説明

マスタシリンダ

【課題】 加工作業の能率向上とコストの低減とを図ったマスタシリンダを提供すること。
【解決手段】 シリンダ孔2aを有するシリンダボデー2と、スリーブ3、7と、ピストン4、5とを備えるマスタシリンダ1において、ピストン4、5の径はスリーブ3、7の中心孔の径にのみ依存して設定可能とされるように構成した。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両のブレーキ装置やクラッチ装置に利用されるマスタシリンダに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のマスタシリンダは、実公平08−008929号公報に開示されるように、シリンダ孔を有するシリンダボデーと、前記シリンダ孔に配設されるスリーブと、前記スリーブの中心孔に前進及び後退可能に挿入されるとともにその前方に圧力室を形成するピストンと、を備え、前記ピストンの径は前記スリーブの中心孔の径と前記シリンダ孔径とに応じて設定可能とされるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この従来のマスタシリンダにおいては、圧力室からの最大吐出量を適宜変更する場合、シリンダボデーの前後方向長の増減、或いは、ピストンの径の増減でもって対応することになる。
【0004】しかしながら、シリンダボデーの前後方向長を増減する場合においては、シリンダボデー等の加工設備がその都度必要となることから多大な設備費を必要とし、コスト増大の要因となる。
【0005】ピストンの径を増減することにより対応する場合には、シリンダボデーの内周部の加工とスリーブの内周部の加工との二つの加工工程を要することから、加工作業の能率向上の妨げとなる。
【0006】本発明は、加工作業の能率向上とコストの低減とを図ったマスタシリンダを提供することを、その技術的課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、第1の手段として、シリンダ孔を有するシリンダボデーと、前記シリンダ孔に配設されるスリーブと、前記スリーブの中心孔に前進及び後退可能に挿入されると共にその前方に圧力室を形成するピストンとを備えるマスタシリンダにおいて、前記ピストンの径は前記スリーブの中心孔の径にのみ依存して設定可能とされることを特徴とするマスタシリンダを構成した。
【0008】好ましくは、第2の手段として、前記スリーブの外周部に配設される第1シール部材と、前記ピストンの外周部に配設される第2シール部材とを備えたことを特徴とする第1の手段のマスタシリンダが望ましい。
【0009】好ましくは、第3の手段として、前記ピストンは、前方に配設されると共にその前方に前側圧力室を形成する前方側ピストンと、前記前方側ピストンの後方に配設されると共にその前方に後方側圧力室を形成する後方側ピストンとを備え、前記スリーブの中心孔は前記前方側ピストンが挿入される前方側孔部と前記後方側ピストンが挿入される後方側孔部とを備え、前記前方側孔部の径は前記後方側孔部の径よりも大きくされていることを特徴とする第1の手段又は第2の手段のマスタシリンダが望ましい。
【0010】好ましくは、第4の手段として、前記シリンダボデーは、前記後方側圧力室と前記後方側圧力室からの作動流体の供給を受けることにより作動される作動装置とを連通可能なポートを備え、前記スリーブは前記ポートと前記後方側圧力室とを連通可能な連通路を備え、前記連通路は前記スリーブの径方向に延在されると共にストレート状を呈することを特徴とする第3の手段のマスタシリンダが望ましい。
【0011】第1の手段のマスタシリンダは、ピストンの径はスリーブの中心孔の径にのみ依存して設定可能とされる。
【0012】第2の手段のマスタシリンダは、第1の手段の作用に加えて、第1シール部材がスリーブの外周部に配設されており、第2シール部材がピストンの外周部に配設される。
【0013】第3の手段のマスタシリンダは、第1の手段又は第2の手段の作用に加えて、スリーブの中心孔は前方側ピストンが挿入される前方側孔部と後方側ピストンが挿入される後方側孔部とを備え、前方側孔部の径は後方側孔部の径よりも大きくされている。
