マスカラの乾燥塗布のための組成物及び方法
【課題】乾燥又は固形マスカラ製剤を塗布する組成物及び方法等を提供する。多様な所望の色グラデーション、パターン又はデザインをまつげに付与可能とする。
【解決手段】実質的に乾燥したマスカラ製剤、マスカラ塗布組成物、及び前記製剤の塗布方法が開示されている。実質的に乾燥したマスカラ製剤は、担持基板表面に配されてよく、マスカラ及び基板をまつげと接触させることによりまつげへ塗布される。まつげへの製剤の塗布を補助する塗布ツールが任意に用いられてよい。
【解決手段】実質的に乾燥したマスカラ製剤、マスカラ塗布組成物、及び前記製剤の塗布方法が開示されている。実質的に乾燥したマスカラ製剤は、担持基板表面に配されてよく、マスカラ及び基板をまつげと接触させることによりまつげへ塗布される。まつげへの製剤の塗布を補助する塗布ツールが任意に用いられてよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、まつげ用の化粧料組成物及びまつげに該化粧料組成物を塗布する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のマスカラ製剤は、湿った又は湿潤した懸濁液であり、一般的に、濃厚でペースト状で、ブラシ又はくし形塗布器を用いる人のまつげに塗布されるものである。従来技術のマスカラ組成物は、望まれる製品特性に依存して、周囲条件においてニュートン又は非ニュートンとして特徴付けられる(偽塑性流体及びダイラタント流体を含める)。これらのマスカラ製剤は、扱い難くまた塗布が難しいことがある。このマスカラは、ブラシ塗布器に搭載され、その後、該マスカラをまつげに移行させるために、まつげに接触される。一般的に、この塗布プロセスは、所望の効果を達成するために複数回繰り返され又は念入りになされ、このプロセスは面倒で時間のかかるものであり、しばしば、突発的に、眼の中や瞼や改善が必要とされる顔の皮膚上へ、製品が付着してしまうことがある。適切な塗布の後、マスカラは、まつげ上で乾燥可能となる。乾燥又は矯正の間に、仮に、更なる改善につながるように接触したり、また時として製品を再塗布すれば、組成物がまつげから移行し得るであろう。
【0003】
この塗布方法は、着実な操作を必要とし、また顔や服といった他の部分がマスカラで汚れてしまわないよう、静止した環境で行われる必要がある。更に、眼にごく接近させる剛毛のブラシ塗布器を使うマスカラの塗布は、人がマスからを使うのを怖じ気づかせたり、ためらわせ得る。視力が弱い人々や視覚と手とを上手く協調できない人々は、マスカラ製品の使用に非常に苦労したり、製品の使用を控えたりしている。従来のマスカラ製品及び塗布方法の使用によって、パターンやデザイン等のまつげへの所望の視覚上の効果を付与することは、不可能又は非常に困難であった。したがって、これら問題を回避する、改善されたマスカラ製剤及びマスカラの塗布方法が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、まつげへ、乾燥又は固形マスカラ製剤を塗布するための組成物及び方法を提供する。本発明の目的は、即効的効果を付与する、まつげへの乾燥マスカラ製剤を塗布する改良された組成物及び方法を提供することである。本発明は、従来のマスカラ塗布製剤及び塗布技術における不利益を避ける単純で効果的な乾燥塗布技術を提供する。本発明の方法及び組成物によって、従来のマスカラ製剤や塗布方法では困難又は不可能であった、まつげへの塗布の多様なパターン又はデザインで、マスカラ塗布が可能となる。
【0005】
他の態様では、平面基板上に付着され、まつげと接触して製剤を塗布することにより、基板からまつげへと移行される乾燥マスカラ製剤が提供される。
【0006】
1態様においては、マスカラ製剤の担持体として機能する第1の基板材、乾燥マスカラ製剤、及び、マスカラ製剤のトップに配された第2の基板材からなるマスカラ塗布システムが提供される。
【0007】
まだ別の態様においては、支持フィルム、1以上の粘着剤、パターン形成されたインク層、及び移送フィルム層は、複数の任意層を含む重構造システムからなるマスカラ塗布システムが提供される。
【0008】
別の態様では、担持基板上に配された乾燥マスカラにまつげを接触させること、そして、マスカラをまつげへ移行させるため、マスカラ製剤又は基板へ、圧力、熱、光又はそれらの組み合わせを任意的に適用すること、からなる、まつげへの乾燥マスカラの塗布方法が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の好ましい態様について述べると、以下のようである。すなわち、
1.瞼の湾曲に形成された凹形状湾曲の端を少なくとも1つ有することにより、該端がまつげに対して配された場合には移送シートによる前記まつげの被覆が最大化される折り畳み可能な移送シートと、前記移送シートの1表面の少なくとも一部に配された固体又は半固体の化粧料組成物と、を含み、前記折り畳み可能な移送シートが、前記まつげを包み込むように折り畳み可能であるように形成され、これによって、折り畳まれた移送シート上に圧力を適用したときに、前記化粧料組成物がまつげへ移行され前記粘着剤によって保持されるように構成したことを特徴とする、マスカラ塗布器システムである。
2.前記移送シートが、紙である、又は、前記まつげを折り畳むのを促進するために、該シートにおける凡そ中央部にミシン目又は大体の折り目を有する、上記1に記載のマスカラ塗布器システムである。
3.前記化粧料組成物が、複数の化粧料マイクロドットを含む、上記1又は2に記載のマスカラ塗布器システムである。
4.前記化粧料マイクロドットが、約50ミクロンから約0.5ミリメートルの直径を有する、又は、傾斜した六角形状のパターンで配列された、上記1乃至3のいずれかに記載のマスカラ塗布器システムである。
5.前記化粧料組成物がカーボンブラックを含む、又は、透明である、上記1乃至4のいずれかに記載のマスカラ塗布器システムである。
6.前記化粧料組成物が、前記移送シート表面の色グラデーション又はパターンを有する、上記1乃至5のいずれかに記載のマスカラ塗布器システムである。
7.前記化粧料組成物が、リソグラフィ、フレキソ印刷、乾式電子写真方式印刷、レーザー印刷、剥離剤塗布、デジタル印刷、インクジェット印刷、及び、スクリーン印刷からなる群より選択される印刷プロセスによって、前記移送シートに塗布される、上記1乃至6のいずれかに記載のマスカラ塗布器システムである。
8.更に、使用時に前記移送シートからの前記化粧料組成物の分離を促進するために、前記移送シートに配された剥離塗布層を含む、上記1乃至7のいずれかに記載のマスカラ塗布器システムである。
9.前記剥離剤塗布層が、非粘性の単一のシリコーン又はシリコーン混合物を含む、上記1乃至8のいずれかに記載のマスカラ塗布器システムである。
10.更に、粘着層によって前記移送シート上にラミネートされ、使用前の前記化粧料組成物を保護するために前記化粧料組成物上を覆う支持シートを含み、該支持シートは、前記化粧料組成物及び前記粘着層を使用前に剥き出しにするために除去可能である、上記1乃至9のいずれかに記載のマスカラ塗布器システムである。
11.前記支持シートが、透明プラスチック材、又は、二軸配向ポリエチレンテレフタレートポリエステルフィルムを含む、上記10に記載のマスカラ塗布器システムである。12.前記粘着剤が、感圧粘着剤を含む、上記1乃至11のいずれかに記載のマスカラ塗布器システムである。
13.前記移送シートが、該製品が上手くまつげに塗布された場合にユーザーを変えるためのインジケーターを有する、上記1乃至12のいずれかに記載のマスカラ塗布器システムである。
14.前記インジケーターが、前記化粧料組成物とは逆の移送シート表面上の感圧インクからなる、上記1乃至13のいずれかに記載のマスカラ塗布器システムである。
15.(i)粘着組成物、及び、1の表面に配された乾燥した又は実質的に乾燥した化粧料組成物を有する基板を用意し、(ii)まつげに亘って基板を折り畳むことによって、前記まつげの少なくとも1部を前記粘着剤及び化粧料組成物と接触させ、(iii)前記化粧料組成物をまつげへ移行させるために、前記折り畳まれた基板の逆側に圧力をかける、ことを特徴とする、化粧料製品を塗布する方法である。
16.更に、前記化粧料組成物の移行を促進するため、該組成物を加熱することを含む、上記15に記載の方法である。
17.塗布器システムが、前記折り畳まれた基板の逆側に圧力を適用する前記ステップを実行するために用いられる、上記15又は16に記載の方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、所望のまつげの外観を得るため、容易にかつ効果的に、多様なパターン、デザイン、又は効果でまつげに塗布されるマスカラを提供することができる。また、複数のパターンやデザインを互いに重ね合わせることで、寸法的な効果を付与することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】塗布器の表面に亘って配されたまつげと一組のまつげに対して加圧されるアプリケーションツールを示し、化粧料組成物又は他の組成物が塗布器表面に存在する場合には、圧力を適用するとまつげへ転移可能である。達成可能な多様な非限定的な効果がまた、示されている。
【図2】乾燥マスカラ製剤の塗布のための1の可能なアプリケーションツールの1例を示す。
【図3】担持基板上に配される、多様な乾燥マスカラパターンを示す。
【図4】乾燥マスカラ製剤及び塗布方法によって達成可能な多様なマスカラ効果を示す。
【図5】乾燥マスカラ製剤及び塗布の方法により達成可能な、まつげの被覆及び特別な効果の範囲を示す。
【図6】グリッタ物質を含むマスカラを塗布したまつげを示す。
【図7】本発明におけるマスカラを付与する、単純な層構造の1態様を示す。
【図8】本発明におけるマスカラを付与するシステムの1態様を示す。
【図9】ドットの1の可能な形状についての、2つのスキャニング電子顕微鏡(SEM)スキャンを示す。右側のスキャンは、左側のスキャンのドットを拡大したものである。ドットは、直径で凡そ0.2mm(又は200ミクロンメートル)である。
【図10】製品が、支持シート及び移転シートと共に提供され、化粧料がこれら2つの層の間で挟まれ又は収容された、本発明による1態様を示す。前記支持シート及び移転シートは、反対方向に引っ張られ、これによって該支持シートは剥離され、除去することによって、複数のマイクロドットが形成された粘着層が剥き出しになる。まつげとの接触により、粘着剤がまつげに付着し、マイクロドットを付ける。前記移転シートはその後、前述のまつげに付着したマイクロドットを残しながら、まつげから剥離される。
【図11】少なくとも1の内表面に配された化粧料製品を含み折り畳まれたシートを含む、本発明による製品の1の実施を示す。該製品は、化粧品をまつげに移転させるのに充分な圧力が適用されたときを示す感圧インクを外表面上に含んでよい。
【図12】化粧料組成物が製品に塗布又は印刷される多様なパターンを示す。示されているように、六角形“ドット”の傾斜六角形パターンが、まつげへの最も効率的な移転を提供し、一方、ライン状の化粧料は、それより移転効率が悪い。
【図13】本発明による塗布装置の2つの態様を示す。態様“a”で、製品は、2つの剛性の板状メンバー間に形成された凹部に取り込まれ、それは、まぶたの輪郭に従って僅かな弓形形状を有していてよい。操作中ユーザーは、まつげに化粧料を移行させるのに必要な圧力を提供するため、プレートをくっつけるレバーに力を適用する。実施例“b”において、製品は、装置の端末側終端と、装置にスライド自在に配置された固形メンバーの端と、の間に形成された凹部に保持され、これによって、スライド自在なメンバーが、製品をかみ合い、まつげに化粧料を移行するのに充分な圧力を生成するべく、装置の端末端に移動される。
【図14】本発明の4つの態様を示し、そこで化粧料製品は、複数のマイクロドット、ラインI−Iに沿った色グラデーション、ラインI−Iに垂直の色グラデーション、及び、ラインI−Iに沿った複数ライン、として支持層に配されている。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明によれば、まつげに化粧料を塗布するための新しい組成物及び製品、および、まつげに前記組成物を塗布する方法が提供される。該製品は、まつげ(例えば、マスカラ)用の化粧料を含み、それは、実質的に固体形状で提供されるこのタイプの従来の化粧料とは異なる。本発明による組成物は、ピール及びスティック型の製品として消費者に届くであろう。かかる組成物は、粉末体、固体、半固体、又はそれらの組み合わせ、として用いられるが、従来のマスカラ製品のような粘性液体又はペーストではない。
【0013】
従来の製品から更に大きく異なる点として、本発明は、1以上の印刷法によって生成される。本発明では、実際上、いかなる寸法やデザインの印刷パターンとされてもよい。更に、本発明は、所望の効果を達成するため、単一ドットや組み合わせられた一組のドットからなってもよい、又は、単一ドットや組み合わせられた一組のドットとして顕わになってもよい。ドットの用語は、前述のこの点からは、一般的な記述的用語として用いられるが、ドットの用語は、可能な多種多様の形状を表すことができる。例えば、形状としては、限定はされないが、円状、三角形状、少なくとも2点からなる星形状、四角形状、長方形状、斜方6面状、5角形状、6角形状、8角形状、などが挙げられる。前記印刷プロセスとしては、限定はされないが、リソグラフィ、フレキソ印刷、乾式電子写真方式による印刷、又は、レーザー印刷、剥離剤塗布、デジタルプリント、インクジェットフォーマット、及び、輪転グラビア又はスクリーン印刷、などが挙げられる。本発明の組成物は、即時性がある、つまり、所望の効果を得るための巧みな操作や乾燥時間は不要であると考えられる。
【0014】
本発明による組成物及び方法は、例えば、後述のように達成されることができる。ここで図7を参照すると、本発明の製品の1態様が、単純な層構造として描写されている。本発明の化粧料製品は、粘着層が上に配された、支持フィルム又は保護層からなる。次の層は、前述の粘着層へ完全に組み込まれ又は埋め込まれた、着色剤又は印刷された画像でよく、また、最後の層は、好適な材質、例えば、紙、プラスチック、又はそれらの組み合わせ等からなる移送フィルムでよい。この構造において、前記支持層は、使用前の汚染又は時期尚早の乾燥から粘着剤を保護するために、使い捨ての基板としての機能を果たす。前記粘着剤は、まつげに着色剤又は印刷された画像を付着し、同様に、使用前に、化粧料組成物を支持面フィルム及び移送フィルムに付着させるのに用いられる。移送フィルムは、化粧料組成物を維持し、まつげへ組成物を塗布するための1種の塗布器として機能する。前記移送フィルムは、組成物が配され、付着メカニズムが始動された後、剥離される。前記化粧料組成物は、例えば、印刷や同種のいずれの好適な方法によって粘着剤/支持材に適用されてもよく、また、均一塗布によって提供されてもよく、パターンで配されてもよい。
【0015】
一般的に、前記支持フィルムは、粘着剤の保護シールドとして機能する。それは、粘着剤に対してある程度の親和性を有し、粘着剤は支持フィルムに付くが支持フィルムは容易に除去されるような材料を含む。前記移送フィルム又はシートは、使用前には、化粧料組成物の一面又は一部のアンカーとしての機能を果たす。また、粘着剤は、使用時に化粧料組成物をまつげに付けるために用いられ、一般的には、感圧接着剤であり、消費者によって効果が望まれる限り、まつげに化粧組成物を維持するために充分な持続性を提供する。
【0016】
