説明

マイクロ波多重無線装置及び省電力制御方法

【課題】消費電力を低減することが可能なマイクロ波多重無線装置及び省電力制御方法を提供することにある。
【解決手段】マイクロ波多重無線装置は、マイクロ波帯の電波を利用して無線通信を行う1号機を具備する。マイクロ波多重無線装置は、1号機に電力を供給する1号機側電源を具備する。マイクロ波多重無線装置は、1号機の予備系として動作する2号機を具備する。マイクロ波多重無線装置は、2号機に電力を供給する2号機側電源を具備する。マイクロ波多重無線装置は、省電力で運用するための省電力モードを設定する設定手段を具備する。マイクロ波多重無線装置は、省電力モードが設定されていない場合に1号機側電源及び2号機側電源に電力を供給させ、省電力モードが設定された場合に2号機側電源を断とする制御手段を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、マイクロ波多重無線装置及び省電力制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、マイクロ波帯の電波を利用して、複数の情報を多重化した信号を無線で送受信(通信)するマイクロ波多重無線装置が知られている。
【0003】
このマイクロ波多重無線装置においては、当該マイクロ波多重無線装置が有する機能の主要部分が例えば1号機及び2号機(現用系及び予備系)の二重化構成になっている。これにより、例えば1号機及び2号機のうちの一方(現用系)が故障した場合であっても、予備系で継続して運用することができる。
【0004】
なお、マイクロ波多重無線装置では、現用系の故障等の際に運用を瞬時に予備系に切り替えることができるように、常に1号機/2号機ともに電源をオン(ON)としたホットスタンバイ方式をとっている。つまり、マイクロ波多重無線装置では、例えば現用系として1号機が運用している場合であっても予備系である2号機側の電源も投入されており、常に2システム分の電力を消費している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−314494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記したようにマイクロ波多重無線装置が1号機/2号機の二重化構成をとっている場合、保守またはメンテナンス時には、意図的にマイクロ波多重無線装置の片号機(1号機及び2号機の一方)の電源をオフ(OFF)にして点検作業を実施する場合がある。
【0007】
しかしながら、マイクロ波多重無線装置では、例えば局舎の電力量を強制的に抑えるような目的で意図的に片号機の電源を断(つまり、オフ)とすることはできない。
【0008】
例えば保守またはメンテナンス以外の目的で(つまり、メンテナンス状態以外で)意図的に片号機の電源を断とした場合、マイクロ波多重無線装置では、当該電源が断とされた号機において障害が発生したものとして判断される。
【0009】
つまり、マイクロ波多重無線装置は、例えば停電等の事情により発電機による運用をせざるを得ないような場合や可能な限り消費電力を抑える必要がある場合であっても、常に1号機/2号機ともに電源をオンとした状態でしか運用することができず、消費電力を低減することができない(意図的に片号機のみで運用することができない)。
【0010】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、消費電力を低減することが可能なマイクロ波多重無線装置及び省電力制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
実施形態に係るマイクロ波多重無線装置は、マイクロ波帯の電波を利用して無線通信を行う1号機を具備する。
【0012】
実施形態に係るマイクロ波多重無線装置は、前記1号機に電力を供給する1号機側電源を具備する。
【0013】
実施形態に係るマイクロ波多重無線装置は、前記1号機の予備系として動作する2号機を具備する。
【0014】
実施形態に係るマイクロ波多重無線装置は、前記2号機に電力を供給する2号機側電源を具備する。
【0015】
実施形態に係るマイクロ波多重無線装置は、省電力で運用するための省電力モードを設定する設定手段を具備する。
【0016】
実施形態に係るマイクロ波多重無線装置は、前記省電力モードが設定されていない場合に前記1号機側電源及び前記2号機側電源に電力を供給させ、前記省電力モードが設定された場合に当該2号機側電源を断とする手段を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施形態に係るマイクロ波多重無線装置10の構成を示すブロック図。
【図2】本実施形態に係るマイクロ波多重無線装置10が実行する省電力モード設定処理の処理手順を示すフローチャート。
【図3】本実施形態に係るマイクロ波多重無線装置10が実行する省電力モード解除処理の処理手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。
