説明

ポンプ及びそれに取付ける容器

【課題】ポンプのヘッドを上げるか、またはヘッドを下げても、またもし物質にあまり粘性がなくても、物質を充分に分配できる簡単な構造のポンプを提供する。
【解決手段】ポンプ本体16を具備した固定部分を備え;ポンプ本体と共働して容量可変なポンプチャンバを画定する移動組立体3を備え;ヘッドを下げた位置でポンプを動作できるように配置した、少なくとも一つの開口部24を備え;ポンプ本体16に対して漏れ防止するために押圧し、前記開口部24を介して容器の内部とポンプチャンバ17との間の連通を防止するために配置された、第一リップ40を備え;そして、少なくとも移動組立体がポンプ本体の内部でストロークの最後の位置にある時、ポンプ本体に対して漏れ防止するために押圧して、ポンプ本体の内部を通し且つ前記開口部を介して、容器の内部と外部との間の連通を防止するために配置された、第二リップ41を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に装着して、容器が別の位置、特にヘッドを上げた位置またはヘッドを下げた位置にある間、物質を分配できるポンプに関連するものである。
【背景技術】
【0002】
フランス国特許出願明細書 FR 2 528 122号は、ヘッドを上げたまたはヘッドを下げた間に物質を分配できるポンプを開示しており、ポンプがポンプ本体と、ポンプ本体内の移動組立体を備え、それと共に共働して容量可変のポンプチャンバを画定するために共働する。ポンプ本体は、ポンプを使用時にヘッドを下げている間、容器に入った物質をポンプチャンバに貫入できる開口部を具備している。移動組立体は、ポンプチャンバをポンプ本体に確実に嵌め込んだ後、上記の開口部をポンプチャンバから隔離することができるリップを具備している。もしポンプを長期間にわたってヘッドを下げたままにすると、特に物質にあまり粘性がないと、物質が前記開口部を介して漏れ出る可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は特に、ポンプのヘッドを上げるか、またはヘッドを下げても、またもし物質にあまり粘性がなくても、物質を充分に分配できる、比較的簡単な構造のポンプを提供することを目的にしている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
その概念の一つで、本発明は容器に固定するポンプを提供し、ポンプが:
ポンプ本体を具備する固定部分と;
ポンプ本体に関して可動で、それと共働して容量可変なポンプチャンバを画定する移動組立体と;
ポンプ本体に、ポンプチャンバを容器の内部に連通でき、ヘッドを下げた位置でポンプを作動できるように配置した、少なくとも一つの開口部と、
固定部分と移動組立体との間の空気取入路とを備え、前記取入路が前記開口部とは別個で;
物質分配方向の静止位置から移動組立体を移動した後、ポンプ本体に対して漏れ防止するために押し、容器の内部とポンプチャンバとの間を前記開口部を介して連通しないように配置された第一リップと;
ヘッドを上げた位置でポンプを見た時、第一リップの上に配置した第二リップと、を備え、前記第二リップは、少なくとも移動組立体がポンプ本体の内部のストローク最後の位置にある時、ポンプ本体に対して押して漏れ防止し、ポンプ本体の内部及び前記開口部を介して、容器の内部と外部との間が連通するのを防止する。
【0005】
本発明はポンプに、ポンプ本体内で、例えば移動組立体のロッドと固定部分との間に形成された間隔で、少なくとも部分的に延びることができる空気取入路を備えることが可能である。これにより、上記ロッドと固定部分との間で実行される複雑且つ高価なシール手段を使用する必要を避けることができる。
【0006】
空気の取り入れが、ロッドと固定部分との間を介して行われると、本発明はポンプを下にしたままの場合、止まるかまたは移動組立体がポンプ本体の内部でストロークの最後の位置にある時、開口部を介して入る物質が、ポンプ本体を通過して空気取入路に達して、ポンプから漏れ出ることを、第二リップが防止できるので、物質が漏れる何らかの危険性を減らすことも可能である。
【0007】