前記製品は、一般的に、薄いプラスチック又は紙材料の支持フィルムも含み、好ましくは、使用前には化粧料組成物をカバーし保護する、クリアポリプロピレン又はMylar(登録商標)などの透明プラスチックである。前記支持フィルムは、実質的に前記組成物を破壊することなく、剥離によって除去可能であるべきである。前記被覆層は、支持層の周囲やコーナーに粘着によって又はそれ以外の好適な手段によって、所定位置に配されてよい。
【0017】
ここで図8を参照すると、本発明の製品の1態様が、より複雑な層構造として、より詳細に示されている。前記担持層又は保護非粘着層が、前記粘着層又は層構造に直接的に接触している。この担持層としては、例えば、二軸配向されたポリエチレンテレフタレートポリエステルフィルム(Mylar(登録商標))などの材料が挙げられる。前記担持とは逆に、前記粘着層と直接的に接触するには、着色剤又は印刷されたパターン層を保護するシーリング層であってもよい。ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、又はそれらの組み合わせを含む表面生成層、及び、第2のシーリング層は、パターン形成されたインク又は着色層を間に挟んでいる。これらのシーリング層は、乾燥オイル、樹脂及び溶媒から成るワニスでよい。次は、非粘着のシリコーン又はシリコーンの混合物からなり、組成物を、支持又は第2の担持体から離れて存在することを許容する、剥離塗布層である。任意のサイジング剤が、紙、プラスチック、又はそれらの組み合わせからなる支持又は第2の担持体の、剛性やテクスチャを変更するために採用されてよい。双方の担持体が、剥離用に設計されており、第1の担持体は、事実上保護用であり、除去された際には、まつげに組成物を固定する粘着剤を剥き出しにする。第2の担持体は、ある種の塗布器として機能し、前記組成物が、目標となる基板、この場合はまつげ、に固定された後、剥離される。
【0018】
まつげに組成物を塗布するために、ユーザーは、存在するのであれば、化粧料組成物を剥き出しにするために先ず製品から保護層を除去する。支持層は、その後、図2に示されたように、まつげのトップ及び/又はボトムに組成物が配されるように、まつげに亘って折り畳まれる。該支持層は、折り畳みを容易にするために、シートの中央部にミシン目が配され又は大ざっぱに折り畳まれている。前記組成物は、好ましくは、圧力の適用によって、具体的には、指や折り畳まれた製品を受けるのに用いられる特別な装置で折り畳まれた支持層を圧搾する等によって、支持層からそこに接触するまつげに移行される。任意的に、支持層、アプリケーションツール、又は組成物それ自体は、ユーザーに適切な配置のための適切な状態がいつ達成されるかに関し警告するインジケーターを含んでもよい。前記インジケーターは、それ自体、視覚又は触覚モードで明らかにされてよい。前記移行は、熱の適用により改良されることができ、それは、支持層やその同様のものから組成物を取り除き、まつげにそれを移送するのに必要であるとされる、熱を適用することによって改良されることができる。前記製品は、ヘアドライヤーやその同様のもの、又は、塗布の間、支持材料の加熱に用いられる特別な装置を用いて予熱されることができる。前記支持材料は、その後、加圧を解かれてまつげから取り除かれる。任意的に、前記製品又はまつげは、除去し易くするように湿らせられていてもよい。
【0019】
本明細書に示された発明は、従来のマスカラ製剤及び塗布技術の不利益を、新たな塗布の乾燥移行方法を用いて乾燥マスカラ製剤をまつげに塗布することによって避けている。本明細書に開示された、前記乾燥マスカラ塗布方法は、まつげをブラッシングすることによって湿性の又は湿潤したマスカラ製剤を塗布する従来の塗布器の使用を含まない。更に、本発明は、従来のマスカラでは困難又は不可能な、広く多様な審美的効果(パターン、デザイン、等)の達成を可能とする。
【0020】
前記粘着剤はまた、化粧料組成物又は組成物上に噴霧された組み合わせに注入され、又はその一部を構成してもよく、同様に、該組成物に注入され又はその組成物の一部を構成してもよい。
【0021】
図1を参照すると、本発明の製品の1態様が、その下方部に亘って重ね合わせされてまつげと共に示されている。支持層の形状としては、実質的に何ら制限はないが、少なくとも1つのエッジが、好ましくは凹形の曲率を有し、図1に示したように、実質的に瞼の曲率とマッチしていることにより、該製品がまつげに対して配された場合に、最大の被覆が得られることである。製品の逆側のエッジは、製品がまつげを包み込むように折られた場合に、まつげのトップ及びボトムの各々が最大被覆を得るように、同様に構成されていてよい。
【0022】
前記支持層は、破損することなく折り畳まれるいずれの好適な材質からなってもよく、ポリプロピレン、アセテート、ポリスチレン、又は、紙、が挙げられるが、これらには限定されない。目下好ましい態様において、前記支持層は透明で柔軟な材質である。
【0023】
前記支持層は、化粧料組成物の粘着性を向上するために、粘着層に塗布又はラミネートされていてよい。化粧用又は医療用に好適な、いかなる粘着層も好適に使用することができる。粘着剤としては、特に限定はされないが、シリコーン粘着剤、天然ゴム粘着剤、スチレン/ブタジエンラテックス系粘着剤、ブチルゴム及びポリイソブチレン粘着剤、アクリル系粘着剤、ビニルエーテル粘着剤、のり、生体粘着剤、熱可塑性粘着剤、熱硬化性粘着剤、エラストマー、反応性粘着剤、及びこれらと同様のものが挙げられる。前記粘着剤としては、例えば、感圧粘着剤、具体的には、熱又は紫外線で硬化可能なポリメリック材料などが挙げられるが、これらには限定されない。ゴム系粘着剤は、米国特許第3,289,478号明細書に開示されたものを含み、その開示はここに参照することにより組み込まれる。アクリル系粘着剤は、米国特許第3,008,850号明細書及び米国特許第3,924,044号明細書に開示されたものを含み、その開示は、ここに参照することにより組み込まれる。前記粘着剤は、更に、粘着特性を調製するために、粘着性付与剤を含んでもよい。アクリル系感圧粘着剤は、商品指定で3M9472ラミネート粘着剤である、3Mから入手可能なアクリル系感圧粘着剤を含む。
【0024】
前記粘着剤は、支持層の表面に亘って均一に塗布され、又は、パターン又はデザインで支持層上に印刷され、これによって、化粧料製品が支持層上に配された場合に、大部分は粘着剤に付着し、したがって粘着剤の印刷されたパターンを転写する。このようにして、広く亘って多様な審美的効果が達成される。
【0025】
本発明の製品でキーとなる要素は、実質的に乾燥した形態で支持層上に提供された化粧料組成物である。該化粧料組成物は、特に、マスカラは、仕上がりの化粧料製品が実質的に乾燥するよう、天然材料及び/又は適用量が選択されるという条件で、従来化粧料製品に含まれていたいずれの材料を含んでいてもよい。したがって、前記化粧料組成物としては、着色剤(顔料、レーク、染色、及びインク)、真珠光沢剤、光沢剤、フィラー、フィルム形成剤、皮膚軟化剤、保湿剤、表面活性剤、油、溶媒、増粘剤、構造化剤、粘度調整剤、及び同様のものが挙げられる。
【0026】
前記乾燥化粧料組成物は、付着性の(バインダー)成分を含んでもよく、それは乾燥マスカラ製剤の基板からまつげへの移行を促進し、化粧料組成物をまつげに固定する。好適な粘着性成分としては、溶媒、油、粘着剤、ワックス、樹脂又はその他の材料であって、乾燥マスカラ製剤に対して粘性を付与する他の材料が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0027】
本発明の化粧料製品の生成で用いられる溶媒は、揮発性物質又は不揮発性物質のいずれでもよい。かかる溶媒は、最終製品の残留容量にて存在するが、全組成物は、乾燥又は固体の形態であることを言及すべきである。つまり、溶媒は、最終製品の形態において、周囲の条件下で流入可能ではないであろう。揮発性溶媒としては、例えば、炭化水素溶媒、アルコール及びシリコーン溶媒などの有機溶媒が挙げられるが、これらに限定されるものではない。特に、例えば、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、及び、揮発性の直鎖ジメチルポリシロキサン等のシクロメチコン等が記述される。不揮発性のシリコーンオイルとしては、水溶性の及び水不溶性の双方が好適であると考えられる。好適な不揮発性油としては、例えば、ジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、フェニルトリメチコン、ジフェニルジメチコン等の高分子シリコーンが挙げられる。好適な水不溶性のシリコーンとしては、例えば、アモジメチコン等のアミノシリコーン、ビスフェニルヘキサメチコン、フェニルトリメチコン、又はポリフェニルメチルシロキサン等のフェニル置換シリコーン、アルキル置換ジメチコン、又はそれらの組み合わせなどが挙げられる。他の溶媒又は媒剤としては、特に限定されないが、水、低級アルコール、脂肪アルコール、脂肪エーテル、脂肪エステル、イソドデカン、ポリオール、グリコール、リポソーム、層流脂質材、又はそれらのいずれの組み合わせも含む。ポリブチレン及びポリイソブテンもまた有用であると考えられる。含有される場合、溶媒又は媒剤は一般的に、前記乾燥化粧料組成物において、重量で、約0.001%から約20%まで含み、好適には、重量で約0.01%から約10%まで含み、より好適には、重量で約0.01%から約5%まで又は0.1%から約1%まで含む。幾つかの態様において、前記化粧料組成物は、実質的に無溶媒であり、つまり、それらは重量で約1%未満の溶媒を含み、好適には、重量で0.5%の溶媒を含むということである。
【0028】
ワックスが、バインダーとして又は前記組成物に構造を付与するために、該組成物に用いられてもよい。乾燥化粧料製剤において用いられるワックスとしては、動物性ワックス、植物性ワックス、鉱物ワックス、多様な天然ワックスの一部、合成ワックス、石油ワックス、エチレンポリマー炭化水素ワックス、例えば、Fischer−Tropschワックス、シリコーンワックス、及びそれらの混合物等、が挙げられる。特に、乾燥マスカラ製剤で用いられるワックスとしては、特に限定はされないが、みつろう、カルナバワックス、キャンデリラワックス、パラフィンワックス、ラノリンワックス、シェラックワックス(動物ワックス)、ベイベリーワックス(植物性ワックス)、地ろうワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタライトワックス(石油ワックス)、ポリエチレン、Fischer−Tropschワックス、アルキルメチコン(シリコーンワックス)、セレシンワックス、ブランワックス、ライスワックス、及びホホバワックス、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0029】
合成ワックスはまた、例えば、PEG−18、PEG−20、PEG−32、PEG−75、PEG−90、PEG−100、及び、PEG−180等で、商標名カーボワックス(Carbowax(登録商標)(ダウケミカル社)として販売されているものなどを含む。分子量の範囲が950〜1050で約38℃の融点を有するカーボワックス(Carbowax)1000、分子量の範囲が約1305〜1595で約56℃の融点を有するカーボワックス(Carbowax)1450、分子量の範囲が3015〜3685で約56℃の融点を有するカーボワックス(Carbowax)3350、及び、分子量の範囲が7000〜9000で約61℃の融点を有するカーボワックス(Carbowax)8000が言及される。例えば、ロジン酸エステル、水添ロジン酸エステル、ポリアミド樹脂、ゴム、及びラテックスなどの、天然又は合成の樹脂又は樹脂派生物が、ワックス様の材料として好適であると考えられる。
【0030】
ワックスは、一般的に必須ではないが、含有される場合、前記化粧料組成物において、重量で、約0.001%から約90%まで含んでよい。より一般的には、ワックスは、前記化粧料組成物において、重量で、約0.001%から約50%まで含み又は約0.001%から約20%まで含む。
【0031】
ポリマー、コポリマー、又は、ターポリマーはまた、前記化粧料組成物において、バインダー又はフィルム形成剤として用いられてもよい。用いられるポリマー、コポリマー又はターポリマーとしては、水溶性でも水不溶性ポリマーでもよく、また天然でも合成でもよい。
【0032】
特定のポリマーの具体例としては、水添ポリシクロペンタジエン、ラテックス系ポリマー又はコポリマー、ジエチルフタノール、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリジアルキルシロキサンポリマー、エチレン/プロピレンコポリマー、PVP/エイコセンコポリマー、アルキルアクリレート、(メソ)アクリレート、アクリル系(メソ)アクリル酸、又は、アクリルアミド又は(メソ)アクリルアミドポリマー又はコポリマーを含むポリカルボン酸系ポリマー、ポリビニルエステル、ポリビニルアルコール、ポリエチレン酸化物又はポリプロピレン酸化物等のオレフィン酸化物ポリマー、ポリイソブチレン、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリビニルクロリド、ポリクロロプレン、ポリアクリロニトリル、イミドポリマー、ウレタン、又はポリウレタン、ナイロンポリマー、ポリスチレン、ポリテルペン及びそれらのコポリマー等が挙げられる。天然ポリマーは、セルロース派生物、アルギン及びその派生物、スターチ及びその派生物、グアー及びその派生物及びシェラックポリマーを含む。前記ポリマーは、前記乾燥化粧料組成物において、重量で約0.1%から約50%含まれ、より一般的には、重量で約1%から約10%含まれる。
【0033】
前記化粧料組成物は、実質的に耐水性のフィルム剤を含んでもよい。このような耐水性のフィルムを形成するポリマーの一つとしては、商標名Ganex(登録商標)V−220(ISPで記述)として販売されている、ビニルピロリドン/エイコセンコポリマーが挙げられる。他の耐水性フィルム剤としては、ポリオレフィン、ポリビニルピロリドンポリマー及びコポリマー、ポリエチレン、ポリアルキル、ポリスチレン、トリグリセライド、エポキシ樹脂、シェラック及びそれらのいかなる組み合わせをも含む。
【0034】
前記組成物は、また、水溶性又は水分散性のフィルム剤を含んでもよい。これらとしては、特に限定はないが、商標名でGANEX P−904(ISPにより流通)として商業上入手可能なブチル化PVP、GANTREX S−97−BF(ISPにより流通)として入手可能な2−ブテン酸、AQ−55S(イーストマン)として商業上入手可能な、ジグリコール/CHDM(シクロヘキサンジメタノール)/イソフタレート/SIP(スルフォイソフタレート)コポリマー、アクリル系コポリマーエマルジョン(例えば、COVACRIL A15及びCOVACRIL E14、LCWにより販売)、水中のアクリレート/アンモニウム メタクリレートコポリマー(例えば、ULTRASOL 2000C、Presperseにより販売)、変性スターチ(例えば、PURE COAT B793、Grain Processingによって販売)、スルホン化ポリスチレン(例えば、FLEXAN II、National Starchによって販売)、アクリレート/C12−22アルキルメタクリレートコポリマー(例えば、ALLIANZ OPT、ISPによって販売)、エチレンカルボキシアミド/アクリロミドメチルプロパンスルホン酸/メタクリック酸(例えば、ACUDYNE SCP、Rohm及びHassにより販売)、アクリレート/エチルヘキシル アクリレートコポリマー(例えば、DAITASOL SJ、大東化成工業株式会社により販売)又はそれらのいかなる組み合わせをも含む。
【0035】
