説明

マッサージボール

【課題】球状の本体表面上に複数の突起を有し、内部に重りを有し、ツボおよび筋肉にマッサージを施すマッサージボールを提供する。
【解決手段】本体11および重り13を含む。本体11は、中央に中空部が形成された球状を呈し、複数の突起12が外表面111に分布している。突起12の総数が24〜30個で、相互に隣り合う任意の二つの突起12の頂端の間隔が15〜20mmで、突起12の頂端から外表面111までの垂直距離が5〜15mmである。重り13は、本体11の中央の中空部に位置し、全体の重量を増加させている。相互に隣り合う任意の二つの突起12の頂端の間隔が15〜20mmで、身体の経脈およびツボに対する刺激を増強させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッサージボールに関し、特に、球状の本体表面上に複数の突起を有し、内部に重りを有し、ツボおよび筋肉にマッサージを施すマッサージボールに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の健康ブームにより家庭などでマッサージで筋肉をほぐし、身体の疲労や不快感を減少させている人が多い。職場での長期にわたる疲労の蓄積と、運動や姿勢の悪さが引き起こす筋肉疲労とを軽減させるため、携帯型マッサージ器具が必要不可欠となっている。
【0003】
現在市販されているマッサージ器具は、球状で、表面に突起を持ち、つぼを押して刺激するものである。マッサージ器具は、プラスチック、木、金属などの単一の材料からなり、全体の重さが重すぎたり、軽すぎたりすると、表面が身体に接触した際、力が不十分でマッサージ効果が乏しい場合が多い。また、従来のマッサージ器具は、表面が硬すぎたため、身体の接触部位が摩擦されると、赤く腫れたり、傷ができたりすることが多かった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平7−28539
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の第1の目的は、内部中央に重りを有し、その外周に複数の突起を有し、ツボおよび筋肉にマッサージを施すマッサージボールを提供することにある。
本発明の第2の目的は、本体材料内に添加物を更に含み、ツボおよび筋肉への刺激を増加させるマッサージボールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するため、本発明は、マッサージボールを提供する。本発明のマッサージボールは、本体および重りを含む。本体は、中央に中空部が形成された球状を呈し、複数の突起が外表面に分布している。突起の総数が24〜30個で、相互に隣り合う任意の二つの突起の頂端の間隔が15〜20mmで、突起の頂端から外表面までの垂直距離が5〜15mmである。重りは、本体の中央の中空部に位置し、全体の重量を増加させている。相互に隣り合う任意の二つの突起の頂端の間隔が15〜20mmで、身体の経脈およびツボに対する刺激を増強させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明のマッサージボールは、本体の材料がソフトゴムであるため、マッサージにより接触する皮膚を傷つけるのを避けることができる。また、内部に重りを設けているため、摩擦動作にともなう慣性運動を利用してツボおよび筋肉に効果的な刺激を与えるマッサージを施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1の実施形態によるマッサージボールを示す正面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態によるマッサージボールを示すA−A面の断面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態によるマッサージボールを示す断面図である。
【図4】本発明のマッサージボールを製造する金型を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本考案の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1および図2を参照する。図1は、本発明の第1の実施形態によるマッサージボールを示す正面図である。図2は、本発明の第1の実施形態によるマッサージボールを示すA−A面の断面図である。図1および図2に示すように、本発明のマッサージボール1は、本体11、突起12および重り13含む。
【0010】
本体11は、中央に中空部が形成された球状を呈し、外表面111に複数の突起12を設けている。中央に中空部が形成された本体11は、内部に重り13を設け、マッサージボール1全体の重量を増加させている。
【0011】
本体11および複数の突起12は、弾性を有するソフトゴムにより一体成形されている。重り13を覆う外周の厚さtが2〜10mm(突起12の高さを含まない)で、材料がプラスチック、ゴム、シリコンのうちの一つである。第1の実施形態において、本体11は、硬度が70前後のTPU(熱可塑性ポリウレタン)からなるのが好適である。突起12は、半円形の弧状で、本体11の外表面111から突出し、均等に分布している。突起12の最大直径dは、10〜20mmである。突起12の頂端から本体11の外表面111までの垂直距離h(突起12の高さ)は、5〜15mmが好適で、8〜12mmが最も理想的である。
【0012】
