説明

マイクロリアクタ

【課題】混合時間の短縮を図ることができるマイクロリアクタを提供する。
【解決手段】微細流路にて複数種類の流体を導入し混合させるマイクロリアクタ1において、軸方向に延在する混合流路36,41,44と、円周方向に離間して配置され第1種の流体を供給する第1供給流路33A,34A及び第1供給流路33B,34B,39と、円周方向に離間して配置され、第2種の流体を供給する第2供給流路35A及び第2供給流路35B,40と、前記第1供給流路から供給された第1種の流体を前記混合流路に導入する第1導入流路37,42と、前記第2供給流路から供給された第2種の流体を前記混合流路に導入する第2導入流路38,43とを有し、第1導入流路37,42及び第2導入流路38,43は、軸方向に複数段で配置するとともに、各段において円周方向に交互に配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学合成や化学分析等に用いるマイクロリアクタに係わり、特に、微細流路にて複数種類の流体を導入し混合させるマイクロリアクタに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、流路断面寸法が数μm〜数百μmの微細流路を有し、この微細流路にて複数種類の流体を導入して混合(接触)させ、化学反応を生じさせるマイクロリアクタ(反応器)が注目されている。このマイクロリアクタでは、流路断面寸法が小さくなることから、混合時間が短くなり、特に逐次反応系においては反応収率を高めるといった効果が期待できる。
【0003】
例えば層流条件での流体同士の混合は分子拡散によるものが主となり、混合時間t[s]は下記の式(1)で表される。式(1)において、Wは拡散距離[m]、Dは分子拡散係数[m/s]である。
【0004】
【数1】

【0005】
混合時間は、上記式(1)で示すように、拡散距離(言い換えれば、接触する複数種類の流体の中心間距離)の2乗に比例する。そのため、例えばY字型やT字型の合流流路を有するマイクロリアクタでは、流路断面寸法を小さくすれば拡散距離が小さくなり、混合時間を短くすることが可能となる。しかし、流路断面寸法を小さくすると、線流速が速くなって圧力損失が大きくなるため、流量を増大することが困難になる。
【0006】
そこで、第1種の流体を導入する第1の導入流路(分岐流入孔)と第2種の流体を導入する第2の導入流路(分岐流入孔及び流路)を混合流路の幅方向に交互に配置して混合流路に接続し、その混合流路の幅寸法を流れ方向に徐々に小さくなるように形成したマイクロリアクタが提唱されている(例えば、特許文献1参照)。このマイクロリアクタの混合流路では、第1種の流体と第2種の流体を多層状に合流させて縮流させることにより、拡散距離を小さくすることができ、混合時間を短くすることができるようになっている。
【0007】
【特許文献1】特開2005−180320号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来技術には以下のような改善の余地があった。すなわち、上記マイクロリアクタでは、第1の導入流路及び第2の導入流路を混合流路の幅方向に交互に配置して混合流路に接続しており、混合流路の上流側幅寸法を導入流路の数のぶんだけ拡大させている。そのため、合流直後の領域においては流路幅寸法が大きく、拡散距離が大きくなるため、混合時間の短縮の点で改善の余地があった。
【0009】
本発明の目的は、混合時間の短縮を図ることができる反応器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、微細流路にて複数種類の流体を導入し混合させるマイクロリアクタにおいて、一方向に延在する混合流路と、前記混合流路を中心とする円周方向に互いに離間して形成され、第1種の流体を供給する複数の第1供給流路と、前記混合流路を中心とする円周方向に互いに離間して形成され、第2種の流体を供給する複数の第2供給流路と、前記混合流路にて初めて第1種の流体と第2種の流体が合流するように、前記複数の第1供給流路のそれぞれから供給された第1種の流体を前記混合流路に導入する複数の第1導入流路、及び前記複数の第2供給流路のそれぞれから供給された第2種の流体を前記混合流路に導入する複数の第2導入流路とを有し、前記複数の第1導入流路及び前記複数の第2導入流路は、前記混合流路の流れ方向に複数段で配置するとともに、各段において前記混合流路を中心とする円周方向に交互に配置する。
【0011】
このように本発明においては、複数の第1導入流路及び複数の第2導入流路は、混合流路の流れ方向に複数段で配置するとともに、各段において混合流路を中心とする円周方向に交互に配置する。これにより、上記特許文献1に記載の従来技術とは異なり、混合流路の断面寸法を拡大することなく第1種の流体及び第2種の流体を多層状に合流させることができるため、合流直後の領域においても拡散距離を小さくすることができる。したがって、混合時間の短縮を図ることができる。
【0012】
