マッサージ機
【課題】ストレッチを行なう部位が足首側から足先側へと拡大するという今までには得られなかったストレッチ効果が得られ、ストレス解消度合いを高めることができると共に、足に大きな負担をかけることがなく、長期継続的な使用に適したマッサージ機を提供すること。
【解決手段】施療者の足裏を載置する足裏載置面8aが形成された足載部8に、施療者の足先を保持しながら足先を足先以外の部分に対して前後Aに相対移動させるための足先移動手段を備えたマッサージ機1である。
【解決手段】施療者の足裏を載置する足裏載置面8aが形成された足載部8に、施療者の足先を保持しながら足先を足先以外の部分に対して前後Aに相対移動させるための足先移動手段を備えたマッサージ機1である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、施療者の足先を前後に伸ばすストレッチ運動ができるマッサージ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、座部および背もたれ部を備えた椅子式のマッサージ機において、足ふくらはぎのマッサージをする空気袋を配設したものは知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところで、スポーツマッサージや指圧技法において知られるように、神経系や内蔵をはじめとする各種の身体調整を図る場合、足の刺激と運動は特に重要である。各種の神経系(経絡)が足裏と足指に集中するからである。このため足裏に対する押圧刺激、足指の運動を行なうものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
しかし、上記特許文献2に見られる従来例では、足裏を上方に曲げながら、その指を略水平方向へ強制押圧するようにしているため、足への負担が大きく、長期継続的な使用を困難にさせることがあった。
【特許文献1】特開2001−95867号公報
【特許文献2】特開2001−149425号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は前記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、ストレッチを行なう部位が足首側から足先側へと拡大するという今までには得られなかったストレッチ効果が得られ、ストレス解消度合いを高めることができると共に、足に大きな負担をかけることがなく、長期継続的な使用に適したマッサージ機を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために本発明は、施療者の足裏を載置する足裏載置面8aが形成された足載部8を、施療者が座るための座部2の前側に配置したマッサージ機であって、前記足載部8に、施療者の足先17aを保持しながら足先17aを足先17a以外の部分に対して前後Aに相対移動させるための足先移動手段22を設けたことを特徴としている。
【0007】
このような構成とすることで、足先移動手段22によって足先17aを前後Aに伸ばすことができ足の筋肉や筋を伸ばすストレッチ効果が得られ、しかもストレッチを行なう部位が足首17b側から足先17a側へと拡大していくので、今までには得られなかったストレッチ効果が得られると共に、疲労回復、健康の増進に効果的であり、しかも、従来のような足裏を無理に反らせて足先の屈伸を行なうものと比較して、足17にかかる負担を軽減できるようになる。
【0008】
また、前記施療者の足先17a以外の足首横部17b1、甲部17c、スネ部17d、ふくらはぎ横部17eのうち少なくとも1箇所を固定するための足固定手段を設けるのが好ましく、この場合、足固定手段によって足先17a以外の部分を固定しながら足先移動手段22によって足先17aを前後Aに伸ばすことができるので、ストレッチ効果を一層高めることができる。
【0009】
また、前記足先移動手段22は、足先17aを保持する足先保持部11と、足先17aを載せる前後移動部16と、前後移動部16を前後Aに移動させるための膨張・収縮する空気袋22aと、該空気袋22aをその収縮方向に向かって付勢する付勢手段18とを備えているのが好ましく、この場合、足先移動手段22の空気袋22aが収縮する際に付勢手段18によって収縮スピードが速められ、足先17aを前後Aにテンポよく移動させることができ、ストレッチ効果が高められる。
【0010】
また、前記足固定手段は、膨張・収縮する空気袋で構成されているのが好ましく、この場合、各人の足形状に柔軟に対応しつつ最も適度な押圧外力をもって、足先17aの前後Aのストレッチ運動が可能となる。
