説明

マイクロ堆積物を形成するための装置およびプロセス

本発明は、試料分析、とりわけ、単一の試料から表面上に多数のマイクロ堆積物を形成するための方法および装置に関連する。本発明は、より具体的には、液体試料のマイクロ堆積物を形成するための装置であって、複数のリザーバおよび針を含み、決められたプロファイルに従って、制御された規則的なマイクロ堆積物の形成を確保する、装置に関連する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料の分析、とりわけ、表面上に試料の多数のマイクロ堆積物を形成するための方法および装置に関する。本発明は、より具体的には、複数のリザーバおよび針を含み、画定されたパターンにより、制御された規則的なマイクロ堆積物生成を確保する、液体試料のマイクロ堆積物を形成するための装置に関する。
【0002】
発明の技術的背景
平坦な表面上において試薬のマイクロ堆積物を使用し、一つの同じ試料の数百の多重分析を実施することが可能であることは、現在のところ、広く証明されている。一つの同じ試料の遺伝子発現の分析は、なかでも、ヌクレオチド配列のマイクロ堆積物生成に依存する。抗原のマイクロ堆積物生成は、免疫化学分野において、感染またはワクチン接種状況を有する被験者の抗体を判定するためにも使用される。
【0003】
試料の多重分析は、現在のところ、マイクロ堆積方法のコストおよび遅いプロセスのため、研究分野に制限されている。しかし、前記多重分析は、診断分野で多くの用途を供する。特に、一つの試料をいくつかの試薬の対象にできる点で有効である。加えて、多数の個別の試料に対し、一つの同じ試薬を頻繁に適用する必要がある。
【0004】
堆積物生成手法は、DNAチップの形成のために設計されてきた。DNAチップは、特定の遺伝子の特徴である核酸配列が堆積され、分子の混合物における相補的核酸配列とのマッチングにより、分析対象細胞における同じ遺伝子の存在が検出されることを可能とする、ガラス、シリコンまたはプラスチックの小さいプレートである。
【0005】
しかし、非常に高いコストおよび低い生産率を理由として、これらの手法を大規模な診断用途に転用することはできない。
【0006】
DNAチップを製作するための機器は、例として、特許出願第EP1618948号に記載されている。この機器は、支持を持つワークテーブルと、溶液を貯蔵するための手段と、溶液を採取し、これらの支持上に堆積させるための手段とを含む。この文書は、複数のリザーバおよび針と、針がウェルに垂直方向に進入することを許容する上昇−下降装置とを含む、液体試料のマイクロ堆積物を形成するための器具を記載していない。
【0007】
他のマイクロ堆積機械は、DNAチップの調製で公知である。これらの機械は、顕微鏡スライド上に堆積物スポットまたは試料スポットを形成するように設計される。顕微鏡フォーマット(25×75mm)の特定数のガラススライドがキャリヤ上に配置される。堆積させる溶液は、リザーバを形成するくぼみを持つプレート内に含有される。堆積物ヘッドにより、くぼみ付きプレートから溶液が吸引される。堆積物ヘッドは、スライドにわたって移動し、その上に溶液を堆積させ、非常に精密なX、Y、Z機構によって駆動される。
【0008】
これらの機械は、大きい数の異なるスポットを減少した数のスライドに堆積させるように最適化される。しかし、堆積物ヘッドの再使用頻度に応じ、多くのリンス作業を伴うことから、堆積させる溶液が多量に無駄になる。加えて、これらの機械は、診断プレート上に堆積物を形成する能力がない。標準診断プレートは、9mmの間隔および8mmの深さで8行および12列にわたって分散された96個のウェルを含み、現在の機械による堆積が不可能である。
【0009】
とりわけ、Genetic Microsystemsは、Arrayer 417の名称で堆積機械を製造している。この機械では、<<ピン&リング>>タイプの技術を使用している。現在のところ、唯一、この技術が閉塞なく細菌懸濁液を堆積させる能力を有する。これは、ピン案内に関連する米国特許第6,269,846号をもたらした。
【0010】
実際、堆積物サイズがスライドの位置に関係して変動することが確認される。堆積させる溶液の注入および蒸発も制御されず、その濃度が変動する結果をもたらす。この機械では、堆積物ヘッドの洗浄を繰り返し実行し、実際、堆積させる溶液の95%程度の損失を伴う。
【0011】
本発明は、これらの問題の一つ以上を解決することを企図する。本発明は、事実上、安定的、再現可能かつ確実な方式により、好適な支持上における試料のマイクロ堆積物生成を許容する、方法および装置を提供する。本発明は、とりわけ、一連の多数のマイクロ堆積物を達成することを許容し、任意のタイプの試料に適用することができる。
【0012】
発明の概要
【0013】
本発明は、支持上(または表面上)に液体試料のマイクロ堆積物を形成するための装置であって、複数の針およびリザーバを含む、装置に関する。
【0014】
より詳細には、本発明は、液体試料のマイクロ堆積物を形成するための装置であって、:
− リザーバの底に貫通穴が設けられ、毛管作用下によってリザーバ内に試料を保持するように穴がサイジングされている、堆積させる液体試料を受けるためのリザーバ;