(2)上記(1)において、好ましくは、前記複数の第1導入流路及び前記複数の第2導入流路は、前記混合流路の流れ方向に交互に配置する。
【0013】
(3)上記(1)又は(2)において、好ましくは、前記混合流路内の流れが乱流となるように構成される。
【0014】
(4)上記(1)〜(3)のいずれか1つにおいて、好ましくは、前記複数の第1供給流路、前記複数の第2供給流路、及び前記混合流路を部分的に構成するとともに各段における前記複数の第1導入流路及び前記複数の第2導入流路を構成する貫通孔が形成された少なくとも2つの合流流路部材と、前記複数の第1供給流路、前記複数の第2供給流路、及び前記混合流路をそれぞれ部分的に構成する複数の貫通孔が形成されるとともに、前記複数の第1導入流路及び前記複数の第2導入流路の流路壁を構成する少なくとも1つの隔壁部材とを備え、前記合流流路部材と前記隔壁部材とを交互に積層する。
【0015】
このようなマイクロリアクタの構成により、導入流路の段数を容易に変更することができ、要望される反応流体の生産量に容易に対応することができる。また、合流流路部材等を複数段で共用することができ、製造コストを低減することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、混合時間の短縮を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0018】
図1は、本発明のマイクロリアクタの一実施形態が適用されたマイクロリアクタシステムの構成を表す概略図である。
【0019】
この図1において、マイクロリアクタシステムは、流路断面寸法が数μm〜数百μmの微細流路にて第1種の流体及び第2種の流体を導入し混合させるマイクロリアクタ1と、このマイクロリアクタ1に第1種の流体を供給する第1供給系統2と、マイクロリアクタ1に第2種の流体を供給する第2供給系統3と、マイクロリアクタ1で混合された混合流体(反応流体)を排出する排出系統4とを備えている。
【0020】
第1供給系統2は、第1種の流体を貯留するタンク5と、このタンク5に貯留された第1種の流体を配管6及び継手7等を介しマイクロリアクタ1に供給する送液ポンプ8とを有している。第2供給系統3は、第2種の流体を貯留するタンク9と、このタンク9に貯留された第2種の流体を配管10及び継手11等を介しマイクロリアクタ1に供給する送液ポンプ12とを有している。排出系統4は、マイクロリアクタ1で混合された混合流体(反応流体)を継手13及び配管14等を介し排出するためのものであり、この排出された反応流体を貯留するタンク15を有している。
【0021】
第1供給系統2の配管6の途中には、第1種の流体を加熱又は冷却する予熱部16が設けられており、第2供給系統3の配管10の途中には、第2種の流体を加熱又は冷却する予熱部17が設けられている。また、排出系統4の配管14の途中には、混合流体の反応時間を調節するための滞留部18が設けられている。そして、マイクロリアクタ1、予熱部16,17、及び滞留部18等は、恒温水槽19内に設置されて、その加熱・冷却源20が温調器21によって制御されることにより、所定温度に調節されるようになっている。
【0022】
このようなマイクロリアクタシステムにおいては、流体の種類や濃度などを適宜選択することで、様々な化学反応が実施可能となる。なお、恒温水槽19の温度や送液ポンプ8,12の流量は、選択した反応系に応じて設定する。
【0023】
図2は、上記マイクロリアクタ1の構成を表す斜視図であり、図3は、図2中断面III−IIIによる軸方向断面図である。図4〜図8は、第1バッファ部材、第2バッファ部材、第1段合流流路部材、第2段合流流路部材、及び混合流路部材の構造をそれぞれ表す平面図である。なお、図3において、実線の矢印は第1種の流体の流れを示し、点線の矢印は第2種の流体の流れを示し、白抜きの矢印は混合流体(反応流体)の流れを示している。また、図3〜図8においては、ボルト挿通孔等の図示を便宜上省略している。
【0024】
図2〜図8において、略円柱形のマイクロリアクタ1は、第1バッファ部材22、第2バッファ部材23、第1段合流流路部材24、第2段合流流路部材25、及び混合流路部材26が軸方向(図2及び図3中上下方向)に積層されて構成されている。各部材22〜26の対応する位置にはボルト挿通孔(図示せず)が形成されており、これら部材22〜26のボルト挿通孔にボルト27が挿通されて部材22〜26を互いに締結するようになっている。また、部材22〜26の隙間からの流体の漏れを防止するため、部材22〜25の上面にはOリング28A〜28Gが設けられている。
【0025】
第1バッファ部材22は、上面に開口するように形成された第1バッファ室29と、この第1バッファ室29に連通して下面に開口するように形成された第1バッファ供給口30とを有している。そして、上記第1供給系統2からの第1種の流体が第1バッファ供給口30を経由して第1バッファ室29に供給されて一時的に貯められるようになっている。また、第1バッファ部材22の上面には、第1バッファ室29の開口に対して外周側に位置する環状溝が形成されており、この環状溝にOリング28Aが挿入されている。
