説明

マイコトキシン吸着組成物およびそれを含有する飼料

【課題】 安全性の高い、強力なマイコトキシン吸着組成物およびそれを含有する家畜用または愛玩動物用の飼料を提供する。
【解決手段】 細胞壁溶解酵素を酵母菌体に作用させることにより生じる細胞壁分解物を含有することを特徴とするマイコトキシン吸着組成物。さらには、前記細胞壁分解物中に、酸またはアルカリの溶液に可溶なグルカンを、酵母菌体に含まれる全グルカン含量に対して60重量%〜95重量%含有していることを特徴とするマイコトキシン吸着組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマイコトキシン(カビ毒)および病原菌への吸着組成物に関し、酵素、特に細胞壁溶解酵素で処理した酵母を利用したマイコトキシン吸着作用を有する吸着組成物、並びにそれを含有した家畜または愛玩動物用飼料に関する。
【背景技術】
【0002】
マイコトキシンはカビが産生する二次代謝物で、広く動物に有害な化合物の総称であり、300種類以上が知られている。マイコトキシンは飼料の栄養価、家畜の生育状態、動物の健康状態に影響を持つものである。マイコトキシンで汚染された飼料は、動物にとって不快であり、この結果摂取レベルが低下し、生育状態及び/又は毒性問題を悪化させる。
【0003】
また、マイコトキシン中毒は、急性のものでは突発性の下痢と肝機能障害の主症状を呈する。慢性のものでは消化障害、急性乳房炎、呼吸器病、及び飼料効率、免疫能と繁殖性の低下が知られており、マイコトキシン混入飼料の供与による、食餌拒絶・体重の減少・免疫力低下からくる発病率の上昇などは畜産業界にとって経済的なロスに繋がる。家畜だけでなく、コンパニオンアニマルとして重要性が増している愛玩動物類の健康も損なう。
【0004】
マイコトキシンには、様々な種類があるが、中でもフザリウム(Fusarium)属の産生する1 2 , 1 3−エポキシトリコセテン類と総称される一連の化合物とマクロライド系に分類されるエストロジェン様物質ゼアラレノンが、動物用飼料となる穀類において、最も問題視されている。
【0005】
特に、アスペルギルス(Aspergillus)属の産生するアフラトキシンは、天然物質中で最も強い発ガン物質として知られており、その関連化合物は10種類以上存在する。
フザリウム属の産生するデオキシニバレノールは別名ボミトキシン(吐血毒素)と呼ばれ、アフラトキシンのような激しい毒性はないが、このデオキシニバレノールが産生されていると他のマイコトキシンもある可能性が高いためにマイコトキシンのマーカーとして利用される。
【0006】
マイコトキシンを全く含まない飼料を家畜やペットに与えることが望ましいが、マイコトキシンの産生は気象や自然環境に大きく作用されるため、現実的には難しい。マイコトキシンの汚染に対処するために従来から採られてきた方法には、防黴剤を使用して、保存飼料におけるかびの成長を抑制することがあるが、特に家畜産業ではこのような処理を行うとコストが上昇することおよび抗黴剤が残留するという点から敬遠されており、マイコトキシン汚染飼料を上記のような処理をせず、そのまま使用できる方法を開発することが要求されている。
【0007】
そのため、現在では、一般的に、汚染飼料をマイコトキシンを含まない飼料で希釈し、高度に汚染された飼料を物理的に分離してから、アンモニア又は加熱処理して、飼料から毒性を除去している。しかし、これら方法は経済的ではない労働集約型であり、人件費がかさむことに加え、ある種のマイコトキシンには効力がないことが知られている。
【0008】
