説明

マッサージ装置及び情報記録媒体

【課題】 マッサージ機構の駆動系に制御信号に対する応答遅れが存在していても音楽のテンポに合ったマッサージを遂行することができる構成の提供。
【解決手段】 複合音響信号のうち、制御プログラム信号を制御信号に変換し、該変換した制御信号によってマッサージ機構を駆動するモータの動作を制御するように構成されてなる制御装置を備えるマッサージ機であって、上記複合音響信号が、被施療者に聴かせるための放音装置に至る信号経路に出力する音響信号に対し、上記制御プログラム信号を所定時間相対的に進めるよう構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマッサージ装置及び情報記録媒体に関し、特に、音響信号に同調して機械的刺激によるマッサージを行うマッサージ装置において、マッサージ機構の駆動系に制御信号に対する応答遅れが存在していても音楽のテンポに合ったマッサージを遂行することができる構成に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、楽器や効果音等の外部入力を振動源とし、これを振動素子の機械的振動に変えてマッサージ効果を奏するように構成されたマッサージ装置が知られている。たとえばこの種のマッサージ装置として、特許文献1に開示された振動装置付きいすがある。この特許文献1によれば、振動素子の構成や振動のメカニズムは明らかではないが、外部の楽器や効果音の音楽ソースのうち約100Hz以下の周波数域のみをローパスフィルタを通過せしめ、これを電気的に増幅して音楽ソースのリズムによって振動素子の振動をオン・オフするものである。このように、低周波数域のソースを利用することにより、会話主体の入力信号による振動等の障害を防止しようというものである。
【特許文献1】実開平2−96133号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、音楽ソースのうち約100Hz以下の周波数域のみを振動源として利用するとなると、中、高音域の音響は利用できないため、マッサージ自体が単調なリズムの繰り返しになるおそれがある。たとえば、ベースライン(低音域)が連続的に演奏される音楽では、変化に富んだピアノやシンバル等の中、高音域の音が利用できず、マッサージが連続的で単調になる。このように、振動素子によるマッサージ効果は奏するものの、音楽ソースを利用して被施療者にとってのリラクゼーション効果を得ることは期待できない。
【0004】
さらに、以下の重要な問題がある。音響信号は周期の約1/2の幅を持つ山または谷状の波形の集合から構成されている。したがって、たとえ低音域のみであっても音響信号をそのままモータの使用電圧範囲まで増幅してモータに与えると、(音響信号を用いずに)連続的にモータを駆動させる場合に較べて出力が各段に小さくなってしまう。
【0005】
また、上記従来例のように、マッサージ動作が振動動作でありかつ音楽信号をローパスフィルタを通して制御信号に用いる場合には、制御信号が音楽信号から抽出されたものであるため、音楽のテンポや抑揚がある程度自然にマッサージ動作に反映され得るが、揉みや叩きといったマッサージ動作は、振動動作に比べて低周波数の動作であるため、音楽のテンポや抑揚がマッサージ動作に必ずしも反映されるとは限らない。そして、音楽のテンポや抑揚がマッサージ動作に反映されない場合は決して心地よいマッサージとは言えない。
【0006】
また、音楽のテンポをマッサージ動作に反映させようとする場合、モータを含むマッサージ機構の駆動系には慣性等による制御信号に対する応答遅れが存在するため、これを考慮する必要がある。
【0007】
一方、音楽を利用せずにシーケンス制御を行う場合には、マッサージプログラムを作成するのに、プログラミングの専門知識が必要であり、また、直感的にプログラムの内容が把握しにくいため、作成に時間が掛かったり、誤りが生じやすい等の問題がある。
【0008】
本発明はこれらの課題を解決するためになされたものであり、特に、音響信号に同調して機械的刺激によるマッサージを行うマッサージ装置において、マッサージ機構の駆動系に制御信号に対する応答遅れが存在していても音楽のテンポに合ったマッサージを遂行することができる構成を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上述したような事情に鑑みてなされたものであり、本発明に係るマッサージ装置は、被施療者の身体に機械的刺激を与えるマッサージ機構と、該マッサージ機構を駆動するモータと、該モータの動作を制御する制御装置とを備え、上記マッサージ機構が、上記モータに連結された、該モータの動作によって振動動作に比べて低周波で周期的に変位する施療子を備え、上記制御装置が、音源から入力される、音響信号と該音響信号に対応して上記マッサージ機構が動作するよう作成された制御プログラム信号とで構成された複合音響信号のうち、上記制御プログラム信号を制御信号に変換し、該変換した制御信号によって上記モータの動作を制御するように構成されてなるマッサージ機であって、上記複合音響信号が、被施療者に聴かせるための放音装置に至る信号経路に出力する音響信号に対し、上記制御プログラム信号を所定時間相対的に進めるよう構成されている。
【0010】
また、本発明に係る情報記録媒体は、情報再生装置で情報記録媒体から読み出されマッサージ装置の制御部に入力されて、ある音響作品を表す音響信号に対応するようにマッサージ動作を制御するよう作成された制御プログラムが記録された情報記録媒体であって、上記制御プログラムが、上記音響作品を表す音響信号に対して、時間軸上で所定時間進んでいるように上記マッサージ動作が遂行されるよう作成され、かつ該音響作品を表す音響信号とともに記録されている。
【0011】
このような構成とすることにより、マッサージ機構の駆動系に制御信号に対する応答遅れが存在していても、音楽のテンポに合ったマッサージを遂行することができる。
【0012】
また、上記マッサージ装置が備える前記マッサージ機構は、機械的構成を介して前記モータと接続された施療子を有し、該施療子は、一対のアームと該アームの先端に取り付けられた揉み玉とから成り、更に前記マッサージ機構は、前記一対のアームを相互に近接及び離反させるように動作させることによる揉み動作、又は前記施療子を被施療者に向けて往復動させることによる叩き動作を、前記施療子に実行させるよう構成されており、前記施療子による前記揉み動作及び叩き動作は、マッサージ動作としての振動動作に比べて低周波数で動作すべく成してあってもよい。
【0013】
また、上記マッサージ装置は、被施療者の身体に機械的刺激を与えるマッサージ機構と、該マッサージ機構を駆動するモータと、該モータの動作を制御する制御装置とを備え、該制御装置が、音源から入力された音響信号に基づいて、上記モータの動作を制御するための制御信号を生成するように構成されていてもよい。
【0014】
かかるマッサージ装置によれば、低音域の音響だけでなく、中、高音域の音響に基づき、マッサージに適した動作をモータに行わせるための制御信号を生成することにより、モータを音響の略全音域に合わせて動作させることが可能となり、よって音楽ソースのリズムやメロディをできるだけ忠実に取り入れたマッサージ、また、音楽ソースのリズムやメロディに基づいてそのアクセントの配列を一層効果的にアレンジしたマッサージを行い、被施療者にとってより心地よいマッサージを行うことが可能となる。
