説明

マッサージ機

【課題】 生産費用及び重量を削減したマッサージ機を提供する。
【解決手段】 本発明のマッサージ機1は、座部13と、施療部を備えた背もたれ部12と、座部13を支持する箱形状のベースフレーム3と、背もたれ部12を支持する背もたれフレーム2と、を備えたものである。そして、背もたれフレーム2がベースフレーム3に取り付けてある。更に、背もたれフレーム2の一部がベースフレーム3の箱内部に臨んでおり、背もたれフレーム2のベースフレーム3に臨んだ上記部位がベースフレーム3の構造部材の一部を兼ねている。これにより、マッサージ機1の構造部材の全体数を減らすことができ、生産費用及び重量を削減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッサージ機、殊に椅子型マッサージ機の構造部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、特許文献1に示すように、使用者が着座する座部と、使用者の背中を施療する施療手段と、施療手段を内部に備えた背もたれ部と、背もたれ部に設けた施療手段が突出するための開口部と、を有する椅子型のマッサージ機があった。
【0003】
そして、マッサージ機は、座部を支持する座部フレームと、座部フレームに取り付けられた背もたれ部を支持する背もたれフレームと、を夫々個別の支持構造体として、夫々のフレームで使用者及び施療部からの負荷を受けるものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−267674号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に示すマッサージ機では、背もたれフレームと座部フレームとが夫々独立した支持構造体であるため、マッサージ機全体としてはフレームを形成する構造部材に重複する部位があり、生産費用及び重量に無駄を生じていた。
【0006】
そこで、本発明は上記問題に鑑みて発明したものであり、一方のフレームの構造部材が他方のフレームの一部を兼ねることで、支持強度を維持して構造部材の全体数を減らし、生産費用及び重量を削減したマッサージ機を提供することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のマッサージ機1は、使用者が着座する座部13と、使用者がもたれる背もたれ部12と、使用者の少なくとも肩から腰に施療を行う施療部と、を備えたものである。そして、座部13を支持する箱形状のベースフレーム3と、背もたれ部12を支持する背もたれフレーム2と、を有し、且つ上記背もたれフレーム2が上記ベースフレーム3に取り付けられたものである。更に、上記背もたれフレーム2の一部がベースフレーム3の箱の内部に臨んでおり、上記ベースフレーム3内に臨んだ背もたれフレーム2の一部がベースフレーム3の構造部材の一部を兼ねているものであることを特徴としている。
【0008】
このような構成としたことで、背もたれフレーム2の構造部材がベースフレーム3の構造部材の一部を兼ねることができる。
【0009】
また、請求項2に係る発明は、ベースフレーム3及び背もたれフレーム2を夫々平面視において閉じた枠形状としたことを特徴としている。
【0010】
また、請求項3に係る発明は、背もたれフレーム2の下端側に位置する横軸部材22がベースフレーム3の前方側の横軸部材33の一つを兼ねるものとしたことを特徴としている。
【0011】
また、請求項4に係る発明は、背もたれフレーム2のベースフレーム3の構造部材の一部を兼ねる横軸部材22がベースフレーム3の前端より後方にあり、ベースフレーム3の前方及び下方に開口した横軸部材33の無い空間4を形成するものとしたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
上記のように、本発明の請求項1に係るマッサージ機は、背もたれフレームの構造部材がベースフレームの構造部材の一部を兼ねているため、強度の低下を招くことなく、構造部材を減らすことができ、生産費用及び重量を削減することができる。
【0013】
また、請求項2に係る発明は、ベースフレームの前側の横軸の一つを背もたれフレームの横軸が兼ねるため、構造部材を少なくとも一つ減らすことができ、生産費用及び重量を削減することができる。
【0014】
また、請求項3に係る発明は、背もたれフレームとベースフレームを夫々閉じた枠形状としたことで、応力を各構造部材に分散できるため、一部の構造部材に応力集中が生じることを防止でき、支持強度を向上することができる。
【0015】