【0011】
また、前記施療者の足先17a以外の部分を固定してから、固定していない部位を固定した部位に対して前後に相対移動させるような施療動作を行なうための制御部20を備えているのが好ましく、この場合、足先17aを前後Aに伸ばすストレッチ運動が自動的に行なえる。
【0012】
また、前記施療者の足先17a以外の部分を固定してから、固定していない部位を固定した部位に対して前後に相対移動させるような施療動作を記憶して、次回の施療で記憶された情報を使用するための記憶装置19を備えているのが好ましく、この場合、前回の足先17aを前後Aに移動させる施療を記憶して、次回の施療でその情報を使用できるので、施療者が電源を入れ、マッサージやストレッチを行なう毎に、操作機のわずらわしい入力燥作を行なうことなく足先17aの前後Aのストレッチが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るマッサージ機は、施療者の足裏を載置する足載部に、施療者の足先を保持しながら足先を足先以外の部分に対して前後に相対移動させるための足先移動手段を備えているので、ストレッチを行なう部位が足首側から足先側へと拡大するという今までには得られなかったストレッチ効果が得られ、ストレス解消度合いを高めることができるものであり、しかも、足裏を曲げたりせずに足先の前後のストレッチのみが可能となるので、足に大きな負担をかけなくて済み、長期継続的な使用に適したものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
【0015】
図11、図12は椅子型マッサージ機1の一例を示している。この椅子型マッサージ機1は、施療者が座るための座部2と、リクライニング機構を有する背もたれ3と、肘掛部4と、座部2の前側に配置される足載部7,8と、操作機5とを備えている。
【0016】
足載部8は、図1、図2に示すように、施療者の足先17aを保持しながら足先17aを足先17a以外の部分に対して前後Aに相対移動させるための足先移動手段22を備えている。また足載部8の足裏載置面8aは、足先17aを載せる前後移動部16と、踵側を載せる踵載部9とを備えている。
【0017】
前記足先移動手段22は、施療者の足先17aを保持する足先保持部10,11と、足先17aを載せる前後移動部16と、前後移動部16を前後Aに移動させるための膨張・収縮する空気袋22aとを備えている。この空気袋22aは前後移動部16と踵載部9との間に介在されている。
【0018】
前記足載部8には、足先17a以外の部分、例えば、足首横部17b1、甲部17c、スネ部17d、ふくらはぎ横部17eを固定するための足固定手段12〜15が設けられている。本例の足固定手段12〜15はそれぞれ独立した別々の空気袋で構成されている。
【0019】
ここで、前記足先保持部10,11の各空気袋、足先移動手段22の空気袋、及び足固定手段12〜15の各空気袋は、それぞれ、給排気手段によって個別に膨張・収縮可能となっている。空気袋は、各人の足形状に柔軟に対応しつつ最も適度な押圧外力をかけることができる材質、例えば弾性樹脂で構成されている。
【0020】
さらに、マッサージ機1には、施療者の足先17a以外の部分を固定してから、足先17aとそれ以外の部分を前後Aに相対移動させるような施療動作を行なうための制御部20が設けられている。制御部20は、図8に示す例えばMPU(マイクロプロセッサユニット)からなり、操作機5からの信号に応じて足先移動手段22、足固定手段12〜15等の制御を行なうものである。さらにMPU20には、前記施療者の足先17a以外の部分を固定してから、足先17aとそれ以外の部分を前後Aに相対移動させるための施療動作を記憶して、次回の施療で記憶された情報を使用するための記憶装置19が付設されている。
【0021】
次に、動作の一例を説明する。先ず施療者は図3、図4(a)のように足裏を足裏載置面8aに載せた状態で、操作機5から入力を行ない、足のストレッチ運動をさせる。足のストレッチ運動は、操作機5の入力をMPU20が受けて、足固定手段12の空気袋が空気の給気によって膨らんで、図4(b)のように足首17bを固定する。このとき足を固定する部位は、足首17bに限らず、足固定手段13〜15による甲部17c、スネ部17d、ふくらはぎ横部17eのいずれかの1箇所若しくは、複数箇所でも良い。
【0022】