好ましくは、ポンプが固定部分と、ポンプを装着する容器のネックの頂端部との間に介在する環状ガスケットを具備し、ガスケットがポンプ本体に対し最初に押圧して、容器に入っている物質が外部へ流れることを防止することができ、第二に容器の内部の吸引効果により、その状態から離れることができて、空気を進入させることができる、放射状内側部分を具備する。変形例では、ガスケットがポンプ本体を押さない。ガスケットとポンプ本体との間隔は、その時に物質を通さないようにするために充分小さいが、その間でも空気を通過させることができる。
【0008】
本発明の実施形態において、ポンプがポンプを容器に固定できるベース部分を提供し、ポンプ本体が特にスナップ固定によって、前記ベース部分に保持される。
【0009】
上記空気取入路が、前記ベース部分とポンプ本体との間で少なくとも部分的に形成され得る。
【0010】
本発明の実施形態はにおいて、第一リップ及び第二リップの少なくとも一つが、ポンプ本体に対して連続的に押圧するように、好ましくは両方のリップがポンプ本体を押圧するように構成される。
【0011】
第一リップが実質的に切頭円錐形をし得、ポンプに向かって朝顔状をし、第二リップがポンプ本体の内表面に向かって凹状になった弓形をし得て、ポンプ本体に対し底及び頂縁部を介して押圧する。
【0012】
ポンプが予圧縮ポンプであれば、移動組立体は、ポンプチャンバの容量が増えている間、物質を送る流路を閉じ、ポンプチャンバの容量が減っている間、ポンプチャンバ内部の物質の圧力が予定の値に達すると、前記流路を解放するために配置されたシャッターを具備し得る。
【0013】
ポンプに別の予圧縮機構を具備すること、または予圧縮ポンプを備えないことは、本発明の範囲内である。
【0014】
移動組立体が内部空間を有し、その中に物質放出路が開口し、そこにシャッターが配置されている。
【0015】
シャッターが、物質放出路を閉じるのに適した実質的な切頭円錐形部分によって、頂端部で閉じられる管状本体を備え得る。
【0016】
シャッターは、上記内部空間を画定した壁に対して押圧するのに適した管状本体の外部に、環状リップも具備し得、前記環状リップは、ヘッドを上げた位置でポンプを見ると、上向きに拡がって実質的な切頭円錐形の形状をし、前記内部空間をポンプチャンバと連通させる(複数の)流路の下に配置している。
【0017】
内部空間内に配置された弾力戻し要素によって、シャッターをその閉鎖位置に動かし得、前記弾力戻し要素は、例えば縮んで作用するらせん状バネによって構成される。
【0018】
有利には、ポンプが移動部材をその静止位置へ戻すのに適した弾力戻し要素を具備する。この弾力戻し要素は、ポンプチャンバの内部に配置され得、縮んで作用するらせん状バネから成り得る。本発明の範囲内で、特に戻し要素が物質と接触するのを避けようとするなら、この戻し要素をポンプチャンバの外部に配置することも可能である。
【0019】
本発明の実施形態において、ポンプ本体をそれにディップ管を固定できるように配置する。
【0020】
前部チャンバの容量が減っている間に閉まり、ポンプチャンバの容量が増えている間に開く、吸引チェック弁を具備したポンプに関して、ヘッドを上げた位置でポンプを使用する時、ポンプチャンバにディップ管を介して物質を供給できるように、チェック弁が配置され得る。
【0021】
本発明が、上記で定義したポンプに取付けられる容器も提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明は、それを制限しない実施例の以下の詳細な記載を読んで、添付図面を考察すると、更に理解できる。
【実施例1】
【0023】
図1及び図2に示されたポンプ1は、図3で見られる容器53のネック52に装着するためのもので、分配する物質P例えば香水のような低い粘性の物質を入れる容器である。
【0024】
ポンプ1が固定部分2と、固定部分2に関して軸線Xに沿って移動できる移動組立体3とを、備えている。
【0025】
固定部分が記載の例において、ねじ固定により容器53のネック52に固定するため、内ネジ付きの組立スカート5を具備したベース部分4を有している。ベース部分4が、本発明の範囲内の何か別の方法で、例えばスナップ固定、接着、熱シールまたはクリンピングによって、容器のネックに固定され得る。
【0026】
更に固定部分2が、移動組立体3と共働して容量可変なポンプチャンバ17を画定するポンプ本体16を備える。
【0027】
移動組立体3が、押しボタン25を留めた頂端部を有する中空ロッド31を組み込んで形成されたピストン30を備えている。