また、水吸収性又は超吸収性のポリマーが、前記組成物に含有されていてもよい。前記水吸収性ポリマーは、水と接触して用いられた際、膨潤効果を発揮し、これにより、効果的にまつげのボリュームを出す効果を付与するために用いられる。これらのポリマーが含有される場合、まつげのボリュームを出す方法は、ここに示されたようにまつげへ組成物を塗布する第1ステップ、及び、続いてまつげを湿潤させる第2ステップを含む。水吸収性ポリマーは、部分的に架橋された中和ポリ(アクリル酸)、ポリアクリルラミネート、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(ビニルアルコール)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、又はこれらのいかなる組み合わせをも含む。他の好適な水吸収性ポリマーは、例えば、アクリル酸ナトリウム(例えば、AQUA KEEP、Kobo Products Inc.によって販売)、及び、アクリルアミド/ナトリウム アクリレートコポリマー(例えば、WATER LOCK
Gシリーズ及びWATER LOCK Aシリーズ、Grain Processing Corpにより販売)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0036】
陽イオンの重合によるフィルム剤はまた、有用であると考えられる。商標名がSALCARE(登録商標)Super7(Chiba Specialty Chemicals,Incにより登録)で販売されているアクリルアミド/ジメチルジアルキルアンモニウムクロライドコポリマーの第四アンモニウム塩である、陽イオンポリマーフィルム−形成ポリクオータ二ウム7が言及される。他の好適な陽イオンポリマーとしては、ポリクオータ二ウム4、ポリクオータ二ウム5、ポリクオータ二ウム6、ポリクオータ二ウム7、ポリクオータ二ウム10、ポリクオータ二ウム22、ポリクオータ二ウム37、ポリクオータ二ウム47、又はそれらのいずれの組み合わせも挙げられるが、これらには限定されない。
【0037】
前記組成物はまた、耐油フィルム剤を含む。好適な耐油フィルム剤としては、アクリル系(アクリレート)、ポリアクリレート、アクリルアミドポリマー及びコポリマー、及びそれらの第四塩、ウレタン、ポリウレタン、ポリエステル、多糖、ポリアミド、ポリオール、ポリエーテル、セルロース、プロテイン、ポリアミノ酸、ロジン派生のエステル、ラテックス、又はそれらのいかなる組み合わせをも含むが、これらに限定されるものではない。
【0038】
シリコーン樹脂は、前記組成物において、バインダーとして又はフィルム剤として含まれていてもよい。特に有用であると考えられるシリコーン樹脂の1種としては、シロキシ単位(例えば、T−resin)のターシャリー結合を有するシリコーン樹脂が挙げられる。かかるシリコーンT−resinは、アルキル及び/又はアリルシロキシグループを含み、樹脂の屈折率を増加させるためには、フェニルシロキシグループが好適である。かかる樹脂の具体例としては、メチルフェニルシルセスキオキサン又はポリフェニルシルセスキオキサンが挙げられる。他の好適なシリコーンT−resinとしては、特に限定されないが、米国特許出願公開第2004/0180011号明細書に示された、C2−20アルキルフェニルシルセスキオサン樹脂が挙げられ、その開示は、参照することにより本明細書に含まれる。プロピルフェニルシルセスキオサン樹脂(Wacker Belsil(登録商標)SPR 45VP、Wacker Chemical Adrian,Michより入手可能)が特に有用であると考えられる。このポリマーは、82℃の液体で測定すると1.55の屈折率を有し、25℃のフィルムで測定すると1.57の屈折率を有する。例えば、1.47より大きい高屈折率樹脂を用いることにより、まつげに優れた光沢が付与される。
【0039】
可塑剤がまた、前記組成物において含まれてもよい。好適な可塑剤としては、特に限定はされないが、クリコール及びクリコール派生物(エーテル及びエステル)、酸エステル、例えば、クエン酸、フタル酸エステル、アジピン酸塩、カーボネート、酒石酸塩、フォスフェート及びセバシン酸等、及び、オキシエチル化油(例えば、カストリウム油及びシリコーン油)等のオキシエチル化派生物が挙げられる。
【0040】
他の粘度変性剤又はゲル化剤が、前記乾燥マスカラ製剤において用いられることができる。これらは、ベントン(bentone)、トリグリセライド、ステアリン酸アルミニウム、C18−C36酸グリコールエステル、ステアリン酸グリセリル、グリセリルトリベヘネート、及び同様のものを含む。固体ゲル化剤としては、脂肪酸ゲル化剤、エステル及び脂肪酸ゲル化剤アミド、ヒドロキシ酸、ヒドロキシ脂肪酸、及びアミドゲル化剤の他の種類などが好適であると考えられるが、これらに限定されるものではない。特に、エステル末端化ポリ(エステル−アミド)ゲル化剤が言及される。他の粘度変性剤又はゲル化剤としては、例えば、アルギン酸、カーボマー、セルロース、ガム、カラギーナン、スターチ、又はシリケー及び同様のものが含まれる。
【0041】
本発明の前記組成物は、一般的に、1以上の着色剤を含む。好適な着色剤としては、顔料、レーキ、染料、及びインクが本技術分野では周知であり、C.T.F.A.Cosmetic Ingredient Handbook 第1版、1988において開示され、その開示は、参照することによりここに含まれる。有機顔料としては、例えば、D&C赤、2、5、6、7、10、11、12、13、30及び34番、D&C黄色5番、FD&C青色1番及び紫色2番を含む、炭素顔料、FD&C染料、及びD&C染料が含まれる。他の着色剤としては、FD&C赤色9番、FD&C赤色40番(Allura赤色AC)、FD&C赤色19番、FD&C赤色9番、FD&C赤色21番、FD&C赤色27番、FD&C赤色13番、FD&C赤色7番、FD&C赤色6番、FD&C赤色30番、FD&C赤色36番、FD&Cオレンジ4番、FD&Cオレンジ5番、FD&Cオレンジ10番、FD&C黄色5番、FD&C黄色6番、FD&Cグリーン5番及びそれらの混合物を含む。典型的な無機着色顔料としては、特に限定されないが、マグネシウム酸化物、マグネシウム水酸化物、カルシウム酸化物、カルシウム水酸化物、アルミニウム酸化物、アルミニウム水酸化物、鉄酸化物(α−Fe2O3、y−Fe2O3、Fe3O4、FeO)、赤色鉄酸化物、黄色鉄酸化物、黒色鉄酸化物、鉄水酸化物、チタン二酸化物、チタン低級酸化物、ジルコニア酸化物、クロム酸化物、クロム水酸化物、マンガン酸化物、コバルト酸化物、セリウム酸化物、ニッケル酸化物、及び、亜鉛酸化物等の金属酸化物及び金属水酸化物、及び、例えば、鉄チタネート、コバルトチタネート、及びコバルトアルミネート等の合成酸化物及び合成水酸化物が挙げられる。他の好適な着色剤としては、ウルトラマリンブルー(例えば、硫黄含有のナトリウムアルミニウムケイ酸塩)、プルシアンブルー、マンガンバイオレット、ビスマスオキシクロライド、タルク、マイカ、セリシン、マグネシウムカーボネート、カルシウムカーボネート、マグネシウムケイ酸塩、アルミニウムマグネシウムケイ酸塩、シリカ、チタン酸塩化雲母(titanated mica)、鉄酸化チタン酸塩化雲母(iron titanated mica)、ビスマスオキシクロライド、及びこれらと同様のものが挙げられる。
【0042】
前記着色剤は、例えば、米国特許第6,471,950号明細書、米国特許第5,482,547号明細書及び米国特許第4,832,944号明細書に開示されたように、1以上の着色剤の特性を調整するために、フルオロポリマー等で表面変性されていてもよい。これらの特許における開示内容は、参照することにここに組み込まれる。前記顔料及び/又はフィラーは、米国特許第6,315,990号明細書に開示されたような、耐水及び/又は耐油性を改良させるため、フルオロシランを塗布されてもよく、その開示は、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0043】
前記着色剤は、所望の効果を付与させるのに必要ないずれの量でも含有されてよい。可能な着色剤の含有量としては、前記組成物の重量で、約0.001%から約95%の範囲であり、より一般的には、前記組成物の重量で約0.001%から約50%、又は、約0.01%から約25%である。他の態様においては、化粧料組成物は透明で、着色剤を含有していない。
【0044】
前記組成物はまた、高分子鎖上にグラフトされた発色団を含む着色ポリマーや、着色モノマーを含むコポリマーを含んでもよい。好適なポリマー着色剤としては、これらに限定されるものではないが、米国特許第4,804,719号、米国特許第4,999,418号、米国特許第5,030,708号、米国特許第5,032,670号、米国特許第5,043,376号、米国特許第5,102,980号、米国特許第5,106,942号、米国特許第5,194,463号の各明細書に開示された着色剤が挙げられ、これらの開示は、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0045】
真珠光沢剤を、前記組成物中に、該塑性物の総重量基準で約0重量%から約50重量%含有させてもよい。好適な真珠光沢剤としては、チタン酸化物、鉄酸化物、天然顔料、又は、例えば、着色されたチタンマイカ等のビスマスオキシクロライドで被覆されたマイカ、等が挙げられる。好適な真珠光沢剤としては、限定はされないが、ビスマスオキシクロライド、グアニン、及び、チタン合成材料、例えば、米国特許第5,340,569号明細書に開示されたような、チタン成分、チタン二酸化物、チタン酸低級酸化物又はチタン酸窒化物、等が挙げられ、これらの開示内容は参照することにより本明細書に組み込まれる。好適には、前記真珠光沢剤は、前記組成物の総重量基準で、約1重量%から約20重量%含有されることである。
【0046】
幾つかの態様においては、特異な視覚効果を発揮させるために、前記組成物に、光沢剤(グリッター)を含有するのが望ましい。かかる光沢剤についての、非限定的な具体例としては、被覆/処理されたポリエチレンテレフタレート及びチタン酸二酸化物被覆マイカが挙げられる。かかる被覆/処理されたポリエチレンテレフタレートは、商標名0.008” square Dark Gold poly*flakeでありGlitterex Corp.より入手される。チタン二酸物被覆マイカの、非限定的な具体例としては、商標名Flonac ME 10Cであり、Presperse Inc.から入手される。光沢剤として有用な他の材料としては、例えば、アルミニウム、銅、銀、金、及び真鍮等の金属粒子、透明又は着色粒子、例えばポリ(エチレン、テレフタレート)、ポリメタクリレート、及びポリ(ビニルブチラル)等の固体有機材料、例えばアルミニウム被覆ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム等の金属被覆フィルム又は紙の粒子、等が2〜3の例として挙げられる。
【0047】
米国特許出願公開第2004/0076650号明細書に開示されたように、干渉ゴニオクロマティック顔料は、玉虫色を付与するためにまた含有されてもよく、その開示は、参照することに本明細書に組み込まれる。かかる顔料は、商標名でSuch Infinite Colors(Shiseido)、Sicopearl Fantastico(BASF)、Colorstream(Merck)、Colorstream(Merck)、Colorglitter(3M)及びChromaflair(Flex)として商業的に入手可能である。米国特許第5,472,798号明細書に開示されたように、干渉ファイバーがまた含有されてもよく、その開示内容は、参照することに本明細書に組み込まれる。まつげに所望の視覚効果を与える他の成分が、含有されていてよい。
【0048】
前記乾燥化粧品製剤はまた、任意的に、フィラーを含有していてもよい。“フィラー”の用語は、無色又は白色の、無機の又は合成の、薄板状の又は非薄板状粒子として理解されるべきである。フィラーとしては、シリカ、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、アルミナ、硫酸バリウム、タルク、ステアリン酸亜鉛、マイカ、カオリン、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、テフロン、スターチ、窒化ホウ素、又は同様のもの等が挙げられる。フィラーの重量濃度としては、約1%から約50%、約1%から約20%、又は、約1%から約10%でもよい。好適なフィラーとしては、また、例えば、EXPANCEL(Nobel Industries)、POLYTRAP(Dow Corning)及びシリコーン樹脂微粒子(東芝製 TOSPEARL)等のコポリマー微粒子が挙げられる。
【0049】
本発明の前記組成物は、任意的に、まつげの濃さ及び長さを増加させるような、まつげ量を向上させることを目的として、多数の分散繊維を含んでいてもよい。前記繊維としては、化粧業界で知られているいずれの種類の繊維でもよく、また天然でも合成でもよい。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、又はナイロン等の熱可塑性繊維が好適である。
【0050】
更に、前記組成物は、調整剤及び軟化剤/保湿剤を含有してもよい。調整剤としては、限定はされないが、例えば、藻類抽出物、小麦アミノ酸、小麦プロテイン、加水分解植物プロテイン及び派生物、ケラチンアミノ酸、セラムプロテイン、酵母抽出物、加水分解ムコ多糖体、加水分解動物プロテイン、キトサン、フィタントリオール、加水分解コーンプロテイン、加水分解大豆プロテイン、加水分解ミルク、シルクアミノ酸、及びそれらの混合物等が挙げられる。本発明の組成物に含有可能な軟化剤/保湿剤油としては、特に限定はされないが、例えば、ホホバ油、ラノリン油、ココナツ油、パームカーネル油、グレープシード油、月見草油、ごま油、ヒマシ油、メドフォームシード油、エミュー油、ジメチコーンコポリオールメドフォーム、小麦胚芽油、マカダミアナッツ油、アボガド油、及びそれらの混合物が挙げられる。他の軟化剤としては、セテアリルオクタノエート、オクチルパルミテート、ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、グリセルモノステアリン酸、ペトロラタム、トリカプリルグリセリル、トリカプリン酸グリセリル、シアバター、及びシリコーンオイル等が挙げられる。
【0051】
前記組成物としては、更に、麻酔剤、抗アレルギー剤、抗真菌剤、抗炎症剤、抗菌剤、防腐剤、キレート剤、軟化剤、乳化剤、芳香剤、保湿剤、潤滑剤、マスキング剤、活性薬剤、保湿剤、PH調整剤、保存剤、保護剤、潤滑剤、安定剤、日焼け防止剤、界面活性剤、増粘剤、粘度調整剤、ビタミン、顔料、生物活性剤、及びそれらのいずれの組み合わせからなる群から選択される1以上の追加の成分が挙げられる。
【0052】
ここで、好適な態様において、前記化粧料組成物は、アクリルエステル酸エステル系の水分散ポリマーである、Acronal V215(BASF)、フェノール樹脂及びDowanolに溶解されたセルロース派生物を含有するインク、及び/又は、アクリル溶剤中の顔料/染料からなるインク、水に溶解したビニル&セルロース派生物、及び、任意的に着色剤としてのカーボンブラック、を含有する。
【0053】