上記のように足首17b側を固定した状態で、その後、図5(a)のように足先保持部11の左右一対の空気袋を膨張させる。本例では足先保持部10の空気袋10は使用せず、足先保持部11の空気袋と前後移動部16との間で足先17aを上下から保持する。その後、足先移動手段22の空気袋が膨張して前後移動部16が前方向に移動し、足先17aのストレッチが行われる。その後、足先移動手段22の空気袋が収縮して前後移動部16が後方に移動して、足先17aの前後Aのストレッチ運動を1回若しくは、複数回行なう。このとき、前後移動部16の移動量を検知してMPU20にフィードバックをかけてもよい。そして、足先17aの前後Aのストレッチ運動を1回若しくは、複数回行なった後に、足先保持部11の空気袋、足固定手段12の各空気袋をそれぞれ収縮させて、足先17aと足首17bとをそれぞれ開放する。
【0023】
ここで、図9は足首側の足固定手段12の空気袋の膨張・収縮と、足先移動手段22の空気袋の膨張・収縮の一例のタイミングチャートを示している。また図10は他例のタイミングチャートを示している。もちろん、この図9、図10動作に限られるものではない。
【0024】
上記構成によれば、足先移動手段22によって足先17aを前後Aに動かすことができ、足の筋肉や筋を伸ばすストレッチ効果が得られ、しかもストレッチを行なう部位が足首17b側から足先17a側へと拡大するので、今までには得られなかったストレッチ効果が得られ、ストレス解消度合いを高めることができる。また本例では、足先17a以外の部分を固定してから、足先17aとそれ以外の部分を前後Aに相対移動させるような施療動作を行なうので、より一層の足17の筋肉や筋を伸ばす効果が期待できる。さらに、足裏を前後Aに伸ばしたり縮めたりすることで、土踏まずを含む足裏全体を効果的に揉みほぐすことができるので、血行を良くして内蔵機能を強化し、さらに足のむくみを除去できるなど健康増進に寄与することができる。
【0025】
しかも、従来のような足裏を無理に反らせて足先の屈伸を行なうのではなく、足裏を真っ直ぐにした状態で、足先17aを前後Aに移動させるストレッチであるので、足17に大きな負担をかけなくて済み、長期継続的な使用に適したものとなる。
【0026】
また、足固定手段12〜15のいずれかによって足首横部17b1、甲部17c、スネ部17d、ふくらはぎ横部17eのうち少なくとも1箇所を固定できるので、ストレッチ効果を一層高めることができる。
【0027】
なお、前記実施形態では、図4(a)→図4(b)→図5(a)のように足首17bを先に固定してから、足先17cを保持し、その後、前後移動部16を前後移動させる動作順を説明したが、他の例として、例えば、図4(a)→図5(a)→図4(b)のように足先17cを先に保持してから、足首17bを後から固定してもよいものである。なお図5(a)の足先保持部10の空気袋を省略して、足先17cの裏を前後移動部16に直接載置することも可能である。
【0028】
さらに他の例として、図5(b)のように足先保持部10の空気袋を用いて足先17cを下から押し上げるようにしてもよい。つまり、図4(a)→図4(b)→図5(b)のように足首17bを先に固定してから、足先保持部10,11の各空気袋をそれぞれ膨張させて足先17cを上下から保持し、その後、前後移動部16を前後移動させる動作手順であってもよい。この場合、足先保持部10,11の各空気袋によって足先17cが上下3箇所から保持されるので、保持力が向上してストレッチ効果が一層高められるようになる。なお、図4(a)→図5(b)→図4(b)のように足先保持部10,11の各空気袋によって足先17cを先に保持してから、足首17bを後から固定するようにしてもよいものである。このように足先移動手段22、足先保持部10,11、足固定手段12〜15の動作による足先17aの保持と、足首17bの固定と、すべての空気袋の開放の順序は、適宜変更自在である。
【0029】
また前記実施形態では、足首17bを固定する場合を説明したが、図6に示すように足固定手段14によって甲部17cを固定した状態、及び/又は、足固定手段15によってスネ部17dを固定した状態で、ストレッチを行なうことも可能である。この場合、足8の固定位置を任意に変えながら、足先17aのストレッチ運動が可能となる。
【0030】
また前記全てのストレッチ運動を、MPU20と記憶装置19の一方或いは両方が、情報として記憶し、その情報を次回のマッサージで使用することで、次回の施療に反映させることができる。つまり、MPU20或いは記憶装置19のいずれかで前回の施療情報を記憶して、次回の施療でその情報を使用できるようにすることにより、施療者が電源を入れ、マッサージやストレッチを行なう毎に、操作機5のわずらわしい入力燥作を行なうことなく、足先17aのストレッチ及びマッサージができる効果がある。
