マッサージ椅子
【課題】 被施療者の体型にあわせて座部から脚載部までの距離を円滑且つ容易に変更することができ、しかも着座状態にある被施療者は脚載部のスライド操作のために姿勢を変えたりする必要がなく、操作性に優れた脚載部付きのマッサージ椅子を提供すること。
【解決手段】 脚載部5を水平姿勢で座部2に対して前後方向Aにスライド可能に保持するためのスライド機構42と、脚載部5を任意の位置にスライドさせて座部2との距離を調節するスライド調整レバー7とを備えたマッサージ椅子である。スライド調整レバー7を座部2の外側面であって肘掛け4よりも内側寄りに配設した。
【解決手段】 脚載部5を水平姿勢で座部2に対して前後方向Aにスライド可能に保持するためのスライド機構42と、脚載部5を任意の位置にスライドさせて座部2との距離を調節するスライド調整レバー7とを備えたマッサージ椅子である。スライド調整レバー7を座部2の外側面であって肘掛け4よりも内側寄りに配設した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッサージ椅子に関し、詳しくは脚載部を備えて脹脛や足裏を施療可能としたマッサージ椅子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、被施療者が着座する座部と、着座状態にある被施療者の下腿部のマッサージを行うための脚載部とを具備したマッサージ椅子が知られている。これらマッサージ椅子の脚載部は、該脚載部に形成してある凹溝内に被施療者の脹脛を嵌め込み、この脹脛に対してエアバッグ等の施療手段によりマッサージを施す構造になっているが、足裏に対してはマッサージを施すことができないという問題があった。そこで、上記問題を解決するために、被施療者の脹脛を保持する脹脛保持部と、被施療者の足裏を保持する足裏保持部とから成る脚載部を有するマッサージ椅子が提案されており(特許文献1参照)、これにより更に効果的な脚部マッサージが可能になっている。
【0003】
しかし、上記脚載部を有するマッサージ椅子においては、被施療者の体型が様々であることから以下の問題が存在していた。即ち、例えば被施療者が膝下の短い体型であった場合には、着座状態にある被施療者の足裏が脚載部の足裏保持部にまで届かず、足裏にマッサージを施すことができないという問題や、被施療者が膝下の長い体型であった場合には、足裏保持部に足裏を保持させた着座姿勢が非常に窮屈になるとともに、脚載部をその先端側が上方に持ち上がるように回動させた場合には被施療者の膝関節周辺が圧迫等されて痛みを感じたり、また腱を傷める危険性があるという問題があった。
【0004】
そこで本発明者らは、本発明に至る過程で、脚載部を水平姿勢で座部に対して前後方向にスライド可能に保持するためのスライド機構と、脚載部を任意の位置にスライドさせて座部との距離を調節するスライド調整レバーとを備えたマッサージ椅子を考えた。ところが、スライド調整レバーを、従来の操作レバーのように座部の前方下側、或いは、座部の後方、或いは、肘掛けの外側面に配置した場合、例えば背もたれを倒して脚載部のスライド位置を調節する場合などにあっては、被施療者の手がスライド調整レバーに届かず、スライド調整レバーの操作がしづらくなる。このためスライド調整レバーの操作時に、被施療者が腰を持ち上げたり、肘掛けを乗り越えたりするなど、姿勢を変えなければならないという問題があり、特に高齢者や身体障害者、或いは腰痛やリュウマチ等の人にとって負担が大きいという問題がある。
【特許文献1】特開平10−295758号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、被施療者の体型にあわせて座部から脚載部までの距離を円滑且つ容易に変更することができ、しかも着座状態にある被施療者は脚載部のスライド操作のために姿勢を変えたりする必要がなく、操作性に優れた脚載部付きのマッサージ椅子を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために本発明は、被施療者が着座する座部2と、座部2の後方に起倒自在に設けられた背もたれ3と、着座状態にある被施療者が腕を置くための肘掛け4と、着座状態にある被施療者が脚部の脹脛部分から足裏部分までを保持させる脚載部5とを備えたマッサージ椅子において、上記脚載部5を水平姿勢で座部2に対して前後方向Aにスライド可能に保持するためのスライド機構42と、脚載部5を任意の位置にスライドさせて座部2との距離を調節するスライド調整レバー7とを備え、スライド調整レバー7を座部2の外側面であって肘掛け4よりも内側寄りに配設したことを特徴としている。
【0007】
このような構成とすることで、スライド機構42により脚載部5を座部2に対して前後にスライドさせて座部2から脚載部5までの距離を変更することが可能となるので、被施療者の様々な体型に対応できる。即ち、被施療者の体型にあわせて座部2から脚載部5までの距離を円滑且つ容易に変更することができ、脹脛部分から足裏にかけて効果的なマッサージを施すことができる。しかもスライド調整レバー7を座部2の外側面であって肘掛け4よりも内側寄りに配設したので、脚載部5或いは背もたれ3がどのような状態であっても、着座状態にある被施療者の手がスライド調整レバー7に届くようになるので、スライド調整レバー7の操作が容易に行なえるようになる。つまり、スライド調整レバー7の操作時に、被施療者が腰を持ち上げたり、肘掛け4を乗り越えたりするなど、姿勢を変えなければならないという問題がなくなる。
【0008】
また、着座状態にある被施療者が上記スライド調整レバー7を座部2に対して後方A1に引っ張ることで、脚載部5のスライド調節を可能とするのが好ましく、この場合、例えば背もたれ3を後方A1に倒して被施療者が背もたれ3にもたれ掛かった姿勢であっても、スライド調整レバー7を手前に引っ張りながら脚を楽に伸ばして脚載部5のスライド位置の調節を楽に行なうことができる。
【0009】
また、上記スライド調整レバー7を柔軟性材料で形成するのが好ましく、この場合、スライド調整レバー7が被施療者の大腿部にあたっても、施療感が損なわれることがない。
【0010】
また、上記座部2と肘掛け4との間に大腿部施療用のエアバッグ6を配設すると共に、スライド調整レバー7をエアバッグ6の外側面であって肘掛け4よりも内側寄りに配設し、該エアバッグ6の外側面に、スライド調整レバー7をガイドするレバーガイド60を縫合するのが好ましく、この場合、エアバッグ6の膨縮により着座状態にある被施療者の大腿部を挟圧するなどしてマッサージを行なえると共に、スライド調整レバー7によってエアバッグ6の施療感が損なわれることがない。そのうえ、スライド調整レバー7の操作をエアバッグ6の外側面に縫合したレバーガイド60によってスムーズに行なうことができる。
【0011】
また、上記レバーガイド60が剛体で形成されているのが好ましく、この場合、レバーガイド60に対するスライド調整レバー7の摺動性が良くなり、一層操作性が向上する。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、脚載部を水平姿勢で座部に対して前後方向にスライド可能に保持するためのスライド機構と、脚載部を任意の位置にスライドさせて座部との距離を調節するスライド調整レバーとを備え、スライド調整レバーを座部の外側面であって肘掛けよりも内側寄りに配設したので、被施療者の体型にあわせて座部から脚載部までの距離を円滑且つ容易に変更することができると共に、着座状態にある被施療者は脚載部のスライド操作のために姿勢を変えたりする必要がなく、操作性に優れた脚載部付きマッサージ椅子を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