− 穴を通過してリザーバから外側に突出し、リザーバの外部に試料の一部を搬送する位置の範囲において可動である、可動設置された先端を有する針;および
− 前記位置の範囲において先端の移動を制御する、制御部材
を含むことを特徴とする、装置に関連する。
【0015】
本発明は、有利には、支持上に液体試料のマイクロ堆積物を形成するための装置であって、:
− 各リザーバの底に貫通穴が設けられ、毛管作用下でリザーバ内に試料を保持するように穴がサイジングされている、堆積させる液体試料12を受けるための複数のリザーバ11;
− 各針がリザーバに対応し、穴を通過して対応するリザーバ11から外側に突出し、リザーバの外部で試料の一部を搬送する位置の範囲において可動に設置された、先端34を有する複数の針3;および
− 前記位置の範囲において先端の移動を制御する、制御部材5
を含むことを特徴とする、装置に関する。
【0016】
一つの特に好ましい変形態様により、装置は、さらに、:
− ウェル92が配設された支持91(例を挙げれば、プレート);および
− 針をウェル92内に進入させることができる上昇−下降装置を含む制御部材
を含み、複数の針および支持91が相対的な垂直移動の対象となる。
【0017】
本発明の装置の一つの最も好ましい実施態様では、複数のリザーバおよび針が、支持または複数の針の移動中、形成するマイクロ堆積物のパターンを再現するように配設されている。
【0018】
好ましい実施態様では、本発明の装置は、さらに、下記の特徴の一つ以上を含む。
− 先端34がリザーバの内部に収容される位置と、リザーバから外側に突出する位置との間で可動に設置されている;
− 穴が円形状であり、0.3〜0.6mmの直径を有する;
− 先端34が0.10mm〜0.3mmの直径を有する;
− 先端が先端34の自由端部から開始する増大区域のいくつかの連続部を有する;
− リザーバ11が5〜100マイクロリットル、好ましくは5〜50マイクロリットルを含む容量を有する;
− リザーバがその上側部13に円筒穿孔を有し、その下側部14において、円筒穿孔を貫通穴に連結する円錐穿孔を有する;
− 貫通穴を囲むリザーバの外面部が疎水性被覆で被覆されている;
− 針3の重量により、リザーバから外側に突出する位置に向かって先端が駆動され、制御部材が、モータ52と、モータによって作動し、先端34がリザーバの内部に収容される位置に向かって針を駆動するレバー53とを含む;
− 装置は、一つの同じ間隔によって隔てられた、いくつかの対応するリザーバおよび針を含む。レバーにより、針の先端がそれらに対応するリザーバの内部に収容される位置に向かって駆動される;
− リザーバが一つの同じ一体の構成要素1内に配設されている;
− 装置がガイド2を含み、針が、並進時にガイド2によってガイドされ、先端から突き出るとともに先端に連結されている本体32、33を含む;
− ガイド2がリザーバ11に連結されている;
− リザーバ11がガイド2の下側穿孔にねじ込まれた円筒形状の外面壁を有する;
− ガイドがリザーバ11の外面壁から半径方向に突き出た肩部23を形成する;
− 装置は、形成するマイクロ堆積物のパターンを再現する、格子様式でグループ化された複数の針と、ウェル92が配設されたプレート91と、針がウェル92内に進入することを許容する上昇−下降装置とを含み、複数の針およびプレート91が相対的な垂直移動の対象となる;
− 針が、軸受21の下でガイド2の内部において半径方向に突き出た突起35を形成する;および/または
− 装置は、さらに、先端34の直下において支持を位置に配置し、取り除くための部材を含む。
【0019】
本発明のさらなる目的は、:
− 支持を処理方向に運ぶコンベヤ;
− コンベヤ上に支持を載置するロード装置;
− 試料のマイクロ堆積物を形成するための先に画定したような装置であって、ロード装置の下流にあるコンベヤ上に配置された支持の直上に配設されており、コンベヤによる駆動と同期した方式で支持上に堆積物を形成する、装置;および
− マイクロ堆積物を形成するための装置の下流に配設されている、コンベヤから支持をアンロードするアンロード装置87
を含む装置である。
【0020】
本発明のさらなる目的は、液体試料の堆積物を支持上に形成するための方法であって、先に画定したような装置により、マイクロ堆積物を適用する工程を含む、方法に関する。
【0021】
本発明は、一つ以上の液体試料のマイクロ堆積物を支持上に形成するための先に画定したような装置の使用にも関する。
【0022】
本発明は、さらに、試料のマイクロ堆積物を含有する支持を作製するための方法であって、先に画定したような装置により、マイクロ堆積物を適用する工程を含む、方法に関する。
【0023】
本発明の他の特徴および効果は、添付図面を参照しつつ、示唆として以降に提示する記載から明確になるであろうが、それに限定されるわけではない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】マイクロ堆積機械の第一の実施態様の断面側面図である;
【図2】図1の機械を使用した、ガラススライド上の堆積ラインの模式上面図である;
【図3】運転時におけるマイクロ堆積機械の第二の実施態様の模式上面図である;
【図4A】異なる運転工程における図3の機械の針の断面側面図である;