【0015】
または、上記マッサージ機構が、モータの出力軸に連結された、モータの動作によって変位する施療子を備えてなるマッサージ装置にあっては、施療子の変位方向によっては揉み効果、たたき効果およびローラ効果(いわば背筋伸ばし効果)が音響ソースに対応して得られるので好ましい。なお、ここで、マッサージ機構がモータに連結されるとは、たとえば施療子がベルト、カム、リンク機構、チェーン、ネジ送り機構等を介してモータに動力を伝動可能に連結されている状態をも含む意味である。
【0016】
また、この場合、上記制御装置が、音源から入力された音響信号の波形を変換する波形変換回路を具備した波形変換装置を有しており、該波形変換装置から出力される制御信号によって上記モータの動作を制御するように構成してもよい。
【0017】
かかるマッサージ装置によれば、音響信号を直接モータの動作の制御に用いるのではなく、波形変換装置としてたとえば平滑回路を用いて音響信号の波形を加工したうえでモータに対して制御信号として送る。こうすることにより、直接に制御信号として用いれば十分な出力が得られない中、高音域の音響信号であっても、モータに十分な電気エネルギを与えることができる。したがって、中、高音域の音を含む音楽ソースによってもモータの動作を好適に制御することができ、音楽的なリズムやメロディをもマッサージのパターンとして取り入れることができる。その結果、音楽的なマッサージの豊かさが広がり、快適さが向上する。一方、音楽と従来のマッサージのリズムの差異によって生じていた不快感を緩和することが可能となる。つまり、音楽のテンポとマッサージの押圧力変動のテンポとの相違が大幅に低減される。また、波形変換装置として微分回路や積分回路等によっても音響信号の波形を様々に加工したうえでモータに対して制御信号として送ることができる。たとえば、微分回路を用いてパルス状の信号とすればメリハリの効いたマッサージが可能となる。また、積分回路によって滑らかな波形とすることによって緩慢なマッサージが可能となる。
【0018】
上記制御装置が、波形変換装置からの出力信号の振幅に対して一定値の信号または規則的に変動する信号を追加または削除するためのバイアス回路を備えてなるマッサージ装置にあっては、たとえば信号を追加する場合、常にバイアスされた信号の分だけはモータを動作させ続けることができるので、音源からの音響信号が存在しない場合であっても一定のマッサージを持続することが可能となるので好ましい。
【0019】
また、上記制御装置が、音響信号の周波数域を選択して透過するフィルタを含んだ特定周波数帯信号選択装置を備えてなるマッサージ装置にあっては、音響信号の加工のバリエーションをさらに増やすことができる。特定周波数帯信号選択装置としては、たとえばローパスフィルタ、ハイパスフィルタおよびバンドパスフィルタのうち少なくとも一つを含むようにするのが好ましい。なお、特定周波数帯信号選択装置は波形変換装置の上流に設けても下流に設けてもよいが、上流に設ける方が制御信号の選択の幅が拡大するので好ましい。ここで「上流」とはモータへ向かう音響信号の流れ方向に基づいたものである。
【0020】
また、制御信号の振幅を増減するためのゲイン調整回路が配設されてなるマッサージ装置にあっては、前述したバイアス信号によるモータの一定の連続動作と、音響信号による変化に富んだモータの動作との割合を変化させることができる。したがって、一定の連続したマッサージを主に用いるのか、リズムやメロディに沿って変化に富んだマッサージを主に用いるのかの選択が可能となるので好ましい。なお、上記ゲイン調整回路を設ける位置はバイアス回路の上流でも下流でもよい。
【0021】
モータへの制御信号を切り換えることによってマッサージ機構の動作モードを変更設定する動作モード設定装置をさらに有し、この動作モード設定装置が波形変換装置の変更設定によって制御信号を切り換えるように構成されたマッサージ装置、または、特定周波数帯信号選択装置をさらに備えたマッサージ装置であって、動作モード設定装置が波形変換装置の変更設定および/またはフィルタの選択設定によって制御信号を切り換えるように構成されたマッサージ装置は、制御信号の変換によってマッサージ機構の動作モードが変更されるものである。これらのマッサージ装置によれば、音響信号の周波数域の選択および波形の加工を任意に抽出し、また、組み合わせることにより、一種の音響信号から複数種類のモータの動作制御のパターンを得ることができる。すなわち、音楽ソースの内容に合わせて好みのマッサージパターンを得ることができる。
【0022】
上記動作モード設定装置を備えたマッサージ装置であって、複数種の動作モードを記憶する動作モード記憶装置をさらに備えており、上記動作モード設定装置が動作モード記憶装置に記憶された動作モードを選択し、選択された動作モードに対応して制御信号を切り換えるように構成されてなるマッサージ装置にあっては、ある音響ソースに対する被施療者の所望の動作モードを常に再現することができるので好ましい。
【0023】
また、上記動作モード設定装置が操作者によって動作モードを入力するための操作器を有してなるマッサージ装置にあっては、ある音響ソースに対して操作者が所望の動作モードを任意に設定することができるので好ましい。
【0024】
上記マッサージ機構が、出力軸に偏心質量が付加されたバイブレーションモータを更に備えてなるマッサージ装置にあっては、音響ソースに対応した振動によるマッサージ効果が得られるので好ましい。
【0025】
如上のマッサージ装置であって、音源から電気ケーブルを通して音響信号を受信するための入力端子を備えてなるマッサージ装置にあっては、マイクロホンからの音波信号を受信してこれによってモータ制御を行う従来の装置に較べ、周囲の雑音が入力されないので音響信号を忠実に取り入れることが可能となる。したがって、望まない予想外の動作を防止することができる。
【0026】
また、上記の場合、上記制御装置が、音源から入力される、相互に関連付けられた音響信号を含む複数の信号からなる複合音響信号を制御信号に変換し、該変換した制御信号によって上記制御を行うものとしてもよい。かかる構成とすると、複合音響信号を相互に関連付けられた複数の音響信号で構成した場合には、音楽に合わせて変化に富んだマッサージを行うことが可能となり、複合音響信号を、音響信号とその音響信号に対応して作成された制御プログラム信号とで構成した場合には、音楽のテンポや抑揚をマッサージ動作に反映させることができるマッサージが可能となる。
【0027】
この場合、上記複合音響信号が、音響信号と該音響信号に対応して上記マッサージ機構が動作するよう作成された制御プログラム信号とで構成され、上記制御装置は、上記入力される音響信号及び制御プログラム信号のうち、該制御プログラム信号を上記制御信号に変換するものであるとしてもよい。かかる構成とすると、制御プログラム信号が音響信号に対応しているので、音楽と同期して、音楽のテンポや抑揚にマッチした心地よいマッサージが可能となる。
【0028】
また、上記入力される複合音響信号がMIDI信号であり、上記制御装置は、該入力されるMIDI信号を復調するものであるとしてもよい。かかる構成とすると、MIDIシステムを利用して、制御プログラムを視聴覚的に、容易に作成することができ、かつ、複合音響信号の伝送を容易に行うことができる。