マイコトキシン汚染飼料を処理するより実用的な方法は、汚染飼料に、マイコトキシンに結合してこれを排除できる物質を配合して、毒素の体内への吸収を抑制することである。例えば特許文献1(飼料の脱マイコトキシン組成物)においては、家畜が食べてもそのまま排泄可能なマイコトキシン吸着剤(酵母細胞壁エキスとミネラルクレーの混合物)や、特許文献2(生物汚染及び化学汚染の破壊吸着剤に用いる反応性ナノパーティクル)においてはマイコトキシンを吸着する金属酸化物粒子複合体が提案されている。さらには特許文献3(マイコトキシン不活性化方法及び不活性化処理装置)においては、マイコトキシンにプラズマ状態にある原子を作用させ不活性化させる方法も提案されている。その他には、ポリマーや活性炭を用いる物理的な吸着方法が挙げられる。
【0009】
これらの種々異なる公知方法のうち、特許文献2や3の方法は、商業的に有効ではなく、ポリマーや活性炭を用いる方法では、それらの家畜への影響を考慮しなければならないため、有効ではない。また、特許文献1は、酵母細胞壁エキスとミネラルクレーを用いているが、ミネラルクレーを用いると、家畜に本来必要であるビタミン等の栄養素をもそれに吸着してしまうという課題があった。
【0010】
【特許文献1】特表2002−512011号公報
【特許文献2】特表2004−500214号公報
【特許文献3】特開2006−296814号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明者らは、マイコトキシン吸着組成物の探索について鋭意検討した結果、酵母細胞壁溶解酵素処理を施した酵母細胞が非常に強いマイコトキシン吸着作用を有することを見出し、本発明に到達した。
従って、本発明の第一の目的は、細胞壁溶解酵素処理を施した酵母を有効成分とする、強力なマイコトキシン吸着剤を提供することにある。本発明の第二の目的は、安価で且つ強力なマイコトキシン吸着作用のある家畜または愛玩動物用飼料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、上記の目的を達成するため、次の各発明を包含する。
[1] 酵母細胞壁溶解酵素を酵母菌体に作用させることにより得られる細胞壁分解物を含有することを特徴とするマイコトキシン吸着組成物。
[2] 前記細胞壁分解物中に、0.5M酢酸または6重量%水酸化ナトリウム水溶液に可溶なグルカンが、前記細胞壁分解物に含まれる全グルカン重量に対して、60重量%〜95重量%含まれることを特徴とする[1]に記載のマイコトキシン吸着組成物。
[3] [1]〜[2]に記載されたマイコトキシン吸着組成物を含有することを特徴とする家畜または愛玩動物用飼料。
[4] [1]〜[2]に記載されたマイコトキシン吸着組成物を0.01重量%〜10重量%含有することを特徴とする[3]に記載の家畜または愛玩動物用飼料。
[5] 酵母菌体に細胞壁溶解酵素を作用させることを特徴とするマイコトキシン吸着組成物の製造方法。
【発明の効果】
【0013】
本発明のマイコトキシン吸着組成物は、酵母細胞を酵母細胞壁溶解酵素で分解することにより、酵母細胞壁に存在しているβ―グルカンを、マイコトキシンに吸着しやすい構造に改変させた酵母細胞壁分解物を含有するものであり、高いマイコトキシン吸着効果を有するため、特に家畜用または愛玩動物用飼料のマイコトキシン吸着組成物として好適に使用することができる。本発明のマイコトキシン吸着組成物を飼料に添加した場合は、飼料中のマイコトキシンに結合して、マイコトキシンの動物の体内への吸収を抑制することができる。本発明のマイコトキシン吸着組成物は、天然の酵母由来の成分であるため、安全性が高く、動物の体内から排出された場合も環境に対する影響は低い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のマイコトキシン吸着組成物は、酵母細胞に細胞壁溶解酵素を作用させることにより得られる細胞壁分解物を主要な成分として含有するものであり、マイコトキシンと結合することによって、マイコトキシンを不活化し、動物に毒性を与えることなく、体外にマイコトキシンを排出させるものである。
