説明

マイクロ波吸収発熱体用粉末の製造方法およびマイクロ波吸収発熱体用粉末ならびにその粉末を用いたマイクロ波吸収発熱体

【課題】白い色調の物質で、かつマイクロ波を効率良く吸収して発熱するマイクロ波吸収発熱体用粉末を得る。
【解決手段】原料粉として、SiO換算で50mass%以下(但し、0mass%は含まない)のシリコン酸化物と、ZnO換算で50mass%以上(但し、100mass%は含まない)の亜鉛酸化物との混合物を用い、750℃以上、1350℃以下の温度範囲で焼成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子レンジ用調理皿などに用いられる特殊セラミック材料に関するものであり、特に2.45GHzのマイクロ波を吸収して優れた発熱性能を示し、しかも白色を呈するマイクロ波吸収発熱体用の粉末の製造方法およびマイクロ波吸収発熱体用粉末、ならびにその粉末を用いたマイクロ波吸収発熱体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子レンジは、通常2.45GHzのマイクロ波を食品に照射し、食品中の水分子がマイクロ波を吸収して振動する現象を利用して食品を加熱する調理機器である。ここで、マイクロ波を吸収できるのは水分子に限定されるものではなく、誘電損失や磁気損失の高い材料であれば、食品と同様にマイクロ波を吸収して温度が上昇することが知られている。
【0003】
近年、電子レンジ用調理皿として、2.45GHzのマイクロ波を吸収して発熱する性質をそなえる特殊セラミックス材料を利用した製品が提案されている(例えば、(有)東彼セラミックス製「ドリームキッチン」など)。このような電子レンジ用の加熱調理器具は、電子レンジの放射するマイクロ波を食材に照射して調理するものではなく、マイクロ波で調理器具本体を発熱させ、その熱で食材を加熱して調理するものである。
そのため、調理器具本体の素材にマイクロ波吸収発熱粉を混合したり、表面にマイクロ波吸収発熱粉を含有する層を焼き付けたりして、マイクロ波吸収発熱性能を発現させている。
【0004】
マイクロ波吸収発熱体としては、従来より、炭化珪素のように誘電損失の高い物質や鉄系酸化物のように磁気損失の高い物質が用いられている。また、近年、発明者らにより開示した、特許文献1に記載のMgCu系フェライト粉を用いたマイクロ波吸収発熱体などがある。
しかしながら、これらの物質は黒色、暗茶色、灰色などを呈するため、調理器具の色に制約があり、白色や明るい色調の発熱調理器具を作製するには適さなかった。
【0005】
ここに、マイクロ波吸収発熱性能を発現する白色の物質としては、誘電率の高いZnO、TiBaOなどが知られているが、これらの酸化物は、上記した炭化珪素や鉄系酸化物と比べて発熱性能に劣り、短時間のマイクロ波照射で200℃を超える高温まで昇温させることは困難であった。
このため、優れたマイクロ波吸収発熱性能を有し、かつ白色系で色調の自由度が高くデザイン性に富んだ発熱体が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4663005号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の現状に鑑み開発されたもので、白い色調の物質で、かつマイクロ波吸収発熱性能に優れたマイクロ波吸収発熱体用粉末およびマイクロ波吸収発熱体を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明者らは、上記した問題を解決するために、種々の白色粉体の化合物におけるマイクロ波吸収発熱特性について鋭意検討を行った。その結果、ZnOとSiOを所定量混合した粉体を、所定の条件で熱処理することにより、優れた発熱性能を持つ白色粉(マイクロ波吸収発熱体用粉末)が得られることを見出した。
本発明は、上記の知見に立脚するものである。
【0009】