【0014】
本実施形態のマッサージ椅子は、図1に示すように、被施療者が着座する座部2と、着座状態にある被施療者が背中をもたれ掛けるために座部2の後方A1に起倒自在に設けられた背もたれ3と、着座状態にある被施療者が腕を置くための肘掛け4と、着座状態にある被施療者が脚部の膝下部分(即ち脹脛部分から足首・足裏部分まで)を保持させる脚載部5と、脚載部5を水平姿勢で座部2に対して前後方向Aにスライド可能とするスライド機構42と、脚載部5を任意の位置にスライドさせて座部2との距離を調節するスライド調整レバー7とで主体が構成されている。
【0015】
本例では、背もたれ3には、被施療者に施療を施すたろの揉み玉のような施療機構が上下移動可能に設けられている。また座部2の左右方向Cの外側面には、それぞれ、大腿部施療用のエアバッグ6が配置されている。また、脚載部5を上下方向Bに回動させる駆動源(図示せず)として、モータやエアーシリンダを用いたり、或いは、背もたれ3のリクライニングと連動させて脚載部5を上下方向Bに回動させる構成であってもよく、駆動源の構造は、例えば特開2002−238963号公報などにより公知となっている技術を採用することができるので、詳細な説明は省略する。
【0016】
なお、本文中に用いる上下、左右、前後の各方向は、座部2に着座状態にある被施療者側から見た方向を基準とする。
【0017】
本例の脚載部5は、図1〜図4に示すように、被施療者の脚部の脹脛部分を当ててこれを保持させる脹脛保持部5aと、被施療者の脚部の足裏部分を当ててこれを保持させる足裏保持部5bとを一体に形成したものである。脚載部5には、被施療者の脚部の膝下部分全体が嵌まり込む左右一対の凹溝41を形成しており、脚部の足先方向に伸びる凹溝41の基端側及び正面側を開放させて被施療者の脚部を該開放部分から出入自在に設けている。ここで、本例においては凹溝41の先端側に形成される部分が、被施療者の足裏及び足先、足首部分が嵌まり込む足裏保持部5bの溝部分であり、足裏保持部5bの該溝部分の内壁に配してあるエアバッグ等の施療手段(図示せず)を駆動することで足裏や足先、足首部分に対してマッサージを施すようになっている。そして、凹溝41であって上記足裏保持部5bの溝部分よりも基端側の部分が、被施療者の脹脛部分が嵌まり込む脹脛保持部5aの溝部分であり、脹脛保持部5aの溝部分内壁に配してあるエアバッグ等の施療手段(図示せず)を駆動することで脹脛部分に対してマッサージを施すようになっている。なお、上記した凹溝41の基端側とは、該凹溝41の長手方向両端のうち座部2に近い側のことであり、凹溝41の先端側とは該凹溝41の長手方向両端のうち座部2から離れた側のことであり、また凹溝41の正面側とは脚載部5の先端を下方に向けた場合に前方を向く側のことである。
【0018】
上記脚載部5は、スライド機構42を介して座部2にスライド可能に保持されている。スライド機構42は、図5に示すように、両凹溝41の底壁部分を保持するベースパイプ9と、ベースパイプ9から立設されて各凹溝41の左右の側壁部分を保持する補強パイプ43及び補強板44と、ベースパイプ9から立設されて各凹溝41の先端側の側壁部分(即ち、足裏保持部5bにおいて足裏が当る部分)を保持する足裏保持部材11とで全体の枠組を形成し、この枠組上にカバー(図示せず)を被嵌させることで主体を成している。本例においては上記足裏保持部材11に板金を用いることで、薄型でありながら被施療者の足裏部分から受ける荷重に耐えるだけの強度を保持させているので、座部2の座面高さの制約がある中で足裏保持部5bを薄型に形成して脹脛保持部5aの長さ領域を確保することが可能になっている。
【0019】
また図5に示すように、脚載部5の左右方向Cの中央部分には、ベースパイプ9と足裏保持部材11との間に架け渡すように、脚部の足先方向に(即ち、凹溝41の長手方向に)伸びるスライド部材12を固定している。上記スライド部材12は後述の連結支持部46に固定されるスライド支持部材13と脚部の足先方向(以下、これを前後方向Aという)にスライド自在に嵌合することでスライド機構42を形成するものである。また、脚載部5には、上記スライド部材12と平行に即ち前後方向Aに伸び、且つ多数のロック穴40を前後方向Aに列設して成るスライド位置固定部材19を固定しており、後述の連結支持部46に固定されるスライド量調節部材18のロックピン21を該ロック穴40に嵌合可能に設けることでロック機構47を形成している。更に、脚載部5の左右両端部には、断面コ字状を成す一対の傾倒防止部材48を互いの開口側が向い合うように固定しており、この傾倒防止部材48が後述の連結支持部46のサイドパイプ15を囲んで位置することで、傾倒防止機構49を形成している。
【0020】
上記連結支持部46は、座部2の前方位置にてマッサージ椅子本体1に上下方向B(図2)に回動自在に支持されるとともに脚載部5を前後方向A(図1)に進退自在に連結させるものであり、該連結支持部46を介することで、脚載部5はマッサージ椅子本体1に回動自在且つスライド自在に連結される構造になっている。上記連結支持部46は、左右方向Cに伸びるパイプ17と、パイプ17の左右両端に固定されており且つその一端側にヒンジ部10を開口させている支持板50と、パイプ17の左右両側から前後方向Aに伸びるように延設される一対のサイドパイプ15と、左右両側のサイドパイプ15の間に架け渡すように固定される前後一対の連結板14とで主体を成すものである。
【0021】
前後方向Aに列設される一対の連結板14のうち前側の連結板14には、その左右方向Cの中央部分に、前後方向Aに伸びる嵌合溝51を有する樹脂製のスライド支持部材13を固定しており、このスライド支持部材13の嵌合溝51に対してスライド部材12の凸状を成す底部がスライド自在に嵌合することで、連結支持部46に対して脚載部5を前後方向Aに進退自在に連結させるスライド機構42を形成している。
【0022】
更に、連結支持部46の左右両端部に並設される一対のサイドパイプ15と、各サイドパイプ15を囲むように脚載部5の左右両端部に固定される一対の傾倒防止部材48とで、脚載部5が連結支持部46に対して所定の許容量を超えて傾倒することを防止する傾倒防止機構49を形成している。傾倒防止部材48は、サイドパイプ15との間に所定距離を保持するように該サイドパイプ15の外形よりも若干大きく形成し、通常はサイドパイプ15と接触しないように設けている。
【0023】
連結支持部46と脚載部5との間には、脚載部5を座部2と接近する方向に付勢するための付勢手段52として、左右一対のコイル状の引張ばね16を介在させている。この引張ばね16は、連結支持部46の基端側に位置するパイプ17と、脚載部5の先端側に位置する足裏保持部材11との間に架設されるものであり、スライド機構42を挟む左右両側の対称な位置に同一のものが配置されることで、左右のバランスを保って脚載部5の円滑なスライドを確保している。
【0024】
