説明

マイクロRNA配列や小さな干渉RNA配列の標識と検出のための分析方法

短いRNA断片を保護する方法は、短いRNA断片を検出可能な白金化合物で標識して標識した小さなRNA断片を形成すること含んでいる。得られた標識した短いRNA断片を捕捉オリゴヌクレオチドにさらす。捕捉オリゴヌクレオチドは、短いRNA断片ヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列の少なくとも2つの複製物を含んでいる。標識した短いRNA断片と捕捉オリゴヌクレオチド配列は、ハイブリダイゼーション条件下で接触させる。ハイブリダイゼーションにおいて、ハイブリダイズし標識した小さなRNA断片-捕捉オリゴヌクレオチド結合体上にマーカー部分が検出される。短いRNA断片の検出アレイは、複数のスポットを有する基質を含み、第1スポットは第1の短いRNA断片に相補的なヌクレオチド配列の少なくとも2つの複製物を含む第1捕捉オリゴヌクレオチドを共通なコントローラ又はスペーサとして機能する追加のヌクレオチド配列と共に含んでいる。アレイ上の他のスポットは、第2の短いRNA断片に相補的な配列の少なくとも2つの複製物を有する第2捕捉オリゴヌクレオチドを共通なコントローラ又はスペーサとして機能する追加の配列と共に含んでいる。溶離と任意の白金化合物のそれからの除去によって配列を移動させた後に証明された小さなRNA断片も得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2003年7月2日に出願の米国仮特許出願出願第60/484,579号の優先権を主張し、その明細書の記載は本願明細書に含まれるものとする。
発明の分野
本発明は、短いRNA断片を標識するための分析方法及びその検出と結合の分析法の設計、特に、生体内で合成された標識した短いRNA断片を結合することができるマイクロアレイに関する。
【背景技術】
【0002】
ごく最近、生物学的分野は、遺伝子調節とmRNA分解においてRNA干渉(略語RNAi)の役割への評価を得た。RNAiメカニズムは、現在様々な細胞型において見いだされ、ウイルス感染症、突然変異原及びがんの結果として発現した遺伝子を後転写的に含む遺伝子の発現を制御することが示されている。機能タンパク質への翻訳を除外するmRNA分解が非常に短い21-23塩基の相補的二本鎖RNAの存在に応答することが示されている。S.M. Hammond et al.,Nat. Rev. Genet.2, 110-119 (2001); G. Hutvagner et al., Curr. Opin-Genet. Det. 12, 225-232 (2002); P.A. Sharp et al, Genes Dev. 15, 485-490 (2001); P.M. Waterhouse et al.,Nature 411, 834-842 (2001); G. Hutvagner et al., Science 297, 2056-2060 (2002). RNAiのプロセスは、現在、二本鎖RNAを小さなRNA断片に切断するダイサー酵素を必要とすることが知られている。これらの小さなRNA断片は、それらの最終的な機能又は調節のメカニズムに基づいてマイクロRNA(miRNA)と小さな干渉RNA(siRNA)として分類される。RNAiは、リボソームの作用によってタンパク質配列をコード化するmRNAに簡単に結合するsiRNAの場合又はmiRNAの場合においてmRNAを分解する小さなRNA断片によってもたらされる。RISC酵素複合体は、相補的配列を同定するとともにmRNAを分解させるために小さなRNA断片の結合を援助することに関係している。RNAiは、また、一般に後成的発現と呼ばれる、細胞DNA配列の変化なしに生成全体に遺伝子発現を修飾することに関係している。J. Couzin, Science 298, 2296-2297 (2002).
