マイクロチャンバープレート及びその製造方法
【課題】リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応、定温酵素反応、又はLCR(Ligase Chain Reaction)に要求される多数個のマイクロチャンバー内部に溶液が蒸発されることを防止し、溶液を容易に注入して注入段階にかかる時間を画期的に減らすことができ、前記マイクロチャンバー間に溶液が混入されないようにして、溶液内部の微細気泡が排出されるようにすることによって光学値を最も正確に測定することができて少量の試料を用いながらも分析の正確度を高めることができるマイクロチャンバープレート、その製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のマイクロチャンバープレートは一側面に光学測定ができるように光学測定部が形成され、他側面に試料の注入ができるように中空された注入部が形成され、複数個の空間で区画されたマイクロチャンバーが形成された胴体;前記胴体の一側面に前記光学測定部を密閉する透明層;及び前記胴体の他側面に前記注入部を遮断し、試料を含む共通試薬がマイクロチャンバーの内部に注入されるようにする注入層;とを含めて形成されることを特徴とし、一方、本発明のマイクロプレートの製造方法はa)一側面に光学測定ができる光学測定部が形成され、他側面に試料の注入が可能である注入部が形成され、複数個の空間で区画されたマイクロチャンバーが形成された胴体が用意される段階;b)前記胴体の光学測定部に透明層が形成される段階;c)前記胴体の注入部に特異成分が分注されて、それぞれのマイクロチャンバープレートに合い異なる特異成分が内蔵される段階;及びd)前記マイクロチャンバープレートの他側面に注入層が形成される段階;とを含めて製造されることを特徴とする。
【解決手段】本発明のマイクロチャンバープレートは一側面に光学測定ができるように光学測定部が形成され、他側面に試料の注入ができるように中空された注入部が形成され、複数個の空間で区画されたマイクロチャンバーが形成された胴体;前記胴体の一側面に前記光学測定部を密閉する透明層;及び前記胴体の他側面に前記注入部を遮断し、試料を含む共通試薬がマイクロチャンバーの内部に注入されるようにする注入層;とを含めて形成されることを特徴とし、一方、本発明のマイクロプレートの製造方法はa)一側面に光学測定ができる光学測定部が形成され、他側面に試料の注入が可能である注入部が形成され、複数個の空間で区画されたマイクロチャンバーが形成された胴体が用意される段階;b)前記胴体の光学測定部に透明層が形成される段階;c)前記胴体の注入部に特異成分が分注されて、それぞれのマイクロチャンバープレートに合い異なる特異成分が内蔵される段階;及びd)前記マイクロチャンバープレートの他側面に注入層が形成される段階;とを含めて製造されることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロチャンバープレート及びその製造方法に関するものであり、より詳しくは多数の遺伝子を含んでいる生物学的試料溶液を分析するためにそれぞれの遺伝子に選択的に反応するプライマー又はプローブを含む多数の反応液が交差汚染無く反応して蛍光値をリアルタイムで測定及び分析することができるように行うマイクロチャンバープレート及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
マイクロチャンバーとは数マイクロリットル以下の微細な反応が起きる容器であって、シリコンウエハー、ガラス、金属、又はプラスチックなどで形成でき、前記マイクロチャンバープレートとは前記マイクロチャンバーが2次元的に配列されてなるプレートであって、一般として一側面は試料が注入される注入口が、他側面は前記マイクロチャンバーの内部の反応を観測するための透明な材質からなる。
【0003】
一方、遺伝子の量を測定する方法としてポリメラーゼ連鎖反応(PCR、Polymerase Chain Reaction)を行いながらリアルタイムで遺伝子の量に比例して増加される蛍光値を測定することができるリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(Real-Time PCR)方法が開発された。
【0004】
前記リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応方法はポリメラーゼ連鎖反応を行うことによりポリメラーゼ連鎖反応の産物から生じられる蛍光値を各サイクル毎に測定し、一定量以上の蛍光値が生じられるサイクルを確認することにより試料の特定遺伝子の初期濃度を定量的に分析することができる。
【0005】
前記リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応方法は前記ポリメラーゼ連鎖反応後に電気泳動過程が必要でなく、ポリメラーゼ連鎖反応を行う共に反応された産物を定量的に測定して試料の内部のそれぞれの特定塩基配列を有する遺伝子の濃度を109以上の範囲において決定することができるという利点がある("A-Z of Quantitative PCR" edited by Stephen A. Bustin 2004-2006 International University, "Realtime PCR" edited by M. Tevfik Dorak 2006 Taylor & Francis Group)。
【0006】
前記リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応方法を行うリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応機器は多様な形態が提案されたことがあり、多数の試料を分析することができるリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応機器として標準96well、384wellプレートを使用して96個又は384個の遺伝子を分析することができる機器が提案されたことがある(Roche社のLight cycler 480, ABI 7500, 7900)。
【0007】
前記Roche社のリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応機器は反応試料の量が10乃至50μlのものであって、割と多量の試料が必要となる問題点がある。
【0008】
前記問題点を解決するためにMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いて反応試料の量を減らすことにより短時間内に多い試料を同時に分析するための多様な方法が提示され、これによってマイクロチャンバーアレイプレートを用いた方法もやはり提案されたことがある。
【0009】
マイクロチャンバーアレイプレートを使用する方法は、大きく前記マイクロチャンバーに反応試料を注入する段階、マイクロチャンバー間の反応溶液を密封させる段階、反応及び分析段階の3段階で構成され、初番目に、個別的に前記マイクロチャンバーに試料溶液を加える方法として、透明な細胞培養用マイクロチャンバープレートに半透過性膜を覆ってマイクロチャンバーを隔離させてそれぞれのマイクロチャンバーに一つの細胞を培養して培養液を除去した後、タクマン(Taqman)反応溶液を加えて蒸発防止のために透明オイルで密封して温度サイクルをしながらプレートの底で蛍光値を測定するマイクロチャンバーアレイプレートが提案されたことがある(YASUDA, Kenji EP 1,541,678 A1, JP 2002245900 NUCLEIC ACID ANALYSIS CHIP AND NUCLEIC ACID ANALYZER)。
【0010】
前記方式はそれぞれのマイクロチャンバーに合い異なる溶液をマイクロピペットで吸入し加えるため時間がたくさんかかり、特に1536個以上のマイクロチャンバーに試料を注入するために微細自動分注器を使用しなければならないが、それぞれ異なる溶液を加える前に洗滌する過程に長時間がかかって現実的に384プレート以上は使用が難しいという問題点がある。
【0011】
第二番目に、初番目の方法を解決するためにシリコンウエハーをフォトリソグラフィと化学エッチング方式でマイクロチャンバーアレイを構成した反応機がE. Tamiy教授グループのHidenori Nagaiなどによって提示されたことがある(Anal. Chem. 2001 73, 1043-1047, Development of a Micro-chamber Array for Picoliter PCR)。
【0012】
前記反応機はポリメラーゼ連鎖反応溶液の蒸発を防止するために顕微鏡スライドカバーガラスを用いるが、前記カバーガラスを離すときに反応液の交差汚染が誘発されることにつれて撥水性膜をカバーガラスとウエハーとの間に差し込んで、先ず前記カバーガラスを除去してから反応溶液を乾燥させた後に撥水性膜を除去して分析しなければならないという厄介があり、リアルタイムの遺伝子定量増幅に使用できないという問題点があった。
【0013】
第三番目に、定量増幅の問題点を解決するために、同じ研究室でY. Matsubaraなどはウエハー上の凹んだマイクロチャンバーにそれぞれのプライマーをマイクロアレイ装備を用いて加えた後に乾燥させたマイクロチャンバーアレイを開発した(7th International Conference on Miniaturized Chemical and Biochemical Analysis Systems October 5-9, 2003, Squaw Valley California USA)。
【0014】
前記マイクロチャンバーアレイはチップの上部にミネラルオイルを加えてマイクロチャンバーを完全に覆った後、ここにポリメラーゼ連鎖反応の反応液をナノジェット分注器を用いて反応機のミネラルオイル上で点滴する方法を使用した。この方法は1インチ×3インチのシリコンウエハーをフォトリソグラフィと化学エッチング方式で50ナノリットルの体積(0.65×0.65×0.2mm)を有する1,248個のマイクロチャンバーアレイチップを製造した後、マイクロチャンバーにプライマーとタクマン(Taqman)プローブ溶液をナノリットル分注器で点滴してこれを乾燥させ、全体をミネラルオイルでコーティングしてそれぞれのマイクロチャンバーを隔離密封した。
【0015】
前記第三番目の方法を用いて製造されたマイクロチャンバーアレイはナノリットル分注器を用いてTaq DNA重合酵素と試料DNAの混合液をミネラルオイルの上層部から噴射してそれぞれのマイクロチャンバーに分注することによって成功にマイクロチャンバーでそれぞれの反応成分が交差汚染無くポリメラーゼ連鎖反応を行うことができるという長所がある。
【0016】
しかし、前記方法は溶液を注入するときに別途のマイクロアレイ用ナノリットル分注装備が必要となり、分注をするための時間が長く所要され、プレートの移動時にミネラルオイルの流動で反応液の相互間の交差汚染の危険性が高いという問題点がある。また、温度サイクル反応時に、高温でバブルが発生され、オイルと水溶液の疎水性効果によって水溶液が球形形態となってレンズ効果を起こすことにつれて光学測定時に励起光と発光が散乱、分散されて測定誤差を大きくする問題点がある。
【0017】
第四番目に、前記第三番目のような化学的なエッチング方式によって製造されたマイクロチャンバーであるが、前記第三番目の方式より最も多い数の反応をさせることができるものとしてPicoTiterPlateが開発されたことがある(John H. Leamon et al., A massively parallel PicoTiterPlate based platform for discrete pico-liter-scale polymerase chain reactions. Electrophoresis 2003, 24, 3769-3777)。
【0018】
前記第四番目の方式は39.5plの量で300,000個の独立なポリメラーゼ連鎖反応をさせることができる形態があるが、プライマー/プローブを固定化した担体が無ければならないため、均一な光学特性が要求されるリアルタイム定量ポリメラーゼ連鎖反応に提供することができない。
【0019】
第五番目に、微量試料を反応させるために、米国特許第5948673号には‘フィルム反応機(又はDNAカード)’という反応機が提示されたことがある。
【0020】
前記フィルム反応機は3層の非常に薄いフィルムからなっており、具体的に下層フィルムは反応機の底面を形成し、中層フィルムは反応機の側面を形成し、上層フィルムは試料注入口を形成する。前記フィルム反応機にピペットを通じて微量の試料溶液を注入した後に反応のためには反応注入口を完全に密封しなければならないが、完璧に密封されていない場合はポリメラーゼ連鎖反応時に反応溶液が全て蒸発する問題点があり、前記フィルム反応機は数千個の試料を扱うためには構造的にあまりにも複雑であるため、現実的に製造が不可能である。
【0021】
第六番目に、標準ELISAプレートサイズで1,536蛍光分析反応を行うことができる反応プレートがWO 02/40158とUS 6,232,114に開示されたことがある。
【0022】
前記第六番目の方法はプレートに多数の貫通された孔を形成し、蛍光量が少ない透明なフィルムを融着して多数の反応容器を形成し、ここに試薬を入れた後に透明フィルムで密封して反応を行う容器を用いる方法である。前記反応プレートは上面及び下面が透明に形成され、一側面において励起光を加えて他の一側において蛍光を測定することができる長所がある。
【0023】