【0028】
組立スカート5が、ベース部分4の中心部分8を取り囲むネック7によって、上向きに延びている。この中心部分8が、環状壁11によってその頂端部で相互に接続された二つの同軸管状壁9及び12を備えており、それによって下向きの開口環状溝を画定し、そこにポンプ本体16が嵌め込まれる。
【0029】
その底端部で、中心部分8が軸線Xに対して垂直に延びる環状壁10によって、ネック7に接続されている。
【0030】
放射状の内部管状壁12が、移動組立体3のロッド31用の流路13を画定している。その底端部に、流路13が、軸線Xの周囲で下向きに朝顔の形をした切頭円錐形表面13aを画定しており、切頭円錐形表面は、図1に示したように、ポンプを静止した時、上向きに拡がるロッド31の対応する切頭円錐形表面31aに対して、漏れ防止するように当接する。
【0031】
放射状の外部管状壁9が、ポンプ本体16をベース部分4にスナップ固定できる放射状の内面に、ビード14を有し、ポンプ本体16がそのために、環状ビード23をその頂端部に設けている。
【0032】
ベース部分4が、図3に示されているように、環状壁10と容器53のネック52の頂端部との間に介在するため、環状ガスケット51を支持している。
【0033】
ガスケット51の放射状の内部分51aが、ポンプ本体16に対して普通は押圧し、容器に入った物質が外へ流れるのを防止する。
【0034】
記載の例において、ポンプ本体16は軸線Xの周囲に円筒形部分16aを設け、その底端部にディップ管19を留める際に使用するエンドピース18を有している。
【0035】
エンドピース18は、ボール20によって構成された吸引チェック弁用の座部を画定する。ボールがポンプ本体16の少なくとも一つのタブによって、ハウジングに保持されている。
【0036】
本発明の概念において、ポンプ本体16は開口部24を有しており、記載例において、実質的にポンプ本体を途中まで上げた状態であり、移動部材3が静止している時、ポンプチャンバ17を容器の内部と連通でき、そしてポンプチャンバの容量がその最大になる。
【0037】
押しボタン25が、渦巻チャンネル27を有した通常のノズルを装備した分配オリフィス26を具備し、押しボタンの残りの部分に渦巻チャンネルが取付けられ、物質Pをスプレーの形で分配できる。
【0038】
ロッド31が、物質をオリフィス26に到達できるチャンネル29を有している。
【0039】
記載例において、ピストン30が第一環状リップ40及び第二環状リップ41を有している。
【0040】
リップ40は、実質的に切頭円錐形であり、ポンプチャンバ14の底部に向かって拡がっており、ポンプ本体16の円筒部分16aの内部表面に対して、漏れ防止するように押圧する。図1のように、ポンプが静止位置にある時、第一リップ40が開口部24の上に配置される。
【0041】
第二環状リップ41が、第一環状リップ40の上に配置されており、またポンプ本体16の円筒部分16aの内部表面に対して漏れ防止するように押圧する。記載例において、第二リップ41が本体16の内部表面に面して凹状になった弓形をしており、それが底縁部41a及び頂縁部42bを介して本体16に対して押圧する。
【0042】
ロッド31が、その底端部で閉じた中空エンドピース32によって下方へ延びている。
【0043】
一例として、このエンドピース32がスナップ固定によって、ロッド31に留められ、それは外肩部33を具備し、縮んで作用する螺旋バネ34の頂端部がそれに対して当接し、バネの底端部がポンプ本体6の底部に対して載っている。
【0044】
流路36が、エンドピース32の外側のポンプチャンバ17と、エンドピースの内部空間35との間に形成され、ポンプチャンバ17の容量が減っている間、ポンプチャンバ17に入った物質をチャンネル29に到達させることができる。
【0045】
内部空間42において、移動組立体3がシャッター42を具備しており、シャッターはチャンネル29を閉じる閉鎖位置と、物質をチャンネル29の中とオリフィス26へ流すことができる分配位置との間を、移動可能である。
【0046】
シャッター42は、その頂部で切頭円錐形部分44によって閉じられる軸線Xの管状本体43を備え、切頭円錐形部分は図1に示したように、ポンプが静止している時、チャンネル29を閉じるためロッド31に形成された座部に対して当接するのに適している。
【0047】