【0019】
図1は、本実施形態に係るマイクロ波多重無線装置10の構成を示すブロック図である。本実施形態に係るマイクロ波多重無線装置10は、マイクロ波帯の電波を利用して、複数の情報を多重化した信号を無線で通信する機能を有する。
【0020】
図1に示すように、マイクロ波多重無線装置10は、監視制御用入出力端子11、1号機ユニット12、1号機側電源13、2号機ユニット14、2号機側電源15及び制御ユニット16を備える。なお、図1においては示されていないが、マイクロ波多重無線装置10は、当該マイクロ波多重無線装置10の外部(遠隔)に設置されている監視制御装置と通信可能に接続されている。監視制御装置は、マイクロ波多重無線装置10の動作を監視する機能を有する。
【0021】
監視制御用入出力端子11は、無線通信される信号の入出力を行う機能を有する。また、監視制御用入出力端子11は、マイクロ波多重無線装置10を省電力で運用するための省電力モードを設定する信号(以下、省電力設定信号と表記)を監視制御装置から入力する。更に、監視制御用入出力端子11は、マイクロ波多重無線装置10を省電力で運用するための省電力モードを解除する信号(以下、省電力解除信号と表記)を監視制御装置から入力する。また、監視制御用入出力端子11は、マイクロ波多重無線装置10において省電力モードが設定されていることを示す信号を監視制御装置に出力する。
【0022】
ここで、マイクロ波多重無線装置10は、マイクロ波帯の電波を利用して無線通信を行う1号機(現用系)と当該1号機の予備系として動作する2号機とを備える。換言すれば、マイクロ波多重無線装置10においては、当該マイクロ波多重無線装置10が有する機能の主要部分が二重化される構成となっている。
【0023】
マイクロ波多重無線装置10に備えられる1号機は、1号機ユニット12を含む。1号機ユニット12は、無線通信の対象となる情報、例えばマイクロ波多重無線装置10に接続されている端末からの情報を多重化して、無線で送信可能な信号に変調する。なお、1号機ユニット12によって変調された信号は、導波管出力部を介して出力される。また、1号機ユニット12は、導波管入力部を介して入力された信号を復調する。このように、1号機ユニット12は、マイクロ波帯の電波を利用して無線通信を行うための信号処理を実行する機能を有する。
【0024】
1号機側電源13は、マイクロ波多重無線装置10に備えられる1号機(に含まれる1号機ユニット12)に電力を供給する。また、1号機側電源13は、制御部ユニット16に電力を供給する。
【0025】
なお、上記した1号機(1号機ユニット12)は、1号機側電源13と連動して動作するものとする。
【0026】
一方、マイクロ波多重無線装置10に備えられる2号機は、2号機ユニット14を含む。2号機ユニット14は、例えば1号機ユニットの予備系として動作するものであり、上記した1号機ユニット12と同様の機能を有する。
【0027】
2号機側電源15は、マイクロ波多重無線装置10に備えられる2号機(に含まれる2号機ユニット14)に電力を供給する。また、2号機電源13は、制御ユニット16に電力を供給する。
【0028】
なお、2号機(2号機ユニット14)は、2号機側電源15と連動して動作するものとする。
【0029】
制御ユニット16は、マイクロ波多重無線装置10の動作を制御する機能を有する。なお、制御ユニット16は、上記したマイクロ波多重無線装置10に備えられる1号機及び2号機に共通して動作する。
【0030】
制御ユニット16は、マイクロ波多重無線装置10に対する操作を行うための操作パネルを含む。操作パネルは、例えばマイクロ波多重無線装置10の前面に設けられている。また、操作パネルには、マイクロ波多重無線装置10を省電力で運用するための省電力モードを設定するためのスイッチ(以下、省電力設定スイッチと表記)が設けられている。
【0031】
この省電力設定スイッチが例えば保守員等によってオン(ON)にされた場合、制御ユニット16は、マイクロ波多重無線装置10において省電力モードを設定する。一方、省電力設定スイッチが保守員等によってオフ(OFF)にされた場合、制御ユニット16は、マイクロ波多重無線装置10において省電力モードを解除する。
【0032】
また、監視制御用入出力端子11を介して省電力設定信号が入力された場合、制御ユニット16は、マイクロ波多重無線装置10において省電力モードを設定する。一方、監視制御用入出力端子11を介して省電力解除信号が入力された場合、制御ユニット16は、マイクロ波多重無線装置10において省電力モードを解除する。
【0033】
上記したようにマイクロ波多重無線装置10において省電力モードが設定された場合、制御ユニット16は、マイクロ波多重無線装置10において省電力モードが設定されていることを示す信号を、監視制御用入出力端子11を介して監視制御装置に出力する。
【0034】