【0014】第4の手段のマスタシリンダは、第3の手段の作用に加えて、連通路はスリーブの径方向に延在されると共にストレート状を呈する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施の形態により具体的に説明する。
【0016】図1は本発明の一実施の形態のマスタシリンダ1の断面図であり、図2は図1のシリンダボデー2の拡大図である。図1及び図2に示すように、マスタシリンダ1は、シリンダボデー2と、第1スリーブ3と、第2スリーブ7と、第1ピストン4(後方側ピストン)と、第2ピストン5(前方側ピストン)とを有している。
【0017】シリンダボデー2には後方(図1及び図2中右方)に開口するシリンダ孔2aが形成されている。シリンダ孔2aは、後方開口部から前方(図1及び図2中左方)に向けて大径部2aa、大径部2aaよりも小さい径を有する中径部2ab、及び中径部2abよりも小さい径を有する小径部2acを連続して備えている。
【0018】小径部2acの後端部にはざぐり部が形成されており、このざぐり部にはシールカップ6が配設されている。シリンダ孔2aの中径部2abから大径部2aaにかけて第1スリーブ3が挿入されている。
【0019】第1スリーブ3はシリンダ孔2aの中径部2abの径と略等しい外径を備えており、中径部2abに嵌合されている。第1スリーブ3がシリンダ孔2aに組付けられることによりシールカップ6がざぐり部の端面と第1スリーブ3の前端部とにより挟持されることになる。
【0020】第1スリーブ3の外周部にはOリング9(第1シール部材)とOリング10が配設されており、第1スリーブ3の外周部は中径部2abの周壁部に液密的に当接される。第1スリーブ3の中心孔3aは、前方から後方にかけて連続する大径部3aaと、大径部3aaの径よりも小さい径を有する小径部3abとを有している。
【0021】小径部3abの後方端部には後方側ざぐり部が形成されており、この後方側ざぐり部には略環状を呈すると共にその中心穴の径が第1スリーブ3の小径部3abの径と略等しい径を有する第2スリーブ7が嵌合されている。第2スリーブ7の前端部と後方側ざぐり部の端面との間にはシールカップ8が配設されている。
【0022】プラグ11は前方に開口する略有底筒状を呈しており、底面部には第1ピストン4が貫通するための貫通孔が形成されている。プラグ11の内周部は第1スリーブ3及び第2スリーブ7の外径よりも大きい径を備え、プラグ11の凹部底面部で貫通孔の周縁部には凹部が形成されており、この凹部にはシールカップ12が嵌合されている。
【0023】第1スリーブ3の後方部をその内部に収容するようにしてプラグ11がシリンダ孔2aの大径部2aaに嵌合されることにより、第2スリーブ7が第1スリーブ3とプラグ11とにより挟持され、第1スリーブ3のシリンダ孔2aからの抜け止めがされる。プラグ11の外周部にはOリング13が配設されており、プラグ11の外周部はOリング13を介してシリンダ孔2aの大径部2aaの周壁部と液密的に当接される。
【0024】第1スリーブ3の中心孔3aの大径部3aaには第2ピストン5が前後方向に摺動可能に挿入され、第1スリーブ3の小径部3abと第2スリーブ7の中心穴とプラグ11の貫通孔とには第2ピストン5の後方に位置するように第1ピストン4が前後方向に摺動可能に挿入される。
【0025】第2ピストン5は前方に開口する有底筒状を呈しており、シリンダ孔2aの小径部2acよりも小さな径で且つ第1スリーブ3の大径部3aに略等しい外径を有している。第2ピストン5の後方外周部に形成された環状溝部にはシールカップ14(第2シール部材)が配設されている。
【0026】第1ピストン4は略円柱状を呈しており、その前端部には前方に開口する前方凹部と、その後端部には後方に開口する後方凹部とを有している。第1ピストン4は第1スリーブ3の小径部3abの径と第2スリーブ7の中心穴径とに略等しい外径を有している。