しかし、前記第六番目の方法も、多数の遺伝子を分析するためには各々のマイクロチャンバー毎にそれぞれ合い異なるプライマーとプローブが入らなければならないが、多数の試料を分析するプレートは数千個の異なる溶液を微細なマイクロチャンバーに入れなければならないため、このために従来のナノリットル分注器のような特殊な分注装備が必要であり、長時間がかかる作業でありながらも試料注入時に不良が生じる問題点をそのまま有しているようになる。また、マイクロチャンバー内に溶液を完全に満たすことができないという問題によって、加温される場合、マイクロチャンバーの上部に水蒸気がくすぶるようになって光学測定を妨害する問題点もある。
【0024】
従って、多数のマイクロチャンバーに均一に試料を注入し、各反応液間の交差汚染が生じなく、気泡が発生しなく、水蒸気が光学測定部面に凝縮されなくて反応時に反応物から生成される光をリアルタイムで正確に測定することができるマイクロチャンバープレートが要求されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
本発明は上述したような問題点を解決するために、本発明の目的はリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応、定温酵素反応、又はLCR(Ligase Chain Reaction)に要求される多数個のマイクロチャンバー内部に溶液が蒸発されることを防止し、溶液を容易に注入して注入段階にかかる時間を画期的に減らすことができ、前記マイクロチャンバー間に溶液が混入されないようにして、溶液内部の微細気泡が排出されるようにすることによって光学値を最も正確に測定することができて少量の試料を用いながらも分析の正確度を高めることができるマイクロチャンバープレート、その製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明のマイクロチャンバープレートは一側面に光学測定ができるように光学測定部が形成され、他側面に試料の注入ができるように中空された注入部が形成され、複数個の空間で区画されたマイクロチャンバーが形成された胴体;前記胴体の一側面に前記光学測定部を密閉する透明層;及び前記胴体の他側面に前記注入部を遮断し、試料を含む共通試薬がマイクロチャンバーの内部に注入されるようにする注入層;とを含めて形成されることを特徴とする。
【0027】
また、前記マイクロチャンバーは前記注入層の形成以前にプライマー又はプローブなどの特異成分Aが含まれた核酸分析のための分析試薬が内蔵されることを特徴とし、前記マイクロチャンバーは核酸増幅酵素、DNA構成化合物(dNTP)、又はバッファーがさらに内蔵されることを特徴とする。
【0028】
同時に、前記注入層130は試料を含む共通試薬の注入が完了された後、接着性フィルム、水分によって皮膜を形成する成分、オイル、または常温で固体である固形成分を用いてシール(sealing)されることを特徴とする。
【0029】
また、前記注入層は穿孔できるフィルムからなり、前記マイクロチャンバーのそれぞれと連通されるように前記注入層は穿孔されることを特徴とし、伴って、前記マイクロチャンバー当たり穿孔された個数がそれぞれ1乃至10個で形成されることを特徴とする。
【0030】
同時に、前記注入層は多孔性材質で形成されることを特徴とする。
【0031】
また、前記透明層は0℃乃至100℃において変形が生じない材質で形成されることを特徴とし、前記透明層は特定波長の光のみを通過させたり遮断することができる。
【0032】
なお、前記マイクロチャンバープレートは、前記胴体の注入部が形成された面の縁周が突出されて上側が開口された空間部が形成され、前記マイクロチャンバーの内部に注入される共用試薬又は試料が前記注入層の上部に形成された空間部に直接供給されることを特徴とする。
【0033】
同時に、前記マイクロチャンバープレートは、一側に試料を含む共通試薬が供給される供給部が形成され、前記空間部を遮断して気体は排出できる試料供給層がさらに形成されることを特徴とする。
【0034】
また、前記マイクロチャンバーは円筒形又は直方体の形態であるものが望ましいが、これに限られない。前記マイクロチャンバーのサイズは0.3乃至3mmの幅で形成されることを特徴とし、0.5乃至5mmの深さで形成されることを特徴とする。
【0035】
また、 前記マイクロチャンバープレートは、試料を含む共通試薬が含まれた別途の容器にマイクロチャンバープレートを漬けて前記試料を含む共通試薬が前記マイクロチャンバーの内部に注入されるように行うことを特徴とする。
【0036】
同時に、前記マイクロチャンバープレートは前記透明層を保護する第1保護部、又は前記注入層を保護する第2保護部とが形成されることを特徴とし、前記第1保護部又は第2保護部は剥離可能な接着性フィルム又は脱・付着可能な部材が用いられることを特徴とする。
【0037】
また、前記マイクロチャンバープレートは、複数個が一体で形成されることを特徴とする。
【0038】
一方、本発明のマイクロプレートの製造方法は、a)一側面に光学測定ができる光学測定部が形成され、他側面に試料の注入が可能である注入部が形成され、複数個の空間で区画されたマイクロチャンバーが形成された胴体が用意される段階(Sa);b)前記胴体の光学測定部に透明層が形成される段階(Sb);c)前記胴体の注入部に特異成分が分注されて、それぞれのマイクロチャンバープレートに合い異なる特異成分が内蔵される段階(Sc);及びd)前記マイクロチャンバープレートの他側面に注入層が形成される段階(Sd);とを含めて製造されることを特徴とする。
【0039】
また、前記マイクロチャンバープレートの製造方法は、前記d)注入層形成段階(Sd)の以後に、e)前記注入層を保護する第1保護部又は前記透明層を保護する第2保護部を形成する段階(Se)がさらに含まれることを特徴とする。
【0040】
一方、本発明のマイクロチャンバープレートを用いた試料分析方法は上述したようなマイクロチャンバープレートの製造方法によって製造されたマイクロチャンバープレートを用いて、イ)製造されたマイクロチャンバープレートの注入層を通じて前記マイクロチャンバーの内部に試料を含む共通試薬を注入する段階(Sイ);ロ)前記試料を含む共通試薬の注入が完了されると、前記注入層の上層面をシールする段階(Sロ);及びハ)前記特異成分と試料を含む共通試薬を反応させる段階(Sハ);とを含むことを特徴とする。注入層の上層面をシールする段階は注入層の材質によって除外され得る。
【0041】
また、前記試料を含む共通試薬注入段階(Sイ)は前記マイクロチャンバーの内部に試料を含む共通試薬が円滑に注入できるように遠心力、減圧又は加圧が作用されることを特徴とする。
【0042】
なお、ニ)前記試料を含む共通試薬注入段階(Sイ)において複数個の試料又は試薬が順次に注入される場合、一つの注入が完了された後、前記マイクロチャンバープレートの圧力が調節される段階(Sニ)がさらに含まれることを特徴とする。
【0043】
同時に、前記圧力調節段階(Sニ)は前記マイクロチャンバーの内部の残留気体が排気できるように減圧−解除、又は加圧されることを特徴とする。
【0044】
また、前記シールする段階(Sロ)は試料を含む共通試薬の注入が完了された後、接着性フィルム、水分によって皮膜を形成する成分、オイル、または常温で固体である固形成分を用いて注入層をシールすることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明によるマイクロチャンバープレートの斜視図である。
【図2】前記図1に示したマイクロチャンバープレートの断面図である。
【図3】本発明によるマイクロチャンバープレートの他の断面図である。
【図4】本発明によるマイクロチャンバープレートの他の斜視図である。
【図5】前記図4に示したマイクロチャンバープレートの断面図である。
【図6】本発明によるマイクロチャンバープレートのもう一つの斜視図である。
【図7】本発明によるマイクロチャンバープレートのもう一つの斜視図である。
【図8】本発明によるマイクロチャンバープレートのもう一つの斜視図である。
【図9】前記図8に示したマイクロチャンバープレートの断面図である。
【図10】本発明によるマイクロチャンバープレートのもう一つの断面図である。
【図11】本発明によるマイクロチャンバープレートのもう一つの斜視図である。
【図12】本発明によるリアルタイムのポリメラーゼ連鎖反応用分析装置の構成図である。
【図13a】本発明のマイクロチャンバープレートの製造方法による段階図である。
【図13b】本発明のマイクロチャンバープレートの製造方法による段階図である。
【図14a】本発明のマイクロチャンバープレートを用いた分析方法によるもう一つの段階図である。
【図14b】本発明のマイクロチャンバープレートを用いた分析方法によるもう一つの段階図である。
【図14c】本発明のマイクロチャンバープレートを用いた分析方法によるもう一つの段階図である。
【符号の説明】
【0046】
1000:本発明のリアルタイムのポリメラーゼ連鎖反応用分析装置
100:マイクロチャンバープレート
110:胴体
111:マイクロチャンバー
L111:マイクロチャンバーの幅
D111:マイクロチャンバーの深さ
112:注入部
113:光学測定部
114:空間部
115:隔壁部
120:透明層
130:注入層
140:試料供給層
141:供給部
150:第1保護部
160:第2保護部
170:胴体連結部
200:圧力調節手段
300:温度調節手段
400:回転手段
A:特異成分
Sa〜Se:本発明によるマイクロチャンバープレートの製造方法の各段階
Sイ〜Sニ:本発明によるマイクロチャンバープレートを用いた分析方法
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、本発明のマイクロチャンバープレート100、その製造方法を添付された図面を参照して詳細に説明する。
【0048】
図1は本発明によるマイクロチャンバープレート100の斜視図であり、図2は前記図1に示したマイクロチャンバープレート100の断面図であり、図3は本発明によるマイクロチャンバープレート100の他の断面図であり、図4は本発明によるマイクロチャンバープレート100の他の斜視図であり、図5は前記図4に示したマイクロチャンバープレート100の断面図であり、図6と図7は本発明によるマイクロチャンバープレート100のもう一つの斜視図であり、図8は本発明によるマイクロチャンバープレートのもう一つの斜視図であり、図9は前記図8に示したマイクロチャンバープレートの断面図であり、図10は本発明によるマイクロチャンバープレートのもう一つの断面図であり、図11は本発明によるマイクロチャンバープレートのもう一つの斜視図である。
【0049】
前記図1乃至図6は本発明のマイクロチャンバープレート100を示した図面であって、本発明のマイクロチャンバープレート100は大きく光学測定部113及び注入部112が形成されたマイクロチャンバー111が複数個形成された胴体110;前記胴体110の両側面にそれぞれ形成される透明層120及び注入層130とを含めて形成される。
【0050】
前記胴体110は本発明のマイクロチャンバープレート100をなす基本構成であって、内部に試料、反応溶液、又は溶媒などが内蔵される空間であるマイクロチャンバー111が複数個備えられる。
【0051】
前記胴体110はシリコンウエハー、ガラス、金属、又はプラスチックで形成でき、前記マイクロチャンバー111は一側面に光学測定ができるように光学測定部113が形成され、他側面には分析に必要な物質が注入される注入部112が形成される。
【0052】
前記透明層120は前記光学測定部113が形成された胴体110の一側面を密閉しながらも、光学測定ができるように透明な材料を用いて形成される。
【0053】
この際、前記マイクロチャンバープレート100は分析過程において加熱されるため、熱によって耐久性を有する材料であるものが望ましく、さらに望ましくは前記透明層120は0℃乃至100℃において変形が生じない材料で構成される。
【0054】
また、前記透明層120は光学測定のために特定波長の光を遮断したり、特定波長の光のみを通過せしめて最も正確な光学測定値を得るようにすることができる。
【0055】
前記注入層130は前記胴体110の注入部112が形成された他側面に前記注入部112を遮断するように形成し、試料を含む共通試薬が前記注入層130を通過してマイクロチャンバー111の内部に注入させる。
【0056】
前記注入層130は前記注入部112を遮断して内部に注入された物質の蒸発を防止しながらも、前記マイクロチャンバー111の内部に共通的に加える物質が注入されるように穿孔可能な物質又は多孔性物質で形成される。
【0057】
前記穿孔可能な物質はフィルム形態の材料が用いられ、前記フィルム形態の注入層130は前記マイクロチャンバー111とそれぞれ連通するように穿孔される。
【0058】
この際、前記穿孔された個数は前記マイクロチャンバー111の一つ当たり1乃至10個で形成でき、前記フィルム材料としてはテフロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、PVC、又はPETなどが用いられ、前記穿孔された部分の幅は10μm乃至1mm以内、さらに望ましくは100乃至500μm以内で形成せしめる。
【0059】
前記注入層130を通じて注入時に圧力などが調節されて注入が容易に行われるようにすることが望ましい。
【0060】
また、前記注入層130は多孔性材質を用いて穿孔の作業無しでそのまま利用可能にすることができ、前記多孔性材質としてはミクロ細孔(Micropore)、メッシュ(mesh)型物質、不織布などを用いることができ、前記多孔性材質の細孔のサイズは0.1乃至100μm以内のものが望ましい。
【0061】
