説明

マイクロカプセル製造方法

【課題】均一な粒径のマイクロカプセルを製造することができるマイクロカプセル製造方法を提供する。
【解決手段】第1高分子電解質を溶解した第1高分子電解質溶液8を、ニードル2から押し出す。このとき、ニードル2に電圧を印加しておき、押し出される第1高分子電解質溶液8を帯電させて微小液滴にして噴出させる。第2高分子電解質を溶解した第2高分子電解質溶液9に、噴出された微小液滴を接触させて反応させることにより、高分子電解質複合体からなる球状の界面を形成して、マイクロカプセルを製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高分子電解質を用いたマイクロカプセルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロカプセルとは、中空構造を有する微小な粒体のことであり、通常、ポリマーなどの有機物や無機物からなる。マイクロカプセルは、医療品用カプセル、記録材料、光学材料などに利用されており、様々な分野で応用されている。
【0003】
マイクロカプセルを製造する方法としては、界面重合法、コアソルベーション法、液中乾燥法等、様々な方法が提案されている。また、ポリイオンの溶液を、このポリイオンと逆電荷のポリイオンの溶液に滴下して、ポリイオン同士を反応させることにより、ポリイオン複合体のマイクロカプセルを製造する方法も従来から知られている。
【0004】
このようなポリイオンを用いたマイクロカプセルの製造方法として、例えば、特許文献1に開示されている方法がある。特許文献1の方法は、ポリアニオン溶液を、超音波ノズル又はエーロゾル発生器(噴霧器)により微小液滴にして噴出させて、フィルム状に流下するポリカチオンを含む水溶液に衝突させることによりマイクロカプセルを製造するというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2002−507473号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の製造方法では、ポリアニオン溶液を超音波ノズル又はエーロゾル発生器を用いて微小液滴として噴出させているため、噴出された微小液滴同士が移動中に合体して大きな液滴になってしまう場合があり、均一な粒径のマイクロカプセルを製造することが困難である。また、超音波はタンパク質や細胞等に少なからず影響をおよぼすので、不安定な物質のマイクロカプセル化には難がある。
【0007】
本発明の目的は、均一な粒径のマイクロカプセルを、穏和な条件下で連続的に製造することができるマイクロカプセル製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0008】
請求項1のマイクロカプセル製造方法は、第1高分子電解質を溶解した第1高分子電解質溶液を、ニードルから押し出す工程と、前記ニードルに電圧を印加して、押し出される前記第1高分子電解質溶液を帯電させて微小液滴にして噴出させる工程と、第2高分子電解質を溶解した第2高分子電解質溶液に、噴出された前記微小液滴を接触させて反応させることにより、高分子電解質複合体からなる球状の界面を形成して、マイクロカプセルを製造する工程とを有することを特徴とする。
【0009】
第1高分子電解質溶液中において、第1高分子電解質は、ポリイオンと低分子イオンとに電離している。マイクロカプセルを製造する際には、ニードルに電圧を印加した状態で、第1高分子電解質溶液をニードルから押し出す。すると、ニードルに電圧が印加されていることにより、ニードルの先端に第1高分子電解質溶液が出てきて、円錐状のメニスカスを形成する。このメニスカスには、ポリイオンが集まっている。そして、このメニスカスにおいて、ポリイオンの電荷の静電反発力が表面張力を上回ると、メニスカスから微小液滴が分離する。分離する際、微小液滴は、静電反発力と表面張力の作用により大きさが揃ったものとなる。分離した微小液滴は、強く帯電しているため、液滴間の静電反発力によりスプレー状に噴出される。
【0010】
噴出された微小液滴を第2高分子電解質溶液に接触させると、微小液滴の表面に存在するポリイオンと、第2高分子電解質溶液中のポリイオンとが反応して、高分子電解質複合体からなる球状の界面が形成されて、マイクロカプセルが製造される。
【0011】
このマイクロカプセル製造方法によると、静電反発力と表面張力の作用により、大きさの揃った微小液滴をニードルから噴出させることができる。また、噴出された微小液滴は帯電しているため、液滴同士が移動中に合体することがなく、大きさが揃った状態のまま第2高分子電解質溶液に接触させることができる。従って、溶液の押し出しと電圧の印加という穏和な条件下で、均一な粒径のマイクロカプセルを製造することができる。