【0027】シリンダボデー2の底面部と第2ピストン5の凹部底面部との間にはスプリング15が配設されている。スプリング15は第2ピストン5を後方に付勢しており、第2ピストン5の後端部が第1スリーブ3の大径部3aaと小径部3abとの段差部に係合することにより、第2ピストン5のシリンダボデー2に対する後退限位置が規定される。
【0028】第1ピストン4の前方凹部には後方に開口する略有底筒状を呈するストッパ16がその後端部が前方凹部の底面部に当接するようにして嵌合されている。第2ピストン5の底面部に形成された軸方向孔には、その後端部に形成された外向フランジ部によりストッパ16の底面部に係合可能なロッド17が固定配置されている。
【0029】第2ピストン5の後端部とストッパ16の後方端部に形成された外向フランジ部との間にはスプリング18が配設されている。スプリング18はストッパ16を介して第1ピストン4を後方に付勢しており、第2ピストン5のロッド17の外向フランジ部とストッパ16の底面部とが係合することにより第1ピストン4のシリンダボデー2に対する後退限位置が規定される。
【0030】シリンダボデー2のシリンダ孔2aの底面部と第2ピストン5の前端部との間、即ち、第2ピストン5の前方には第2圧力室19が形成されている。第2ピストン5の後端面と第1ピストン4の前端面との間、即ち、第1ピストン5の前方には第1圧力室20が形成されている。
【0031】シリンダボデー2には、図示しないリザーバに連通するユニオン23に連通して作動流体であるブレーキ液を第1圧力室20に供給するためのポート24と、ユニオン23に連通して作動流体であるブレーキ液を第2圧力室19に供給するためのポート25とが形成されている。
【0032】第1ピストン4の側部には、前方凹部の周壁部から第1ピストン4の外周部にかけて貫通する連通ポート4aが形成されている。連通ポート4aは第1圧力室20と第1ピストン4の外周側空間部とを連通可能としている。
【0033】第2スリーブ7にはその内周部と外周部とを貫通する連通孔7aが形成されている。図2に示す初期状態においては、連通孔7aの内周部側開口は第1ピストン4の連通ポート4aの外周側開口と対向配置される。
【0034】従って、図2に示す初期状態においては、第1圧力室20は、第1ピストン4の前方凹部と、連通ポート4aと、第2スリーブ7の連通孔7aと、第2スリーブ7の外周部とプラグ11の内周部とのクリアランスと、第1スリーブ3の外周部とプラグ11の内周部とのクリアランスと、シリンダボデー2の中径部2abの後方部に形成されているざぐり部と、ポート25と、ユニオン23とを介してリザーバに連通されることになる。
【0035】第2ピストン5の側部には、凹部周壁部から第2ピストン5の外周部にかけて貫通する連通ポート5aが形成されている。連通ポート5aは第2圧力室19と第2ピストン5の外周側空間部とを連通可能としている。
【0036】第1スリーブ3の大径部3aaの前端部には前方側ざぐり部が形成されており、又、第1スリーブ3の外周部前端部には外周側小径部が形成されている。第1スリーブ3は、この内周側ざぐり部と外周側小径部とを連通する連通孔3bを有している。
【0037】図2に示す初期状態においては、第1スリーブ3の内周側ざぐり部は第2ピストン5の連通ポート5aの外周側開口と対向配置されており、第1スリーブ3の外周側小径部はポート24と対向配置されている。従って、図2に示す初期状態では、第2圧力室19は、第2ピストン5の凹部と、連通ポート5aと、第1スリーブ3の内周側ざぐり部と第2ピストン5の外周部との間の空間部と、連通孔3bと、第1スリーブ3の外周側小径部とシリンダボデー2の内周部との間の空間部と、ポート24と、ユニオン23とを介してリザーバに連通されることになる。
【0038】シリンダボデー2には、第2圧力室19と図示しない液圧作動装置としての車輪ブレーキとを連通するアウトレットポート21と、第1圧力室20と車輪ブレーキとを連通する為のアウトレットポート22とが配設されている。
【0039】アウトレットポート22は、第1スリーブ3に形成された第1スリーブ3の内周部から外周部にかけて貫通するストレート状の連通路3cと、第2ピストン5においてシールカップ14が配設されている環状溝と、この環状溝から第2ピストン5の後端面にかけて貫通する貫通孔5bとを介して第1圧力室20に連通されている。