前記化粧料組成物は、好適手段であれば、いずれの手段によって支持層に塗布されてもよく、化粧品“試供品(samplers)”を作成するのに採用される、従来の方法も含まれる。例えば、バルクな薄いフィルムアプリケーション技術、具体的には、米国特許第6,691,872号に開示されたような押し出し又は噴霧技術は、化粧品の試供品を作成するために用いられてきた。ここで、その開示内容は、参照することに本明細書に組み込まれる。かかる技術は、化粧料組成物が、支持層の表面に亘って均一に分配されることを可能とする。加えて、本発明は、工業用印刷プロセスによって、また、例えば、特に限定はないが、Redd Europe、Main Titles、及びLetraSet等の工業用プリンター、又は、例えば、とりわけMactac,Scapa Group Plc,Adhesives Research Ltd及びTape Specialties等の医療用付着及びテープ製造業者によって、生成されてもよい。
【0054】
他の態様においては、前記化粧料組成物は、支持層上に印刷される。基板上へ化粧料を印刷する方法はまた、例えば、米国特許第5,192,386号明細書に開示されたように、一般的によく知られており、その開示内容は、参照することにより本明細書に組み込まれる。印刷プロセスによって、化粧料組成物が、所望量及びパターンで基板上に精確に配される。更に、印刷プロセスによって、製品は、まつげに塗布された場合に、特有の効果を付与すべく、2以上の異なる色の化粧品によって印刷されていてもよい。
【0055】
加えて、パターンが、互いに、又は、前述した形状ライン又は他の形状と混合やマッチしていてもよい。このような組み合わせは、同一シートの逆側での単一塗布事象で、又は、連続塗布される2以上の単一事象で、適用される。例えば、第1塗布では、まつげ上に円を配することができ、その後次の塗布では、完全な線、破線、又は第1塗布とは異なる形状又は一組の形状を配することができる。
【0056】
図1を参照すると、得られる効果の種類に関する非限定的な実施例が示されている。1の第1態様において、製品は、色マスカラの均一塗布を含み、それによって、まつげに塗布された場合、該色マスカラは、相対的に同じ方法でまつげへ移行し、従来のマスカラ製品に匹敵する外観を与えることができる。前記マスカラ組成物は、まつげのトップ側、まつげの下側、又は双方に塗布されることができる。
【0057】
図1及び14はまた、例えば、支持層上へ2以上の色を印刷することにより、得られる所定のグラフィック効果を示す。本態様による多くの異なる変異形の中でも特筆すべきなのは、着色顔料が支持層に塗布され、これによって、化粧料組成物がまつげに移行された場合に、まつげ上に色グラデーションが形成されることである。前記色グラデーションは、支持層の長軸(つまりラインI−I)に沿って適用されてよく、これにより、色グラデーションは、各まつげの根本からまつげの端へと形成され、又は、色グラデーションは、支持層に亘って左から右へと形成されてよく(つまり、ラインラインI−Iと垂直)、これによりまつげに亘って左から右へと色グラデーションが形成される。色グラデーションよりむしろ、不連続のバンドで2色以上を使うことにより、例えば、まつげの根本に最も近い部分が1つの色となり、末端に最も近い部分が別の色となる等の類似の効果が達成される。達成される審美的効果としては、基本的に限定はないが、2〜3の例を挙げると、虹パターン、ウェーブパターン、及び、サンライズパターン等である。
【0058】
図1及び14を参照すると、前記支持層は、更に、単独で又は化粧料組成物と組み合わせて用いられる、複数の粘着性マイクロドットを含んでもよい。前記マイクロドットは、それ自体、前記乾燥化粧料組成物を含んでもよく、又はポリメリック材料又は同様の材料からなるものでもよく、また一般的にまつげへの移行を促進する粘着剤を含むであろう。前記マイクロドットは、いずれのパターンで形成されていてもよく、該ドットは、寸法が均一でもよく、又は寸法や形状が変化してもよく、同様に、特定の又は所望の効果を達成するために必要ないかなる空間的位置に配されてもよい。前記マイクロドットは、完全な線を形成してもよく、破線を形成してもよく、前述した大きな形状、又は、前に記述された1以上の印刷技術によって印刷されるいかなるデザインでもよい。
【0059】
図9を参照すると、非限定的な実施例が、マイクロドットの配列として本発明を示している。前記マイクロドットは、いかなる寸法でもよいが、一般的に、必須ではないが、直径で、約10μm(ミクロン)から約2mmであり、より一般的には、直径で、約50μmから約1mm、又は、約500μm(ミクロン)から約0.5mmである。前記複数のマイクロドットは、同一色でもよく異なる色でもよい。乾燥マスカラ製品がマイクロドットの形状の場合、特にマイクロドットが1本超のまつげ上に支持されるのに好適なサイズであれば、増粘効果が得られることがわかった。
【0060】
また、図1に示されたのは、まつげを保持し分離させるマトリックスをまつげに付与するための透明組成物の使用である。前記透明組成物は、例えば、複数の列などの、パターンで支持層に印刷された透明粘着ポリマーを含んでいてもよい。前記組成物がまつげに移行される際、透明組成物の列は、マトリックスを形成すべく、まつげとは実質的に垂直に配される。あるいは、前記透明組成物は、支持層上に均一なフィルムとして塗布されてもよい。このようにして、まつげの全長又はその一部が、ポリマーフィルムに包み込まれる。前記フィルムは、継続的に“硬い(hard)”エッジを提供すべく、まつげの先端をわずかに超えて伸びるように寸法化され、又は、“羽毛状の”外観を有するエッジを提供すべく、まつげの先端がエッジを超えて伸びるように寸法化されていてもよい。更に、本発明は、図3に示したように、まつげに長さを付与するために、まつげの先端が伸ばされるように、線や類似のパターン形状をとることもできる。
【0061】
別の第1態様においては、乾燥マスカラ製剤をまつげへ塗布する方法が提供され、この方法は、担持基板上に配された乾燥マスカラ製剤をまつげに接触させ、そして、まつげへ前記マスカラ製剤を付着させるために、任意にマスカラの温度を変更し、又は圧力、光、又はそれらの組み合わせをまつげ及びマスカラ製剤に適用することを含む。1態様において、圧力は前記マスカラ製剤及び基板に適用される。別の態様においては、まつげに接触した際に、熱がマスカラ製剤及び基板に適用される。別の態様においては、乾燥マスカラ製剤は、まつげに接触した際に露光される。ほかの態様においては、マスカラは、圧力、熱又は光の適用無しに、所定時間まつげと接触させて製剤を保持することにより、まつげに付着される。担持基板は、マスカラを塗布するための従来のブラシ塗布器ではない。1態様においては、担持基板は、薄いフィルム材料である。1態様においては、塗布ツールは、乾燥マスカラ製剤をまつげに移転するために用いられる。塗布ツールは、乾燥マスカラ製剤を、まつげと接触する1又は2の表面上に組み込む。図1及び図2は、まつげと接触して配された表面上に組み込まれた乾燥マスカラ製剤を有する塗布ツールの具体例を示す。
【0062】
マスカラを塗布する前記方法によって、多様なパターン、デザイン、又は効果により、マスカラが、所望のまつげ外観を達成できるよう塗布される。この所望のパターン又は効果は、本発明において、まつげのトップ表面上かまつげの裏面上に選択的に適用される。1態様においては、所望の着色剤パターンのマスカラがまつげに適用される。図4は、複数の色パターン又は色グラデーションを示す。別の態様においては、小さなグラフィック又はイラストレーションがまつげに適用される。別の態様においては、グリッタ等の反射物質を含むマスカラがまつげに適用される。図6は、グリッタを含むマスカラが付いたまつげを示している。本発明のマスカラ製品の最終仕上げとしては、非限定的な実施例によると、艶消し、半艶消し、グロス、半グロス、及びそれらの組み合わせでもよい。別の態様においては、剛性の“ハードラッシュ”効果又は“黒色艶消しドット”などの所望の視覚効果を伴うマスカラがまつげに適用される。図5は、“ハードラッシュ”効果を付されたまつげを表す。図6は、“黒色艶消しドット”パターンを付されたまつげを示す。別の態様においては、“艶消し黒色ドット”などの、個別の要素を備えるマスカラが、まつげに適用されてもよい。前記方法によれば、担持基板上に配される乾燥マスカラ量を調整することにより、まつげへ塗布するマスカラ量の調整が容易となる。本発明は、鮮明度、長さ、ホログラフィを含む視覚効果、及び量、又はそれらの組み合わせを付与することができる。更に、マスカラの軽い又は厚いまつげへのコーティングは、本発明によって容易に達成される。
【0063】
図10は、本発明による1態様を示し、複数の化粧料マイクロドット及び粘着剤が、移送シートの支持層上に配されている。支持層は、製品をカバーし、粘着剤及び化粧料マイクロドットを剥き出すべく、除去される。剥き出された粘着剤がまつげに対して加圧されると、まつげに付着し、移送シート支持層からまつげ上に、マイクロドットを移行する。前記マイクロドットは、移送シートに単に弱く結合されており、それによって、粘着剤と共に直ぐにまつげに移行される。
【0064】
興味深い1態様においては、図11に示されたように、製品は、化粧料とは逆側の移送層表面に、感圧インクを有していてもよい。該感圧インクは、化粧料をまつげ上に位相するのに充分な圧力が適用された際に変色し、またそれによって該製品が順調に均一に使用されたかを示す指標として機能する。別の態様においては、製品は、隆起した突起部などであり、化粧料をまつげに移送させるのに充分な圧力が適用された場合には、消費者に警告すべく移送層を変えるような、触性の指標を採用してもよい。
【0065】
印刷された化粧料の所定のパターンが、均一な被覆及び化粧料のまつげへの優れた移行を取得するために有用であることがわかった。図12に示されたように、移送効率は、化粧料のライン(ラインI−Iに沿って印刷された)としては、相対的に低い。これは、まつげが化粧料ラインと傾斜が協調していないからという可能性もある。ヘキサゴナルドットの傾斜したヘキサゴンパターンは、まつげに対して優れた粘着性能を有すると考えられる。本発明は、特に限定はされないが、どのような印刷された化粧料パターンにも適用される。
【0066】
本発明による典型的な塗布器装置が、図13に示されている。態様“a”において、折り畳まれた製品が、2つの剛性のプレート様メンバーの間に形成された凹部に取り込まれ、それは、まぶたの輪郭に従ってわずかにアーチ形形状を有していてもよい。操作において、ユーザーは、化粧料をまつげに移送するのに必要とされる圧力を提供するために、プレートを引き合わせるレバーに力をかける。化粧料をまつげに移送するための充分な圧力を生成するために好適な、いかなるレバー作動メカニズムも好適であると考えられる。態様“b”においては、また図13に示されたように、製品は、スティックタイプの装置の内部の凹部に保持される。凹部は、装置の端末側終端と、装置内に配されたスライド自在の固体メンバーの端と、の間に形成され、これによって、製品をかみ合わせ、まつげに化粧料を移行させるのに充分な圧力を生成するべく、親指などの圧力によって、前記装置の端末側終端に向かってスライド自在なメンバーが移動されてもよい。しかしながら、特別な塗布器は一切必要とされず、製品は、単純に人差し指や親指などの間で圧搾することにより用いられる。
【0067】
用語“支持(backing)”及び“移送(transfer)”は、“シート(sheet)”又は“層(layer)”を変形して用いられている場合には、製品形状を限定する意図ではなく、寧ろ、読者の、図における非限定的な実施例の理解を助けるために用いられていると理解される。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、まつげ用の化粧料組成物及びまつげに該化粧料組成物を塗布する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のマスカラ製剤は、湿った又は湿潤した懸濁液であり、一般的に、濃厚でペースト状で、ブラシ又はくし形塗布器を用いる人のまつげに塗布されるものである。従来技術のマスカラ組成物は、望まれる製品特性に依存して、周囲条件においてニュートン又は非ニュートンとして特徴付けられる(偽塑性流体及びダイラタント流体を含める)。これらのマスカラ製剤は、扱い難くまた塗布が難しいことがある。このマスカラは、ブラシ塗布器に搭載され、その後、該マスカラをまつげに移行させるために、まつげに接触される。一般的に、この塗布プロセスは、所望の効果を達成するために複数回繰り返され又は念入りになされ、このプロセスは面倒で時間のかかるものであり、しばしば、突発的に、眼の中や瞼や改善が必要とされる顔の皮膚上へ、製品が付着してしまうことがある。適切な塗布の後、マスカラは、まつげ上で乾燥可能となる。乾燥又は矯正の間に、仮に、更なる改善につながるように接触したり、また時として製品を再塗布すれば、組成物がまつげから移行し得るであろう。
【0003】
この塗布方法は、着実な操作を必要とし、また顔や服といった他の部分がマスカラで汚れてしまわないよう、静止した環境で行われる必要がある。更に、眼にごく接近させる剛毛のブラシ塗布器を使うマスカラの塗布は、人がマスからを使うのを怖じ気づかせたり、ためらわせ得る。視力が弱い人々や視覚と手とを上手く協調できない人々は、マスカラ製品の使用に非常に苦労したり、製品の使用を控えたりしている。従来のマスカラ製品及び塗布方法の使用によって、パターンやデザイン等のまつげへの所望の視覚上の効果を付与することは、不可能又は非常に困難であった。したがって、これら問題を回避する、改善されたマスカラ製剤及びマスカラの塗布方法が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、まつげへ、乾燥又は固形マスカラ製剤を塗布するための組成物及び方法を提供する。本発明の目的は、即効的効果を付与する、まつげへの乾燥マスカラ製剤を塗布する改良された組成物及び方法を提供することである。本発明は、従来のマスカラ塗布製剤及び塗布技術における不利益を避ける単純で効果的な乾燥塗布技術を提供する。本発明の方法及び組成物によって、従来のマスカラ製剤や塗布方法では困難又は不可能であった、まつげへの塗布の多様なパターン又はデザインで、マスカラ塗布が可能となる。
【0005】
他の態様では、平面基板上に付着され、まつげと接触して製剤を塗布することにより、基板からまつげへと移行される乾燥マスカラ製剤が提供される。
【0006】
1態様においては、マスカラ製剤の担持体として機能する第1の基板材、乾燥マスカラ製剤、及び、マスカラ製剤のトップに配された第2の基板材からなるマスカラ塗布システムが提供される。
【0007】
まだ別の態様においては、支持フィルム、1以上の粘着剤、パターン形成されたインク層、及び移送フィルム層は、複数の任意層を含む重構造システムからなるマスカラ塗布システムが提供される。
【0008】
別の態様では、担持基板上に配された乾燥マスカラにまつげを接触させること、そして、マスカラをまつげへ移行させるため、マスカラ製剤又は基板へ、圧力、熱、光又はそれらの組み合わせを任意的に適用すること、からなる、まつげへの乾燥マスカラの塗布方法が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の好ましい態様について述べると、以下のようである。すなわち、
1.瞼の湾曲に形成された凹形状湾曲の端を少なくとも1つ有することにより、該端がまつげに対して配された場合には移送シートによる前記まつげの被覆が最大化される折り畳み可能な移送シートと、前記移送シートの1表面の少なくとも一部に配された固体又は半固体の化粧料組成物と、を含み、前記折り畳み可能な移送シートが、前記まつげを包み込むように折り畳み可能であるように形成され、これによって、折り畳まれた移送シート上に圧力を適用したときに、前記化粧料組成物がまつげへ移行され前記粘着剤によって保持されるように構成したことを特徴とする、マスカラ塗布器システムである。