【0026】
第2バッファ部材23は、上面に開口するように形成された第2バッファ室31と、この第2バッファ室31に連通して側面に開口するように形成された第2バッファ供給口32とを有している。そして、上記第2供給系統3からの第2種の流体が第2バッファ供給口32を経由して第2バッファ室31に供給されて一時的に貯められるようになっている。また、第2バッファ部材23の第2バッファ室31は、第1バッファ部材22の第1バッファ室29と比べて径寸法が小さくなっている。そして、第2バッファ部材23の外周側領域(言い換えれば、バッファ室32に対して外周側に位置する領域)には、周方向に互いに離間して配置されて(言い換えれば、中心部からの距離がほぼ等しくなる位置に配置されて)、第1バッファ部材22の第1バッファ室29に連通するように軸方向に貫通した例えば8つの第1供給孔33A,33B(ここで、33Aと33Bは、周方向に交互に配置されたものとして称す)が形成されている。また、第2バッファ部材23の上面には、第2バッファ室31の開口に対して外周側に位置する環状溝が形成されており、この環状溝にOリング28Bが挿入されている。また、第2バッファ部材23の上面には、第1供給孔33A,33Bのそれぞれの開口に対し外周側に位置する8つの環状溝が形成されており、これら環状溝にOリング28Cが挿入されている。
【0027】
第1段合流流路部材24は、第2バッファ部材23の第1供給孔33A,33Bとほぼ同じ断面位置に配置されて、第1供給孔33A,33Bにそれぞれ連通するように軸方向に貫通した8つの第1供給孔34A,34B(ここで、第1供給孔34Aは第1供給孔33Aに連通し、第1供給孔34Bは第1供給孔33Bに連通するものとして称す)と、これら第1供給孔34A,34Bより内側に位置し且つ周方向に互いに離間して配置されて(言い換えれば、中心部からの距離がほぼ等しくなる位置に配置されて)、第2バッファ部材23の第2バッファ室31に連通するように軸方向に貫通した8つの第2供給孔35A,35B(ここで、35Aと35Bは、周方向に交互に配置されたものとして称す)と、上面中心部に形成された混合溝36とを有している。そして、第1段合流流路部材24の上面には、4つの第1供給孔34Aのそれぞれと混合溝36とを連通させる4つの第1導入溝37と、4つの第2供給孔35Aのそれぞれと混合溝36とを連通させる4つの第2導入溝38とが形成されている。また、第1段合流流路部材24の上面には、第1供給孔34Bのそれぞれの開口に対して外周側に位置する4つの環状溝が形成されており、これら環状溝にOリング28Dが挿入されている。また、第1段合流流路部材24の上面には、第2供給孔35Bのそれぞれの開口に対して外周側に位置する4つの環状溝が形成されており、これら環状溝にOリング28Eが挿入されている。また、第1段合流流路部材24の上面には、第1導入溝37及び第2導入溝38等に対して外周側に位置する環状溝が形成されており、この環状溝にOリング28Fが挿入されている。
【0028】
第2段合流流路部材25は、第1段合流流路部材24の第1供給孔34Bとほぼ同じ断面位置に配置されて、第1供給孔34Bにそれぞれ連通するように軸方向に貫通した4つの第1供給孔39と、第1段合流流路部材24の第2供給通孔35Bとほぼ同じ断面位置に配置されて、第2供給通孔35Bにそれぞれ連通するように軸方向に貫通した4つの第2供給孔40と、中心部に位置し、第1段合流流路部材24の混合溝36に連通するように軸方向に貫通した混合孔41とを有している。そして、第2段合流流路部材25の上面には、第1供給孔39のそれぞれと混合孔41とを連通させる4つの第1導入溝42と、第2供給孔40のそれぞれと混合孔41とを連通させる4つの第2導入溝43とが形成されている。このとき、混合孔41における第1導入溝42の連通位置は、上述した混合溝36における第2導入溝38の連通位置と重なるようになっている。また、混合孔41における第2導入溝43の連通位置は、上述した混合溝36における第1導入溝37の連通位置と重なるようになっている。また、第2段合流流路部材25の上面には、第1導入溝42及び第2導入溝43等に対して外周側に位置する環状溝が形成されており、この環状溝にOリング28Gが挿入されるようになっている。
【0029】
混合流路部材26は、中心部に位置し、第2段合流流路部材25の混合孔41に連通するように軸方向に貫通した混合孔44を有している。
【0030】
なお、部材22〜26の材質は、流体の種類に応じて、例えば、ステンレス鋼等の金属、ガラス、シリコン、又は樹脂を用いればよい。また、部材22〜26の微細流路は、例えば、エンドミル等の機械加工、放電加工、エッチング、又は鋳型成型で加工して形成する。
【0031】