【0003】
RNAi技術は、現在、以前のノックアウト突然変異技術のための代替物として全部の動物における特定の遺伝子発現を研究するために使われている。各々が特定の突然変異(ノックアウト遺伝子)を有する多くの動物モデル/株を作製することを必要とせずに正常な生物においてRNAiによって特定の遺伝子を特異的にモジュレートする能力は、細胞に見いだされる多くの複雑な生化学的経路の調節と相互作用を理解することに新たな扉を開くものである。
ウイルス感染症、がん、神経変性の疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患を含む種々の遺伝子に基づく治療を含む治療に効用があるとしてRNAiが提唱された。T. Tuschl et al, A,Molecular Interventions 2,158-167 (2002). 実行可能な治療の開発には、多数のRNA断片をスクリーニングする能力が必要である。
【0004】
小さなRNA断片を標識するのに満足な方法はないが、試験管内合成オリゴヌクレオチドを標識するためにマスタードガス誘導体の使用に基づいてRNA断片を化学標識する方法が細胞内の小さなRNA断片のハイブリダイゼーションと検出に用いるために商業化された。従来の標識方式の代表例は、試薬キットLabel-IT(登録商標)(Mirus Technologies)である。マスタードガスに基づく標識系は、マスタード誘導体の非常に毒性の性質、マスタードガス試薬の不安定性、限界検出感度のために成功が限られた。従って、アレイに結合することができ且つ容易に検出される生体内で合成された小さなRNA断片のための優れた化学標識剤が求められている。
【0005】
細胞内のRNAiのレベルを検出しモニタするために選択する現在のプラットフォーム、例えば、マイクロアレイも、現在、開発され設計されている。このようなタイプのマイクロアレイには、直接ガラスのマイクロアレイ基板上での短い相補的DNAオリゴ配列のその場化学合成が含まれている。或はまた、特別に修飾された(例えば、5'-アミノ又はスルフヒドリル修飾)DNAオリゴヌクレオチドがガラスマイクロアレイ支持体に直接スポットされている。従って、対象のRNAisファミリに対して短い相補的DNA(又はRNA)オリゴヌクレオチドをスポットする使いやすい可撓性のある方法を設計することができる優れた方法が求められている。スポットされたオリゴヌクレオチドの設計は、好ましくは、特別な化学修飾が必要でないこと、対象のRNAiに結合する相補的配列、及び質的又は量的細胞の範囲内のRNAi種の発現レベルの変動を測定することを可能にする内部標準として用いることができる配列要素を含んでいる。
【発明の開示】
【0006】
短いRNA断片を検出する方法は、短いRNA断片を標識した小さなRNA断片を形成する検出可能な白金化合物で標識することを含んでいる。得られた標識した短いRNA断片は、捕捉オリゴヌクレオチドにさらされる。捕捉オリゴヌクレオチドは、短いRNA断片ヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列の少なくとも2つの複製物を含んでいる。標識した短いRNA断片と捕捉されたオリゴヌクレオチド配列は、ハイブリダイゼーション条件で接触させる。ハイブリダイゼーションによって、ハイブリダイズされた標識した小さなRNA 断片-捕捉オリゴヌクレオチド結合体にマーカー部分が検出される。
短いRNA断片のための検出アレイは、その上に第1スポットを有する基質を含んでいる。第1スポットは、第1の短いRNA断片に相補的なヌクレオチド配列の少なくとも2つの複製物を有する第1捕捉オリゴヌクレオチドを含んでいる。第1捕捉オリゴヌクレオチドは、また、共通なコントローラ又はスペーサとして機能する追加のヌクレオチド配列を含んでいる。基質上の第2スポットは、第1スポットから置き換えられ、第2の短いRNA断片に相補的なヌクレオチド配列の少なくとも2つの複製物を含む第2捕捉オリゴヌクレオチドを含んでいる。第2捕捉オリゴヌクレオチドも、共通なコントローラ又はスペーサとして機能する追加のヌクレオチド配列を含んでいる。
【0007】