上記連結支持部46は、その基端側の左右両端に設けてある支持板50のヒンジ部10に、マッサージ椅子本体1の座部2の前方位置に設けた左右方向Cに伸びる回転軸(図示せず)を回動自在に嵌合させることで、先端側を下げて座部2の座面と略直行するような垂直姿勢と、先端側を持ち上げて座部2の座面と略平行になるような水平姿勢との間で、回転軸を中心として上下方向Bに回動自在に連結されるものである。連結支持部46の姿勢を制御するための機構は特に図示していないが、モータやエアで駆動されるリンク等の伸縮自在な支持手段を用いることが好適である。
【0025】
更に上記連結板14には、ワイヤー20(図6)を用いた遠隔操作によりロックピン21を突没自在に備えたスライド量調節部材18を固定しており、スライド位置固定部材19に前後方向Aに列設してある複数のロック穴40のいずれか一つに突出状態にある上記ロックピン21が嵌合するように設けることで、複数段階に設定されるスライド量の中から選択した任意のスライド量で脚載部5を固定させるロック機構47を形成している。
【0026】
本例のロック機構47は、図6に示すように、上記連結板14に固定されるスライド量調節部材18と、上記スライド支持部材13に固定されるスライド位置固定部材19と、ワイヤー20に連結されるロックピン21とを備える。スライド量調節部材18は、底片18aの左右両端から両側壁18b,18cが立設された断面コ字状に形成され、左側壁18cの凹所18eにアウターワイヤー20aの先端部70が嵌合保持されていると共に、インナーワイヤー20bの先端部に設けたロックピン21が右側壁18bの貫通穴18dを貫通してスライド位置固定部材19のいずれかのロック穴40に抜き差し自在に嵌合している。ロックピン戻しバネ22の一端がロックピン21のフランジ21aに支持され、他端がスライド量調節部材18の左側壁18cに支持され、このロックピン戻しバネ22は圧縮コイルバネからなり、ロックピン21はロック穴40に差し込まれる方向(図6(b)の矢印M)に向かってバネ付勢されている。
【0027】
上記ワイヤー20の基端側は、図7に示すスライド調整レバー7に連結されている。図7に示す例では、前記アウターワイヤー20aの基端部が椅子フレーム24の前壁24bに設けた嵌合部24aに嵌合され、インナーワイヤー20bの基端部がスライド調整レバー7の下部に固定した係止金具55に対して係止されている。スライド調整レバー7の下端には、椅子フレーム24に対して図7のLで示す水平軸回りに回動可能な回転中心部8が設けられている。一方、スライド調整レバー7の中間部は、前方に向かって略L字状に屈曲しており、その先端から上方に向けて手で操作されるレバーグリップ25が取り付けられており、レバーグリップ25は回転中心部8を回転中心として後方A1又は前方A2に向けて回動操作できるようになっている。
【0028】
さらに上記係止金具55と回転中心部8との間にはレバー戻しバネ27の一端が支持され、レバー戻しバネ27の他端は椅子フレーム24の前壁24bに支持されている。レバー戻しバネ27は引っ張りコイルバネからなり、スライド調整レバー7を前方A2に向かってバネ付勢している。このレバー戻しバネ27のバネ付勢方向(A2)は、上記ロックピン戻しバネ22のバネ付勢方向(図6(b)の矢印M)と一致している。つまり、スライド調整レバー7を後方A1に引っ張り操作すると、ロックピン21がロックピン戻しバネ22のバネ力に抗して図6(b)の矢印N方向に引っ張られてロック穴40から抜けるようになり、その後、スライド調整レバー7の引っ張り操作を止めると、スライド調整レバー7はレバー戻しバネ27によって前方A2に戻されると同時に、ロックピン21はロックピン戻しバネ22によって図6(b)の矢印M方向に押されてロック穴40に差し込まれるようになっている。
【0029】
ここで本発明においては、上記スライド調整レバー7は、座部2の外側面であって肘掛け4よりも内側寄りに配設してある。本例では、図1〜図4のように、座部2と肘掛け4との間に、左右一対の大腿部施療用のエアバッグ6を配設してあり、スライド調整レバー7は、エアバッグ6の外側面であって肘掛け4よりも内側寄りに配設してある。エアバッグ6は膨縮により着座状態にある被施療者の大腿部を挟圧してマッサージを行なうものであり、図示しないエア給排気口から空気が給排気された際に膨張、収縮可能となる中空体形状に形成されている。なお、エアバッグ6には図示省略したエアポンプから耐圧ホースを介して空気が送られると共に、電磁弁の開閉制御によってエアバッグ6を膨張・収縮させるようになっており、膨張により被施療者の大腿部が狭圧され、収縮により挟圧が解除されることで、大腿部に対してエアマッサージが施されるようになっている。
【0030】
次に、上記マッサージ椅子の使用の一例を説明する。被施療者が座部2に着座した状態で、脚部の脹脛部分から足首・足裏部分を脚載部5の凹溝内に入れた状態とする。この状態で脚載部5を上方に回動させて水平姿勢とし、スライド調整レバー7を手前(座部2に対して後方A1)に引張るとワイヤー20が引っ張られて、ロックピン21がスライド位置固定部材19のロック穴40から抜かれて、脚載部5が座部2に対して前後方向Aにスライド自在となり、これにより脚載部5と座部2との距離を調節できるようになる。このとき引張ばね16からなる付勢手段52の働きによって、被施療者は付勢手段52の付勢力に抗して足裏保持部5bを押し込むか、或いは付勢手段52の付勢力を利用して足裏保持部5bを引き下げるかにより脚載部5を容易にスライドさせることができ、被施療者の足裏部分に足裏保持部材11をぴったり合わせることができる。その後、スライド調整レバー7を引くのをやめると、ロックピン戻しバネ22によってロックピン21が自動的にスライド位置固定部材19の1つのロック穴40に差し込まれて、脚載部5はロック状態となる。この状態で、被施療者は脚部の脹脛から、足首・足裏部分に対してマッサージを施すことができる。
【0031】
しかして、脚載部5を前後方向Aにスライド調節することで、被施療者の様々な体型に対応できる。即ち、例えば被施療者が膝下の短い体型の場合は、脚載部5を後方A1にスライドさせ、膝下の長い体型の場合は、脚載部5を前方にスライドさせることで、足裏を足裏保持部にフィットさせることができる。つまり、被施療者の体型にあわせて座部2から足裏保持部までの距離を円滑且つ容易に変更することができるようになるので、従来のように足裏保持部に足裏を保持させた着座姿勢が非常に窮屈になったり、被施療者の膝関節周辺が圧迫されて痛みを感じたり、また腱を傷める危険性があるという問題もなくなり、脹脛部分から足裏にかけて効果的なマッサージを施すことができるものである。
【0032】
しかも、スライド調整レバー7をエアバッグ6の外側面であって肘掛け4よりも内側寄りに配設したので、脚載部5、背もたれ3、エアバッグ6等がどのような状態であっても、着座状態にある被施療者の手の位置がスライド調整レバー7に届くようになるので、スライド調整レバー7の操作が容易に行なえるようになる。特に背もたれ3を倒して脚載部5のスライド位置を調節する場合でも、スライド調整レバー7の操作が楽に行なえるようになる。また施療途中でスライド調整レバー7により脚載部5をスライドさせて座部2から足裏保持部5bまでの距離を変更することが可能である。従って、被施療者はレバー操作のために姿勢を変える必要がなくなり、使い勝手が大幅に向上する。特に高齢者や身体障害者、或いは腰痛やリュウマチ等の人にとって楽に使用できるものとなる。
【0033】