また、マイクロ波多重無線装置10において省電力モードが設定されていない場合(以下、通常運用モードと表記)、制御ユニット16は、1号機側電源13及び2号機側電源15に電力を供給させる。つまり、通常運用モードが設定されている場合には、現用系(例えば、1号機)において障害等が発生した際に運用を予備系(例えば、2号機)に瞬時に切り替え可能なように、1号機側電源13及び2号機側電源15の両方が電力を供給している状態となる。
【0035】
一方、マイクロ波多重無線装置10において省電力モードが設定された場合、制御ユニット16は、予備系として動作する2号機に電力を供給する2号機側電源15を断とする。つまり、マイクロ波多重無線装置10において省電力モードが設定されている間は、1号機側電源13のみが電力を供給している状態となる。
【0036】
なお、本実施形態に係るマイクロ波多重無線装置10は、通常運用モードが設定されている状態において例えば予備系として動作している2号機に電力を供給する2号機側電源15を断とした場合には、制御ユニット16において当該2号機の障害の発生が検出される構成となっている。このように2号機の障害の発生が検出された場合、当該障害が発生したことを示す信号(以下、障害発生信号と表記)が監視制御用入出力端子11を介して監視制御装置に出力される。
【0037】
以下、本実施形態に係るマイクロ波多重無線装置10の動作について説明する。マイクロ波多重無線装置10は、後述する省電力モード設定処理及び省電力モード解除処理を実行する。
【0038】
まず、図2のフローチャートを参照して、本実施形態に係るマイクロ波多重無線装置10が実行する省電力モード設定処理の処理手順について説明する。
【0039】
ここでは、マイクロ波多重無線装置10は、省電力モードが設定されていない状態、つまり、通常運用モードが設定されている状態であるものとする。この場合、マイクロ波多重無線装置10の1号機側電源13及び2号機側電源15は、上記したようにそれぞれ1号機(1号機ユニット12)及び2号機(2号機ユニット14)に電力を供給している。また、以下の説明では、1号機が現用系として動作し、2号機が当該1号機の予備系として動作するものとする。
【0040】
まず、マイクロ波多重無線装置10において省電力モードが設定される(ステップS1)。
【0041】
ここで、本実施形態に係るマイクロ波多重無線装置10において省電力モードを設定する方法としては、制御ユニット16に含まれる操作パネルに設けられている省電力設定スイッチによる方法と監視制御装置から設定する方法がある。
【0042】
省電力設定スイッチによる方法は、例えば保守員等がマイクロ波多重無線装置10の近傍にいる場合(つまり、制御ユニット16に含まれる操作パネルを操作できる場合)に用いられる。この省電力設定スイッチによる方法においては、マイクロ波多重無線装置10の保守員等によって省電力設定スイッチがオンにされると、マイクロ波多重無線装置10において省電力モードが設定される。
【0043】
一方、監視制御装置から設定する方法は、例えば保守員等がマイクロ波多重無線装置10の近傍にいない場合(つまり、制御ユニット16に含まれる操作パネルを操作できない場合)に用いられる。この監視制御装置から設定する方法においては、監視制御装置の管理者等の操作に応じて当該監視制御装置から省電力モードを設定する省電力設定信号が送信される。この省電力設定信号は、監視制御用入出力端子11を介してマイクロ波多重無線装置10に入力される。このように監視制御用入出力端子11を介して省電力設定信号が入力されると、マイクロ波多重無線装置10において省電力モードが設定される。
【0044】
上記したように省電力モードが設定された場合、制御ユニット16は、予備系として動作する2号機に電力を供給する2号機側電源15の電源を断とする(ステップS2)。なお、この場合であっても1号機側電源13は1号機(に含まれる1号機ユニット12)に電力を供給しているため、マイクロ波多重無線装置10は当該1号機によって無線通信を行うことができる。
【0045】
また、制御ユニット16は、省電力モードが設定されていることを示す信号(省電力設定中の信号)を、監視制御用入出力端子11を介して監視制御装置に出力する(ステップS3)。このように省電力設定中の信号が監視制御装置に出力された場合、監視制御装置では、マイクロ波多重無線装置10において省電力モードが設定されていることが表示される。これにより、監視制御装置側の保守員は、マイクロ波多重無線装置10において省電力モードが設定されていることを容易に確認することができる。
【0046】
なお、上記したように通常運用モードが設定されている状態において2号機側電源15が断とされた場合には障害の発生が検出されるが、省電力モードが設定されている状態においては、電源を断とした2号機の運用状態はマスクされる。つまり、省電力モードが設定されている状態においては、2号機側電源15が断とされた場合であっても障害発生信号は出力されない。
【0047】
上記したように省電力モードが設定されることによって、1号機側電源13及び2号機側電源15がそれぞれ電力を供給する状態から1号機側電源13のみが電力を供給する状態に遷移するため、マイクロ波多重無線装置10における消費電力を約半分に低減することができる。