【図4B】異なる運転工程における図3の機械の針の断面側面図である;
【図5】運転時における図3の機械の断面図である;
【図6】本発明による機械を使用して作った堆積物の蛍光画像である。
【0025】
発明の詳細な記載
本出願は、一つ以上の試料のマイクロ堆積物(またはスポット堆積物)を好適な支持の表面上に形成するための方法および装置に関する。以降により詳細に記載するように、本発明は、任意のタイプ、すなわち、なかでも、任意の溶液または懸濁液、例を挙げれば、水性の液体試料に適用することができる。試料は、変動するタイプ、例えば、例として、ポリペプチドタイプ(ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、抗体など)、核酸(DNA、RNAなど)、細胞質、ウイルス、脂質、生物などの試料であることができる。本発明により、マイクロ堆積物、すなわち、通常、50nl未満、通常、0.01〜10nlの容積を有し、この分量が当業者によって調整可能である、堆積物の形成が可能となる。
【0026】
本発明により、堆積物を任意のタイプの好適な支持上に形成することが可能となる。これらは、好ましくは、本質的に平坦な表面を含む支持(例えば、スライド、膜、フィルタなど)である。仕切板によって隔てられた一つ以上の平坦な表面またはくぼみが配設された平坦な表面を有する支持、例を挙げれば、マルチウェルプレートであることもできる。支持は、任意の適応材料(ガラス、プラスチック、任意の相溶性ポリマー、金属、シリカ、セラミック、コーラルなど)であることができる。支持は、通常、マルチウェルプレート、例えば、12、24もしくは96またはそれ以上のウェルのプレートである。支持は、ガラススライドであることもできる。
【0027】
一つの好ましい実施態様により、本発明の装置は、:
− 各リザーバの底に貫通穴が設けられ、毛管作用下でリザーバ内に試料を保持するように穴がサイジングされている、堆積させる液体試料12を受けるための複数のリザーバ11;
− 各針がリザーバに対応し、穴を通過して対応するリザーバ11から外側に突出し、リザーバの外部に試料の一部を搬送する位置の範囲において可動に設置された、先端34を有する、複数の針3;および
− 前記位置の範囲において先端の移動を制御する制御部材5を含み、支持または複数の針の移動中、形成するマイクロ堆積物のパターンを再現するように、前記複数のリザーバおよび針が配設されている。
【0028】
一つの特に好ましい実施態様により、装置は、さらに、:
− ウェル92が配設された支持91(例を挙げれば、プレート);および
− 針がウェル92に進入することを可能にする上昇−下降装置を含む、制御部材;
を含み、前記複数の針および支持91が相対的な垂直移動の対象となる。
【0029】
装置は、変動する数のリザーバおよび対応する針を含むことができる。したがって、複数という用語は、通常、2〜50、好ましくは4〜50および好ましくは9〜50の数を指す。具体的な例では、装置は、2、4、6、8、9、12、15、25または36個のリザーバおよび対応する針を含む。
【0030】
好ましくは、リザーバおよび針は、格子様式または所定の幾何学的アレイ(例を挙げれば、正方形または矩形アレイ)で配設され、連続的な工業生産ラインに沿ったマイクロ堆積物のプロファイルの再現およびライン配列を許容し、実施された堆積物について、いくつかの遠隔装置による整列の同時的な維持をもたらす。一つの具体的な実施態様により、リザーバおよび針は、6×6、5×5、4×4または3×3の正方形アレイの格子配列を有する。
【0031】
本発明の具体的な実施態様により、先端34は、:
− リザーバの内部に収容される位置と、リザーバから外側に突出する前記位置との間に可動に設置され、および/または
− 0.10mm〜0.3mmの直径を有し、および/または
− 先端34の自由端部から開始する増大区域のいくつかの連続部を有する。
【0032】
本発明の一つの具体的な実施態様により、リザーバ内に試料を保持するために設けられる穴は、円形状であり、0.3〜0.6mmの直径を有する。
【0033】
本発明は、リザーバ11が5〜100マイクロリットル、好ましくは5〜50マイクロリットルの容量を有する、装置にも関する。本発明のリザーバは、その上側部13に円筒穿孔を有し、その下側部14において、円筒穿孔を貫通穴に連結する円錐穿孔を有することができる。貫通穴を囲むリザーバの外面部は、疎水性被覆で被覆されていることができる。
【0034】
本発明の一つの具体的な態様は、針3の重量により、リザーバから外側に突出する位置に向かって先端が駆動され、かつ、制御部材がモータ52と、モータによって作動し、先端34がリザーバの内部に収容される位置に向かって針を駆動する、レバー53とを含む、装置に関する。
【0035】
もう一つの態様は、リザーバが一つの同じ間隔によって相互に離間された、いくつかのリザーバおよび対応する針を含み、レバーにより、これらの先端が対応するリザーバの内部に収容される位置に向かって前記針の先端が駆動される、装置に関する。好ましくは、リザーバが一つの同じ一体構成要素1内に配設されている。
【0036】