【0031】
図7は、本発明の請求項3に対応する実施形態である。本例では足先移動手段22の空気袋の両サイドに、該空気袋をその収縮方向に向かって付勢する左右一対の付勢手段18が配置されている。この付勢手段18は前後移動部16を踵載部9に向かって引っ張る引張バネからなり、足先移動手段22の空気袋が収縮する際にバネ力によって空気袋の収縮スピードが速められることとなり、テンポのよいストレッチができる。また、付勢手段18の両外側には左右一対のガイド21が配置されている。本例では棒状のガイド21の後部が踵載部9内に挿入され、棒状のガイド21の前部が前後移動部16内に挿入され、各ガイド21によって踵載部9に対する前後移動部16の前後Aの移動が傾きなく且つスムーズに行なわれるようになる。
【0032】
前記各実施形態において、足先保持部10,11と施療者の足との空間、或いは、足固定手段12〜15と施療者の足との空間には、当たり感を和らげるクッション材を設けたり、或いは指圧形状の突起を有する指圧シート等を設けたりすることも可能である。
【0033】
なお前記空気袋に代えて、モータ等の駆動装置を使って足先移動手段22を構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明のマッサージ機の足載部を示す斜視図である。
【図2】同上のマッサージ機全体の平面図である。
【図3】同上の足載部の足裏載置面に施療者の足裏を載せた状態を説明する側面図である。
【図4】(a)は同上の足裏載置面に足裏を載せた状態で且つ足固定手段で足が固定されていない状態を前方から見た正面図、(b)は同上の足首を足固定手段で固定した状態を後方から見た背面図である。
【図5】(a)は同上の足先保持部の空気袋で足先を前後移動部に向かって押し下げた状態を前方から見た正面図、(b)は同上の足先保持部の空気袋で足先を上下から挟みつけた状態を前方から見た正面図である。
【図6】同上の足固定手段によって足の甲部及びスネ部を固定した状態でストレッチを行なう場合を説明する側面図である。
【図7】(a)(b)は本発明の他の実施形態の平面図である。
【図8】同上の制御部に関連するブロック図である。
【図9】同上の足固定手段の空気袋の膨張・収縮と、足先移動手段の空気袋の膨張・収縮の一例を示すタイミングチャートである。
【図10】同上の足固定手段の空気袋の膨張・収縮と、足先移動手段の空気袋の膨張・収縮の他例を示すタイミングチャートである。
【図11】同上の椅子型マッサージ機の足載部を下ろした状態を説明する側面図である。
【図12】同上の椅子型マッサージ機の足載部を水平に上げた状態を説明する側面図である。
【符号の説明】
【0035】
1 マッサージ機
2 座部
8 足載部
8a 足裏載置面
12〜15 足固定手段
17 足
17a 足先
17b1 足首横部
17c 甲部
17d スネ部
17e ふくらはぎ横部
18 付勢手段
19 記憶装置
20 制御部
22 足先移動手段
A 前後
【技術分野】
【0001】
本発明は、施療者の足先を前後に伸ばすストレッチ運動ができるマッサージ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、座部および背もたれ部を備えた椅子式のマッサージ機において、足ふくらはぎのマッサージをする空気袋を配設したものは知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところで、スポーツマッサージや指圧技法において知られるように、神経系や内蔵をはじめとする各種の身体調整を図る場合、足の刺激と運動は特に重要である。各種の神経系(経絡)が足裏と足指に集中するからである。このため足裏に対する押圧刺激、足指の運動を行なうものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
しかし、上記特許文献2に見られる従来例では、足裏を上方に曲げながら、その指を略水平方向へ強制押圧するようにしているため、足への負担が大きく、長期継続的な使用を困難にさせることがあった。
【特許文献1】特開2001−95867号公報