また、請求項4に係る発明は、ベースフレームの前方及び下方に開口した空間を設けたことで、上記空間を足載せ部や椅子の回動機構や、非使用時の脚部用施療手段等を配置する収納スペースとして利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明のマッサージ機の構造部材の説明図であり、(a)が背もたれフレームと座部フレームを組んだ状態であり、(b)が背もたれフレーム単体であり、(c)が座部フレーム単体である。
【図2】同上のマッサージ機の外観の説明図である。
【図3】同上のA−A断面の一部を省略した説明図である。
【図4】同上の背もたれ部のパネルの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態について説明する。
【0018】
本発明のマッサージ機1は、図1−4に示すように、使用者が着座する座部13と、使用者が凭れる背もたれ部12と、使用者に施療を行う施療部と、使用者が足を載せる足載せ部15と、を有する椅子型マッサージ機1である。
【0019】
以下、座部13の使用者が着座する側を上方側とし、その裏面側を下方側とすると共に、背もたれ部12の使用者がもたれる側を前方側とし、その裏面側を後方側とする。そして、前後方向及び上下方向に直交する方向を左右方向として、左右方向に伸びる構造部材を横軸部材とする。
【0020】
上記背もたれ部12は湾曲したパネル121で前面の形状が形成されており、背もたれ部12の前面の曲線が座部13の上面に連続しており、使用者の載置する背もたれ部12の前面及び座部13の上面が一体の曲面凹所を形成している。
【0021】
そして、上記パネル121の左右方向の略中央には前面に開口した開口部14が湾曲した前面に沿って形成されており、該開口部14から施療部によって使用者に施療が行われるものとなっている。
【0022】
更に、背もたれ部12の前面と座部13の上面が連続した曲線形状となっているため、背もたれ部12の下端を座部13として使用者が着座することができ、着座位置を前後にずらすことで使用者の体格を問わずに肩から腰を施療可能としている。
【0023】
なお、図3における符号16は背もたれ部12の前面と座部13の上面の両者に渡って外面を覆うカバー部材であり、図2では省略している。
【0024】
また、上記パネル121は背もたれフレーム2により裏面側から支持されており、上記背もたれフレーム2はパネル121の裏面に沿って略くの字に湾曲した略同じ長さで平行に並ぶ二つの背支持部材21を本体としたものである。
【0025】
そして、背支持部材21の端部は他方の背支持部材21の同じ側の端部に夫々横軸部材22によって繋がっており、左右方向では曲線形状であるが、上下あるいは前後方向からは平面視口字の閉じた枠形状のものとなっている。
【0026】
更に、背もたれフレーム2の屈曲部分より前方側が座部13を支持するベースフレーム3が形成する箱の内部空間に臨んでおり、背もたれ部12の下方が上方より前方に突出して座部13の上面と背もたれ部12の前面が滑らかに連続するものとなっている。
【0027】
なお、背もたれフレーム2内の符号23はベースフレーム3に背もたれフレーム2を位置保持する保持部であり、座部13の上面と背もたれ部12の前面の間に段差を生じることを抑制している。
【0028】
また、上記ベースフレーム3は平面視U字形状に円筒部材を曲げて後方に向けて開口した支持構造体31を本体としており、支持構造体31の前端部は座部13を支持する座部支持部311となっている。
【0029】
そして、上記支持構造体31の両側に位置する直線部分の前後端から下方に向けて夫々脚部材34が延設されている。
【0030】
更に、前側の脚部材34と後側の脚部材34は支持構造体31より下方の位置で前後方向に伸びた下方支持部材32により左右夫々繋がっており、二本の下方支持部材32は夫々の後端に固定された左右方向に伸びた横軸部材33により繋がっている。
【0031】
このように、ベースフレーム3はU字形状の支持構造体31と、支持構造体31から下方に延設された四本の脚部材34と、横軸部材33により前方に開口した平面視コ字形状を形成する下方支持部材32と、からなる箱形状のものである。
【0032】
そして、ベースフレーム3は支持構造体31と横軸部材33と下方支持部材32により平面視略口字形状となっており、且つ左右方向から視ても前後の脚部材34と支持構造体31の直線部分と下方支持部材32により略口字形状となっている。
【0033】
また、上記背もたれフレーム2のベースフレーム3の箱の内部に臨んだ前方の部位は前方側の脚部材34より後方に位置して下方支持部材32に固定部35を介して端部が固定されている。
【0034】