また本例では、スライド調整レバー7の操作方向を後方A1としたので、仮りに背もたれ3を後方A1に倒して被施療者が背もたれ3にもたれ掛かった姿勢であっても、スライド調整レバー7を手前に引っ張りながら脚を楽に伸ばして脚載部5のスライド位置の調節を楽に行なうことができる。ちなみに、スライド調整レバー7の操作方向が前方である場合、被施療者が背もたれ3にもたれ掛かった姿勢で、スライド調整レバー7を前方A2に押す必要があり、体の固い人や高齢者、身体障害者にとって苦痛を伴うものとなる。
【0034】
また、スライド調整レバー7はエアバッグ6の外側面に沿って配置されるので、スライド調整レバー7が被施療者に直接当たることがなく、施療感を損なうことがなくなる。
【0035】
さらに本例では、上記引張ばね16からなる付勢手段52を左右に複数配したので、スライド時に脚載部5の左右のバランスが良好に保持されるとともに、付勢手段52一つ当りの負荷が小さくて済むので、各付勢手段52を薄型に形成して座部2と脚載部5と間の機構をコンパクト化できる利点もある。
【0036】
図8、図9は、スライド調整レバー7の他例を示している。本例では図8に示すように、スライド調整レバー7を柔軟性レバー7aと、椅子フレーム24に対して回動自在に取り付けられる回動部材28とで構成している。柔軟性レバー7aは柔軟性のある紐などの素材で構成され、図9に示すように、柔軟性レバー7aの上端部は、肘掛け4とエアバッグ6との間に配置されたレバーグリップ29に連結されている。レバーグリップ29は、柔軟性レバー7aの上端部が係止される係止部29aと、指が入る開口部29bとを備えている。また回動部材28は図8のLで示す水平軸回りに回動可能な回転中心部8aが設けられており、回転中心部8aを回転中心として上下に回動自在となっている。回動部材28の前端側にはインナーワイヤー20bが連結され、回動部材28の後端側には柔軟性レバー7aの下端部が固定されている。なお柔軟性レバー7aを後方A1に引っ張って脚載部5をスライド調節する点は前記実施形態と同様である。
【0037】
しかして、スライド調整レバー7を柔軟性レバー7aで構成したので、柔軟性レバー7aによって施療感が損なわれることがなくなる。また、エアバッグ6で施療を行なうことで、人体に与える刺激が広範囲で且つほぼ均一の強さになり、安全且つ効果的にマッサージを行うことができ、使用者の満足度と安心感とを高めることができる。なお左右のエアバッグ6を単独で膨縮動作させるようにしてもよい。この場合、大腿部に対してより効果的なマッサージを行うことが可能となる。さらに大腿部用施療部の専用スイッチを設け、同専用スイッチによってのみエアバッグ6を作動できるようにしてもよい。この場合、使用者の認識のないまま不意に大腿部のマッサージが始まってしまい、不安感を与えるという問題がなくなる。
【0038】
なお、エアバッグ6は省略可能である。この場合においても、スライド調整レバー7を柔軟性レバー7aで構成することで柔軟性レバー7aが被施療者の大腿部にあたって施療感を損なうようなことがないものでる。
【0039】
図10及び図11は、上記エアバッグ6の外側面に、柔軟性レバー7aをガイドする筒状のレバーガイド60を縫合した場合の一例を示している。本例では、エアバッグ6は、座部2と一体となった縫製品80で包まれており、エアバッグ6の膨張、収縮に合わせて縫製品80が自在に変形できるようにしている。なお柔軟性レバー7aを後方A1に引っ張って脚載部5をスライド調節する点は前記実施形態と同様である。しかして、エアバッグ6を縫製品80中に収納することで、エアバッグ6の位置ずれ、傷付き等を防止できる。さらに図10(b)のように、縫製品80の外側面に柔軟性レバー7aを通すための布製のレバーガイド60を縫い付けてあるので、柔軟性レバー7aの操作を布製のレバーガイド60によってスムーズに行なうことができるようになる。つまり、エアバッグ6が柔軟性レバー7aの操作の妨げとならず、柔軟性レバー7aの操作性が良好に保たれるようになる。
【0040】
さらに他の例として、上記筒状のレバーガイドを図11に示すように、外力により変形しない剛体で形成してもよい。ここでは布製縫い付け部61の内側に、樹脂製で潤滑性の良い剛体レバーガイド60を挿入し、このレバーガイド60の内側に柔軟性レバー7aを挿入している。この場合、エアバッグ6に空気が加圧された後においても、剛性のレバーガイド60で囲まれた柔軟性レバー7aがエアバッグ6の圧力で抵抗を受けることがなくなり、従って、柔軟性レバー7aをスムーズに操作できるようになる。とくに、樹脂製で潤滑性の良い剛性のレバーガイド60を用いて柔軟性レバー7aをガイドするので、柔軟性レバー7aの摺動性が一層良くなる利点もある。
【0041】
なお、前記実施形態ではスライド調整レバー7を後方A1に引っ張ると脚載部5のロックが解除される場合を例に挙げているが、勿論これに限らず、例えば上方或いは前方に引っ張ると脚載部5のロックが解除される構造とすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一実施形態のマッサージ椅子においてその脚載部の使用状態を示す斜視図である。
【図2】同上の脚載部の収納状態を示す斜視図である。
【図3】図2の平面図である。
【図4】(a)は図2の正面図、(b)は側面図である。
【図5】(a)(b)は同上のスライド機構の動作説明図である。
【図6】(a)(b)は同上のロック機構の斜視図及び断面図である。
【図7】同上のスライド調整レバーとワイヤーの連結状態の一例の斜視図である。
【図8】同上のスライド調整レバーとワイヤーの連結状態の他例の斜視図である。
【図9】(a)は本発明の他の実施形態の斜視図、(b)は(a)のスライド調整レバーの斜視図である。
【図10】(a)は本発明の更に他の実施形態の斜視図、(b)はレバーガイドを上方から見た図である。
【図11】本発明の更に他の実施形態を示し、(a)はレバーガイドを上方から見た図、(b)は斜視図である。
【符号の説明】
【0043】
1 マッサージ椅子本体
2 座部
3 背もたれ
4 肘掛け
5 脚載部
6 大腿部施療用エアバッグ
7 スライド調整レバー
42 スライド機構
60 レバーガイド
A 前後方向
A1 後方
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッサージ椅子に関し、詳しくは脚載部を備えて脹脛や足裏を施療可能としたマッサージ椅子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、被施療者が着座する座部と、着座状態にある被施療者の下腿部のマッサージを行うための脚載部とを具備したマッサージ椅子が知られている。これらマッサージ椅子の脚載部は、該脚載部に形成してある凹溝内に被施療者の脹脛を嵌め込み、この脹脛に対してエアバッグ等の施療手段によりマッサージを施す構造になっているが、足裏に対してはマッサージを施すことができないという問題があった。そこで、上記問題を解決するために、被施療者の脹脛を保持する脹脛保持部と、被施療者の足裏を保持する足裏保持部とから成る脚載部を有するマッサージ椅子が提案されており(特許文献1参照)、これにより更に効果的な脚部マッサージが可能になっている。
【0003】
しかし、上記脚載部を有するマッサージ椅子においては、被施療者の体型が様々であることから以下の問題が存在していた。即ち、例えば被施療者が膝下の短い体型であった場合には、着座状態にある被施療者の足裏が脚載部の足裏保持部にまで届かず、足裏にマッサージを施すことができないという問題や、被施療者が膝下の長い体型であった場合には、足裏保持部に足裏を保持させた着座姿勢が非常に窮屈になるとともに、脚載部をその先端側が上方に持ち上がるように回動させた場合には被施療者の膝関節周辺が圧迫等されて痛みを感じたり、また腱を傷める危険性があるという問題があった。