また、ニードルに電圧を印加しつつ、ニードルから第1高分子電解質溶液を押し出して、噴出された微小液滴を第2高分子電解質溶液に滴下するという、一連の工程のみでマイクロカプセルを製造することができる。さらに、ニードルから第1高分子電解質溶液を一定流量で連続的に押し出し、第2高分子電解質溶液を連続的に回収することにより、マイクロカプセルを連続的に製造することができる。そのため、生産性に優れている。
【0012】
請求項2のマイクロカプセル製造方法は、請求項1において、前記ニードルから噴出される帯電した前記微小液滴が、前記第2高分子電解質溶液に向かうように、前記ニードルに対向して電極を配置して、前記ニードルと前記電極との間に電界を形成することを特徴とする。
【0013】
この構成によると、ニードルから噴出された帯電した微小液滴は、ニードルと電極との間に形成された電界から力を受けて、第2高分子電解質溶液に向かって飛翔する。従って、ニードルから噴出された微小液滴の一部が、第2高分子電解質溶液が入っている容器等の外側に落下するのが防止され、ニードルから噴出されたほぼ全ての微小液滴を確実に第2高分子電解質溶液に接触させることができる。
【0014】
請求項3のマイクロカプセル製造方法は、請求項1又は2において、前記第1高分子電解質が有するポリイオンと、前記第2高分子電解質が有するポリイオンとが逆電荷であることを特徴とする。
【0015】
この構成によると、微小液滴を第2高分子電解質溶液に接触させることにより、微小液滴中のポリイオンと、第2高分子電解質溶液中のポリイオンとを電気的相互作用により結合させて、高分子電解質複合体からなる球状の界面を形成することができる。
【0016】
請求項4のマイクロカプセル製造方法は、請求項1〜3の何れかにおいて、前記ニードルから押し出される前記第1の高分子電解質溶液に、予め所定の物質を添加することにより、前記界面の内側に前記所定の物質を有するマイクロカプセルを製造することを特徴とする請求項1に記載のマイクロカプセル製造方法。
【0017】
所定の物質が添加された第1高分子電解質溶液を用いることにより、ニードルから噴出される微小液滴中に所定の物質を含ませることができる。この微小液滴と第2高分子電解質溶液とを接触させて反応させることにより、球状の界面の内側に所定の物質を有するマイクロカプセルを製造することができる。
【0018】
請求項5のマイクロカプセル製造方法は、請求項4において、前記所定の物質が、細胞、タンパク質、核酸、多糖類、染料、触媒、生理活性物質、栄養物、薬物、芳香成分、色素、及び、吸着物質のうち、少なくとも1つを含むことを特徴とする。
【0019】
このマイクロカプセル製造方法では、有機溶媒を使用しなくてよいため、マイクロカプセルに細胞やタンパク質等の活性物質を内包させる場合、細胞やタンパク質等の活性状態を損なうことなく、マイクロカプセルに内包させることができる。
【0020】
請求項6のマイクロカプセル製造方法は、請求項1〜5の何れかにおいて、前記ニードルに印加される電圧、前記ニードルの内径、前記ニードルから押し出される前記第1の高分子電解質溶液の流量、及び、前記高分子電解質溶液中の高分子電解質の濃度のうち、少なくとも1つを制御することによって、前記マイクロカプセルの粒径を制御することを特徴とする。
【0021】
ニードルから噴出される微小液滴の粒径は、印加電圧や、ニードルの内径や、ニードルから押し出される第1高分子電解質溶液の流量、第1高分子電解質溶液の濃度を制御することによって制御することができる。そのため、印加電圧等を制御することにより、マイクロカプセルの粒径を確実に制御することができる。これにより、所望の粒径を有する大きさの揃ったマイクロカプセルを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態に係るマイクロカプセル製造方法に用いられるマイクロカプセル製造装置の概要を示す図である。
【図2】本発明のマイクロカプセル製造方法により作製した酵母を内包するマイクロカプセルの光学顕微鏡写真である。
【図3】酵母が増殖した状態のマイクロカプセルの光学顕微鏡写真である。
【図4】マイクロカプセルの粒径の分布を示すグラフである。
【図5】マイクロカプセルの粒径とニードルへの印加電圧との関係を示すグラフである。
【図6】マイクロカプセルの粒径とニードルの内径との関係を示すグラフである。
【図7】マイクロカプセルの粒径とニードルから押し出される第1高分子電解質溶液の流量との関係を示すグラフである。
【図8】マイクロカプセルの粒径と第1高分子電解質中の第1高分子電解質の濃度との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るマイクロカプセルの製造方法に用いられるマイクロカプセル製造装置1の概要を示す図である。