【0029】
この場合、上記MIDI信号が、ある音楽の各パートをそれぞれ表す複数の音楽信号で構成され、上記制御装置は、上記入力される複数の音楽信号のうちの少なくとも1つを上記制御信号に変換するものであるとしてもよい。かかる構成とすると、より音楽にマッチしたマッサージを行うことができる。
【0030】
また、表示手段と入力手段とを有するコンピュータを操作して、マッサージ装置におけるマッサージ動作制御用のプログラムを作成する方法であって、上記表示手段に複数の譜面を並べて表示するステップと、上記複数の譜面のうちの1つに所定の音楽を表す楽譜を表示するステップと、上記複数の譜面のうちの他のものに、上記マッサージ動作に対応する音符を上記入力手段を用いて書き込むステップとを含む方法とすれば、音響作品にマッチした制御プログラムを、視聴覚的に簡単に作成することができる。
【0031】
本発明の上記目的、他の目的、特徴、及び利点は、添付図面参照の下、以下の好適な実施態様の詳細な説明から明らかにされる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、音響信号に同調して機械的刺激によるマッサージを行うマッサージ装置において、マッサージ機構の駆動系に制御信号に対する応答遅れが存在していても音楽のテンポに合ったマッサージを遂行することができる構成を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1に係るマッサージ装置のハードウエアの構成を示す斜視図、図2は図1のマッサージ装置におけるマッサージ機構の一例を示す斜視図である。
【0034】
このマッサージ装置1はいす型の本体1aを有しており、その背もたれ部2および座面部3にはそれぞれマッサージ機構4、5が配設されている。背もたれ部2のマッサージ機構4は、背もたれ面に沿って昇降可能な昇降台6に取り付けられている。この昇降台6はモータ7とネジ送り機構8によって昇降させられる。昇降台6が昇降することにより、マッサージ機構4が本体1aに座った被施療者の腰から背中、肩、首を通って頭まで施療しつつ昇降することになる。
【0035】
図2にも併せて参照すれば、マッサージ機構4は被施療者の身体に機械的刺激を与える一対の施療子9とこの施療子9を変位駆動するモータ10、11とを有している。揉みモータ10は施療子9のV字状のアーム9aの先端それぞれに取り付けられた二個の揉み玉9bをほぼ楕円方向に変位させるためのものである。すなわち、ベルト10bを介して揉みモータ10によってウォームギヤ機構10dが駆動され、このウォームギヤ機構10dによって揉み軸10bが自軸回りに回転させられる。この揉み軸10bはその両端に、V字状のコンロッド10cの嵌合穴10hに回転自在に嵌合する小径の傾斜軸部10eを有している。コンロッド10cの先端に上記アーム9aが回転角度の制限を受けて回転可能に取り付けられている。したがって、揉み軸10bが回転するとコンロッド10cは傾斜軸部10eの段付き部の面10fによって規制されながら、傾動且つ回転する。その結果、一対のアーム9aは相互に近接離間するように傾動し、且つ、回転する。これが施療子9の揉み動作となる。
【0036】
一方、たたきモータ11は上記揉み玉9bを被施療者に向けて変位させるためのものである。すなわち、たたきモータ11はベルト11aを介してたたき軸11bを自軸回りに回転させる、たたき軸11bの両端には小径の偏心軸部11dが形成されており、この両偏心軸部11dには連結竿11cが回転自在に嵌合している。連結竿11cの上部には上記コンロッド10cの嵌合穴10gに摺動自在に嵌合する連結突起11eが形成されている。上記嵌合穴10gはコンロッド10cの他の嵌合穴10hから離間した位置に形成されている。以上から、たたき軸11bが回転させられると連結竿11cが上下動し、コンロッド10cが嵌合穴10hを中心に往復回動するので施療子9が被施療者に向けて往復動することになる。いわゆるたたき動作である。
【0037】
このように、揉み動作とたたき動作とが独立の駆動系によって施工され、また、両動作が合成されて施工される。もちろん、各動作を独立して行うことも可能である。図1において符号12で示すのは昇降台6の昇降を案内するガイドローラである。
【0038】
座面部3のマッサージ機構5は被施療者の身体に対して振動を与えるものであり、バイブレーションモータ5a(図3参照)から構成されている。このバイブレーションモータ5aはモータの出力軸に偏心した質量が取り付けられたものであり、その回転によってモータ自身が振動するものである。
【0039】
マッサージ装置1には、音響信号によってマッサージ動作用のモータ5a、10、11の回転を制御するための制御装置13が内蔵されている。この制御装置13により、各種の音響ソースに基づいて各モータの回転を制御し、その結果様々な種類のマッサージが可能となる。また、マッサージ装置1には、制御装置13の制御内容を設定するための動作モード設定装置21(図3参照)が配設されるとともに、音響ソースからの音響を被施療者に聴かせるめのスピーカ27が背もたれ部2の左右側部の上端部に配設されている。
【0040】
図3は、マッサージ装置1の制御系統の概略の構成を示すブロック図である。図3に示すように、前記制御装置13によって三種類のモータ5a、10、11の動作が制御される。すなわち、揉み動作、たたき動作および振動である。昇降台6を往復動させるための昇降用モータ7は音響信号には依らずに一定ピッチで往復昇降させられる。もちろん、昇降台6の昇降用モータ7も上記制御装置13を用い、音響信号によって制御するようにしてもよい。
【0041】
制御装置13は、音響信号を加工するプリアンプ14、および、加工された音響信号を増幅する増幅器(メインアンプ)15を有している。プリアンプ14は音響信号の周波数域を選択して透過する複数のフィルタ16a、16b、16cを備えた特定周波数帯信号選択装置17と、選択された音響信号の波形を変換する波形変換装置18とを備えている。また、本実施形態では直流モータを使用しているので公知のFET(電界効果トランジスタ)等の電力制御手段を用いればよい。上記プリアンプ14および増幅器15は三種類のモータ5a、10、11それぞれに併設されている。換言すれば、モータ5a、10、11毎に独自に制御することのできる制御部が配設されていることになる。もちろん、波形変換装置のうち、特定周波数帯信号選択装置17のみを共用することもでき、これにより制御回路が簡素化される。
【0042】
本実施形態では、上記フィルタとして、所定の周波数より高い周波数のみを透過するハイパスフィルタ16aと、所定の周波数より低い周波数のみを透過するローパスフィルタ16bと、特定周波数帯の信号のみを透過するバンドパスフィルタ16cとを備えている。また、上記波形変換装置18は、微分回路、積分回路、平滑回路を備えている。図4に示すように、平滑回路は整流機能を備えた、たとえば半波整流平滑回路20a、または、図5に示すように、全波整流平滑回路20bを備えている。図4および図5において(a)は音響信号の波形を示し、(b)は上記回路を示し、(c)は平滑回路からの出力信号を示している。図中、符号Dはダイオードであり、符号Cはコンデンサであり、符号Rは抵抗である。
【0043】