2.前記移送シートが、紙である、又は、前記まつげを折り畳むのを促進するために、該シートにおける凡そ中央部にミシン目又は大体の折り目を有する、上記1に記載のマスカラ塗布器システムである。
3.前記化粧料組成物が、複数の化粧料マイクロドットを含む、上記1又は2に記載のマスカラ塗布器システムである。
4.前記化粧料マイクロドットが、約50ミクロンから約0.5ミリメートルの直径を有する、又は、傾斜した六角形状のパターンで配列された、上記1乃至3のいずれかに記載のマスカラ塗布器システムである。
5.前記化粧料組成物がカーボンブラックを含む、又は、透明である、上記1乃至4のいずれかに記載のマスカラ塗布器システムである。
6.前記化粧料組成物が、前記移送シート表面の色グラデーション又はパターンを有する、上記1乃至5のいずれかに記載のマスカラ塗布器システムである。
7.前記化粧料組成物が、リソグラフィ、フレキソ印刷、乾式電子写真方式印刷、レーザー印刷、剥離剤塗布、デジタル印刷、インクジェット印刷、及び、スクリーン印刷からなる群より選択される印刷プロセスによって、前記移送シートに塗布される、上記1乃至6のいずれかに記載のマスカラ塗布器システムである。
8.更に、使用時に前記移送シートからの前記化粧料組成物の分離を促進するために、前記移送シートに配された剥離塗布層を含む、上記1乃至7のいずれかに記載のマスカラ塗布器システムである。
9.前記剥離剤塗布層が、非粘性の単一のシリコーン又はシリコーン混合物を含む、上記1乃至8のいずれかに記載のマスカラ塗布器システムである。
10.更に、粘着層によって前記移送シート上にラミネートされ、使用前の前記化粧料組成物を保護するために前記化粧料組成物上を覆う支持シートを含み、該支持シートは、前記化粧料組成物及び前記粘着層を使用前に剥き出しにするために除去可能である、上記1乃至9のいずれかに記載のマスカラ塗布器システムである。
11.前記支持シートが、透明プラスチック材、又は、二軸配向ポリエチレンテレフタレートポリエステルフィルムを含む、上記10に記載のマスカラ塗布器システムである。12.前記粘着剤が、感圧粘着剤を含む、上記1乃至11のいずれかに記載のマスカラ塗布器システムである。
13.前記移送シートが、該製品が上手くまつげに塗布された場合にユーザーを変えるためのインジケーターを有する、上記1乃至12のいずれかに記載のマスカラ塗布器システムである。
14.前記インジケーターが、前記化粧料組成物とは逆の移送シート表面上の感圧インクからなる、上記1乃至13のいずれかに記載のマスカラ塗布器システムである。
15.(i)粘着組成物、及び、1の表面に配された乾燥した又は実質的に乾燥した化粧料組成物を有する基板を用意し、(ii)まつげに亘って基板を折り畳むことによって、前記まつげの少なくとも1部を前記粘着剤及び化粧料組成物と接触させ、(iii)前記化粧料組成物をまつげへ移行させるために、前記折り畳まれた基板の逆側に圧力をかける、ことを特徴とする、化粧料製品を塗布する方法である。
16.更に、前記化粧料組成物の移行を促進するため、該組成物を加熱することを含む、上記15に記載の方法である。
17.塗布器システムが、前記折り畳まれた基板の逆側に圧力を適用する前記ステップを実行するために用いられる、上記15又は16に記載の方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、所望のまつげの外観を得るため、容易にかつ効果的に、多様なパターン、デザイン、又は効果でまつげに塗布されるマスカラを提供することができる。また、複数のパターンやデザインを互いに重ね合わせることで、寸法的な効果を付与することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】塗布器の表面に亘って配されたまつげと一組のまつげに対して加圧されるアプリケーションツールを示し、化粧料組成物又は他の組成物が塗布器表面に存在する場合には、圧力を適用するとまつげへ転移可能である。達成可能な多様な非限定的な効果がまた、示されている。
【図2】乾燥マスカラ製剤の塗布のための1の可能なアプリケーションツールの1例を示す。
【図3】担持基板上に配される、多様な乾燥マスカラパターンを示す。
【図4】乾燥マスカラ製剤及び塗布方法によって達成可能な多様なマスカラ効果を示す。
【図5】乾燥マスカラ製剤及び塗布の方法により達成可能な、まつげの被覆及び特別な効果の範囲を示す。
【図6】グリッタ物質を含むマスカラを塗布したまつげを示す。
【図7】本発明におけるマスカラを付与する、単純な層構造の1態様を示す。
【図8】本発明におけるマスカラを付与するシステムの1態様を示す。
【図9】ドットの1の可能な形状についての、2つのスキャニング電子顕微鏡(SEM)スキャンを示す。右側のスキャンは、左側のスキャンのドットを拡大したものである。ドットは、直径で凡そ0.2mm(又は200ミクロンメートル)である。
【図10】製品が、支持シート及び移転シートと共に提供され、化粧料がこれら2つの層の間で挟まれ又は収容された、本発明による1態様を示す。前記支持シート及び移転シートは、反対方向に引っ張られ、これによって該支持シートは剥離され、除去することによって、複数のマイクロドットが形成された粘着層が剥き出しになる。まつげとの接触により、粘着剤がまつげに付着し、マイクロドットを付ける。前記移転シートはその後、前述のまつげに付着したマイクロドットを残しながら、まつげから剥離される。
【図11】少なくとも1の内表面に配された化粧料製品を含み折り畳まれたシートを含む、本発明による製品の1の実施を示す。該製品は、化粧品をまつげに移転させるのに充分な圧力が適用されたときを示す感圧インクを外表面上に含んでよい。
【図12】化粧料組成物が製品に塗布又は印刷される多様なパターンを示す。示されているように、六角形“ドット”の傾斜六角形パターンが、まつげへの最も効率的な移転を提供し、一方、ライン状の化粧料は、それより移転効率が悪い。
【図13】本発明による塗布装置の2つの態様を示す。態様“a”で、製品は、2つの剛性の板状メンバー間に形成された凹部に取り込まれ、それは、まぶたの輪郭に従って僅かな弓形形状を有していてよい。操作中ユーザーは、まつげに化粧料を移行させるのに必要な圧力を提供するため、プレートをくっつけるレバーに力を適用する。実施例“b”において、製品は、装置の端末側終端と、装置にスライド自在に配置された固形メンバーの端と、の間に形成された凹部に保持され、これによって、スライド自在なメンバーが、製品をかみ合い、まつげに化粧料を移行するのに充分な圧力を生成するべく、装置の端末端に移動される。
【図14】本発明の4つの態様を示し、そこで化粧料製品は、複数のマイクロドット、ラインI−Iに沿った色グラデーション、ラインI−Iに垂直の色グラデーション、及び、ラインI−Iに沿った複数ライン、として支持層に配されている。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明によれば、まつげに化粧料を塗布するための新しい組成物及び製品、および、まつげに前記組成物を塗布する方法が提供される。該製品は、まつげ(例えば、マスカラ)用の化粧料を含み、それは、実質的に固体形状で提供されるこのタイプの従来の化粧料とは異なる。本発明による組成物は、ピール及びスティック型の製品として消費者に届くであろう。かかる組成物は、粉末体、固体、半固体、又はそれらの組み合わせ、として用いられるが、従来のマスカラ製品のような粘性液体又はペーストではない。
【0013】
従来の製品から更に大きく異なる点として、本発明は、1以上の印刷法によって生成される。本発明では、実際上、いかなる寸法やデザインの印刷パターンとされてもよい。更に、本発明は、所望の効果を達成するため、単一ドットや組み合わせられた一組のドットからなってもよい、又は、単一ドットや組み合わせられた一組のドットとして顕わになってもよい。ドットの用語は、前述のこの点からは、一般的な記述的用語として用いられるが、ドットの用語は、可能な多種多様の形状を表すことができる。例えば、形状としては、限定はされないが、円状、三角形状、少なくとも2点からなる星形状、四角形状、長方形状、斜方6面状、5角形状、6角形状、8角形状、などが挙げられる。前記印刷プロセスとしては、限定はされないが、リソグラフィ、フレキソ印刷、乾式電子写真方式による印刷、又は、レーザー印刷、剥離剤塗布、デジタルプリント、インクジェットフォーマット、及び、輪転グラビア又はスクリーン印刷、などが挙げられる。本発明の組成物は、即時性がある、つまり、所望の効果を得るための巧みな操作や乾燥時間は不要であると考えられる。
【0014】
本発明による組成物及び方法は、例えば、後述のように達成されることができる。ここで図7を参照すると、本発明の製品の1態様が、単純な層構造として描写されている。本発明の化粧料製品は、粘着層が上に配された、支持フィルム又は保護層からなる。次の層は、前述の粘着層へ完全に組み込まれ又は埋め込まれた、着色剤又は印刷された画像でよく、また、最後の層は、好適な材質、例えば、紙、プラスチック、又はそれらの組み合わせ等からなる移送フィルムでよい。この構造において、前記支持層は、使用前の汚染又は時期尚早の乾燥から粘着剤を保護するために、使い捨ての基板としての機能を果たす。前記粘着剤は、まつげに着色剤又は印刷された画像を付着し、同様に、使用前に、化粧料組成物を支持面フィルム及び移送フィルムに付着させるのに用いられる。移送フィルムは、化粧料組成物を維持し、まつげへ組成物を塗布するための1種の塗布器として機能する。前記移送フィルムは、組成物が配され、付着メカニズムが始動された後、剥離される。前記化粧料組成物は、例えば、印刷や同種のいずれの好適な方法によって粘着剤/支持材に適用されてもよく、また、均一塗布によって提供されてもよく、パターンで配されてもよい。
【0015】
一般的に、前記支持フィルムは、粘着剤の保護シールドとして機能する。それは、粘着剤に対してある程度の親和性を有し、粘着剤は支持フィルムに付くが支持フィルムは容易に除去されるような材料を含む。前記移送フィルム又はシートは、使用前には、化粧料組成物の一面又は一部のアンカーとしての機能を果たす。また、粘着剤は、使用時に化粧料組成物をまつげに付けるために用いられ、一般的には、感圧接着剤であり、消費者によって効果が望まれる限り、まつげに化粧組成物を維持するために充分な持続性を提供する。
【0016】
前記製品は、一般的に、薄いプラスチック又は紙材料の支持フィルムも含み、好ましくは、使用前には化粧料組成物をカバーし保護する、クリアポリプロピレン又はMylar(登録商標)などの透明プラスチックである。前記支持フィルムは、実質的に前記組成物を破壊することなく、剥離によって除去可能であるべきである。前記被覆層は、支持層の周囲やコーナーに粘着によって又はそれ以外の好適な手段によって、所定位置に配されてよい。
【0017】
ここで図8を参照すると、本発明の製品の1態様が、より複雑な層構造として、より詳細に示されている。前記担持層又は保護非粘着層が、前記粘着層又は層構造に直接的に接触している。この担持層としては、例えば、二軸配向されたポリエチレンテレフタレートポリエステルフィルム(Mylar(登録商標))などの材料が挙げられる。前記担持とは逆に、前記粘着層と直接的に接触するには、着色剤又は印刷されたパターン層を保護するシーリング層であってもよい。ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、又はそれらの組み合わせを含む表面生成層、及び、第2のシーリング層は、パターン形成されたインク又は着色層を間に挟んでいる。これらのシーリング層は、乾燥オイル、樹脂及び溶媒から成るワニスでよい。次は、非粘着のシリコーン又はシリコーンの混合物からなり、組成物を、支持又は第2の担持体から離れて存在することを許容する、剥離塗布層である。任意のサイジング剤が、紙、プラスチック、又はそれらの組み合わせからなる支持又は第2の担持体の、剛性やテクスチャを変更するために採用されてよい。双方の担持体が、剥離用に設計されており、第1の担持体は、事実上保護用であり、除去された際には、まつげに組成物を固定する粘着剤を剥き出しにする。第2の担持体は、ある種の塗布器として機能し、前記組成物が、目標となる基板、この場合はまつげ、に固定された後、剥離される。
【0018】
まつげに組成物を塗布するために、ユーザーは、存在するのであれば、化粧料組成物を剥き出しにするために先ず製品から保護層を除去する。支持層は、その後、図2に示されたように、まつげのトップ及び/又はボトムに組成物が配されるように、まつげに亘って折り畳まれる。該支持層は、折り畳みを容易にするために、シートの中央部にミシン目が配され又は大ざっぱに折り畳まれている。前記組成物は、好ましくは、圧力の適用によって、具体的には、指や折り畳まれた製品を受けるのに用いられる特別な装置で折り畳まれた支持層を圧搾する等によって、支持層からそこに接触するまつげに移行される。任意的に、支持層、アプリケーションツール、又は組成物それ自体は、ユーザーに適切な配置のための適切な状態がいつ達成されるかに関し警告するインジケーターを含んでもよい。前記インジケーターは、それ自体、視覚又は触覚モードで明らかにされてよい。前記移行は、熱の適用により改良されることができ、それは、支持層やその同様のものから組成物を取り除き、まつげにそれを移送するのに必要であるとされる、熱を適用することによって改良されることができる。前記製品は、ヘアドライヤーやその同様のもの、又は、塗布の間、支持材料の加熱に用いられる特別な装置を用いて予熱されることができる。前記支持材料は、その後、加圧を解かれてまつげから取り除かれる。任意的に、前記製品又はまつげは、除去し易くするように湿らせられていてもよい。
【0019】
本明細書に示された発明は、従来のマスカラ製剤及び塗布技術の不利益を、新たな塗布の乾燥移行方法を用いて乾燥マスカラ製剤をまつげに塗布することによって避けている。本明細書に開示された、前記乾燥マスカラ塗布方法は、まつげをブラッシングすることによって湿性の又は湿潤したマスカラ製剤を塗布する従来の塗布器の使用を含まない。更に、本発明は、従来のマスカラでは困難又は不可能な、広く多様な審美的効果(パターン、デザイン、等)の達成を可能とする。
【0020】
前記粘着剤はまた、化粧料組成物又は組成物上に噴霧された組み合わせに注入され、又はその一部を構成してもよく、同様に、該組成物に注入され又はその組成物の一部を構成してもよい。
【0021】
図1を参照すると、本発明の製品の1態様が、その下方部に亘って重ね合わせされてまつげと共に示されている。支持層の形状としては、実質的に何ら制限はないが、少なくとも1つのエッジが、好ましくは凹形の曲率を有し、図1に示したように、実質的に瞼の曲率とマッチしていることにより、該製品がまつげに対して配された場合に、最大の被覆が得られることである。製品の逆側のエッジは、製品がまつげを包み込むように折られた場合に、まつげのトップ及びボトムの各々が最大被覆を得るように、同様に構成されていてよい。
【0022】
前記支持層は、破損することなく折り畳まれるいずれの好適な材質からなってもよく、ポリプロピレン、アセテート、ポリスチレン、又は、紙、が挙げられるが、これらには限定されない。目下好ましい態様において、前記支持層は透明で柔軟な材質である。
【0023】