【特許文献2】特開2001−149425号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は前記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、ストレッチを行なう部位が足首側から足先側へと拡大するという今までには得られなかったストレッチ効果が得られ、ストレス解消度合いを高めることができると共に、足に大きな負担をかけることがなく、長期継続的な使用に適したマッサージ機を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために本発明は、施療者の足裏を載置する足裏載置面8aが形成された足載部8を、施療者が座るための座部2の前側に配置したマッサージ機であって、前記足載部8に、施療者の足先17aを保持しながら足先17aを足先17a以外の部分に対して前後Aに相対移動させるための足先移動手段22を設けたことを特徴としている。
【0007】
このような構成とすることで、足先移動手段22によって足先17aを前後Aに伸ばすことができ足の筋肉や筋を伸ばすストレッチ効果が得られ、しかもストレッチを行なう部位が足首17b側から足先17a側へと拡大していくので、今までには得られなかったストレッチ効果が得られると共に、疲労回復、健康の増進に効果的であり、しかも、従来のような足裏を無理に反らせて足先の屈伸を行なうものと比較して、足17にかかる負担を軽減できるようになる。
【0008】
また、前記施療者の足先17a以外の足首横部17b1、甲部17c、スネ部17d、ふくらはぎ横部17eのうち少なくとも1箇所を固定するための足固定手段を設けるのが好ましく、この場合、足固定手段によって足先17a以外の部分を固定しながら足先移動手段22によって足先17aを前後Aに伸ばすことができるので、ストレッチ効果を一層高めることができる。
【0009】
また、前記足先移動手段22は、足先17aを保持する足先保持部11と、足先17aを載せる前後移動部16と、前後移動部16を前後Aに移動させるための膨張・収縮する空気袋22aと、該空気袋22aをその収縮方向に向かって付勢する付勢手段18とを備えているのが好ましく、この場合、足先移動手段22の空気袋22aが収縮する際に付勢手段18によって収縮スピードが速められ、足先17aを前後Aにテンポよく移動させることができ、ストレッチ効果が高められる。
【0010】
また、前記足固定手段は、膨張・収縮する空気袋で構成されているのが好ましく、この場合、各人の足形状に柔軟に対応しつつ最も適度な押圧外力をもって、足先17aの前後Aのストレッチ運動が可能となる。
【0011】
また、前記施療者の足先17a以外の部分を固定してから、固定していない部位を固定した部位に対して前後に相対移動させるような施療動作を行なうための制御部20を備えているのが好ましく、この場合、足先17aを前後Aに伸ばすストレッチ運動が自動的に行なえる。
【0012】
また、前記施療者の足先17a以外の部分を固定してから、固定していない部位を固定した部位に対して前後に相対移動させるような施療動作を記憶して、次回の施療で記憶された情報を使用するための記憶装置19を備えているのが好ましく、この場合、前回の足先17aを前後Aに移動させる施療を記憶して、次回の施療でその情報を使用できるので、施療者が電源を入れ、マッサージやストレッチを行なう毎に、操作機のわずらわしい入力燥作を行なうことなく足先17aの前後Aのストレッチが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るマッサージ機は、施療者の足裏を載置する足載部に、施療者の足先を保持しながら足先を足先以外の部分に対して前後に相対移動させるための足先移動手段を備えているので、ストレッチを行なう部位が足首側から足先側へと拡大するという今までには得られなかったストレッチ効果が得られ、ストレス解消度合いを高めることができるものであり、しかも、足裏を曲げたりせずに足先の前後のストレッチのみが可能となるので、足に大きな負担をかけなくて済み、長期継続的な使用に適したものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
【0015】
図11、図12は椅子型マッサージ機1の一例を示している。この椅子型マッサージ機1は、施療者が座るための座部2と、リクライニング機構を有する背もたれ3と、肘掛部4と、座部2の前側に配置される足載部7,8と、操作機5とを備えている。
【0016】
足載部8は、図1、図2に示すように、施療者の足先17aを保持しながら足先17aを足先17a以外の部分に対して前後Aに相対移動させるための足先移動手段22を備えている。また足載部8の足裏載置面8aは、足先17aを載せる前後移動部16と、踵側を載せる踵載部9とを備えている。
【0017】
前記足先移動手段22は、施療者の足先17aを保持する足先保持部10,11と、足先17aを載せる前後移動部16と、前後移動部16を前後Aに移動させるための膨張・収縮する空気袋22aとを備えている。この空気袋22aは前後移動部16と踵載部9との間に介在されている。