検出可能な短いRNA断片も開示され、検出可能な白金化合物に結合した小さなRNA断片を含んでいる。検出器アレイに固定された小さなRNA断片は上で詳述されている。小さなRNA断片に検出可能な白金化合物を結合するとともに上で詳述された検出器アレイにさらすことによって小さなRNA断片を検出する方法も提供される。同様に、上で詳述されたプロセスを行い、続いてマーカー部分を有する白金化合物を除去することによって精製された小さなRNA断片が得られることも理解される。
上記の通りの検出器アレイと検出可能な白金化合物を小さなRNA断片のための検出器としてその使用のための説明書と共に含むコマーシャルパッケージが提供される。
【0008】
[好ましい実施態様の詳細な説明]
本発明は、生体内及び試験管内合成を含む種々の原料から短いRNA断片を標識し検出するのに効用を有する。次に、標識した短いRNA断片はマイクロアレイでハイブリダイズされる。標識化合物は、発蛍光団、ハプテン又は他のマーカー基を有し、特別に設計されたスポット捕捉オリゴヌクレオチドがそれに結合したガラスマイクロアレイと接触する。スポットオリゴヌクレオチドは、アレイ上のハイブリダイゼーションのための内部調節要素として作用して標準化及び定量化を可能にするユニークな配列を含むことができる。相補的オリゴヌクレオチドは、小さなRNA断片に類似した条件下で標識した制御配列に調製されるが、小さなRNA断片に結合した標識(例えば、2つのスペクトル的に異なった発蛍光団)からユニークに同定され、ハイブリダイゼーションの前に標識した小さなRNA断片と混合される。ある場合には、制御配列オリゴヌクレオチドと小さなRNA断片との混合が標識プロセスの前に生じてもよいので、双方とも同一に同定される標識で標識されることが理解される。標識した小さなRNA断片をハイブリダイゼーションに適した条件下でマイクロアレイにさらしているときに、ハイブリダイゼーション事象が、実例として、直接蛍光法やシグナル増幅法、例えば、TSA、又は他の従来のリポータ法が挙げられる当該技術に慣用の方法によって検出される。
【0009】
本明細書に用いられる“短いRNA断片”という用語は、マイクロRNAがAmbros et al., RNA 9:277-279 (2003)に詳述されたガイドラインと一致して名づけられている長さが20〜28ヌクレオチドの範囲にあるマイクロRNA又は小さな干渉RNAであると定義される。
本発明によれば、様々な形の小さなRNA断片は、標識し検出される。本発明と作用的なRNAの適切な原料としては、実例として、細胞単離物、試験管内合成オリゴヌクレオチド、RNAウイルスが挙げられる。RNA試料が種々のRNA配列長を含むことが考えられる場合においては、標識の前に長さが80ヌクレオチドより大きいRNA配列が除去されることが好ましい。更に好ましくは、長さが50ヌクレオチドより大きい配列が除去される。過度な長さのRNAヌクレオチド配列を除去する精製は、当該技術に共通の方法によって行われる。これらの方法としては、実例として、分子量区分フィルタ、電気泳動が挙げられる。ある相補的配列を有する短いRNA断片は、少なくとも部分的に二本鎖又は他の関連した構造として結合することができ、そのようにしてこのような精製分子量区分限度がそれに応じて調整されることが理解される。
【0010】
本発明は、統一標識システム(ULS)を用いて短いRNA断片を直接化学的に標識する。ULS化学標識は、短いRNA断片に白金系化合物を給合することを含み、短いRNA断片標識に影響を及ぼす同一性と条件は、米国特許第6,133,038号、米国特許第5,580,990号に詳述される。特定のプローブ部分、安定化置換基、検出可能なマーカー部分が問題の短いRNA断片や選ばれた検出方法によって影響されることは理解される。本明細書に影響を及ぼす検出可能なマーカー部分は、実例として、ラジオアイソトープ標識; 基質と反応後に検出可能な化合物を生成させる酵素; 特異結合対成分、例えば、ビオチン、ビオシチン、又はアミノビオチンに結合するアビジンやストレプトアビジン、ハプテンに結合する抗体、例えば、抗DIG:DlG、抗DNP:DNP又は抗フルオレセイン:フルオレセインであるがこれらに限定されない、又は糖に結合するレクチン; コロイド染料物質、発蛍光団、例えば、フルオレセイン、ローダミン、スルホローダミン、シアニン等; 還元物質、例えば、エオシン、エリスロシン等; 染色された薄いラテックスゾル、金属ゾル、微粒子ゾル、発色団、当該技術において既知の他の検出可能なマーカーが挙げられる。
【0011】