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.原料粉を、混合して、粉状または成形体とした後、焼成し、ついで必要に応じて粉砕や、分級を施して所定の粒子サイズに調整するマイクロ波吸収発熱体用粉末の製造方法において、
上記原料粉として、
SiO換算で50mass%以下(但し、0mass%は含まない)のシリコン酸化物と、
ZnO換算で50mass%以上(但し、100mass%は含まない)の亜鉛酸化物とを含む混合物を用い、
かつ750℃以上、1350℃未満の温度範囲で焼成する
ことを特徴とするマイクロ波吸収発熱体用粉末の製造方法。
【0010】
2.原料粉として、
SiO換算で50mass%以下(但し、0mass%は含まない)のシリコン酸化物と、
ZnO換算で50mass%以上(但し、100mass%は含まない)の亜鉛酸化物とを含む混合物を焼成してなるマイクロ波吸収発熱体用粉末であって、
上記マイクロ波吸収発熱体用粉末:シリコン樹脂を、75:25(mass%)の比率で混合し成形した樹脂シートの2.45GHzにおける複素誘電率:εを、下記式(1)で表す時、ε’≧3で、かつε’’≧0.5であることを特徴とするマイクロ波吸収発熱体用粉末。

ε = ε’+ε’’i ・・・(1)
ただし、iは、虚数単位である。
【0011】
3.前記2に記載の粉末を、少なくとも一部に含有することを特徴とするマイクロ波吸収発熱体。
【0012】
また、本発明では、前記2に記載されたマイクロ波吸収発熱体用粉末に、耐熱性樹脂を混合して成形したり、釉薬を混合した混合液をセラミックス基材の表面に塗布後、焼成したりして、マイクロ波吸収発熱体とすることができる。
さらに、上記マイクロ波吸収発熱体用粉末に、陶磁器の原料粉末を混合し、成形後、焼成して、マイクロ波吸収発熱体とすることもできる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、2.45GHzのマイクロ波を吸収して優れた発熱性能を示し、しかも白色を呈して色調調整に優れたマイクロ波吸収発熱体用の粉末およびその粉末を用いたマイクロ波吸収発熱体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】SiO含有量と試料表面温度との関係を示したグラフである。
【図2】焼成温度と試料表面温度との関係を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明は、原料粉を混合して、粉状または成形体とした後、焼成し、ついで必要に応じて粉砕や、分級を施して所定の粒子サイズに調整してマイクロ波吸収発熱体用粉末を製造する方法およびその際に得られるマイクロ波吸収発熱体用粉末およびその粉末を用いたマイクロ波吸収発熱体に関するものである。
【0016】
まず、本発明に用いる原料粉の基本組成について説明する。なお、以下に示すマイクロ波吸収発熱体用粉末(以下、発熱粉ともいう)およびマイクロ波吸収発熱体の成分組成を表す%表示は、とくに断らない限りmass%を意味する。
シリコン酸化物: SiO換算で50%以下(0%は含まない)
亜鉛酸化物: ZnO換算で50%以上(100%は含まない)
ZnOは、単体でもマイクロ波を吸収して発熱する物質であり、500Wで1分間のマイクロ波照射で150℃程度にまで発熱する。従って、亜鉛酸化物はZnO換算で50%以上添加させる。
これに、SiOを添加し、熱処理することで、発熱性能が一段と向上し、200℃以上までの昇温が可能となる。しかしながら、SiO自体は発熱しない物質であるため、シリコン酸化物がSiO換算で50%を超えると発熱性能が低下し、その添加効果が無くなる。従って、シリコン酸化物はSiO換算で50%以下が必須である。好ましくは5〜40%、より好ましくは7〜35%の範囲である。
なお、シリコン酸化物および亜鉛酸化物以外にも、Al,MgO,TiOおよびBaTiOなど種々のセラミックス粉末を混合させることができるが、これらの合計量が50%以上になると、200℃を超える高温まで発熱することが困難になるため、ZnO、SiO以外の成分の含有量は50%未満とする。