【0040】連通路3cの外周側開口部はOリング9、10との間に配設されている。シールカップ14は後方に開口するようにして湾曲しており、図2に示す初期状態においては、シールカップ14は連通路3cの近傍で連通路3cよりも前方に配置されている。
【0041】シールカップ6は、その内周部で第2ピストン5の外周部に当接するとともにその外周部でシリンダボデー2の内周部に当接することにより、第2圧力室19とポート24との連通を遮断している。
【0042】シールカップ14は、その内周部で第2ピストン5の環状溝外底面部に当接するとともにその外周部で第1スリーブ3の内周部に当接することにより、第2圧力室19と第1圧力室20及びポート22との連通を遮断している。
【0043】シールカップ8は、その内周部で第1ピストン4の外周部に当接するとともにその外周部で第1スリーブ3の内周部に当接することにより、第1圧力室20とポート25との連通を遮断している。
【0044】Oリング9は、その内周部で第1スリーブ3の外周部に当接するととともにその外周部でシリンダボデー2の内周部に当接することにより、アウトレットポート22とポート24との連通を遮断している。
【0045】Oリング10は、その内周部で第1スリーブ3の外周部に当接するととともにその外周部でシリンダボデー2の内周部に当接することにより、アウトレットポート22とポート25との連通を遮断している。
【0046】次いで作動を説明する。図1及び図2に示す初期状態においては、第1、第2ピストン4、5は非作動状態であり、それぞれシリンダボデー2に対する後退限位置にある。この初期状態においては、上述したように、第1圧力室20及び第2圧力室19はリザーバに連通されている。
【0047】図1及び図2の状態(マスタシリンダ1の非作動状態)で第1ピストン4に押圧力が加えられると、スプリング18の付勢力に抗して第1ピストン4は前進移動され、第1ピストン4に形成されている連通ポート4aがシールカップ8により塞がれて、連通ポート4aと第2スリーブ7の連通孔7a、ひいてはポート25との連通が遮断される。従って、第1圧力室20とリザーバとの連通が遮断され、第1圧力室20内のブレーキ液が昇圧される。
【0048】第1圧力室20内のブレーキ液の昇圧により第2ピストン5が前進移動されると、第2ピストン5に形成されている連通ポート5aがシールカップ6により塞がれて、連通ポート5aと第1スリーブ3の内周部前方側環状径部との連通、ひいてはポート24との連通が遮断される。従って、第2圧力室19とリザーバとの連通が遮断されて、第2圧力室19内のブレーキ液が昇圧される。
【0049】両圧力室19、20のブレーキ液の昇圧により両アウトレットポート21、22を介して車輪ブレーキにブレーキ液が圧送される。
【0050】例えばマスタシリンダ1の第2圧力室20からの吐出液量を変更する場合、第2ピストン5と第1スリーブ3とに代えて、第2ピストン5と異なる外径を有する第2ピストンとこの第2ピストンの径と等しい内径を有するスリーブとを新たにシリンダボデー2に組付けることにより、容易に達成することができる。
【0051】加えて、第1ピストン4の径よりも第2ピストン5の径が大きくされていることから、特に第2圧力室19からの吐出液量の増加が要求される液圧装置により適したマスタシリンダ1とされている。
【0052】以上説明したように、本実施の形態のマスタシリンダ1によれば、ピストン4、5及びスリーブ3、7を適宜変更することにより圧力室19、20からの吐出液量を容易に変更することができ、従来のものにおいて生じていたシリンダボデーの変更、或いはシリンダボデーの加工等を不要とすることができる。
【0053】従って、加工作業能率の向上とコストの低減とを図ったマスタシリンダ1を提供することを可能としている。
【0054】更に、シールカップ14を第2ピストン5に配設する構成としたことにより、第1スリーブ3の大径部3aaの調整幅を増加することができ、ひいては、第1スリーブ3の大型化の抑制とそれに伴うシリンダボデー2の大型化の抑制を可能としている。