【0048】
次に、図3のフローチャートを参照して、本実施形態に係るマイクロ波多重無線装置10が実行する省電力モード解除処理の処理手順について説明する。
【0049】
ここでは、マイクロ波多重無線装置10は、上記した省電力モード設定処理によって省電力モードが設定されている状態であるものとする。この場合、マイクロ波多重無線装置10において、1号機側電源13のみが電力を供給している。
【0050】
まず、マイクロ波多重無線装置10において省電力モードが解除される(ステップS11)。
【0051】
ここで、本実施形態に係るマイクロ波多重無線装置10において省電力モードを解除する方法としては、制御ユニット16に含まれる操作パネルに設けられている省電力設定スイッチによる方法と監視制御装置から設定する方法がある。
【0052】
省電力設定スイッチによる方法は、例えば保守員等がマイクロ波多重無線装置10の近傍にいる場合(つまり、制御ユニット16に含まれる操作パネルを保守員等が操作できる場合)に用いることができる。この省電力設定スイッチによる方法においては、マイクロ波多重無線装置10の保守員等によって省電力設定スイッチがオフにされると、マイクロ波多重無線装置10において省電力モードが解除される。
【0053】
一方、監視制御装置から設定する方法は、例えば保守員等がマイクロ波多重無線装置10の近傍にいない場合(つまり、制御ユニット16に含まれる操作パネルを保守員等が操作できない場合)に用いることができる。この監視制御装置から設定する方法においては、監視制御装置の管理者等の操作に応じて当該監視制御装置から省電力モードを解除する省電力解除信号が送信される。この省電力解除信号は、監視制御用入出力端子11を介してマイクロ波多重無線装置10に入力される。このように監視制御用入出力端子11を介して省電力解除信号が入力されると、マイクロ波多重無線装置10において省電力モードが解除される。
【0054】
上記したように省電力モードが解除された場合、制御ユニット16は、予備系として動作する2号機の電力を供給する2号機側電源15を投入する(ステップS12)。これにより、マイクロ波多重無線装置10においては、1号機及び2号機ともに電力が供給されている状態となり、例えば現用系である1号機において障害等が発生した場合であっても予備系である2号機に運用を瞬時に切り替えることが可能となる。
【0055】
ここで、省電力モードが設定されている間は上記したように省電力設定中の信号が監視制御装置に出力されているが、省電力モードが解除された場合、当該省電力設定中の信号は監視制御装置に出力されない。つまり、省電力モードが解除された場合には、省電力設定中の信号の出力が解除される(ステップS13)。
【0056】
なお、上記したように省電力モードが設定されている状態においては2号機側電源15が断とされた場合であっても障害発生信号は出力されないが、省電力モードが解除された場合(つまり、省電力モードが設定されていない場合)には、例えば1号機側電源13及び2号機側電源15の一方が断とされた場合には障害発生信号が監視制御装置に出力される。なお、上記したように障害発生信号は、監視制御用入出力端子11を介して出力される。
【0057】
上記したように省電力モードが解除される(つまり、通常運用モードが設定される)ことによって、1号機側電源13のみが電力を供給している状態から1号機側電源13及び2号機側電源15の両方が電力を供給する状態に遷移する。これにより、例えば現用系である1号機に障害が発生した場合に予備系である2号機を瞬時に現用系として動作させることができる状態でマイクロ波多重無線装置10を運用することができる。
【0058】
上記したように本実施形態においては、マイクロ波帯の電波を利用して無線通信を行う1号機(に含まれる1号機ユニット12)と、当該1号機に電力を供給する1号機側電源13と、1号機の予備系として動作する2号機(に含まれる2号機ユニット14)と、当該2号機に電力を供給する2号機側電源15とを備え、マイクロ波多重無線装置10を省電力で運用するための省電力モードを設定し、当該省電力モードが設定されていない場合に1号機側電源13及び2号機側電源に電力を供給させ、当該省電力モードが設定された場合に2号機側電源15を断とする構成により、省電力モードが設定されている間は1号機側電源13のみが電力を供給するので、1号機側電源13及び2号機側電源15の両方が電力を供給する場合と比較して、マイクロ波多重無線装置10の消費電力を約半分に低減することができる。
【0059】
また、本実施形態においては、外部に設置されている監視制御装置から省電力モードを設定する省電力設定信号を入力し(つまり、遠隔で接点入力を行い)、当該省電力設定信号が入力された場合に省電力モードを設定する構成により、例えばマイクロ波多重無線装置10が山上中継所や被災地にあって保守員等が容易に操作パネルを操作することができない場合であっても、外部の監視制御装置(つまり、遠隔)から省電力モードの設定を行うことができる。
【0060】
