マグネット表示機構のレイアウト表示装置及びこれを使用したマグネット表示機構の販売方法
【課題】購入者が考えている表示情報に基づき設計されたマグネット表示機構のレイアウトを実際の利用状態の大きさで表示することができ、また使用途中でマグネット表示板に吸着したマグネット表示片がずれたり傾いたりすることがないマグネット表示機構のレイアウト表示装置及びこれを使用したマグネット表示機構の販売方法を提供する。
【解決手段】多極着磁のマグネット表示機構であって、マグネット表示片の被覆層に表示する案内情報と、表示形式、着磁ピッチと、マグネット表示機構を利用する案内情報利用者とマグネット表示機構との実用距離と、により、マグネット表示片がレイアウトされたマグネット表示板が、実際の利用状態でモニターに表示されることを特徴とするマグネット表示機構のレイアウト表示装置及びこれを使用したマグネット表示機構の販売方法である。
【解決手段】多極着磁のマグネット表示機構であって、マグネット表示片の被覆層に表示する案内情報と、表示形式、着磁ピッチと、マグネット表示機構を利用する案内情報利用者とマグネット表示機構との実用距離と、により、マグネット表示片がレイアウトされたマグネット表示板が、実際の利用状態でモニターに表示されることを特徴とするマグネット表示機構のレイアウト表示装置及びこれを使用したマグネット表示機構の販売方法である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、マグネットを使用して各種案内情報を表示するマグネット表示機構のレイアウト表示装置及びこれを使用したマグネット表示機構の販売方法に関し、特に一定方向に所定の間隔をあけて直線状に、又はネット状にＮ極とＳ極とを交互に着磁した多極着磁マグネット表示機構のレイアウト表示装置及びこれを使用したマグネット表示機構の販売方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、磁性体から成る表示基板上にマグネットから成る表示片を吸着させて所定の案内情報を表示する磁石表示板として、白色プラスチック等からなる基台の下面にマグネットを内蔵し、基台の上面に表示紙を載せ、表示紙の上より基台を被覆する透明のカバー体を着脱式に設け、カバー体の表面の両端に色彩表示帯を設けて、磁性体のホワイトボードやスチールボード板面を移動可能にする磁石表示板が提案されている（特許文献１）。
【０００３】
また、シート状マグネットの多極着磁した面に任意の色彩又は模様を施した装飾層を一体的に積層し、このシート状マグネットにより基板の表面を被覆し表示板を形成し、シート状マグネットの少なくとも裏面に前記表示板用マグネットと同一ピッチで着磁し、その表面側に無地又は必要事項を表示した表示部を設けて成る表示シートを前記表示板に着脱自在に組み合わせたことを特徴とする表示装置が提案されている（特許文献２）。
【０００４】
また、第１次の多極着磁をした後、第１次の着磁で形成された帯状の磁極と直交する方向に第１次よりも低い磁力で第２次の着磁をすることによりネット状の磁極を有する表面材としたシート状磁石を、薄い磁性体を介して基板に積層し、シート状磁石、磁性体及び基板を一体化したことを特徴とする表示板が提案されている（特許文献３）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】特開２００６−１１３４０号公報
【特許文献２】登録実用新案第３０３９７１０号公報
【特許文献３】特開平９−１６０５０２号公報
【０００６】
しかしながら、特許文献１記載の磁石表示板においては、磁性体から成る表示基板上に表示紙が載せられたマグネットからなる表示片を吸着させる構成であるため、表示基板と表示片に働く磁力は単極での吸着であることより弱く、吸着後に表示がずれたり傾いたりするという課題があった。また罫線等が無い表示基板上の所定位置に表示片を正確に吸着させることは難しいため、メーカーが表示基板の所定位置に表示片を吸着させて出荷しても、配送途中に該表示片がずれたり傾いたりする課題があった。一方、これを考慮して表示基板とマグネットから成る表示片を分離して出荷しても、購入者は罫線等が無い表示基板の所定位置にマグネットからなる表示片を正確に且つ手早く吸着させることが難しいという課題があった。
【０００７】
特許文献２においては、購入者が表示シートの表面側の表示部に表示される案内情報の表示形式に関する表示情報、例えば、書体、文字の大きさ、文字間隔、文字の色等だけを指定して注文した場合は、表示板に表示シートがすべて吸着された全体の状態をイメージすることが難しく、注文後メーカーより配送された実際のマグネット表示機構が、購入者が考えていたものと相違する場合があるという課題があった。この課題については特許文献１に係る磁石表示板であっても同様であった。
【０００８】
また、特許文献３においては、特許文献２と同様に表示板に表示される案内情報の表示形式に関する表示情報、例えば、書体、文字の大きさ、文字間隔、文字の色等だけを指定して注文した場合は、表示板に表示シートがすべて吸着された全体の状態をイメージすることが難しく、注文後メーカーより配送された実際のマグネット表示機構が、購入者が考えていたものと相違する場合があるという課題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００９】
本発明が解決しようとする課題は、購入者が考えている表示情報に基づき設計されたマグネット表示機構の全体の状態であるレイアウトを、実際の利用状態の大きさで表示することができ、このため、購入しようとしているマグネット表示機構のレイアウトを実際の利用状態の大きさにて購入者が購入前に確認することができ、また使用途中や配送途中でマグネット表示板に貼り付けたマグネット表示片がずれたり傾いたりすることがなく、さらには例えマグネット表示板とマグネット表示片が分離されて出荷されても、購入者がマグネット表示片をマグネット表示板の所定位置に正確に且つ手早く吸着させることができるマグネット表示機構のレイアウト表示装置及びこれを使用したマグネット表示機構の販売方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