また、本マッサージ装置1は、上記プリアンプ14による音響信号の加工をプリアンプ14に指示する動作モード設定装置21、および、この動作モード設定装置21に接続された動作モード記憶装置22を有している。音響信号の加工とは、たとえば、上記特定周波数帯信号選択装置17におけるフィルタ16a、16b、16cの選択であり、波形変換装置18における回路の選択、組合せであり、選択されたフィルタおよび回路の組合せである。具体的には、選択されたフィルタによって抽出された音響信号に、平滑回路20a、20bによって平滑化してモータを駆動するに十分な電力を形成し、微分回路によって音響信号にメリハリを付けたり、積分回路によって緩やかさを付ける処理を行う。こうすることによってモータがマッサージ効果を増すように動作モードの変更を行う。動作モード設定装置21は、操作者(被施療者)がその操作部23を通じて動作モード(音響信号の加工パターン)を設定するものである。表示部24には動作モードのメニューが表示され、操作部23によって選択された動作モードが表示される。動作モード設定装置21のCPU25は、操作部23の選択に基づいてプログラムを実行し、選択された動作モードに対応するパターンに音響信号を加工する。また、操作部23によって新たに動作モードを入力、設定すると、これが動作モード記憶装置22に記憶される。
【0044】
モータ5a、10、11の制御信号(音響信号)はマッサージ装置1の外部の音源Aから得られる。ここで、音源Aは、音響ソースのことであり、これには、レコードプレーヤ、CDプレーヤ、MDプレーヤ、MIDI音源、テープデッキ等の音響再生装置、テレビチューナ、ラジオ等が含まれる。また、音源Aから提供される音響の発生方法には、レコード、CD等の音響情報記録媒体からの再生、生演奏、生中継等が含まれる。この音源Aからは電気ケーブルを通してマッサージ装置1の入力端子26に音響信号が入力される。また、外部音源に限らず、マッサージ装置1に各種のリズムに相当する信号を発生する信号発生源を組み込んでおいてもよい。この内蔵信号としては、ワルツ、タンゴ、マーチ等の繰り返しリズムであってもよい。いずれにしても、音響信号源からライン入力されるため、周囲の雑音がシャットアウトされ、所望の音響信号を忠実に取り入れることができる。
【0045】
以上のマッサージ装置1によれば、一つの音響信号から各モータの制御装置13に異なる音響信号加工パターンを設定することができる。たとえば、音楽ソースとしてのジャズから得られた音響信号のうち、たたきモータ11の制御信号にドラムやベースのような低音域の信号を与え、揉みモータ10の制御信号にはボーカル、ピアノ、ギターといった中音域の信号を与え、バイブレーションモータ5aの制御信号にはシンバルのような高音域の信号を与えるといった、マッサージ位置によって異なる動作パターンを施工することができる。
【0046】
また、本マッサージ装置1は音源Aから入力された音響信号を図示しないアンプを通して音声出力部としてのスピーカ27からそのまま音声として発振し得るように構成されている。もちろん、取り入れた音響信号をそのまま出力するための出力端子を設けてもよい。その場合、出力端子から外部のオーディオ機器に接続すればよい。いずれにしても、被施療者は取り入れた音響信号を音楽として傾聴することができる。すなわち、マッサージと同調した音声によってその音源に基づいた音楽を聴くことができるので、マッサージ効果が向上するとともに良好なリラクゼーション効果も得られる。施療子等によるマッサージは音響信号を最終的にこれら部材の機械的運動に変換されたものであるため、音声発振より若干の遅れを生じるおそれがある。その場合は音声出力部側にいわゆるバッファメモリを備えてマッサージとできる限りの同調を図ることができる。
【0047】
図6は、本実施の形態に係るマッサージ装置の制御系統の他の構成を示すブロック図である。このマッサージ装置1Aは、入力端子26、フィルタ16a、16b、16cを有する特定周波数帯信号選択装置17と、波形変換装置18および増幅器15を具備する制御装置29とを備えている。さらに、該制御装置29は、波形変換装置18と増幅器15との間に、ゲイン調整装置30とバイアス装置31とを上流からその順に備えている。ゲイン調整装置30は、波形変換装置18から出力された音響信号の振幅を増減するための回路から構成されている。バイアス装置31は、ゲイン調整装置30から出力された音響信号の振幅に対して一定値の信号または規則的に値が変動する信号を付加したり削除したりする回路から構成されている。したがって、バイアス装置31によって一定値の信号を付加、削除すれば波動はそのままでゲインが平行移動することになる。一方、規則的に値が変動する信号を付加、削除すれば音楽的なリズムの変動にうねり成分を付加することができる。
【0048】
図3の制御装置13では、音響信号が存在しなければモータが停止してマッサージは行われないが、図6の制御装置29では音響信号が無くてもバイアス装置31によってたとえば一定値の信号を付加した場合には常にモータを駆動してマッサージ効果を得ることが可能である。また、バイアス装置31とともにゲイン調整装置30も併用する場合には、たとえば、バイアスによってモータ速度の30%を設定し、残り70%の速度をゲイン調整によって音響信号の変動最大幅とし、70%のうちの何%までを変動させるかを調節することができる。なお、パーセント数は一例である。このような操作により、バイアス成分とゲイン調整分のバランスを調節して、連続的マッサージを主として用いるか、音楽的変動によるマッサージを主に用いるかの選択が可能となる。
【0049】
また、この両装置30、31を用いてバイアス効果とゲイン調整効果とを組み合わせることにより、揉みモータ10、たたきモータ11およびバイブレーションモータ5aそれぞれに対する供給電力比を相違させることができる。これにより、たとえば次のような動作モードを予め設定しておき、被施療者が選択した音楽ソースの種類によって好みの動作モードを選択することができる。動作モードの例としては、ソフトモード(揉みが100%、たたきが0%、バイブレーションが50%)、ノーマルモード(揉みが100%、たたきが50%、バイブレーションが50%)、およびハードモード(揉みが100%、たたきが100%、バイブレーションが100%)などである。
【0050】
[実施の形態2]
図7は、本発明の実施の形態2に係るマッサージ装置の制御系統の構成を示すブロック図である。図7に示すように、本実施の形態に係るマッサージ装置1Bにおいては、音源Aから分岐回路40に複合音響信号41が入力される。
【0051】
ここで、本明細書において、複合音響信号41とは、音響信号含む複数の信号、具体的には、複数の音響信号の組み合わせ又は音響信号と制御プログラム信号との組み合わせからなる信号をいう。また、制御プログラム信号とは、マッサージ機構4、5を意図するように動作させるためのプログラムからなる信号をいう。また、音響信号とは、再生されたとき何らかの音響効果を奏するような信号を意味するが、上記制御プラグラム信号は含まない。つまり、制御プログラム信号も音として再生されば何らかの音響効果を奏するであろうが、本発明は、音響効果をマッサージ動作を通じて体感することを目的としているので、音響信号は、被施療者が体感すべき音響効果を奏するようなものでなければならず、その一方、制御プログラムはそのような音響効果を被施療者が体感できるように音響信号を作用させるためのものであるので、両者は明確に区別されるべきものでありかつ区別可能なものだからである。
