説明

マッサージ機

【課題】操作器用のスタンドの肘掛けへの取り付け部が外観を悪くしてしまうことがないものとする。
【解決手段】人体背面のマッサージ用のマッサージ機構を背もたれ1に配しているとともに上記背もたれの両側前方に位置する肘掛け3を備えたマッサージ機である。上記マッサージ機構のための操作器7と、この操作器7を上記肘掛け3よりも上方の位置で支持するためのスタンド8とを備える。上記肘掛け3は下方が開放する凹部39を有しているとともに該凹部39内において上記スタンド8が固定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッサージ機、殊に椅子型のマッサージ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
人体背面のマッサージ用のマッサージ機構を背もたれ内に配したマッサージ機において、背もたれの両側前方に配した肘掛けに下端が固定されているスタンドを設けて、このスタンドに上記マッサージ機構のための操作器を支持させたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−327566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記スタンドは、操作器を肘掛けの上方位置で支持するものであるために、肘掛けに下端を取り付けているが、この取り付け部が肘掛け部分の見掛けを悪くしてしまうものであり、この取り付け部分を隠すには別途隠蔽用のパネルを設けることになる。
【0005】
本発明はこのような点に鑑みなされたものであって、操作器用のスタンドの肘掛けへの取り付け部が外観を悪くしてしまうことがないマッサージ機を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、人体背面のマッサージ用のマッサージ機構を背もたれに配しているとともに上記背もたれの両側前方に位置する肘掛けを備えたマッサージ機であって、上記マッサージ機構のための操作器と、この操作器を上記肘掛けよりも上方の位置で支持するためのスタンドとを備えており、上記肘掛けは下方が開放する凹部を有しているとともに該凹部内において上記スタンドが固定されていることに特徴を有している。
【0007】
上記肘掛けは側板上に肘掛け部を被せたものとして形成されている場合、上記スタンドは側板に固定し、上記凹部は肘掛け部の下面に設けておくことが好ましい。
【0008】
また、上記背もたれがリクライニング自在である場合、上記肘掛けは背もたれのリクライニング動作に連動して角度を変化させるものであるとよい。
【0009】
上記肘掛けはその上面側に腕用のマッサージ部材を備えたものであってもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明においては、下方に開放された凹部内で肘掛けにスタンドが固定されているために、別途パネルなどで隠したりしなくても、スタンドの肘掛けへの取り付け部分が外部から見えることがなくて、安価ながらも外観が良好なものである。
【0011】
上記肘掛けは側板上に肘掛け部を被せたものとして形成されている場合、上記スタンドは側板に固定し、上記凹部は肘掛け部の下面に設けておくと、凹部内でスタンドの固定作業を行わなくても、側板にスタンドを固定した後に肘掛け部を被せるだけでよく、組立性が良好なものとなる。
【0012】
また、上記背もたれがリクライニング自在である場合、上記肘掛けは背もたれのリクライニング動作に連動して角度を変化させるものであると、スタンドで支持した操作器の操作が背もたれをリクライニングさせた時も容易となる。
【0013】
上記肘掛けがその上面側に腕用のマッサージ部材を備えたものであると、腕に対するマッサージを肘掛けにおいて行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す斜視図である。
【図2】同上の斜視図である。
【図3】同上の側面である。
【図4】同上のリクライニング時の側面図である。
【図5】同上の肘掛けの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明を実施の形態の一例に基づいて詳述すると、図1及び図2に示す椅子型のマッサージ機は、リクライニング自在な背もたれ1内にマッサージ機構(図示せず)を配したもので、上記背もたれ1に加えて、座部2と座部2の両側に位置する肘掛け3,3、座部2の前端下方に配した足載せ台4、そして上記座部2が上面に配されているフレーム5とからなるもので、上記足載せ台4はフレーム5の前端側上部に軸支されて該軸を中心に回動自在となっており、該回動によって座部2の前方側にほぼ水平状態に位置させることができる。なお、図では左側の肘掛け3を省略している。
