧用アセンブリを皮膚に適用することを含む。
【0146】
本発明の化粧用アセンブリは、前腕、顔、特にひげなどの角質付属器、特に頭髪又は体毛又は産毛を明るくすることを可能にすることができるという利点も有する。
【0147】
本発明の別の目的は、脂性皮膚をケアする、特に皮膚を整える方法であって、上記に記載された化粧用アセンブリの局所適用を含む。
【0148】
好ましい実施態様によると、脂性皮膚をケアする前記化粧方法は、上記に記載された化粧用アセンブリの組成物の皮膚への適用の後、追加的にすすぎ段階を含む。
【0149】
特に、化粧用アセンブリは、顔又は前頭のてかり領域に適用される。
【0150】
特定の形態によると、皮膚を、本発明の化粧用アセンブリの適用の前に、湿潤することができる。
【0151】
本発明の方法は、より詳細には、III〜VIのフォトタイプの皮膚を有する被験者のために意図されている。
【0152】
好ましい形態によると、皮膚への適用の後、化粧用アセンブリの組成物の混合物を、有利には5〜30分の放置時間の後、好ましくは20分未満の放置時間、さらにより好ましくはおよそ15分の時間の後、すすぎ落とされる。
【0153】
化粧用アセンブリを、マスクとして、好ましくは毎週、月に2回又は毎月の適用頻度で使用することができる。例えば、処置の過程において、毎日又は1日に2回の適用を1又は2週間使用することもできる。
【0154】
本発明は、上記に記載されたアセンブリに加えて、ざ瘡の処置のための生成物としてのアセンブリに関する。
【0155】
したがって、本発明は、ざ瘡の処置のための生成物の製造における上記に記載されたアセンブリの使用にも関する。
【0156】
他の態様によると、本発明のアセンブリは、皮膚に存在するざ瘡の原因となる病原菌の量を低減する又はそれらの増殖を制限する、特にP.アクネス(P. acnes)の量を低減する又はこれらの病原菌の1つの増殖を制限する抗菌活性成分として使用される。
【0157】
用語「処置」及びその全ての語形変化は、治療又は予防処置を意味することが意図される。したがって、本発明のアセンブリを、ざ瘡を有する被験者に使用することができる。本発明のアセンブリを、ざ瘡の進行を遅延又は減速させる又はより高度な進行を予防するために使用することもできる。最後に、本発明のアセンブリを、ざ瘡を示していないが、その皮膚が、特に脂性の皮膚がざ瘡の傾向を有する被験者に投与することができる。
【0158】
本発明のアセンブリの組成物に存在する活性成分の量は、所望の効果を得るために、上記に記載された間隔の範囲内であることが有利である。当然のことながら、当業者は、本発明のアセンブリにおける前記活性成分の効果的な量を確立する立場にあり、上記に記載された第1及び第2組成物に追加の成分及び/又は活性成分を導入することが、ざ瘡の病原菌を減少する本発明のアセンブリの有利な効果に有害な影響を与えないように注意する。
【0159】
別の態様によると、本発明は、ざ瘡の皮膚科処置の方法であって、上記に記載された第1及び第2組成物を混合した後、上記に記載された本発明のアセンブリを、それを必要性とする人に局所投与することを含む方法に関する。
【0160】
組成物を、当業者に考慮されうる任意の方法により、特に本発明の化粧方法について上記に記載された方法により適用することができる。
【0161】
以下の実施例は、本発明をその範囲を制限することなく説明する。化合物は、場合によっては、化学名称又はCTFA(国際化粧品成分事典及び手引き(International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook))名称で記述される。
【図面の簡単な説明】
【0162】
【図1】図1は、ポリマー−H複合体の活性を示すグラフである。この図は、時間の関数として、t時点での溶解酸素のレベルとt時点での酸素のレベルの比を表す。
【0163】
実施例
実施例1:インビトロで測定した明るくする活性
市販のPVP−H複合体であるISPのPeroxydone K-30(登録商標)の明るくする活性を、染料に対する漂白試験において多様な溶媒で測定した。
【0164】
インビトロ漂白試験の手順
染料溶液又は「溶液X」は、LCW(Sensient)のブリリアントブルーFCF(CI:42090)の二ナトリウム塩の溶液であった。染料溶液を以下のように調製した:15mgの染料粉末を50mlのホウ酸緩衝液、pH10.7に溶解し、次に再び1/50に希釈した。ホウ酸緩衝液を以下の方法で調製した:4.77gの四ホウ酸二ナトリウム十水和物(Na 10HO、M=382.37g/mol)をおよそ500mlの水に溶解した。pHを、水酸化ナトリウム(1リットルを構成するおよそ0.1N NaOHの250ml)の添加により10.7に調整した。
【0165】
検討対象である、希釈媒質(エタノール、PEG−8、ブチレングリコール又はグリセロール)中のPeroxydone K-30(登録商標)の22%分散体の1gを、19gの溶液Xに加えた。混合物を暗所中で10分間撹拌した後、分散体を濾過し(0.45μmのセルロースフィルター)、光学濃度を400〜800nmの範囲において25℃で測定した。染料は630nmで吸光した。脱色効果は、t=10分での漂白率を反映した(すなわち、〔ODt10分(混合物)−ODt10分(染料)/ODt0(染料)〕×100)。
【0166】
結果を下記の表に示す:
【0167】
【表2】

