説明

ポンプ付き底上げ容器

【課題】容器を遮光性としたポンプ付き底上げ容器において、その摺動底板が上限近くまで上昇したことを容易に確認することが容易とした。
【解決手段】不透明容器体1の下端面を窓孔12付き固定底板11で閉塞すると共に、該底板上へ巻テープ31を引出し可能に収納したゲージホルダー21を固定し、該ホルダー内の巻テープから引出して上記窓孔12上方に設けた通路に通したテープ31a 先端を摺動底板8が上限近くまで上昇したとき、窓孔12上方のテープ部分には識別子が表示されているよう設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプ付き底上げ容器に関する。
【背景技術】
【0002】
容器体上端へ装着させたポンプ操作で容器体内液体を注出させると、容器体下部内へ装着させた摺動底板が上昇して容器体内負圧化を解消する容器が知られている。
【0003】
このような底上げ容器は、通常容器を透明として容器体内液体減少で摺動底板が上昇したことを容器体外方から見えるよう設けているが、紫外線等からの保護を目的として容器体を不透明とする場合があり、このように不透明な容器を上記底上げ容器とする場合は、その容器体を、不透明な容器体外面へ透明容器体を嵌合させた二重容器体とし、又それ等二重容器体間の上部から帯状部を垂下させてその端部を不透明な内容器体下部内へ嵌合させた摺動底板に結合させ、既述ポンプ操作で摺動底板が上昇すると、該摺動底板下方の帯状部部分は、内容器体の周壁下端を通って内容器体内へ入ることで下降し、このようにして摺動底板が内容器体内上端近くまで上昇して該内容器体内液体が減少したことを、内外容器体間の帯状部部分上端が下降したことで透明な外容器体周壁を透して見ることで知ることが可能とした発明が知られている。(特許文献1)。
【特許文献1】特開2002−362659号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、摺動底板付きの不透明な容器体下端部内へゲージホルダーを固定させ、容器体上端部へ装着させたポンプ操作で摺動底板が上昇すると上記ゲージホルダー内へ装着され、引出し側始端を上記摺動底板へ固着させた巻テープが摺動底板の上昇につれて引出しされるよう設けたものであり、その摺動底板が上限に近づいて容器体内液体の残量が少なくなったとき、ゲージホルダー内から引出しされるテープ部分には着色等の識別子が付設してあって、その識別子を容器体下端面を閉塞する固定底板に穿設した窓孔から見ることで、摺動底板が上限近くまで上昇していることを知ることが出来るよう設けたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の手段として液体吸上げ用ポンプを遮光性容器体上部に装着させて、該ポンプ操作による容器体内液体吸上げによる負圧化で、容器体内摺動底板が上昇可能としたポンプ付き底上げ容器において、
上記容器体下端面を窓孔12付き固定底板11で閉塞すると共に、該底板上へ巻テープ31を引出し可能に収納したゲージホルダー21を固定し、
該ホルダー内の巻テープから引出して、上記窓孔上方に設けた通路に通したテープ31a 先端を摺動底板8に固着させ、
摺動底板8上昇で引出される巻テープの末端近くに付設させた識別子を、上記窓孔12からの覗見で確認可能に形成した。
第2の手段として、上記第1の手段を有し、かつ任意に定めた底壁22後部上に、左右方向へ横設させて巻テープ収納室23を設けると共に、該室の下部に引出し孔24を穿設してゲージホルダー21となし、
該ホルダー21を上記固定底板11上へ、引出し孔24前方へ窓孔12を位置させて固定すると共に引出し孔24と底壁前端との間の底壁22と固定底板11との間に巻テープから引出された巻テープ部分の摺動路27を形成し、
上記収納室23内へ収納させた巻テープ31から引出したテープ部分を上記引出し孔24と摺動路27とに通してそのテープ部分先端を摺動底板8へ固着させた。
第3の手段として、上記第1又は第2の手段を有し、かつ上記固定底板11上面から上部内面に係合爪14を有する一対の取付け部15を起立すると共に、ゲージホルダー21の前部を除く外面に突条29を横設し、
