説明

ポンプ機能付き自立形態容器

【課題】 本発明は、ポンプ付きプラスチック容器への詰め替え用容器として使用されてきた自立形態容器袋とほぼ同等の自立形態容器にポンプ機能を具備することで、素材総量および部品点数を多く使用する該ポンプ付きプラスチック容器の代替容器として利用することができる。これにより、往年の課題であったゴミの種類および総量の削減を可能にし、かつ、詰め替えにかかる手間を省くことも目的としている。
【解決手段】 本発明は、従来から広く一般的に利用されてきた詰め替え用自立形態容器袋と同等の自立形態容器2に、外気の吸入を担う吸気口6、通気溝9、吸入抗10と、吸気の清浄を担うエアフィルター7と、内気の流出防止を担う吸気弁8と、内容液の漏れを防ぐ漏出防止弁11と、該自立形態容器2の形状保持をはかる形状保持部材13と、外気の吸引を促す吸引補助部材14を備えたポンプ装置基台1を接合して設ける。注出パイプ3は、該ポンプ装置基台1の上部から縦通嵌入し、注出パイプ止め蓋4で該ポンプ装置基台1に固定してなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、台所洗剤やシャンプー、リンスなどの容器として広く用いられているポンプ付きプラスチック容器と、それに付随して用いられている詰め替え用容器に係わり、従来から一般的に用いられてきた該ポンプ付きプラスチック容器への詰め替え用自立形態容器袋と同等の自立形態容器に、ポンプ機能と自立形状保持部材を付設したポンプ機能付き自立形態容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のポンプ付き容器は一般的に、プラスチック製のボトルに異種素材からなる複雑な構造の手押し式ポンプと組み合わせて構成されている。よって、このように構成されたポンプ付きプラスチック容器では用途が限定されるとともに、廃棄時においてはゴミの容積に加え、部品点数および素材品目数が多く、往年から懸念され続けてきた環境保護の観点からも改善が急がれる重要な分野である。
【0003】
前述のようなことから、ポンプ付きプラスチック容器をゴミとして廃棄するまでの期間を極力遅延させる方法として、詰め替え用容器をポリエチレンやナイロンなどの複合素材からなる袋で対応しているのが一般的である。結果として2種類の容器がゴミとして作り出されているのが現状であり、日々膨大な量のポンプ付きプラスチック容器と詰め替え用容器がゴミとして処理されているのが現実である。また、前述のポンプ付きプラスチック容器は手押し式ポンプであるため注出量が曖昧であり、微妙な量加減を必要とする用途には不向きとされ、利用もされていなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、このような従来のポンプ付きプラスチック容器のもつ問題点に鑑みてなされたものであり、元来、該ポンプ付きプラスチック容器への詰め替え用として利用されてきた自立形態容器袋と同等の自立形態容器にポンプ機能を具備することで、該ポンプ付きプラスチック容器の代替容器として利用できるようになるので、廃棄する場合も従来に比べゴミの種類および総量を相当量削減することができるとともに、詰め替えにかかる手間を省くことができるポンプ機能付き自立形態容器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のポンプ機能付き自立形態容器は、外気の吸入を担う吸気口と、吸気の清浄を担うエアフィルターと、内気の流出を防ぐ吸気弁と、内容液の漏れを防ぐ漏出防止弁を該自立形態容器の上部に設け、これらの装置とともに該自立形態容器の上部から、極めて簡単な構造の注出パイプを縦通嵌入して設ける。さらに、該自立形態容器内部には、内容液を押し出して凹んだ該自立形態容器を元の形状に復元させる役目を担う形状保持部材と吸引補助部材を相応の復元力を得られるよう工夫と強度を付与して配設する。このように構成された注出装置は該自立形態容器と一体に構成されることからなる。