前記注入層130を通じて試料注入が完了された後、注入された試料の流出や蒸発を防止し、マイクロチャンバー111間の試料混入を防止するための目的で注入層130の上に接着性フィルムを付着したり水分によって皮膜を形成する成分、オイル、又は常温で固体である固形成分が用いられる。注入層130が穿孔フィルムの材質である場合、前記注入層130の上部にビニルテープなどの接着性フィルムテープを付着する方法を使用することができ、前記注入層130が多孔性材質である場合、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)用で開発されて市販されているミネラルオイル(Mineral Oil, Sigmaなど)を注入層130の上に塗布して前記注入層130の内に前記オイル成分を浸透させる方法が用いられる。
【0062】
本発明のマイクロチャンバープレート100は前記マイクロチャンバー111に前記注入層130を形成する以前にプライマー又はプローブが含まれた核酸分析のための蛍光分析試薬のような特異成分Aが内蔵され、必要に応じて核酸増幅酵素、DNA構成化合物(dNTP)、バッファー又は安定化剤(反応溶液、プライマー、酵素などと分子的によく混合されてこれらを安定化させ、容器内の吸着を減らしてくれる役割を果たす物質として、ポリオール、炭水化物、ウシアルブミン、PEGなどが例で挙げられる)がさらに含まれ、前記特異成分Aはその組成によって乾燥、半乾燥、又は液状の状態で用いられる。
【0063】
つまり、透明層120が形成されて一側が閉鎖されたマイクロチャンバー111の内部に、試料に合い異なる特性を有する特異成分A、即ちそれぞれ固有の機能を付与する物質が予め内蔵され、前記注入層130が形成されると、マイクロチャンバープレートが形成される。その後、前記マイクロチャンバープレートを用いて試料を分析するためにはマイクロチャンバー111の内部に試料を含む共通試薬を遠心力、減圧又は加圧によって一時に注入する(下記の分析方法でさらに詳細に説明する)。
【0064】
先ず、図面を通じて本発明のマイクロチャンバープレート100の例を調べてみる。
【0065】
図1及び図2は胴体110に同一な幅(L111)で円形断面を有するマイクロチャンバー111が複数個備えられた形態で、前記注入層130及び透明層120が前記胴体110と別途の構成で付着された形態を図示した。
【0066】
前記マイクロチャンバー111は0.3乃至3mmの幅(L111)を有して、0.5乃至5mmの深さ(D111)を有するように形成されるため、本発明のマイクロチャンバープレート100は最も多い数のマイクロチャンバー111を形成することができて同時に分析作業がなされ、深さ(D111)が浅くて熱伝導性能がよく、分析時間を縮め、分析の正確度を高めることができる。
【0067】
実際に、標準80×125mmの胴体110に幅(L111)が0.3乃至2.25mmであるマイクロチャンバー111を24,576個を形成することができ、0.1乃至5μm以下の微量試料の反応に適合して本発明のマイクロチャンバープレート100は微量の反応溶液を使用して多数の遺伝子を同時に定量的に分析することができるという長所がある。
【0068】
図3は本発明のマイクロチャンバープレート100の他の例を示した断面図であって、前記図3(a)に図示したマイクロチャンバープレート100は前記胴体110と透明層120が一体化された形態で、別途の透明層120を形成する段階を減らすことができる形態であって、前記透明層120と胴体110が一体化されて形成されるとしても、前記透明層120は光学測定が可能であるように形成しなければならない。
【0069】
前記図3(b)に図示した形態は前記胴体110の光学測定部113が形成された面に段差が形成され、前記段差された領域に透明層120が形成されて、前記透明層120を形成することによって突出される部分が存在しないように形成された例を図示した。
【0070】
本発明のマイクロチャンバープレート100は前記マイクロチャンバー111が前記図面から図示された円形の形態の他にも四角形、五角形などその断面が多様に形成されることができ、上・下方向に行くほどその幅(L111)が変形されるようにすることもできる。
【0071】
前記注入層130が形成されたマイクロちゃんバープレート100は試料を含む共通試薬を前記マイクロチャンバー111の内部に注入する多様な方法として先ず、前記マイクロチャンバープレート100、その自体を前記試料を含む共通試薬が漬けられた容器に入れて注入せしめることができる。
【0072】
二番目に、本発明のマイクロチャンバープレート100は前記胴体110の注入部112が形成された面の周縁が突出されて上側が開口された空間部114が形成され、前記空間部114に試料を含む共通試薬を直接供給することができる。
【0073】
三番目に、前記図4及び図5に示したように、一側に試料を含む共通試薬が供給される供給部141が形成され、前記空間部114を遮断する試料供給層140がさらに形成され、前記試料供給層140を形成した後、前記供給部141を通じて試料を含む共通試薬を前記注入層130の上部に供給してそれぞれのマイクロチャンバー111の内部に試料を含む共通試薬が供給されるようにする。
【0074】
四番目に、前記図6に図示されたように、前記三番目の方法と同一に試料供給層140がさらに形成されるが、前記供給部141が前記胴体110の一側に形成された例を示した。
【0075】
前記試料供給層140がさらに形成された場合に、前記試料を含む共通試薬を保護し、供給された量を正確に制御することができ、前記注入層130を保護することができる効果が得られる。
【0076】
この際、前記試料供給層140は供給される試料を含む共通試薬は外部に排出されなく、内部の気体は排出可能な材料で形成されて試料を含む共通試薬の流出は防止し、前記マイクロチャンバー111の内部に残存する気体は外部に排出できるようにする。
【0077】
前記マイクロチャンバー111の内部に気体が残留する場合に、前記気体によって光が分散されて光学測定の正確度を低下させる原因となるため、本発明のマイクロチャンバープレート100は前記マイクロチャンバー111の内部の気体が排出されるように行って、前記の問題点を未然に防止することができるようにする長所がある。
【0078】
前記マイクロチャンバープレート100はリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応の他にも定温酵素反応、又はLCR(Ligase Chain Reaction)のような反応に用いられ、内部に内蔵される特異成分Aなどを変形することによってこの他にも多様に用いることことができる。
【0079】
図7は本発明によるマイクロチャンバープレート100のもう一つの例であって、本発明のマイクロチャンバー111は必要に応じて移送できるため、前記透明層120を保護する第1保護部150、又は前記注入層130を保護する第2保護部160がさらに形成されることができる。
【0080】
前記第1保護部150、及び第2保護部160は必要に応じてそれぞれ複数個が形成でき、前記試料供給層140がさらに形成された場合に前記第2保護部160は前記注入層130又は試料供給層140の上側に形成される。
【0081】
前記第1保護部150は光学測定のために剥離可能な接着性フィルム又は脱・付着可能な部材が用いられ、前記第2保護部160は内部溶液の流出を防止して外部からの汚染を遮断するように接着性フィルムが用いられる。保護用フィルムで取り扱い中に物理的な損傷から基底の膜を保護することができる強度を有しながらも剥離が容易であって除去過程中に基底の膜を損傷させないで付着面に異物質が残らない粘着性フィルムなどを使用することができ、脱・付着可能な部材としてはプレート用蓋を使用することができる。
【0082】
図8乃至図11は上述したような特徴を有する本発明のマイクロチャンバープレート100が複数個形成された例を図示した例であって、前記マイクロチャンバープレート100が複数個形成された例もやはり本発明のマイクロチャンバープレート100の範疇に属するが、円滑な説明のために一つの単位を形成するマイクロチャンバープレート100が複数個形成されたものをマルチマイクロチャンバープレート100′及び図面符号100′で示して説明する。
【0083】
前記図8及び図9に示したように、本発明のマルチマイクロチャンバープレート100′は光学測定部113及び注入部112が形成されたマイクロチャンバー111が複数個形成された胴体110;前記胴体110の両側面にそれぞれ形成される透明層120;及び注入層130を含めて形成されたマイクロチャンバープレート100が複数個形成される。
【0084】
前記マイクロチャンバープレート100が複数個形成されたマルチマイクロチャンバープレート100′も上述したようなマイクロチャンバープレート100の特徴を有し、図面を参照してその例を説明する。
【0085】
前記図8及び図9に示したマルチマイクロチャンバープレート100′は前記胴体110の注入層130が形成される側に隣り合うマイクロチャンバープレート100を連結する胴体連結部170が形成され、前記透明層120が前記胴体110と一体で形成された例を図示したが、前記胴体連結部170は隣り合うマイクロチャンバープレート100を連結する如何なる形態でも形成することができる。
【0086】
つまり、前記マルチマイクロチャンバープレート100′は上述したようなマイクロチャンバープレート100が一つの単位体を形成し、これが複数個連結されて一体で形成された例であって、前記マルチマイクロチャンバープレート100′は一つのマイクロチャンバープレート100に4乃至16個のマイクロチャンバー111を形成し、前記マイクロチャンバープレート100が8乃至96個を含むように構成されることができる。
【0087】
この際、前記マルチマイクロチャンバープレート100′を形成するそれぞれのマイクロチャンバープレート100は内部に他の特異成分Aが内蔵されており、前記注入層130を通じて注入される共通試薬の種類も異なるため、前記マルチマイクロチャンバープレート100′はそれぞれのマイクロチャンバープレート100に前記胴体110の注入部112が形成された面の周縁が突出されて上側が開口された空間部114が形成され、前期マイクロチャンバー111の内部に注入される共用試薬又は試料が前記注入層130の上部に形成された空間部114に直接供給されるようにすることが望ましい。
【0088】
前記空間部114を形成するために、前記図8及び図9に示したように、前記胴体110の注入部112が形成された側に上部に突出される隔壁部115が形成されることができる。
【0089】
前記図8及び図9は前記隔壁部115が胴体110と一体で形成され、それぞれのマイクロチャンバープレート100毎に同一な特異成分Aが内蔵されたマイクロチャンバー111を含むように形成された例を図示したが、隣り合うマイクロチャンバープレート100間を区画する一つの隔壁部115が存在するように行うことができ、この他にもそれぞれのマイクロチャンバープレート100に試薬が注入できる空間を形成することができる形態であれば多様に形成できる。
【0090】
つまり、本発明のマルチマイクロチャンバープレート100′は前記胴体110のマイクロチャンバー111の内部には特異成分Aが内蔵され、それぞれのマイクロチャンバープレート100に相異なる特異成分Aが内蔵せしめ、それぞれの特異成分Aに要求される相異なる試薬を注入するように行うことによって同時に様々な種類の試料分析ができる長所がある。
【0091】
前記図10に図示した本発明のマルチマイクロチャンバープレート100′は前記胴体110に特異成分Aが内蔵されるマイクロチャンバー111が複数個形成され、両側が開放された形態で前記開放された一側面に透明層120が形成され、他側面に注入層130が形成される。
【0092】
また、一つの前記マイクロチャンバープレート100の注入部112が形成された面には前記マイクロチャンバー111の周縁が突出されて上側が開口された空間部114を形成するようにし、前記空間部114に共通試薬を供給するようにし、前記空間部114を遮断する試料供給層140がさらに形成されることができる。
【0093】
前記試料供給層140には試料が供給される供給部141が形成され、前記空間部114は前記胴体連結部170の一側面が突出されて形成される。
【0094】
前記図10は前記透明層120を保護する第1保護部150及び前記注入層130及び試料供給層140を保護する第2保護部160が形成された例を図示した。
【0095】
前記図8乃至図10は前記マイクロチャンバープレート100が一列で連結された例を図示したが、前記図11に示しように、本発明のマルチマイクロチャンバープレート100′は前記マイクロチャンバープレート100が多列を形成するように複数個が連結できる。
【0096】
また、前記マルチマイクロチャンバープレート100′はそれぞれのマイクロチャンバープレート100に独立な試薬を注入することができるように前記胴体110の注入部112が形成された面の周縁が突出されて上側が開口された空間部114が形成され、前記マイクロチャンバー111の内部に注入される共用試薬又は試料が前記注入層130の上部に形成された空間部114に直接供給するようにすることによって一回の実験で多様な種類の試料を実験することができるように行う。
【0097】
一方、本発明のリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応用分析装置1000は上述したような特徴を有するマイクロチャンバープレート100を用いることを特徴とする。
【0098】
図12は本発明によるリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応用分析装置1000の構成図であって、前記図12に示したように、リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応用分析装置1000は圧力調節手段200又は回転手段400が備えられ、同時に温度調節手段300又は光学測定手段500がさらに備えられる。