本明細書においては、マイコトキシンとはカビ毒を意味する。カビ毒とは、カビ類が産生する二次代謝物の中で、人および家畜に対して毒性を有するものの総称をいう。
[1.酵母]
本発明で使用する酵母菌体は食用又は飼料用に用いられるものであって、動物に対して安全なものであればその種類が限定されるものではないが、原料入手のしやすさの点で特にトルラ酵母(Candida utilis)並びにビール酵母やパン酵母といったサッカロミセス酵母を使用することが好ましい。また、酵母菌体は培地で培養した後、洗浄してから遠心分離することにより得られた生酵母菌体の他、これらの生酵母菌体を乾燥した乾燥酵母菌体であっても良い。
【0015】
[2.酵母細胞壁溶解酵素]
次に酵母の細胞壁溶解酵素処理について説明する。処理に利用される酵母細胞壁溶解酵素は、β−グルカナーゼ活性を主体とし、酵母細胞壁を分解するのに十分な活性を有するものであればよい。また、β−グルカナーゼ以外の酵素を含む複合酵素でも良い。例えば市販の細胞壁溶解酵素活性を有する酵素としては、YL-15(天野エンザイム(株)製)、ツニカーゼ(大和化成(株)製)、ビスコザイム(ノボザイム(株)製)、リゾチーム(洛東化成(株)製)、Westase(タカラバイオ(株)製)等が挙げられる。
また、細胞壁溶解酵素処理と同時に、プロテアーゼを作用させ細胞壁中のタンパク質を溶解させ細胞壁溶解酵素の反応性を上げることもできる。
【0016】
[3.細胞壁溶解処理]
本願発明は、酵母に、細胞壁溶解酵素を作用させることにより、酵母の細胞壁に含まれるβ−グルカンを一定の分子量となるように調整することを特徴とする。酵母細胞壁中に含まれるβ−グルカンは、多くは、酸やアルカリに不溶性の高分子(分子量30万〜100万程度)であるが、0.5Mの酢酸や6重量%水酸化ナトリウム水溶液で抽出される、酸またはアルカリ可溶性で分子量数万(分子量1万〜10万程度)のグルカンも存在している。
【0017】
本願発明のマイコトキシン吸着組成物は、細胞壁溶解処理により、β−グルカンを低分子量化させ、その酵素処理物に、0.5Mの酢酸または6重量%の水酸化ナトリウム水溶液に可溶となるβ−グルカンが、60重量%〜95重量%、さらに好ましくは、80重量%〜90重量%含まれていることが好ましい。
前記のことから、本願の細胞壁溶解処理物に含まれるβ−グルカンは、重量平均分子量1万〜10万のものが、グルカン全体に対して60%〜95%程度含有されているものと推測される。細胞壁溶解酵素を作用させることで、酵母細胞壁に存在しているβ―グルカンが低分子量化され、マイコトキシンを吸着しやすい構造に変化し、分子間力、水素結合を介してマイコトキシンに結合する効果を有するようになると推測される。
【0018】
以下に、細胞壁溶解酵素の処理について記載する。
酵母を適当な炭素源の培地で培養する。例えば、炭素源として5%糖蜜培地に窒素源や、微量元素を加えた培地を用い、2日間、30℃でバッチ培養する。培養した酵母を10〜15%程度の濃度に水に懸濁させた後、酵母細胞壁溶解酵素を添加する。酵素添加量は酵素活性の強弱によって異なってくるが、通常酵母に対して0.01重量%〜1.0重量%程度である。反応pH、温度については、使用する酵素の作用する範囲であれば特に制限は無いが、一般的にはpH5〜9の範囲が好ましく、反応温度は30℃〜70℃の範囲が好ましい。pH10を超える強アルカリ条件下では、酵母細胞壁グルカンの構造が変化してしまい、マイコトキシン吸着能が低下する。反応時間は、グルカンの分子量が、前記の本願のマイコトキシン吸着能を発揮する程度になるために十分な時間があれば問題ない。例えば、1時間〜10時間が挙げられる。
【0019】
