説明

マッサージ器

【課題】 文献1に記載された電動マッサージ器は、モーターの回転軸に偏心ローター取り付けて微振動を発生させ、振動体を体に押し当ててその部位を振動させる作用があるのみである。振動の深さは微量であり、大きく振幅を取れる出退動作機能がない。
人手による壺押しマッサージの様な出退動作による揉みの作用を得ることは出来ない。
携帯式の電動マッサージ器は、振動体を体に押し当ててその部位が振動する作用のみで、出退動作による揉みの作用を得ることは出来ない。
【解決手段】 モーターと、モーターの回転軸に取り付けられた偏心部材と、
前記回転軸を移動中心とし、前記偏心部材の外側に設けられて偏心部材の回転により移動する移動体と、移動体に接して出退動作に変換する部材と、から構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モーターで出退動作をするマッサージ器に関する。
【背景技術】
【0002】
小型のマッサージ器には様々なものがあるが、その一つに振動タイプの電動マッサージ器がある。例えば文献1には、円筒状のケース内に乾電池と振動モーターを備えた電動マッサージ器が紹介されている。この様な電動マッサージ器は、振動体を体に押し当てることにより、その部位を振動させてマッサージ効果を得るようにしたものである。
【0003】
また、文献2の様に、美容のために液剤を抽出しながら振動マッサージが出来るものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−358088号公報
【特許文献2】特開2005−40438号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
文献1に記載された電動マッサージ器は、モーターの回転軸に偏心ローター取り付けて微振動を発生させ、振動体を体に押し当ててその部位を振動させる作用があるのみである。
振動の深さは微量であり、大きく振幅を取れる出退動作機能がない。
人手による壺押しマッサージの様な出退動作による揉みの作用を得ることは出来ない。
【0006】
文献2に記載された美容型の電動マッサージ器は、キャップ型の振動する先端部に液剤を抽出するための液剤抽出口が設けられているが、開閉機構が無い為に液剤が出っぱなしや体に押し当てると止まる等の欠点がある。
本発明は、振動体がと出退動作をすることで以上の問題点を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るマッサージ器は請求項1に記載のように、
モーターと、モーターの回転軸に取り付けられた偏心部材と、
前記回転軸を移動中心とし、前記偏心部材の外側に設けられて偏心部材の回転により移動する移動体と、前記移動体に接して出退動作に変換する部材と、から構成されていることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に記載のように、
モーターと、モーターの回転軸に取り付けられた偏心部材と、
先端に吐出口を持つキャップと、前記吐出口を塞ぐ移動体と、前記移動体を出退させる弾性材と、前記弾性材を固定する保持部材、とから構成されていることを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に記載のように、
貯液部と、前記移動体に連設した導液手段を設け、前記貯液部の液剤を前記導液手段により吐出することを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に記載のように、
前記移動体が、球形で先端が吐出口から突出していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1による発明の効果を説明する。
モーターによる偏心部材の回転が移動体を動かし、移動体に接して出退動作に変換する部材で移動体が出退動作を行う。
出退動作により振動しながら体を叩き、揉みマッサージ効果を発揮出来る。
【0012】
請求項2による発明の効果を説明する。
キャップの吐出口を移動体が塞いでおり液剤が漏れることがない。
また、前記移動体を出退させる弾性材を装備している。
移動体を押し当てると後退し、吐出口と移動体の間の隙間が生じる。
キャップは脱着可能であり、内部には好みの液剤が注入されているので、隙間から液剤が吐出される。
液剤が出っぱなしや体に押し当てると止まる等の欠点が解消出来る。
【0013】
請求項3による発明の効果を説明する。
前記移動体に連設した導液手段を設けて前記貯液部の液剤を前記導液手段により吐出する。
モーターの回転により、移動体は上下動作(出退動作)を繰り返す。
導液手段の先端を体に当てると液剤を出しながら揉みマッサージが出来る。
【0014】
請求項4による発明の効果を説明する。
前記移動体が、球形で先端が吐出口から突出している。
体に押しあてながら移動させると回転して裏側の液剤に塗布された面が外側に回転して体に塗布出来る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施の形態1に係る携帯式のマッサージ器100を示す側面断面図である。