図1に示すように、マイクロカプセル製造装置1は、先端にニードル2が取り付けられたシリンジ3と、ニードル2に対向して配置された電極板4と、この電極板4とニードル2との間に電圧を印加する電源部5と、電極板4上に配置されたスターラー6と、スターラー6の上に配置された容器7とから構成される。シリンジ3内には、第1高分子電解質溶液8が充填され、容器7には、第2高分子電解質溶液9が保持されている。
【0024】
高分子電解質とは、正又は負の電荷をもつポリイオン(ポリカチオン又はポリアニオン)と、このポリイオンと逆符号の電荷を持つ多数の低分子イオンとに解離可能な高分子のことである。ポリカチオンを有する高分子電解質をポリカチオン性高分子とし、ポリアニオンを有する高分子電解質をポリアニオン性高分子とする。
【0025】
第1高分子電解質溶液8は、第1高分子電解質を溶媒に溶解した溶液である。第1高分子電解質は、ポリカチオン性高分子であっても、ポリアニオン性高分子であってもよい。また、第1高分子電解質は、単一種の高分子であっても、複数種の高分子を組み合わせたものであってもよい。但し、複数種の高分子を組み合わせて用いる場合には、同符号の電荷のポリイオン性高分子を用いる。
【0026】
第1高分子電解質に用いられるポリカチオン性高分子の具体例としては、キトサン、ポリアリルアミン塩酸塩(PAH)、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリジメチルアンモニウムクロライド(PDDA)、タンパク質、ポリリジン等が挙げられる。また、第1高分子電解質に用いられるポリアニオン性高分子の具体例としては、アルギン酸や、ポリスチレンスルホン酸(PSS)、ヒアルロン酸、ポリグルタミン酸、ポリアクリル酸、タンパク質、DNA、RNA等が挙げられる。マイクロカプセルの用途によっては、生体適合性や生分解性に優れているキトサンやアルギン酸を用いることが特に好ましい。第1高分子電解質の濃度は、高分子の種類にもよるが、例えば、0.1〜20wt%である。また、第1高分子電解質溶液8の溶媒としては、水が用いられる。
【0027】
第1高分子電解質溶液8には、マイクロカプセルに内包させる所定の物質(以下、芯物質という)が添加され、分散している。芯物質としては、例えば、酵母、大腸菌等の細胞、カビ、動物、植物、昆虫、タンパク質、核酸、無機微粒子等の触媒、吸着剤、薬物、生理活性物質、芳香成分、栄養分が挙げられる。
【0028】
第1高分子電解質溶液8中の芯物質の濃度は、種類にもよるが、1ppm〜50wt%である。例えば、芯物質が、細胞の場合には、0.01〜10wt%が好ましく、また、酵素等のタンパク質の場合には、1ppm〜1wt%が好ましい。芯物質として酵母を用いる場合には、第1高分子電解質溶液8に、酵母を培養するための液(培地)をさらに加えてもよい。なお、芯物質は、必ずしも添加しなくてもよい。
【0029】
第2高分子電解質溶液9は、第2高分子電解質を溶媒に溶解した溶液である。第2高分子電解質は、第1高分子電解質のポリイオンと逆電荷のポリイオンを有する高分子を用いるのが好ましいが、第1高分子電解質のポリイオンと反応して後述するような界面を形成するものであれば、第1高分子電解質のポリイオンと同符号の電荷のポリイオンを有する高分子であってもよい。
【0030】
また、第2高分子電解質は、単一種の高分子であっても、複数種の高分子を組み合わせたものであってもよい。但し、複数種の高分子を組み合わせて用いる場合には、同符号の電荷のポリイオン性高分子を用いることが好ましい。第2高分子電解質としては、上述した第1高分子電解質高分子に用いられるポリカチオン性高分子又はポリアニオン性高分子と同種のものが用いられる。第2高分子電解質の濃度は、高分子の種類にもよるが、例えば、0.1〜20wt%である。
また、第2高分子電解質溶液9の溶媒としては、マイクロカプセルの用途によっては、生体への安全性の観点から、水を用いることが好ましいが、特に水に限定されるものではない。
【0031】
第1高分子電解質と第2高分子電解質の組み合わせとしては、例えば、PAHとPSS、アルギン酸とキトサン、ヒアルロン酸とキトサン、ポリリジンとポリメタクリル酸等が挙げられる。
【0032】
以下、マイクロカプセル製造装置1について詳細に説明する。
シリンジ3の先端に設けられたニードル2の内径は、10〜1000μmである。図示しない駆動部によってシリンジ3の押し子3aが押圧されることにより、シリンジ3内の第1高分子電解質溶液8は、ニードル2の先端から押し出されるようになっている。駆動部による押し子3aの押し出し速度は、制御可能となっている。そのため、ニードル2から押し出される第1高分子電解質溶液8の流量は、制御可能となっている。ニードル2から押し出される第1高分子電解質溶液8の流量は、ニードル2の内径に応じた適切な値に設定される。