【発明の効果】
【0006】
前述のように構成されたポンプ機能付き自立形態容器によれば、面倒な詰め替え作業を必要とせず、さらに従来のポンプ付きプラスチック容器と比較して容積、部品点数および部品の素材品目数を大幅に削減できるので、結果的にゴミの種類および総量を大幅にスリム化できる。また、本発明の該ポンプ機能付き自立形態容器のポンプ機能は自立形態容器の胴部を指で摘んで押し出す構造であるので、摘み加減で微妙な注出量を調節することができる。よって、従来のポンプ付きプラスチック容器の用途は洗剤やシャンプー、リンスなどにほぼ限定されていたが、本発明の該ポンプ機能付き自立形態容器によれば、該ポンプ付きプラスチック容器による用途も含め、微妙な量加減を必要とする液体調味料や弱粘性のトマトケチャップ、ソースなど広範囲の用途に応用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の目的を達成するために、自立形態容器の上部にポンプ機能装置を配設し、該ポンプ機能装置に縦通して注出パイプを嵌設する。該注出パイプの最下部には注出が安定的におこなえるよう注出孔を設け、上部はほぼ水平に屈曲させる。さらに先端の注ぎ口には通常の注出か、汎用のスプレーノズル(図示なし)による霧状噴出か、いずれかの注出用部材を設ける。注出により凹んだ自立形態容器は吸気口や吸引補助部材などの作用により復元し、内容液が空の状態になっても自立形態容器は原形状を保持する。以下、本発明のポンプ機能付き自立形態容器の実施の形態を添付した図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0008】
図3、図4に示すように、ポンプ装置基台1は、外気を取り入れる吸気口6と、内気の流出を防ぐ吸気弁8と、吸気の清浄を担うエアフィルター7と、外気導入路である通気溝9、さらに図1に示す接合ガイド5から下は、図3、図6に示すように、容器内に外気を取り込む吸入孔10と、内容液の漏れを防ぐ漏出防止弁11と、自立形態容器2の原形状を保持する形状保持部材13と、内容液の注出で凹んだ自立形態容器2内に外気を取り込む吸引補助部材14で構成される。
【実施例2】
【0009】
図9に示すように、吸気バルブ19の構成は、外気を取り入れる吸気口6、吸気の清浄を担うエアフィルター7、内気の流出および内容液の漏れを防ぐ吸気兼漏出防止弁20からなり、構造を簡素化した注出パイプ取付台18とは別部品として配設される。
【実施例3】
【0010】
注出パイプ3(図示は通常の注ぎ口)は、前述のように構成された図3に示すポンプ装置基台1または図9に示す注出パイプ取付台18の上端部から嵌入され、図1と図7に示すように、注出パイプ止め蓋4により該ポンプ装置基台1または該注出パイプ取付台18に固定して設け、注出装置として構成される。
【実施例4】
【0011】
前述のように構成された注出装置は、図1に示すポンプ装置基台1または図7に示す注出パイプ取付台18に設けた接合ガイド5により、自立形態容器2との位置を決めて接合され、ポンプ機能付き自立形態容器となる。
【産業上の利用可能性】
【0012】
従来から利用されてきたポンプ付きプラスチック容器は、廃棄時のゴミ容積が大きく部品点数が多いのはもちろん、使用時の注出量が不安定であり、また、微妙な注出量の加減が難しいなどの理由から用途が台所洗剤やシャンプーあるいはリンスなど、多くが洗剤関係の用途に限られていた。そこで本発明のポンプ機能付き自立形態容器によれば、構造が非常にシンプルで部品点数が少なく、廃棄時のゴミの総量削減に役立つ。さらに、該ポンプ機能付き自立形態容器の注出方法は自立形態容器の胴部分を指で摘んで注出する方法であるので微妙な量加減を調節することができる。よって、従来から利用されてきた洗剤関係なども含め、前述のポンプ付きプラスチック容器には不向きであった液体調味料やトマトケチャップ、ソースなど幅広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明のバルブ機能一体型ポンプ機能付き自立形態容器を示す正面図。