本発明のさらなる目的は、リザーバ11に連結されたガイド2を含む装置であって、針が先端から突き出て連結された本体32、33を含み、本体が並進時にガイド2によってガイドされる、装置に関する。前記リザーバ11は、ガイド2の下側穿孔にねじ込まれた円筒形状の外面壁を有することができ、前記ガイドは、リザーバ11の外面壁から半径方向に突き出た肩部23を形成することができる。
【0037】
本発明の一つの具体的な目的は、針が軸受21下でガイド2の内部において半径方向に突き出た突起35を形成する、装置に関する。
【0038】
本発明の装置は、さらに、先端34の直下において支持を配置し、取り除くための部材を含むことができる。前記装置は、:
− 支持6を処理方向に運ぶコンベヤ7;
− コンベヤ7上に支持6を載置するロード装置81;
− 上記のように定義された試料のマイクロ堆積物を形成するための装置85であって、ロード装置の下流のコンベヤ上に配置された支持の鉛直上方に配設されており、前記コンベヤによる駆動と同期した方式で支持上に堆積物を形成する装置;および
− 堆積物形成装置の下流に配設されている、コンベヤから支持をアンロードするアンロード装置87
を含むこともできる。
【0039】
本発明の他の実施態様により、本発明の装置は、リザーバおよび針の代わりに、圧電圧縮(例として、Perkin-Elmerによる「Piezoarray」)または(例として、米国特許第5,551,883号に記載された方法による)マイクロ沸騰によって液滴を発射する、先に記載したように配設されたピペットタイプの複数の従来式ヘッドを備えることができる。
【0040】
本発明のさらなる目的は、液体試料の堆積物を支持上に形成するための方法であって、本発明による装置により、堆積物を適用する工程を含む、方法に関する。
【0041】
先に示唆したように、本発明は、リザーバ内に含有された液体試料(例を挙げれば、水溶液)から堆積物を形成するための装置に関する。本発明の装置の一つの特徴は、貫通穴がリザーバの底に設けられ、毛管作用下でリザーバ内に液体試料を保持するように穴がサイジングされるという事実にある。装置は、穴を通じて試料を搬送する能力を有する針先端を含む。
【0042】
図1に例示する堆積物形成装置は、ガラススライド6を運ぶコンベヤベルト7を含む。連続スライド6は、既定の間隔、例を挙げれば、35mmの間隔でベルト7上に配設される。スライド6は、例として、テンプレートにより、XおよびYに沿って位置付けることができる。スライド6の二つの垂直側面は、テンプレートの二つのそれぞれの側面に接触している。ベルト7がスライドをX方向に駆動する。装置は、ベルト7にわたって位置付けられたプレート1を含む。いくつかのリザーバ11がプレート1内に配設され、その底部に貫通穴を有する。これらのリザーバ11には、堆積物として堆積される溶液12が充填される。各穴は、毛管作用下でリザーバ11内に溶液を保持するようにサイジングされている。リザーバは、当業者により、この容量を適応させることができる場合であっても、通常、5〜100マイクロリットル、好ましくは5〜50マイクロリットルの容量を有し、リザーバ毎に変動することができる。プレート1の上面には、蓋およびガイドとして機能するカバープレート4がある。カバープレート4は、例として、保守作業を行うか、例として、リザーバ11の充填を簡易にするため、プレート1に脱着可能に取り付けられる。カバープレート4は、プレート1のそれぞれのリザーバ11の直上方に配設されたねじ付き穿孔を有する。ガイド支持2は、カバープレート4の穿孔内に固定されている。針3は、並進時、ガイド支持2によってZ軸に沿ってガイドされる。針3は、例示された位置においてそれぞれのリザーバ11の内部に配設される、先端34をその下側端部に有する。装置は、先端34の並進ストロークを画定するレバー53も含む。
【0043】
先端34をZ方向に下降させることにより、この先端が貫通穴を通じ、リザーバ11内の溶液12の一部を駆動し、鉛直下方にあるガラススライド6上にこの一部を堆積させる。
【0044】
本発明では、リザーバ11内に存在する溶液12から、この溶液12の蒸発を制限することにより、高速度で多数の堆積を実行することが可能である。加えて、先端34は、リザーバ11の穴を通過するピストンを形成し、その閉塞を防止する。先端34は、形成された堆積物の広範な再現性を保証する。堆積物形成のプロセス全体を通し、溶液および針3が外部から遮断され、汚染のリスクも解消される。
【0045】
プレート1は、ガラススライド6上に堆積させる溶液12を受けることを意図された、いくつかのリザーバ11を有する。一つの同じ金属プレートを機械加工することにより、これらのリザーバ11を製作することができる。リザーバ11は、ベルト7上の連続スライド6間の間隔に合致する間隔で配設されている。
【0046】
有利には、リザーバ11およびベルト7をY方向に沿って互いに相対的に移動させ、ガラススライド6の最も大きい寸法に従っていくつかの堆積物を形成することができる。特に、プレート1を電動式にし、XおよびY軸に沿ってベルト7に対して相対的に移動させることができる。疎水性区画に囲まれた最大18個の堆積物領域を有する各ガラススライド6を使用することができる。
【0047】