シャッター42が、エンドピース32の内部表面に対して押圧するのに適した管状本体43の外部に、環状リップ46も備えている。
【0048】
ヘッドを上げた位置でポンプを見ると、環状リップ46が上向きに拡がった切頭円錐形をしており、それが内部空間35をポンプチャンバ17に連通させる流路36の下に位置されている。
【0049】
縮んで作用するらせん状バネが、図1に見られるように、シャッター42を静止状態で閉鎖位置にさせる。このバネ45はその底部に、エンドピース32の端壁に対するベアリングを有し、その頂端部に、リップ46のベースに対するベアリングを有している。
【0050】
容器の内部に吸引が生じると、その中にネック7と押しボタン25との間を流れて空気を吸引でき、押しボタンを押し下げると、ロッド31と管状壁12との間と、前記壁とポンプ本体16との間と、環状壁11と本体16との間と、そして管状壁9とポンプ本体16との間と、最後にガスケット51と本体16との間に存在する間隙を介して流れ、空気を吸引できる。
【0051】
図2は、空気取入路50を示している。
【0052】
管状壁9と本体16との間で、空気が径方向に向い合った軸線方向の溝を介して流れることができ、溝はビード14を通して形成している。環状ガスケット51の放射状の内部分51aが、ポンプ本体16から少し離れるように移動できるので、管状壁9とポンプ本体16との間を流れる空気を、図3で見られるように、容器の内部に到達させることができる。
【0053】
ポンプ1は、以下のように動作する。
【0054】
ヘッドを上げた位置でポンプを使用すると仮定し、最初に図1に示したような静止位置にする。ポンプチャンバ17は物質で充填されており、前のサイクルの後にポンプを作動させる。
【0055】
物質を分配するため、ユーザーが押しブタン25に下向きの圧力を加えて、移動組立体23がポンプ16に関して移動し、ポンプチャンバ17に入った物質の圧力が増して、ボール20をその座部に対して押圧する。
【0056】
シャッター42は、環状リップ46の上の内部空間35における物質の圧力が、バネ45の戻り力を超えるのに充分になるまで、チャンネル29を閉じる位置のままである。
【0057】
移動組立体3を充分に押し下げると、リップ46上の物質によって加えられる圧力が、シャッター42を下方へ移動させ、それによりチャンネル29への進入路を解放する。
【0058】
ポンプ本体16に関する移動組立体3の連続的な変位が、ポンプチャンバ17と内部空間35に入った物質を放出させる。
【0059】
変位の中、第一リップ40がポンプチャンバ17を開口部24から隔離し、第二環状リップ41が空気取入路の開口部24を隔離するために作用する。
【0060】
移動組立体3の移動中、バネ34が縮められる。
【0061】
ユーザーが押しボタン25を押すと、バネ34が移動組立体3を上方へ動かし、バネ45がシャッター42を、シャッターがチャンネル29を閉じる位置に戻す。
【0062】
移動組立体3をポンプ本体6に関して連続的に上方へ移動させることは、物質をポンプチャンバ17の中に、その内部で生じる吸引の効果により、吸引することによって、行われる。
【0063】
容器の内部で、ポンプ1によって得られる物質の容量を補償するために、空気の取り入れを、空気取入路50に沿って行うことができる。
【0064】
ポンプがその静止位置に戻ると、幾分かの物質がポンプチャンバ17の内部に残り得る。それはボール20がその自重の影響で、座部に対して押圧して、ディップ管とポンプチャンバ17との間の連通を閉鎖する傾向があるからである。
【0065】
ポンプがヘッドを上げた位置で使用されると、空気がディップ管を介して逃げることができるので、ポンプチャンバ17が開口部24を介して充填できる。物質はヘッドを上げた位置と同じ方法で、分配される。
【0066】
ポンプ1がヘッドを上げた位置で静止すると、第一リップ40がポンプ本体16に対して漏れ防止するように押圧し、ロッド31とベース部分4の中心部分8との間に存在する間隙を通して、物質が漏れ出る如何なる危険性も避けるために作用する。
【0067】
またポンプがヘッドを下げた位置で、移動組立体3がそのストロークの最後の位置にあれば、第二リップ41がポンプ本体16に対して押圧するので、物質漏出の危険性は防止できるか、減らせる。
【0068】