請求項１記載の発明は、シート状マグネットの多極着磁した面に任意の色彩又は模様を形成した装飾層を一体的に積層してマグネット表示板と成し、裏面をマグネット表示板と同一ピッチで着磁し、表面に案内情報を表示した被覆層を設けて成るマグネット表示片を、マグネット表示板に着脱自在に組み合わせたマグネット表示機構であって、
マグネット表示片の被覆層に表示する案内情報と、該案内情報の表示形式と、Ｎ極とＳ極の着磁ピッチと、マグネット表示機構による案内情報を情報利用者が視認する際の情報利用者とマグネット表示機構との実用距離、とを入力する表示情報入力手段と、
入力された表示情報により、マグネット表示板とマグネット表示片のサイズ及びマグネット表示片のレイアウトを設計する設計手段と、
該設計手段により設計された細部のマグネット表示板とマグネット表示片であり、入力された案内情報がマグネット表示片に表示され且つマグネット表示片がレイアウトされたマグネット表示板が前記実用距離で利用される大きさにてモニターに表示するレイアウト表示手段と、
レイアウト表示手段によりモニターに表示されたマグネット表示機構のコストを算出しモニターに表示するコスト表示手段と、
を備えたことを特徴とするマグネット表示機構のレイアウト表示装置を提供する。
【００１１】
請求項２記載の発明は、請求項１記載のマグネット表示機構のレイアウト表示装置を用いて、マグネット表示片がレイアウトされたマグネット表示板が実際の利用状態の大きさにて表示されたモニターを購入者が視認し、コスト表示手段により算出され表示されたコストにより購入者が購入の可否の判断をすることでマグネット表示機構を販売すること特徴とするマグネット表示機構の販売方法を提供する。
【発明の効果】
【００１２】
請求項１記載のマグネット表示機構のレイアウト表示装置は、シート状マグネットの多極着磁した面に任意の色彩又は模様を形成した装飾層を一体的に積層してマグネット表示板と成し、裏面をマグネット表示板と同一ピッチで着磁し、表面に案内情報を表示した被覆層を設けて成るマグネット表示片を、マグネット表示板に着脱自在に組み合わせたマグネット表示機構であって、
マグネット表示片の被覆層に表示する、例えば文字による案内情報と、該案内情報の表示形式、例えば、書体、文字の大きさ、文字間隔、文字の色等の表示形式と、着磁ピッチと、マグネット表示機構を利用する案内情報利用者とマグネット表示機構との実用距離とにより、マグネット表示片がレイアウトされたマグネット表示板が、実際の利用状態の大きさにてモニターに表示される。このため、購入者は購入するマグネット表示機構が考えているイメージ通りであるかどうか、表示された案内情報が実用距離で視認可能かどうか、モニター表示されたマグネット表示機構のコストが適当かどうかを事前に確認することができるという効果がある。
【００１３】
また、マグネット表示機構は上記のように多極着磁のマグネット表示板とマグネット表示片で構成されているため、単極で吸着しているものよりマグネット表示板とマグネット表示片の吸着力は大きく、またマグネット表示片は自己整列機能を有するため、例えマグネット表示機構の設置場所が交通事情等により振動が生じるような場所であっても購入初期から長期に亘って、マグネット表示片がずれたり傾いたりすることがなく、モニターに表示され且つイメージ通りであった案内情報の表示が保持されるという効果がある。また、本発明に係るマグネット表示機構は多極着磁であるため、マグネット表示板とマグネット表示片が分離されて配送されても、購入者は仕様書を確認しながらマグネット表示片をマグネット表示板の所定位置に正確に且つ手早く吸着させることができるという効果がある。
【００１４】
また、請求項２記載のマグネット表示機構の販売方法は、請求項１記載のマグネット表示機構のレイアウト表示装置を用いて、マグネット表示片がレイアウトされたマグネット表示板が、実際の利用状態の大きさにて表示されたモニターを購入者が視認し、コスト表示手段により算出され表示されたコストにより購入者が購入の可否の判断をすることでマグネット表示機構を販売することを特徴とするため、購入者は購入するマグネット表示機構が考えているイメージ通りであるかどうか、表示された案内情報が実用距離で視認可能かどうか、モニター表示されたマグネット表示機構のコストが適当かどうかを事前に確認することができるという効果がある。
【００１５】
また、マグネット表示機構は上記のように多極着磁のマグネット表示板とマグネット表示片で構成されているため、単極で吸着しているものよりマグネット表示板とマグネット表示片の吸着力は大きく、またマグネット表示片は自己整列機能を有するため、例えマグネット表示機構の設置場所が交通事情等により振動が生じるような場所であっても購入初期から長期に亘って、マグネット表示片がずれたり傾いたりすることがなく、モニターに表示され且つイメージ通りであった案内情報の表示が保持されるという効果がある。また、本発明に係るマグネット表示機構は多極着磁であるため、マグネット表示板とマグネット表示片が分離されて配送されても、購入者は仕様書を確認しながらマグネット表示片をマグネット表示板の所定位置に正確に且つ手早く吸着させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【００１６】
【図１】本発明に係るマグネット表示機構のレイアウト表示装置の機能ブロック図である。
【図２】本発明に係る多極着磁のマグネット表示機構における着磁の状態を示す分解斜視図である。
【図３】本発明に係る多極着磁のマグネット表示機構であってマグネット表示板とマグネット表示片とが吸着した状態を示す斜視図である。
【図４】本発明に係るマグネット表示機構のレイアウト表示装置の構成を示すブロック図である。
【図５】本発明のマグネット表示機構のレイアウト表示装置が実行する処理を示すフローチャートである。
【図６】本発明に係る多極着磁のマグネット表示機構に付される製造番号毎に記録保存される表示情報の例を示す状態図である。
【発明を実施するための形態】
【００１７】
次に本発明に係るマグネット表示機構のレイアウト表示装置及びこれを使用するマグネット表示機構の販売方法を実施するための形態について説明する。
【００１８】
まず、本発明に係る多極着磁のマグネット表示機構について図２及び図３に基づき説明する。
図２は、本発明に係る多極着磁のマグネット表示機構における着磁の状態を示す分解斜視図である。