マーカー部分を白金金属中心に又はスペーサ基によって直接結合することが理解される。スペーサ基は、立体効果が標的の短いRNA断片の結合を妨害する場合にたいへん望ましいことが更に理解される。安定化置換基は、貯蔵や標識の条件下で通常は安定である部分を含んでいる。本発明による適切な安定化置換基は、続いての試薬にかかわらず実例として溶解性、疎水性親油性バランス、立体的かさ高さ、非反応性を含む特性について所望の化合物を与えるように選ばれる。好ましくは、安定化置換基は、標識した白金原子の2つ以上のリガンド部位を占めることができる二座又は多座配位子を形成するように結合される。二座配位子の中で、脂肪族アミン化合物が好ましい。安定化二座配位子は、白金(II)標識と共に特に好ましく、エチレンジアミンは好ましい二座配位子の個々の実施態様である。本発明による白金(IV)標識化合物の安定化は、一座、二座、多座の安定化配位子、又は一座配位子と二座配位子の組合わせを含んでいる。ジエチレントリアミンは、本発明の標識染料の白金(IV)原子のための好ましい安定化多座配位子の個々の実施態様である。
【0012】
本発明の標識の白金原子は、検出可能なマーカーと安定化置換基に加えて安定で検出可能に標識した短いRNA断片を生じる反応条件下で短いRNA断片によって置換される置換可能な脱離基を含んでいる。本発明による白金標識化合物と関連している脱離基は、脱離基と標的の短いRNA断片との間の相対的な電気陰性度に基づくある一組の反応条件下で標識の白金原子中心と核酸との間に結合の形成を可能にするあらゆる基を含んでいる。本明細書に影響を及ぼす代表的な脱離基は、実例としてフッ素基、塩素基、臭素基、硫酸基、硝酸基、リン酸基、炭酸基、ホスホネート基、カルボキシレート基、シュウ酸基、クエン酸基、アルコール基、モノアルキルスルホキシド基、ジアルキルスルホキシド基を含んでいる。
【0013】
本発明による短いRNA断片の標識は、脱離基を有する白金標識化合物を好ましくは水溶液中の量の短いRNA断片標的に反応を誘発するのに十分な温度と時間で導入することを含んでいる。典型的な反応条件は、標的の短いRNA断片の試料と検出可能な白金標識化合物の量とを20〜70℃の温度で約15分〜24時間インキューベートすることを含んでいる。検出可能な白金標識による標的の短いRNA断片の試料の例示的な標識は、65℃で約1時間脱イオン水中で生じる。検出可能な白金化合物標識と標的の短いRNA断片の量との間の化学量論は可変であることが理解される。好適実施態様においては、標識は、存在する標的の短いRNA断片の量に相対して化学量論的過剰に存在する。標識反応後、取り込まれていない検出可能な白金化合物標識は、好ましくは、実例として限外濾過、クロマトグラフィ、例えば、サイズ排除クロマトグラフィ、透析、遠心分離を含む従来の精製技術によって除去される。
【0014】
次に、標識した短いRNA断片をハイブリダイゼーションバッファと合わせ、特定の捕捉オリゴヌクレオチド配列の2つ以上の複製物から構成される少なくとも1つの捕捉オリゴヌクレオチドにさらされる。特定の捕捉オリゴヌクレオチド配列は、試料の中に潜在的に存在し且つ溶解したものか又は固定されている標識した短いRNA断片に相補的な少なくとも21〜28ヌクレオチド塩基である。好ましくは、ガラスマイクロアレイは、その間で捕捉配列が変わる複数の捕捉オリゴヌクレオチドでスポットされる。好ましくは、このようなアレイは、少なくとも10の異なる捕捉オリゴヌクレオチドがその上にスポットされる。更に好ましくは、ガラスマイクロアレイは、少なくとも100の異なる捕捉オリゴヌクレオチドがその上にスポットされる。捕捉オリゴヌクレオチドは、従来の技術及び結合によって発明のガラスマイクロアレイに固定される。
【0015】
本発明の好ましい実施態様においては、本発明の捕捉オリゴヌクレオチドは、その中に共通なヌクレオチド制御配列又はスペーサ配列を含んでいる。更に好ましくは、共通なヌクレオチド制御配列又はスペーサ配列は、少なくとも2つの特定の捕捉配列の間に散在し、完全な捕捉オリゴヌクレオチドが作られる。或はまた、特定の捕捉配列は、少なくとも2つの共通なヌクレオチド制御配列の間に散在し、完全な捕捉オリゴヌクレオチドが作られている。
【0016】