【図2】本発明のバルブ機能一体型ポンプ機能付き自立形態容器を示す側面図。
【図3】図2のII−II矢視より見たバルブ機能一体型ポンプ機能付き自立形態容器を示す縦断面図。
【図4】図3に示したバルブ機能一体型ポンプ機能付き自立形態容器のA部部分を拡大した縦断面図。
【図5】図1のI−I矢視より見たバルブ機能一体型ポンプ機能付き自立形態容器を示す縦断面図。
【図6】本発明のバルブ機能一体型ポンプ機能付き自立形態容器のポンプ装置基台と注出パイプの嵌合による注出装置の構成を示した側面図。
【図7】本発明のバルブ装置分離型ポンプ機能付き自立形態容器を示す正面図。
【図8】本発明のバルブ装置分離型ポンプ機能付き自立形態容器を示す側面図。
【図9】図8のIV−IV矢視より見たバルブ装置分離型ポンプ機能付き自立形態容器を示す縦断面図。
【図10】図7のIII−III矢視より見たバルブ装置分離型ポンプ機能付き自立形態容器を示す縦断面図。
【符号の説明】
【0014】
1 ポンプ装置基台
2 自立形態容器
3 注出パイプ
4 注出パイプ止め蓋
5 接合ガイド
6 吸気口
7 エアフィルター
8 吸気弁
9 通気溝
10 吸入孔
11 漏出防止弁
12 製袋シール部
13 形状保持部材
14 吸引補助部材
15 注出孔
16 注ぎ口
17 容器底部
18 注出パイプ取付台
19 吸気バルブ
20 吸気兼漏出防止弁
21 形状保持兼吸引補助用具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプ装置基台には、注出パイプ嵌入孔、吸気口、通気溝、吸入孔を穿設し、該吸気口部には吸気弁とエアフィルター、該吸入孔部には漏出防止弁を付設する。さらに、該ポンプ装置基台下部には、自立形態容器の形状保持をはかる形状保持部材と該自立形態容器内への外気の吸引を促す吸引補助部材を相応の反発強度を付与して一体に設けたことを特徴とし、これらを具備した該ポンプ装置基台を自立形態容器の上部に接合したことからなるポンプ機能付き自立形態容器。
【請求項2】
注出パイプ嵌入孔を穿設した注出パイプ取付台と、エアフィルターおよび吸気兼漏出防止弁を備えた吸気バルブを、自立形態容器の上部にそれぞれ設ける。さらに、該自立形態容器内部には、該自立形態容器の形状保持と該自立形態容器内への外気の吸引をはかる形状保持兼吸引補助用具を相応の反発強度を付与して配設したことを特徴とし、これらを具備したことからなるポンプ機能付き自立形態容器。
【請求項3】
注出パイプは、最下部が自立形態容器の底面に接しても内容液を容易に上方へ圧送できるよう、最下部の側面寄りに複数の孔または切り込みによる注出孔を穿設し、上部はほぼ水平に屈曲させ、先端の注ぎ口は通常の注出またはスプレーノズルによる霧状噴出のいずれかの注ぎ口とし、請求項1、請求項2それぞれの注出パイプ嵌入孔に縦通嵌入して設けたことを特徴とする請求項1および請求項2記載のポンプ機能付き自立形態容器。
【請求項4】
自立形態容器は、従来からポンプ付きプラスチック容器への詰め替え用容器として広く使用されてきた自立形態容器袋と同等の強度を備えた袋状の自立形態容器、または該自立形態容器袋と同程度の柔軟性と強度を備えた筒状の自立形態容器としたことを特徴とする請求項1および請求項2記載のポンプ機能付き自立形態容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−184224(P2008−184224A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−46137(P2007−46137)
【出願日】平成19年1月30日(2007.1.30)
【出願人】(593095520)有限会社アバンティ (7)
【Fターム(参考)】