【0033】
ニードル2は、金属などの導電性材料が推奨されるが、他のガラス等の不導体材料も利用可能である。ニードル2は電源部5に接続されており、高電圧が印加されるようになっている。第1高分子電解質がポリカチオン性高分子の場合には、電源部5の正極がニードル2に接続されており、第1高分子電解質がポリアニオン性高分子の場合には、電源部5の負極がニードル2に接続されている。なお、図1は、電源部5の正極をニードル2に接続した場合を表示している。
【0034】
また、電源部5のニードル2に接続されている電極と反対側の電極は、接地されるとともに、電極板4に接続されている。これにより、ニードル2と電極板4との間には電界が形成される。電源部5としては、直流電源が使用され、ニードル2に印加される電圧(ニードル2と電極板4との電位差)は、例えば5〜30kVであり、特に10〜25kVが好ましい。また、電極板4は、金属等の導電性材料からなる。
【0035】
スターラー6は、容器7内の第2高分子電解質溶液9を攪拌するためのものである。スターラー6は、例えば磁力式のものであって、容器7内に配置した攪拌子(図示省略)を、磁力により回転させて第2高分子溶液を攪拌するようになっている。容器7は、導電性材料で形成されていてもよいが、絶縁性材料で形成されていてもよい。
【0036】
次に、マイクロカプセル製造装置1を用いたマイクロカプセルの製造方法について、第1高分子電解質としてポリカチオン性高分子を用いた場合を例に挙げて説明する。
【0037】
ニードル2から第1高分子電解質溶液8を一定の速度で押し出す。このとき、ニードル2と電極板4との間に電圧を印加しておく。すると、ニードル2の先端に第1高分子電解質溶液8が出てきて、円錐状のメニスカスが形成される。このメニスカスには、ポリカチオンが集まっているため、電界集中が生じている。この円錐状のメニスカスにおいて、電荷の静電反発力が表面張力を上回ると、メニスカスから微小液滴が分離する。分離する際、微小液滴は、静電反発力と表面張力の作用により大きさが揃ったものとなる。分離した微小液滴は、強く帯電しているため、液滴間の静電反発力によりスプレー状に噴出される。なお、微小液滴中のポリカチオンは、電荷の静電反発力が最小となるように、主に微小液滴の表面側に存在している。また、微小液滴の内部には、芯物質と溶媒とが存在している。
【0038】
ニードル2と電極板4との間には電界が形成されているため、電極板4と逆符号に帯電している微小液滴は、電極板4に引き寄せられ、第2高分子電解質溶液9に向かって飛翔して、第2高分子電解質溶液9中に滴下される。
【0039】
微小液滴を第2高分子電解質溶液9に接触させると、微小液滴の表面側に存在するポリカチオンと、第2高分子電解質溶液9中のポリアニオンとが電気的相互作用により結合して、高分子電解質複合体からなる球状の界面が形成される。球状の界面の内部には、芯物質と溶媒が封入されている。このようにして、芯物質を内包するマイクロカプセルが製造される。製造されるマイクロカプセルの粒径は、数十μm〜数百μmである。
【0040】
以上、第1高分子電解質としてポリカチオン性高分子を用いた場合を例に挙げて説明したが、第1高分子電解質としてポリアニオン性高分子を用いた場合も同様にしてマイクロカプセルを製造することができる。
【0041】
以上説明したマイクロカプセル製造方法によると、静電反発力と表面張力の作用により、大きさの揃った微小液滴をニードルから噴出させることができる。また、噴出された微小液滴は帯電しているため、液滴同士が移動中に合体することがなく、大きさが揃った状態のまま第2高分子電解質溶液9に接触させることができる。従って、均一な粒径のマイクロカプセルを製造することができる。
【0042】
ニードル2の内径が小さいほど、ニードル2から噴出される微小液滴の粒径が小さくなり、マイクロカプセルの粒径も小さくなる。従って、ニードルの内径を制御することにより、マイクロカプセルの粒径を制御することができる。
ニードル2の内径が大きすぎると、ニードル2から噴出される液滴は、粒径が大きくなり表面張力が小さくなるため、移動中に分裂する場合がある。この場合、第2高分子電解質溶液9に接触した時点の液滴の粒径が不均一となり、マイクロカプセルの粒径が不均一となる。
よって、ニードルの内径は、第1高分子電解質の種類等に応じて適切な範囲に設定することにより、粒径の揃った、所望の粒径のマイクロカプセルを得ることができる。第1高分子電解質の種類や流量等にもよるが、ニードル2の内径は、例えば、10〜1000μmが好ましい。
【0043】
ニードル2の内径が一定の場合、ニードル2から押し出される第1高分子電解質溶液8の流量が少ないほど、ニードル2から噴出される微小液滴の粒径が小さくなり、マイクロカプセルの粒径も小さくなる。