【0018】
前記足載部8には、足先17a以外の部分、例えば、足首横部17b1、甲部17c、スネ部17d、ふくらはぎ横部17eを固定するための足固定手段12〜15が設けられている。本例の足固定手段12〜15はそれぞれ独立した別々の空気袋で構成されている。
【0019】
ここで、前記足先保持部10,11の各空気袋、足先移動手段22の空気袋、及び足固定手段12〜15の各空気袋は、それぞれ、給排気手段によって個別に膨張・収縮可能となっている。空気袋は、各人の足形状に柔軟に対応しつつ最も適度な押圧外力をかけることができる材質、例えば弾性樹脂で構成されている。
【0020】
さらに、マッサージ機1には、施療者の足先17a以外の部分を固定してから、足先17aとそれ以外の部分を前後Aに相対移動させるような施療動作を行なうための制御部20が設けられている。制御部20は、図8に示す例えばMPU(マイクロプロセッサユニット)からなり、操作機5からの信号に応じて足先移動手段22、足固定手段12〜15等の制御を行なうものである。さらにMPU20には、前記施療者の足先17a以外の部分を固定してから、足先17aとそれ以外の部分を前後Aに相対移動させるための施療動作を記憶して、次回の施療で記憶された情報を使用するための記憶装置19が付設されている。
【0021】
次に、動作の一例を説明する。先ず施療者は図3、図4(a)のように足裏を足裏載置面8aに載せた状態で、操作機5から入力を行ない、足のストレッチ運動をさせる。足のストレッチ運動は、操作機5の入力をMPU20が受けて、足固定手段12の空気袋が空気の給気によって膨らんで、図4(b)のように足首17bを固定する。このとき足を固定する部位は、足首17bに限らず、足固定手段13〜15による甲部17c、スネ部17d、ふくらはぎ横部17eのいずれかの1箇所若しくは、複数箇所でも良い。
【0022】
上記のように足首17b側を固定した状態で、その後、図5(a)のように足先保持部11の左右一対の空気袋を膨張させる。本例では足先保持部10の空気袋10は使用せず、足先保持部11の空気袋と前後移動部16との間で足先17aを上下から保持する。その後、足先移動手段22の空気袋が膨張して前後移動部16が前方向に移動し、足先17aのストレッチが行われる。その後、足先移動手段22の空気袋が収縮して前後移動部16が後方に移動して、足先17aの前後Aのストレッチ運動を1回若しくは、複数回行なう。このとき、前後移動部16の移動量を検知してMPU20にフィードバックをかけてもよい。そして、足先17aの前後Aのストレッチ運動を1回若しくは、複数回行なった後に、足先保持部11の空気袋、足固定手段12の各空気袋をそれぞれ収縮させて、足先17aと足首17bとをそれぞれ開放する。
【0023】
ここで、図9は足首側の足固定手段12の空気袋の膨張・収縮と、足先移動手段22の空気袋の膨張・収縮の一例のタイミングチャートを示している。また図10は他例のタイミングチャートを示している。もちろん、この図9、図10動作に限られるものではない。
【0024】
上記構成によれば、足先移動手段22によって足先17aを前後Aに動かすことができ、足の筋肉や筋を伸ばすストレッチ効果が得られ、しかもストレッチを行なう部位が足首17b側から足先17a側へと拡大するので、今までには得られなかったストレッチ効果が得られ、ストレス解消度合いを高めることができる。また本例では、足先17a以外の部分を固定してから、足先17aとそれ以外の部分を前後Aに相対移動させるような施療動作を行なうので、より一層の足17の筋肉や筋を伸ばす効果が期待できる。さらに、足裏を前後Aに伸ばしたり縮めたりすることで、土踏まずを含む足裏全体を効果的に揉みほぐすことができるので、血行を良くして内蔵機能を強化し、さらに足のむくみを除去できるなど健康増進に寄与することができる。
【0025】
しかも、従来のような足裏を無理に反らせて足先の屈伸を行なうのではなく、足裏を真っ直ぐにした状態で、足先17aを前後Aに移動させるストレッチであるので、足17に大きな負担をかけなくて済み、長期継続的な使用に適したものとなる。
【0026】
また、足固定手段12〜15のいずれかによって足首横部17b1、甲部17c、スネ部17d、ふくらはぎ横部17eのうち少なくとも1箇所を固定できるので、ストレッチ効果を一層高めることができる。
【0027】