【0099】
次に、図13aは本発明のマイクロチャンバープレート100の製造方法に従う段階図であって、本発明のマイクロチャンバープレート100の製造方法はa)胴体110用意段階(Sa);b)透明層120形成段階(Sb);c)特異成分Aの分注段階(Sc);及びd)注入層130形成段階(Sd);とを含めて製造されることを特徴とする。
【0100】
前記a)胴体110用意段階(Sa)は一側面に光学測定が可能な光学測定部113が形成され、多側面に試料の注入が可能な注入部112が形成され、複数個の空間で区画されたマイクロチャンバー111が形成された胴体110が用意される段階である。
【0101】
前記b)透明層120形成段階(Sb)は前記用意された胴体110の光学測定部113が形成された面を遮断する透明層120を形成する段階であって、製造環境によって前記胴体110用意段階と透明層120形成段階(Sb)は前記胴体110と透明層120を一体化して一回の工程で形成されることもできる。
【0102】
前記c)特異成分Aの分注段階(Sc)は前記透明層120によって一側が密閉されたマイクロチャンバー111の内部に特異成分Aが内蔵されるようにする段階であって、前記特異成分Aはプレイマー又はプローブの他にも核酸増幅酵素、DNA構成化合物(dNTP)、バッファー、又は安定化剤が含まれる。
【0103】
前記d)注入層130形成段階(Sd)は前記特異成分Aが内蔵されたマイクロチャンバー111の注入部112を遮断する注入層130を形成する段階であって、前記注入層130は前記注入部112を遮断して内部物質の流出を防止することにより前記特異物質が交差汚染されないようにする役割を担当し、共通的に加える試料を含む共通試薬が一回に前記マイクロチャンバー111の内部に供給できるように多孔性材質又は穿孔可能な材質を用いて形成する。
【0104】
同時に、本発明のマイクロチャンバープレート100の製図方法は図13bに示したように、e)前記d)注入層130形成段階(Sd)の以後に、e)前記注入層130を保護する第1保護部150又は前記透明層120を保護する第2保護部160を形成する段階(Se)が追加される。
【0105】
このように、本発明のマイクロチャンバープレート100の製造方法は前記注入層130を形成してナノジェット分注器のような特殊な分注装備を必要にせず、共通成分を汚染無く速く供給することができて短時間内に分析に必要なマイクロチャンバープレート100を製造することができ、それで分析の効率性を高めることができ、圧力調節手段200又は回転手段400が備えられる場合に、前記マイクロチャンバープレート100の製造時間を縮めることができる。
【0106】
図14aは本発明のマイクロチャンバープレート100の分析方法による他の段階図であって、本発明のマイクロチャンバープレート100を用いた試料分析方法は上述したようなマイクロチャンバープレート100を用い、イ)製造されたマイクロチャンバープレート100の注入層130を通じて前記マイクロチャンバー111の内部に試料を含む共通試薬を注入する段階(Sイ);及びロ)前記特異成分Aと試料を含む共通試薬が反応される段階(Sロ);とを含むことを特徴とする。
【0107】
前記試料を含む共通試薬を注入する段階(Sイ)は前記マイクロチャンバープレート100のマイクロチャンバー111の内部に試料を含む共通試薬を注入する段階であって、場合によって前記試料を含む共通試薬を注入する段階(Sイ)が繰り返して行うことができる。
【0108】
また、前記試料を含む共通試薬注入段階(Sイ)において前記マイクロチャンバー111の内部に試料を含む共通試薬が円滑に注入できるように遠心力、減圧又は加圧が作用されて最も速く注入できるように行うことができ、前記注入層130の上部に前記注入層130を保護する第1保護部150が形成された場合に、前記第1保護部150を除去した後、前記注入層130を通じて試料を含む共通試薬を注入することは当然である。
【0109】
なお、前記試料を含む共通試薬反応段階(Sロ)は前記特異成分Aと試料を含む共通試薬が反応される段階であって、前記試料を含む共通試薬反応段階(Sロ)はポリメラーゼ連鎖反応(PCR, polymerase chain reaction)LCR(Ligase Chain Reaction)、又はリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR, Real time-PCR)から選ばれるいずれかの反応が行われる。
【0110】
前記リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応は一般的なポリメラーゼ連鎖反応と比べて増幅課程中に各反応のサイクル別に光学測定がさらに必要であるため、本発明のマイクロチャンバープレート100を用いた試料分析方法においてリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応を通じて分析するようになる場合に、光学測定(蛍光分析)段階がサイクル別に行わなければならなく、本発明はこれのみならず各反応に適当な追加的な段階がさらに行うことができる。
【0111】
また、図14bに示したように、本発明のマイクロチャンバープレート100を用いた試料分析方法はハ)前記試料を含む共通試薬の注入が完了されると、注入層の材質によって選択的に前記注入層130の上層面をシールする段階(Sハ);がさらに含まれる。
【0112】
前記注入層130シール段階(Sハ)は前記試料を含む共通試薬の注入が完了された後、前記注入層130の上層面をシールする段階である。試料を含む共通試薬の注入が完了された後、接着性フィルム、水分によって皮膜を形成する成分、オイル、又は常温で固体である固形成分を用いて注入層130をシールしてマイクロチャンバー内の状態(プライマー又はプローブなどの特異成分と試料を含む共通試薬が混合された状態)を保持するようにすることができる。
【0113】
また、図14cに示したように、本発明のマイクロチャンバープレート100を用いた試料分析方法は前記マイクロチャンバー111の内部に試料を含む共通試薬の注入時に前記マイクロチャンバー111の内部に残存した気体が排出できなく残っている場合、前記残留気体は光学測定時に光を散乱する要素で作用して分析の正確度を阻害するようになる。従って、ニ)前記試料を含む共通試薬の注入段階(Sイ)において複数個の試料が順次に注入される場合、一つの試料又は試薬の注入が完了された後、前記マイクロチャンバープレート100の圧力が調節される段階(Sニ);がさらに含まれる。
【0114】
同時に、前記圧力調節段階(Sニ)は前記マイクロチャンバー111の内部の残留気体が排気できるように減圧−解除又は加圧され、必要に応じて前記過程が繰り返して行われる。
【0115】
前記から減圧−解除、又は加圧とは、減圧−解除過程、加圧過程、減圧−解除−加圧の過程を全て含む。
【0116】
本発明は前記した実施例に限られなく、適用範囲が多様であることは勿論、請求範囲から請求する本発明の要旨を外れなく多様な変形実施ができることは当然である。
【産業上の利用可能性】
【0117】
従って、本発明のマイクロチャンバープレート、その製造方法は要求される試料の量が少なくて反応溶液の使用量を減らすことができ、前記マイクロチャンバープレートの厚さが薄くて温度調節が容易であることによって分析にかかる時間を画期的に縮めることができ、マイクロチャンバー間の溶液が混入されることに伴って発生される汚染問題及びマイクロチャンバーの内部の残留気体によって光学測定値が正しく測定されない問題を未然に防止することで分析の正確度を高めることができるという長所がある。
【0118】
また、本発明のマイクロチャンバープレート、その製造方法はマイクロチャンバーの内部に溶液の注入が容易であって大量の試料を一回に処理することができながらもその使用及び処理が簡単で分析工程を簡素化することができるという長所がある。
【0119】
共に、本発明は複数個のマイクロチャンバープレートが一体で形成できてそれぞれのマイクロチャンバープレートに合い異なる共通試薬が内蔵されるようにして様々な種類の試料を同時に分析及び比較することによって分析にかかる時間を画期的に短縮することができるという長所がある。
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロチャンバープレート及びその製造方法に関するものであり、より詳しくは多数の遺伝子を含んでいる生物学的試料溶液を分析するためにそれぞれの遺伝子に選択的に反応するプライマー又はプローブを含む多数の反応液が交差汚染無く反応して蛍光値をリアルタイムで測定及び分析することができるように行うマイクロチャンバープレート及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
マイクロチャンバーとは数マイクロリットル以下の微細な反応が起きる容器であって、シリコンウエハー、ガラス、金属、又はプラスチックなどで形成でき、前記マイクロチャンバープレートとは前記マイクロチャンバーが2次元的に配列されてなるプレートであって、一般として一側面は試料が注入される注入口が、他側面は前記マイクロチャンバーの内部の反応を観測するための透明な材質からなる。
【0003】
一方、遺伝子の量を測定する方法としてポリメラーゼ連鎖反応(PCR、Polymerase Chain Reaction)を行いながらリアルタイムで遺伝子の量に比例して増加される蛍光値を測定することができるリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(Real-Time PCR)方法が開発された。
【0004】
前記リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応方法はポリメラーゼ連鎖反応を行うことによりポリメラーゼ連鎖反応の産物から生じられる蛍光値を各サイクル毎に測定し、一定量以上の蛍光値が生じられるサイクルを確認することにより試料の特定遺伝子の初期濃度を定量的に分析することができる。
【0005】
前記リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応方法は前記ポリメラーゼ連鎖反応後に電気泳動過程が必要でなく、ポリメラーゼ連鎖反応を行う共に反応された産物を定量的に測定して試料の内部のそれぞれの特定塩基配列を有する遺伝子の濃度を109以上の範囲において決定することができるという利点がある("A-Z of Quantitative PCR" edited by Stephen A. Bustin 2004-2006 International University, "Realtime PCR" edited by M. Tevfik Dorak 2006 Taylor & Francis Group)。
【0006】
前記リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応方法を行うリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応機器は多様な形態が提案されたことがあり、多数の試料を分析することができるリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応機器として標準96well、384wellプレートを使用して96個又は384個の遺伝子を分析することができる機器が提案されたことがある(Roche社のLight cycler 480, ABI 7500, 7900)。
【0007】
前記Roche社のリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応機器は反応試料の量が10乃至50μlのものであって、割と多量の試料が必要となる問題点がある。
【0008】
前記問題点を解決するためにMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いて反応試料の量を減らすことにより短時間内に多い試料を同時に分析するための多様な方法が提示され、これによってマイクロチャンバーアレイプレートを用いた方法もやはり提案されたことがある。
【0009】
マイクロチャンバーアレイプレートを使用する方法は、大きく前記マイクロチャンバーに反応試料を注入する段階、マイクロチャンバー間の反応溶液を密封させる段階、反応及び分析段階の3段階で構成され、初番目に、個別的に前記マイクロチャンバーに試料溶液を加える方法として、透明な細胞培養用マイクロチャンバープレートに半透過性膜を覆ってマイクロチャンバーを隔離させてそれぞれのマイクロチャンバーに一つの細胞を培養して培養液を除去した後、タクマン(Taqman)反応溶液を加えて蒸発防止のために透明オイルで密封して温度サイクルをしながらプレートの底で蛍光値を測定するマイクロチャンバーアレイプレートが提案されたことがある(YASUDA, Kenji EP 1,541,678 A1, JP 2002245900 NUCLEIC ACID ANALYSIS CHIP AND NUCLEIC ACID ANALYZER)。
【0010】
前記方式はそれぞれのマイクロチャンバーに合い異なる溶液をマイクロピペットで吸入し加えるため時間がたくさんかかり、特に1536個以上のマイクロチャンバーに試料を注入するために微細自動分注器を使用しなければならないが、それぞれ異なる溶液を加える前に洗滌する過程に長時間がかかって現実的に384プレート以上は使用が難しいという問題点がある。
【0011】
第二番目に、初番目の方法を解決するためにシリコンウエハーをフォトリソグラフィと化学エッチング方式でマイクロチャンバーアレイを構成した反応機がE. Tamiy教授グループのHidenori Nagaiなどによって提示されたことがある(Anal. Chem. 2001 73, 1043-1047, Development of a Micro-chamber Array for Picoliter PCR)。