【0016】
上記フレーム5内には、上記足載せ台4の回動駆動のためのユニットと、背もたれ1のリクライニング動作を担うリフトユニット51に加えて、後述の各エアバッグへのエア供給用のエアポンプ及び弁が配設されている。図中55はフレームカバーである。
【0017】
上記背もたれ1は、図3に示すように、その下部が上記フレーム5の上部後端に軸50によって支持されるとともに、その下端とフレーム5の上部前端との間に配したリフトユニット51の伸縮によって軸50を中心に回動することでリクライニング自在となっているもので、枠型をした背もたれフレーム10に箱型の枠11を被せ、更に枠11を外皮12で覆ったものとして形成されており、背もたれ1内に配された前記マッサージ機構は背もたれフレーム10に沿って上下に移動自在なものとなっており、人体背面に対するマッサージは、上記枠11の前面に設けられた開口部13を通じて上記外皮12ごしに施療子6を人体背面に接触させることで行う。
【0018】
肘掛け3は、座部2の側方に配された側板30と、側板30の外面を覆うサイドカバー31、側板30の上面に被せられる肘掛け部32、そして肘掛け部32の上面に配した肘掛けカバー33とからなるもので、肘掛けカバー33はその前端側が肘掛け部32に連結されているとともに肘掛け部32との対向面にエアバッグ(図示せず)が配されており、肘掛け部32上面と肘掛けカバー33との間に腕を入れて上記エアバッグを膨張収縮させることで腕に対するマッサージを行うことができるものとなっている。
【0019】
また、ここにおける肘掛け3は、図3及び図4に示すように、その側板30の後端部が背もたれ1に軸35で連結されているとともに、側板30の前端部に軸37で連結されたリンク36が軸38によって前記フレーム5に連結されたものとなっているために、背もたれ1のリクライニング動作に同期して上面の角度が変化する。ただし、図示例のものでは、背もたれ1の角度変化よりも、肘掛け3上面の角度変化の方を小さくしており、背もたれ1を起こした状態では背もたれ1前面と肘掛け3上面とがなす角度α1が115°であるのに対し、背もたれ1を最も寝かした状態では背もたれ1前面と肘掛け3上面とがなす角度α2が160°となるようにしている。
【0020】
背もたれ1のみがリクライニングして肘掛け3が動かない場合と比較すると、背もたれ1を寝かせた時も肘掛け3上に腕をリラックスさせた状態で置いておくことができるものであり、また背もたれ1を寝かせた状態でも肘掛け3における上記エアバッグによるマッサージを腕(手首や手を含む)に対して行うことができるものである。
【0021】
肘掛け3の内側面(座部2側の面)にはフレーム5に固定したサイドプレート60を設けているとともに、サイドプレート60の内側面にエアバッグ61を配してある。このエアバッグ61の膨張収縮によって、腰から大腿部の側面をマッサージあるいは固定することができるようになっている。
【0022】
そして、ここにおける背もたれ1は、前記従来例と同様に前方側に突出する側壁15を有して、該側壁15の内側面にエアバッグ16が配されることで、マッサージ部材が背もたれ1の両側上部に設けられているのであるが、背もたれ1の上部両側に側方に張り出した張り出し部14,14を設けて、この張り出し部14の前面から側壁15を前方へ突出させている。
【0023】
上記張り出し部14は、その上端が背もたれ1の上端に滑らかに繋がるとともに下方ほど側方への張り出しが大きくなっているもので、側壁15も張り出し部14の側縁に沿って設けているために、張り出し部14側面の傾斜に合わせた傾きを持っている。しかも側壁15の前方への突出量も、背もたれ1の上端側ではゼロで下方ほど大きくなる形状となっているために、この側壁15は、背もたれ1と一体感のあるものとなっている。また、側壁15の内側面に配したエアバッグ16も、側壁15と同様に下側ほど大きい三角形状の外形を持つものとしている。
【0024】