【0055】更に、連通路3cをストレート状としたことにより、第1スリーブ3に連通路3cを容易に形成することができ、加工作業の能率向上を可能としている。
【0056】本実施の形態においては、タンデム型のブレーキマスタシリンダにおいて本発明のマスタシリンダを採用したが、特にこの構成に限定されるものではなく、例えば、シングル型を採る本発明のマスタシリンダにおいても同様の作用効果が得られる。
【0057】以上、本発明を上記実施の態様に則して説明したが、本発明は上記態様にのみ限定されるものではなく、本発明の原理に準ずる各種態様を含むものである。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明によれば、ピストン及びスリーブを適宜変更することにより圧力室からの吐出液量を容易に変更することができ、従来のものにおいて生じていたシリンダボデーの変更、或いはシリンダボデーの加工等を不要とすることができる。
【0059】従って、加工作業能率の向上とコストの低減とを図ったマスタシリンダを提供することを可能としている。
【0060】請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、スリーブの中心孔径の調整幅を増加することができ、ひいては、スリーブの大型化の抑制とそれに伴うシリンダボデーの大型化の抑制を可能としている。
【0061】請求項3の発明によれば、請求項1又は請求項2の発明の効果に加えて、加えて、特に前方側圧力室からの吐出液量の増加が要求される装置により適したマスタシリンダとされる。
【0062】請求項4の発明によれば、請求項3の発明の効果に加えて、連通路をストレート状としたことにより、スリーブに連通路を容易に形成することができ、加工作業の能率向上を可能としている。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態のマスタシリンダ1の断面図。
【図2】図1のシリンダボデー2の拡大図。
【符号の説明】
1 マスタシリンダ
2 シリンダボデー 2a シリンダ孔
3 第1スリーブ 3a 中心孔
3aa 大径部 3ab 小径部
3c 連通路
4 第1ピストン
5 第2ピストン
7 第2スリーブ
9 Oリング
14 カップリング
19 第2圧力室
20 第1圧力室
22 アウトレットポート

【特許請求の範囲】
【請求項1】 シリンダ孔を有するシリンダボデーと、前記シリンダ孔に配設されるスリーブと、前記スリーブの中心孔に前進及び後退可能に挿入されると共にその前方に圧力室を形成するピストンと、を備えるマスタシリンダにおいて、前記ピストンの径は前記スリーブの中心孔の径にのみ依存して設定可能とされることを特徴とするマスタシリンダ。
【請求項2】 前記スリーブの外周部に配設される第1シール部材と、前記ピストンの外周部に配設される第2シール部材とを備えたことを特徴とする請求項1マスタシリンダ。
【請求項3】 前記ピストンは、前方に配設されると共にその前方に前側圧力室を形成する前方側ピストンと、前記前方側ピストンの後方に配設されると共にその前方に後方側圧力室を形成する後方側ピストンとを備え、前記スリーブの中心孔は前記前方側ピストンが挿入される前方側孔部と前記後方側ピストンが挿入される後方側孔部とを備え、前記前方側孔部の径は前記後方側孔部の径よりも大きくされていることを特徴とする請求項1又は請求項2のマスタシリンダ。
【請求項4】 前記シリンダボデーは、前記後方側圧力室と前記後方側圧力室からの作動流体の供給を受けることにより作動される作動装置とを連通可能なポートを備え、前記スリーブは前記ポートと前記後方側圧力室とを連通可能な連通路を備え、前記連通路は前記スリーブの径方向に延在されると共にストレート状を呈することを特徴とする請求項3のマスタシリンダ。

【図1】
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【図2】
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