説明

ポンプ付き底上げ容器。

【課題】収納液体を、紫外線等から保護するために容器体を不透明とした、ポンプ付き底上げ容器において、収納液体減少につれて上昇する底板の位置が見えなくても、収納液体の残量を知ることが出来るよう設けた。
【解決手段】不透明とした容器体上部に液体吸上げ用ポンプを有し、かつ容器体胴部の下部内に、容器体内負圧化を上方摺動して解消する底板を設けたポンプ付き底上げ容器において、容器体1を、透明とした胴部2の上部に着色部7を設け、かつ該胴部外面を遮光層8で覆い、胴部下端に内向きフランジ4を付設して形成し、又底板9を遮光可能として、該底板が上限近くまで上昇したとき、上記内向きフランジのフランジ孔4a から胴部内を覗くことで着色部7が見えるよう設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプ付き底上げ容器に関する。
【背景技術】
【0002】
容器体上部に液体吸上げ用ポンプを有し、かつ容器体胴部の下部内に容器体内負圧化を上方摺動して解消する底板を有するポンプ付き底上げ容器において、紫外線等からの保護目的により容器体を不透明として収納液を保護することが行われており、このような容器にあっては、容器体内液体が減少して底板が容器体上部内へ上昇してもその底板の位置が不明確であり、よって上記ポンプを操作しても容器体内収納液が噴出できなくなって始めて収納液体が無くなったことに気付くことがあり、新規購入するまでの間、該製品の使用が出来なくなる不都合があった。
【0003】
そのような欠点を除去するために上記底板が上昇すると、該底板に連結されている帯状表示板が容器体胴部と該胴部外面へ嵌合された外筒との間を下降して収納液体の減少を知ることが出来るよう設けたポンプ付き容器が知られている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2002−362659号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明容器は上記従来容器と同様に容器体内液体の減少を、該容器体内液体が無くなるに先だって知ることが可能に形成したものであり、上記従来容器よりも構造が簡易でかつ容器体内の液体減少を確実に知ることが出来るよう設けたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の手段として不透明とした容器体上部に液体吸上げ用ポンプを有し、かつ容器体胴部の下部内に、容器体内負圧化を上方摺動して解消する底板を設けたポンプ付き底上げ容器において、
上記容器体を、透明でかつ胴部2の上部に着色部7を有し、かつ胴部下端面を内向きフランジ4で形成した第1容器本体1a と、該容器本体の胴部外面を覆う遮光層8とで形成し、又上記底板9は遮光可能な底板としておき、
該底板9が着色部7よりも上方の上限近くまで移動したとき、上記内向きフランジのフランジ孔4a から胴部内を覗くことで上記着色部7が見えるよう設けた。
【0006】
第2の手段として、不透明とした容器体上部に液体吸上げ用ポンプを有し、かつ容器体胴部の下部内に、容器体内負圧化を上方摺動して解消する底板を設けたポンプ付き底上げ容器において、
上記容器体を、透明でかつ胴部の上部に着色部7を有する第2容器本体1b と、該容器本体の胴部外面へ嵌着させた遮光性外筒21とで、それ等第2容器本体1b ないし外筒21下端に付設した内向きフランジ4を第2容器本体下端板として形成し、
又上記底板9は遮光可能に形成しておき、
該底板9が着色部7よりも上方の上限近くまで移動したとき、上記内向きフランジのフランジ孔4a から胴部内を覗くことで上記着色部7が見えるよう設けた。
【0007】
第3の手段として、上記第1又は第2の手段を有すると共に上記内向きフランジ4の内周部から支持筒5を起立させて、底板9が下限に位置する状態で該底板下面を支持筒5で支持させた。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載のようにすることで、容器体上部には液体吸上げ用ポンプが装着され、又容器体胴部外面へは遮光層が設けてあることで容器体内に光が入らず、暗くなる筈であるが、容器体下端のフランジ孔から光が入ることで底板下方の胴部内を明るくすることが出来、よって胴部上部の着色部の有無を容易に見分けることが出来て収納液体残量が少なくなったことを、或いは液体残量が未だ充分残っていることを容易に知ることが出来る。
【0009】
請求項2の場合も液体残量の有無を容易に知ることが出来る。
【0010】
請求項3のようにすることで、底板を定位置において確実に保持することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下図面について説明する。まず図1から図4が示す第1実施形態について説明すると、1は容器体で、該容器体は、胴部2上端から肩部3を介して口頸部を起立する透明な第1容器本体1a と、その胴部下端へ嵌合させた内向きフランジ4とを有する。内向きフランジはその内周から底板支持筒5を起立し、該支持筒の下半内面へは複数の支持板6を等間隔に複数縦設している。該内向きフランジ4は透明、不透明いずれでもよい。第1容器本体1a 胴部の上部へは、図4が示すように着色部7を付設している。該着色部は着色された帯状シートを胴部外面へ巻付け付着させて形成してもよく、又胴部外面へ印刷等して形成してもよい。
【0012】
又胴部2の外面へは遮光層8を付着させる。該遮光層8は遮光性のシートを巻付けて付着するほか、蒸着、インモールドフィルム、転写、シュリンク包装等して形成することが出来る。
【0013】