なお、前記実施形態では、図4(a)→図4(b)→図5(a)のように足首17bを先に固定してから、足先17cを保持し、その後、前後移動部16を前後移動させる動作順を説明したが、他の例として、例えば、図4(a)→図5(a)→図4(b)のように足先17cを先に保持してから、足首17bを後から固定してもよいものである。なお図5(a)の足先保持部10の空気袋を省略して、足先17cの裏を前後移動部16に直接載置することも可能である。
【0028】
さらに他の例として、図5(b)のように足先保持部10の空気袋を用いて足先17cを下から押し上げるようにしてもよい。つまり、図4(a)→図4(b)→図5(b)のように足首17bを先に固定してから、足先保持部10,11の各空気袋をそれぞれ膨張させて足先17cを上下から保持し、その後、前後移動部16を前後移動させる動作手順であってもよい。この場合、足先保持部10,11の各空気袋によって足先17cが上下3箇所から保持されるので、保持力が向上してストレッチ効果が一層高められるようになる。なお、図4(a)→図5(b)→図4(b)のように足先保持部10,11の各空気袋によって足先17cを先に保持してから、足首17bを後から固定するようにしてもよいものである。このように足先移動手段22、足先保持部10,11、足固定手段12〜15の動作による足先17aの保持と、足首17bの固定と、すべての空気袋の開放の順序は、適宜変更自在である。
【0029】
また前記実施形態では、足首17bを固定する場合を説明したが、図6に示すように足固定手段14によって甲部17cを固定した状態、及び/又は、足固定手段15によってスネ部17dを固定した状態で、ストレッチを行なうことも可能である。この場合、足8の固定位置を任意に変えながら、足先17aのストレッチ運動が可能となる。
【0030】
また前記全てのストレッチ運動を、MPU20と記憶装置19の一方或いは両方が、情報として記憶し、その情報を次回のマッサージで使用することで、次回の施療に反映させることができる。つまり、MPU20或いは記憶装置19のいずれかで前回の施療情報を記憶して、次回の施療でその情報を使用できるようにすることにより、施療者が電源を入れ、マッサージやストレッチを行なう毎に、操作機5のわずらわしい入力燥作を行なうことなく、足先17aのストレッチ及びマッサージができる効果がある。
【0031】
図7は、本発明の請求項3に対応する実施形態である。本例では足先移動手段22の空気袋の両サイドに、該空気袋をその収縮方向に向かって付勢する左右一対の付勢手段18が配置されている。この付勢手段18は前後移動部16を踵載部9に向かって引っ張る引張バネからなり、足先移動手段22の空気袋が収縮する際にバネ力によって空気袋の収縮スピードが速められることとなり、テンポのよいストレッチができる。また、付勢手段18の両外側には左右一対のガイド21が配置されている。本例では棒状のガイド21の後部が踵載部9内に挿入され、棒状のガイド21の前部が前後移動部16内に挿入され、各ガイド21によって踵載部9に対する前後移動部16の前後Aの移動が傾きなく且つスムーズに行なわれるようになる。
【0032】
前記各実施形態において、足先保持部10,11と施療者の足との空間、或いは、足固定手段12〜15と施療者の足との空間には、当たり感を和らげるクッション材を設けたり、或いは指圧形状の突起を有する指圧シート等を設けたりすることも可能である。
【0033】
なお前記空気袋に代えて、モータ等の駆動装置を使って足先移動手段22を構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明のマッサージ機の足載部を示す斜視図である。
【図2】同上のマッサージ機全体の平面図である。
【図3】同上の足載部の足裏載置面に施療者の足裏を載せた状態を説明する側面図である。
【図4】(a)は同上の足裏載置面に足裏を載せた状態で且つ足固定手段で足が固定されていない状態を前方から見た正面図、(b)は同上の足首を足固定手段で固定した状態を後方から見た背面図である。
【図5】(a)は同上の足先保持部の空気袋で足先を前後移動部に向かって押し下げた状態を前方から見た正面図、(b)は同上の足先保持部の空気袋で足先を上下から挟みつけた状態を前方から見た正面図である。
【図6】同上の足固定手段によって足の甲部及びスネ部を固定した状態でストレッチを行なう場合を説明する側面図である。
【図7】(a)(b)は本発明の他の実施形態の平面図である。
【図8】同上の制御部に関連するブロック図である。
【図9】同上の足固定手段の空気袋の膨張・収縮と、足先移動手段の空気袋の膨張・収縮の一例を示すタイミングチャートである。
【図10】同上の足固定手段の空気袋の膨張・収縮と、足先移動手段の空気袋の膨張・収縮の他例を示すタイミングチャートである。