【0017】
また、上記した亜鉛酸化物やシリコン酸化物の所定の粒径に特別の限定はないが、亜鉛酸化物は、平均粒径で0.1〜10μm程度、またシリコン酸化物は平均粒径で0.05〜10μm程度とするのが好ましい。
その他のセラミックス粉末は、平均粒径:0.1〜10μm程度が好ましい。
【0018】
ここに、上記の成分組成量を満足することで、優れたマイクロ波吸収発熱性能が得られる機構について、発明者らは、以下のように考えている。
すなわち、所定量のZnOとSiOが共存すると、特定の温度域で、オリビン化合物であるZnSiOが生成するため、発熱体の誘電特性が向上して、良好な発熱特性が得られるものと推測している。
【0019】
次に、焼成温度の限定理由について説明する。
焼成温度:750〜1350℃
焼成温度は、ZnOとSiOの反応性に大きな影響を及ぼす。すなわち、焼成温度が750℃に満たないと、発熱特性を改善するオリビン化合物の生成反応が十分に進行しないため、発熱体が200℃を超える高温まで昇温できなくなる。一方、焼成温度が1350℃を超えると、ZnOの蒸発やSiOの構造変化の影響を受けるため、発熱体の発熱特性が劣化する。従って、焼成温度は750〜1350℃の範囲に限定する。好ましくは、850〜1200℃の範囲である。なお、焼成時間については、特別の限定はないが、0.5〜10h程度とするのが好ましい。
【0020】
その他のマイクロ波吸収発熱体用粉末を製造する工程、すなわち、混合工程や、粉状または成形体とする工程、さらには、粉砕や分級などを施して所定の粒子サイズに調整する工程などは、常法に従えば良い。
【0021】
上記した製造方法により得られたマイクロ波吸収発熱体用粉末は、マイクロ波吸収発熱体用粉末:シリコン樹脂を75:25(mass%)の比率で混合して成形した樹脂シートの2.45GHzにおける複素誘電率:εを、下記式(1)で表す時、ε’(実数部)およびε’’(虚数部)が所定の値を示すことが肝要である。なお、上記混合および成形は常法による。

ε = ε’+ε’’i ・・・(1)
ただし、iは、虚数単位である。
【0022】
ε’≧3かつε’’≧0.5
上記した所定の値とは、ε’が3以上で、かつε’’が0.5以上である。というのは、ε’およびε’’のいずれかが、上記範囲を外れると、2.45GHzのマイクロ波に対する誘電損失が小さすぎるために、200℃以上の高温まで発熱することができないからである。
なお、好ましい範囲は、ε’が3.6以上、かつ、ε’’が0.8以上である。また、ε’およびε’’の上限に特別の限定はないが、工業的に有利なのは、ε’が、30程度、ε’’が、15程度である。
【0023】
複素誘電率の測定方法
測定対象になる粉末とシリコン樹脂(溶剤:トルエン)(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製YSR3022)と硬化触媒(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製YC6843)を混合し、シート状に成形後、溶剤を揮発させた。成形品中の粉末:シリコン樹脂の比率が、75:25(maas%)となるようにした。なお、硬化触媒は成形品中のシリコン樹脂100質量部に対して10質量部となるように混合した。
該シートから、外径:7mm、内径:3mm、厚さ:1mm程度のリング形状を切り出して、APC7型の同軸サンプルホルダーに設置し、ネットワークアナライザーを用いてSパラメータ法で2.45GHzの複素誘電率を測定した。なお、後述する実施例においても上記方法により、ε’およびε’’の値を測定した。
【0024】
次に、上記のマイクロ波吸収発熱体用粉末を用いて、電子レンジ用の加熱調理器具(マイクロ波吸収発熱体)、例えば調理皿を製造する場合について説明する。