前記支持層は、化粧料組成物の粘着性を向上するために、粘着層に塗布又はラミネートされていてよい。化粧用又は医療用に好適な、いかなる粘着層も好適に使用することができる。粘着剤としては、特に限定はされないが、シリコーン粘着剤、天然ゴム粘着剤、スチレン/ブタジエンラテックス系粘着剤、ブチルゴム及びポリイソブチレン粘着剤、アクリル系粘着剤、ビニルエーテル粘着剤、のり、生体粘着剤、熱可塑性粘着剤、熱硬化性粘着剤、エラストマー、反応性粘着剤、及びこれらと同様のものが挙げられる。前記粘着剤としては、例えば、感圧粘着剤、具体的には、熱又は紫外線で硬化可能なポリメリック材料などが挙げられるが、これらには限定されない。ゴム系粘着剤は、米国特許第3,289,478号明細書に開示されたものを含み、その開示はここに参照することにより組み込まれる。アクリル系粘着剤は、米国特許第3,008,850号明細書及び米国特許第3,924,044号明細書に開示されたものを含み、その開示は、ここに参照することにより組み込まれる。前記粘着剤は、更に、粘着特性を調製するために、粘着性付与剤を含んでもよい。アクリル系感圧粘着剤は、商品指定で3M9472ラミネート粘着剤である、3Mから入手可能なアクリル系感圧粘着剤を含む。
【0024】
前記粘着剤は、支持層の表面に亘って均一に塗布され、又は、パターン又はデザインで支持層上に印刷され、これによって、化粧料製品が支持層上に配された場合に、大部分は粘着剤に付着し、したがって粘着剤の印刷されたパターンを転写する。このようにして、広く亘って多様な審美的効果が達成される。
【0025】
本発明の製品でキーとなる要素は、実質的に乾燥した形態で支持層上に提供された化粧料組成物である。該化粧料組成物は、特に、マスカラは、仕上がりの化粧料製品が実質的に乾燥するよう、天然材料及び/又は適用量が選択されるという条件で、従来化粧料製品に含まれていたいずれの材料を含んでいてもよい。したがって、前記化粧料組成物としては、着色剤(顔料、レーク、染色、及びインク)、真珠光沢剤、光沢剤、フィラー、フィルム形成剤、皮膚軟化剤、保湿剤、表面活性剤、油、溶媒、増粘剤、構造化剤、粘度調整剤、及び同様のものが挙げられる。
【0026】
前記乾燥化粧料組成物は、付着性の(バインダー)成分を含んでもよく、それは乾燥マスカラ製剤の基板からまつげへの移行を促進し、化粧料組成物をまつげに固定する。好適な粘着性成分としては、溶媒、油、粘着剤、ワックス、樹脂又はその他の材料であって、乾燥マスカラ製剤に対して粘性を付与する他の材料が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0027】
本発明の化粧料製品の生成で用いられる溶媒は、揮発性物質又は不揮発性物質のいずれでもよい。かかる溶媒は、最終製品の残留容量にて存在するが、全組成物は、乾燥又は固体の形態であることを言及すべきである。つまり、溶媒は、最終製品の形態において、周囲の条件下で流入可能ではないであろう。揮発性溶媒としては、例えば、炭化水素溶媒、アルコール及びシリコーン溶媒などの有機溶媒が挙げられるが、これらに限定されるものではない。特に、例えば、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、及び、揮発性の直鎖ジメチルポリシロキサン等のシクロメチコン等が記述される。不揮発性のシリコーンオイルとしては、水溶性の及び水不溶性の双方が好適であると考えられる。好適な不揮発性油としては、例えば、ジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、フェニルトリメチコン、ジフェニルジメチコン等の高分子シリコーンが挙げられる。好適な水不溶性のシリコーンとしては、例えば、アモジメチコン等のアミノシリコーン、ビスフェニルヘキサメチコン、フェニルトリメチコン、又はポリフェニルメチルシロキサン等のフェニル置換シリコーン、アルキル置換ジメチコン、又はそれらの組み合わせなどが挙げられる。他の溶媒又は媒剤としては、特に限定されないが、水、低級アルコール、脂肪アルコール、脂肪エーテル、脂肪エステル、イソドデカン、ポリオール、グリコール、リポソーム、層流脂質材、又はそれらのいずれの組み合わせも含む。ポリブチレン及びポリイソブテンもまた有用であると考えられる。含有される場合、溶媒又は媒剤は一般的に、前記乾燥化粧料組成物において、重量で、約0.001%から約20%まで含み、好適には、重量で約0.01%から約10%まで含み、より好適には、重量で約0.01%から約5%まで又は0.1%から約1%まで含む。幾つかの態様において、前記化粧料組成物は、実質的に無溶媒であり、つまり、それらは重量で約1%未満の溶媒を含み、好適には、重量で0.5%の溶媒を含むということである。
【0028】
ワックスが、バインダーとして又は前記組成物に構造を付与するために、該組成物に用いられてもよい。乾燥化粧料製剤において用いられるワックスとしては、動物性ワックス、植物性ワックス、鉱物ワックス、多様な天然ワックスの一部、合成ワックス、石油ワックス、エチレンポリマー炭化水素ワックス、例えば、Fischer−Tropschワックス、シリコーンワックス、及びそれらの混合物等、が挙げられる。特に、乾燥マスカラ製剤で用いられるワックスとしては、特に限定はされないが、みつろう、カルナバワックス、キャンデリラワックス、パラフィンワックス、ラノリンワックス、シェラックワックス(動物ワックス)、ベイベリーワックス(植物性ワックス)、地ろうワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタライトワックス(石油ワックス)、ポリエチレン、Fischer−Tropschワックス、アルキルメチコン(シリコーンワックス)、セレシンワックス、ブランワックス、ライスワックス、及びホホバワックス、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0029】
合成ワックスはまた、例えば、PEG−18、PEG−20、PEG−32、PEG−75、PEG−90、PEG−100、及び、PEG−180等で、商標名カーボワックス(Carbowax(登録商標)(ダウケミカル社)として販売されているものなどを含む。分子量の範囲が950〜1050で約38℃の融点を有するカーボワックス(Carbowax)1000、分子量の範囲が約1305〜1595で約56℃の融点を有するカーボワックス(Carbowax)1450、分子量の範囲が3015〜3685で約56℃の融点を有するカーボワックス(Carbowax)3350、及び、分子量の範囲が7000〜9000で約61℃の融点を有するカーボワックス(Carbowax)8000が言及される。例えば、ロジン酸エステル、水添ロジン酸エステル、ポリアミド樹脂、ゴム、及びラテックスなどの、天然又は合成の樹脂又は樹脂派生物が、ワックス様の材料として好適であると考えられる。
【0030】
ワックスは、一般的に必須ではないが、含有される場合、前記化粧料組成物において、重量で、約0.001%から約90%まで含んでよい。より一般的には、ワックスは、前記化粧料組成物において、重量で、約0.001%から約50%まで含み又は約0.001%から約20%まで含む。
【0031】
ポリマー、コポリマー、又は、ターポリマーはまた、前記化粧料組成物において、バインダー又はフィルム形成剤として用いられてもよい。用いられるポリマー、コポリマー又はターポリマーとしては、水溶性でも水不溶性ポリマーでもよく、また天然でも合成でもよい。
【0032】
特定のポリマーの具体例としては、水添ポリシクロペンタジエン、ラテックス系ポリマー又はコポリマー、ジエチルフタノール、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリジアルキルシロキサンポリマー、エチレン/プロピレンコポリマー、PVP/エイコセンコポリマー、アルキルアクリレート、(メソ)アクリレート、アクリル系(メソ)アクリル酸、又は、アクリルアミド又は(メソ)アクリルアミドポリマー又はコポリマーを含むポリカルボン酸系ポリマー、ポリビニルエステル、ポリビニルアルコール、ポリエチレン酸化物又はポリプロピレン酸化物等のオレフィン酸化物ポリマー、ポリイソブチレン、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリビニルクロリド、ポリクロロプレン、ポリアクリロニトリル、イミドポリマー、ウレタン、又はポリウレタン、ナイロンポリマー、ポリスチレン、ポリテルペン及びそれらのコポリマー等が挙げられる。天然ポリマーは、セルロース派生物、アルギン及びその派生物、スターチ及びその派生物、グアー及びその派生物及びシェラックポリマーを含む。前記ポリマーは、前記乾燥化粧料組成物において、重量で約0.1%から約50%含まれ、より一般的には、重量で約1%から約10%含まれる。
【0033】
前記化粧料組成物は、実質的に耐水性のフィルム剤を含んでもよい。このような耐水性のフィルムを形成するポリマーの一つとしては、商標名Ganex(登録商標)V−220(ISPで記述)として販売されている、ビニルピロリドン/エイコセンコポリマーが挙げられる。他の耐水性フィルム剤としては、ポリオレフィン、ポリビニルピロリドンポリマー及びコポリマー、ポリエチレン、ポリアルキル、ポリスチレン、トリグリセライド、エポキシ樹脂、シェラック及びそれらのいかなる組み合わせをも含む。
【0034】
前記組成物は、また、水溶性又は水分散性のフィルム剤を含んでもよい。これらとしては、特に限定はないが、商標名でGANEX P−904(ISPにより流通)として商業上入手可能なブチル化PVP、GANTREX S−97−BF(ISPにより流通)として入手可能な2−ブテン酸、AQ−55S(イーストマン)として商業上入手可能な、ジグリコール/CHDM(シクロヘキサンジメタノール)/イソフタレート/SIP(スルフォイソフタレート)コポリマー、アクリル系コポリマーエマルジョン(例えば、COVACRIL A15及びCOVACRIL E14、LCWにより販売)、水中のアクリレート/アンモニウム メタクリレートコポリマー(例えば、ULTRASOL 2000C、Presperseにより販売)、変性スターチ(例えば、PURE COAT B793、Grain Processingによって販売)、スルホン化ポリスチレン(例えば、FLEXAN II、National Starchによって販売)、アクリレート/C12−22アルキルメタクリレートコポリマー(例えば、ALLIANZ OPT、ISPによって販売)、エチレンカルボキシアミド/アクリロミドメチルプロパンスルホン酸/メタクリック酸(例えば、ACUDYNE SCP、Rohm及びHassにより販売)、アクリレート/エチルヘキシル アクリレートコポリマー(例えば、DAITASOL SJ、大東化成工業株式会社により販売)又はそれらのいかなる組み合わせをも含む。
【0035】
また、水吸収性又は超吸収性のポリマーが、前記組成物に含有されていてもよい。前記水吸収性ポリマーは、水と接触して用いられた際、膨潤効果を発揮し、これにより、効果的にまつげのボリュームを出す効果を付与するために用いられる。これらのポリマーが含有される場合、まつげのボリュームを出す方法は、ここに示されたようにまつげへ組成物を塗布する第1ステップ、及び、続いてまつげを湿潤させる第2ステップを含む。水吸収性ポリマーは、部分的に架橋された中和ポリ(アクリル酸)、ポリアクリルラミネート、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(ビニルアルコール)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、又はこれらのいかなる組み合わせをも含む。他の好適な水吸収性ポリマーは、例えば、アクリル酸ナトリウム(例えば、AQUA KEEP、Kobo Products Inc.によって販売)、及び、アクリルアミド/ナトリウム アクリレートコポリマー(例えば、WATER LOCK
Gシリーズ及びWATER LOCK Aシリーズ、Grain Processing Corpにより販売)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0036】
陽イオンの重合によるフィルム剤はまた、有用であると考えられる。商標名がSALCARE(登録商標)Super7(Chiba Specialty Chemicals,Incにより登録)で販売されているアクリルアミド/ジメチルジアルキルアンモニウムクロライドコポリマーの第四アンモニウム塩である、陽イオンポリマーフィルム−形成ポリクオータ二ウム7が言及される。他の好適な陽イオンポリマーとしては、ポリクオータ二ウム4、ポリクオータ二ウム5、ポリクオータ二ウム6、ポリクオータ二ウム7、ポリクオータ二ウム10、ポリクオータ二ウム22、ポリクオータ二ウム37、ポリクオータ二ウム47、又はそれらのいずれの組み合わせも挙げられるが、これらには限定されない。
【0037】
前記組成物はまた、耐油フィルム剤を含む。好適な耐油フィルム剤としては、アクリル系(アクリレート)、ポリアクリレート、アクリルアミドポリマー及びコポリマー、及びそれらの第四塩、ウレタン、ポリウレタン、ポリエステル、多糖、ポリアミド、ポリオール、ポリエーテル、セルロース、プロテイン、ポリアミノ酸、ロジン派生のエステル、ラテックス、又はそれらのいかなる組み合わせをも含むが、これらに限定されるものではない。
【0038】
シリコーン樹脂は、前記組成物において、バインダーとして又はフィルム剤として含まれていてもよい。特に有用であると考えられるシリコーン樹脂の1種としては、シロキシ単位(例えば、T−resin)のターシャリー結合を有するシリコーン樹脂が挙げられる。かかるシリコーンT−resinは、アルキル及び/又はアリルシロキシグループを含み、樹脂の屈折率を増加させるためには、フェニルシロキシグループが好適である。かかる樹脂の具体例としては、メチルフェニルシルセスキオキサン又はポリフェニルシルセスキオキサンが挙げられる。他の好適なシリコーンT−resinとしては、特に限定されないが、米国特許出願公開第2004/0180011号明細書に示された、C2−20アルキルフェニルシルセスキオサン樹脂が挙げられ、その開示は、参照することにより本明細書に含まれる。プロピルフェニルシルセスキオサン樹脂(Wacker Belsil(登録商標)SPR 45VP、Wacker Chemical Adrian,Michより入手可能)が特に有用であると考えられる。このポリマーは、82℃の液体で測定すると1.55の屈折率を有し、25℃のフィルムで測定すると1.57の屈折率を有する。例えば、1.47より大きい高屈折率樹脂を用いることにより、まつげに優れた光沢が付与される。
【0039】
可塑剤がまた、前記組成物において含まれてもよい。好適な可塑剤としては、特に限定はされないが、クリコール及びクリコール派生物(エーテル及びエステル)、酸エステル、例えば、クエン酸、フタル酸エステル、アジピン酸塩、カーボネート、酒石酸塩、フォスフェート及びセバシン酸等、及び、オキシエチル化油(例えば、カストリウム油及びシリコーン油)等のオキシエチル化派生物が挙げられる。
【0040】
他の粘度変性剤又はゲル化剤が、前記乾燥マスカラ製剤において用いられることができる。これらは、ベントン(bentone)、トリグリセライド、ステアリン酸アルミニウム、C18−C36酸グリコールエステル、ステアリン酸グリセリル、グリセリルトリベヘネート、及び同様のものを含む。固体ゲル化剤としては、脂肪酸ゲル化剤、エステル及び脂肪酸ゲル化剤アミド、ヒドロキシ酸、ヒドロキシ脂肪酸、及びアミドゲル化剤の他の種類などが好適であると考えられるが、これらに限定されるものではない。特に、エステル末端化ポリ(エステル−アミド)ゲル化剤が言及される。他の粘度変性剤又はゲル化剤としては、例えば、アルギン酸、カーボマー、セルロース、ガム、カラギーナン、スターチ、又はシリケー及び同様のものが含まれる。
【0041】