以上のように構成されたマイクロリアクタ1においては、混合溝36、混合孔41、及び混合孔44は、軸方向に延在する混合流路を構成している。また、第1導入溝37は、第1種の流体を混合流路に導入する第1段の第1導入流路を構成し、第1供給孔33A,34Aは、第1バッファ室29に供給された第1種の流体を第1段の第1導入流路に供給する第1供給流路を構成する。また、第1導入溝42は、第1種の流体を混合流路に導入する第2段の第1導入流路を構成し、第1供給孔33B,34B,39は、第1バッファ室29に供給された第1種の流体を第2段の第1導入流路に供給する第1供給流路を構成する。
【0032】
また、第2導入溝38は、第2種の流体を混合流路に導入する第1段の第2導入流路を構成し、供給孔35Aは、第2バッファ室31に供給された第2種の流体を第1段の第2導入流路に供給する第2供給流路を構成する。また、第2導入溝43は、第2種の流体を混合流路に導入する第2段の第2導入流路を構成し、供給孔35B,40は、第2バッファ室31に供給された第2種の流体を第2段の第2導入流路に供給する第2供給流路を構成する。
【0033】
そして、第1段における第1導入流路37と第2導入流路38は周方向に交互に配置されており、第1導入流路37及び第2導入流路38から混合流路に導入された第1種の流体及び第2種の流体は、図9に示すように、混合流路内で周方向に多層状(本実施形態では、8つの層状)となるように合流する。また、第2段における第1導入流路42と第2導入流路43は周方向に交互に配置されており、第1導入流路42及び第2導入流路43から混合流路に導入された第1種の流体及び第2種の流体は、図10に示すように、混合流路内の外周側領域で周方向に多層状(本実施形態では、8つの層状)となるように合流する。このとき、軸方向においては第1段の第1導入流路37と第2段の第2導入流路43が重なるように、第1段の第2導入流路38と第2段の第1導入流路42が重なるように配置されていることから、混合流路に導入された第1種の流体と第2種の流体は径方向に交互となるように合流する。
【0034】
このように本実施形態においては、上記特許文献1に記載の従来技術とは異なり、混合流路の断面寸法を拡大することなく第1種の流体及び第2種の流体を多層状に合流させることができる。そのため、合流直後の領域においても拡散距離を小さくすることができ、混合時間の短縮を図ることができる。特に、逐次反応系では、反応収率を高めることができる。
【0035】
また、本実施形態では、上述した第1供給流路、第2供給流路、第1導入流路、及び第2導入流路内の流れが層流条件(レイノルズ数が2300未満)となるように、かつ混合流路内の流れが乱流条件(レイノルズ数が2300以上)となるように、それらの流路断面寸法並びに第1種の流体及び第2種の流体の供給流量を設定している。これにより、第1供給流路、第2供給流路、第1導入流路、及び第2導入流路導入流路における圧力損失を小さくすることができる。また、混合流路における混合性能を高めることができる。すなわち、混合流路内の流れを乱流条件とした場合、混合時間を表す上記式(1)に含まれる分子拡散係数はそれより大きな乱流拡散係数に置き換わる。したがって、混合流路内の流れを層流条件とする場合と比べて、混合時間の短縮を図ることができる。
【0036】
上述した本実施形態の効果を、数値解析を用いて説明する。まず、比較例として、第1導入流路及び第2導入流路を1段設けたマイクロリアクタを解析した。図11は、比較例によるマイクロリアクタの解析体系を表す斜視図である。この図11において、黒塗りの矢印は第1種の流体の流れを示し、白抜きの矢印は第2種の流体の流れを示し、点線の矢印は混合流体の流れを示している。この解析体系では、第1導入流路45及び第2導入流路46は、混合流路47の流れ方向に1段で配置するとともに、混合流路47を中心とする円周方向に交互に配置している。また、第1導入流路45及び第2導入流路46は、流路断面を250μm×250μmの正方形とし、流路長を13mmとしている。また、混合流路47は、流路断面を直径1mmの円形とし、流路長を80mmとしている。また、第1種の流体及び第2種の流体の物性は同一とし、密度を10kg/m、粘度を10−3Pa・sとしている。そして、第1種の流体にトレーサとなる物質Aを1kmol/mの濃度で混合し、物質Aの分子拡散係数を10−9/sとした。
【0037】
そして、例えば第1導入流路45及び第2導入流路46における入口での流速を1.81m/sに設定すると、第1導入流路45及び第2導入流路46でのレイノルズ数は452となって層流条件となり、混合流路47でのレイノルズ数は1150となって層流条件となる。一方、例えば第1導入流路45及び第2導入流路46における入口での流速を3.61m/sに設定すると、第1導入流路45及び第2導入流路46でのレイノルズ数は903となって層流条件となり、混合流路47でのレイノルズ数は2300となって乱流条件となる。このようにして混合流路47内の流れを層流条件又は乱流条件に設定して数値解析を行ったところ、図13に示すような解析結果が得られた。
【0038】