まず、前述したような好適成分組成に調整した亜鉛酸化物とシリコン酸化物を混合し、粉末状または成形体として、大気雰囲気中で750〜1350℃の温度として熱処理した後、必要に応じて粉砕、分級などを施して所定の粒子サイズに調整し、ε’およびε’’の値を前記の所定値としたマイクロ波吸収発熱体用粉末とする。その際、湿式合成法、水熱合成法など特殊な原料製造方法を用いることもできる。
【0025】
ついで、上記マイクロ波吸収発熱体用粉末を、シリコン樹脂などの耐熱性樹脂と混合して発熱調理器具を成形したのち、必要に応じて加熱して固化させる。その際の混合比率は、所望の発熱温度に応じて5〜75%程度の間で選定するのが好ましい。また、釉薬などと混合し、セラミックス基材の調理皿の表面に塗布後、焼成して使用することができる。このとき、被膜層の厚みは50〜300μm程度とするのが好ましい。さらに、陶磁器の原料粉末に、本発明に従うマイクロ波吸収発熱体用粉末を混合して、発熱体とすることもできる。このとき、およそ10%以上、好ましくは30%以下添加した原料を用いて、成形して焼成し調理皿を作製しても良い。
【0026】
本発明に従うマイクロ波吸収発熱体用粉末の用途は、上述した電子レンジ用発熱調理器具に限定されることはなく、マイクロ波加熱装置の壁や床材、電子レンジで加温して使用するカイロ、あんか、衣料品、接着剤など、マイクロ波を利用して温度上昇させる用途を有する物品全般に利用することができる。
【0027】
上記物品に利用する際、樹脂等の素地とマイクロ波吸収発熱体用粉末の混合比率を調整することで、用途に応じた発熱温度に調整することができる。また、本発明に従うマイクロ波吸収発熱体用粉末は白色であるため、他の色調の顔料を添加することで、種々の色調の発熱体を簡単に作製することができる。
【実施例】
【0028】
以下、本発明の具体的実施例について説明する。
〔実施例1〕
原料粉として、ZnO,SiO,Al,MgO,TiOおよびBaTiOを用い、表1に示す成分配合比で原料を秤量して、混合し、熱処理なし、または大気中で1100℃、2hの条件で焼成して、発熱粉を得た。得られた発熱粉の色を目視観察した。また、得られた発熱粉をシリコン樹脂と混練して、発熱粉:樹脂=75:25(%)のシートを成形し、40×40×約1mmの形状に切り出して、シートサンプルを作製した。これらのシートサンプルを、市販の電子レンジ(日立製作所製MRO-GS8型)の中に置き、500Wのマイクロ波を60秒間照射した直後のシートの表面温度を、放射温度計で測定した。また、上記シートから外径:7mm、内径:3mm、厚さ:1mm程度のリング形状を切り出して、ε’およびε’’の値を前記したSパラメータ法でそれぞれ測定した。
表1に、得られた測定結果を併記する。
【0029】
【表1】

【0030】
表1に示したとおり、本発明の条件に従いZnO、SiOなどを混合し、焼成したものであって、ε’およびε’’の値を本発明の範囲とした場合は、200℃を超える高温まで、シートが発熱する。一方、本発明以外の発熱粉では、シートが200℃以上に発熱することはなかった。
【0031】
〔実施例2〕
発熱粉として、SiO粉:0〜100(%)とZnO粉を種々の割合で秤量して、混合し、大気中で950℃、3hの条件で焼成して、発熱粉を得た。この発熱粉は白色を呈していた。また、得られた発熱粉をシリコン樹脂と混練して、発熱粉:樹脂=75:25(%)のシートを成形し、40×40×約1mmの形状に切り出して、シートサンプルを作製した。これらのシートサンプルを市販の電子レンジ(日立製作所製MRO-GS8型)の中に置き、500Wのマイクロ波を60秒間照射した時のシートの表面温度を放射温度計で測定した。また、上記シートから外径:7mm、内径:3mm、厚さ:1mm程度のリング形状を切り出して、ε’およびε’’の値を前記したSパラメータ法でそれぞれ測定した。
【0032】
図1に、得られた測定結果を示す。図中、測定点上の数値は、分子の数値がε’、分母の数値がε’’を意味する。