固定底板11上面に対するゲージホルダー底壁22の押付けにより上記突条29上面へ係合爪14が係合して、固定底板11に対してゲージホルダー21を固着可能とした。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載のようにすることで、ゲージホルダーは容器体下端面を閉塞する固定底板上へ固定させてあるから、該ゲージホルダー内へ収納された巻テープが移動するようなことはなく、巻テープの先端は摺動底板8へ固定させてあるから摺動底板の上昇につれてゲージホルダー内から引出されることとなってその摺動底板からゲージホルダーまでのテープ部分が撓むことを防止し、常に適度の張力を保たせることが容易である。
【0007】
又固定底板11に設けた窓孔12上方に通路を設けて該通路を引出しされたテープが通るよう設けたから、テープに設けた識別子の判別が容易で該判別により収納液体の残量が少なくなったことを知ることが出来る。
【0008】
請求項2のように巻テープ収納室23の下部に引出し孔24を穿設し、該引出し孔前方に固定底板の窓孔12を位置させ、それ等引出し孔と底壁前端との間の底壁22と固定底板11との間にテープ摺動路27を形成するから、既述テープに付した識別子の確認を確実に行うことができる。
【0009】
請求項3のようにすることで、固定底板11に対するゲージホルダー21の取付けが容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下図面について説明する。まず従来公知である事項について簡単に説明すると、1は下面開口の周壁2を有する不透明な容器体で、該容器体周壁の上端からは肩部3を介して口頸部を起立させており、その口頸部にはノズル4付きの押下げヘッド5を有する、クリームないし液体注出用ポンプ6を装着させている。押下げヘッドは容器体内へ垂設されたシリンダ7内から上方付勢されて起立するステム上端へ嵌合されており、付勢に抗して押下げヘッド5を押下げ又上昇させることで容器体内液体等がシリンダ内へ吸込みされ、又該シリンダ内へ吸込みされた液体等がステムおよびノズル4内を通って注出される。周壁2の下部内へは摺動底板8が嵌合させてあり、上記容器体内液体等注出により容器体内が負圧化すると、摺動底板8が上昇してその負圧状態を解消する。図示例では摺動底板を、底板中央部を下方へ垂下する突部9とした摺動底板本体8aと、その突部外面へ嵌着させた、有底で上端開口の外筒部8bとで形成しているが、図8が示すように外筒部8bは必ずしも必要ではない。
【0011】
以下図1から図7が示す、本発明の第1実施形態について説明すると、上記容器体1の周壁の下端面を窓孔12付きの固定底板11で閉塞する。該固定底板は外周を外向きフランジとしてそのフランジ内方部分から周壁2の下部内面へ嵌合固着させた短筒13を起立させ、又任意に定めた固定底板前部に窓孔12を穿設している。該固定底板は、図3から図5が示すように上記窓孔後方の左右両部から上部内面に係合爪14を付設した一対の取付け部15を起立させている。
【0012】
上記固定底板11上へは、ゲージホルダー21を固定させる。該ホルダーは図2、図6が示すように任意に定めた底壁22後部上に、左右方向に横設させて有頂かつ前後両面閉塞の筒状とした巻テープ収納室23を形成し、又該室の下面前部に引出し孔24を穿設し、又前壁の上部からは固定底板前端よりも短く上壁25を前方突出させ、かつ該上壁の前後方向中間よりも後方寄り部分に後述逆刺付き突部挿入用の透孔26を穿設している。又上記引出し孔24と底壁22前端との間には、後述巻テープから引出すテープ部分摺動用の摺動路27を設けている。該摺動路の一部は窓孔12の上方に位置させる。
【0013】
該ゲージホルダーは図6が示すように左右側面の一方を開放し、他方側面は側板28で閉塞している。又図7が示すように後部の左右両側下端から突条29を左右外方へ突出し、ゲージホルダーを既述固定底板11の両取付け部15間へ嵌合させ、係合爪14をそれ等突条の上面へ係合させて固定させている。但し該固定は両面テープ等で行うことも出来る。
既述巻テープ収納室23内へはゲージとしての巻テープ31を引出し可能に収納させる。該巻テープ装着は、固定底板11に対するゲージホルダー装着前にそのテープの引出し側端部を引出し孔24から下方へ引出し、又そのテープ31a を摺動路27に通して固定底板前端から上方へ引出し、又そのテープ先端部にスリット32を設け、該スリットを既述摺動底板8下面から垂下させた逆刺付き突部9へ嵌合させる。その逆刺付き突部9は既述透孔26内へ遊挿させている。巻テープ31の長さは、摺動底板8がテープを引出し乍ら上限まで上昇したとき、まだ巻テープ収納室内には多少の巻テープ31が残っているよう設け、又上限近くまで摺動底板が上昇したとき、既述摺動路27内に位置するテープ部分には着色、マーク、文字等、内容物の少残量を確認可能とする識別子を付着させておく。