本発明の多極着磁のマグネット表示機構は、マグネット表示板１と、該マグネット表示板１の所定位置に吸着させるマグネット表示片２とから成る。
【００１９】
マグネット表示板１は０．２５〜１．２ｍｍの厚みの磁性体からなる平板で、一定方向に（本実施例では横方向に）、本実施例では２．５ｍｍのピッチで直線状にＮ極とＳ極とを交互に着磁している。なお、着磁は本実施例のように直線状のほか、前記特許文献３のようにネット状の着磁であってもよいのはもちろんである。図２において横方向の１点鎖線は着磁状態を示していると共に、該１点鎖線の間隔は着磁された磁極のピッチを示している。１ａはマグネット表示板１の表面に形成した装飾層で、塩ビその他の合成樹脂シート又はクロスから成り、バリウムフェライト粉末等の磁性体を含有させる場合もある。本実施例においては装飾層１ａの下端に製造番号１ｂが付されている。
【００２０】
製造番号１ｂは、すべての多極着磁のマグネット表示機構に付される識別番号であり、該製造番号１ｂ毎に、図６に示すようにマグネット表示板１及びマグネット表示片２に多極着磁された着磁ピッチ及びマグネット表示片２の被覆層２ａに表示された案内情報の表示に係る表示形式、例えば、書体、文字の大きさ、文字間隔、文字の色、強調体か斜体か、といった表示形式に関する表示情報が別途記録保存される。したがって該識別番号１ｂが判れば、マグネット表示片２に着磁すべき着磁ピッチ及びマグネット表示片２の被覆層２ａに表示された案内情報の表示形式に関する表示情報、例えば、書体、文字の大きさ、文字間隔、文字の色、強調体か斜体か、といった表示情報が得られ、マグネット表示片２の注文を別途得た場合であっても、該製造番号１ｂだけで同じ表示形式で既存のマグネット表示板１に適合する同一の着磁ピッチのマグネット表示片２を製造することが出来る。
【００２１】
マグネット表示片２には、前記マグネット表示板１と同一ピッチで一定方向（本実施例では横方向）にＮ極とＳ極とが交互に着磁されている。図３においてマグネット表示片２に記載の１点鎖線は、着磁状態を示していると共に、該１点鎖線の間隔は着磁された磁極のピッチを示している。２ａは該マグネット表示片２の表面に形成した被覆層で塩ビその他の合成樹脂シートから成り、案内情報が表示される。Ｎ極とＳ極は本実施例では奇数本設けられ、全てのマグネット表示片２において最も上の磁極と最も下の磁極が同一磁極となるように形成されている。したがってマグネット表示板１に吸着させた際、マグネット表示片２とその上下に吸着されるマグネット表示片２は、着磁された１極の巾の間隔を持って吸着される。また、マグネット表示片２が吸着するマグネット表示板１には、ちょうどマグネット表示片２が吸着される位置でのマグネット表示片２の磁極と反対の磁極が交互に着磁されている。
【００２２】
なお、マグネット表示板１がネット状に着磁される場合は、マグネット表示片２も同一のピッチにてネット状に着磁する。
【００２３】
本発明は上記のように構成された多極着磁のマグネット表示機構のレイアウト表示装置及びこれを使用するマグネット表示機構の販売方法であって、以下のように実施する。
【００２４】
請求項１記載のマグネット表示機構のレイアウト表示装置１０は図４に示すように構成されていて、制御手段としてのＣＰＵ１１を備えている。ＣＰＵ１１には、ＣＰＵ１１の動作プログラム等を記憶しているＲＯＭ１２、ＣＰＵのワークエリアとなるＲＡＭ１３が接続されている。また、ＣＰＵ１１には、液晶等から成るモニター１４にデータを送出するための画面出力制御部１５、及びキーボード１６からの入力信号を受け取るための入出力装置（Ｉ／Ｏ）１７が接続されている。
【００２５】
キーボード１６からは、マグネット表示片２の被覆層２ａに表示する案内情報が横列の項目と縦列の項目別に入力され、該案内情報の表示形式、例えば、書体、文字の大きさ、文字の間隔、文字の色、強調体であるか、斜体であるか、といった表示形式が入力される。またマグネット表示板１及びマグネット表示片２に多極着磁されるＮ極とＳ極の着磁ピッチ、及びマグネット表示機構による案内情報を情報利用者が視認する際の情報利用者とマグネット表示機構との実用距離が入力される。
【００２６】
また、モニター１４の画面に表示されたマグネット表示機構が購入者の考えているイメージ通りであるか否か、マグネット表示片２に表示された案内情報が視認可能か否か、設計されたマグネット表示機構のコストが適当か否か、についてもキーボード１６から入力される。
【００２７】
着磁ピッチについてであるが、図２及び図３のように本実施例ではマグネット表示片２に着磁されるＮ極とＳ極の数は奇数であるので、マグネット表示片２同士の縦方向の吸着間隔は該着磁ピッチと同一となる。仮にマグネット表示片２に着磁されるＮ極とＳ極の数が本実施例と異なって偶数の場合は、マグネット表示片２同士の縦方向の吸着間隔はゼロとなって、マグネット表示片２は、隙間無くマグネット表示板１に吸着されることになる。しかし、この場合は上下に挟まれたマグネット表示片２が剥がしにくくなるため通常は、マグネット表示片２に形成される磁極の数は奇数である。本実施例では上記のように奇数であり、以下マグネット表示片２に形成される磁極の数は奇数であるとして説明する。
【００２８】
モニター１４には、入力された案内情報と、表示形式と、着磁ピッチとによりマグネット表示板１とマグネット表示片２のサイズ、及びマグネット表示片２のレイアウトを設計する設計手段により設計されたマグネット表示板１及びマグネット表示片２が、レイアウト表示手段によって、入力された案内情報をマグネット表示片２に表示し、該マグネット表示片２がマグネット表示板１にレイアウトされた状態にて、且つ前記実用距離で利用される大きさにて、モニター１４に表示される。また、該モニター１４に表示されたレイアウトが購入者の考えているイメージ通りであってマグネット表示片２に表示された案内情報が視認可能であるときは、コスト表示手段によってコストが算出されモニター１４に該コストが表示される。
【００２９】
図１は本発明に係るマグネット表示機構のレイアウト表示装置にかかる機能ブロック図である。マグネット表示機構のレイアウト表示装置１０は、表示情報入力手段２０と、設計手段３０と、レイアウト表示手段４０と、コスト表示手段５０と、を備えている
【００３０】