穿孔は、各リザーバ11内に配設され、円筒形状の上側部13を有し、円錐形状の下側部14がリザーバ11の底を形成する。下側部14に貫通穴が形成される。リザーバ11は、通常、数ミリメートル、例として、2〜4ミリメートルの高さを有することができる。上側部13は、数ミリメートルの直径を有することができる。下側部14に配設された貫通穴は、有利には、0.3〜0.6ミリメートルの直径を有する。前記直径は、溶液12内に存在する粒子の通過を許容するのに十分である。堆積させる溶液の大部分について、穴の前記直径により、毛管力のため、溶液12を流出させずにリザーバ11内に保持することが許容される。したがって、溶液を留めるための複雑な機構に依存する必要がない。溶液12に対する毛管力を強化するため、リザーバ11の下側部14は、有利には、疎水性被覆、例を挙げれば、シリコンまたはポリテトラフルオロエチレンで被覆されている。
【0048】
ガイド支持2は、中空シリンダとして製作される。これは、ブロック機械加工されるか、追加のリングから形成されるかのいずれかである、針の上側および下側ガイド軸受を支持する。ガイド支持は、リザーバに連結されている。
【0049】
一つの具体的な実施態様では、ガイド支持の下側部がねじ切りされ、リザーバがねじ付けされている。この実施態様は、特に、マルチウェルプレート、例として、96ウェルプレート上における堆積物の形成に適応される。このタイプの支持では、リザーバがウェルに進入できるように、高さ方向に移動できるべきであることが有利であり、それは、例として、リザーバを針に懸架することによって実現される。
【0050】
もう一つの実施態様では、ガイド支持2の下側部の外面表面がねじ切りされ、リザーバはねじ切りされた穿孔によって載っている。
【0051】
もう一つの実施態様では、いくつかのリザーバを対応させるために有利に、ガイド支持の下側部がカバープレート4の合致するねじ切り穿孔にねじ込まれている。
【0052】
針3の並進時における半径方向の位置決めおよび誘導は、ガイド支持に配設された上側軸受21およびカバープレート4に配設された下側軸受22を介して確保される。上側軸受21は、ガイド支持2の上側部に配設された肩部に作られる。下側軸受22は、カバープレート4のねじ切り穿孔の底に配設された肩部に作られる。ガイド支持2に下側軸受22を配設することも想定できる。この肩部は、リザーバ11のためのカバーも形成する。上側軸受21および下側軸受22は、約20mmの距離によって隔てられている。下側および上側軸受には、ポリテトラフルオロエチレンの円筒リングを設けることができる。
【0053】
針3は、溶液12に浸漬され、その下側端部において、この溶液の一部をガラススライド6に接触させることを意図された、先端34を有する。先端34は、有利には、0.1〜0.3mmの直径を有する。先端34の下側端部は、好ましくは、研磨されている。先端34には、第一の並進用誘導部33が載っている。先端34は、その自由端部と、その第一のガイド部33との接続との間に増大する区域を有し、溶液12の攪拌を増大させ、それにより、異なる堆積物を作る際にこの溶液の均質性を確保することができる。先端34は、直径が異なり、第一のガイド部33の範囲において自由端部から増大を開始する、いくつかの区域を有することもできる。先端は、特に、自由端部を第一のガイド部33に連結する、直径が0.3mmの区域を有することができる。このガイド部33は、約1mmの直径を有し、軸受22に適応するようにスライド可能に設置されている。第一のガイド部33には、第二の並進用ガイド部32が載っている。ガイド部32は、約4mmの直径を有し、ガイド支持2の軸受21に適応するようにスライド可能に設置されている。第二のガイド部32には、この第二のガイド部32よりも大きい直径を有する、支台31が載っている。針3は、ステンレス鋼で製作することができ、およそ4〜6グラムの重量を有することができる。針3は、30〜50mmの高さを有することができる。並進時に軸受21および22によって誘導される針3のそれらの表面は、有利には、摩擦を限定するために研磨されている。針3の並進中の摩擦力は、有利には、0.01N未満である。
【0054】
下記の寸法を有する針で試験を実施した:
− 直径0.15mmおよび高さ0.8mmの自由端部が設けられ、直径0.3mmおよび高さ3.2mmの接続部が設けられた、先端34;
− 直径1mmおよび高さ17mmを持つ第一のガイド部33;
− 直径2.32mmおよび高さ8.02mmの第一の区域と、直径4mmおよび高さ8mmの第二の区域とを有する、第二のガイド部32;
− 直径8mmおよび高さ8mmを有する支台31。
【0055】
前記針3は、清掃のため、高度にアクセス性が良好であり、容易に脱着可能であることが証明された。
【0056】
ガイド支持2に対する針3の相対的なセンタリング精度、および、プレート4に対するガイド支持2の相対的なセンタリング精度により、先端34と対応するリザーバの貫通穴との間に隙間を維持することが可能となる。この隙間は、好ましくは、100μm未満である。針の適切なセンタリングにより、堆積物の位置付けを50μmの精度で画定することが許容される。
【0057】
装置は、堆積させる液体試料のための攪拌器を含むことができる。
【0058】