また、本実施形態においては、省電力モードが設定された場合に、省電力モードが設定されていることを示す信号を監視制御装置に対して出力する構成により、当該監視制御装置の管理者等は、マイクロ波多重無線装置10が省電力モードで動作していることを容易に認識することができる。
【0061】
また、本実施形態においては、省電力モードを設定する省電力設定スイッチを備え、当該省電力設定スイッチがオンにされた場合に省電力モードを設定する構成により、マイクロ波多重無線装置10の近傍の保守員等が操作パネルを用いて容易に省電力モードの設定を行うことが可能となる。
【0062】
更に、本実施形態においては、省電力モードが設定されていない状態で2号機側電源15が断とされた場合に2号機に障害が発生したことを示す障害発生信号を監視制御装置に対して出力し、省電力モードが設定された状態で2号機の電源が断とされた場合に2号機に障害が発生したことを示す障害発生信号が監視制御装置に対して出力しない構成により、2号機の電源が断とされた場合であっても省電力モードが設定されている場合には障害発生信号が出力されないようにすることができる。
【0063】
なお、本実施形態においては、マイクロ波多重無線装置10に備えられる1号機が現用系であり、2号機が予備系であるものとして主に説明したが、1号機を予備系とし、2号機を現用系として運用する構成であっても構わない。
【0064】
また、本実施形態においては、省電力モードが設定された場合に2号機側電源15を断とするものとして説明したが、例えば1号機に何らかの障害が発生している場合には、当該1号機に電力を供給する1号機側電源13を断とする構成であっても構わない。つまり、省電力モードが設定された場合に1号機側電源13及び2号機側電源15のいずれか一方のみが電力を供給するような構成であればよい。
【0065】
なお、本願発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【符号の説明】
【0066】
10…マイクロ波多重無線装置、11…監視制御用入出力端子、12…1号機ユニット、13…1号機側電源、14…2号機ユニット、15…2号機側電源、16…制御ユニット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ波帯の電波を利用して無線通信を行う1号機と、
前記1号機に電力を供給する1号機側電源と、
前記1号機の予備系として動作する2号機と、
前記2号機に電力を供給する2号機側電源と、
省電力で運用するための省電力モードを設定する設定手段と、
前記省電力モードが設定されていない場合に前記1号機側電源及び前記2号機側電源に電力を供給させ、前記省電力モードが設定された場合に当該2号機側電源を断とする制御手段と
を具備することを特徴とするマイクロ波多重無線装置。
【請求項2】
外部に設置されている監視制御装置から省電力モードを設定する省電力設定信号を入力する入力手段を更に具備し、
前記設定手段は、前記省電力設定信号が入力された場合に前記省電力モードを設定する
ことを特徴とする請求項1記載のマイクロ波多重無線装置。
【請求項3】
前記省電力モードが設定された場合、当該省電力モードが設定されていることを示す信号を前記監視制御装置に対して出力する出力手段を更に具備することを特徴とする請求項1記載のマイクロ波多重無線装置。
【請求項4】
省電力設定スイッチを更に具備し、
前記設定手段は、前記省電力設定スイッチがオンにされた場合に前記省電力モードを設定することを特徴とする請求項1記載のマイクロ波多重無線装置。
【請求項5】
前記省電力モードが設定されていない状態で前記2号機側電源が断とされた場合、前記2号機に障害が発生したことを示す障害発生信号を前記監視制御装置に対して出力する出力手段を更に具備し、
前記出力手段は、前記省電力モードが設定された状態で前記2号機の電源が断とされた場合、前記障害発生信号を前記監視制御装置に対して出力しない
ことを特徴とする請求項1記載のマイクロ波多重無線装置。
【請求項6】
マイクロ波帯の電波を利用して無線通信を行う1号機と、前記1号機に電力を供給する1号機側電源と、前記1号機の予備系として動作する2号機と、前記2号機に電力を供給する2号機側電源とを備えるマイクロ波多重無線装置での消費電力を低減する省電力制御方法であって、
前記マイクロ波多重無線装置を省電力で運用するための省電力モードを設定するステップと、
前記省電力モードが設定されていない場合に前記1号機側電源及び前記2号機側電源に電力を供給させ、前記省電力モードが設定された場合に当該2号機側電源を断とするステップと
を具備することを特徴とする省電力制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−48339(P2013−48339A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−185807(P2011−185807)
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】