流量が多すぎると、ニードル2から噴出される液滴の粒径が大きくなり、液滴が移動中に分裂することによって、マイクロカプセルの粒径にばらつきが生じる場合がある。一方、流量が少なすぎると、ニードル2から均一な粒径の微小液滴を噴出させることができなくなり、マイクロカプセルの粒径にばらつきが生じる。
よって、第1高分子電解質溶液8の流量は、ニードル2の内径等に応じて適切な値に設定することにより、粒径の揃った、所望の粒径のマイクロカプセルを得ることができる。例えば、ニードルの内径が130μmで、電圧が10〜25kVの場合、流量は0.05〜2ml/hが好ましい。
【0044】
ニードル2への印加電圧が高いほど、ニードル2の先端の液面の電荷の静電反発力が大きくなり、より小さい液滴に分離するため、マイクロカプセルの粒径が小さくなる。
印加電圧が低すぎると、ニードル2から噴出される微小液滴の粒径が大きくなり、微小液滴が移動中に分裂することによって、マイクロカプセルの粒径にばらつきが生じる場合がある。一方、印加電圧が高すぎると、第1高分子電解質溶液8が十分供給される前に無理やり液滴を形成してしまい粒径が不均一となる。
よって、ニードル2への印加電圧を適切な値に設定することにより、粒径の揃った、所望の粒径のマイクロカプセルを得ることができる。具体的には、10〜25kVが好ましい。
【0045】
また、第1高分子電解質溶液8の濃度が低いほど、第1高分子電解質溶液8の粘性が低くなるととともに、ニードル2の先端の液面の表面張力が低くなるため、より小さい液滴に分離する。そのため、マイクロカプセルの粒径も小さくなる。
第1高分子電解質溶液8の濃度が低すぎると、微小液滴中のポリイオンが少なすぎるため、高分子電解質複合体からなる界面の厚さが十分でなく、マイクロカプセルの強度が低くなる。一方、第1高分子電解質溶液9の濃度が高すぎると、粘度が高くなるため、第1高分子電解質溶液の温度を上げるなど操作に工夫を要する。
よって、第1高分子電解質溶液8の濃度を、第1高分子電解質の種類等に応じて適切な値に設定することにより、強度が高く、粒径の揃った、所望の粒径のマイクロカプセルを得ることができる。
【0046】
また、ニードル2の先端から第2高分子電解質溶液9の液面までの距離を制御することによっても、第2高分子電解質溶液9に滴下される微小液滴の粒径を制御することができる。これにより、マイクロカプセルの粒径を制御することができる。
【0047】
さらに、第2高分子電解質溶液9中の第2高分子電解質の濃度を制御することによっても、マイクロカプセルの粒径を制御することができる。
【0048】
また、上述したように、ニードル2と電極板4との間に電界が形成されているため、ニードル2から噴出された微小液滴は、電極板4に引き寄せられて、容器7内の第2高分子電解質溶液9中に滴下される。従って、ニードル2から噴出された微小液滴の一部が容器7の外に落下するのが防止され、ニードル2から噴出されたほぼ全ての微小液滴を確実に第2高分子電解質溶液9に接触させることができる。
【0049】
また、このマイクロカプセルの製造方法では、ニードル2に電圧を印加しつつ、ニードル2から第1高分子電解質溶液8を押し出して、噴出された微小液滴を第2高分子電解質溶液9に滴下するという、一連の工程のみでマイクロカプセルを製造することができる。また、ニードル2から第1高分子電解質溶液8を一定流量で連続的に押し出して、第2高分子電解質溶液9を連続的に回収することにより、マイクロカプセルを連続的に製造することができる。そのため、生産性に優れている。
【0050】
また、例えばエマルジョン法と呼ばれる方法でマイクロカプセルを製造した場合には、使用した芯物質のうち、マイクロカプセルに内包される芯物質の割合は、100%に満たないが、本実施形態では、シリンジ3内に充填された第1高分子電解質溶液8を全てニードル2から押し出すことにより、第1高分子電解質溶液8に添加された芯物質を全てマイクロカプセルに内包させることができる。
【0051】
また、このマイクロカプセルの製造方法では、有機溶媒を使用しなくてよいため、環境負荷が小さく、生体に対する安全性が高いマイクロカプセルを得ることができる。また、マイクロカプセルに酵母等の活性物質を内包させる場合、酵母等の活性状態を損なうことなく、マイクロカプセルに内包させることができる。
【0052】
さらに、第1高分子電解質及び第2高分子電解質として、生体適合性を有する高分子を用いることにより、マイクロカプセルを医薬用途に利用することができる。また、第1高分子電解質及び第2高分子電解質として、生分解性を有する高分子を用いることにより、環境負荷のより小さいマイクロカプセルを得ることができる。
【0053】