【図11】同上の椅子型マッサージ機の足載部を下ろした状態を説明する側面図である。
【図12】同上の椅子型マッサージ機の足載部を水平に上げた状態を説明する側面図である。
【符号の説明】
【0035】
1 マッサージ機
2 座部
8 足載部
8a 足裏載置面
12〜15 足固定手段
17 足
17a 足先
17b1 足首横部
17c 甲部
17d スネ部
17e ふくらはぎ横部
18 付勢手段
19 記憶装置
20 制御部
22 足先移動手段
A 前後
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施療者の足裏を載置する足裏載置面が形成された足載部を、施療者が座るための座部の前側に配置したマッサージ機であって、前記足載部に、施療者の足先を保持しながら足先を足先以外の部分に対して前後に相対移動させるための足先移動手段を設けたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
前記施療者の足先以外の足首横部、甲部、スネ部、ふくらはぎ横部のうち少なくとも1箇所を固定するための足固定手段を設けたことを特徴とする請求項1記載のマッサージ機。
【請求項3】
前記足先移動手段は、足先を保持する足先保持部と、足先を載せる前後移動部を前後に移動させるための膨張・収縮する空気袋と、空気袋をその収縮方向に向かって付勢する付勢手段とを備えていることを特徴とする請求項1記載のマッサージ機。
【請求項4】
前記足固定手段は、膨張・収縮する空気袋で構成されていることを特徴とする請求項2記載のマッサージ機。
【請求項5】
前記施療者の足先以外の部分を固定してから、固定していない部位を固定した部位に対して前後に相対移動させるような施療動作を行なうための制御部を備えていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のマッサージ機。
【請求項6】
前記施療者の足先以外の部分を固定してから、固定していない部位を固定した部位に対して前後に相対移動させるような施療動作を記憶して、次回の施療で記憶された情報を使用するための記憶装置を備えていることを特徴とする請求項5記載のマッサージ機。
【請求項1】
施療者の足裏を載置する足裏載置面が形成された足載部を、施療者が座るための座部の前側に配置したマッサージ機であって、前記足載部に、施療者の足先を保持しながら足先を足先以外の部分に対して前後に相対移動させるための足先移動手段を設けたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
前記施療者の足先以外の足首横部、甲部、スネ部、ふくらはぎ横部のうち少なくとも1箇所を固定するための足固定手段を設けたことを特徴とする請求項1記載のマッサージ機。
【請求項3】
前記足先移動手段は、足先を保持する足先保持部と、足先を載せる前後移動部を前後に移動させるための膨張・収縮する空気袋と、空気袋をその収縮方向に向かって付勢する付勢手段とを備えていることを特徴とする請求項1記載のマッサージ機。
【請求項4】
前記足固定手段は、膨張・収縮する空気袋で構成されていることを特徴とする請求項2記載のマッサージ機。
【請求項5】
前記施療者の足先以外の部分を固定してから、固定していない部位を固定した部位に対して前後に相対移動させるような施療動作を行なうための制御部を備えていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のマッサージ機。
【請求項6】
前記施療者の足先以外の部分を固定してから、固定していない部位を固定した部位に対して前後に相対移動させるような施療動作を記憶して、次回の施療で記憶された情報を使用するための記憶装置を備えていることを特徴とする請求項5記載のマッサージ機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−289447(P2007−289447A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−121329(P2006−121329)
【出願日】平成18年4月25日(2006.4.25)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月25日(2006.4.25)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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