【0052】
そして、マッサージ装置1Bは、上記入力される複合音響信号41をスピーカ用の音響信号と制御用の信号とに分けて出力する上記分岐回路40と、分岐回路40から出力される音響信号を音響に変換して出力するスピーカ27と、分岐回路40から出力される制御用の信号を3つのモータ10,11,5aに割り当てるとともに制御信号に変換する制御信号化回路42と、制御信号化回路42から出力される制御信号に基づいてモータ10,11,5aをそれぞれ駆動する駆動回路43,44,45と、これら駆動回路43,44,45によってそれぞれ駆動される上記揉みモータ10、たたきモータ11、及びバイブレーションモータ5aとを備えている。従って、昇降台を往復動させるための昇降用モータは複合音響信号には依らずに一定ピッチで往復昇降させられる。もちろん、この昇降用モータも制御装置46を用い、複合音響信号41によって制御するようにしてもよい。そして、これら分岐回路40、制御信号化回路42、及び駆動回路43,44,45が制御装置46を構成している。
【0053】
また、本マッサージ装置1Bは、制御信号化回路42による複合音響信号から制御信号への変換の内容を動作モードして設定するとともに音源のオン・オフや曲の選択等を指示する動作モード設定装置47と、動作モード設定装置47で設定された動作モードを記憶する記憶装置48とを有している。動作モード設定装置47は、動作モードの設定指示を入力するための操作部49と動作モードの設定情報を表示する表示部50と、操作部49からの入力を処理して動作モードを設定するとともに、その設定情報の表示部50への表示、記憶装置48への格納及び読み出し、及びそれに基づく制御信号化回路42及び音源Aへの指示を行うCPU51とを備えている。
【0054】
図8は、図7の各ブロックの詳細な構成を示すブロック図である。図8において、本実施の形態は音源にMIDI(Musical Instrument digital Interface)シーケンサを用いるものである。詳述すると、音源AはMIDIシーケンサで構成される。このMIDIシーケンサAは、マッサージ装置1Bに内蔵され、MIDIシーケンスソフトがインストールされたマイコン52と該マイコン52に接続されたCD−ROMドライブ53とを有している。CD−ROMドライブ53にはMIDIメッセージが記録されたCD−ROM54が装着(ローディング)される。MIDIシーケンサAにはMIDIインタフェース55を介してマッサージ動作割当回路56とオーディオ信号化回路57が接続されている。マッサージ動作割当回路56には、制御信号変換回路58が接続され、該制御信号変換回路58に駆動回路43,44,45が接続されている。そして、マッサージ動作割当回路56と制御信号変換回路58とが制御信号化回路42を構成している。また、オーディオ信号化回路57には上記スピーカ27が接続され、上記MIDIインタフェース55とこのオーディオ信号化回路57とが分岐回路40を構成している。
【0055】
図9はMIDIメッセージの構造及び変換方法を示す図であって、(a)はMIDIメッセージの構造を示す模式図、(b)はMIDIメッセージにおけるチャネルと楽器及びマッサージ動作との対応関係を示す表、(c)はMIDI信号と制御信号との対応関係の一例を示す図、(d)はMIDI信号と制御信号との対応関係の他の例を示す図である。
【0056】
図9を併せて参照すると、MIDIシステムにおいては、システムの制御情報がメッセージ単位でやりとりされる。本明細書では、この制御情報をMIDIメッセージと呼ぶ。従って、出力されたMIDIメッセージがMIDI信号を意味する。MIDIメッセージは、図9(a)にその1例を示すように、1つのステータスバイト101と複数のデータバイト102とで構成されたデジタルデータである。MIDIメッセージには、チャネルに対するチャネルメッセージとシステムの全機器に対するシステムメッセージとがあり、図9(a)は、チャネルメッセージのうち、電子楽器に対して演奏情報を伝えるチャネルボイスメッセージを示している。チャネルメッセージでは、ステータスバイト102の下位4ビットがチャネルを意味するアドレス(以下、単にチャネルという)を表している。そして、このチャネルボイスメッセージでは、データバイト102が音響データを表している。チャネルは、MIDIシステムにおいて複数の電子楽器を独立して制御するための制御チャネルを意味し、図9(b)に示すように、16のチャネル数が存在する。つまり、MIDIシステムでは、複数の電子楽器を独立して制御できる。ここでは、例えば、チャネル1〜4に、それぞれ、ドラム、シンセサイザ、ピアノ、及びベースが割り当てられ、チャネル5〜16は空いたままである。音響データは、ここでは、音の大きさを表す音量データ104、音の継続時間を表す時間データ105、及び音の高さを表す音程データ106で構成されている。そして、このようなMIDIメッセージの配列からなる複数の曲がCD−ROM54に記録されている。
【0057】
一方、マイコン52は、動作モード設定装置47と接続されており、動作モード設定装置47からの指示に従って曲を選択するとともにインストールされたMIDIシーケンスソフトに従ってCD−ROMドライブ53を動作させてCD−ROM54からMIDIメッセージを順次読み出し、これをMIDI信号として順次出力する。この出力されたMIDI信号はMIDIインタフェース55を介してマッサージ動作割当回路56及びオーディオ信号化回路57に入力される。マッサージ動作割当回路56は、デコード回路59と信号切換回路60とを有している。デコード回路59は、例えば、DSP(digital Signal Processor)で構成され、MIDIインタフェース55から入力されるMIDI信号をステータスバイト101からなるMIDIシステムの制御信号(以下、MIDI制御信号という)とデータバイト102からなる音響信号とに分離するとともに、それらを復号化してアナログ信号に変換する(復調する)。信号切換回路60は、例えば、各チャネル毎に各マッサージ動作を対応させたマルチプレクサを含んで構成されている。そして、図9(b)に示すようなチャネルとマッサージ機構との対応テーブルを動作モード設定装置47で設定できるように構成されており、音響信号とともに入力されるMIDI制御信号をその設定された対応テーブルと比較して、その音響信号を該当するマッサージ動作に割り当てる。ここでは、チャネル1〜3の音響信号、すなわち、ドラム、シンセサイザ、及びピアノの各音響信号が、それぞれ、たたき動作、揉み動作、及び振動動作に割り当てられ、チャネル4の音響信号、すなわちベースの音響信号はいずれのマッサージ動作にも割り当てられない。もし、動作モード設定装置47で対応テーブルが別の内容に設定されると、音響信号がその新たに設定された内容に従って割り当てられる。つまり、音響信号の伝達経路が切り換えられる。
【0058】