【0004】
そこで本発明者らは、本発明に至る過程で、脚載部を水平姿勢で座部に対して前後方向にスライド可能に保持するためのスライド機構と、脚載部を任意の位置にスライドさせて座部との距離を調節するスライド調整レバーとを備えたマッサージ椅子を考えた。ところが、スライド調整レバーを、従来の操作レバーのように座部の前方下側、或いは、座部の後方、或いは、肘掛けの外側面に配置した場合、例えば背もたれを倒して脚載部のスライド位置を調節する場合などにあっては、被施療者の手がスライド調整レバーに届かず、スライド調整レバーの操作がしづらくなる。このためスライド調整レバーの操作時に、被施療者が腰を持ち上げたり、肘掛けを乗り越えたりするなど、姿勢を変えなければならないという問題があり、特に高齢者や身体障害者、或いは腰痛やリュウマチ等の人にとって負担が大きいという問題がある。
【特許文献1】特開平10−295758号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、被施療者の体型にあわせて座部から脚載部までの距離を円滑且つ容易に変更することができ、しかも着座状態にある被施療者は脚載部のスライド操作のために姿勢を変えたりする必要がなく、操作性に優れた脚載部付きのマッサージ椅子を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために本発明は、被施療者が着座する座部2と、座部2の後方に起倒自在に設けられた背もたれ3と、着座状態にある被施療者が腕を置くための肘掛け4と、着座状態にある被施療者が脚部の脹脛部分から足裏部分までを保持させる脚載部5とを備えたマッサージ椅子において、上記脚載部5を水平姿勢で座部2に対して前後方向Aにスライド可能に保持するためのスライド機構42と、脚載部5を任意の位置にスライドさせて座部2との距離を調節するスライド調整レバー7とを備え、スライド調整レバー7を座部2の外側面であって肘掛け4よりも内側寄りに配設したことを特徴としている。
【0007】
このような構成とすることで、スライド機構42により脚載部5を座部2に対して前後にスライドさせて座部2から脚載部5までの距離を変更することが可能となるので、被施療者の様々な体型に対応できる。即ち、被施療者の体型にあわせて座部2から脚載部5までの距離を円滑且つ容易に変更することができ、脹脛部分から足裏にかけて効果的なマッサージを施すことができる。しかもスライド調整レバー7を座部2の外側面であって肘掛け4よりも内側寄りに配設したので、脚載部5或いは背もたれ3がどのような状態であっても、着座状態にある被施療者の手がスライド調整レバー7に届くようになるので、スライド調整レバー7の操作が容易に行なえるようになる。つまり、スライド調整レバー7の操作時に、被施療者が腰を持ち上げたり、肘掛け4を乗り越えたりするなど、姿勢を変えなければならないという問題がなくなる。
【0008】
また、着座状態にある被施療者が上記スライド調整レバー7を座部2に対して後方A1に引っ張ることで、脚載部5のスライド調節を可能とするのが好ましく、この場合、例えば背もたれ3を後方A1に倒して被施療者が背もたれ3にもたれ掛かった姿勢であっても、スライド調整レバー7を手前に引っ張りながら脚を楽に伸ばして脚載部5のスライド位置の調節を楽に行なうことができる。
【0009】
また、上記スライド調整レバー7を柔軟性材料で形成するのが好ましく、この場合、スライド調整レバー7が被施療者の大腿部にあたっても、施療感が損なわれることがない。
【0010】
また、上記座部2と肘掛け4との間に大腿部施療用のエアバッグ6を配設すると共に、スライド調整レバー7をエアバッグ6の外側面であって肘掛け4よりも内側寄りに配設し、該エアバッグ6の外側面に、スライド調整レバー7をガイドするレバーガイド60を縫合するのが好ましく、この場合、エアバッグ6の膨縮により着座状態にある被施療者の大腿部を挟圧するなどしてマッサージを行なえると共に、スライド調整レバー7によってエアバッグ6の施療感が損なわれることがない。そのうえ、スライド調整レバー7の操作をエアバッグ6の外側面に縫合したレバーガイド60によってスムーズに行なうことができる。
【0011】
また、上記レバーガイド60が剛体で形成されているのが好ましく、この場合、レバーガイド60に対するスライド調整レバー7の摺動性が良くなり、一層操作性が向上する。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、脚載部を水平姿勢で座部に対して前後方向にスライド可能に保持するためのスライド機構と、脚載部を任意の位置にスライドさせて座部との距離を調節するスライド調整レバーとを備え、スライド調整レバーを座部の外側面であって肘掛けよりも内側寄りに配設したので、被施療者の体型にあわせて座部から脚載部までの距離を円滑且つ容易に変更することができると共に、着座状態にある被施療者は脚載部のスライド操作のために姿勢を変えたりする必要がなく、操作性に優れた脚載部付きマッサージ椅子を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
【0014】
本実施形態のマッサージ椅子は、図1に示すように、被施療者が着座する座部2と、着座状態にある被施療者が背中をもたれ掛けるために座部2の後方A1に起倒自在に設けられた背もたれ3と、着座状態にある被施療者が腕を置くための肘掛け4と、着座状態にある被施療者が脚部の膝下部分(即ち脹脛部分から足首・足裏部分まで)を保持させる脚載部5と、脚載部5を水平姿勢で座部2に対して前後方向Aにスライド可能とするスライド機構42と、脚載部5を任意の位置にスライドさせて座部2との距離を調節するスライド調整レバー7とで主体が構成されている。
【0015】
本例では、背もたれ3には、被施療者に施療を施すたろの揉み玉のような施療機構が上下移動可能に設けられている。また座部2の左右方向Cの外側面には、それぞれ、大腿部施療用のエアバッグ6が配置されている。また、脚載部5を上下方向Bに回動させる駆動源(図示せず)として、モータやエアーシリンダを用いたり、或いは、背もたれ3のリクライニングと連動させて脚載部5を上下方向Bに回動させる構成であってもよく、駆動源の構造は、例えば特開2002−238963号公報などにより公知となっている技術を採用することができるので、詳細な説明は省略する。
【0016】
なお、本文中に用いる上下、左右、前後の各方向は、座部2に着座状態にある被施療者側から見た方向を基準とする。
【0017】
本例の脚載部5は、図1〜図4に示すように、被施療者の脚部の脹脛部分を当ててこれを保持させる脹脛保持部5aと、被施療者の脚部の足裏部分を当ててこれを保持させる足裏保持部5bとを一体に形成したものである。脚載部5には、被施療者の脚部の膝下部分全体が嵌まり込む左右一対の凹溝41を形成しており、脚部の足先方向に伸びる凹溝41の基端側及び正面側を開放させて被施療者の脚部を該開放部分から出入自在に設けている。ここで、本例においては凹溝41の先端側に形成される部分が、被施療者の足裏及び足先、足首部分が嵌まり込む足裏保持部5bの溝部分であり、足裏保持部5bの該溝部分の内壁に配してあるエアバッグ等の施療手段(図示せず)を駆動することで足裏や足先、足首部分に対してマッサージを施すようになっている。そして、凹溝41であって上記足裏保持部5bの溝部分よりも基端側の部分が、被施療者の脹脛部分が嵌まり込む脹脛保持部5aの溝部分であり、脹脛保持部5aの溝部分内壁に配してあるエアバッグ等の施療手段(図示せず)を駆動することで脹脛部分に対してマッサージを施すようになっている。なお、上記した凹溝41の基端側とは、該凹溝41の長手方向両端のうち座部2に近い側のことであり、凹溝41の先端側とは該凹溝41の長手方向両端のうち座部2から離れた側のことであり、また凹溝41の正面側とは脚載部5の先端を下方に向けた場合に前方を向く側のことである。