図13は、混合流路47の流れ方向に、すなわち滞留時間の経過に応じて流体の濃度ムラが減少していく様子を表している。なお、濃度ムラは、下記の式(2)で定義している。式(2)において、Cavは流路断面での物質Aの平均濃度[kmol/m]、Cは流路断面での物質Aの局所濃度[kmol/m]、uは流路断面での局所流速[m/s]である。また、式(2)における積分記号は流路断面について積分することを意味する。
【0039】
【数2】

【0040】
図13において、第1種の流体と第2種の流体の合流直後では滞留時間が0であり、濃度ムラが1である。そして、滞留時間が経過して(言い換えれば、混合流路47の流れ方向に進んで)第1種の流体と第2種の流体が完全に混合すると、濃度が均一となって濃度ムラが0となる。図13に示すように、混合流路47内の流れを層流条件とする場合に比べ、乱流条件とする場合のほうが、濃度ムラの変化率(曲線の傾き)が大きく、混合時間を短縮できることがわかる。
【0041】
次に、上記一実施形態に相当するものとして、第1導入流路及び第2導入流路を2段設けたマイクロリアクタを解析した。図12は、上記一実施形態に相当するマイクロリアクタの解析体系を表す斜視図である。この図12において、黒塗りの矢印は第1種の流体の流れを示し、白抜きの矢印は第2種の流体の流れを示し、点線の矢印は混合流体の流れを示している。この解析体系では、第1導入流路45及び第2導入流路46は、混合流路47の流れ方向に2段で配置するとともに、各段において混合流路47を中心とする円周方向に交互に配置し、さらに混合流路47の流れ方向に交互に配置している。また、上記比較例と同様、第1導入流路45及び第2導入流路46は、流路断面を250μm×250μmの正方形とし、流路長を13mmとしている。また、混合流路47は、上記比較例と同様、流路断面を直径1mmの円形とし、流路長を80mmとしている。第1種の流体及び第2種の流体の物性は同一とし、密度を10kg/m、粘度を10−3Pa・sとしている。そして、第1種の流体にトレーサとなる物質Aを1kmol/mの濃度で混合し、物質Aの分子拡散係数を10−9/sとした。
【0042】
そして、例えば第1導入流路45及び第2導入流路46における入口での流速を1.81m/sに設定すると、第1導入流路45及び第2導入流路46でのレイノルズ数は452となって層流条件となり、混合流路47でのレイノルズ数は2300となって乱流条件となる。このようにして混合流路47内の流れを乱流条件に設定して数値解析を行ったところ、前述の図13に示すような解析結果が得られた。図13に示すように、第1導入流路45及び第2導入流路46を1段設けた場合に比べ、2段設けた場合のほうが、濃度ムラの変化率が大きくなり、混合時間を短縮できることがわかる。
【0043】
なお、上記一実施形態においては、ボルト27を介して部材22〜26を互いに締結し、部材22〜26の隙間からの流体の漏れを防止するためにOリング28A〜28Gを設けた場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、Oリングに代えて、例えば部材22〜26の間にシール材を挟み込むようにしてもよい。また、Oリングやシール材を設けないで、例えば部材22〜26の接触面を鏡面仕上げにして密着性を高めるようにしてもよい。これらの場合も、上記一実施形態と同様、ボルト27を取り外して部材22〜26を分解することが可能なため、流路の点検や洗浄を容易に行うことができる。一方、例えば流路の点検や洗浄が不要であるならば、接着剤、レーザ接合、拡散接合、又は溶着等の方法によって部材22〜26を互いに接着してもよい。
【0044】
また、上記一実施形態においては、第1導入流路及び第2導入流路を2段で配置し、各段において第1導入流路及び第2導入流路を4つずつ配置した構造を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、例えば第1導入流路及び第2導入流路を3段以上で配置してもよい。また、例えば各段において第1導入流路及び第2導入流路が少なくとも2つずつあれば、幾つにしてもよい。これらの場合も、上記同様の効果を得ることができる。
【0045】
次に、他の実施形態を図14〜図22により説明する。
【0046】
図14は、本実施形態によるマイクロリアクタの構成を表す斜視図であり、図15は、図14中断面XV−XVによる軸方向断面図である。また、図16〜図22は、第1バッファ部材、第2バッファ部材、第1隔壁部材、前段合流流路部材、第2隔壁部材、後段合流流路部材、及び混合流路部材の構造をそれぞれ表す平面図である。なお、図15において、実線の矢印は第1種の流体の流れを示し、点線の矢印は第2種の流体の流れを示し、白抜きの矢印は混合流体(反応流体)の流れを示している。また、図15〜図22においては、ボルト挿通孔等の図示を便宜上省略している。
【0047】