本発明の前記組成物は、一般的に、1以上の着色剤を含む。好適な着色剤としては、顔料、レーキ、染料、及びインクが本技術分野では周知であり、C.T.F.A.Cosmetic Ingredient Handbook 第1版、1988において開示され、その開示は、参照することによりここに含まれる。有機顔料としては、例えば、D&C赤、2、5、6、7、10、11、12、13、30及び34番、D&C黄色5番、FD&C青色1番及び紫色2番を含む、炭素顔料、FD&C染料、及びD&C染料が含まれる。他の着色剤としては、FD&C赤色9番、FD&C赤色40番(Allura赤色AC)、FD&C赤色19番、FD&C赤色9番、FD&C赤色21番、FD&C赤色27番、FD&C赤色13番、FD&C赤色7番、FD&C赤色6番、FD&C赤色30番、FD&C赤色36番、FD&Cオレンジ4番、FD&Cオレンジ5番、FD&Cオレンジ10番、FD&C黄色5番、FD&C黄色6番、FD&Cグリーン5番及びそれらの混合物を含む。典型的な無機着色顔料としては、特に限定されないが、マグネシウム酸化物、マグネシウム水酸化物、カルシウム酸化物、カルシウム水酸化物、アルミニウム酸化物、アルミニウム水酸化物、鉄酸化物(α−Fe2O3、y−Fe2O3、Fe3O4、FeO)、赤色鉄酸化物、黄色鉄酸化物、黒色鉄酸化物、鉄水酸化物、チタン二酸化物、チタン低級酸化物、ジルコニア酸化物、クロム酸化物、クロム水酸化物、マンガン酸化物、コバルト酸化物、セリウム酸化物、ニッケル酸化物、及び、亜鉛酸化物等の金属酸化物及び金属水酸化物、及び、例えば、鉄チタネート、コバルトチタネート、及びコバルトアルミネート等の合成酸化物及び合成水酸化物が挙げられる。他の好適な着色剤としては、ウルトラマリンブルー(例えば、硫黄含有のナトリウムアルミニウムケイ酸塩)、プルシアンブルー、マンガンバイオレット、ビスマスオキシクロライド、タルク、マイカ、セリシン、マグネシウムカーボネート、カルシウムカーボネート、マグネシウムケイ酸塩、アルミニウムマグネシウムケイ酸塩、シリカ、チタン酸塩化雲母(titanated mica)、鉄酸化チタン酸塩化雲母(iron titanated mica)、ビスマスオキシクロライド、及びこれらと同様のものが挙げられる。
【0042】
前記着色剤は、例えば、米国特許第6,471,950号明細書、米国特許第5,482,547号明細書及び米国特許第4,832,944号明細書に開示されたように、1以上の着色剤の特性を調整するために、フルオロポリマー等で表面変性されていてもよい。これらの特許における開示内容は、参照することにここに組み込まれる。前記顔料及び/又はフィラーは、米国特許第6,315,990号明細書に開示されたような、耐水及び/又は耐油性を改良させるため、フルオロシランを塗布されてもよく、その開示は、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0043】
前記着色剤は、所望の効果を付与させるのに必要ないずれの量でも含有されてよい。可能な着色剤の含有量としては、前記組成物の重量で、約0.001%から約95%の範囲であり、より一般的には、前記組成物の重量で約0.001%から約50%、又は、約0.01%から約25%である。他の態様においては、化粧料組成物は透明で、着色剤を含有していない。
【0044】
前記組成物はまた、高分子鎖上にグラフトされた発色団を含む着色ポリマーや、着色モノマーを含むコポリマーを含んでもよい。好適なポリマー着色剤としては、これらに限定されるものではないが、米国特許第4,804,719号、米国特許第4,999,418号、米国特許第5,030,708号、米国特許第5,032,670号、米国特許第5,043,376号、米国特許第5,102,980号、米国特許第5,106,942号、米国特許第5,194,463号の各明細書に開示された着色剤が挙げられ、これらの開示は、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0045】
真珠光沢剤を、前記組成物中に、該塑性物の総重量基準で約0重量%から約50重量%含有させてもよい。好適な真珠光沢剤としては、チタン酸化物、鉄酸化物、天然顔料、又は、例えば、着色されたチタンマイカ等のビスマスオキシクロライドで被覆されたマイカ、等が挙げられる。好適な真珠光沢剤としては、限定はされないが、ビスマスオキシクロライド、グアニン、及び、チタン合成材料、例えば、米国特許第5,340,569号明細書に開示されたような、チタン成分、チタン二酸化物、チタン酸低級酸化物又はチタン酸窒化物、等が挙げられ、これらの開示内容は参照することにより本明細書に組み込まれる。好適には、前記真珠光沢剤は、前記組成物の総重量基準で、約1重量%から約20重量%含有されることである。
【0046】
幾つかの態様においては、特異な視覚効果を発揮させるために、前記組成物に、光沢剤(グリッター)を含有するのが望ましい。かかる光沢剤についての、非限定的な具体例としては、被覆/処理されたポリエチレンテレフタレート及びチタン酸二酸化物被覆マイカが挙げられる。かかる被覆/処理されたポリエチレンテレフタレートは、商標名0.008” square Dark Gold poly*flakeでありGlitterex Corp.より入手される。チタン二酸物被覆マイカの、非限定的な具体例としては、商標名Flonac ME 10Cであり、Presperse Inc.から入手される。光沢剤として有用な他の材料としては、例えば、アルミニウム、銅、銀、金、及び真鍮等の金属粒子、透明又は着色粒子、例えばポリ(エチレン、テレフタレート)、ポリメタクリレート、及びポリ(ビニルブチラル)等の固体有機材料、例えばアルミニウム被覆ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム等の金属被覆フィルム又は紙の粒子、等が2〜3の例として挙げられる。
【0047】
米国特許出願公開第2004/0076650号明細書に開示されたように、干渉ゴニオクロマティック顔料は、玉虫色を付与するためにまた含有されてもよく、その開示は、参照することに本明細書に組み込まれる。かかる顔料は、商標名でSuch Infinite Colors(Shiseido)、Sicopearl Fantastico(BASF)、Colorstream(Merck)、Colorstream(Merck)、Colorglitter(3M)及びChromaflair(Flex)として商業的に入手可能である。米国特許第5,472,798号明細書に開示されたように、干渉ファイバーがまた含有されてもよく、その開示内容は、参照することに本明細書に組み込まれる。まつげに所望の視覚効果を与える他の成分が、含有されていてよい。
【0048】
前記乾燥化粧品製剤はまた、任意的に、フィラーを含有していてもよい。“フィラー”の用語は、無色又は白色の、無機の又は合成の、薄板状の又は非薄板状粒子として理解されるべきである。フィラーとしては、シリカ、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、アルミナ、硫酸バリウム、タルク、ステアリン酸亜鉛、マイカ、カオリン、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、テフロン、スターチ、窒化ホウ素、又は同様のもの等が挙げられる。フィラーの重量濃度としては、約1%から約50%、約1%から約20%、又は、約1%から約10%でもよい。好適なフィラーとしては、また、例えば、EXPANCEL(Nobel Industries)、POLYTRAP(Dow Corning)及びシリコーン樹脂微粒子(東芝製 TOSPEARL)等のコポリマー微粒子が挙げられる。
【0049】
本発明の前記組成物は、任意的に、まつげの濃さ及び長さを増加させるような、まつげ量を向上させることを目的として、多数の分散繊維を含んでいてもよい。前記繊維としては、化粧業界で知られているいずれの種類の繊維でもよく、また天然でも合成でもよい。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、又はナイロン等の熱可塑性繊維が好適である。
【0050】
更に、前記組成物は、調整剤及び軟化剤/保湿剤を含有してもよい。調整剤としては、限定はされないが、例えば、藻類抽出物、小麦アミノ酸、小麦プロテイン、加水分解植物プロテイン及び派生物、ケラチンアミノ酸、セラムプロテイン、酵母抽出物、加水分解ムコ多糖体、加水分解動物プロテイン、キトサン、フィタントリオール、加水分解コーンプロテイン、加水分解大豆プロテイン、加水分解ミルク、シルクアミノ酸、及びそれらの混合物等が挙げられる。本発明の組成物に含有可能な軟化剤/保湿剤油としては、特に限定はされないが、例えば、ホホバ油、ラノリン油、ココナツ油、パームカーネル油、グレープシード油、月見草油、ごま油、ヒマシ油、メドフォームシード油、エミュー油、ジメチコーンコポリオールメドフォーム、小麦胚芽油、マカダミアナッツ油、アボガド油、及びそれらの混合物が挙げられる。他の軟化剤としては、セテアリルオクタノエート、オクチルパルミテート、ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、グリセルモノステアリン酸、ペトロラタム、トリカプリルグリセリル、トリカプリン酸グリセリル、シアバター、及びシリコーンオイル等が挙げられる。
【0051】
前記組成物としては、更に、麻酔剤、抗アレルギー剤、抗真菌剤、抗炎症剤、抗菌剤、防腐剤、キレート剤、軟化剤、乳化剤、芳香剤、保湿剤、潤滑剤、マスキング剤、活性薬剤、保湿剤、PH調整剤、保存剤、保護剤、潤滑剤、安定剤、日焼け防止剤、界面活性剤、増粘剤、粘度調整剤、ビタミン、顔料、生物活性剤、及びそれらのいずれの組み合わせからなる群から選択される1以上の追加の成分が挙げられる。
【0052】
ここで、好適な態様において、前記化粧料組成物は、アクリルエステル酸エステル系の水分散ポリマーである、Acronal V215(BASF)、フェノール樹脂及びDowanolに溶解されたセルロース派生物を含有するインク、及び/又は、アクリル溶剤中の顔料/染料からなるインク、水に溶解したビニル&セルロース派生物、及び、任意的に着色剤としてのカーボンブラック、を含有する。
【0053】
前記化粧料組成物は、好適手段であれば、いずれの手段によって支持層に塗布されてもよく、化粧品“試供品(samplers)”を作成するのに採用される、従来の方法も含まれる。例えば、バルクな薄いフィルムアプリケーション技術、具体的には、米国特許第6,691,872号に開示されたような押し出し又は噴霧技術は、化粧品の試供品を作成するために用いられてきた。ここで、その開示内容は、参照することに本明細書に組み込まれる。かかる技術は、化粧料組成物が、支持層の表面に亘って均一に分配されることを可能とする。加えて、本発明は、工業用印刷プロセスによって、また、例えば、特に限定はないが、Redd Europe、Main Titles、及びLetraSet等の工業用プリンター、又は、例えば、とりわけMactac,Scapa Group Plc,Adhesives Research Ltd及びTape Specialties等の医療用付着及びテープ製造業者によって、生成されてもよい。
【0054】
他の態様においては、前記化粧料組成物は、支持層上に印刷される。基板上へ化粧料を印刷する方法はまた、例えば、米国特許第5,192,386号明細書に開示されたように、一般的によく知られており、その開示内容は、参照することにより本明細書に組み込まれる。印刷プロセスによって、化粧料組成物が、所望量及びパターンで基板上に精確に配される。更に、印刷プロセスによって、製品は、まつげに塗布された場合に、特有の効果を付与すべく、2以上の異なる色の化粧品によって印刷されていてもよい。
【0055】
加えて、パターンが、互いに、又は、前述した形状ライン又は他の形状と混合やマッチしていてもよい。このような組み合わせは、同一シートの逆側での単一塗布事象で、又は、連続塗布される2以上の単一事象で、適用される。例えば、第1塗布では、まつげ上に円を配することができ、その後次の塗布では、完全な線、破線、又は第1塗布とは異なる形状又は一組の形状を配することができる。
【0056】
図1を参照すると、得られる効果の種類に関する非限定的な実施例が示されている。1の第1態様において、製品は、色マスカラの均一塗布を含み、それによって、まつげに塗布された場合、該色マスカラは、相対的に同じ方法でまつげへ移行し、従来のマスカラ製品に匹敵する外観を与えることができる。前記マスカラ組成物は、まつげのトップ側、まつげの下側、又は双方に塗布されることができる。
【0057】
図1及び14はまた、例えば、支持層上へ2以上の色を印刷することにより、得られる所定のグラフィック効果を示す。本態様による多くの異なる変異形の中でも特筆すべきなのは、着色顔料が支持層に塗布され、これによって、化粧料組成物がまつげに移行された場合に、まつげ上に色グラデーションが形成されることである。前記色グラデーションは、支持層の長軸(つまりラインI−I)に沿って適用されてよく、これにより、色グラデーションは、各まつげの根本からまつげの端へと形成され、又は、色グラデーションは、支持層に亘って左から右へと形成されてよく(つまり、ラインラインI−Iと垂直)、これによりまつげに亘って左から右へと色グラデーションが形成される。色グラデーションよりむしろ、不連続のバンドで2色以上を使うことにより、例えば、まつげの根本に最も近い部分が1つの色となり、末端に最も近い部分が別の色となる等の類似の効果が達成される。達成される審美的効果としては、基本的に限定はないが、2〜3の例を挙げると、虹パターン、ウェーブパターン、及び、サンライズパターン等である。
【0058】
図1及び14を参照すると、前記支持層は、更に、単独で又は化粧料組成物と組み合わせて用いられる、複数の粘着性マイクロドットを含んでもよい。前記マイクロドットは、それ自体、前記乾燥化粧料組成物を含んでもよく、又はポリメリック材料又は同様の材料からなるものでもよく、また一般的にまつげへの移行を促進する粘着剤を含むであろう。前記マイクロドットは、いずれのパターンで形成されていてもよく、該ドットは、寸法が均一でもよく、又は寸法や形状が変化してもよく、同様に、特定の又は所望の効果を達成するために必要ないかなる空間的位置に配されてもよい。前記マイクロドットは、完全な線を形成してもよく、破線を形成してもよく、前述した大きな形状、又は、前に記述された1以上の印刷技術によって印刷されるいかなるデザインでもよい。
【0059】
図9を参照すると、非限定的な実施例が、マイクロドットの配列として本発明を示している。前記マイクロドットは、いかなる寸法でもよいが、一般的に、必須ではないが、直径で、約10μm(ミクロン)から約2mmであり、より一般的には、直径で、約50μmから約1mm、又は、約500μm(ミクロン)から約0.5mmである。前記複数のマイクロドットは、同一色でもよく異なる色でもよい。乾燥マスカラ製品がマイクロドットの形状の場合、特にマイクロドットが1本超のまつげ上に支持されるのに好適なサイズであれば、増粘効果が得られることがわかった。
【0060】
また、図1に示されたのは、まつげを保持し分離させるマトリックスをまつげに付与するための透明組成物の使用である。前記透明組成物は、例えば、複数の列などの、パターンで支持層に印刷された透明粘着ポリマーを含んでいてもよい。前記組成物がまつげに移行される際、透明組成物の列は、マトリックスを形成すべく、まつげとは実質的に垂直に配される。あるいは、前記透明組成物は、支持層上に均一なフィルムとして塗布されてもよい。このようにして、まつげの全長又はその一部が、ポリマーフィルムに包み込まれる。前記フィルムは、継続的に“硬い(hard)”エッジを提供すべく、まつげの先端をわずかに超えて伸びるように寸法化され、又は、“羽毛状の”外観を有するエッジを提供すべく、まつげの先端がエッジを超えて伸びるように寸法化されていてもよい。更に、本発明は、図3に示したように、まつげに長さを付与するために、まつげの先端が伸ばされるように、線や類似のパターン形状をとることもできる。