【0018】
上記脚載部5は、スライド機構42を介して座部2にスライド可能に保持されている。スライド機構42は、図5に示すように、両凹溝41の底壁部分を保持するベースパイプ9と、ベースパイプ9から立設されて各凹溝41の左右の側壁部分を保持する補強パイプ43及び補強板44と、ベースパイプ9から立設されて各凹溝41の先端側の側壁部分(即ち、足裏保持部5bにおいて足裏が当る部分)を保持する足裏保持部材11とで全体の枠組を形成し、この枠組上にカバー(図示せず)を被嵌させることで主体を成している。本例においては上記足裏保持部材11に板金を用いることで、薄型でありながら被施療者の足裏部分から受ける荷重に耐えるだけの強度を保持させているので、座部2の座面高さの制約がある中で足裏保持部5bを薄型に形成して脹脛保持部5aの長さ領域を確保することが可能になっている。
【0019】
また図5に示すように、脚載部5の左右方向Cの中央部分には、ベースパイプ9と足裏保持部材11との間に架け渡すように、脚部の足先方向に(即ち、凹溝41の長手方向に)伸びるスライド部材12を固定している。上記スライド部材12は後述の連結支持部46に固定されるスライド支持部材13と脚部の足先方向(以下、これを前後方向Aという)にスライド自在に嵌合することでスライド機構42を形成するものである。また、脚載部5には、上記スライド部材12と平行に即ち前後方向Aに伸び、且つ多数のロック穴40を前後方向Aに列設して成るスライド位置固定部材19を固定しており、後述の連結支持部46に固定されるスライド量調節部材18のロックピン21を該ロック穴40に嵌合可能に設けることでロック機構47を形成している。更に、脚載部5の左右両端部には、断面コ字状を成す一対の傾倒防止部材48を互いの開口側が向い合うように固定しており、この傾倒防止部材48が後述の連結支持部46のサイドパイプ15を囲んで位置することで、傾倒防止機構49を形成している。
【0020】
上記連結支持部46は、座部2の前方位置にてマッサージ椅子本体1に上下方向B(図2)に回動自在に支持されるとともに脚載部5を前後方向A(図1)に進退自在に連結させるものであり、該連結支持部46を介することで、脚載部5はマッサージ椅子本体1に回動自在且つスライド自在に連結される構造になっている。上記連結支持部46は、左右方向Cに伸びるパイプ17と、パイプ17の左右両端に固定されており且つその一端側にヒンジ部10を開口させている支持板50と、パイプ17の左右両側から前後方向Aに伸びるように延設される一対のサイドパイプ15と、左右両側のサイドパイプ15の間に架け渡すように固定される前後一対の連結板14とで主体を成すものである。
【0021】
前後方向Aに列設される一対の連結板14のうち前側の連結板14には、その左右方向Cの中央部分に、前後方向Aに伸びる嵌合溝51を有する樹脂製のスライド支持部材13を固定しており、このスライド支持部材13の嵌合溝51に対してスライド部材12の凸状を成す底部がスライド自在に嵌合することで、連結支持部46に対して脚載部5を前後方向Aに進退自在に連結させるスライド機構42を形成している。
【0022】
更に、連結支持部46の左右両端部に並設される一対のサイドパイプ15と、各サイドパイプ15を囲むように脚載部5の左右両端部に固定される一対の傾倒防止部材48とで、脚載部5が連結支持部46に対して所定の許容量を超えて傾倒することを防止する傾倒防止機構49を形成している。傾倒防止部材48は、サイドパイプ15との間に所定距離を保持するように該サイドパイプ15の外形よりも若干大きく形成し、通常はサイドパイプ15と接触しないように設けている。
【0023】
連結支持部46と脚載部5との間には、脚載部5を座部2と接近する方向に付勢するための付勢手段52として、左右一対のコイル状の引張ばね16を介在させている。この引張ばね16は、連結支持部46の基端側に位置するパイプ17と、脚載部5の先端側に位置する足裏保持部材11との間に架設されるものであり、スライド機構42を挟む左右両側の対称な位置に同一のものが配置されることで、左右のバランスを保って脚載部5の円滑なスライドを確保している。
【0024】
上記連結支持部46は、その基端側の左右両端に設けてある支持板50のヒンジ部10に、マッサージ椅子本体1の座部2の前方位置に設けた左右方向Cに伸びる回転軸(図示せず)を回動自在に嵌合させることで、先端側を下げて座部2の座面と略直行するような垂直姿勢と、先端側を持ち上げて座部2の座面と略平行になるような水平姿勢との間で、回転軸を中心として上下方向Bに回動自在に連結されるものである。連結支持部46の姿勢を制御するための機構は特に図示していないが、モータやエアで駆動されるリンク等の伸縮自在な支持手段を用いることが好適である。
【0025】
更に上記連結板14には、ワイヤー20(図6)を用いた遠隔操作によりロックピン21を突没自在に備えたスライド量調節部材18を固定しており、スライド位置固定部材19に前後方向Aに列設してある複数のロック穴40のいずれか一つに突出状態にある上記ロックピン21が嵌合するように設けることで、複数段階に設定されるスライド量の中から選択した任意のスライド量で脚載部5を固定させるロック機構47を形成している。
【0026】
本例のロック機構47は、図6に示すように、上記連結板14に固定されるスライド量調節部材18と、上記スライド支持部材13に固定されるスライド位置固定部材19と、ワイヤー20に連結されるロックピン21とを備える。スライド量調節部材18は、底片18aの左右両端から両側壁18b,18cが立設された断面コ字状に形成され、左側壁18cの凹所18eにアウターワイヤー20aの先端部70が嵌合保持されていると共に、インナーワイヤー20bの先端部に設けたロックピン21が右側壁18bの貫通穴18dを貫通してスライド位置固定部材19のいずれかのロック穴40に抜き差し自在に嵌合している。ロックピン戻しバネ22の一端がロックピン21のフランジ21aに支持され、他端がスライド量調節部材18の左側壁18cに支持され、このロックピン戻しバネ22は圧縮コイルバネからなり、ロックピン21はロック穴40に差し込まれる方向(図6(b)の矢印M)に向かってバネ付勢されている。
【0027】
上記ワイヤー20の基端側は、図7に示すスライド調整レバー7に連結されている。図7に示す例では、前記アウターワイヤー20aの基端部が椅子フレーム24の前壁24bに設けた嵌合部24aに嵌合され、インナーワイヤー20bの基端部がスライド調整レバー7の下部に固定した係止金具55に対して係止されている。スライド調整レバー7の下端には、椅子フレーム24に対して図7のLで示す水平軸回りに回動可能な回転中心部8が設けられている。一方、スライド調整レバー7の中間部は、前方に向かって略L字状に屈曲しており、その先端から上方に向けて手で操作されるレバーグリップ25が取り付けられており、レバーグリップ25は回転中心部8を回転中心として後方A1又は前方A2に向けて回動操作できるようになっている。