本実施形態において、略円柱形のマイクロリアクタ1Aは、第1バッファ部材48、第2バッファ部材49、第1隔壁部材50、前段合流流路部材51、第2隔壁部材52、後段合流流路部材53、及び混合流路部材54が軸方向(図14及び図15中上下方向)に積層されて構成されている。なお、第1隔壁部材50、前段合流流路部材51、第2隔壁部材52は、及び後段合流流路部材53は、薄板部材である。また、各部材48〜54の対応する位置にはボルト挿通孔(図示せず)が形成されており、これら部材48〜54のボルト挿通孔にボルト55が挿通されて部材48〜54を互いに締結するようになっている。また、部材48〜54の隙間からの流体の漏れを防止するため、部材48〜54の接触面を鏡面仕上げにして密着性が高められている。
【0048】
第1バッファ部材48は、上面に開口するように形成された第1バッファ室56と、この第1バッファ室56に連通して下面に開口するように形成された第1バッファ供給口57とを有している。そして、第1供給系統2からの第1種の流体が第1バッファ供給口57を経由して第1バッファ室56に供給されて一時的に貯められるようになっている。
【0049】
第2バッファ部材49は、上面に開口するように形成された第2バッファ室58と、この第2バッファ室58に連通して側面に開口するように形成された第2バッファ供給口59とを有している。そして、上記第2供給系統3からの第2種の流体が第2バッファ供給口59を経由して第2バッファ室58に供給されて一時的に貯められるようになっている。また、第2バッファ部材49の第2バッファ室58は、第1バッファ部材48の第1バッファ室56と比べて径寸法が小さくなっている。そして、第2バッファ部材49の外周側領域(言い換えれば、第2バッファ室58に対して外周側に位置する領域)には、周方向に互いに離間して配置されて(言い換えれば、中心部からの距離がほぼ等しくなる位置に配置されて)、第1バッファ部材48の第1バッファ室56に連通するように軸方向に貫通した例えば4つの第1供給孔60が形成されている。
【0050】
第1隔壁部材50は、第2バッファ部材49の第1供給孔60とほぼ同じ断面位置に形成された4つの第1供給孔(貫通孔)61と、これら第1供給孔61より内側に位置し且つ周方向に互いに離間して形成された(言い換えれば、中心部からの距離がほぼ等しくなる位置に形成された)4つの第2供給孔(貫通孔)62とを有している。
【0051】
前段合流流路部材51には貫通孔が形成されており、この貫通孔は、第1隔壁部材50の第1供給孔61とほぼ同じ断面位置に形成された4つの第1供給孔63、第1隔壁部材50の第2供給孔62とほぼ同じ断面位置に形成された4つの第2供給孔64、中心部に形成された混合孔65、4つの第1供給孔63のそれぞれと混合孔65とを連通させる4つの第1導入孔66、及び4つの第2供給孔64のそれぞれと混合孔65とを連通させる4つの第2導入孔67を構成している。
【0052】
第2隔壁部材52は、前段合流流路部材51の第1供給孔63とほぼ同じ断面位置に形成された4つの第1供給孔(貫通孔)68と、前段合流流路部材51の第2供給孔64とほぼ同じ断面位置に形成された4つの第2供給孔(貫通孔)69と、前段合流流路部材51の混合孔65とほぼ同じ断面位置(中心部)に形成された混合孔(貫通孔)70とを有している。
【0053】
後段合流流路部材53には貫通孔が形成されており、この貫通孔は、第2隔壁部材52の第1供給孔68とほぼ同じ断面位置に形成された4つの第1供給孔71、第2隔壁部材52の第2供給孔69とほぼ同じ断面位置に形成された4つの第2供給孔72、第2隔壁部材52の混合孔70とほぼ同じ断面位置(中心部)に形成された混合孔73、4つの第1供給孔71のそれぞれと混合孔73とを連通させる4つの第1導入孔74、及び4つの第2供給孔72のそれぞれと混合孔73とを連通させる4つの第2導入孔75を構成している。なお、前段合流流路部材51及び後段合流流路部材53は共通部材であり、裏返しすることで対応するようになっている。このとき、混合孔73における第1導入孔74の連通位置は、上述した混合孔65における第2導入孔67の連通位置と重なるようになっている。また、混合孔73における第2導入孔75の連通位置は、上述した混合孔65における第1導入溝66の連通位置と重なるようになっている。
【0054】
混合流路部材54は、中心部に位置し、後段合流流路部材53の混合孔73に連通するように軸方向に貫通した混合孔76を有している。
【0055】
なお、部材48〜54の材質は、流体の種類に応じて、例えば、ステンレス鋼等の金属、ガラス、シリコン、又は樹脂を用いればよい。また、部材22〜26の微細流路は、例えば、エンドミル等の機械加工、放電加工、エッチング、又は鋳型成型で加工して形成する。
【0056】
以上のように構成されたマイクロリアクタ1Aにおいては、混合孔65,70,73,76は、軸方向に延在する混合流路を構成している。また、第1導入孔66は、第1種の流体を混合流路に導入する第1段の第1導入流路を構成し、第1導入孔74は、第1種の流体を混合流路に導入する第2段の第1導入流路を構成し、第1供給孔61,63,68,71は、第1バッファ室56に供給された第1種の流体を第1段及び第2段の第1導入流路に供給する第1供給流路を構成する。また、第2導入孔67は、第2種の流体を混合流路に導入する第1段の第2導入流路を構成し、第2導入孔75は、第2種の流体を混合流路に導入する第2段の第2導入流路を構成し、第2供給孔62,64,69,72は、第2バッファ室58に供給された第2種の流体を第1段及び第2段の第2導入流路に供給する第2供給流路を構成する。