【図2】図1に示した携帯式のマッサージ具のA−A方向からのA−Aにおける断面図である。
【図3】図2からt1秒後の編心ローターの移動状態図である。
【図4】図3からt2秒後の編心ローターの移動状態図である。
【図5】図4からt3秒後の編心ローターの移動状態図である。
【図6】図5からt4秒後の編心ローターの最下部への移動状態図である。
【図7】実施の形態2に係る美容型マッサージ器200を示す側面断面図である。
【図8】図7に示した美容型マッサージ具の左側面図である。
【図9】図7に示した美容型マッサージ具の体に押し当てた状態図である。
【図10】実施の形態3に係る美容型マッサージ器300を示す側面断面図である。
【図11】図10に示した美容型マッサージ器のB−B方向からのB−Bにおける断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施の形態1)
図1は、この発明における携帯式のマッサージ器100を示す側面断面図である。
図2は、図1に示した携帯式のマッサージ具のA−A方向からのA−Aにおけ
る断面図である。
この携帯式のマッサージ具100は、マッサージ具の本体1と、この本体1の内部に装備された乾電池2と、振動モーター3と、前記振動モーター3の回転軸に偏心部材としての偏心ローター7が取り付けられている。
【0017】
図2では、振動モーター3の回転軸に偏心ローター7が嵌合しており、その外側に前記回転軸を移動中心とする矩形の振動移動体6を備えている。
また、この振動移動体6に接して回転を出退動作に変換するガイド4が両辺に設けてある。
振動移動体6の先端には打撃突起5がある。
【0018】
図2の状態は、偏心ローター7の長径側が最上部側に回転した時の偏心ローター7の移動状態図であり、振動移動体6が最上部にある。
振動移動体6は長方形であり、出退方向のガイド4に接する側を短辺として、短辺の長さは、振動モーター3の回転軸中心と偏心ローター7の長径側端部までの距離の回転半径より大きく、その2倍長さまでの範囲に設定される。
また、ガイド4とガイド4の間側を長辺として、長辺の長さは、前記回転半径の2倍以上の長さがある。
偏心ローター7の回転により、偏心ローター7の長径側が振動移動体6の長辺側に接触して出退動作を行う。
振動移動体6の移動量は、偏心ローター7の長径の長さによって決まり、長径を適切に設定することにより人手による壺押しマッサージの様な振幅の大きい優れたマッサージ効果を得ることが出来る。
【0019】
次に、この携帯式のマッサージ器100の動作について説明する。
振動モーター3の先端の偏心ローター7が回転することにより、その周囲に
振動を与えることが出来るので、本体1に付属して設けられた振動突起8や打
撃突起5も振動する。
【0020】
図2に於いては、偏心ローター7が回転することにより偏心ローター7の長径側が外側の振動移動体6の上部側の長辺に接して回転させようとするが、ガ
イド4により回転せずにガイド4に沿って上昇して振動移動体6が最上部に達する。
【0021】
振動移動体6が最上部に達した後に偏心ローター7が回転すると、偏心ロー
ター7の長径側は外側の振動移動体6の上部側の長辺と接触しなくなるが、振動移動体6は、振動移動体6の短辺とガイド4の接触部は抵抗の為に静止する。
偏心ローター7は、図3、図4の様に回転を続けるが、振動移動体6は静止したままである。
【0022】
更に偏心ローター7が回転すると、図5のように偏心ローター7の長径側が振動移動体6の下部側の長辺に接して回転させようとするが、ガイド4により回転せずにガイド4に沿って振動移動体6が下降する。
回転を続ける偏心ローター7が振動移動体6の下部側の長辺に接して下降を続け、図6の様に振動移動体6が最下部に達する。
【0023】
上記の様に偏心ローター7の回転により、振動移動体6は上下動作(出退動作)を繰り返す。
振動移動体6の先端には打撃突起5があり、ガイド4に沿った出退動作により振動しながら体を叩き、揉みマッサージ効果を発揮出来る。
【0024】
以上、この発明の携帯式のマッサージ具100では、例えば外出時の車内で
出退運動する打撃突起5を体に当てることで壺叩きのマッサージを行うことができる。
また、振動突起8側を体に当てることで振動式のマッサージも行える。
【0025】
(実施の形態2)
図7は、実施の形態2に係る美容型マッサージ器を示す側面断面図である。
図8は、図7に示した美容型マッサージ器の左側面図である。
図9は、図7に示した美容型マッサージ器の体に押し当てた状態図である。
この美容型マッサージ器200は、マッサージ具の本体1と、この本体1の内部に設けられた乾電池2と、振動モーター3と、前記振動モーター3の回転
軸に結合した偏心部材としての偏心ローター7から構成されている。
また、前方には、本体1に脱着可能なキャップ9があり、前記キャップ9の内部には、球形の振動移動体b12を出退させる弾性材としてのスプリング11があり、スプリング11を固定する保持部材10が設けられている。
また、前記キャップ9の先端には吐出口13があるが、内部の振動移動体b