【0012】
前記反応機はポリメラーゼ連鎖反応溶液の蒸発を防止するために顕微鏡スライドカバーガラスを用いるが、前記カバーガラスを離すときに反応液の交差汚染が誘発されることにつれて撥水性膜をカバーガラスとウエハーとの間に差し込んで、先ず前記カバーガラスを除去してから反応溶液を乾燥させた後に撥水性膜を除去して分析しなければならないという厄介があり、リアルタイムの遺伝子定量増幅に使用できないという問題点があった。
【0013】
第三番目に、定量増幅の問題点を解決するために、同じ研究室でY. Matsubaraなどはウエハー上の凹んだマイクロチャンバーにそれぞれのプライマーをマイクロアレイ装備を用いて加えた後に乾燥させたマイクロチャンバーアレイを開発した(7th International Conference on Miniaturized Chemical and Biochemical Analysis Systems October 5-9, 2003, Squaw Valley California USA)。
【0014】
前記マイクロチャンバーアレイはチップの上部にミネラルオイルを加えてマイクロチャンバーを完全に覆った後、ここにポリメラーゼ連鎖反応の反応液をナノジェット分注器を用いて反応機のミネラルオイル上で点滴する方法を使用した。この方法は1インチ×3インチのシリコンウエハーをフォトリソグラフィと化学エッチング方式で50ナノリットルの体積(0.65×0.65×0.2mm)を有する1,248個のマイクロチャンバーアレイチップを製造した後、マイクロチャンバーにプライマーとタクマン(Taqman)プローブ溶液をナノリットル分注器で点滴してこれを乾燥させ、全体をミネラルオイルでコーティングしてそれぞれのマイクロチャンバーを隔離密封した。
【0015】
前記第三番目の方法を用いて製造されたマイクロチャンバーアレイはナノリットル分注器を用いてTaq DNA重合酵素と試料DNAの混合液をミネラルオイルの上層部から噴射してそれぞれのマイクロチャンバーに分注することによって成功にマイクロチャンバーでそれぞれの反応成分が交差汚染無くポリメラーゼ連鎖反応を行うことができるという長所がある。
【0016】
しかし、前記方法は溶液を注入するときに別途のマイクロアレイ用ナノリットル分注装備が必要となり、分注をするための時間が長く所要され、プレートの移動時にミネラルオイルの流動で反応液の相互間の交差汚染の危険性が高いという問題点がある。また、温度サイクル反応時に、高温でバブルが発生され、オイルと水溶液の疎水性効果によって水溶液が球形形態となってレンズ効果を起こすことにつれて光学測定時に励起光と発光が散乱、分散されて測定誤差を大きくする問題点がある。
【0017】
第四番目に、前記第三番目のような化学的なエッチング方式によって製造されたマイクロチャンバーであるが、前記第三番目の方式より最も多い数の反応をさせることができるものとしてPicoTiterPlateが開発されたことがある(John H. Leamon et al., A massively parallel PicoTiterPlate based platform for discrete pico-liter-scale polymerase chain reactions. Electrophoresis 2003, 24, 3769-3777)。
【0018】
前記第四番目の方式は39.5plの量で300,000個の独立なポリメラーゼ連鎖反応をさせることができる形態があるが、プライマー/プローブを固定化した担体が無ければならないため、均一な光学特性が要求されるリアルタイム定量ポリメラーゼ連鎖反応に提供することができない。
【0019】
第五番目に、微量試料を反応させるために、米国特許第5948673号には‘フィルム反応機(又はDNAカード)’という反応機が提示されたことがある。
【0020】
前記フィルム反応機は3層の非常に薄いフィルムからなっており、具体的に下層フィルムは反応機の底面を形成し、中層フィルムは反応機の側面を形成し、上層フィルムは試料注入口を形成する。前記フィルム反応機にピペットを通じて微量の試料溶液を注入した後に反応のためには反応注入口を完全に密封しなければならないが、完璧に密封されていない場合はポリメラーゼ連鎖反応時に反応溶液が全て蒸発する問題点があり、前記フィルム反応機は数千個の試料を扱うためには構造的にあまりにも複雑であるため、現実的に製造が不可能である。
【0021】
第六番目に、標準ELISAプレートサイズで1,536蛍光分析反応を行うことができる反応プレートがWO 02/40158とUS 6,232,114に開示されたことがある。
【0022】
前記第六番目の方法はプレートに多数の貫通された孔を形成し、蛍光量が少ない透明なフィルムを融着して多数の反応容器を形成し、ここに試薬を入れた後に透明フィルムで密封して反応を行う容器を用いる方法である。前記反応プレートは上面及び下面が透明に形成され、一側面において励起光を加えて他の一側において蛍光を測定することができる長所がある。
【0023】
しかし、前記第六番目の方法も、多数の遺伝子を分析するためには各々のマイクロチャンバー毎にそれぞれ合い異なるプライマーとプローブが入らなければならないが、多数の試料を分析するプレートは数千個の異なる溶液を微細なマイクロチャンバーに入れなければならないため、このために従来のナノリットル分注器のような特殊な分注装備が必要であり、長時間がかかる作業でありながらも試料注入時に不良が生じる問題点をそのまま有しているようになる。また、マイクロチャンバー内に溶液を完全に満たすことができないという問題によって、加温される場合、マイクロチャンバーの上部に水蒸気がくすぶるようになって光学測定を妨害する問題点もある。
【0024】
従って、多数のマイクロチャンバーに均一に試料を注入し、各反応液間の交差汚染が生じなく、気泡が発生しなく、水蒸気が光学測定部面に凝縮されなくて反応時に反応物から生成される光をリアルタイムで正確に測定することができるマイクロチャンバープレートが要求されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
本発明は上述したような問題点を解決するために、本発明の目的はリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応、定温酵素反応、又はLCR(Ligase Chain Reaction)に要求される多数個のマイクロチャンバー内部に溶液が蒸発されることを防止し、溶液を容易に注入して注入段階にかかる時間を画期的に減らすことができ、前記マイクロチャンバー間に溶液が混入されないようにして、溶液内部の微細気泡が排出されるようにすることによって光学値を最も正確に測定することができて少量の試料を用いながらも分析の正確度を高めることができるマイクロチャンバープレート、その製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明のマイクロチャンバープレートは一側面に光学測定ができるように光学測定部が形成され、他側面に試料の注入ができるように中空された注入部が形成され、複数個の空間で区画されたマイクロチャンバーが形成された胴体;前記胴体の一側面に前記光学測定部を密閉する透明層;及び前記胴体の他側面に前記注入部を遮断し、試料を含む共通試薬がマイクロチャンバーの内部に注入されるようにする注入層;とを含めて形成されることを特徴とする。
【0027】
また、前記マイクロチャンバーは前記注入層の形成以前にプライマー又はプローブなどの特異成分Aが含まれた核酸分析のための分析試薬が内蔵されることを特徴とし、前記マイクロチャンバーは核酸増幅酵素、DNA構成化合物(dNTP)、又はバッファーがさらに内蔵されることを特徴とする。
【0028】
同時に、前記注入層130は試料を含む共通試薬の注入が完了された後、接着性フィルム、水分によって皮膜を形成する成分、オイル、または常温で固体である固形成分を用いてシール(sealing)されることを特徴とする。
【0029】
また、前記注入層は穿孔できるフィルムからなり、前記マイクロチャンバーのそれぞれと連通されるように前記注入層は穿孔されることを特徴とし、伴って、前記マイクロチャンバー当たり穿孔された個数がそれぞれ1乃至10個で形成されることを特徴とする。
【0030】
同時に、前記注入層は多孔性材質で形成されることを特徴とする。
【0031】
また、前記透明層は0℃乃至100℃において変形が生じない材質で形成されることを特徴とし、前記透明層は特定波長の光のみを通過させたり遮断することができる。
【0032】
なお、前記マイクロチャンバープレートは、前記胴体の注入部が形成された面の縁周が突出されて上側が開口された空間部が形成され、前記マイクロチャンバーの内部に注入される共用試薬又は試料が前記注入層の上部に形成された空間部に直接供給されることを特徴とする。
【0033】
同時に、前記マイクロチャンバープレートは、一側に試料を含む共通試薬が供給される供給部が形成され、前記空間部を遮断して気体は排出できる試料供給層がさらに形成されることを特徴とする。
【0034】
また、前記マイクロチャンバーは円筒形又は直方体の形態であるものが望ましいが、これに限られない。前記マイクロチャンバーのサイズは0.3乃至3mmの幅で形成されることを特徴とし、0.5乃至5mmの深さで形成されることを特徴とする。
【0035】
また、 前記マイクロチャンバープレートは、試料を含む共通試薬が含まれた別途の容器にマイクロチャンバープレートを漬けて前記試料を含む共通試薬が前記マイクロチャンバーの内部に注入されるように行うことを特徴とする。
【0036】
同時に、前記マイクロチャンバープレートは前記透明層を保護する第1保護部、又は前記注入層を保護する第2保護部とが形成されることを特徴とし、前記第1保護部又は第2保護部は剥離可能な接着性フィルム又は脱・付着可能な部材が用いられることを特徴とする。
【0037】
また、前記マイクロチャンバープレートは、複数個が一体で形成されることを特徴とする。
【0038】
一方、本発明のマイクロプレートの製造方法は、a)一側面に光学測定ができる光学測定部が形成され、他側面に試料の注入が可能である注入部が形成され、複数個の空間で区画されたマイクロチャンバーが形成された胴体が用意される段階(Sa);b)前記胴体の光学測定部に透明層が形成される段階(Sb);c)前記胴体の注入部に特異成分が分注されて、それぞれのマイクロチャンバープレートに合い異なる特異成分が内蔵される段階(Sc);及びd)前記マイクロチャンバープレートの他側面に注入層が形成される段階(Sd);とを含めて製造されることを特徴とする。
【0039】
また、前記マイクロチャンバープレートの製造方法は、前記d)注入層形成段階(Sd)の以後に、e)前記注入層を保護する第1保護部又は前記透明層を保護する第2保護部を形成する段階(Se)がさらに含まれることを特徴とする。
【0040】
一方、本発明のマイクロチャンバープレートを用いた試料分析方法は上述したようなマイクロチャンバープレートの製造方法によって製造されたマイクロチャンバープレートを用いて、イ)製造されたマイクロチャンバープレートの注入層を通じて前記マイクロチャンバーの内部に試料を含む共通試薬を注入する段階(Sイ);ロ)前記試料を含む共通試薬の注入が完了されると、前記注入層の上層面をシールする段階(Sロ);及びハ)前記特異成分と試料を含む共通試薬を反応させる段階(Sハ);とを含むことを特徴とする。注入層の上層面をシールする段階は注入層の材質によって除外され得る。
【0041】
また、前記試料を含む共通試薬注入段階(Sイ)は前記マイクロチャンバーの内部に試料を含む共通試薬が円滑に注入できるように遠心力、減圧又は加圧が作用されることを特徴とする。
【0042】
なお、ニ)前記試料を含む共通試薬注入段階(Sイ)において複数個の試料又は試薬が順次に注入される場合、一つの注入が完了された後、前記マイクロチャンバープレートの圧力が調節される段階(Sニ)がさらに含まれることを特徴とする。
【0043】
同時に、前記圧力調節段階(Sニ)は前記マイクロチャンバーの内部の残留気体が排気できるように減圧−解除、又は加圧されることを特徴とする。
【0044】
また、前記シールする段階(Sロ)は試料を含む共通試薬の注入が完了された後、接着性フィルム、水分によって皮膜を形成する成分、オイル、または常温で固体である固形成分を用いて注入層をシールすることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明によるマイクロチャンバープレートの斜視図である。
【図2】前記図1に示したマイクロチャンバープレートの断面図である。
【図3】本発明によるマイクロチャンバープレートの他の断面図である。
【図4】本発明によるマイクロチャンバープレートの他の斜視図である。
【図5】前記図4に示したマイクロチャンバープレートの断面図である。
【図6】本発明によるマイクロチャンバープレートのもう一つの斜視図である。
【図7】本発明によるマイクロチャンバープレートのもう一つの斜視図である。
【図8】本発明によるマイクロチャンバープレートのもう一つの斜視図である。
【図9】前記図8に示したマイクロチャンバープレートの断面図である。
【図10】本発明によるマイクロチャンバープレートのもう一つの断面図である。
【図11】本発明によるマイクロチャンバープレートのもう一つの斜視図である。
【図12】本発明によるリアルタイムのポリメラーゼ連鎖反応用分析装置の構成図である。
【図13a】本発明のマイクロチャンバープレートの製造方法による段階図である。
【図13b】本発明のマイクロチャンバープレートの製造方法による段階図である。