また、高分子電解質複合体からなる界面は、金属イオンやグルコースなどの低分子物質が透過可能である。そのため、マイクロカプセルに酵母を内包させる場合、マイクロカプセルを作製した後に、第2高分子電解質溶液9を液体培地に置換することにより、培地中の栄養物質が界面の内側に浸入するため、マイクロカプセル内で酵母を増殖させることができる。また、医薬などの芯物質をゆっくりと外部へ放出させることができる。このようなマイクロカプセルを徐放性カプセルという。
【0054】
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、上記の実施形態は以下のように変更して実施することができる。
【0055】
1]上記実施形態では、第1高分子電解質溶液8が噴出されるニードル2の数は1つとしたが、複数であってもよい。
【0056】
2]上記実施形態では、攪拌した状態の第2高分子電解質溶液9に微小液滴を滴下しているが、例えば、一方向に流動させた第2高分子電解質溶液9に微小液滴を滴下してもよい。
【0057】
3]第2高分子電解質溶液9は、必ずしも攪拌されていなくてもよい。つまり、スターラー6を設けずに、容器7を直接電極板4上に配置してもよい。
【0058】
4]上記実施形態では、容器7が載せられたスターラー6は、電極板4上に直接配置されているが、容器7及びスターラー6は、必ずしも電極板4上に直接配置されていなくてよい。この場合、電極板4は、その表面の面積が、容器7の底面の面積よりも小さくもよい。また、電極板4は、平板状でなくてもよく、例えば、中央部が突出した四角錐状であってもよい。このような形状の電極板4を使用することにより、ニードル2と電極板4との間に電界集中を生じさせることができるため、ニードル2から噴出される微小液滴をより確実に容器7内の第2高分子電解質溶液9に滴下することができる。
【0059】
5]電極板4の代わりに、網目状の電極を使用し、この電極を容器7及びスターラー6の上に配置してもよい。つまり、ニードル2から噴出された微小液滴が、電界により容器7に飛び込むように、ニードル2、電極4、容器7、スターラー6を順に配置してもよい。
【0060】
6]上記実施形態では、電極板4とニードル2との間に電界を形成するために、電源部5を電極板4に接続しているが、電極板4とニードル2との間に電界を形成するための構成はこれに限定されるものではない。例えば、電源部5以外の他の電源部を設けて、この電源部の一方の電極を電極板4に接続して、他方の電極を接地して、電極板4とニードル2との間に電界を形成してもよい。
【0061】
7]上記実施形態では、電極板4とニードル2との間に電界が形成されているが、ニードル2に電圧が印加されていれば、このような電界は必ずしも形成されていなくてもよい。つまり、電極板4が設けられておらず、電源部5のニードル2に接続された電極と反対の電極が接地されている構成であってもよい。この場合、ニードル2から噴出された微小液滴は、電場の力と重力により容器7中の第2高分子電解質溶液9に滴下される。
【0062】
8]上記実施形態では、第1高分子電解質溶液8の溶媒には水を用いたが、有機溶媒や、水とアルコール等との水混合物、Oil−in−waterやWater−in−oil等のエマルジョン溶液を溶媒として用いてもよい。但し、生体への安全性に優れており、芯物質の活性状態を損なわないという点からは、水を用いることが好ましい。また、有機溶媒を用いた場合、ニードル先端の液面から分離した微小液滴は、移動の過程で溶媒(有機溶媒)が蒸発しやすい。溶媒が蒸発すると、粒径が小さくなるため、電荷が集中して静電反発力が高まり、表面張力が低下する。そのため、電荷の静電反発力が表面張力を上回って、より小さい液滴に分裂する場合がある。このような移動途中の分裂が生じていると、第2高分子電解質溶液9に滴下された時点での微小液滴の粒径に若干ばらつきが生じ、マイクロカプセルの粒径にもばらつきが生じる場合がある。従って、より粒径の揃ったマイクロカプセルを得られるという点においても、溶媒として水を用いることが好ましい。
【実施例】
【0063】
以下、本発明の具体的な実施例について説明する。
【0064】
図1に示す構成のマイクロカプセル製造装置を用意した。なお、シリンジ3は、オールプラスチックディスポシリンジ(ロックタイプ、5ml、型式H4050−LL)を使用した。電極板4と電源部5は、株式会社メックの「LAB用ナノファイバー サンプル作製装置」のNF−104を使用した。スターラー6は、日伸理化株式会社製のミニDCスターラーSW−M01を使用した。容器7は、ガラス製ペトリシャーレを使用した。また、ニードル2としては、ルアーロック注射針の針先90°、丸基タイプの18G(内径900μm、外径1260μm)と、23G(内径330μm、外径630μm、)と、27G(内径190μm、外径410μm)と、30G(内径130μm、外径310μm)のものと、Pre−Pulled Glass Pipettes(TIP30TW1−L、World Precision Instruments社製、内径30μm、外径40μm)を用意した。