【0168】
PVP−Hは、配合媒質が何であるかに関わりなく、同等のレベルのHで遊離過酸化水素と同じ活性を示し、エタノール及びPEG−8において特に効果的であった。ブチレングリコールにおいて得られた結果も満足のいくものであった。これらの溶媒はグリセロールよりも好ましい。
【0169】
実施例2:配合例
下記の表に示されている調製物P1及びP2を、皮膚への適用の前に混合した。
20gの配合物を、眼の輪郭を避けながら顔に厚層として適用した。皮膚を、混合物の適用の前に、場合により湿潤することができる。生成物を10分間放置し、次にすすぎ落とした。
【0170】
【表3】

【0171】
混合物は、PVP−Hの皮膜形成特性により容易に適用された(流れ出なかった)。
【0172】
実施例3:脂性皮膚に対する効果の臨床試験
下記の表に示されている2つの生成物A及びBを、拡大孔を有してざ瘡の傾向(面皰/黒色面皰の存在)がある脂性皮膚を有する40人に対して、同心円(monocentric)無作為二重ブラインド横顔プロトコールに従って試験した。
調製物P1及びP2(2つの生成物のそれぞれにつき)を1.5g/1.5g比により小型の皿において混合した後、生成物A及びBを、湿潤した顔の一面に厚層として(3gの量で)5日間毎日適用した(同じ人の頬に1つの生成物)。放置時間は10分間であった。次に生成物を十分にすすぎ落とした。
【0173】
【表4】

【0174】
調製物1は、パドルを使用して、透明なゲルを得るまでPEG−8中でPeroxydone K-30(登録商標)を分散することにより得た。
調製物2は、カルボマーを水/水酸化ナトリウム混合物で膨張させ、ブチレングリコールを導入した後、Rayneri混合機を使用してゼオライト粉末を分散することにより得た。
【0175】
測定した値は、孔のスコア(大きさ)(Dermascore)及びポリフィリン(細菌のプロピオニバクテリウムアクネスの活性に対するマーカー)の表面積である。
【0176】
5日間毎日適用した後、下記の点に関して、プラセボ(生成物B)と比較して生成物Aの処理の有意な有意性が明らかとなった:
−孔の大きさの低減、
−抗菌有効性の証拠である、ポリフィリンの表面積の低減(ざ瘡の原因となる病原菌のプロピオニバクテリウムアクネス(Propionobacterium acnes)の活性の低減に等しい)。
【0177】
実施例4:ポリマー−H複合体の活性化の実証
生成物Aは、上記の実施例3のとおりに調製し、生成物Cは、調製物P2では水酸化ナトリウム及びゼオライトを除外して、生成物Aと同様の様式で調製した。
【0178】
【表5】

【0179】
溶解酸素は、マイクロカソード酸素電極(1302型)に連結した782型酸素メーター〔Strathkelvin Instruments〕により定量的に決定した。
【0180】
配合物Aの調製:P1を水で10%に希釈した。P2も同様にした。それぞれの希釈溶液の500μlを、温度調節した、電極が存在するMT200 Mitocell〔Strathkelvin Instruments〕のチャンバーに導入した。溶解酸を、10分間の接触時間の後、溶解酸素/mlのμgで定量的に決定した。同じ操作を生成物Cにおいて実施した。
【0181】
得られた結果を、時間の関数として、測定時(t)の酸素濃度と実験の開始時(t)に測定した溶解酸素の濃度の比の形態で図1に表した。
【0182】
このようにして、過剰量の溶解酸素(少なくとも25%超)が、生成物C(図1の配合物Cに対応する)と比較して生成物A(図1の配合物Aに対応する)において測定された。
溶解酸素の形成が生成物Aにおいて見られ、生成物Cでは見られなかった。
【0183】
ざ瘡の原因となる病原菌(P.アクネス)は酸素の不在下で増殖し(嫌気性細菌)、したがってPVP−H複合体がその非活性化形態よりも良好な活性を提供することが示された。
【0184】
実施例5:PVP−H複合体の抗菌活性
細菌株プロピオニバクテリウムアクネス(Propionobacterium acnes)に対する実施例3の生成物Aの抗菌活性を決定した。
この株を液体培地中で生成物Aと以下の比率で接触させた:
−10の微生物/mlを含む細菌接種物を10%、
−生成物Aを10%、
−液体培地を80%。
【0185】
同時に、一方では生成物Aが希釈剤(水)に代えられている、又は他方では実施例3の生成物Bに代えられている増殖対照を、同じ条件下で調製した。
【0186】
試料を35℃で水浴に入れ、試験の期間中十分に振とうし続けた。
【0187】
接触の2時間後に生存しているP.アクネスの細菌を、数/mlでカウントした。
【0188】
【表6】