細胞壁溶解酵素処理を施した酵母菌体を濃縮した後、乾燥してもよい。乾燥方法としては、噴霧乾燥等の公知の乾燥技術を用いることができる。このようにして得られる本発明のマイコトキシン吸着組成物は動物や魚類用の飼料に添加して経口投与することができ、腸内でマイコトキシンに結合・吸着し、動物の腸からその吸収を抑制することが可能になる。
【0020】
[4.飼料用の使用]
本発明は、家畜または愛玩動物の飼料に含有されるマイコトキシンを吸着除去でき、いずれのマイコトキシンに対しても吸着能を有するが、中でもゼアラレノン、アフラトキシン等に優れた吸着能を示す。
本発明のマイコトキシン吸着組成物は、動物に直接供給しても、飼料に添加して供給してもよく、1日当たりの使用量は、飼料に対して0.05重量%〜5重量%である。特に好ましい供給量は、飼料に対して0.1重量%〜1.0重量%である。供給量は、動物の種類、動物の大きさ、健康状態、飼料の種類(マイコトキシンが発生しやすいかどうかなど)に応じて調整する。
本発明のマイコトキシン吸着組成物には、必要に応じて、賦形剤やビタミン、無機質等の栄養剤、粘結剤、生菌剤、有機酸などを添加することができる。
【実施例】
【0021】
以下、実施例に従って本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
[実施例1]
糖蜜を炭素源として、糖蜜培地1L(培地組成:5%糖濃度に調整した糖蜜、NHCl、KCl、MgSO、ZnSO、NHPO)で2日間、30℃でバッチ培養したトルラ酵母(Candida utilis)の生菌体1Kgを、5gの細胞壁溶解酵素(商品名YL-15(天野エンザイム(株)製)を添加した、10リットルの水に懸濁し、55℃で3時間攪拌しながら酵母の細胞壁溶解酵素処理を行った。その後、懸濁を8000rpm、10分の条件で遠心分離を施し、得られた沈殿物は2〜3回純水に懸濁して、同様の遠心操作を施し酵母の洗浄を行った。
遠心操作前の酵母の乾燥重量(A)、遠心分離、洗浄の操作後得られた酵母の乾燥重量(B)から次式に従って、抽出率(%)を算出した。抽出率は27.9%であった。その後、噴霧乾燥を施して本発明の組成物を得た。

(式1) 抽出率(%)=[1−{(B)/(A)}]×100
【0022】
[実施例2]
実施例1のトルラ酵母の生菌体1Kgを、5gの細胞壁溶解酵素(商品名YL-15(天野エンザイム(株)製)を添加した、10リットルの水に懸濁し、55℃で3時間攪拌しながら酵母の細胞壁溶解酵素処理を行った。
その後2種類のプロテアーゼ(アマノA〔天野製薬(株)製〕、フレーバーザイム〔ノボザイム(株)製〕)を5gずつ添加し、12時間、50℃で攪拌を行った。酵母細胞壁画分を遠心分離(10,000g、10分間)により回収後、噴霧乾燥し、本発明の組成物を得た。
【0023】
[比較例1]
実施例1のトルラ酵母の生菌体1Kgに3リットルの水と7リットルのエタノールを加え3時間攪拌して酵母を自己消化させた後、噴霧乾燥し、組成物を得た。
【0024】
[比較例2]乾燥トルラ酵母
実施例1のトルラ酵母生菌体1kgを噴霧乾燥して、組成物を得た。
【0025】
実施例1〜2、比較例1、比較例2の各組成物、および市販のマイコトキシン吸着剤(商品名マイコソーブ、オルテック社製)のマイコトキシンの一種であるゼアラレノンに対する吸着効果を以下の実験により調べた。
【0026】
[ゼアラレノン吸着率]
電子天秤(AEL-200:株式会社島津製作所)を用いて、表1に示す各試料5mgをエッペンドルフチューブに計り取り、ゼアラレノン濃度0.0001mol/Lの遺伝子工学研究用リン酸バッファー(1370mM NaCl、81mM NaHPO、26.8mM KCl、14.7mM KHPO:pH=7.4)を0.5ml入れてよく混和し、ローテーターにセットして1時間緩やかに攪拌した。遠心分離によって、各組成物を除去した後、ゼアラレノン濃度は高速液体クロマトグラフィーを用い次の条件で測定した。