【図14a】本発明のマイクロチャンバープレートを用いた分析方法によるもう一つの段階図である。
【図14b】本発明のマイクロチャンバープレートを用いた分析方法によるもう一つの段階図である。
【図14c】本発明のマイクロチャンバープレートを用いた分析方法によるもう一つの段階図である。
【符号の説明】
【0046】
1000:本発明のリアルタイムのポリメラーゼ連鎖反応用分析装置
100:マイクロチャンバープレート
110:胴体
111:マイクロチャンバー
L111:マイクロチャンバーの幅
D111:マイクロチャンバーの深さ
112:注入部
113:光学測定部
114:空間部
115:隔壁部
120:透明層
130:注入層
140:試料供給層
141:供給部
150:第1保護部
160:第2保護部
170:胴体連結部
200:圧力調節手段
300:温度調節手段
400:回転手段
A:特異成分
Sa〜Se:本発明によるマイクロチャンバープレートの製造方法の各段階
Sイ〜Sニ:本発明によるマイクロチャンバープレートを用いた分析方法
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、本発明のマイクロチャンバープレート100、その製造方法を添付された図面を参照して詳細に説明する。
【0048】
図1は本発明によるマイクロチャンバープレート100の斜視図であり、図2は前記図1に示したマイクロチャンバープレート100の断面図であり、図3は本発明によるマイクロチャンバープレート100の他の断面図であり、図4は本発明によるマイクロチャンバープレート100の他の斜視図であり、図5は前記図4に示したマイクロチャンバープレート100の断面図であり、図6と図7は本発明によるマイクロチャンバープレート100のもう一つの斜視図であり、図8は本発明によるマイクロチャンバープレートのもう一つの斜視図であり、図9は前記図8に示したマイクロチャンバープレートの断面図であり、図10は本発明によるマイクロチャンバープレートのもう一つの断面図であり、図11は本発明によるマイクロチャンバープレートのもう一つの斜視図である。
【0049】
前記図1乃至図6は本発明のマイクロチャンバープレート100を示した図面であって、本発明のマイクロチャンバープレート100は大きく光学測定部113及び注入部112が形成されたマイクロチャンバー111が複数個形成された胴体110;前記胴体110の両側面にそれぞれ形成される透明層120及び注入層130とを含めて形成される。
【0050】
前記胴体110は本発明のマイクロチャンバープレート100をなす基本構成であって、内部に試料、反応溶液、又は溶媒などが内蔵される空間であるマイクロチャンバー111が複数個備えられる。
【0051】
前記胴体110はシリコンウエハー、ガラス、金属、又はプラスチックで形成でき、前記マイクロチャンバー111は一側面に光学測定ができるように光学測定部113が形成され、他側面には分析に必要な物質が注入される注入部112が形成される。
【0052】
前記透明層120は前記光学測定部113が形成された胴体110の一側面を密閉しながらも、光学測定ができるように透明な材料を用いて形成される。
【0053】
この際、前記マイクロチャンバープレート100は分析過程において加熱されるため、熱によって耐久性を有する材料であるものが望ましく、さらに望ましくは前記透明層120は0℃乃至100℃において変形が生じない材料で構成される。
【0054】
また、前記透明層120は光学測定のために特定波長の光を遮断したり、特定波長の光のみを通過せしめて最も正確な光学測定値を得るようにすることができる。
【0055】
前記注入層130は前記胴体110の注入部112が形成された他側面に前記注入部112を遮断するように形成し、試料を含む共通試薬が前記注入層130を通過してマイクロチャンバー111の内部に注入させる。
【0056】
前記注入層130は前記注入部112を遮断して内部に注入された物質の蒸発を防止しながらも、前記マイクロチャンバー111の内部に共通的に加える物質が注入されるように穿孔可能な物質又は多孔性物質で形成される。
【0057】
前記穿孔可能な物質はフィルム形態の材料が用いられ、前記フィルム形態の注入層130は前記マイクロチャンバー111とそれぞれ連通するように穿孔される。
【0058】
この際、前記穿孔された個数は前記マイクロチャンバー111の一つ当たり1乃至10個で形成でき、前記フィルム材料としてはテフロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、PVC、又はPETなどが用いられ、前記穿孔された部分の幅は10μm乃至1mm以内、さらに望ましくは100乃至500μm以内で形成せしめる。
【0059】
前記注入層130を通じて注入時に圧力などが調節されて注入が容易に行われるようにすることが望ましい。
【0060】
また、前記注入層130は多孔性材質を用いて穿孔の作業無しでそのまま利用可能にすることができ、前記多孔性材質としてはミクロ細孔(Micropore)、メッシュ(mesh)型物質、不織布などを用いることができ、前記多孔性材質の細孔のサイズは0.1乃至100μm以内のものが望ましい。
【0061】
前記注入層130を通じて試料注入が完了された後、注入された試料の流出や蒸発を防止し、マイクロチャンバー111間の試料混入を防止するための目的で注入層130の上に接着性フィルムを付着したり水分によって皮膜を形成する成分、オイル、又は常温で固体である固形成分が用いられる。注入層130が穿孔フィルムの材質である場合、前記注入層130の上部にビニルテープなどの接着性フィルムテープを付着する方法を使用することができ、前記注入層130が多孔性材質である場合、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)用で開発されて市販されているミネラルオイル(Mineral Oil, Sigmaなど)を注入層130の上に塗布して前記注入層130の内に前記オイル成分を浸透させる方法が用いられる。
【0062】
本発明のマイクロチャンバープレート100は前記マイクロチャンバー111に前記注入層130を形成する以前にプライマー又はプローブが含まれた核酸分析のための蛍光分析試薬のような特異成分Aが内蔵され、必要に応じて核酸増幅酵素、DNA構成化合物(dNTP)、バッファー又は安定化剤(反応溶液、プライマー、酵素などと分子的によく混合されてこれらを安定化させ、容器内の吸着を減らしてくれる役割を果たす物質として、ポリオール、炭水化物、ウシアルブミン、PEGなどが例で挙げられる)がさらに含まれ、前記特異成分Aはその組成によって乾燥、半乾燥、又は液状の状態で用いられる。
【0063】
つまり、透明層120が形成されて一側が閉鎖されたマイクロチャンバー111の内部に、試料に合い異なる特性を有する特異成分A、即ちそれぞれ固有の機能を付与する物質が予め内蔵され、前記注入層130が形成されると、マイクロチャンバープレートが形成される。その後、前記マイクロチャンバープレートを用いて試料を分析するためにはマイクロチャンバー111の内部に試料を含む共通試薬を遠心力、減圧又は加圧によって一時に注入する(下記の分析方法でさらに詳細に説明する)。
【0064】
先ず、図面を通じて本発明のマイクロチャンバープレート100の例を調べてみる。
【0065】
図1及び図2は胴体110に同一な幅(L111)で円形断面を有するマイクロチャンバー111が複数個備えられた形態で、前記注入層130及び透明層120が前記胴体110と別途の構成で付着された形態を図示した。
【0066】
前記マイクロチャンバー111は0.3乃至3mmの幅(L111)を有して、0.5乃至5mmの深さ(D111)を有するように形成されるため、本発明のマイクロチャンバープレート100は最も多い数のマイクロチャンバー111を形成することができて同時に分析作業がなされ、深さ(D111)が浅くて熱伝導性能がよく、分析時間を縮め、分析の正確度を高めることができる。
【0067】
実際に、標準80×125mmの胴体110に幅(L111)が0.3乃至2.25mmであるマイクロチャンバー111を24,576個を形成することができ、0.1乃至5μm以下の微量試料の反応に適合して本発明のマイクロチャンバープレート100は微量の反応溶液を使用して多数の遺伝子を同時に定量的に分析することができるという長所がある。
【0068】
図3は本発明のマイクロチャンバープレート100の他の例を示した断面図であって、前記図3(a)に図示したマイクロチャンバープレート100は前記胴体110と透明層120が一体化された形態で、別途の透明層120を形成する段階を減らすことができる形態であって、前記透明層120と胴体110が一体化されて形成されるとしても、前記透明層120は光学測定が可能であるように形成しなければならない。
【0069】
前記図3(b)に図示した形態は前記胴体110の光学測定部113が形成された面に段差が形成され、前記段差された領域に透明層120が形成されて、前記透明層120を形成することによって突出される部分が存在しないように形成された例を図示した。
【0070】
本発明のマイクロチャンバープレート100は前記マイクロチャンバー111が前記図面から図示された円形の形態の他にも四角形、五角形などその断面が多様に形成されることができ、上・下方向に行くほどその幅(L111)が変形されるようにすることもできる。
【0071】
前記注入層130が形成されたマイクロちゃんバープレート100は試料を含む共通試薬を前記マイクロチャンバー111の内部に注入する多様な方法として先ず、前記マイクロチャンバープレート100、その自体を前記試料を含む共通試薬が漬けられた容器に入れて注入せしめることができる。
【0072】
二番目に、本発明のマイクロチャンバープレート100は前記胴体110の注入部112が形成された面の周縁が突出されて上側が開口された空間部114が形成され、前記空間部114に試料を含む共通試薬を直接供給することができる。
【0073】
三番目に、前記図4及び図5に示したように、一側に試料を含む共通試薬が供給される供給部141が形成され、前記空間部114を遮断する試料供給層140がさらに形成され、前記試料供給層140を形成した後、前記供給部141を通じて試料を含む共通試薬を前記注入層130の上部に供給してそれぞれのマイクロチャンバー111の内部に試料を含む共通試薬が供給されるようにする。
【0074】
四番目に、前記図6に図示されたように、前記三番目の方法と同一に試料供給層140がさらに形成されるが、前記供給部141が前記胴体110の一側に形成された例を示した。
【0075】
前記試料供給層140がさらに形成された場合に、前記試料を含む共通試薬を保護し、供給された量を正確に制御することができ、前記注入層130を保護することができる効果が得られる。
【0076】
この際、前記試料供給層140は供給される試料を含む共通試薬は外部に排出されなく、内部の気体は排出可能な材料で形成されて試料を含む共通試薬の流出は防止し、前記マイクロチャンバー111の内部に残存する気体は外部に排出できるようにする。
【0077】
前記マイクロチャンバー111の内部に気体が残留する場合に、前記気体によって光が分散されて光学測定の正確度を低下させる原因となるため、本発明のマイクロチャンバープレート100は前記マイクロチャンバー111の内部の気体が排出されるように行って、前記の問題点を未然に防止することができるようにする長所がある。
【0078】
前記マイクロチャンバープレート100はリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応の他にも定温酵素反応、又はLCR(Ligase Chain Reaction)のような反応に用いられ、内部に内蔵される特異成分Aなどを変形することによってこの他にも多様に用いることことができる。
【0079】
図7は本発明によるマイクロチャンバープレート100のもう一つの例であって、本発明のマイクロチャンバー111は必要に応じて移送できるため、前記透明層120を保護する第1保護部150、又は前記注入層130を保護する第2保護部160がさらに形成されることができる。
【0080】
前記第1保護部150、及び第2保護部160は必要に応じてそれぞれ複数個が形成でき、前記試料供給層140がさらに形成された場合に前記第2保護部160は前記注入層130又は試料供給層140の上側に形成される。
【0081】
前記第1保護部150は光学測定のために剥離可能な接着性フィルム又は脱・付着可能な部材が用いられ、前記第2保護部160は内部溶液の流出を防止して外部からの汚染を遮断するように接着性フィルムが用いられる。保護用フィルムで取り扱い中に物理的な損傷から基底の膜を保護することができる強度を有しながらも剥離が容易であって除去過程中に基底の膜を損傷させないで付着面に異物質が残らない粘着性フィルムなどを使用することができ、脱・付着可能な部材としてはプレート用蓋を使用することができる。
【0082】
図8乃至図11は上述したような特徴を有する本発明のマイクロチャンバープレート100が複数個形成された例を図示した例であって、前記マイクロチャンバープレート100が複数個形成された例もやはり本発明のマイクロチャンバープレート100の範疇に属するが、円滑な説明のために一つの単位を形成するマイクロチャンバープレート100が複数個形成されたものをマルチマイクロチャンバープレート100′及び図面符号100′で示して説明する。
【0083】
前記図8及び図9に示したように、本発明のマルチマイクロチャンバープレート100′は光学測定部113及び注入部112が形成されたマイクロチャンバー111が複数個形成された胴体110;前記胴体110の両側面にそれぞれ形成される透明層120;及び注入層130を含めて形成されたマイクロチャンバープレート100が複数個形成される。
【0084】