【0057】
そして、第1段における第1導入流路66と第2導入流路67は周方向に交互に配置されており、第1導入流路66及び第2導入流路67から混合流路に導入された第1種の流体及び第2種の流体は、混合流路内で周方向に多層状(本実施形態では、8つの層状)となるように合流する。また、第2段における第1導入流路74と第2導入流路75は周方向に交互に配置されており、第1導入流路74及び第2導入流路75から混合流路に導入された第1種の流体及び第2種の流体は、混合流路内の外周側領域で周方向に多層状(本実施形態では、8つの層状)となるように合流する。このとき、軸方向においては第1段の第1導入流路66と第2段の第2導入流路75が重なるように、第1段の第2導入流路67と第2段の第1導入流路74が重なるように配置されていることから、混合流路に導入された第1種の流体と第2種の流体は径方向に交互となるように合流する。
【0058】
このように本実施形態においても、上記一実施形態と同様、混合流路の断面寸法を拡大することなく第1種の流体及び第2種の流体を多層状に合流させることができる。そのため、合流直後の領域においても拡散距離を小さくすることができ、混合時間の短縮を図ることができる。特に、逐次反応系では、反応収率を高めることができる。
【0059】
また、本実施形態では、上述した第1供給流路、第2供給流路、第1導入流路、及び第2導入流路内の流れが層流条件(レイノルズ数が2300未満)となるように、かつ混合流路内の流れが乱流条件(レイノルズ数が2300以上)となるように、それらの流路断面寸法並びに第1種の流体及び第2種の流体の供給流量を設定している。これにより、第1供給流路、第2供給流路、第1導入流路、及び第2導入流路における圧力損失を小さくすることができる。また、混合流路における混合性能を高めることができる。
【0060】
また、本実施形態においては、要望される反応流体の生産量に対応して、導入流路の段数を容易に変更することができる。具体的に説明すると、例えば第1導入流路及び第2導入流路を4段とする場合は、第1バッファ部材48、第2バッファ部材49、第1隔壁部材50、前段合流流路部材51、第2隔壁部材52、後段合流流路部材53、第2隔壁部材52、前段合流流路部材51、第2隔壁部材52、後段合流流路部材51、及び混合流路部材54を、その順序で積層して構成すればよい。また、前段合流流路部材51及び後段合流流路部材53は共通部材であり、段数に応じて使用することができる。また、導入流路の隔壁を構成する共通の第2隔壁部材52を段数の増加に応じて使用することができる。したがって、製造コストを低減することができる。
【0061】
なお、上記他の実施形態においては、ボルト55を介して部材48〜54を互いに締結するとともに、流体の漏れを防止するために部材48〜54の接触面を鏡面仕上げにして密着性を高めた場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、例えばOリング又はシール材を設けてもよい。また、例えば流路の点検や洗浄が不要であるならば、部材48〜54を互いに接着してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明のマイクロリアクタの一実施形態が適用されたマイクロリアクタシステムの構成を表す概略図である。
【図2】本発明のマイクロリアクタの一実施形態の構成を表す斜視図である。
【図3】図2中断面III−IIIによる軸方向断面図である。
【図4】本発明のマイクロリアクタの一実施形態を構成する第1バッファ部材の構造を表す平面図である。
【図5】本発明のマイクロリアクタの一実施形態を構成する第2バッファ部材の構造を表す平面図である。
【図6】本発明のマイクロリアクタの一実施形態を構成する第1段合流流路部材の構造を表す平面図である。
【図7】本発明のマイクロリアクタの一実施形態を構成する第2段合流流路部材の構造を表す平面図である。
【図8】本発明のマイクロリアクタの一実施形態を構成する混合流路部材の構造を表す平面図である。
【図9】第1段の第1導入流路及び第2導入流路から第1種の流体及び第2種の流体が導入された直後の流体分布を表す混合流路の断面図である。
【図10】第2段の第1導入流路及び第2導入流路から第1種の流体及び第2種の流体が導入された直後の流体分布を表す混合流路の断面図である。
【図11】比較例として第1導入流路及び第2導入流路を1段設けたマイクロリアクタの解析体系を表す斜視図である。
【図12】本発明の一実施形態に相当するものとして第1導入流路及び第2導入流路を2段設けたマイクロリアクタの解析体系を表す斜視図である。