表示情報入力手段２０は、マグネット表示片２の被覆層２ａに表示する案内情報と、マグネット表示機構の購入者がマグネット表示片２の被覆層２ａに表示する案内情報の表示形式と、Ｎ極とＳ極の着磁ピッチと、マグネット表示機構による案内情報を情報利用者が視認する際の情報利用者とマグネット表示機構との実用距離、とを取得する機能を有している。
【００３１】
設計手段３０は、入力された表示情報によりマグネット表示板１とマグネット表示片２のサイズ、及びマグネット表示片２のレイアウトを設計する機能を有している。
【００３２】
レイアウト表示手段４０は、前記設計手段３０により設計されたサイズのマグネット表示板１とマグネット表示片２により、入力された案内情報がマグネット表示片２に表示され且つマグネット表示片２がレイアウトされたマグネット表示板１が前記実用距離で利用される大きさにてモニター１４に表示する機能を有している。
【００３３】
コスト表示手段５０は、前記レイアウト表示手段４０によりモニター１４に表示されたマグネット表示機構のコストを算出しモニター１４に表示する機能を有している。
【００３４】
次に本発明のマグネット表示機構のレイアウト表示装置１０が実行する処理を、図５に示したフローチャートに基づき説明する。
【００３５】
マグネット表示機構のレイアウト表示装置１０が起動されると、ＣＰＵ１１は入力手段から入力を取得するステップＳ１００のステップＳ１１０にて、購入者がマグネット表示機構で表示したい案内情報を、例えば、横列と縦列とに分けて取得し、次にステップＳ１２０にてマグネット表示機構と該マグネット表示機構に表示される情報を利用する情報利用者との実用距離を取得する。そしてステップＳ１３０にて購入者が考えている、マグネット表示片２の被覆層２ａに表示する案内情報の表示形式、例えば、書体、文字の大きさ、文字間隔、文字の色等の表示形式を取得する。次にステップＳ１４０にてマグネット表示板１及びマグネット表示片２に形成するＮ極とＳ極の磁極の巾である着磁ピッチの入力を受けて取得する。該着磁ピッチは本実施例ではマグネット表示片２に形成されるＮ極とＳ極の数は奇数であるため、マグネット表示片２同士の上下の間隔となる。
【００３６】
次に、上記の入力に係るステップＳ１００にて全ての入力がされたか否かをステップＳ２００にて判断し、すべての入力がされていないときにはステップＳ１００に戻る。すべての入力がされている場合は、ステップＳ３００に移行し、設計手段３０により設計されたマグネット表示板１とマグネット表示片２のレイアウトに基づきレイアウト表示手段４０によってモニター１４に該レイアウトが表示される。該レイアウトは入力された表示形式により案内情報が表示され且つマグネット表示板１にレイアウトされたマグネット表示板２が前記実用距離で利用される大きさにてモニター１４に表示される。
【００３７】
購入者は、モニター１４に表示されたレイアウトを見て、該マグネット表示機構が考えているイメージ通りであるかを判断し、その結果をステップＳ４００にて入力し、イメージ通りでない場合はステップＳ１００に戻り、再度各種情報を入力する。イメージ通りである場合はステップＳ５００に移行し、案内情報が視認可能かどうかを購入者が判断し入力する。視認不可能な場合はステップＳ１００に戻り再度各種情報を入力する。
【００３８】
案内情報が視認可能な場合はステップＳ６００に移行し、モニター１４に表示されたマグネット表示機構のコストがコスト表示手段５０によって算出され、モニター１４に当該コストが表示される。次にステップＳ７００に移行し、表示されたコストが購入者にとって適当であるかどうかを購入者が判断し入力する。コストが適当でない場合はステップＳ１００に戻り再度各種情報を入力する。コストが購入者にとって適当であれば終了となる。
【００３９】
請求項２記載のマグネット表示機構の販売方法では、上記マグネット表示機構のレイアウト表示装置１０をノートパソコンとして構成し、購入者である顧客との打合せをしながら、キーボード１６からステップＳ１００に係る上記各種情報を入力する。マグネット表示機構のレイアウト表示装置１０の動作手順は上記と同様であるので説明を省略するが、顧客はマグネット表示片２がレイアウトされたマグネット表示板１の状態を、モニター１４によって実際の利用状態の大きさにて視認することができ、該レイアウトが顧客のイメージ通りかどうか、及び案内情報が視認可能かどうかが確認でき、さらには表示されたコストにより購入の可否をその場で決定することができる。したがって打合せも図５のフローチャートに沿って行なうことができ、効率のよい営業を行なうことができるマグネット表示機構の販売方法である。
【符号の説明】
【００４０】
１ マグネット表示板
１ａ 装飾層
１ｂ 製造番号
２ マグネット表示片
２ａ 被覆層
１０ マグネット表示機構のレイアウト表示装置
１１ ＣＰＵ
１２ ＲＯＭ
１３ ＲＡＭ
１４ モニター
１５ 画面出力制御部
１６ キーボード
１７ Ｉ／Ｏ
２０ 表示情報入力手段
３０ 設計手段
４０ レイアウト表示手段
５０ コスト表示手段
【技術分野】
【０００１】
本発明は、マグネットを使用して各種案内情報を表示するマグネット表示機構のレイアウト表示装置及びこれを使用したマグネット表示機構の販売方法に関し、特に一定方向に所定の間隔をあけて直線状に、又はネット状にＮ極とＳ極とを交互に着磁した多極着磁マグネット表示機構のレイアウト表示装置及びこれを使用したマグネット表示機構の販売方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、磁性体から成る表示基板上にマグネットから成る表示片を吸着させて所定の案内情報を表示する磁石表示板として、白色プラスチック等からなる基台の下面にマグネットを内蔵し、基台の上面に表示紙を載せ、表示紙の上より基台を被覆する透明のカバー体を着脱式に設け、カバー体の表面の両端に色彩表示帯を設けて、磁性体のホワイトボードやスチールボード板面を移動可能にする磁石表示板が提案されている（特許文献１）。
【０００３】
また、シート状マグネットの多極着磁した面に任意の色彩又は模様を施した装飾層を一体的に積層し、このシート状マグネットにより基板の表面を被覆し表示板を形成し、シート状マグネットの少なくとも裏面に前記表示板用マグネットと同一ピッチで着磁し、その表面側に無地又は必要事項を表示した表示部を設けて成る表示シートを前記表示板に着脱自在に組み合わせたことを特徴とする表示装置が提案されている（特許文献２）。
【０００４】