前記マイクロチャンバープレート100が複数個形成されたマルチマイクロチャンバープレート100′も上述したようなマイクロチャンバープレート100の特徴を有し、図面を参照してその例を説明する。
【0085】
前記図8及び図9に示したマルチマイクロチャンバープレート100′は前記胴体110の注入層130が形成される側に隣り合うマイクロチャンバープレート100を連結する胴体連結部170が形成され、前記透明層120が前記胴体110と一体で形成された例を図示したが、前記胴体連結部170は隣り合うマイクロチャンバープレート100を連結する如何なる形態でも形成することができる。
【0086】
つまり、前記マルチマイクロチャンバープレート100′は上述したようなマイクロチャンバープレート100が一つの単位体を形成し、これが複数個連結されて一体で形成された例であって、前記マルチマイクロチャンバープレート100′は一つのマイクロチャンバープレート100に4乃至16個のマイクロチャンバー111を形成し、前記マイクロチャンバープレート100が8乃至96個を含むように構成されることができる。
【0087】
この際、前記マルチマイクロチャンバープレート100′を形成するそれぞれのマイクロチャンバープレート100は内部に他の特異成分Aが内蔵されており、前記注入層130を通じて注入される共通試薬の種類も異なるため、前記マルチマイクロチャンバープレート100′はそれぞれのマイクロチャンバープレート100に前記胴体110の注入部112が形成された面の周縁が突出されて上側が開口された空間部114が形成され、前期マイクロチャンバー111の内部に注入される共用試薬又は試料が前記注入層130の上部に形成された空間部114に直接供給されるようにすることが望ましい。
【0088】
前記空間部114を形成するために、前記図8及び図9に示したように、前記胴体110の注入部112が形成された側に上部に突出される隔壁部115が形成されることができる。
【0089】
前記図8及び図9は前記隔壁部115が胴体110と一体で形成され、それぞれのマイクロチャンバープレート100毎に同一な特異成分Aが内蔵されたマイクロチャンバー111を含むように形成された例を図示したが、隣り合うマイクロチャンバープレート100間を区画する一つの隔壁部115が存在するように行うことができ、この他にもそれぞれのマイクロチャンバープレート100に試薬が注入できる空間を形成することができる形態であれば多様に形成できる。
【0090】
つまり、本発明のマルチマイクロチャンバープレート100′は前記胴体110のマイクロチャンバー111の内部には特異成分Aが内蔵され、それぞれのマイクロチャンバープレート100に相異なる特異成分Aが内蔵せしめ、それぞれの特異成分Aに要求される相異なる試薬を注入するように行うことによって同時に様々な種類の試料分析ができる長所がある。
【0091】
前記図10に図示した本発明のマルチマイクロチャンバープレート100′は前記胴体110に特異成分Aが内蔵されるマイクロチャンバー111が複数個形成され、両側が開放された形態で前記開放された一側面に透明層120が形成され、他側面に注入層130が形成される。
【0092】
また、一つの前記マイクロチャンバープレート100の注入部112が形成された面には前記マイクロチャンバー111の周縁が突出されて上側が開口された空間部114を形成するようにし、前記空間部114に共通試薬を供給するようにし、前記空間部114を遮断する試料供給層140がさらに形成されることができる。
【0093】
前記試料供給層140には試料が供給される供給部141が形成され、前記空間部114は前記胴体連結部170の一側面が突出されて形成される。
【0094】
前記図10は前記透明層120を保護する第1保護部150及び前記注入層130及び試料供給層140を保護する第2保護部160が形成された例を図示した。
【0095】
前記図8乃至図10は前記マイクロチャンバープレート100が一列で連結された例を図示したが、前記図11に示しように、本発明のマルチマイクロチャンバープレート100′は前記マイクロチャンバープレート100が多列を形成するように複数個が連結できる。
【0096】
また、前記マルチマイクロチャンバープレート100′はそれぞれのマイクロチャンバープレート100に独立な試薬を注入することができるように前記胴体110の注入部112が形成された面の周縁が突出されて上側が開口された空間部114が形成され、前記マイクロチャンバー111の内部に注入される共用試薬又は試料が前記注入層130の上部に形成された空間部114に直接供給するようにすることによって一回の実験で多様な種類の試料を実験することができるように行う。
【0097】
一方、本発明のリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応用分析装置1000は上述したような特徴を有するマイクロチャンバープレート100を用いることを特徴とする。
【0098】
図12は本発明によるリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応用分析装置1000の構成図であって、前記図12に示したように、リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応用分析装置1000は圧力調節手段200又は回転手段400が備えられ、同時に温度調節手段300又は光学測定手段500がさらに備えられる。
【0099】
次に、図13aは本発明のマイクロチャンバープレート100の製造方法に従う段階図であって、本発明のマイクロチャンバープレート100の製造方法はa)胴体110用意段階(Sa);b)透明層120形成段階(Sb);c)特異成分Aの分注段階(Sc);及びd)注入層130形成段階(Sd);とを含めて製造されることを特徴とする。
【0100】
前記a)胴体110用意段階(Sa)は一側面に光学測定が可能な光学測定部113が形成され、多側面に試料の注入が可能な注入部112が形成され、複数個の空間で区画されたマイクロチャンバー111が形成された胴体110が用意される段階である。
【0101】
前記b)透明層120形成段階(Sb)は前記用意された胴体110の光学測定部113が形成された面を遮断する透明層120を形成する段階であって、製造環境によって前記胴体110用意段階と透明層120形成段階(Sb)は前記胴体110と透明層120を一体化して一回の工程で形成されることもできる。
【0102】
前記c)特異成分Aの分注段階(Sc)は前記透明層120によって一側が密閉されたマイクロチャンバー111の内部に特異成分Aが内蔵されるようにする段階であって、前記特異成分Aはプレイマー又はプローブの他にも核酸増幅酵素、DNA構成化合物(dNTP)、バッファー、又は安定化剤が含まれる。
【0103】
前記d)注入層130形成段階(Sd)は前記特異成分Aが内蔵されたマイクロチャンバー111の注入部112を遮断する注入層130を形成する段階であって、前記注入層130は前記注入部112を遮断して内部物質の流出を防止することにより前記特異物質が交差汚染されないようにする役割を担当し、共通的に加える試料を含む共通試薬が一回に前記マイクロチャンバー111の内部に供給できるように多孔性材質又は穿孔可能な材質を用いて形成する。
【0104】
同時に、本発明のマイクロチャンバープレート100の製図方法は図13bに示したように、e)前記d)注入層130形成段階(Sd)の以後に、e)前記注入層130を保護する第1保護部150又は前記透明層120を保護する第2保護部160を形成する段階(Se)が追加される。
【0105】
このように、本発明のマイクロチャンバープレート100の製造方法は前記注入層130を形成してナノジェット分注器のような特殊な分注装備を必要にせず、共通成分を汚染無く速く供給することができて短時間内に分析に必要なマイクロチャンバープレート100を製造することができ、それで分析の効率性を高めることができ、圧力調節手段200又は回転手段400が備えられる場合に、前記マイクロチャンバープレート100の製造時間を縮めることができる。
【0106】
図14aは本発明のマイクロチャンバープレート100の分析方法による他の段階図であって、本発明のマイクロチャンバープレート100を用いた試料分析方法は上述したようなマイクロチャンバープレート100を用い、イ)製造されたマイクロチャンバープレート100の注入層130を通じて前記マイクロチャンバー111の内部に試料を含む共通試薬を注入する段階(Sイ);及びロ)前記特異成分Aと試料を含む共通試薬が反応される段階(Sロ);とを含むことを特徴とする。
【0107】
前記試料を含む共通試薬を注入する段階(Sイ)は前記マイクロチャンバープレート100のマイクロチャンバー111の内部に試料を含む共通試薬を注入する段階であって、場合によって前記試料を含む共通試薬を注入する段階(Sイ)が繰り返して行うことができる。
【0108】
また、前記試料を含む共通試薬注入段階(Sイ)において前記マイクロチャンバー111の内部に試料を含む共通試薬が円滑に注入できるように遠心力、減圧又は加圧が作用されて最も速く注入できるように行うことができ、前記注入層130の上部に前記注入層130を保護する第1保護部150が形成された場合に、前記第1保護部150を除去した後、前記注入層130を通じて試料を含む共通試薬を注入することは当然である。
【0109】
なお、前記試料を含む共通試薬反応段階(Sロ)は前記特異成分Aと試料を含む共通試薬が反応される段階であって、前記試料を含む共通試薬反応段階(Sロ)はポリメラーゼ連鎖反応(PCR, polymerase chain reaction)LCR(Ligase Chain Reaction)、又はリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR, Real time-PCR)から選ばれるいずれかの反応が行われる。
【0110】
前記リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応は一般的なポリメラーゼ連鎖反応と比べて増幅課程中に各反応のサイクル別に光学測定がさらに必要であるため、本発明のマイクロチャンバープレート100を用いた試料分析方法においてリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応を通じて分析するようになる場合に、光学測定(蛍光分析)段階がサイクル別に行わなければならなく、本発明はこれのみならず各反応に適当な追加的な段階がさらに行うことができる。
【0111】
また、図14bに示したように、本発明のマイクロチャンバープレート100を用いた試料分析方法はハ)前記試料を含む共通試薬の注入が完了されると、注入層の材質によって選択的に前記注入層130の上層面をシールする段階(Sハ);がさらに含まれる。
【0112】
前記注入層130シール段階(Sハ)は前記試料を含む共通試薬の注入が完了された後、前記注入層130の上層面をシールする段階である。試料を含む共通試薬の注入が完了された後、接着性フィルム、水分によって皮膜を形成する成分、オイル、又は常温で固体である固形成分を用いて注入層130をシールしてマイクロチャンバー内の状態(プライマー又はプローブなどの特異成分と試料を含む共通試薬が混合された状態)を保持するようにすることができる。
【0113】
また、図14cに示したように、本発明のマイクロチャンバープレート100を用いた試料分析方法は前記マイクロチャンバー111の内部に試料を含む共通試薬の注入時に前記マイクロチャンバー111の内部に残存した気体が排出できなく残っている場合、前記残留気体は光学測定時に光を散乱する要素で作用して分析の正確度を阻害するようになる。従って、ニ)前記試料を含む共通試薬の注入段階(Sイ)において複数個の試料が順次に注入される場合、一つの試料又は試薬の注入が完了された後、前記マイクロチャンバープレート100の圧力が調節される段階(Sニ);がさらに含まれる。
【0114】
同時に、前記圧力調節段階(Sニ)は前記マイクロチャンバー111の内部の残留気体が排気できるように減圧−解除又は加圧され、必要に応じて前記過程が繰り返して行われる。
【0115】
前記から減圧−解除、又は加圧とは、減圧−解除過程、加圧過程、減圧−解除−加圧の過程を全て含む。
【0116】
本発明は前記した実施例に限られなく、適用範囲が多様であることは勿論、請求範囲から請求する本発明の要旨を外れなく多様な変形実施ができることは当然である。
【産業上の利用可能性】
【0117】
従って、本発明のマイクロチャンバープレート、その製造方法は要求される試料の量が少なくて反応溶液の使用量を減らすことができ、前記マイクロチャンバープレートの厚さが薄くて温度調節が容易であることによって分析にかかる時間を画期的に縮めることができ、マイクロチャンバー間の溶液が混入されることに伴って発生される汚染問題及びマイクロチャンバーの内部の残留気体によって光学測定値が正しく測定されない問題を未然に防止することで分析の正確度を高めることができるという長所がある。
【0118】
また、本発明のマイクロチャンバープレート、その製造方法はマイクロチャンバーの内部に溶液の注入が容易であって大量の試料を一回に処理することができながらもその使用及び処理が簡単で分析工程を簡素化することができるという長所がある。
【0119】
共に、本発明は複数個のマイクロチャンバープレートが一体で形成できてそれぞれのマイクロチャンバープレートに合い異なる共通試薬が内蔵されるようにして様々な種類の試料を同時に分析及び比較することによって分析にかかる時間を画期的に短縮することができるという長所がある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一側面に光学測定ができるように光学測定部113が形成され、他側面に試料の注入ができるように中空された注入部112が形成され、複数個の空間で区画されたマイクロチャンバー111が形成された胴体110;