12によって内側から押さえられ塞がっている。
振動移動体b12の先端は吐出口13から外側に突出している。
【0026】
次に、この美容型マッサージ器200の動作について説明する。
振動モーター3の先端の偏心ローター7が回転することにより、その周囲に振動を与えることが出来るので、本体1の前方にあるキャップ9や振動移動体b12も振動する。
【0027】
図9に示す様にキャップ9の先端を体にあてると、吐出口13から突出している振動移動体b12が体に接する。
振動移動体b12を体に当てることで振動式のマッサージが行える。
スプリング11の押し圧以上の力で移動体b12を押し当てると、移動体b12が後退し、吐出口13と振動移動体b12の間の隙間が生じる。
キャップ9は本体1から脱着可能であり、内部には好みの液剤が注入されているので、隙間から液剤が吐出される。
移動体b12は球形であり、押し当てる力により移動体b12が出退することで隙間の大きさが変わり液剤の吐出量も変わる。
また、移動体b12は球形であるので、押しあてながら移動させると回転して裏側の液剤を体表面に塗布出来る。
【0028】
以上、この発明の美容型マッサージ器200では、美容のために液剤を吐出口13から抽出しながら振動マッサージが出来る。
キャップ9の先端の振動移動体b12を体に当てると振動マッサージが出来、
振動移動体b12を強く押して液剤を塗りながらマッサージが出来る。
押し当てる力を加減することで吐出口13から液剤の吐出量を調整出来る。
押し当てる力が弱いと、吐出口13は内部の振動移動体b12によって内側から押さえら塞がっているので液剤が漏れることが無い。
また、移動体b12は球形であるので、押しあてながら移動させると回転して裏側の液剤に塗布された面が外側に回転して体に塗布出来る。
【0029】
(実施の形態3)
図10は、実施の形態3に係る美容型マッサージ器を示す側面断面図である。
図11は、図10に示した美容型マッサージ具のB−B方向からのB−Bにおける断面図である。
この美容型マッサージ器300は、マッサージ具の本体1と、この本体1の内
部に設けられた乾電池2と、振動モーター3と、前記振動モーター3の回転軸に偏心部材としての偏心ローター7が取り付けられている。
また、この振動移動体6に接して回転を出退動作に変換するガイド4が両辺
に設けてある。
【0030】
また、前方には、本体1に貯液部としての脱着可能なボトルキャップ16があり、美容のための液剤は、前記ボトルキャップ16から、伸縮チューブ15を通し、導液手段としての導液管14へ吐出する。
また、前記ボトルキャップ16の先端に空気弁17を回すことで空気が流入して液剤の吐出量を調整出来る。
【0031】
以上、この発明の美容型マッサージ具300では、
偏心ローター7の回転により、振動移動体6は上下動作(出退動作)を繰り返す。
振動移動体6に連設して導液管14があり、導液管14が、ガイド4に沿った出退動作により振動しながら体を叩き、壺押しマッサージ効果を発揮する。
導液管14の先端を体に当てると振動マッサージが出来、空気弁17を回すことで液剤の吐出量を調整出来て、美容のために液剤を抽出しながら振動マッサージが出来る。
【符号の説明】
【0032】
100 実施の形態1における携帯式のマッサージ器
200 実施の形態2における美容型のマッサージ器
300 実施の形態3における美容型のマッサージ器
1 本体
2 乾電池
3 振動モーター
4 ガイド
5 打撃突起
6 振動移動体
7 偏心ローター
8 振動突起
9 キャップ
10 保持部材
11 スプリング
12 振動移動体b
13 吐出口
14 導液管
15 伸縮チューブ
16 ボトルキャップ
17 空気弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モーターと、モーターの回転軸に取り付けられた偏心部材と、
前記回転軸を移動中心とし、前記偏心部材の外側に設けられて偏心部材の回転により移動する移動体と、前記移動体に接して出退動作に変換する部材と、から構成されていることを特徴とするマッサージ器。
【請求項2】
モーターと、モーターの回転軸に取り付けられた偏心部材と、
先端に吐出口を持つキャップと、前記吐出口を塞ぐ移動体と、前記移動体を出退させる弾性材と、前記弾性材を固定する保持部材、とから構成されていることを特徴とするマッサージ器。
【請求項3】
貯液部と、前記移動体に連設した導液手段を設け、前記貯液部の液剤を前記導液により吐出することを特徴とする請求項1に記載のマッサージ器。
【請求項4】
前記移動体が、球形で先端が吐出口から突出していることを特徴とする請求項2に記載のマッサージ器。























【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−224112(P2011−224112A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−95822(P2010−95822)
【出願日】平成22年4月19日(2010.4.19)
【出願人】(501487564)
【Fターム(参考)】