説明

マスクの製造方法及びそのマスク

【課題】 本発明は、効率的に製作することができるマスクを製造するためのマスクの製造方法を提供することを目的としている。
【解決手段】 前記目的を達成するために、本発明の一実施形態は、弾性シートをカットして開口11と該開口11を囲む圧合部12を有する耳掛けストラップ1を形成する工程と、カップ形状のマスク本体2を形成する工程と、該カップ形状のマスク本体2を前記耳掛けストラップ1における圧合部12に熱圧する工程と、一対の耳掛け穴14をそれぞれ前記耳掛けストラップ1に前記開口11の相対的な両側にあるように設ける工程とを備えることを特徴とするマスクの製造方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマスクの製造方法とそのマスクに関し、特に一つの生産ラインにおいて高速な連続生産作業が可能なマスクの製造方法及びそのマスクに関する。
【背景技術】
【0002】
一般のマスクは、特許文献1に開示されるように、マスク本体と一対の弾性バンドとを備える。該マスク本体は、使用者の顔を覆うための一層のカップ形状の支持層と、該支持層に配置されていて空気中の異物をろ過するための一層のフィルター層とからなった積層構造を有するものである。前記各弾性バンドは、前記マスク本体の両端部それぞれに留められている。
【0003】
このようなマスクの製造方法は、通常、段階的なプロセスによって行われる。即ち、まずマスク本体と一対の弾性バンドが作られ、そして各弾性バンドが該マスク本体の相対的な両端部それぞれに留められる。弾性バンドをマスク本体に留める工程は、比較的複雑であるので、マスクの生産の速度が6〜10枚/分程度であり、生産の効率が悪いという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7131442号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記欠点に鑑みてなされたものであり、効率的に製造することができるマスクを提供することを目的としている。
【0006】
また、前記マスクを製造するためのマスクの製造方法を提供することをもう一つの目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明は、弾性シートをカットして開口と該開口を囲む圧合部を有する耳掛けストラップを形成する工程と、カップ形状のマスク本体を形成する工程と、該カップ形状のマスク本体を前記耳掛けストラップにおける圧合部に熱圧する工程と、一対の耳掛け穴をそれぞれ前記耳掛けストラップに前記開口の相対的な両側にあるように設ける工程とを備えることを特徴とするマスクの製造方法を提供する。
【0008】
また、本発明は、弾性シートからなっており、開口と該開口を囲む圧合部とが設けられる中央部と、該中央部の相対的な両側から延びている上、それぞれに一対の耳掛け穴の一つが設けられている両端部とを有する耳掛けストラップと、使用者の顔を覆うための一層の支持層と、該支持層に配置されている少なくとも一層のフィルター層を有すると共に、その周辺が前記中央部における圧合部に圧合されているマスク本体とを備えるマスクをも提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によるマスクは、効率的に製造することができ、また本発明によるマスクの製造方法によれば、製造プロセスが簡易化し、自動化製造に適するため、マスクの生産の速度と効率が大幅に向上する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の好ましい実施形態のマスクの製造方法のフローチャートである。
【図2】図1のマスクの製造方法において開口を有する耳掛けストラップを形成する工程を示す概略図である。
【図3】図1のマスクの製造方法においてカップ形状のマスク本体を形成し、該マスク本体を前記耳掛けストラップにおける圧合部に熱圧する工程を示す概略図である。
【図4】図1のマスクの製造方法において一対の耳掛け穴を前記耳掛けストラップに設けてマスクを製作する工程を示す概略図である。
【図5】図4を背面から見るフェイスマスクの耳掛けストラップの環状フランジ部を示す概略図である。
【図6】図4におけるフェイスマスクの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の効果と利点について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、本発明の好ましい実施形態のマスクの製造方法は、弾性シートをカットして開口11を有する耳掛けストラップ1を形成する工程101(図2に参照)と、カップ形状のマスク本体2を形成する工程102(図3に参照)と、該マスク本体2を耳掛けストラップ1における開口11を囲む圧合部12に熱圧する工程103と、一対の耳掛け穴14をそれぞれ耳掛けストラップ1に開口11の相対的な両側にあるように設ける工程104(図4に参照)とを備える。
【0012】
工程101において、中央部15を圧合部12と開口11とが設けられる箇所とし、両端部13を該中央部15の相対的な両側から延びる箇所として耳掛けストラップ1を形成する。また、開口11は、使用者の鼻と口の部分を覆う大きさであることが好ましい。
なお、耳掛けストラップ1を形成するための弾性シートとして弾性不織布あるいは弾性フィルムが使われる。
【0013】
工程102において、一層の支持層21と少なくとも一層のフィルター層22とを重ねてマスク本体2を成形する(図6に参照)。支持層21は、カップ形状を維持すると共に、使用者の顔を覆うために使われる。フィルター層22は、環境中のほこりや汚染物質をろ過するためのものである。この好ましい実施形態では、フィルター層22は、支持層21に配置されていて比較的微細な粒子をろ過する主要なフィルター層となる内層22Aと、該内層22Aに配置されていて比較的に粗大な粒子をろ過するプレフィルター層となる外層22Bとを有する。また、支持層21と内層22Aと外層22Bとは、異なるタイプの不織布からなることができる。熱圧する工程103の前に、支持層21と内層22Aと外層22Bとは、所望の形状によって所定の形のシートにカットされ得る。さらに、圧合部12の形と大きさは、所望のカップ形状のマスク本体2の形と大きさによって設定され得る。
【0014】