そして、上記のように各マッサージ動作に割り当てられた音響信号は、制御信号変換回路58に入力され、そこで駆動回路の制御信号(以下、単に制御信号という)に変換される。すなわち、制御信号変換回路58は、図9(c)に示すようなMIDI信号の構成要素と制御信号の構成要素との対応テーブルを動作モード設定装置47で設定できるように構成されており、入力される音響信号を、その構成要素がその設定された対応テーブルに従って制御信号の構成要素に対応するようにして、制御信号に変換する。ここでは、図9(c)に示すように、MIDI信号の音量データ及び時間データが、それぞれ、制御信号の電圧及び時間に対応させられ、MIDI信号の音程データは制御信号の構成要素に対応させられてはいない。もちろん、動作モード設定装置47を操作して、例えば、図9(d)に示すように、MIDI信号の音程及び時間が、それぞれ、制御信号の音程及び時間に対応し、MIDI信号の音量が制御信号の構成要素に対応しないように設定してもよい。
【0059】
そして、このように変換された制御信号が各マッサージ動作に対応する駆動回路43,44,45にそれぞれ入力され、その制御信号に応じて各モータ10,11,5aが駆動される。
【0060】
ここで、各モータ10,11,5aは、直流モータで構成され、各駆動回路43,44,45は、直流モータの可変速駆動装置で構成されている。つまり、可変速駆動装置は、半導体スイッチング素子で構成され入力側が電源に接続された電力変換器と、ICやマイクロプロセッサ等のデータ処理素子で構成され上記半導体スイッチング素子のオン・オフを制御する制御回路とを備えており、上記電力変換器の出力側に直流モータが接続されている。
【0061】
そして、この制御回路に、上述した電圧とその電圧の継続時間とを持った制御信号が入力されると、制御回路は、制御信号の電圧に応じて電力変換器の半導体スイッチング素子のオン期間(通電期間)を制御する。これにより、上記制御信号の電圧に応じた直流電圧が直流モータに印加され、その結果、その直流電圧に応じた速度で直流モータが回転する。このような可変速駆動装置として、例えば、サイリスタレオナードやチョッパ等の方式のものを用いることができる。また、専用の回路で構成しても構わない。
【0062】
一方、オーディオ信号化回路57は、いわゆるMIDI音源で構成されている。ここで、本発明にいう音源とは、音響信号が生成されるソースをいい、MIDIシステムにおいてはCD−ROMドライブ53がこれに該当するので、両者を混同しないよう、ここでは、MIDI音源をオーディオ信号化回路57と呼ぶ。オーディオ信号化回路57は、チャネル1〜16に対応する16種類の電子楽器(音源のみ)と、これらの電子楽器に接続されたミキサとを備えている。これにより、ここでは、チャネル1〜4にそれぞれ対応するドラム、シンセサイザ、ピアノ、及びベースにMIDI信号が順次入力され、そこでオーディオ信号、すなわち、Lチャネル及びRチャネルのステレオ化されたアナログ音響信号に変換されて出力される。このドラム、シンセサイザ、ピアノ、及びベースから出力されるオーディオ信号がミキサで1つのオーディオ信号に合成され、スピーカ27に出力される。
【0063】
本実施の形態に係るマッサージ装置の他の構成は、実施の形態1に係るマッサージ装置の構成と同様であるので、その説明を省略する。
【0064】
次に、以上のように構成されたマッサージ装置1の動作を説明する。
【0065】
被施療者はマッサージ装置1Bの本体1aに座り、まず、所望のCD−ROM54をCD−ROMドライブ53のスロットに挿入する。次いで、動作モード設定装置47を操作して所望の曲名と動作モードとを選択する。次いで、始動ボタンを押す。
【0066】
すると、マッサージ装置1Bでは、マイコン52が、CD−ROMドライブ53を駆動させて動作モード設定装置47で選択された曲を再生させる。そして、この曲の再生に伴って出力されるMIDI信号をMIDIインタフェース55を介してデコード回路59及びオーディオ信号化回路57に入力する。
【0067】
すると、オーディオ信号化回路57は、入力されるMIDI信号を変換及び合成してオーディオ信号を出力する。すると、このオーディオ信号がスピーカ27に入力され、そこで音響に変換されて被施療者の耳に達する。
【0068】
一方、デコード回路59は、入力されたMIDI信号をMIDI制御信号と音響信号とに分離するとともに復号化し、これらを信号切換回路60に入力する。このMIDI制御信号及び音響信号を入力され、信号切換回路60は、その音響信号を、MIDI制御信号に基づいて各マッサージ動作に割り当て、それに対応する信号経路に入力する。制御信号変換回路58は、その入力された音響信号を、その構成要素が制御信号の所定の構成要素に対応するようにして制御信号に変換し、各駆動回路43,44,45に入力する。この制御信号を入力され、各駆動回路43,44,45は、その制御信号に応じた直流電圧を各モータ10,11,5aに出力する。すると、各モータ10,11,5aは、その電圧に応じた速度で回転し、それに応じて各マッサージ機構4,5が所定のマッサージ動作を行う。具体的には、曲のドラム、シンセサイザ、及びピアノの音にそれぞれ対応してたたき、揉み、及び振動の各マッサージ動作が遂行され、その際に各楽器の音の強弱に対応して各マッサージ動作のスピードが変化する。
【0069】
これにより、被施療者は、選択された曲をスピーカを通じて聴きながら、その曲のドラム、シンセサイザ、及びピアノの音の変化にそれぞれ対応してスピードが変化するたたき、揉み、及び振動の各マッサージ動作を体感することができる。
【0070】
また、動作モード設定装置47を操作して、図9(d)に示すように、MIDI信号の音程を制御信号の電圧に対応させた場合は、各楽器の音の高低に対応して各マッサージ動作のスピードが変化する。さらに、動作モード設定装置47を操作して、図9(b)に示す楽器とマッサージ動作との対応関係を変化させることもできる。
【0071】
よって、音楽にマッチしかつ変化に富んだマッサージが被施療者に施行される。
【0072】
次に、本実施の形態の変形例を説明する。図10は外部のMIDIシーケンサを用いる場合の制御系統の構成を示すブロック図、図11は鑑賞用音楽の作曲を兼ねてマッサージ動作の制御プログラムを作成する方法を示す図であって、(a)は楽譜を示す図、(b)はモータの電圧を示す図である。
【0073】
本変形例は、外部音源でマッサージ動作をプログラミングすることにより、マッサージ装置1Cに所望の動作をさせる場合を例示したものである。このような場合としては、マッサージ装置の開発段階において好適な音響体感プログラムを開発する場合、ユーザが業務用に専用の音響体感プログラムを必要とする場合、及び自分専用のプログラムで音響体感マッサージを味わいたいというユーザの要望に応える場合等が想定される。
【0074】
図10に示すように、本変形例では、マッサージ装置1Cは入力端子26にMIDIインタフェース55が接続され、その後段は図8の場合と同様に構成されている。一方、音源Aは、キーボード等の入力装置61、表示装置62、及びハードディスクドライブ等の外部記憶装置63を備えたパソコンAで構成されている。そして、そのパソコンAが入力端子26に接続されている。そして、動作モード設定装置47はパソコンAとは接続されていない。従って、曲の選択は、動作モード設定装置47ではなく、パソコンAを操作することにより行う。
【0075】