レバー53は、針3の並進用ストロークを画定する。このレバー53は、二つの軸51の周囲に旋廻可能に設置されている。レバー53は、カムに対応したモータ52によって駆動される。カムは、レバー53を支持する、突き出したオフセット部を有する。突き出し部の回転中、レバー53がその自重の影響によって下降する。その軸に対するオフセットの相対的な回転による摩耗を制限するために、設置されたボール軸受を使用することも可能である。
モータ52は、針3の降下速度を毎秒10〜20mm前後に制限する。モータ52を制御することによって、先端34とガラススライド6との間の接触時間として0.05〜0.15秒を確保することができる。接触時間は、特に、レバー53の端部のストロークと針3のストロークとの間の差により、画定することができる。この実施態様では、針3は、その自重によって下向きに駆動される。その後、レバー53を使用し、針3の降下速度を制御する。レバー53は、支台31を介して針3を留める。レバー53の下降ストロークは、先端34とガラススライド6との間の接触を越えて継続することができ、その後、接触力が針3の重量のみによって画定され、ガラススライド6上への支持力の実質的な規則性が保証される。先端34の並進用ストロークは、例として、4〜7mmであることができる。レバー53は、堆積指示が与えられるまで、リザーバ11内に先端34を保持する。堆積指示が出されると、レバー53が旋廻し、ガラススライド6に接触するまで先端34を下降させる。先端34が溶液12の滴を搬送し、この滴をガラススライド6上に堆積させる。針3を上昇させるため、モータ52がそのストロークを継続し、レバー53を反対方向に旋廻させ、針3が支台31を介して上向きに駆動される。
【0059】
一つの変形態様により、レバー53がばねを介して針3に連結されることを想定できる。先端34がガラススライドに接触した後にレバー53を駆動する場合、ばねにより、レバー53と先端34との間に伝達される接触力が制限される。
【0060】
もう一つの変形態様により、針ヘッドは、円錐支持を介してレバー53上に載置され、前記レバー53によって針のガイドが確保され、それにより、ガイド支持2の必要が取り除かれる。
【0061】
針3の下降は、他の制御機構で画定することができる。下降は、特に、ステッピングモータ、円移動を直線移動に変換するカム、ラックまたはウォームねじ装置を介して画定することができる。元来の配置位置でステッピングタイプのモータ52を使用することも可能である。一つの変形態様により、同じ配置位置で非同期タイプのモータ52が使用される。
【0062】
図2は、図1に詳述するタイプの機械を使用した、ガラススライド6上における堆積物の形成8の模式上面図である。堆積ライン8は、ガラススライド6が処理を受ける方向に進行するコンベヤベルト7を含む。堆積ライン8は、ベルト7上にガラススライド6を配置する装置81を含む。装置81は、ベルト7上に規則的な隔たりでガラススライド6を配置する作動シリンダ82を含む。装置81とベルト7との間のガラススライド6の経路上には、洗浄ランプ83が配設されている。ベルト7の下流上方にドライヤ装置84が配設され、洗浄ランプ83によってガラススライド6上に堆積された残留水を取り除く。
【0063】
さらに下流では、堆積ライン8は、上記に詳述したタイプのいくつかの堆積機械85を含む。各堆積機械85は、軸51の周囲に旋回可能に設置されたレバー53と、レバー53の持ち上げまたは下降を制御するモータ52とを含む。各レバー53は、先に詳述したように、コンベヤの進行方向に整列した六つの針3の持ち上げおよび下降を制御する。各堆積機械85の直下には、前記機械に連結された、図2に図示しないテンプレートがあり、堆積のために所望される正確な位置へスライドを規制するために使用される。堆積ライン8は、一つのスライド6上に異なる溶液を堆積させるのに必要な数の針を有することができる。制御部材86は、堆積機械85の下流のガラススライド6上に形成された堆積物の適合性を分析する。制御部材86は、不適合とみなされたガラススライド6をベルト7から取り除く。制御部材86の下流において、ハンドリング装置87は、作動シリンダ88を含む。シリンダ88により、数多くのガラススライド6を受けることを意図された貯蔵マガジン89内にガラススライド6が配置される。ベルト7が駆動されると、プレート6間の間隔に対応して増加された距離にわたって、ガラススライド6が移動される。コンベヤベルト7を、歯または切り欠きを持つ剛性を有するプラットフォームに交換し、循環的な動作によりスライドを捕捉および解放することにより、スライドを1ピッチ移動させ、スライドが好適な位置に保持される固定のテンプレート内にスライドを配置することができる。
【0064】
図3は、標準診断プレートを使用した堆積物形成機械のもう一つの実施態様の上面図である。診断プレート91は、標準として、9mmの間隔で8ラインおよび12列にわたって分散された96個のウェル92を含む。診断プレート91は、それらをX方向に駆動する能力を有するコンベヤ94上に配設されている。機械は、Y方向に沿って向けられた二つのレール93も含む。ヘッド95は、レール93上にスライド可能に設置されている。モータは、図示しないが、ヘッド95をY方向に位置付ける。ヘッド95は、6×6の正方形アレイ、例えば、いわゆる格子配列内でガイドされて配設される、複数のリザーバおよび針3を搬送する。黒丸によって例示された針3は、ウェル92に向かって鉛直Z方向に下降する。白丸によって例示された針3は、ウェルに向かって下降しない。針および対応するリザーバの配列は、ウェルの底におけるマイクロ堆積物に従ったパターンと同じパターンを再現する。