慣用のハイブリダイゼーションバッファ、例えば、6×クエン酸ナトリウム中で標識した小さなRNA断片の試料を捕捉オリゴヌクレオチドに摂氏37°に18〜20時間さらして維持することにより(Molecular Cloning,2nd Ed., Sambrook et al., B.13)ハイブリダイゼーション事象が起こることが可能になる。これらの条件下、標識した小さなRNA断片と捕捉オリゴヌクレオチド間の配列同一性パーセントは、"Current Methods in Sequence Comparison and Analysis," Macromolecular Sequencing and Synthesis, Selected Methods and Applications, pp 127-149,1989, Allen R. Liss, Inc.に従って算出された場合、82%を超える。
【0017】
ハイブリダイゼーション事象の検出は、検出可能な白金標識マーカー部分の同一性によって影響される。ガラスマイクロアレイの場合、マーカー信号の位置的検出により、全てのスポット捕捉オリゴヌクレオチド全体のハイブリダイゼーション事象の同時スクリーニングが可能になる。ハイブリダイゼーション事象の検出は、直接分光計測、例えば、蛍光; X線撮影検出によって; 又はシグナル増幅法、例えば、そのための基質と反応するホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、ベータガラクトシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、ルシフェラーゼ等のような酵素の反応に続くTSA; 上で詳述された特異結合対形成; 又はそれに磁気シグナルを有するマーカーの場合の磁気測定によって生じるために認識される。細胞抽出物について短いRNA断片を分析する場合、複数のマイクロRNAがしばしば有効なRNAiを細胞に与える役割を果たすことが理解される。多数の潜在的な小さなRNA断片を外因性遺伝物質発現を排除する際の有効性についてスクリーニングする能力には、小さなRNA断片ヌクレオチド配列の同一性と量の同定が必要である。
【0018】
本明細書に言及される特許と論文は、本発明が関係する当業者のレベルを示している。これらの特許と論文は、個々の特許又は論文が特に、また、個別に本願明細書に含まれるかのように同じ程度まで本願明細書に含まれるものとする。
上述の説明は、本発明の具体的な実施態様を示すものであるが、本発明の実施に対して制限することを意味しない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
短いRNA断片を検出する方法であって、
ヌクレオチド配列を有する短いRNA断片をマーカー部分を有する検出可能な白金化合物で標識して標識した小さなRNA断片を形成する工程;
前記標識した短いRNA断片を、前記短いRNA断片のヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列の少なくとも2つの複製物を含む捕捉オリゴヌクレオチドにさらす工程;
前記標識した短いRNA断片と前記捕捉オリゴヌクレオチドをハイブリダイゼーション条件に接触させる工程; 及び
前記標識した小さなRNA断片と前記捕捉オリゴヌクレオチド間のハイブリダイゼーションのときにマーカー部分を検出する工程
を含む、前記方法。
【請求項2】
前記小さなRNA断片が、生体内合成RNA断片の混合物に存在する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記マーカー部分が、発蛍光団、ハプテン、ラジオアイソトープ、酵素、酵素基質、染料、ゾル、発色団、抗体からなる群より選ばれる、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記捕捉オリゴヌクレオチドが、固形基質に固定される、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記固形基質が、前記捕捉オリゴヌクレオチドと前記捕捉オリゴヌクレオチドに相対してヌクレオチド配列が変わる複数の異なる捕捉オリゴヌクレオチドでスポットされたマイクロアレイである、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記捕捉オリゴヌクレオチドが、共通なコントローラ、スペーサ、及びその組合わせからなる群より選ばれた機能を有する追加のヌクレオチド配列を更に含む、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記追加のヌクレオチド配列が、前記少なくとも2つの複製物の間に散在している、請求項6記載の方法。