図11を併せて参照して、制御プログラムを作成するには、パソコンAに例えばDTM(deskTop Music)ソフトを実行させ、図11(a)に示すように、譜面を表示装置62上に表示させる。そして、入力装置61を操作してその譜面上に音符を書き込む。すると、この書き込まれた音符に対応して図9(a)に示すようなMIDIメッセージが作成される。ここで、図9(d)に示すように、音程が制御信号の電圧、換言すればモータの電圧に対応するものとする。すると、図11(b)に示すように、音符の音程及び長さがモータの電圧201’及び時間軸に対応する。この場合、パソコンA上で所定の操作をすると、その音符に対応する音がマッサージ装置1Cのスピーカ27から出力される。また、その音符に対応してマッサージ装置1Cが動作する。従って、作曲しようとする音楽の音とプログラムしようとするマッサージ装置1Cの動作との双方を確認しながら作曲及びプログラミングを行うことができる。この方法によれば、プログラミングを視聴覚的に行うことができるので、誰でも簡単に制御プログラムを作成することができる。以上の説明は、1つの楽器についてのものであるが、これを全ての楽器(ここでは4つ)について行い、それにより、プログラミング(作曲)が終わったら、パソコンAを操作してそれを外部記憶装置63に記憶させて保存する。そして、その制御プログラムを用いてマッサージしたい場合には、ユーザ(被施療者)は、パソコンAをMIDIシーケンサとして動作させてその曲を選択する。すると、パソコンAは、外部記憶装置63からその曲を読み出してこれを入力端子26に送出する。すると、マッサージ装置1Cが上記と同様にして動作する。これにより、ユーザは、所望の制御プログラムで音楽体感マッサージを味わうことができる。
【0076】
次に、他の変形例を説明する。上記変形例及び実施の形態は、被施療者に聴かせる音楽とマッサージ動作の制御に利用する音楽とが同一であるが、本変形例は、被施療者に聴かせる音楽とマッサージ動作の制御に利用する音楽とを別個のものとしたものである。具体的には、ここにいうマッサージ動作の制御に利用する音楽とは、音符を利用した制御プログラムそのものであって、音楽的な効果を奏することを目的として作成されたものではなく、従って、被施療者には聴かせられないものである。そこで、上記実施の形態におけるチャンネル1〜4には本来の鑑賞用音楽を割り当てるとともに、他の空いているチャネルに制御プログラムを割り当て、図10において、オーディオ信号化回路57には鑑賞用音楽のチャネル(チャネル1〜4)のMIDIメッセージのみを、マッサージ動作割当回路56には制御プログラムのチャネルのMIDIメッセージのみを流すよう制御する。この制御はMIDIシーケンサとしてのパソコンAから所定の制御用MIDIメッセージを送出することにより行う。
【0077】
次に、このような制御プログラムの作成方法を説明する。図12は楽譜を利用してマッサージ動作の制御プログラムを作成する方法を示す図であって、(a)は鑑賞用音楽の楽譜を示す図、(b)は制御プログラム用の楽譜を示す図、(c)はモータの電圧を示す図である。
【0078】
図12を参照して、制御プログラムを作成するには、表示装置62の画面上に鑑賞用音楽の楽譜201と制御プログラム用の楽譜202とを並べて表示する。そして、鑑賞用音楽の楽譜201を見ながら制御用プログラムの楽譜202を作成する。この制御用プログラムの楽譜202に対応するモータの電圧202’は図12(c)に示すものとなる。この場合、制御用プログラムは、図12(c)に示すように、モータの電圧202’が比較的長い周期のものとなるようにするのが好ましい。これは、マッサージ機構の駆動系には、モータ及びマッサージ機構の慣性やバックラッシュ等による応答遅れが存在するため、余り短い周期でモータの電圧を変化させても、マッサージ動作がそれに追随できないからである。なお、図9(c)に示すように、音量がモータの電圧に対応するようにしてもよく、その場合も上記と同様にして制御プログラムを作成することができる。
【0079】
本変形例によれば、被施療者が聴く音楽に合わせてマッサージ動作の制御プログラムを予め作成しておくことができるので、より音楽にマッチしたマッサージを体感することができる。また、音楽と同期してマッサージを行うことができるため、音楽を聴きながら、音楽のテンポや抑揚にマッチした心地よいマッサージを味わうことができる。
【0080】
次に、上述のマッサージ動作の遅れ対策例を説明する。図13はマッサージ動作の遅れ対策の一例を示す図であって、(a)は鑑賞用音楽の楽譜を示す図、(b)は制御プログラム用の楽譜を示す図、(c)はモータの電圧を示す図である。
【0081】
上記マッサージ動作の遅れを、具体的数値で示すと、マッサージ装置1Cにおいて、マッサージ機構4用のモータにステップ電圧を印加した場合における施療子の揉み玉の動作遅れ時間は約20ms、同じくマッサージ装置1Cに座った被施療者が揉み玉の動作を感じるまでの遅れ時間は約40msである。そこで、本対策例では、図13に示すように、鑑賞用音楽に対し、制御プログラムの音符の時間軸における位置を、上記遅れを見込んで所定時間203だけ進ませている。この所定時間203はここでは約40msである。このようにすると、マッサージ動作の遅れを補償することができるため、音楽のテンポに合ったマッサージを遂行することができる。
【0082】
また、図14はマッサージ動作の遅れ対策の他の例を示すブロック図である。図14に示すように、本対策例では、オーディオ信号化回路57の後段に、オーディオ信号化回路57から出力されるオーディオ信号を所定時間遅延させる遅延回路64が挿入されている。この所定時間は約40msである。このようにしても、マッサージ動作の遅れを補償することができるため、音楽のテンポに合ったマッサージを遂行することができる。
【0083】
なお、上記変形例における鑑賞用音楽と制御プログラム用音楽との使い分け、及びマッサージ動作の遅れ対策に関する構成が、図7の音源Aを内蔵したマッサージ装置1Bにも同様に適用できるのは言うまでもない。
【0084】
[実施の形態3]
図15は、本発明の実施の形態3に係るマッサージ装置の制御系統の構成を示すブロック図、図16はCDに記録された音響データの構造を示す模式図であって、(a)は音響データ全体を示す図、(b)は(a)の音響データのサブコーディングの部分の拡大図、(c)は符号の意味を示す表、図17は図15のCDに記録された制御プログラム信号の処理過程を示す図であって、(a)は復調された制御プログラム信号を示す図、(b)は伸張された制御プログラム信号を示す図、(c)及び(d)は制御プログラム信号の値とマッサージ動作との対応関係を示す図である。図15において図7及び図8と同一符号は同一又は相当する部分を示す。
【0085】
図15に示すように、本実施の形態は音源AにCDプレーヤを用い、その音源Aを外部音源としたものである。すなわち、マッサージ装置1Dは入力端子26を有し、該入力端子26にバッファ71が接続され、該バッファ71に本実施の形態に特化されたマッサージ動作割当回路72及び制御信号化回路73が直列接続されている。マッサージ動作割当回路72及び制御信号化回路73には、動作モード設定装置81が接続されており、後述するようにマッサージ装置1Dの動作モード(動作パターン)を設定することができるようになっている。また、バッファ71にはミュート回路74が接続され、該ミュート回路74の出力がスピーカ27に入力されている。このバッファ71及びミュート回路74が分岐回路75を構成している。そして、制御装置82が、分岐回路75,マッサージ動作割当回路72,制御信号化回路73等から構成されている。その他の点は図8のマッサージ装置1Bと同様である。