突起12の総数は、24〜30個が好適で、特に28個が理想的である。相互に隣り合う任意の二つの突起12は、頂端の間隔wが15〜20mmである。人の手のひらにある多数のツボは、間隔が20mm前後であるため、本発明のマッサージボール1も、相互に隣り合う任意の二つの突起12の頂端の間隔wを15〜20mmに設定した。これにより、ユーザーが手のひらで使用すると、ツボを効果的に刺激することができる。
【0013】
本体11および複数の突起12は、弾性を有するソフトゴムにより一体成形されているため、マッサージボール1でマッサージされると人の指で指圧されているような感覚がある。本体11の中央の所定の位置に配置されている重り13がマッサージボール1に適当な重さを与えるため、両手でキャッチボールのような動作をすると、手のひらを刺激する力が増加し、マッサージ効果が向上する。
【0014】
重り13は、金属、セラミック、鉱石などの材料の一つからなる。本実施形態中のマッサージボール1の重り13は、直径が40〜60mmで、重量が300〜600gが好適であるが、特に、直径が50mm前後の場合が理想的である。重り13の外側の本体11および突起12を加えると、マッサージボール1の総重量が500〜700gになる。
【0015】
マッサージボール1の本体11が突起12の高さを含まない場合、60〜70mmである。ただし、重り13の直径が小さい場合は、本体11の厚さを増加させなければならない。上記の重量およびサイズは、東洋人成人の手のひらのサイズに最適である。もちろん、人種、年齢、性別により異なる重量およびサイズのマッサージボール1を製造することができる。
【0016】
重り13は、磁力または微量の放射性を有する金属(鉄、チタン、ゲルマニウムなど)、遠赤外線セラミック、またはエネルギーを有する水晶(アメシスト、シトリンなど)からなってもよい。重り13の磁力または放射線が、本体11および複数の突起12を介してマッサージボール1の接触するツボに伝わることにより、マッサージボール1の保健的効能を増加させることができる。
【0017】
人類は洞窟に居住していた太古の時代から、手を摩擦することにより寒さを凌ぐという本能を持っていたが、これにより血液循環が良好になり、身体が動きやすくなることを知り、次第に手のひらのある部分を押して刺激を与えると、治療効果があることを悟った。本発明のマッサージボール1は、この治療効果に着眼して生まれたわけだが、携帯に便利で、手のひらで撫でたり、転がしたり、揉んだり、叩いたり、擦ったりすることによりツボおよび全息反射区に対して刺激を加える。
【0018】
手のひらの治療に関する理論は、経絡学説までさかのぼる。経絡学説は、「足臂十一脈灸経」、「陰陽十一脈灸経」、「灸枢経」、唐の孫思▲バク▼の「千金方」、元の滑伯仁の「十四経発揮」などの書籍に記載され、手のひらの経絡、経穴、経外奇穴の作用について詳細に解説している。「史記 扁鵲倉公列伝」および「黄帝内経」においても、古代中国における治療状況、および経絡▲ユ▼穴による診断などは、現在手のひらの治療に関する理論的根拠となっている。
【0019】
現代医学において、手のひらの皮下組織に豊富な神経線維末梢が密集し、物体の形状、大きさ、温度、重さを感知できることが立証されている。神経線維末梢が密集している手のひらの特定のツボに刺激が与えられると、強い反応を示すが、経絡と臓器とが相互に対応しているため、疾病の予防および治療を行なうことができる。
本発明のマッサージボール1の外表面111上には、複数の突起12があり、身体の経絡やツボ(特に、手のひらの経穴および全息反射区)上を転がしたり、叩いたりして異なる方法により刺激が与えられると、刺激が経絡および神経に伝わり、身体の免疫システムを刺激し、潜在能力を発揮させ、疾病予防、健康増進および長寿に効果がある。
【0020】
手のひら以外に、頸部、肩、肘、膝、頭部などで転がしたり、叩いたりしてツボを刺激し、経絡を開くことができる。
【0021】
図3を参照する。図3は、本発明の第2の実施形態によるマッサージボールを示す断面図である。図3に示すように、第2の実施形態によるマッサージボールが第1の実施形態によるマッサージボールと異なるのは、本体11および突起12の材料内に添加物14を含ませる点である。添加物14は、本体11および突起12内に均等に分布する細かい粒であり、金属粉末、鉱石粉末、磁力を持つ粉末、遠赤外線材料または導電材料のうちの一つである。添加物14は、本体11および突起12の重量の2〜8%を占めるのが好適である。
【0022】
金属および導電材料は、人体の静電気を除去することができる。遠赤外線効果を有する金属またはセラミックは、マッサージボール1が身体のツボを刺激すると遠赤外線を放射し、血液循環を助けることができる。また、磁力を持つ粉末は、人体の磁場を改善することができる。そのため、添加物14の特性がマッサージボール1の身体のツボを刺激する効果をさらに増加させることができる。
【0023】
上記の金属粉末、鉱石粉末、磁力を持つ粉末、遠赤外線材料または導電材料を同時に本体11および突起12の材料内に混合することもできる。これにより、マッサージボール1がさらにツボを刺激し、経絡を開きため、マッサージボール1の実用性が向上する。
【0024】