【請求項8】
少なくとも2つの追加のヌクレオチド配列が、問題の相補的RNAヌクレオチド配列を取り囲んでいる、請求項6記載の方法。
【請求項9】
ハイブリダイゼーション条件が、前記標識した短いRNA断片と前記捕捉オリゴヌクレオチドを摂氏30°〜40°に加熱することを含んでいる、請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記標識した短いRNA断片と前記捕捉オリゴヌクレオチド間のハイブリダイゼーションの検出が蛍光によるものである、請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記標識した短いRNA断片と前記捕捉オリゴヌクレオチド間のハイブリダイゼーションの検出がシグナル増幅によるものである、請求項1記載の方法。
【請求項12】
シグナル増幅が、チラミドシグナル増幅である、請求項11記載の方法。
【請求項13】
標識の前に長さが80ヌクレオチドを超えるヌクレオチド配列を除去する工程を更に含む、請求項1記載の方法。
【請求項14】
前記標識した短いRNA断片を前記捕捉オリゴヌクレオチドにさらす前に前記標識した短いRNA断片を精製する工程を更に含む、請求項1記載の方法。
【請求項15】
短いRNA断片のための検出アレイであって、
基質;
第1の短いRNA断片に相補的なヌクレオチド配列の少なくとも2つの複製物を有し且つ共通なコントローラ及びスペーサからなる群より選ばれた機能を有する追加のヌクレオチド配列を有する第1捕捉オリゴヌクレオチドを含む前記基質上の第1スポット; 及び
第2の短いRNA断片に相補的なヌクレオチド配列の少なくとも2つの複製物を有し且つ共通なコントローラ及びスペーサからなる群より選ばれた機能を有する追加のヌクレオチド配列を有する第2捕捉オリゴヌクレオチドを含む前記第1スポットから移動した前記基質上の第2スポットを含む、前記アレイ。
【請求項16】
前記基質がガラスである、請求項15記載のアレイ。
【請求項17】
前記複数のスポットが少なくとも10スポットを含んでいる、請求項15記載のアレイ。
【請求項18】
前記第1スポットの長さ寸法が1〜100ミクロンである、請求項15記載のアレイ。
【請求項19】
前記第1捕捉オリゴヌクレオチドの追加のヌクレオチド配列が少なくとも2つの複製物の間に散在している、請求項15記載のアレイ。
【請求項20】
検出可能な白金化合物に結合した小さなRNA断片を含む検出可能な小さなRNA断片であって、前記小さなRNA断片が請求項15又は16に従って検出器アレイに固定されている、前記小さなRNA断片。
【請求項21】
小さなRNA断片を検出する方法であって、前記小さなRNA断片に検出可能な白金化合物を結合する工程及びそれを請求項15、16、17、18、19又は20のいずれか1項に記載の検出器アレイにさらす段階を含む、前記方法。
【請求項22】
請求項l、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13又は14に記載の方法によって得られる精製した小さなRNA断片。
【請求項23】
請求項15、16、17、18、l9 又は20に記載の検出器アレイとの接触による請求項22の精製した小さなRNA断片。
【請求項24】
請求項15、16、17、18、19又は20記載の検出器アレイ及び検出可能な白金化合物を小さなRNA断片のための検出器としてその使用のための説明書と共に含むコマーシャルパッケージ。
【請求項25】
実質的に本明細書に記載される請求項1記載の方法。
【請求項26】
実質的に本明細書に記載される請求項15記載の検出器。

【公表番号】特表2007−521011(P2007−521011A)
【公表日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−518811(P2006−518811)
【出願日】平成16年7月2日(2004.7.2)
【国際出願番号】PCT/US2004/021439
【国際公開番号】WO2005/003318
【国際公開日】平成17年1月13日(2005.1.13)
【出願人】(504006010)パーキンエルマー ラス インコーポレイテッド (7)
【Fターム(参考)】