【0061】
別の第1態様においては、乾燥マスカラ製剤をまつげへ塗布する方法が提供され、この方法は、担持基板上に配された乾燥マスカラ製剤をまつげに接触させ、そして、まつげへ前記マスカラ製剤を付着させるために、任意にマスカラの温度を変更し、又は圧力、光、又はそれらの組み合わせをまつげ及びマスカラ製剤に適用することを含む。1態様において、圧力は前記マスカラ製剤及び基板に適用される。別の態様においては、まつげに接触した際に、熱がマスカラ製剤及び基板に適用される。別の態様においては、乾燥マスカラ製剤は、まつげに接触した際に露光される。ほかの態様においては、マスカラは、圧力、熱又は光の適用無しに、所定時間まつげと接触させて製剤を保持することにより、まつげに付着される。担持基板は、マスカラを塗布するための従来のブラシ塗布器ではない。1態様においては、担持基板は、薄いフィルム材料である。1態様においては、塗布ツールは、乾燥マスカラ製剤をまつげに移転するために用いられる。塗布ツールは、乾燥マスカラ製剤を、まつげと接触する1又は2の表面上に組み込む。図1及び図2は、まつげと接触して配された表面上に組み込まれた乾燥マスカラ製剤を有する塗布ツールの具体例を示す。
【0062】
マスカラを塗布する前記方法によって、多様なパターン、デザイン、又は効果により、マスカラが、所望のまつげ外観を達成できるよう塗布される。この所望のパターン又は効果は、本発明において、まつげのトップ表面上かまつげの裏面上に選択的に適用される。1態様においては、所望の着色剤パターンのマスカラがまつげに適用される。図4は、複数の色パターン又は色グラデーションを示す。別の態様においては、小さなグラフィック又はイラストレーションがまつげに適用される。別の態様においては、グリッタ等の反射物質を含むマスカラがまつげに適用される。図6は、グリッタを含むマスカラが付いたまつげを示している。本発明のマスカラ製品の最終仕上げとしては、非限定的な実施例によると、艶消し、半艶消し、グロス、半グロス、及びそれらの組み合わせでもよい。別の態様においては、剛性の“ハードラッシュ”効果又は“黒色艶消しドット”などの所望の視覚効果を伴うマスカラがまつげに適用される。図5は、“ハードラッシュ”効果を付されたまつげを表す。図6は、“黒色艶消しドット”パターンを付されたまつげを示す。別の態様においては、“艶消し黒色ドット”などの、個別の要素を備えるマスカラが、まつげに適用されてもよい。前記方法によれば、担持基板上に配される乾燥マスカラ量を調整することにより、まつげへ塗布するマスカラ量の調整が容易となる。本発明は、鮮明度、長さ、ホログラフィを含む視覚効果、及び量、又はそれらの組み合わせを付与することができる。更に、マスカラの軽い又は厚いまつげへのコーティングは、本発明によって容易に達成される。
【0063】
図10は、本発明による1態様を示し、複数の化粧料マイクロドット及び粘着剤が、移送シートの支持層上に配されている。支持層は、製品をカバーし、粘着剤及び化粧料マイクロドットを剥き出すべく、除去される。剥き出された粘着剤がまつげに対して加圧されると、まつげに付着し、移送シート支持層からまつげ上に、マイクロドットを移行する。前記マイクロドットは、移送シートに単に弱く結合されており、それによって、粘着剤と共に直ぐにまつげに移行される。
【0064】
興味深い1態様においては、図11に示されたように、製品は、化粧料とは逆側の移送層表面に、感圧インクを有していてもよい。該感圧インクは、化粧料をまつげ上に位相するのに充分な圧力が適用された際に変色し、またそれによって該製品が順調に均一に使用されたかを示す指標として機能する。別の態様においては、製品は、隆起した突起部などであり、化粧料をまつげに移送させるのに充分な圧力が適用された場合には、消費者に警告すべく移送層を変えるような、触性の指標を採用してもよい。
【0065】
印刷された化粧料の所定のパターンが、均一な被覆及び化粧料のまつげへの優れた移行を取得するために有用であることがわかった。図12に示されたように、移送効率は、化粧料のライン(ラインI−Iに沿って印刷された)としては、相対的に低い。これは、まつげが化粧料ラインと傾斜が協調していないからという可能性もある。ヘキサゴナルドットの傾斜したヘキサゴンパターンは、まつげに対して優れた粘着性能を有すると考えられる。本発明は、特に限定はされないが、どのような印刷された化粧料パターンにも適用される。
【0066】
本発明による典型的な塗布器装置が、図13に示されている。態様“a”において、折り畳まれた製品が、2つの剛性のプレート様メンバーの間に形成された凹部に取り込まれ、それは、まぶたの輪郭に従ってわずかにアーチ形形状を有していてもよい。操作において、ユーザーは、化粧料をまつげに移送するのに必要とされる圧力を提供するために、プレートを引き合わせるレバーに力をかける。化粧料をまつげに移送するための充分な圧力を生成するために好適な、いかなるレバー作動メカニズムも好適であると考えられる。態様“b”においては、また図13に示されたように、製品は、スティックタイプの装置の内部の凹部に保持される。凹部は、装置の端末側終端と、装置内に配されたスライド自在の固体メンバーの端と、の間に形成され、これによって、製品をかみ合わせ、まつげに化粧料を移行させるのに充分な圧力を生成するべく、親指などの圧力によって、前記装置の端末側終端に向かってスライド自在なメンバーが移動されてもよい。しかしながら、特別な塗布器は一切必要とされず、製品は、単純に人差し指や親指などの間で圧搾することにより用いられる。
【0067】
用語“支持(backing)”及び“移送(transfer)”は、“シート(sheet)”又は“層(layer)”を変形して用いられている場合には、製品形状を限定する意図ではなく、寧ろ、読者の、図における非限定的な実施例の理解を助けるために用いられていると理解される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
瞼の湾曲に形成された凹形状湾曲の端を少なくとも1つ有することにより、該端がまつげに対して配された場合には移送シートによる前記まつげの被覆が最大化される折り畳み可能な移送シートと、
前記移送シートの1表面の少なくとも一部に配された固体又は半固体の化粧料組成物と、を含み、
前記折り畳み可能な移送シートが、前記まつげを包み込むように折り畳み可能であるように形成され、これによって、折り畳まれた移送シート上に圧力を適用したときに、前記化粧料組成物がまつげへ移行され前記粘着剤によって保持されるように構成したことを特徴とする、マスカラ塗布器システム。
【請求項2】
前記移送シートが、紙である、又は、前記まつげを折り畳むのを促進するために、該シートにおける凡そ中央部にミシン目又は大体の折り目を有する、請求項1に記載のマスカラ塗布器システム。
【請求項3】
前記化粧料組成物が、複数の化粧料マイクロドットを含む、請求項1又は2に記載のマスカラ塗布器システム。
【請求項4】
前記化粧料マイクロドットが、約50ミクロンから約0.5ミリメートルの直径を有する、又は、傾斜した六角形状のパターンで配列された、請求項1乃至3のいずれかに記載のマスカラ塗布器システム。
【請求項5】
前記化粧料組成物がカーボンブラックを含む、又は、透明である、請求項1乃至4のいずれかに記載のマスカラ塗布器システム。
【請求項6】
前記化粧料組成物が、前記移送シート表面の色グラデーション又はパターンを有する、請求項1乃至5のいずれかに記載のマスカラ塗布器システム。
【請求項7】
前記化粧料組成物が、リソグラフィ、フレキソ印刷、乾式電子写真方式印刷、レーザー印刷、剥離剤塗布、デジタル印刷、インクジェット印刷、及び、スクリーン印刷からなる群より選択される印刷プロセスによって、前記移送シートに塗布される、請求項1乃至6のいずれかに記載のマスカラ塗布器システム。
【請求項8】
更に、使用時に前記移送シートからの前記化粧料組成物の分離を促進するために、前記移送シートに配された剥離塗布層を含む、請求項1乃至7のいずれかに記載のマスカラ塗布器システム。
【請求項9】
前記剥離剤塗布層が、非粘性の単一のシリコーン又はシリコーン混合物を含む、請求項1乃至8のいずれかに記載のマスカラ塗布器システム。
【請求項10】
更に、粘着層によって前記移送シート上にラミネートされ、使用前の前記化粧料組成物を保護するために前記化粧料組成物上を覆う支持シートを含み、該支持シートは、前記化粧料組成物及び前記粘着層を使用前に剥き出しにするために除去可能である、請求項1乃至9のいずれかに記載のマスカラ塗布器システム。
【請求項11】
前記支持シートが、透明プラスチック材、又は、二軸配向ポリエチレンテレフタレートポリエステルフィルムを含む、請求項10に記載のマスカラ塗布器システム。
【請求項12】
前記粘着剤が、感圧粘着剤を含む、請求項1乃至11のいずれかに記載のマスカラ塗布器システム。
【請求項13】
前記移送シートが、該製品が上手くまつげに塗布された場合にユーザーを変えるためのインジケーターを有する、請求項1乃至12のいずれかに記載のマスカラ塗布器システム。
【請求項14】
前記インジケーターが、前記化粧料組成物とは逆の移送シート表面上の感圧インクからなる、請求項1乃至13のいずれかに記載のマスカラ塗布器システム。
【請求項15】
(i)粘着剤組成物、及び、1の表面に配された乾燥した又は実質的に乾燥した化粧料組成物を有する基板を用意し、(ii)まつげに亘って基板を折り畳むことによって、前記まつげの少なくとも1部を前記粘着剤及び化粧料組成物と接触させ、(iii)前記化粧料組成物をまつげへ移行させるために、前記折り畳まれた基板の逆側に圧力をかける、ことを特徴とする、化粧料製品を塗布する方法。
【請求項16】
更に、前記化粧料組成物の移行を促進するため、該組成物を加熱することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
塗布器システムが、前記折り畳まれた基板の逆側に圧力を適用する前記ステップを実行するために用いられる、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項1】
瞼の湾曲に形成された凹形状湾曲の端を少なくとも1つ有することにより、該端がまつげに対して配された場合には移送シートによる前記まつげの被覆が最大化される折り畳み可能な移送シートと、
前記移送シートの1表面の少なくとも一部に配された固体又は半固体の化粧料組成物と、を含み、
前記折り畳み可能な移送シートが、前記まつげを包み込むように折り畳み可能であるように形成され、これによって、折り畳まれた移送シート上に圧力を適用したときに、前記化粧料組成物がまつげへ移行され前記粘着剤によって保持されるように構成したことを特徴とする、マスカラ塗布器システム。
【請求項2】
前記移送シートが、紙である、又は、前記まつげを折り畳むのを促進するために、該シートにおける凡そ中央部にミシン目又は大体の折り目を有する、請求項1に記載のマスカラ塗布器システム。
【請求項3】
前記化粧料組成物が、複数の化粧料マイクロドットを含む、請求項1又は2に記載のマスカラ塗布器システム。
【請求項4】
前記化粧料マイクロドットが、約50ミクロンから約0.5ミリメートルの直径を有する、又は、傾斜した六角形状のパターンで配列された、請求項1乃至3のいずれかに記載のマスカラ塗布器システム。
【請求項5】
前記化粧料組成物がカーボンブラックを含む、又は、透明である、請求項1乃至4のいずれかに記載のマスカラ塗布器システム。
【請求項6】
前記化粧料組成物が、前記移送シート表面の色グラデーション又はパターンを有する、請求項1乃至5のいずれかに記載のマスカラ塗布器システム。
【請求項7】
前記化粧料組成物が、リソグラフィ、フレキソ印刷、乾式電子写真方式印刷、レーザー印刷、剥離剤塗布、デジタル印刷、インクジェット印刷、及び、スクリーン印刷からなる群より選択される印刷プロセスによって、前記移送シートに塗布される、請求項1乃至6のいずれかに記載のマスカラ塗布器システム。
【請求項8】
更に、使用時に前記移送シートからの前記化粧料組成物の分離を促進するために、前記移送シートに配された剥離塗布層を含む、請求項1乃至7のいずれかに記載のマスカラ塗布器システム。
【請求項9】
前記剥離剤塗布層が、非粘性の単一のシリコーン又はシリコーン混合物を含む、請求項1乃至8のいずれかに記載のマスカラ塗布器システム。
【請求項10】
更に、粘着層によって前記移送シート上にラミネートされ、使用前の前記化粧料組成物を保護するために前記化粧料組成物上を覆う支持シートを含み、該支持シートは、前記化粧料組成物及び前記粘着層を使用前に剥き出しにするために除去可能である、請求項1乃至9のいずれかに記載のマスカラ塗布器システム。
【請求項11】
前記支持シートが、透明プラスチック材、又は、二軸配向ポリエチレンテレフタレートポリエステルフィルムを含む、請求項10に記載のマスカラ塗布器システム。
【請求項12】
前記粘着剤が、感圧粘着剤を含む、請求項1乃至11のいずれかに記載のマスカラ塗布器システム。
【請求項13】
前記移送シートが、該製品が上手くまつげに塗布された場合にユーザーを変えるためのインジケーターを有する、請求項1乃至12のいずれかに記載のマスカラ塗布器システム。
【請求項14】
前記インジケーターが、前記化粧料組成物とは逆の移送シート表面上の感圧インクからなる、請求項1乃至13のいずれかに記載のマスカラ塗布器システム。
【請求項15】
(i)粘着剤組成物、及び、1の表面に配された乾燥した又は実質的に乾燥した化粧料組成物を有する基板を用意し、(ii)まつげに亘って基板を折り畳むことによって、前記まつげの少なくとも1部を前記粘着剤及び化粧料組成物と接触させ、(iii)前記化粧料組成物をまつげへ移行させるために、前記折り畳まれた基板の逆側に圧力をかける、ことを特徴とする、化粧料製品を塗布する方法。
【請求項16】
更に、前記化粧料組成物の移行を促進するため、該組成物を加熱することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
塗布器システムが、前記折り畳まれた基板の逆側に圧力を適用する前記ステップを実行するために用いられる、請求項15又は16に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2011−504120(P2011−504120A)
【公表日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−534257(P2010−534257)
【出願日】平成20年11月17日(2008.11.17)
【国際出願番号】PCT/US2008/083749
【国際公開番号】WO2009/067396
【国際公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(399130393)エイボン プロダクツ インコーポレーテッド (75)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月17日(2008.11.17)
【国際出願番号】PCT/US2008/083749
【国際公開番号】WO2009/067396
【国際公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(399130393)エイボン プロダクツ インコーポレーテッド (75)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]