これにより、背もたれフレーム2の前端の横軸部材22が下方支持部材32の前方側の横軸部材33としてベースフレーム3の構造部材の一部を兼ねるものとなり、下方支持部材32に別途横軸部材33を設ける必要のないものとなっている。
【0035】
そして、背もたれフレーム2の前端の横軸部材22が下方支持部材32の前方側の横軸部材33を兼ねたことで、下方支持部材32と横軸部材33とで平面視略口字の閉じた枠形状となっている。
【0036】
また、下方支持部材32の前方側の横軸部材33を下方支持部材32の前端より後方に設けたことで、前方及び下方に開口した空間4が形成されており、上記空間4は足載せ部15の傾きや位置を調節する調節部が配置された収納スペースとなっている。
【0037】
このように、背もたれフレーム2の横軸部材22がベースフレーム3の横軸部材33を兼ねたことで、支持強度を維持してマッサージ機1の構造部材の数を減らせるため、マッサージ機1の構造が簡略化され、生産費用及び重量を削減することができる。
【0038】
そして、背もたれフレーム2及びベースフレーム3が夫々閉じた枠形状となっているため、一部の構造部材のみに応力集中が生じることを防止でき、各フレームの支持強度をより向上させることができる。
【0039】
また、ベースフレーム3が前方及び下方に開口した空間4を備えたことで、足載せ部15の傾きや位置を調節する調節部等を配置する収納スペースを得ると共に、収納スペース内に横軸部材33が無いため、収納スペースを広く取ることができる。
【0040】
そして、横軸部材33が収納スペース内に無いため、収納スペースに配置したものが前方に入出可能等の動作するものであっても、その動作時に横軸部材33が邪魔にならず、動作機構の複雑化を防止でき、生産費用及び重量を軽減することができる。
【0041】
なお、実施例において、座部12を支持する構造部材を一つの略U字形状の支持構造体31としているが、前後方向に伸びた構造部材と左右方向に伸びた横軸部材とを組み合わせた複数の構造部材で形成したものであってもよい。
【0042】
もちろん、ベースフレーム3の空間4には足載せ部15の調節部を配置するだけでなく、使用者の脚部を施療する脚部用施療手段の非施療時の収納部や、背もたれ部12に配置してソファに切り換えるための背置きクッションの収納部としてもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 マッサージ機
12 背もたれ部
121 パネル
13 座部
14 開口部
15 足載せ部
2 背もたれフレーム
21 背支持部材
22 横軸部材
23 保持部
3 ベースフレーム
31 支持構造体
32 下方支持部材
33 横軸部材
34 脚部材
35 固定部
4 空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者が着座する座部と、使用者に施療を行う施療部を有する背もたれ部と、を備えると共に、座部を支持する箱形状のベースフレームと、背もたれ部を支持する背もたれフレームと、を有し、且つ上記背もたれフレームが上記ベースフレームに取り付けられたマッサージ機において、上記背もたれフレームの一部がベースフレームの箱の内部に臨んでおり、上記ベースフレーム内に臨んだ背もたれフレームの一部がベースフレームの構造部材の一部を兼ねているものであることを特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
前記ベースフレーム及び前記背もたれフレームが夫々平面視において閉じた枠形状であることを特徴とする請求項1に記載のマッサージ機。
【請求項3】
前記背もたれフレームの構造部材のうち、下端側に位置する横軸部材がベースフレームの構造部材のうちの前方側の横軸部材の一つを兼ねるものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のマッサージ機。
【請求項4】
前記背もたれフレームのベースフレームの構造部材の一つを兼ねる横軸部材が前記ベースフレームの前端より後方にあり、上記ベースフレームの前方及び下方に開口した横軸部材の無い空間を形成するものであることを特徴とする請求項3に記載のマッサージ機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−200833(P2010−200833A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−46979(P2009−46979)
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】