前記胴体110の一側面に前記光学測定部113を密閉する透明層120;及び
前記胴体110の他側面に前記注入部112を遮断し、試料を含む共通試薬がマイクロチャンバー111の内部に注入されるようにする注入層130;とを含めて形成されることを特徴とするマイクロチャンバープレート。
【請求項2】
前記マイクロチャンバー111は前記注入層130の形成以前にプライマー又はプローブが含まれた核酸分析のための特異成分Aが内蔵されることを特徴とする請求項1に記載のマイクロチャンバープレート。
【請求項3】
前記注入層130は試料を含む共通試薬の注入が完了された後、接着性フィルム、水分によって皮膜を形成する成分、オイル、または常温で固体である固形成分を用いてシールされることを特徴とする請求項1に記載のマイクロチャンバープレート。
【請求項4】
前記マイクロチャンバー111は核酸増幅酵素、DNA構成化合物(dNTP)、又はバッファーがさらに内蔵されることを特徴とする請求項2に記載のマイクロチャンバープレート。
【請求項5】
前記注入層130は穿孔できるフィルムからなり、前記マイクロチャンバー111のそれぞれと連通されるように穿孔されることを特徴とする請求項1に記載のマイクロチャンバープレート。
【請求項6】
前記注入層130は多孔性材質で形成されることを特徴とする請求項1に記載のマイクロチャンバープレート。
【請求項7】
前記透明層120は0℃乃至100℃において変形が生じない材質で形成されることを特徴とする請求項1に記載のマイクロチャンバープレート。
【請求項8】
前記マイクロチャンバープレート100は、
前記胴体110の注入部112が形成された面の縁周が突出されて上側が開口された空間部114が形成され、前記マイクロチャンバー111の内部に注入される共用試薬又は試料が前記注入層130の上部に形成された空間部114に直接供給されることを特徴とする請求項1に記載のマイクロチャンバープレート。
【請求項9】
前記マイクロチャンバープレート100は、
一側に試料を含む共通試薬が供給される供給部141が形成され、前記空間部114を遮断して気体は排出できる試料供給層140がさらに形成されることを特徴とする請求項8に記載のマイクロチャンバープレート。
【請求項10】
前記マイクロチャンバープレート100は、
試料を含む共通試薬が含まれた別途の容器にマイクロチャンバープレート100を漬けて前記試料を含む共通試薬が前記マイクロチャンバー111の内部に注入されるように行うことを特徴とする請求項1に記載のマイクロチャンバープレート。
【請求項11】
前記マイクロチャンバー111は0.3乃至3mmの幅(L111)で形成されることを特徴とする請求項1に記載のマイクロチャンバープレート。
【請求項12】
前記マイクロチャンバー111は0.5乃至5mmの深さ(D111)で形成されることを特徴とする請求項11に記載のマイクロチャンバープレート。
【請求項13】
前記マイクロチャンバープレート100は前記透明層120を保護する第1保護部150、又は前記注入層130を保護する第2保護部160とが形成されることを特徴とする請求項3に記載のマイクロチャンバープレート。
【請求項14】
前記第1保護部150又は第2保護部160は剥離可能な接着性フィルム又は脱・付着可能な部材が用いられることを特徴とする請求項13に記載のマイクロチャンバープレート。
【請求項15】
前記マイクロチャンバープレート100は、
複数個が一体で形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項14のいずれかに記載のマイクロチャンバープレート。
【請求項16】
a)一側面に光学測定ができる光学測定部113が形成され、他側面に試料の注入ができる注入部112が形成され、複数個の空間で区画されたマイクロチャンバー111が形成された胴体110が用意される段階(Sa);
b)前記胴体110の光学測定部113に透明層120が形成される段階(Sb);
c)前記胴体110の注入部112に特異成分Aが分注されて、それぞれのマイクロチャンバープレート100に合い異なる特異成分Aが内蔵される段階(Sc);及び
d)前記マイクロチャンバープレート100の他側面に注入層130が形成される段階(Sd);とを含めて製造されることを特徴とするマイクロチャンバープレート100の製造方法。
【請求項17】
前記請求項1に記載のマイクロチャンバープレート100を用いた試料分析方法は、
イ)製造されたマイクロチャンバープレート100の注入層130を通じて前記マイクロチャンバー111の内部に試料を含む共通試薬を注入する段階(Sイ);及び
ロ)前記特異成分Aと試料を含む共通試薬が反応される段階(Sロ);とを含むことを特徴とするマイクロチャンバープレート100を用いた試料分析方法。
【請求項18】
前記マイクロチャンバープレート100を用いた試料分析方法は、
ハ)前記試料を含む共通試薬の注入が完了されると、前記注入層130の上層面がシールされる段階(Sハ)がさらに含まれることを特徴とする請求項17に記載のマイクロチャンバープレート100を用いた試料分析方法。
【請求項19】
前記試料を含む共通試薬の注入段階(Sイ)は前記マイクロチャンバー111の内部に試料を含む共通試薬が円滑に注入できるように遠心力、減圧又は加圧が作用されることを特徴とする請求項17に記載のマイクロチャンバープレート100を用いた試料分析方法。
【請求項20】
ニ)前記試料を含む共通試薬の注入段階(Sイ)において複数個の試料が順次に注入される場合、一つの試料注入が完了された後、前記マイクロチャンバープレート100の圧力が調節される段階(Sニ)がさらに含まれることを特徴とする請求項17又は請求項18に記載のマイクロチャンバープレート100を用いた試料分析方法。
【請求項21】
前記圧力調節段階(Sニ)は前記マイクロチャンバー111の内部の残留気体が排気できるように減圧−解除、又は加圧されることを特徴とする請求項20に記載のマイクロチャンバープレート100を用いた試料分析方法。
【請求項1】
一側面に光学測定ができるように光学測定部113が形成され、他側面に試料の注入ができるように中空された注入部112が形成され、複数個の空間で区画されたマイクロチャンバー111が形成された胴体110;
前記胴体110の一側面に前記光学測定部113を密閉する透明層120;及び
前記胴体110の他側面に前記注入部112を遮断し、試料を含む共通試薬がマイクロチャンバー111の内部に注入されるようにする注入層130;とを含めて形成されることを特徴とするマイクロチャンバープレート。
【請求項2】
前記マイクロチャンバー111は前記注入層130の形成以前にプライマー又はプローブが含まれた核酸分析のための特異成分Aが内蔵されることを特徴とする請求項1に記載のマイクロチャンバープレート。
【請求項3】
前記注入層130は試料を含む共通試薬の注入が完了された後、接着性フィルム、水分によって皮膜を形成する成分、オイル、または常温で固体である固形成分を用いてシールされることを特徴とする請求項1に記載のマイクロチャンバープレート。
【請求項4】
前記マイクロチャンバー111は核酸増幅酵素、DNA構成化合物(dNTP)、又はバッファーがさらに内蔵されることを特徴とする請求項2に記載のマイクロチャンバープレート。
【請求項5】
前記注入層130は穿孔できるフィルムからなり、前記マイクロチャンバー111のそれぞれと連通されるように穿孔されることを特徴とする請求項1に記載のマイクロチャンバープレート。
【請求項6】
前記注入層130は多孔性材質で形成されることを特徴とする請求項1に記載のマイクロチャンバープレート。
【請求項7】
前記透明層120は0℃乃至100℃において変形が生じない材質で形成されることを特徴とする請求項1に記載のマイクロチャンバープレート。
【請求項8】
前記マイクロチャンバープレート100は、
前記胴体110の注入部112が形成された面の縁周が突出されて上側が開口された空間部114が形成され、前記マイクロチャンバー111の内部に注入される共用試薬又は試料が前記注入層130の上部に形成された空間部114に直接供給されることを特徴とする請求項1に記載のマイクロチャンバープレート。
【請求項9】
前記マイクロチャンバープレート100は、
一側に試料を含む共通試薬が供給される供給部141が形成され、前記空間部114を遮断して気体は排出できる試料供給層140がさらに形成されることを特徴とする請求項8に記載のマイクロチャンバープレート。
【請求項10】
前記マイクロチャンバープレート100は、
試料を含む共通試薬が含まれた別途の容器にマイクロチャンバープレート100を漬けて前記試料を含む共通試薬が前記マイクロチャンバー111の内部に注入されるように行うことを特徴とする請求項1に記載のマイクロチャンバープレート。
【請求項11】
前記マイクロチャンバー111は0.3乃至3mmの幅(L111)で形成されることを特徴とする請求項1に記載のマイクロチャンバープレート。
【請求項12】
前記マイクロチャンバー111は0.5乃至5mmの深さ(D111)で形成されることを特徴とする請求項11に記載のマイクロチャンバープレート。
【請求項13】
前記マイクロチャンバープレート100は前記透明層120を保護する第1保護部150、又は前記注入層130を保護する第2保護部160とが形成されることを特徴とする請求項3に記載のマイクロチャンバープレート。
【請求項14】
前記第1保護部150又は第2保護部160は剥離可能な接着性フィルム又は脱・付着可能な部材が用いられることを特徴とする請求項13に記載のマイクロチャンバープレート。
【請求項15】
前記マイクロチャンバープレート100は、
複数個が一体で形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項14のいずれかに記載のマイクロチャンバープレート。
【請求項16】
a)一側面に光学測定ができる光学測定部113が形成され、他側面に試料の注入ができる注入部112が形成され、複数個の空間で区画されたマイクロチャンバー111が形成された胴体110が用意される段階(Sa);
b)前記胴体110の光学測定部113に透明層120が形成される段階(Sb);
c)前記胴体110の注入部112に特異成分Aが分注されて、それぞれのマイクロチャンバープレート100に合い異なる特異成分Aが内蔵される段階(Sc);及び
d)前記マイクロチャンバープレート100の他側面に注入層130が形成される段階(Sd);とを含めて製造されることを特徴とするマイクロチャンバープレート100の製造方法。
【請求項17】
前記請求項1に記載のマイクロチャンバープレート100を用いた試料分析方法は、
イ)製造されたマイクロチャンバープレート100の注入層130を通じて前記マイクロチャンバー111の内部に試料を含む共通試薬を注入する段階(Sイ);及び
ロ)前記特異成分Aと試料を含む共通試薬が反応される段階(Sロ);とを含むことを特徴とするマイクロチャンバープレート100を用いた試料分析方法。
【請求項18】
前記マイクロチャンバープレート100を用いた試料分析方法は、
ハ)前記試料を含む共通試薬の注入が完了されると、前記注入層130の上層面がシールされる段階(Sハ)がさらに含まれることを特徴とする請求項17に記載のマイクロチャンバープレート100を用いた試料分析方法。
【請求項19】
前記試料を含む共通試薬の注入段階(Sイ)は前記マイクロチャンバー111の内部に試料を含む共通試薬が円滑に注入できるように遠心力、減圧又は加圧が作用されることを特徴とする請求項17に記載のマイクロチャンバープレート100を用いた試料分析方法。
【請求項20】
ニ)前記試料を含む共通試薬の注入段階(Sイ)において複数個の試料が順次に注入される場合、一つの試料注入が完了された後、前記マイクロチャンバープレート100の圧力が調節される段階(Sニ)がさらに含まれることを特徴とする請求項17又は請求項18に記載のマイクロチャンバープレート100を用いた試料分析方法。
【請求項21】
前記圧力調節段階(Sニ)は前記マイクロチャンバー111の内部の残留気体が排気できるように減圧−解除、又は加圧されることを特徴とする請求項20に記載のマイクロチャンバープレート100を用いた試料分析方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13a】
【図13b】
【図14a】
【図14b】
【図14c】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13a】
【図13b】
【図14a】
【図14b】
【図14c】
【公表番号】特表2011−505130(P2011−505130A)
【公表日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−535868(P2010−535868)
【出願日】平成20年9月22日(2008.9.22)
【国際出願番号】PCT/KR2008/005635
【国際公開番号】WO2009/069886
【国際公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(502235773)バイオニア コーポレーション (14)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月22日(2008.9.22)
【国際出願番号】PCT/KR2008/005635
【国際公開番号】WO2009/069886
【国際公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(502235773)バイオニア コーポレーション (14)
【Fターム(参考)】
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