【0189】
上記の表は、PVP−H複合体に基づいた生成物A(2.3%に等しいレベルのHを含むPeroxydone K-30(登録商標))は、事実、プロピオニバクテリウムアクネスに対して抗菌活性を有することを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのポリマー−H複合体を含む第1無水組成物(前記ポリマーは、過酸化水素と非共有化学結合を形成することができる水素結合受容基を有する)と、
−Hの分解を促進する少なくとも1つの活性化剤を含む第2組成物と
を含む、化粧用アセンブリ。
【請求項2】
前記ポリマー−H複合体のポリマーが、N−ビニル複素環単位、特にポリビニルピロリドン(PVP)に基づいたポリマーであることを特徴とする、請求項1記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記第1組成物がポリマー−H複合体からなり、前記第1組成物が特に粉末の形態であることを特徴とする、請求項1又は2記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記第1組成物が、無水の化粧用又は皮膚科用に許容されるビヒクルを更に含むことを特徴とする、請求項1又は2記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記第2組成物が1つ以上の活性化剤のみから構成され、前記第2組成物が特に粉末の形態であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記第2組成物が、Hの分解を促進する少なくとも1つの活性化剤及び無水の化粧用又は皮膚科用に許容されるビヒクルを含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記活性化剤が、ポリマー−H/水混合物の総重量に対して11重量%のポリマー−H複合体と水中で混合されると、8.5を超えるpHを生じることができる化合物から選択されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項記載のアセンブリ。
【請求項8】
の分解を促進する前記活性化剤が、重炭酸ナトリウム、ラポナイト、ゼオライト、過酸化カルシウム、水酸化ナトリウム(好ましくは水中10%)、メタケイ酸ナトリウム及びこれらの混合物からなる群より選択されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記第1組成物の前記ビヒクルが、アルコールビヒクル、グルコールビヒクル及びこれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項4〜8のいずれか1項記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記第1組成物における過酸化物の量が、Hの含有量が前記化粧用アセンブリの総重量に対して0.1〜30重量%、好ましくは0.1〜25重量%、好ましくは0.1〜20重量%であるようなものであることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記ポリマー−H複合体がPVP−H複合体であり、前記活性化剤がゼオライトである、請求項1〜10のいずれか1項記載の化粧用アセンブリ。
【請求項12】
前記第1組成物がPVP−H複合体と、PEG−8を含むグリコールビヒクルとを含み、前記第2組成物がゼオライトを含む、請求項1、2及び4〜11のいずれか1項記載の化粧用アセンブリ。
【請求項13】
i.ポリマー−H複合体を含む第1組成物を含む第1区画と、
ii.Hの分解を促進する少なくとも1つの活性化剤を含む第2組成物を含む第2区画(前記第2区画は漏止様式で第1から離されている)と、
iii.前記2つの組成物を特に使用時に接触させることを可能にする手段とを含み、
包装組み合わせの前記第1組成物及び前記第2組成物が請求項1〜12のいずれか1項に定義されたとおりである
包装アセンブリ。
【請求項14】
皮膚の外観を改善する化粧方法であって、請求項1〜12のいずれか1項記載の化粧用アセンブリを皮膚に適用することを含む方法。
【請求項15】
前記皮膚の外観の改善が、皮膚の欠陥、しみ及び/若しくはざ瘡病変を和らげること、皮膚起伏を滑らかにすること、あまり目立たない孔を得ること、あまり明らかではない微起伏及び/若しくはしわを得ること、特にくすんだ、蒼白な若しくは色黒の皮膚において、皮膚の鮮やかさを改善すること又は特に皮膚のつや消しを促進することにより脂性皮膚の外観を改善すること、皮膚を明るくすること、肌色の均一性を改善すること、しみ、特に加齢しみ若しくは日光によるしみを低減すること、並びに/或いはメーキャップの持ちを改善することを含むことを特徴とする、請求項14記載の方法。
【請求項16】
角質付属器を明るくする化粧方法であって、請求項1〜12のいずれか1項記載の化粧用アセンブリを局所適用することを含む方法。
【請求項17】
前記化粧用アセンブリを皮膚又はその角質付属器に適用した後、すすぎ段階を追加的に含む、請求項14〜16のいずれか1項記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2011−518869(P2011−518869A)
【公表日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−506761(P2011−506761)
【出願日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際出願番号】PCT/FR2009/050807
【国際公開番号】WO2009/138705
【国際公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】