【図13】マイクロリアクタの混合性能の解析結果を表す図である。
【図14】本発明のマイクロリアクタの他の実施形態の構成を表す斜視図である。
【図15】図14中断面XV−XVによる軸方向断面図である。
【図16】本発明のマイクロリアクタの他の実施形態を構成する第1バッファ部材の構造を表す平面図である。
【図17】本発明のマイクロリアクタの他の実施形態を構成する第2バッファ部材の構造を表す平面図である。
【図18】本発明のマイクロリアクタの他の実施形態を構成する第1隔壁部材の構造を表す平面図である。
【図19】本発明のマイクロリアクタの他の実施形態を構成する前段合流流路部材の構造を表す平面図である。
【図20】本発明のマイクロリアクタの他の実施形態を構成する第2隔壁部材の構造を表す平面図である。
【図21】本発明のマイクロリアクタの他の実施形態を構成する後段合流流路部材の構造を表す平面図である。
【図22】本発明のマイクロリアクタの一実施形態を構成する混合流路部材の構造を表す平面図である。
【符号の説明】
【0063】
1 マイクロリアクタ
1A マイクロリタクタ
33A,33B 第1供給孔(第1供給流路)
34A,34B 第1供給孔(第1供給流路)
35A,35B 第2供給孔(第2供給流路)
36 混合溝(混合流路)
37 第1導入溝(第1導入流路)
38 第2導入溝(第2導入流路)
39 第1供給孔(第1供給流路)
40 第2供給孔(第2供給流路)
41 混合孔(混合流路)
42 第1導入溝(第1導入流路)
43 第2導入溝(第2導入流路)
44 混合孔(混合流路)
50 第1隔壁部材
51 前段合流流路部材
52 第2隔壁部材
53 後段合流流路部材
60 第1供給孔(第1供給流路)
61 第1供給孔(第1供給流路)
62 第2供給孔(第2供給流路)
63 第1供給孔(第1供給流路)
64 第2供給孔(第2供給流路)
65 混合孔(混合流路)
66 第1導入孔(第1導入流路)
67 第2導入孔(第1導入流路)
68 第1供給孔(第1供給流路)
69 第2供給孔(第2供給流路)
70 混合孔(混合流路)
71 第1供給孔(第1供給流路)
72 第2供給孔(第2供給流路)
73 混合孔(混合流路)
74 第1導入孔(第1導入流路)
75 第2導入孔(第1導入流路)
76 混合孔(混合流路)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
微細流路にて複数種類の流体を導入し混合させるマイクロリアクタにおいて、
一方向に延在する混合流路と、
前記混合流路を中心とする円周方向に互いに離間して形成され、第1種の流体を供給する複数の第1供給流路と、
前記混合流路を中心とする円周方向に互いに離間して形成され、第2種の流体を供給する複数の第2供給流路と、
前記混合流路にて初めて第1種の流体と第2種の流体が合流するように、前記複数の第1供給流路のそれぞれから供給された第1種の流体を前記混合流路に導入する複数の第1導入流路、及び前記複数の第2供給流路のそれぞれから供給された第2種の流体を前記混合流路に導入する複数の第2導入流路とを有し、
前記複数の第1導入流路及び前記複数の第2導入流路は、前記混合流路の流れ方向に複数段で配置するとともに、各段において前記混合流路を中心とする円周方向に交互に配置したことを特徴とするマイクロリアクタ。
【請求項2】
請求項1記載のマイクロリアクタにおいて、前記複数の第1導入流路及び前記複数の第2導入流路は、前記混合流路の流れ方向に交互に配置したことを特徴とするマイクロリアクタ。
【請求項3】
請求項1又は2記載のマイクロリアクタにおいて、前記混合流路内の流れが乱流となるように構成されたことを特徴とするマイクロリアクタ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項記載のマイクロリアクタにおいて、前記複数の第1供給流路、前記複数の第2供給流路、及び前記混合流路を部分的に構成するとともに各段における前記複数の第1導入流路及び前記複数の第2導入流路を構成する貫通孔が形成された少なくとも2つの合流流路部材と、前記複数の第1供給流路、前記複数の第2供給流路、及び前記混合流路をそれぞれ部分的に構成する複数の貫通孔が形成されるとともに、前記複数の第1導入流路及び前記複数の第2導入流路の流路壁を構成する少なくとも1つの隔壁部材とを備え、前記合流流路部材と前記隔壁部材とを交互に積層したことを特徴とするマイクロリアクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2010−428(P2010−428A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−160120(P2008−160120)
【出願日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願人】(000005452)株式会社日立プラントテクノロジー (1,767)
【Fターム(参考)】