また、第１次の多極着磁をした後、第１次の着磁で形成された帯状の磁極と直交する方向に第１次よりも低い磁力で第２次の着磁をすることによりネット状の磁極を有する表面材としたシート状磁石を、薄い磁性体を介して基板に積層し、シート状磁石、磁性体及び基板を一体化したことを特徴とする表示板が提案されている（特許文献３）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】特開２００６−１１３４０号公報
【特許文献２】登録実用新案第３０３９７１０号公報
【特許文献３】特開平９−１６０５０２号公報
【０００６】
しかしながら、特許文献１記載の磁石表示板においては、磁性体から成る表示基板上に表示紙が載せられたマグネットからなる表示片を吸着させる構成であるため、表示基板と表示片に働く磁力は単極での吸着であることより弱く、吸着後に表示がずれたり傾いたりするという課題があった。また罫線等が無い表示基板上の所定位置に表示片を正確に吸着させることは難しいため、メーカーが表示基板の所定位置に表示片を吸着させて出荷しても、配送途中に該表示片がずれたり傾いたりする課題があった。一方、これを考慮して表示基板とマグネットから成る表示片を分離して出荷しても、購入者は罫線等が無い表示基板の所定位置にマグネットからなる表示片を正確に且つ手早く吸着させることが難しいという課題があった。
【０００７】
特許文献２においては、購入者が表示シートの表面側の表示部に表示される案内情報の表示形式に関する表示情報、例えば、書体、文字の大きさ、文字間隔、文字の色等だけを指定して注文した場合は、表示板に表示シートがすべて吸着された全体の状態をイメージすることが難しく、注文後メーカーより配送された実際のマグネット表示機構が、購入者が考えていたものと相違する場合があるという課題があった。この課題については特許文献１に係る磁石表示板であっても同様であった。
【０００８】
また、特許文献３においては、特許文献２と同様に表示板に表示される案内情報の表示形式に関する表示情報、例えば、書体、文字の大きさ、文字間隔、文字の色等だけを指定して注文した場合は、表示板に表示シートがすべて吸着された全体の状態をイメージすることが難しく、注文後メーカーより配送された実際のマグネット表示機構が、購入者が考えていたものと相違する場合があるという課題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００９】
本発明が解決しようとする課題は、購入者が考えている表示情報に基づき設計されたマグネット表示機構の全体の状態であるレイアウトを、実際の利用状態の大きさで表示することができ、このため、購入しようとしているマグネット表示機構のレイアウトを実際の利用状態の大きさにて購入者が購入前に確認することができ、また使用途中や配送途中でマグネット表示板に貼り付けたマグネット表示片がずれたり傾いたりすることがなく、さらには例えマグネット表示板とマグネット表示片が分離されて出荷されても、購入者がマグネット表示片をマグネット表示板の所定位置に正確に且つ手早く吸着させることができるマグネット表示機構のレイアウト表示装置及びこれを使用したマグネット表示機構の販売方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
請求項１記載の発明は、シート状マグネットの多極着磁した面に任意の色彩又は模様を形成した装飾層を一体的に積層してマグネット表示板と成し、裏面をマグネット表示板と同一ピッチで着磁し、表面に案内情報を表示した被覆層を設けて成るマグネット表示片を、マグネット表示板に着脱自在に組み合わせたマグネット表示機構であって、
マグネット表示片の被覆層に表示する案内情報と、該案内情報の表示形式と、Ｎ極とＳ極の着磁ピッチと、マグネット表示機構による案内情報を情報利用者が視認する際の情報利用者とマグネット表示機構との実用距離、とを入力する表示情報入力手段と、
入力された表示情報により、マグネット表示板とマグネット表示片のサイズ及びマグネット表示片のレイアウトを設計する設計手段と、
該設計手段により設計された細部のマグネット表示板とマグネット表示片であり、入力された案内情報がマグネット表示片に表示され且つマグネット表示片がレイアウトされたマグネット表示板が前記実用距離で利用される大きさにてモニターに表示するレイアウト表示手段と、
レイアウト表示手段によりモニターに表示されたマグネット表示機構のコストを算出しモニターに表示するコスト表示手段と、
を備えたことを特徴とするマグネット表示機構のレイアウト表示装置を提供する。
【００１１】
請求項２記載の発明は、請求項１記載のマグネット表示機構のレイアウト表示装置を用いて、マグネット表示片がレイアウトされたマグネット表示板が実際の利用状態の大きさにて表示されたモニターを購入者が視認し、コスト表示手段により算出され表示されたコストにより購入者が購入の可否の判断をすることでマグネット表示機構を販売すること特徴とするマグネット表示機構の販売方法を提供する。
【発明の効果】
【００１２】
請求項１記載のマグネット表示機構のレイアウト表示装置は、シート状マグネットの多極着磁した面に任意の色彩又は模様を形成した装飾層を一体的に積層してマグネット表示板と成し、裏面をマグネット表示板と同一ピッチで着磁し、表面に案内情報を表示した被覆層を設けて成るマグネット表示片を、マグネット表示板に着脱自在に組み合わせたマグネット表示機構であって、
マグネット表示片の被覆層に表示する、例えば文字による案内情報と、該案内情報の表示形式、例えば、書体、文字の大きさ、文字間隔、文字の色等の表示形式と、着磁ピッチと、マグネット表示機構を利用する案内情報利用者とマグネット表示機構との実用距離とにより、マグネット表示片がレイアウトされたマグネット表示板が、実際の利用状態の大きさにてモニターに表示される。このため、購入者は購入するマグネット表示機構が考えているイメージ通りであるかどうか、表示された案内情報が実用距離で視認可能かどうか、モニター表示されたマグネット表示機構のコストが適当かどうかを事前に確認することができるという効果がある。
【００１３】