使用方法に関しては、マッサージボール1自体が所定の重量を有するため、例えば、散歩中に両手で手のひらのマッサージボール1を転がすと、撫ぜたり、転がしたり、揉んだりしたような効果が得られ、両手でキャッチボールのような動作をすると、叩いたり、擦ったりしたような効果が得られる。また、手でマッサージボール1を持って頸部、肩、肘、膝、頭部などで転がしてもよい。両手の手のひらまたはその他の部位に刺激を与え続けると、5〜10分後には血行が良くなり、皮膚が赤くなったり、少し膨らんだりするようになり、散歩が終わって水を飲むことにより、代謝を加速させ、体内の毒素を排出することができる。この時、全身が爽快で、血行がよく、生理的に充実した状態になる。
【0025】
以上のように、マッサージボール1は、いつでもどこでも使用可能であり、指で上手に使うと健康増進効果が得られる。また、背中、足、手の十二経絡上でマッサージボール1を直線的に往復させるように押し付けたり、叩いたりすることにより、筋骨をリラックスさせることができる。
【0026】
図4を参照する。図4は、本発明のマッサージボールを製造する金型を示す図である。図4に示すように、マッサージボール1を製造するにあたり、本体11およびその内部の重り13は、正確に同心円上の位置に固定されなければならない。そうしないと、マッサージボール1が使用において、重心が傾いているため、直線的に回転させるのが難しかったり、均等に力を加えることができなかったりする。そのため、本体11の材料の射出工程を行なう金型の設計において、本発明が用いる金型上部21および金型下部22内に、本体11および突起12の外形およびサイズに合う凹座211、221がそれぞれ設けられた。
【0027】
また、上方へ垂直に延伸した支持柱23が金型下部22の底部にさらに設けられた。支持柱23の高さは、本体11の厚さに等しい。支持柱23が突起12に位置した場合、その高さは、本体11に突起12を加えた高さでも良い。支持柱23の最上端の頂面は、重り13の外表面の弧度に対応する弧面を有する。製造する際は、金型上部21および金型下部22が離れた状態で、まず、重り13を支持柱23の頂部に配置して位置決めを行なう。次に、金型上部21および金型下部22を結合させ、金型上部21、金型下部22の凹座211、221と重り13との間に注入口24から本体11の材料を注入する。このようにすると、本体11およびその内部の重り13を確実に同心円上に位置させることができる。
【0028】
マッサージボール1が金型上部21、金型下部22から取り出されると、マッサージボール1上の支持柱23が配置されていた位置に、本体11の外表面から重り13までの柱状孔15が現れる。柱状孔15は、マッサージボール1の効能には全く影響を与えないため、そのままにしておいても構わないが、見栄えをよくするため、本体11と同様の材料を柱状孔15内に充填すると柱状孔15が見えなくなる。
【0029】
本発明では好適な実施形態を前述の通りに開示したが、これらは決して本発明を限定するものではなく、当該技術を熟知する者は誰でも、本発明の精神と領域を脱しない範囲内で各種の変更や修正を加えることができる。従って、本発明の保護の範囲は、特許請求の範囲で指定した内容を基準とする。
【符号の説明】
【0030】
1 マッサージボール
11 本体
12 突起
13 重り
14 添加物
15 柱状孔
21 金型上部
22 金型下部
23 支持柱
24 注入口
111 外表面
211 凹座
221 凹座
d 直径
h 垂直距離
t 厚さ
w 間隔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の突起が外表面に分布し、前記突起の総数が24〜30個で、相互に隣り合う任意の前記二つの突起の頂端の間隔が15〜20mmで、前記突起の頂端から前記外表面までの垂直距離が5〜15mmである中央に中空部が形成された球状を呈した本体と、
前記本体の前記中央の中空部に位置し、全体の重量を増加させ、相互に隣り合う任意の前記二つの突起の頂端の間隔が15〜20mmで、身体の経脈およびツボに対する刺激を増強させる重りとを含むことを特徴とするマッサージボール。
【請求項2】
前記本体および前記突起は、弾性を有するソフトゴムにより一体成形され、材料がプラスチック、ゴム、シリコンのうちの一つで、前記重りを覆う外周の厚さが2〜10mmで、前記突起は半円形の弧状で、前記突起の最大直径が10〜20mmであることを特徴とする請求項1に記載のマッサージボール。
【請求項3】
前記本体および前記突起は、材料内にさらに添加物を含み、前記添加物14は金属粉末、鉱石粉末、磁力を持つ粉末、遠赤外線材料または導電材料のうちの一つであることを特徴とする請求項2に記載のマッサージボール。
【請求項4】
前記重りは、直径が40〜60mmで、重量が300〜600gで、材料が金属、セラミック、鉱石の一つからなり、前記重りに前記本体および前記突起を加えると総重量が500〜700gになり、前記本体が前記突起の高さを含まない場合の外径が60〜70mmであることを特徴とする請求項2に記載のマッサージボール。
【請求項5】
前記突起は、頂端から前記本体の前記外表面までの垂直距離が8〜12mmで、前記突起の総数が28個で、前記本体の前記外表面から前記重りまで入り込んだ柱状孔を有することを特徴とする請求項4に記載のマッサージボール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−106730(P2013−106730A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−253299(P2011−253299)
【出願日】平成23年11月18日(2011.11.18)
【出願人】(511282003)
【Fターム(参考)】