【0065】
図4aおよび4bは、二つの運転位置における針3を例示している。図4aに例示された位置では、先端34がリザーバ11の内部に収容され、溶液12に浸漬される。図4bに例示された位置では、先端34がリザーバ11から外部に突き出し、それと共に溶液12の一部を搬送し、支持上にマイクロ堆積物を形成する。針3は、図1に類似した方式でガイド支持2にスライド可能に設置されている。ガイド支持2は、その下側部にねじ付き穿孔を有する。リザーバ11は、外面円筒形状を有する。リザーバ11の外面表面は、ねじ付けされている。リザーバ11は、ガイド支持2のねじ付き穿孔にねじ込まれている。リザーバは、ウェル92に進入することができるように、8mm以下の外周直径を有することができる。リザーバ11のウェル92内への下降を許容することにより、貫通穴を越えた先端34の必要なストロークを限定することが可能である。貫通穴を越えた先端34のストロークは、例として、2mmに限定することができる。ガイド支持2の下側部は、リザーバ11の外面表面に対して相対的な肩部23を形成する。この肩部23を支台として使用し、くぼみ92の内部におけるリザーバ11の下降を規制する。下側軸受22が配設された肩部は、リザーバ11を覆うカバーを形成する。針3は、針3が持ち上げられたときに上側肩部を駆動する能力を有する突起35を有する。したがって、支台33の牽引により、くぼみ92からリザーバ11を引き抜くことが可能である。針3、そのガイドおよび貫通穴は、ウェルの軸に対して相対的にわずかにオフセットされ、堆積物間の適切な離間を得ることができる。
【0066】
図5は、診断プレート91のウェル92における機械の断面図である。堆積物基材、例えば、ガラスまたはプラスチックの透明なシート96は、プレート91の底に対するように配設されている。基材96には、ウェル92が形成されたグリッドが載っている。
【0067】
機械は、電磁石55a〜55eが設けられた制御プレート54を有する。電磁石55a〜55eにより、針3a〜3eをそれぞれ保持または解放することが許容される。針3a〜3eの上側端部は、制御プレート54によって保持される。下降位置では、針3a〜3eの上側端部が指令プレート56によって支持される。針3b〜3eのリザーバは、その後、ウェル92内に配設される。グリッドの上側部97は、所定の高さにあり、針3の下降中に肩部23のための支台を形成する。指令プレート56は、点線によって図示された上端位置と、実線によって図示された底位置との間で鉛直方向に可動である。指令プレート56は、その底位置において、先端34がそのリザーバの貫通穴から突出し、支持96上に堆積物を形成するまで針の下降を許容する。
【0068】
針3aは、グリッド領域の外部に配設され、その対応するリザーバは、プレート91の周辺表面98の上方にある。針3aおよび針3eも、電磁石55aにより、上昇位置に保持される。針3b〜3dのためのガイドの肩部23は、方形のプレートの上側部97に対する支台に配置している。
【0069】
したがって、これらの針のリザーバおよびガイドは、鉛直方向に不動である。指令プレート56に下降指示が適用されていることから、針3b〜3dの先端34がリザーバから外側に突き出して基材96に接触し、マイクロ堆積物を形成する。図1の例のように、針3は、それらの自重の影響によって基材96に接触する。
【0070】
直径2ミリメートルおよび高さ5mmを有するリザーバでアッセイを実施した。アミノメチルクマリンで標識化された10マイクロリットルのウシアルブミン溶液をこのリザーバ内に配置した。4マイクロリットルの死容積を維持した。アッセイでは、蒸発が減少した。この溶液は、リザーバに補給することなく、6500個の堆積物の堆積を許容した。したがって、死容積がなければ、前記リザーバは、約15マイクロリットルの溶液を含むことが可能であり、10000個の堆積物の形成を許容することができる。図6は、365nmの励起で得られたBSA*AMCAの81個の堆積物の青色蛍光画像を示す。これらの堆積物は互いに極めて均質であることが注目され、リザーバ内部での針の移動により、溶液の規則的な攪拌が維持されることが確かめられる。スライド内CVは、10〜13%(n=81%)である。平均スライド内CVは、5.62%(n=14)である。
【0071】
堆積物の平均蛍光画像から、試料のマイクロ堆積物の青色蛍光、その標準偏差、およびCVが、異なるアッセイ条件下で、各スライドについて定量化される。特に、6.48g〜12.56gの重量を有する異なる針を使用しても、堆積物のサイズまたは蛍光の変化が引き起こされないことが確認された。したがって、減圧下で堆積物を形成可能であり、細胞の堆積にとって特に好ましいことが推測される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持上に液体試料のマイクロ堆積物を形成するための装置であって、:
− 各リザーバの底に貫通穴が設けられ、毛管作用によってリザーバ内に試料を保持するように穴がサイジングされている、堆積させる液体試料(12)を受けるための複数のリザーバ(11):