上記第1容器本体胴部2の下部内へは容器体内負圧化で上方摺動する底板9を嵌合させている。図示例でその底板は下底板9a と上底板9b とを嵌合させて形成しており、その両底板は中央部を下方へ容器状に低下させ、該低下部上端外周の外向きフランジ状壁外周から短筒部を垂下し、かつそれ等短筒部下端に胴部内壁面へ気密に接して摺動するシール壁部9c を付設している。それ等両底板のいずれか一方は遮光性底板としておく。第1容器本体1a の上端部へは、容器体内液体吸上げ用のポンプ11を装着させている。該ポンプは図示例に限らず、第1容器本体1a 内へ垂設した吸込み弁12付きシリンダ13から、上方付勢されて上下動自在に嵌合された押下げヘッド14を有し、該押下げヘッドから垂設したステム嵌合筒15から、下端部に吐出弁付きのピストン16を有するステム17を垂下し、そのピストンをシリンダ13内へ嵌合させ、上記押下げヘッドの上下動で、容器体内液体をシリンダ13内へ、又該シリンダ内液体を吐出弁およびステム17、ステム嵌合筒15内を通って押下げヘッド14前方へ突出するノズル18から噴出可能であれば、どのようなものでもよい。19は容器体口頸部外面へ螺合させた装着筒で、螺筒下端から外向きフランジ状に突出させた覆合板20で容器体肩部3上面を覆合させて、その肩部3および口頸部を通って容器体内へ光が入り、収納液体に悪影響が生じないよう設けている。好ましくは該装着筒も遮光性とすることが望ましい。
【0014】
上記構成において、予め容器体内へ噴出用液体を収納させておき、押下げヘッド14を上下動させることで図2が示すように、収納液体が無くなると、底板9は上限まで上昇してその底板外周下端は着色部7上方まで移動する。よってこのとき内向きフランジ4のフランジ孔4a から容器体内を覗くことで透明な第1容器体内より着色部7を見ることが出来、よって容器体内液体がなくなったことを知ることが出来る。従って収納液体残量が多少残る状態で着色部7の下部が見えるようにしておくことで、収納液体が無くなる事を予知することが出来、次回使用の製品を用意することが出来るものである。
【0015】
図5と図6とは第2実施形態を示す。既述第1実施形態と同一部分については同一符号を付することで説明を省略し、相違部分についてだけ説明すると、容器体1は、下端面開口の透明な第2容器本体1b と、該第2容器本体の上部外方へ設けた着色部7と、第2容器本体下端へ嵌合させた内向きフランジ4外周から遮光性外筒21を起立し、該外筒を上記第2容器本体外面へ嵌合させておく。尚図示のように第2容器本体の肩部外周からは外向きフランジ2a を突出させておき、胴部外面へ外筒21を嵌合させたとき、外筒上端面はその外向きフランジ2a 下面へ接するよう設けるとよい。該第2実施形態にあっては覆合板20外周から上記遮光性外筒21の上部外面へ嵌合させて覆合筒20a を垂下させている。
【0016】
該第2実施形態にあっても、図6が示すように、収納液体が無くなって底板9が上限まで上昇したとき、その底板のシール壁部9c 下端よりも下方に着色部7が位置し、収納液体残量が少なくなった状態でフランジ孔4a から胴部内を覗くことで、着色部の下方一部を見ることが出来、よって収納液体が無くなることを予知できるよう設けておく。尚フランジ孔4a はポンプ操作で容器体内液体を噴出するまでの間、剥離可能にシール薄片等で閉塞しておき、容器体下部内へ埃等が入らないようにしておくことが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明容器の半断面図である。
【図2】図1容器体内液体が無くなった状態で示す半断面図である。
【図3】図1容器の底面図である。
【図4】図1容器要部の拡大断面図である。
【図5】第2実施形態で示す容器の半断面図である。
【図6】図5容器内液体がなくなった状態で示す半断面図である。
【符号の説明】
【0018】
1 容器体 1a 第1容器本体
1b 第2容器本体 2 胴部
3 肩部 4 内向きフランジ
7 着色部 8 遮光層
9 底板 11 ポンプ
19 装着筒 21 遮光性外筒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不透明とした容器体上部に液体吸上げ用ポンプを有し、かつ容器体胴部の下部内に、容器体内負圧化を上方摺動して解消する底板を設けたポンプ付き底上げ容器において、
上記容器体を、透明でかつ胴部2の上部に着色部7を有し、かつ胴部下端面を内向きフランジ4で形成した第1容器本体1a と、該容器本体の胴部外面を覆う遮光層8とで形成し、又上記底板9は遮光可能な底板としておき、
該底板9が着色部7よりも上方の上限近くまで移動したとき、上記内向きフランジのフランジ孔4a から胴部内を覗くことで上記着色部7が見えるよう設けた
ことを特徴とするポンプ付き底上げ容器。
【請求項2】
不透明とした容器体上部に液体吸上げ用ポンプを有し、かつ容器体胴部の下部内に、容器体内負圧化を上方摺動して解消する底板を設けたポンプ付き底上げ容器において、
上記容器体を、透明でかつ胴部の上部に着色部7を有する第2容器本体1b と、該容器本体の胴部外面へ嵌着させた遮光性外筒21とで、それ等第2容器本体1b ないし外筒21下端に付設した内向きフランジ4を第2容器本体下端板として形成し、
又上記底板9は遮光可能に形成しておき、
該底板9が着色部7よりも上方の上限近くまで移動したとき、上記内向きフランジのフランジ孔4a から胴部内を覗くことで上記着色部7が見えるよう設けた
ことを特徴とする、ポンプ付き底上げ容器。
【請求項3】
上記内向きフランジ4の内周部から支持筒5を起立させて、底板9が下限に位置する状態で該底板下面を支持筒5で支持させた
ことを特徴とする請求項1又は2記載のポンプ付き底上げ容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−62811(P2007−62811A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−252443(P2005−252443)
【出願日】平成17年8月31日(2005.8.31)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】