【0014】
図8は第2実施形態を示す。該実施形態はゲージホルダーの上壁を有せず、又摺動底板8を本体だけで形成し、該本体下面から返し逆刺付き突部9を垂下させている点で第1実施形態と異なり、その他の点では同一であるため同一符号を付することで説明を省略する。
【0015】
上記構成とした容器は、次のように使用することが出来る。
【0016】
図1のように摺動底板8が下端に位置する状態からポンプ6を操作することで、容器体内液体が吸上げられて容器体内は負圧化し、すると摺動底板8が上昇してその負圧状態を解消する。摺動底板8上昇でその下端に付着されているテープ31a は巻テープ収納室内の巻テープ31から引出される。このようにして摺動底板8が上限近くまで上昇したとき、巻テープ収納室内から引出し孔24内を通って引出されるテープ部分に着色ないし文字マーク等の識別子を付設してあるから、固定底板の窓孔12から覗くことでその識別子を見ることが出来、よってこのとき摺動底板は上限近くまで上昇して容器体内液体残量が少くなっていることを知ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】は本発明容器の断面図である。
【図2】は図1要部の拡大断面図である。
【図3】は図1容器が有する固定底板の平面図である。
【図4】は図3A−A線の断面図である。
【図5】は図3B−B線を矢示方向へみた断面図である。
【図6】はゲージホルダーの側面図である。
【図7】は固定底板内へゲージホルダーを固定させて示す平面図である。
【図8】は第2実施形態で示す容器要部の断面図である。
【符号の説明】
【0018】
8 摺動底板 11 固定底板
21 ゲージホルダー 23 巻テープ収納室
24 引出し孔 27 摺動路
31 巻テープ 31a テープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体吸上げ用ポンプを遮光性容器体上部に装着させて、該ポンプ操作による容器体内液体吸上げによる負圧化で、容器体内摺動底板が上昇可能としたポンプ付き底上げ容器において、
上記容器体下端面を窓孔12付き固定底板11で閉塞すると共に、該底板上へ巻テープ31を引出し可能に収納したゲージホルダー21を固定し、
該ホルダー内の巻テープから引出して、上記窓孔上方に設けた通路に通したテープ31a 先端を摺動底板8に固着させ、
摺動底板8上昇で引出される巻テープの末端近くに付設させた識別子を、上記窓孔12からの覗見で確認可能に形成した
ことを特徴とするポンプ付き底上げ容器。
【請求項2】
任意に定めた底壁22後部上に、左右方向へ横設させて巻テープ収納室23を設けると共に、該室の下部に引出し孔24を穿設してゲージホルダー21となし、
該ホルダー21を上記固定底板11上へ、引出し孔24前方へ窓孔12を位置させて固定すると共に引出し孔24と底壁前端との間の底壁22と固定底板11との間に巻テープから引出された巻テープ部分の摺動路27を形成し、
上記収納室23内へ収納させた巻テープ31から引出したテープ部分を上記引出し孔24と摺動路27とに通してそのテープ部分先端を摺動底板8へ固着させた
ことを特徴とする、請求項1記載のポンプ付き底上げ容器。
【請求項3】
上記固定底板11上面から上部内面に係合爪14を有する一対の取付け部15を起立すると共に、ゲージホルダー21の前部を除く外面に突条29を横設し、
固定底板11上面に対するゲージホルダー底壁22の押付けにより上記突条29上面へ係合爪14が係合して、固定底板11に対してゲージホルダー21を固着可能とした
ことを特徴とする、請求項1又は2記載のポンプ付き容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−217038(P2007−217038A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−41243(P2006−41243)
【出願日】平成18年2月17日(2006.2.17)
【出願人】(000113470)ポーラ化成工業株式会社 (717)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】