− 各針がリザーバに対応し、穴を通過してその対応するリザーバ(11)から外側に突出し、リザーバから試料の一部を搬送する位置の範囲において可動に設置された、先端(34)を有する複数の針(3);および
− 前記位置の範囲において前記先端の移動を制御する、制御部材(5)
を含むことを特徴とする、装置。
【請求項2】
先端(34)がリザーバの内部に収容される位置と、リザーバから外側に突出する位置との間に可動に設置されている、請求項1記載の装置。
【請求項3】
穴が円形状であり、0.3〜0.6mmの直径を有する、請求項1または2記載の装置。
【請求項4】
先端(34)が0.10mm〜0.3mmの直径を有する、請求項1〜3のいずれか1項記載の装置。
【請求項5】
先端が先端(34)の自由端部から開始する増大区域のいくつかの連続部を有する、請求項1〜4のいずれか1項記載の装置。
【請求項6】
各リザーバ(11)が5〜100マイクロリットル、好ましくは5〜50マイクロリットルの容量を有する、請求項1〜5のいずれか1項記載の装置。
【請求項7】
各リザーバがその上側部(13)に円筒穿孔を有し、その下側部(14)において、円筒穿孔を貫通穴に連結する円錐穿孔を有する、請求項1〜6のいずれか1項記載の装置。
【請求項8】
貫通穴を囲むリザーバの外面部が疎水性被覆で被覆されている、請求項1〜7のいずれか1項記載の装置。
【請求項9】
針(3)の重量により、リザーバから外側に突出する位置に向かって先端が駆動され、
制御部材が、モータ(52)と、モータによって作動し、先端(34)がリザーバの内部に収容される位置に向かって針を駆動するレバー(53)とを含む、請求項2記載の装置。
【請求項10】
複数のリザーバが、一つの同じ間隔によって個々に離間されており、
レバーが、針の先端がそれらに対応するリザーバの内部に収容される位置に向かって先端を駆動することを特徴とする、請求項9記載の装置。
【請求項11】
リザーバが一つの同じ一体の構成要素(1)内に配設されている、請求項1〜10のいずれか1項記載の装置。
【請求項12】
リザーバ(11)に連結されているガイド(2)を含み、
針が、並進時にガイド(2)によってガイドされ、先端から突き出るとともに先端に連結されている本体(32、33)を含む、請求項1〜11のいずれか1項記載の装置。
【請求項13】
リザーバ(11)が、ガイド(2)の下側穿孔にねじ込まれた円筒形状の外面壁を有する、請求項12記載の装置。
【請求項14】
ガイドが、リザーバ(11)の外面壁から半径方向に突き出た肩部(23)を形成する、請求項12または13記載の装置。
【請求項15】
針が、軸受(21)の下でガイド(2)の内部において半径方向に突き出た突起(35)を形成する、請求項1〜14のいずれか1項記載の装置。
【請求項16】
さらに、:
− ウェル(92)が配設された支持(91);および
− 針がウェル(92)に進入することを許容する上昇−下降装置を含む制御部材
を含み、前記複数の針および支持(91)が相対的な垂直移動の対象となる、請求項1〜15のいずれか1項記載の装置。
【請求項17】
複数のリザーバおよび針が、支持または針の移動中に形成されるマイクロ堆積物のパターンを再現するように配設されている、請求項1〜16のいずれか1項記載の装置。
【請求項18】
2〜50個のリザーバおよび対応する針を含み、前記リザーバおよび対応する針が幾何学的アレイ、好ましくは正方形または矩形に配設されている、請求項1〜17のいずれか1項記載の装置。
【請求項19】
さらに、先端(34)の直下において支持を配置し、取り除くための部材を含む、請求項1〜18のいずれか1項記載の装置。
【請求項20】
− 支持(6)を処理方向に運ぶコンベヤ(7);
− コンベヤ(7)上に支持を載置するロード装置(81);
− 請求項1〜19のいずれか1項に記載の試料のマイクロ堆積物(85)を形成するための装置であって、ロード装置の下流にあるコンベヤ上に載置された支持の直上に配設されており、かつ、コンベヤの進行と同期した方式で支持上に堆積物を形成する装置;および
− 前記堆積物形成装置の下流に配設されている、コンベヤから支持をアンロードするアンロード装置(87)
を含む、請求項1〜19のいずれか1項記載の装置。
【請求項21】
液体試料の堆積物を支持上に形成するための方法であって、請求項1〜19のいずれか1項記載の装置を用いて前記堆積物を適用する工程を含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−516875(P2011−516875A)
【公表日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−503481(P2011−503481)
【出願日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際出願番号】PCT/FR2009/050631
【国際公開番号】WO2009/136085
【国際公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【出願人】(510269540)
【氏名又は名称原語表記】DIOSCURE
【Fターム(参考)】