本発明によるポンプは有利には、空気取入部がある、或いはないポンプ部分から作ることができ、それは製造業者Galmar、Saint-Gobainの子会社によって製品番号M300で販売されている。
【0069】
勿論、本発明は上記の実施例に限定されるものではない。
【0070】
特に、ポンプ本体は一つだけでなく、幾つかの開口部24を有することができよう。
【0071】
本記載を通して、請求の範囲も含み、用語“を備える(comprising a)”は装でないとの説明がない限り、“を少なくとも一つ備える(comprising at least one)”と同意語であると理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の実施例を構成するポンプの概略的且つ部分的な軸線方向の断面図であり、移動組立体が静止位置にある。
【図2】押しボタンを押した後を示す、図1に類似した図。
【図3】図2のポンプの詳細部を示した概略的且つ部分的な図。
【符号の説明】
【0073】
1 ポンプ
2 固定部分
3 移動組立体
4 ベース部分
5 組立スカート
6 ポンプ本体
7 ネック
8 中心部分
9 管状壁
10 環状壁
11 環状壁
12 管状壁
13 流路
13a切頭円錐形表面
14 ビード
16 ポンプ本体
16a円筒形部分
17 ポンプチャンバ
18 エンドピース
19 ディップ管
20 ボール
21 タブ
23 環状ビード
24 開口部
25 押しボタン
26 分配オリフィス
27 渦巻チャンネル
29 チャンネル
30 ピストン
31 中空ロッド
31a切頭円錐形表面
32 エンドピース
33 外肩部
34 らせん状バネ
35 内部空間
36 流路
40 第一環状リップ
41 第二環状リップ
41a底縁部
42 シャッター
42b頂縁部
43 管状本体
44 切頭円錐形部分
45 バネ
46 リップ
50 空気取入路
51 環状ガスケット
51a内部分
52 ネック
53 容器
P 物質
X 軸線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器に固定するポンプ(1)であって、ポンプが:
ポンプ本体(16)及び容器(53)に装着するようにされたベース部分(4)を具備し、ポンプ本体(16)を前記ベース部分に固定した固定部分と;
ポンプ本体(16)に対して可動であり、ポンプ本体と共働して容量可変なポンプチャンバを画定する移動組立体(3)と;
ポンプ本体に設けられ、ポンプチャンバを容器の内部に連通させることができ、ヘッドを下げた位置でポンプを動作できるように配置した、少なくとも一つの開口部(24)と;
固定部分(2)と移動組立体(3)との間に設けられ、前記開口部(24)とは別個でありしかもベース部分(4)とポンプ本体の頂端部との間で少なくとも一部分形成されている空気取入路と;
物質分配方向の静止位置から移動部材を変位させた後、ポンプ本体(16)に対して漏れ防止するために押圧し、前記開口部(24)を介して容器の内部とポンプチャンバ(17)との間が連通するのを防止するように構成された第一リップ(40)と;
ヘッドを上げた位置でポンプを見た時、第一リップの上に位置し、少なくとも移動組立体がポンプ本体の内部でストロークの最後の位置にある時、ポンプ本体に対して漏れ防止するために押圧して、ポンプ本体の内部及び前記開口部を介して、容器の内部と外部との間が連通するのを防止するように構成された第二リップ(41)と;
を有することを特徴とするポンプ。
【請求項2】
ポンプ本体(16)が、スナップ固定によって前記ベース部分(4)に保持されることを特徴とする請求項1に記載のポンプ。
【請求項3】
第一リップ(40)及び第二リップ(41)の少なくとも一つが、ポンプ本体(16)に対し連続して押圧するように構成されることを特徴とする請求項1または2に記載のポンプ。
【請求項4】
第一リップ(40)が、ポンプに向かって拡がる切頭円錐形をしていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のポンプ。
【請求項5】
第二リップ(41)が、ポンプ本体の内表面に向かって凹状になった弓形をして、ポンプ本体に対し底及び頂縁部を介して押圧することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のポンプ。
【請求項6】