また、マグネット表示機構は上記のように多極着磁のマグネット表示板とマグネット表示片で構成されているため、単極で吸着しているものよりマグネット表示板とマグネット表示片の吸着力は大きく、またマグネット表示片は自己整列機能を有するため、例えマグネット表示機構の設置場所が交通事情等により振動が生じるような場所であっても購入初期から長期に亘って、マグネット表示片がずれたり傾いたりすることがなく、モニターに表示され且つイメージ通りであった案内情報の表示が保持されるという効果がある。また、本発明に係るマグネット表示機構は多極着磁であるため、マグネット表示板とマグネット表示片が分離されて配送されても、購入者は仕様書を確認しながらマグネット表示片をマグネット表示板の所定位置に正確に且つ手早く吸着させることができるという効果がある。
【００１４】
また、請求項２記載のマグネット表示機構の販売方法は、請求項１記載のマグネット表示機構のレイアウト表示装置を用いて、マグネット表示片がレイアウトされたマグネット表示板が、実際の利用状態の大きさにて表示されたモニターを購入者が視認し、コスト表示手段により算出され表示されたコストにより購入者が購入の可否の判断をすることでマグネット表示機構を販売することを特徴とするため、購入者は購入するマグネット表示機構が考えているイメージ通りであるかどうか、表示された案内情報が実用距離で視認可能かどうか、モニター表示されたマグネット表示機構のコストが適当かどうかを事前に確認することができるという効果がある。
【００１５】
また、マグネット表示機構は上記のように多極着磁のマグネット表示板とマグネット表示片で構成されているため、単極で吸着しているものよりマグネット表示板とマグネット表示片の吸着力は大きく、またマグネット表示片は自己整列機能を有するため、例えマグネット表示機構の設置場所が交通事情等により振動が生じるような場所であっても購入初期から長期に亘って、マグネット表示片がずれたり傾いたりすることがなく、モニターに表示され且つイメージ通りであった案内情報の表示が保持されるという効果がある。また、本発明に係るマグネット表示機構は多極着磁であるため、マグネット表示板とマグネット表示片が分離されて配送されても、購入者は仕様書を確認しながらマグネット表示片をマグネット表示板の所定位置に正確に且つ手早く吸着させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【００１６】
【図１】本発明に係るマグネット表示機構のレイアウト表示装置の機能ブロック図である。
【図２】本発明に係る多極着磁のマグネット表示機構における着磁の状態を示す分解斜視図である。
【図３】本発明に係る多極着磁のマグネット表示機構であってマグネット表示板とマグネット表示片とが吸着した状態を示す斜視図である。
【図４】本発明に係るマグネット表示機構のレイアウト表示装置の構成を示すブロック図である。
【図５】本発明のマグネット表示機構のレイアウト表示装置が実行する処理を示すフローチャートである。
【図６】本発明に係る多極着磁のマグネット表示機構に付される製造番号毎に記録保存される表示情報の例を示す状態図である。
【発明を実施するための形態】
【００１７】
次に本発明に係るマグネット表示機構のレイアウト表示装置及びこれを使用するマグネット表示機構の販売方法を実施するための形態について説明する。
【００１８】
まず、本発明に係る多極着磁のマグネット表示機構について図２及び図３に基づき説明する。
図２は、本発明に係る多極着磁のマグネット表示機構における着磁の状態を示す分解斜視図である。
本発明の多極着磁のマグネット表示機構は、マグネット表示板１と、該マグネット表示板１の所定位置に吸着させるマグネット表示片２とから成る。
【００１９】
マグネット表示板１は０．２５〜１．２ｍｍの厚みの磁性体からなる平板で、一定方向に（本実施例では横方向に）、本実施例では２．５ｍｍのピッチで直線状にＮ極とＳ極とを交互に着磁している。なお、着磁は本実施例のように直線状のほか、前記特許文献３のようにネット状の着磁であってもよいのはもちろんである。図２において横方向の１点鎖線は着磁状態を示していると共に、該１点鎖線の間隔は着磁された磁極のピッチを示している。１ａはマグネット表示板１の表面に形成した装飾層で、塩ビその他の合成樹脂シート又はクロスから成り、バリウムフェライト粉末等の磁性体を含有させる場合もある。本実施例においては装飾層１ａの下端に製造番号１ｂが付されている。
【００２０】
製造番号１ｂは、すべての多極着磁のマグネット表示機構に付される識別番号であり、該製造番号１ｂ毎に、図６に示すようにマグネット表示板１及びマグネット表示片２に多極着磁された着磁ピッチ及びマグネット表示片２の被覆層２ａに表示された案内情報の表示に係る表示形式、例えば、書体、文字の大きさ、文字間隔、文字の色、強調体か斜体か、といった表示形式に関する表示情報が別途記録保存される。したがって該識別番号１ｂが判れば、マグネット表示片２に着磁すべき着磁ピッチ及びマグネット表示片２の被覆層２ａに表示された案内情報の表示形式に関する表示情報、例えば、書体、文字の大きさ、文字間隔、文字の色、強調体か斜体か、といった表示情報が得られ、マグネット表示片２の注文を別途得た場合であっても、該製造番号１ｂだけで同じ表示形式で既存のマグネット表示板１に適合する同一の着磁ピッチのマグネット表示片２を製造することが出来る。
【００２１】
マグネット表示片２には、前記マグネット表示板１と同一ピッチで一定方向（本実施例では横方向）にＮ極とＳ極とが交互に着磁されている。図３においてマグネット表示片２に記載の１点鎖線は、着磁状態を示していると共に、該１点鎖線の間隔は着磁された磁極のピッチを示している。２ａは該マグネット表示片２の表面に形成した被覆層で塩ビその他の合成樹脂シートから成り、案内情報が表示される。Ｎ極とＳ極は本実施例では奇数本設けられ、全てのマグネット表示片２において最も上の磁極と最も下の磁極が同一磁極となるように形成されている。したがってマグネット表示板１に吸着させた際、マグネット表示片２とその上下に吸着されるマグネット表示片２は、着磁された１極の巾の間隔を持って吸着される。また、マグネット表示片２が吸着するマグネット表示板１には、ちょうどマグネット表示片２が吸着される位置でのマグネット表示片２の磁極と反対の磁極が交互に着磁されている。
【００２２】
なお、マグネット表示板１がネット状に着磁される場合は、マグネット表示片２も同一のピッチにてネット状に着磁する。
【００２３】
本発明は上記のように構成された多極着磁のマグネット表示機構のレイアウト表示装置及びこれを使用するマグネット表示機構の販売方法であって、以下のように実施する。