カラム Wacosill 5C18RS 4.6mm×250mm
カラム温度 40℃
溶離液 メタノール/蒸留水 = 65/35
インジェクション 20μl
流速 1ml/分
検出 励起278nm / 測定460nm
吸着未処理のゼアラレノン濃度の測定値(A)及び吸着処理したゼアラレノン濃度の測定値(B)から、次式に従って、ゼアラレノン吸着率(%)を算出した。
(式2) ゼアラレノン吸着率(%)={(A−B)/A}×100
【0027】
[可溶性グルカン含量の測定]
実施例1−2および比較例1−2,マイコソーブの可溶性グルカンの含有量を以下のようにして測定した。まず、実施例、比較例の組成物100gを1Lの6重量%水酸化ナトリウム水溶液に懸濁させ1晩攪拌させた後、遠心分離(5,000g、10分間)により可溶成分と沈殿物を得た。その後沈殿物を1Lの0.5M酢酸に懸濁させ120℃で1hrオートクレーブした後、遠心分離(5,000g、10分間)により可溶成分と沈殿物を得た。
また、それぞれの画分の乾燥物200mgを採取し72%の硫酸2mlで1時間加水分解し中和した後、50mlにメスアップし、高速液体クロマトグラフィーを用いて下記の条件でグルコース含量を測定しグルカン含量に置き換えた。

カラム Finepac GEL SA−121 6.0mm×100mm
カラム温度 80℃
溶離液 0.15Mホウ酸水溶液(pH=8.0)
インジェクション 25μl
反応液 100mMホウ酸、50mMグアニジン塩酸塩、0.5mMメタ過ヨウ素酸ナトリウム/20%アセトニトリル水溶液(pH=11)
溶離液流速 0.5ml/分
反応液流速 0.5ml/分
反応温度 170℃
検出 励起310nm / 測定415nm

6重量%水酸化ナトリウム水溶液可溶物の乾燥重量(A)、0.5M酢酸可溶物の乾燥重量(B)、いずれにも溶解しなかった沈殿の乾燥重量(C)のグルコース含量を(D)、(E)、(F)として次式に従って可溶性グルカン含量(重量%)を算出した。






以上の結果を表1に示す。
【0028】
【表1】

【0029】
表1の結果から判るように、自己消化酵母及び乾燥トルラ酵母に比べ、酵母菌体を細胞壁溶解酵素処理した本発明品は、著しく高いゼアラレノン吸着率を示した。さらに、細胞壁溶解酵素処理した酵母細胞壁を選択的に回収した方が(実施例2)、最も高いゼアラレノン吸着効果を示した。上記の結果から、本発明のマイコトキシン吸着組成物を飼料に添加した場合、マイコトキシンと結合し、動物の体内への吸収を抑制することが予測される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酵母細胞壁溶解酵素を、酵母菌体に作用させることにより得られる細胞壁分解物を含有することを特徴とするマイコトキシン吸着組成物。
【請求項2】
前記細胞壁分解物中に、0.5M酢酸または6重量%水酸化ナトリウム水溶液に可溶なグルカンが、前記細胞壁分解物に含まれる全グルカン重量に対して、60重量%〜95重量%含まれることを特徴とする請求項1に記載のマイコトキシン吸着組成物。
【請求項3】
請求項1または2に記載されたマイコトキシン吸着組成物を含有することを特徴とする家畜または愛玩動物用飼料。
【請求項4】
細胞壁溶解酵素を、酵母菌体に作用させることを特徴とするマイコトキシン吸着組成物の製造方法。

【公開番号】特開2009−234948(P2009−234948A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−80189(P2008−80189)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(502368059)日本製紙ケミカル株式会社 (86)
【Fターム(参考)】