【0028】
さらに上記係止金具55と回転中心部8との間にはレバー戻しバネ27の一端が支持され、レバー戻しバネ27の他端は椅子フレーム24の前壁24bに支持されている。レバー戻しバネ27は引っ張りコイルバネからなり、スライド調整レバー7を前方A2に向かってバネ付勢している。このレバー戻しバネ27のバネ付勢方向(A2)は、上記ロックピン戻しバネ22のバネ付勢方向(図6(b)の矢印M)と一致している。つまり、スライド調整レバー7を後方A1に引っ張り操作すると、ロックピン21がロックピン戻しバネ22のバネ力に抗して図6(b)の矢印N方向に引っ張られてロック穴40から抜けるようになり、その後、スライド調整レバー7の引っ張り操作を止めると、スライド調整レバー7はレバー戻しバネ27によって前方A2に戻されると同時に、ロックピン21はロックピン戻しバネ22によって図6(b)の矢印M方向に押されてロック穴40に差し込まれるようになっている。
【0029】
ここで本発明においては、上記スライド調整レバー7は、座部2の外側面であって肘掛け4よりも内側寄りに配設してある。本例では、図1〜図4のように、座部2と肘掛け4との間に、左右一対の大腿部施療用のエアバッグ6を配設してあり、スライド調整レバー7は、エアバッグ6の外側面であって肘掛け4よりも内側寄りに配設してある。エアバッグ6は膨縮により着座状態にある被施療者の大腿部を挟圧してマッサージを行なうものであり、図示しないエア給排気口から空気が給排気された際に膨張、収縮可能となる中空体形状に形成されている。なお、エアバッグ6には図示省略したエアポンプから耐圧ホースを介して空気が送られると共に、電磁弁の開閉制御によってエアバッグ6を膨張・収縮させるようになっており、膨張により被施療者の大腿部が狭圧され、収縮により挟圧が解除されることで、大腿部に対してエアマッサージが施されるようになっている。
【0030】
次に、上記マッサージ椅子の使用の一例を説明する。被施療者が座部2に着座した状態で、脚部の脹脛部分から足首・足裏部分を脚載部5の凹溝内に入れた状態とする。この状態で脚載部5を上方に回動させて水平姿勢とし、スライド調整レバー7を手前(座部2に対して後方A1)に引張るとワイヤー20が引っ張られて、ロックピン21がスライド位置固定部材19のロック穴40から抜かれて、脚載部5が座部2に対して前後方向Aにスライド自在となり、これにより脚載部5と座部2との距離を調節できるようになる。このとき引張ばね16からなる付勢手段52の働きによって、被施療者は付勢手段52の付勢力に抗して足裏保持部5bを押し込むか、或いは付勢手段52の付勢力を利用して足裏保持部5bを引き下げるかにより脚載部5を容易にスライドさせることができ、被施療者の足裏部分に足裏保持部材11をぴったり合わせることができる。その後、スライド調整レバー7を引くのをやめると、ロックピン戻しバネ22によってロックピン21が自動的にスライド位置固定部材19の1つのロック穴40に差し込まれて、脚載部5はロック状態となる。この状態で、被施療者は脚部の脹脛から、足首・足裏部分に対してマッサージを施すことができる。
【0031】
しかして、脚載部5を前後方向Aにスライド調節することで、被施療者の様々な体型に対応できる。即ち、例えば被施療者が膝下の短い体型の場合は、脚載部5を後方A1にスライドさせ、膝下の長い体型の場合は、脚載部5を前方にスライドさせることで、足裏を足裏保持部にフィットさせることができる。つまり、被施療者の体型にあわせて座部2から足裏保持部までの距離を円滑且つ容易に変更することができるようになるので、従来のように足裏保持部に足裏を保持させた着座姿勢が非常に窮屈になったり、被施療者の膝関節周辺が圧迫されて痛みを感じたり、また腱を傷める危険性があるという問題もなくなり、脹脛部分から足裏にかけて効果的なマッサージを施すことができるものである。
【0032】
しかも、スライド調整レバー7をエアバッグ6の外側面であって肘掛け4よりも内側寄りに配設したので、脚載部5、背もたれ3、エアバッグ6等がどのような状態であっても、着座状態にある被施療者の手の位置がスライド調整レバー7に届くようになるので、スライド調整レバー7の操作が容易に行なえるようになる。特に背もたれ3を倒して脚載部5のスライド位置を調節する場合でも、スライド調整レバー7の操作が楽に行なえるようになる。また施療途中でスライド調整レバー7により脚載部5をスライドさせて座部2から足裏保持部5bまでの距離を変更することが可能である。従って、被施療者はレバー操作のために姿勢を変える必要がなくなり、使い勝手が大幅に向上する。特に高齢者や身体障害者、或いは腰痛やリュウマチ等の人にとって楽に使用できるものとなる。
【0033】
また本例では、スライド調整レバー7の操作方向を後方A1としたので、仮りに背もたれ3を後方A1に倒して被施療者が背もたれ3にもたれ掛かった姿勢であっても、スライド調整レバー7を手前に引っ張りながら脚を楽に伸ばして脚載部5のスライド位置の調節を楽に行なうことができる。ちなみに、スライド調整レバー7の操作方向が前方である場合、被施療者が背もたれ3にもたれ掛かった姿勢で、スライド調整レバー7を前方A2に押す必要があり、体の固い人や高齢者、身体障害者にとって苦痛を伴うものとなる。
【0034】
また、スライド調整レバー7はエアバッグ6の外側面に沿って配置されるので、スライド調整レバー7が被施療者に直接当たることがなく、施療感を損なうことがなくなる。
【0035】
さらに本例では、上記引張ばね16からなる付勢手段52を左右に複数配したので、スライド時に脚載部5の左右のバランスが良好に保持されるとともに、付勢手段52一つ当りの負荷が小さくて済むので、各付勢手段52を薄型に形成して座部2と脚載部5と間の機構をコンパクト化できる利点もある。
【0036】
図8、図9は、スライド調整レバー7の他例を示している。本例では図8に示すように、スライド調整レバー7を柔軟性レバー7aと、椅子フレーム24に対して回動自在に取り付けられる回動部材28とで構成している。柔軟性レバー7aは柔軟性のある紐などの素材で構成され、図9に示すように、柔軟性レバー7aの上端部は、肘掛け4とエアバッグ6との間に配置されたレバーグリップ29に連結されている。レバーグリップ29は、柔軟性レバー7aの上端部が係止される係止部29aと、指が入る開口部29bとを備えている。また回動部材28は図8のLで示す水平軸回りに回動可能な回転中心部8aが設けられており、回転中心部8aを回転中心として上下に回動自在となっている。回動部材28の前端側にはインナーワイヤー20bが連結され、回動部材28の後端側には柔軟性レバー7aの下端部が固定されている。なお柔軟性レバー7aを後方A1に引っ張って脚載部5をスライド調節する点は前記実施形態と同様である。
【0037】
しかして、スライド調整レバー7を柔軟性レバー7aで構成したので、柔軟性レバー7aによって施療感が損なわれることがなくなる。また、エアバッグ6で施療を行なうことで、人体に与える刺激が広範囲で且つほぼ均一の強さになり、安全且つ効果的にマッサージを行うことができ、使用者の満足度と安心感とを高めることができる。なお左右のエアバッグ6を単独で膨縮動作させるようにしてもよい。この場合、大腿部に対してより効果的なマッサージを行うことが可能となる。さらに大腿部用施療部の専用スイッチを設け、同専用スイッチによってのみエアバッグ6を作動できるようにしてもよい。この場合、使用者の認識のないまま不意に大腿部のマッサージが始まってしまい、不安感を与えるという問題がなくなる。