【００２４】
請求項１記載のマグネット表示機構のレイアウト表示装置１０は図４に示すように構成されていて、制御手段としてのＣＰＵ１１を備えている。ＣＰＵ１１には、ＣＰＵ１１の動作プログラム等を記憶しているＲＯＭ１２、ＣＰＵのワークエリアとなるＲＡＭ１３が接続されている。また、ＣＰＵ１１には、液晶等から成るモニター１４にデータを送出するための画面出力制御部１５、及びキーボード１６からの入力信号を受け取るための入出力装置（Ｉ／Ｏ）１７が接続されている。
【００２５】
キーボード１６からは、マグネット表示片２の被覆層２ａに表示する案内情報が横列の項目と縦列の項目別に入力され、該案内情報の表示形式、例えば、書体、文字の大きさ、文字の間隔、文字の色、強調体であるか、斜体であるか、といった表示形式が入力される。またマグネット表示板１及びマグネット表示片２に多極着磁されるＮ極とＳ極の着磁ピッチ、及びマグネット表示機構による案内情報を情報利用者が視認する際の情報利用者とマグネット表示機構との実用距離が入力される。
【００２６】
また、モニター１４の画面に表示されたマグネット表示機構が購入者の考えているイメージ通りであるか否か、マグネット表示片２に表示された案内情報が視認可能か否か、設計されたマグネット表示機構のコストが適当か否か、についてもキーボード１６から入力される。
【００２７】
着磁ピッチについてであるが、図２及び図３のように本実施例ではマグネット表示片２に着磁されるＮ極とＳ極の数は奇数であるので、マグネット表示片２同士の縦方向の吸着間隔は該着磁ピッチと同一となる。仮にマグネット表示片２に着磁されるＮ極とＳ極の数が本実施例と異なって偶数の場合は、マグネット表示片２同士の縦方向の吸着間隔はゼロとなって、マグネット表示片２は、隙間無くマグネット表示板１に吸着されることになる。しかし、この場合は上下に挟まれたマグネット表示片２が剥がしにくくなるため通常は、マグネット表示片２に形成される磁極の数は奇数である。本実施例では上記のように奇数であり、以下マグネット表示片２に形成される磁極の数は奇数であるとして説明する。
【００２８】
モニター１４には、入力された案内情報と、表示形式と、着磁ピッチとによりマグネット表示板１とマグネット表示片２のサイズ、及びマグネット表示片２のレイアウトを設計する設計手段により設計されたマグネット表示板１及びマグネット表示片２が、レイアウト表示手段によって、入力された案内情報をマグネット表示片２に表示し、該マグネット表示片２がマグネット表示板１にレイアウトされた状態にて、且つ前記実用距離で利用される大きさにて、モニター１４に表示される。また、該モニター１４に表示されたレイアウトが購入者の考えているイメージ通りであってマグネット表示片２に表示された案内情報が視認可能であるときは、コスト表示手段によってコストが算出されモニター１４に該コストが表示される。
【００２９】
図１は本発明に係るマグネット表示機構のレイアウト表示装置にかかる機能ブロック図である。マグネット表示機構のレイアウト表示装置１０は、表示情報入力手段２０と、設計手段３０と、レイアウト表示手段４０と、コスト表示手段５０と、を備えている
【００３０】
表示情報入力手段２０は、マグネット表示片２の被覆層２ａに表示する案内情報と、マグネット表示機構の購入者がマグネット表示片２の被覆層２ａに表示する案内情報の表示形式と、Ｎ極とＳ極の着磁ピッチと、マグネット表示機構による案内情報を情報利用者が視認する際の情報利用者とマグネット表示機構との実用距離、とを取得する機能を有している。
【００３１】
設計手段３０は、入力された表示情報によりマグネット表示板１とマグネット表示片２のサイズ、及びマグネット表示片２のレイアウトを設計する機能を有している。
【００３２】
レイアウト表示手段４０は、前記設計手段３０により設計されたサイズのマグネット表示板１とマグネット表示片２により、入力された案内情報がマグネット表示片２に表示され且つマグネット表示片２がレイアウトされたマグネット表示板１が前記実用距離で利用される大きさにてモニター１４に表示する機能を有している。
【００３３】
コスト表示手段５０は、前記レイアウト表示手段４０によりモニター１４に表示されたマグネット表示機構のコストを算出しモニター１４に表示する機能を有している。
【００３４】
次に本発明のマグネット表示機構のレイアウト表示装置１０が実行する処理を、図５に示したフローチャートに基づき説明する。
【００３５】
マグネット表示機構のレイアウト表示装置１０が起動されると、ＣＰＵ１１は入力手段から入力を取得するステップＳ１００のステップＳ１１０にて、購入者がマグネット表示機構で表示したい案内情報を、例えば、横列と縦列とに分けて取得し、次にステップＳ１２０にてマグネット表示機構と該マグネット表示機構に表示される情報を利用する情報利用者との実用距離を取得する。そしてステップＳ１３０にて購入者が考えている、マグネット表示片２の被覆層２ａに表示する案内情報の表示形式、例えば、書体、文字の大きさ、文字間隔、文字の色等の表示形式を取得する。次にステップＳ１４０にてマグネット表示板１及びマグネット表示片２に形成するＮ極とＳ極の磁極の巾である着磁ピッチの入力を受けて取得する。該着磁ピッチは本実施例ではマグネット表示片２に形成されるＮ極とＳ極の数は奇数であるため、マグネット表示片２同士の上下の間隔となる。
【００３６】
次に、上記の入力に係るステップＳ１００にて全ての入力がされたか否かをステップＳ２００にて判断し、すべての入力がされていないときにはステップＳ１００に戻る。すべての入力がされている場合は、ステップＳ３００に移行し、設計手段３０により設計されたマグネット表示板１とマグネット表示片２のレイアウトに基づきレイアウト表示手段４０によってモニター１４に該レイアウトが表示される。該レイアウトは入力された表示形式により案内情報が表示され且つマグネット表示板１にレイアウトされたマグネット表示板２が前記実用距離で利用される大きさにてモニター１４に表示される。
【００３７】
購入者は、モニター１４に表示されたレイアウトを見て、該マグネット表示機構が考えているイメージ通りであるかを判断し、その結果をステップＳ４００にて入力し、イメージ通りでない場合はステップＳ１００に戻り、再度各種情報を入力する。イメージ通りである場合はステップＳ５００に移行し、案内情報が視認可能かどうかを購入者が判断し入力する。視認不可能な場合はステップＳ１００に戻り再度各種情報を入力する。