【0065】
<実施例1>
実施例1の第1高分子電解質溶液として、アルギン酸を1.5wt%、野生型酵母を1.2wt%含む水溶液を用いた。また、第2高分子電解質溶液として、濃度0.5wt%のキトサン水溶液を用いた。これら第1、第2高分子電電解質溶液を用いて、上述実施形態で説明したマイクロカプセルの製造方法によって、酵母が内包されたマイクロカプセルを作製した。
なお、ニードル2は上述した30G(外径310μm、内径130μm)のものを用いた。ニードルへの印加電圧を17.5kVとし、ニードルから押し出される第1高分子電解質溶液の流量を0.2ml/hとした。また、ニードル先端から第2高分子電解質溶液の液面までの距離は、4.5cmとした。
【0066】
作製された直後の実施例1のマイクロカプセルの顕微鏡写真を図2示す。また、実施例1のマイクロカプセルについて、約80個の粒径を測定し、粒径の分布を求めた。その結果を図4にグラフで示す。図4に示すように、粒径の揃ったマイクロカプセルを製造できることが確認された。
【0067】
さらに、作製されたマイクロカプセルごと第2高分子電解質溶液を1ml分だけ取り出した。これを遠心分離して、上澄みを捨ててから、1mlのYPD培地(グルコース2wt%、ペプトン2wt%、酵母エキス1wt%)を加えて分散させた後、適量を取り出して20時間放置した。20時間経過後のマイクロカプセルの顕微鏡写真を図3に示す。図3の写真から明らかなように、マイクロカプセル内で、酵母を増殖させることができることが確認された。
【0068】
<実施例2〜5>
次に、実施例2〜5の第1高分子電解質溶液として、ポリアリルアミン塩酸塩(PAH)水溶液を使用した。この第1高分子電解質溶液には、マイクロカプセルに内包するための物質は添加しなかった。また、第2高分子電解質溶液として、ポリスチレンスルホン酸(PSS)水溶液を用いた。なお、後述する実施例6〜17も、第1高分子電解質溶液及び第2高分子電解質溶液は同じ種類のものを使用した。また、実施例2〜17では、第2高分子電解質溶液中のPSSの濃度は、全て10wt%とし、ニードル先端から第2高分子電解質溶液の液面までの距離は、全て4.5cmとした。
【0069】
ニードルへの印加電圧を15kV、17.5kV、22kV、24kVと変化させ、その他の条件は同じにして、実施例2〜5のマイクロカプセルを約100個ずつ作製した。第1高分子電解質溶液中のPAHの濃度、ニードルの径、及び、第1高分子電解質溶液の流量を表1に示す。各実施例のマイクロカプセルについて、粒径を測定し、粒径の平均値と、標準偏差値と、変動係数(相対標準偏差値)を求めた。その結果も表1に示す。また、実施例2〜5のマイクロカプセルの粒径の平均値及び標準偏差値と、印加電圧との関係を、図5にグラフで示す。図5のグラフ中、粒径の平均値を四角形の記号で示し、平均値±標準偏差値の範囲を直線で表示した。後述する図6〜9も同様に表示した。
【0070】
【表1】

【0071】
図5及び表1から明らかなように、印加電圧が22kVの実施例4と、印加電圧が24kVの実施例5とでは、マイクロカプセルの粒径がほとんど変わらないものの、実施例2〜4を比較すると、ニードルへの印加電圧が高いほど、マイクロカプセルの粒径は小さくなった。
【0072】
<実施例6〜10>
次に、ニードルの内径及び外径を表2に示す値に変化させて、その他の条件は同じにして、実施例6〜10のマイクロカプセルを約100個ずつ作製した。第1高分子電解質溶液中のPAHの濃度、印加電圧、及び、第1高分子電解質溶液の流量も表2に示す。各実施例のマイクロカプセルについて、粒径を測定し、粒径の平均値と、標準偏差値と、変動係数を求めた。その結果も表2に示す。また、実施例6〜10のマイクロカプセルの粒径の平均値及び標準偏差値と、ニードルの内径との関係を、図6にグラフで示す。
【0073】
【表2】

【0074】
図6及び表2から明らかなように、ニードル内径が130μmの実施例7と、ニードル内径が190μmの実施例8とでは、マイクロカプセルの粒径がほとんど変わらないものの、実施例6〜10を比較すると、ニードルの内径が小さいほど、マイクロカプセルの粒径は小さくなった。
【0075】
<実施例11〜13>
次に、ニードルから押し出される第1高分子電解質溶液の流量を0.05ml/h、0.1ml/h、0.2ml/hと変化させ、その他の条件は同じにして、実施例11〜13のマイクロカプセルを約100個ずつ作製した。第1高分子電解質溶液中のPAHの濃度、印加電圧、ニードルの径を表3に示す。各実施例のマイクロカプセルについて、粒径を測定し、粒径の平均値と、標準偏差値と、変動係数を求めた。その結果も表3に示す。また、実施例11〜13のマイクロカプセルの粒径の平均値及び標準偏差値と、第1高分子電解質溶液の流量との関係を、図7にグラフで示す。