【0038】
なお、エアバッグ6は省略可能である。この場合においても、スライド調整レバー7を柔軟性レバー7aで構成することで柔軟性レバー7aが被施療者の大腿部にあたって施療感を損なうようなことがないものでる。
【0039】
図10及び図11は、上記エアバッグ6の外側面に、柔軟性レバー7aをガイドする筒状のレバーガイド60を縫合した場合の一例を示している。本例では、エアバッグ6は、座部2と一体となった縫製品80で包まれており、エアバッグ6の膨張、収縮に合わせて縫製品80が自在に変形できるようにしている。なお柔軟性レバー7aを後方A1に引っ張って脚載部5をスライド調節する点は前記実施形態と同様である。しかして、エアバッグ6を縫製品80中に収納することで、エアバッグ6の位置ずれ、傷付き等を防止できる。さらに図10(b)のように、縫製品80の外側面に柔軟性レバー7aを通すための布製のレバーガイド60を縫い付けてあるので、柔軟性レバー7aの操作を布製のレバーガイド60によってスムーズに行なうことができるようになる。つまり、エアバッグ6が柔軟性レバー7aの操作の妨げとならず、柔軟性レバー7aの操作性が良好に保たれるようになる。
【0040】
さらに他の例として、上記筒状のレバーガイドを図11に示すように、外力により変形しない剛体で形成してもよい。ここでは布製縫い付け部61の内側に、樹脂製で潤滑性の良い剛体レバーガイド60を挿入し、このレバーガイド60の内側に柔軟性レバー7aを挿入している。この場合、エアバッグ6に空気が加圧された後においても、剛性のレバーガイド60で囲まれた柔軟性レバー7aがエアバッグ6の圧力で抵抗を受けることがなくなり、従って、柔軟性レバー7aをスムーズに操作できるようになる。とくに、樹脂製で潤滑性の良い剛性のレバーガイド60を用いて柔軟性レバー7aをガイドするので、柔軟性レバー7aの摺動性が一層良くなる利点もある。
【0041】
なお、前記実施形態ではスライド調整レバー7を後方A1に引っ張ると脚載部5のロックが解除される場合を例に挙げているが、勿論これに限らず、例えば上方或いは前方に引っ張ると脚載部5のロックが解除される構造とすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一実施形態のマッサージ椅子においてその脚載部の使用状態を示す斜視図である。
【図2】同上の脚載部の収納状態を示す斜視図である。
【図3】図2の平面図である。
【図4】(a)は図2の正面図、(b)は側面図である。
【図5】(a)(b)は同上のスライド機構の動作説明図である。
【図6】(a)(b)は同上のロック機構の斜視図及び断面図である。
【図7】同上のスライド調整レバーとワイヤーの連結状態の一例の斜視図である。
【図8】同上のスライド調整レバーとワイヤーの連結状態の他例の斜視図である。
【図9】(a)は本発明の他の実施形態の斜視図、(b)は(a)のスライド調整レバーの斜視図である。
【図10】(a)は本発明の更に他の実施形態の斜視図、(b)はレバーガイドを上方から見た図である。
【図11】本発明の更に他の実施形態を示し、(a)はレバーガイドを上方から見た図、(b)は斜視図である。
【符号の説明】
【0043】
1 マッサージ椅子本体
2 座部
3 背もたれ
4 肘掛け
5 脚載部
6 大腿部施療用エアバッグ
7 スライド調整レバー
42 スライド機構
60 レバーガイド
A 前後方向
A1 後方
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被施療者が着座する座部と、座部の後方に起倒自在に設けられた背もたれと、着座状態にある被施療者が腕を置くための肘掛けと、着座状態にある被施療者が脚部の脹脛部分から足裏部分までを保持させる脚載部とを備えたマッサージ椅子において、上記脚載部を水平姿勢で座部に対して前後方向にスライド可能に保持するためのスライド機構と、脚載部を任意の位置にスライドさせて座部との距離を調節するスライド調整レバーとを備え、スライド調整レバーを座部の外側面であって肘掛けよりも内側寄りに配設したことを特徴とするマッサージ椅子。
【請求項2】
着座状態にある被施療者が上記スライド調整レバーを座部に対して後方に引っ張ることで、脚載部のスライド調節を可能としたことを特徴とする請求項1記載のマッサージ椅子。
【請求項3】
上記スライド調整レバーを柔軟性材料で形成したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のマッサージ椅子。
【請求項4】
上記座部と肘掛けとの間に大腿部施療用のエアバッグを配設すると共に、スライド調整レバーをエアバッグの外側面であって肘掛けよりも内側寄りに配設し、該エアバッグの外側面に、スライド調整レバーをガイドするレバーガイドを縫合したことを特徴とする請求項3記載のマッサージ椅子。
【請求項5】
上記レバーガイドが剛体で形成されていることを特徴とする請求項4記載のマッサージ椅子。
【請求項1】
被施療者が着座する座部と、座部の後方に起倒自在に設けられた背もたれと、着座状態にある被施療者が腕を置くための肘掛けと、着座状態にある被施療者が脚部の脹脛部分から足裏部分までを保持させる脚載部とを備えたマッサージ椅子において、上記脚載部を水平姿勢で座部に対して前後方向にスライド可能に保持するためのスライド機構と、脚載部を任意の位置にスライドさせて座部との距離を調節するスライド調整レバーとを備え、スライド調整レバーを座部の外側面であって肘掛けよりも内側寄りに配設したことを特徴とするマッサージ椅子。
【請求項2】
着座状態にある被施療者が上記スライド調整レバーを座部に対して後方に引っ張ることで、脚載部のスライド調節を可能としたことを特徴とする請求項1記載のマッサージ椅子。
【請求項3】
上記スライド調整レバーを柔軟性材料で形成したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のマッサージ椅子。
【請求項4】
上記座部と肘掛けとの間に大腿部施療用のエアバッグを配設すると共に、スライド調整レバーをエアバッグの外側面であって肘掛けよりも内側寄りに配設し、該エアバッグの外側面に、スライド調整レバーをガイドするレバーガイドを縫合したことを特徴とする請求項3記載のマッサージ椅子。
【請求項5】
上記レバーガイドが剛体で形成されていることを特徴とする請求項4記載のマッサージ椅子。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
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【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−204763(P2006−204763A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−24023(P2005−24023)
【出願日】平成17年1月31日(2005.1.31)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年1月31日(2005.1.31)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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