このマッサージ機において、座部2に座って背もたれ1に背を預け、この状態で背もたれ1の側壁15の内側に配したエアバッグ16を膨張収縮させれば、肩から上腕にかけての人体側面をマッサージすることができる。また、エアバッグ16を膨張させることで背もたれ1に対して人体を固定すれば、背もたれ1内に配したマッサージ機構が施療子で人体を背後から押す時、人体が背もたれ1から浮き上がることがないために、人体背面に対するマッサージを効果的に行うことができる。
【0025】
加えるに、側壁15は前述のように下側ほど横に広がる位置にあり、エアバッグ16も側壁15の内側面に沿った状態となっていることから、エアバッグ16は人体側面の肩から上腕にかけての傾斜面を的確に押圧することができる。殊にエアバッグ16は幅がある部分が大きく膨らむために、下方ほど大きく膨張することになり、上腕の上部側面にあるツボを効果的にマッサージすることができる。さらに利用者の座高が少々異なろうと、押圧が強くなりすぎたり弱くなりすぎたりすることもない。
【0026】
なお、側壁15を備えた張り出し部14は、背もたれ1の上部のみに設けており、側壁15もこの張り出し部14の範囲内で設けている。このためにリクライニング動作させた時に肘掛け1に載せた腕に張り出し部14や側壁15が干渉してしまうことはない。また、背もたれ1の側面から側方に張り出し部14を張り出しているとはいえ、この張り出し14は、座部2の両側に配した肘掛け3,3よりも側方に突出するものではないために、梱包時のサイズが大きくなってしまうことはない。
【0027】
背もたれ1をもっとも倒した時には、側壁1は背もたれ1の前面より高い位置にくることになるが、背もたれ1の上端部分とほぼ同一の高さ内に収まるようにしているために、この点においても梱包時のサイズが大きくなってしまうことはない。
【0028】
ところで、上記マッサージ機における肘掛け3,3のうちの一方には、上記マッサージ機構やエアバッグ16の動作を指示するための操作器7を支持する棒状のスタンド8を取り付けており、背もたれ1のリクライニング時に肘掛け3と同様にスタンド8及び該スタンド8で支持した操作器7もその位置を変化させるために、操作器7の操作が背もたれ1のリクライニング動作に関係なく容易となっているのであるが、上記スタンド8は肘掛け3における肘掛け部32の内部において肘掛け3に固定されたものとなっている。
【0029】
すなわち、肘掛け部32として、ここでは図5に示すように下面に凹部39を備えたものを用いており、スタンド8の下端部から上方に折り返した部分を側板31の上部側面にビスなどで固定した後、側板31の上部に上記肘掛け部32を被せれば、上記固定部は肘掛け部32の凹部39内に収まるとともに、肘掛け部32によって隠されてしまうものである。
【0030】
肘掛け3へのスタンド8の固定が容易であると同時に、肘掛け部32によって固定部が隠されてしまうために、肘掛け3部分の外観が良好に保たれるものであり、また別途隠蔽用のパネルなどを必要としないためにコスト的にも有利なものである。
【符号の説明】
【0031】
1 背もたれ
3 肘掛け
7 操作器
8 スタンド
31 側板
32 肘掛け部
39 凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体背面のマッサージ用のマッサージ機構を背もたれに配しているとともに上記背もたれの両側前方に位置する肘掛けを備えたマッサージ機であって、上記マッサージ機構のための操作器と、この操作器を上記肘掛けよりも上方の位置で支持するためのスタンドとを備えており、上記肘掛けは下方が開放する凹部を有しているとともに該凹部内において上記スタンドが固定されていることを特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
上記肘掛けは側板上に肘掛け部を被せたものとして形成されているとともに、上記スタンドは側板に固定されたものであり、上記凹部は肘掛け部の下面に設けられていることを特徴とする請求項1記載のマッサージ機。
【請求項3】
上記背もたれがリクライニング自在であるとともに、上記肘掛けは背もたれのリクライニング動作に連動して角度を変化させるものであることを特徴とする請求項1または2記載のマッサージ機。
【請求項4】
上記肘掛けはその上面側に腕用のマッサージ部材を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のマッサージ機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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