工程103において、カップ形状のマスク本体2を耳掛けストラップ1の中央部15に熱圧する(図3と4を参照)。カップ形状のマスク本体2は、中央部15における圧合部12に対して、ホットプレスあるいは超音波ボンディングなどにより熱圧される。なお、支持層21とフィルター層22とを耳掛けストラップ1における中央部15に重ねることにより、カップ形状のマスク本体2を形成する工程とマスク本体2を熱圧する工程とを同時に行うことができる。例えば、この好ましい実施形態では、支持層21と該支持層21に配置される内層22Aと外層22Bは、モールド(図示せず)により中央部15における圧合部12に熱圧される。従って、支持層21とフィルター層22とが圧合部12に圧合されてなったカップ形状のマスク本体2の周辺が、圧合部12と共に開口12を囲むように構成される。カップ形状のマスク本体2の凹部は、開口11を介して使用者の鼻と口の部分を収容するための空間として画成されている。また、中央部15には、環状フランジ部4が圧合部12と開口11の間に設けられることが好ましい(図5と6に参照)。この環状フランジ部4に関する詳しい機能は以下に説明する。なお、カップ形状のマスク本体2を形成する工程は、耳掛けストラップ1における中央部15にマスク本体2を熱圧する工程の前に行ってもよい。
【0015】
工程104において、両端部13のそれぞれに一対の耳掛け穴14の一つを形成して(図4に参照)フェイスマスク100が完成する。この一対の耳掛け穴14により、カップ形状のマスク本体2で使用者の鼻と口の部分をより密接に覆うように両端部13がそれぞれ使用者の耳に掛けられることができる。このとき、環状フランジ部4によりカップ形状のマスク本体2と使用者の顔とをより緊密に接触させることが可能である。
【0016】
前記マスクの製造方法によれば、カップ形状のマスク本体2を形成する工程と、支持層21とフィルター層22とを耳掛けストラップ1における中央部15に重ねることによりマスク本体2を熱圧する工程とを同時に行うができるため、製造プロセスの簡易化が可能となり、フェイスマスク100の生産の速度が100枚/分に向上し、効率を大幅に向上させることができる。
【0017】
以上を要約すれば、従来のマスクの製造方法に比べると、本発明によるマスクの製造方法は、製造プロセスが簡易化し、自動化製造に適するため、マスク100の生産の速度と効率は大幅に向上する。また、本発明によるフェイスマスク100はさらに環状フランジ部4を備えるので、カップ形状のマスク本体2と使用者の顔とをより緊密に接触させることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明によるマスクは、効率的に製造することができ、また本発明によるマスクの製造方法によれば、製造プロセスが簡易化し、自動化製造に適するため、マスクの生産の速度と効率が大幅に向上する。
【符号の説明】
【0019】
1…耳掛けストラップ、2…マスク本体、4…環状フランジ部、11…開口、12…圧合部、13…両端部、14…耳掛け穴、15…中央部、21…支持層、22…フィルター層、22A…内層、22B…外層、100…フェイスマスク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性シートをカットして開口と該開口を囲む圧合部とを有する耳掛けストラップを形成する工程と、
カップ形状のマスク本体を形成する工程と、
該カップ形状のマスク本体を前記耳掛けストラップにおける圧合部に熱圧する工程と、
一対の耳掛け穴を前記耳掛けストラップに前記開口の相対的な両側にあるように設ける工程とを備えることを特徴とするマスクの製造方法。
【請求項2】
前記耳掛けストラップを形成する工程において、中央部を前記圧合部と前記開口とが設けられる箇所とし、両端部を該中央部の相対的な両側から延びる箇所として耳掛けストラップを形成し、
前記マスク本体を熱圧する工程において、前記マスク本体を前記中央部に熱圧し、
前記一対の耳掛け穴を設ける工程において、前記両端部のそれぞれに前記一対の耳掛け穴の一つを形成することを特徴とする請求項1に記載のマスクの製造方法。
【請求項3】
前記耳掛けストラップを形成する工程において、前記中央部における前記圧合部と前記開口の間に環状フランジ部を形成することを特徴とする請求項2に記載のマスクの製造方法。
【請求項4】
前記マスク本体を形成する工程において、一層の支持層と少なくとも一層のフィルター層とを重ねて前記マスク本体を成形することを特徴とする請求項1〜3のいずれかの一項に記載のマスクの製造方法。
【請求項5】
前記支持層と前記フィルター層とを前記耳掛けストラップに重ねることにより、前記マスク本体を形成する工程と前記マスク本体を熱圧する工程とを同時に行うことを特徴とする請求項4に記載のマスクの製造方法。
【請求項6】
前記マスク本体を形成する工程は、前記耳掛けストラップに前記マスク本体を熱圧する工程の前に行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかの一項に記載のマスクの製造方法。
【請求項7】
前記耳掛けストラップを形成する工程において、前記弾性シートとして弾性不織布あるいは弾性フィルムを使うことを特徴とする請求項1〜6のいずれかの一項に記載のマスクの製造方法。
【請求項8】
弾性シートからなっており、開口と該開口を囲む圧合部とが設けられる中央部と、該中央部の相対的な両側から延びている上、それぞれに一対の耳掛け穴の一つが設けられている両端部とを有する耳掛けストラップと、
使用者の顔を覆うための一層の支持層と、該支持層に配置されている少なくとも一層のフィルター層を有すると共に、その周辺が前記中央部における圧合部に圧合されているマスク本体とを備えることを特徴とするマスク。
【請求項9】
前記圧合部と前記開口の間に設けられた環状フランジ部を更に有することを特徴とする請求項8に記載のマスク。
【請求項10】
前記弾性シートとして弾性不織布あるいは弾性フィルムが使われていることを特徴とする請求項8又は9に記載のマスク。
【請求項11】
前記マスク本体は、カップ形状に形成されることを特徴とする請求項8〜10のいずれかの一項に記載のマスク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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