移動組立体(3)が、物質用の放出路と、ポンプチャンバの容量が増えている間、前記放出路を閉じ、ポンプチャンバの容量が減っている間、ポンプチャンバ内部の物質の圧力が予定の値に達すると、前記放出路を解放するように構成されたシャッター(42)とを具備することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のポンプ。
【請求項7】
移動組立体が内部空間(35)を備え、その内部空間(35)中に物質放出路が開口し、シャッター(42)が配置されていることを特徴とする請求項6に記載のポンプ。
【請求項8】
シャッターが、物質放出路を閉じるのに適した切頭円錐形部分(44)によって頂端部で閉じられる管状本体(43)を備えることを特徴とする請求項6または7に記載のポンプ。
【請求項9】
シャッターはさらに、内部空間(35)を画定した壁に対して押圧するのに適した管状本体の外部に、環状リップ(46)も具備し、前記環状リップは、ヘッドを上げた位置でポンプを見ると、上向きに拡がって切頭円錐形の形状をし、内部空間(35)をポンプチャンバと連通させる(複数の)流路(36)の下に配置していることを特徴とする請求項8に記載のポンプ。
【請求項10】
内部空間(35)内に配置された弾力戻し要素(45)によって、シャッターをその閉鎖位置に動かし、弾力戻し要素が、縮んで作用するらせん状バネであることを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項に記載のポンプ。
【請求項11】
ポンプが移動部材を、その静止位置へ戻すのに適した弾力戻し要素(34)を具備することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のポンプ。
【請求項12】
弾性戻し要素(34)が、ポンプチャンバ(17)に配置されていることを特徴とする請求項11に記載のポンプ。
【請求項13】
ポンプ本体(16)が、ディップ管(19)をポンプ本体に固定できるように構成されること特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載のポンプ。
【請求項14】
ポンプチャンバの容量が減っている間に閉まり、ポンプチャンバの容量が増えている間に開く、吸引チェック弁(20)を具備し、ヘッドを上げた位置でポンプを使用する時、ポンプチャンバにディップ管を介して物質を供給できるように、チェック弁が配置されることを特徴とする請求項13に記載のポンプ。
【請求項15】
第一リップ(40)及び第二リップ(41)の両方が、ポンプ本体に対し連続して押圧するように構成されることを特徴とする請求項3に記載のポンプ。
【請求項16】
弾力戻し要素が、縮んで作用するらせん状バネであることを特徴とする請求項10に記載のポンプ。
【請求項17】
ベース部分(4)が、環状壁(11)によってその頂端部で相互に接続された二つの同軸管状壁(9)及び(12)を備え、それによって下向きの環状溝を画定し、そこにポンプ本体(16)が嵌め込まれることを特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載のポンプ。
【請求項18】
放射状の外部管状壁(9)が、ポンプ本体(16)をベース部分(4)にスナップ固定できる放射状の内面に、ビード(14)を備え、ポンプ本体(16)が環状ビード(23)をその頂端部に備え、放射状の外部管状壁(9)のビード(14)と共動することを特徴とする請求項1に記載のポンプ。
【請求項19】
ベース部分(4)が、容器(53)のネック(52)に固定するための組立スカート5を備えることを特徴とする請求項1に記載のポンプ。
【請求項20】
請求項1〜19のいずれかに記載のポンプを取付けたことを特徴とする容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−133828(P2008−133828A)
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−300264(P2007−300264)
【出願日】平成19年11月20日(2007.11.20)
【分割の表示】特願2004−116457(P2004−116457)の分割
【原出願日】平成16年4月12日(2004.4.12)
【出願人】(592163240)ロレアル (23)
【Fターム(参考)】