【0076】
【表3】

【0077】
図7及び表3から明らかなように、ニードルから押し出される第1高分子電解質溶液の流量が少ないほど、マイクロカプセルの粒径は小さくなった。
【0078】
<実施例14〜17>
次に、第1高分子電解質溶液中のPAH(第1高分子電解質)の濃度を1wt%、3wt%、5wt%、10wt%と変化させて、その他の条件は全て同じにして、実施例14〜17のマイクロカプセルを約100個ずつ作製した。印加電圧、ニードルの径、第1高分子電解質溶液の流量を表4に示す。各実施例のマイクロカプセルについて、粒径を測定し、粒径の平均値と、標準偏差値と、変動係数を求めた。その結果も表4示す。また、実施例14〜17のマイクロカプセルの粒径の平均値及び標準偏差値と、第1高分子電解質の濃度との関係を、図8にグラフで示す。
【0079】
【表4】

【0080】
濃度1wt%で作製した実施例14のマイクロカプセルは、球状ではなく平坦状であって、他の実施例のマイクロカプセルに比べて脆かった。実施例14を除いた実施例15〜17を比較すると、図8及び表4から明らかなように、第1高分子電解質の濃度が低いほど、マイクロカプセルの粒径は小さくなることがわかる。
【符号の説明】
【0081】
1 マイクロカプセル製造装置
2 ニードル
3 シリンダ
4 電極板
5 電源部
6 スターラー
7 容器
8 第1高分子電解質溶液
9 第2高分子電解質溶液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1高分子電解質を溶解した第1高分子電解質溶液を、ニードルから押し出す工程と、
前記ニードルに電圧を印加して、押し出される前記第1高分子電解質溶液を帯電させて微小液滴にして噴出させる工程と、
第2高分子電解質を溶解した第2高分子電解質溶液に、噴出された前記微小液滴を接触させて反応させることにより、高分子電解質複合体からなる球状の界面を形成して、マイクロカプセルを製造する工程と、
を有することを特徴とするマイクロカプセル製造方法。
【請求項2】
前記ニードルから噴出される帯電した前記微小液滴が、前記第2高分子電解質溶液に向かうように、前記ニードルに対向して電極を配置して、前記ニードルと前記電極との間に電界を形成することを特徴とする請求項1に記載のマイクロカプセル製造方法。
【請求項3】
前記第1高分子電解質が有するポリイオンと、前記第2高分子電解質が有するポリイオンとが逆電荷であることを特徴とする請求項1又は2に記載のマイクロカプセル製造方法。
【請求項4】
前記ニードルから押し出される前記第1の高分子電解質溶液に、予め所定の物質を添加することにより、前記界面の内側に前記所定の物質を有するマイクロカプセルを製造することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のマイクロカプセル製造方法。
【請求項5】
前記所定の物質が、細胞、タンパク質、核酸、多糖類、染料、触媒、生理活性物質、栄養物、薬物、芳香成分、色素、及び、吸着物質のうち、少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項4に記載のマイクロカプセル製造方法。
【請求項6】
前記ニードルに印加される電圧、前記ニードルの内径、前記ニードルから押し出される前記第1の高分子電解質溶液の流量、及び、第1高分子電解質溶液中の第1高分子電解質の濃度のうち、少なくとも1つを制御することによって、前記マイクロカプセルの粒径を制御することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のマイクロカプセル製造方法。

【図1】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−201350(P2010−201350A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−50121(P2009−50121)
【出願日】平成21年3月4日(2009.3.4)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2009年2月20日 国立大学法人神戸大学大学院工学研究科博士課程応用化学専攻発行の「修士論文・卒業論文 研究発表講演要旨集」 (2008年度)に発表、2009年2月23日 国立大学法人神戸大学大学院工学研究科博士課程応用化学専攻の「2008年度修士論文発表会」で発表
【出願人】(504150450)国立大学法人神戸大学 (421)
【Fターム(参考)】