【００３８】
案内情報が視認可能な場合はステップＳ６００に移行し、モニター１４に表示されたマグネット表示機構のコストがコスト表示手段５０によって算出され、モニター１４に当該コストが表示される。次にステップＳ７００に移行し、表示されたコストが購入者にとって適当であるかどうかを購入者が判断し入力する。コストが適当でない場合はステップＳ１００に戻り再度各種情報を入力する。コストが購入者にとって適当であれば終了となる。
【００３９】
請求項２記載のマグネット表示機構の販売方法では、上記マグネット表示機構のレイアウト表示装置１０をノートパソコンとして構成し、購入者である顧客との打合せをしながら、キーボード１６からステップＳ１００に係る上記各種情報を入力する。マグネット表示機構のレイアウト表示装置１０の動作手順は上記と同様であるので説明を省略するが、顧客はマグネット表示片２がレイアウトされたマグネット表示板１の状態を、モニター１４によって実際の利用状態の大きさにて視認することができ、該レイアウトが顧客のイメージ通りかどうか、及び案内情報が視認可能かどうかが確認でき、さらには表示されたコストにより購入の可否をその場で決定することができる。したがって打合せも図５のフローチャートに沿って行なうことができ、効率のよい営業を行なうことができるマグネット表示機構の販売方法である。
【符号の説明】
【００４０】
１ マグネット表示板
１ａ 装飾層
１ｂ 製造番号
２ マグネット表示片
２ａ 被覆層
１０ マグネット表示機構のレイアウト表示装置
１１ ＣＰＵ
１２ ＲＯＭ
１３ ＲＡＭ
１４ モニター
１５ 画面出力制御部
１６ キーボード
１７ Ｉ／Ｏ
２０ 表示情報入力手段
３０ 設計手段
４０ レイアウト表示手段
５０ コスト表示手段
【特許請求の範囲】
【請求項１】
シート状マグネットの多極着磁した面に任意の色彩又は模様を形成した装飾層を一体的に積層してマグネット表示板と成し、裏面をマグネット表示板と同一ピッチで着磁し、表面に案内情報を表示した被覆層を設けて成るマグネット表示片を、マグネット表示板に着脱自在に組み合わせたマグネット表示機構であって、
マグネット表示片の被覆層に表示する案内情報と、該案内情報の表示形式と、Ｎ極とＳ極の着磁ピッチと、マグネット表示機構による案内情報を情報利用者が視認する際の情報利用者とマグネット表示機構との実用距離、とを取得する表示情報入力手段と、
入力された表示情報により、マグネット表示板とマグネット表示片のサイズ及びマグネット表示片のレイアウトを設計する設計手段と、
該設計手段により設計された細部のマグネット表示板とマグネット表示片であり、入力された案内情報がマグネット表示片に表示され且つマグネット表示片がレイアウトされたマグネット表示板が前記実用距離で利用される大きさにてモニターに表示するレイアウト表示手段と、
レイアウト表示手段によりモニターに表示されたマグネット表示機構のコストを算出しモニターに表示するコスト表示手段と、
を備えたことを特徴とするマグネット表示機構のレイアウト表示装置。
【請求項２】
請求項１記載のマグネット表示機構のレイアウト表示装置を用いて、マグネット表示片がレイアウトされたマグネット表示板が実際の利用状態の大きさにて表示されたモニターを購入者が視認し、コスト表示手段により算出され表示されたコストにより購入者が購入の可否の判断をすることでマグネット表示機構を販売することを特徴とするマグネット表示機構の販売方法。
【請求項１】
シート状マグネットの多極着磁した面に任意の色彩又は模様を形成した装飾層を一体的に積層してマグネット表示板と成し、裏面をマグネット表示板と同一ピッチで着磁し、表面に案内情報を表示した被覆層を設けて成るマグネット表示片を、マグネット表示板に着脱自在に組み合わせたマグネット表示機構であって、
マグネット表示片の被覆層に表示する案内情報と、該案内情報の表示形式と、Ｎ極とＳ極の着磁ピッチと、マグネット表示機構による案内情報を情報利用者が視認する際の情報利用者とマグネット表示機構との実用距離、とを取得する表示情報入力手段と、
入力された表示情報により、マグネット表示板とマグネット表示片のサイズ及びマグネット表示片のレイアウトを設計する設計手段と、
該設計手段により設計された細部のマグネット表示板とマグネット表示片であり、入力された案内情報がマグネット表示片に表示され且つマグネット表示片がレイアウトされたマグネット表示板が前記実用距離で利用される大きさにてモニターに表示するレイアウト表示手段と、
レイアウト表示手段によりモニターに表示されたマグネット表示機構のコストを算出しモニターに表示するコスト表示手段と、
を備えたことを特徴とするマグネット表示機構のレイアウト表示装置。
【請求項２】
請求項１記載のマグネット表示機構のレイアウト表示装置を用いて、マグネット表示片がレイアウトされたマグネット表示板が実際の利用状態の大きさにて表示されたモニターを購入者が視認し、コスト表示手段により算出され表示されたコストにより購入者が購入の可否の判断をすることでマグネット表示機構を販売することを特徴とするマグネット表示機構の販売方法。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【公開番号】特開２０１２−１２３５８０（Ｐ２０１２−１２３５８０Ａ）
【公開日】平成２４年６月２８日（２０１２．６．２８）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−２７３０８８（Ｐ２０１０−２７３０８８）
【出願日】平成２２年１２月８日（２０１０．１２．８）
【出願人】（０００１１０８９３）ニチレイマグネット株式会社 (24)
【出願人】（０００２０１１９１）
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年６月２８日（２０１２．６．２８）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年１２月８日（２０１０．１２．８）
【出願人】（０００１１０８９３）ニチレイマグネット株式会社 (24)
【出願人】（０００２０１１９１）
【Ｆターム（参考）】
[ Back to top ]