同図から明らかなように、本発明に従う割合でZnOとSiOとを混合し、焼成したものであって、ε’およびε’’の値を本発明の範囲とした場合、シートは200℃を超える高温まで発熱した。一方、混合割合が本発明の範囲外の場合には、シートが200℃以上に発熱することはなかった。
【0033】
〔実施例3〕
発熱粉として、SiO:ZnO=17:83(%)の配合比の原料を秤量して、混合し、大気中で300〜1370℃、2hの条件で焼成して、発熱粉を得た。この発熱粉は白色を呈していた。得られた発熱粉をシリコン樹脂と混練して、発熱粉:樹脂=75:25(%)のシートを成形し、40×40×約1mmの形状に切り出して、シートサンプルを作製した。これらのシートサンプルを市販の電子レンジ(日立製作所製MRO-GS8型)の中に置き、500Wのマイクロ波を60秒間照射した時のシートの表面温度を放射温度計で測定した。また、上記シートから外径:7mm、内径:3mm、厚さ:1mm程度のリング形状を切り出して、ε’およびε’’の値を前記したSパラメータ法でそれぞれ測定した。
【0034】
図2に、得られた結果を示す。図中、測定点上の数値は、分子の数値がε’、分母の数値がε’’を意味する。
同図から明らかなように、本発明に従う添加量で混合した原料粉を、本発明に従う焼成温度で焼成したものであって、ε’およびε’’の値を本発明の範囲とした場合、シートは200℃を超える高温まで発熱した。一方、本発明の範囲外の焼成温度では、シートが200℃以上に発熱することはなかった
【0035】
以上、実施例で示したとおり、本発明に従うマイクロ波吸収発熱体用粉末は、ZnOおよびSiOが主成分のため白色を呈し、かつそのマイクロ波吸収発熱体用粉末を用いて作製したマイクロ波吸収発熱体は、500W、60秒のマイクロ波照射によって200℃以上に昇温することが確認された。
なお、本発明におけるマイクロ波吸収発熱体中のマイクロ波吸収発熱体用粉末の含有量は、75(%)に限定されるものではなく、上記含有量を調整することで、発熱温度を、50℃程度の低温から350℃を超える高温まで任意の温度に調整することができる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料粉を、混合して、粉状または成形体とした後、焼成し、ついで必要に応じて粉砕や、分級を施して所定の粒子サイズに調整するマイクロ波吸収発熱体用粉末の製造方法において、
上記原料粉として、
SiO換算で50mass%以下(但し、0mass%は含まない)のシリコン酸化物と、
ZnO換算で50mass%以上(但し、100mass%は含まない)の亜鉛酸化物とを含む混合物を用い、
かつ750℃以上、1350℃以下の温度範囲で焼成する
ことを特徴とするマイクロ波吸収発熱体用粉末の製造方法。
【請求項2】
原料粉として、
SiO換算で50mass%以下(但し、0mass%は含まない)のシリコン酸化物と、
ZnO換算で50mass%以上(但し、100mass%は含まない)の亜鉛酸化物とを含む混合物を焼成してなるマイクロ波吸収発熱体用粉末であって、
上記マイクロ波吸収発熱体用粉末:シリコン樹脂を、75:25(mass%)の比率で混合し成形した樹脂シートの2.45GHzにおける複素誘電率:εを、下記式(1)で表す時、ε’≧3で、かつε’’≧0.5であることを特徴とするマイクロ波吸収発熱体用粉末。

ε = ε’+ε’’i ・・・(1)
ただし、iは、虚数単位である。
【請求項3】
請求項2に記載の粉末を、少なくとも一部に含有することを特徴とするマイクロ波吸収発熱体。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−110095(P2013−110095A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−169760(P2012−169760)
【出願日】平成24年7月31日(2012.7.31)
【出願人】(591067794)JFEケミカル株式会社 (220)
【Fターム(参考)】