【0086】
CDプレーヤAは、周知のものであり、デジタルの音響データが記録されたCD76を装着せしめて駆動し、そのCD76から再生ヘッド77で音響データを読み取り、その読み取った音響データをデコード回路78で復号化し、その復号化した音響データをバンドパスフィルタ79を通した後D/A変換回路80でアナログ化して出力するよう構成されている。このCDプレーヤAから出力されるアナログ化された音響信号は、Lチャネル及びRチャネルのステレオ化されたオーディオ信号310であり、このオーディオ信号310がいわゆるオーディオ端子から出力される。そして、このオーディオ信号310が入力端子26に入力される。
【0087】
CD76は、ここでは特製のCDで構成されている。図16を併せて参照すると、CD76にはデジタル化された音響データ(フレーム)309が記録されている。このフレーム309は、一連のオーディオ信号を所定間隔でサンプリングして量子化し、それを符号化して得られたものである。このフレーム309が時間軸上に98フレーム配列されたデータ列がサブコーディングフレーム300を構成し、このサブコーディングフレーム300が所定数配列されたデータ列が1つの曲を構成している。フレーム309は、先頭から順にフレーム同期符号301、サブコーディング302、及び曲データ303が配列されて構成されている。フレーム同期符号301は各フレーム309間の同期を取るためのものである。また、サブコーディング302はP〜Wの8ビットで構成され、このうち、R〜Wの下位6ビットがユーザが自由に使用できるユーザビットとなっている。但し、Sのビットは、サブコーディングフレーム300の最初の2フレームにおいては、サブコーディングフレーム300間の同期を取るための符号S0,S1に割り当てられる。ここでは、このユーザビットは利用していない。なお、Pのビットは曲と曲との境界符号として用いられる。また、Qのビットは、98フレーム単位で曲番、経過時間等を表すのに用いられる。98フレームを1単位としてサブコーディングフレーム300と呼ぶのはこの理由による。曲データ303は、量子化及び符号化された音楽(曲)、そして、個々の曲の先頭から所定個数のフレーム309の曲データ303がマッサージ動作の制御プログラムデータ304で構成されている。この点が通常のCDと異なっている。なお、曲データ303(304)は、誤り訂正のためのパリティを含んでいる。
【0088】
図17を併せて参照して、制御プログラムデータ304は、図17(b)に示すような矩形波信号(換言すればデジタル信号である)が所定の比率(例えば1/100〜1/1000のオーダー)で圧縮され、その圧縮されたものが個々の曲のオーディオ信号の先頭に付加されて一緒にサンプリングされ量子化及び符号化されたものである。
【0089】
従って、CDプレーヤAで復号化及びアナログ化されたオーディオ信号の先頭には図17(a)に示すような圧縮された矩形波からなる制御プログラム信号311,312が付加されている。ここで、CDプレーヤAには、通常、デジタル化されたオーディオ信号を復調する際に生じるノイズを除去するために、人間の可聴周波数、すなわち20Hz〜20KHzの周波数のみを通過させるバンドパスフィルタ79が設けられている。そのため、この帯域外の周波数の信号は取り出すことができないこととなるので、この復調された状態における制御プログラム信号311,312は、例えば1KHzの周波数(正確にはクロック周波数)のものとなっている。この周波数であれば、矩形波であっても、多少波形のダレを生じる程度でそのバンドパスフィルタ79を通過することができる。バッファ71は、例えばDSPで構成され、この制御プログラム信号311,312が付加されたオーディオ信号が入力されると、その付加された制御プログラム信号311,312を曲の部分から分離して内部メモリに一時的に保存する。ここで、制御プログラム信号311,312はデジタル信号であるので内部メモリに記憶させることができる。そして、その保存した制御プログラム信号311,312をオーディオ信号の曲の開始にタイミングを合わせてマッサージ動作割当回路72に入力する。その一方、ミュート回路74には、入力されたオーディオ信号をそのまま入力する。ミュート回路74は、入力されたオーディオ信号を、制御プログラム信号が継続している期間は出力しないようにして、スピーカ27に出力する。これにより、被施療者には制御プログラム信号が発する音は聞こえない。また、制御プログラム信号が存在する分、CD76の再生開始から実際にスピーカ27で音が出るまで遅れを生じるが、制御プログラム信号の継続時間は10秒程度であるので、被施療者が違和感を感じるようなことはない。
【0090】
一方、マッサージ動作割当回路72は、入力された制御プログラム信号311,312を上記所定の比率で伸張して元の長さに戻す。この元の長さに戻った制御プログラム信号311’,312’は、その対応する曲に合わせて作成されているので、その曲とほぼ同じ長さでありかつ同期が取れている。また、この制御プログラム信号311’,312’は、図17(b)に示すように、Lチャネルの制御プログラム信号311’とRチャネルの制御プログラム信号312’とで2進数を表すように作成されている。つまり、双方の信号311’,312’はLowとhighの2レベルで変化し、そのLow,highのレベルにそれぞれ、「0」、「1」を対応させると、双方の組み合わせが2進数を表すようになっている。マッサージ動作割当回路72はこの2進数を用いて、例えば、図17(c),(d)に示すようにマッサージ動作を割り当てる。すなわち、「00」、「10」、「01」、「11」の期間が、それぞれ、「同期信号」、「たたき動作」、「揉み動作」、「振動動作」に対応させられる。これにより、図17(d)に示す期間に渡って、順次、「たたき動作」、「揉み動作」、及び「振動動作」が行われ、従って、「同期信号」の期間は全く不動作となり、かつ1つのマッサージ動作が行われている間は他の動作は行われないことになる。この2進数と各マッサージ動作との対応関係は動作モード設定装置81によって設定できるようになっている。例えば、上記「振動動作」に代えて「揉み動作及びたたき動作」としてもよく、またこの他に、上記3つの動作を適宜組み合わせてもよい。このマッサージ動作の割当信号が制御信号化回路73に入力され、制御信号化回路73は、入力された信号に基づいて制御信号を出力する。この際、各マッサージ動作について、その動作期間が入力された信号に従い、かつその動作パターンが動作モード設定装置81で設定されたパターンに従うよう制御信号を生成する。
【0091】
次に、以上のように構成されたマッサージ装置1Dの動作を説明する。図15〜図17において、被施療者は、CD76をCDプレーヤAに装着し、所望の曲を選択した後、スタートボタンをオン操作する。すると、CD76から制御プログラムを伴った曲のフレーム309が順次読み出されて復号化及びアナログ化され、オーディオ信号310としてCDプレーヤAのオーディオ端子(図示せず)からマッサージ装置1Dのバッファ71に入力される。バッファ71は入力されたオーディオ信号310の先頭に位置する制御プログラム信号を一時的に保存し、これをその曲の開始に合わせてマッサージ動作割当回路72に入力する一方、上記入力されたオーディオ信号310をそのままミュート回路74に入力する。ミュート回路74は、入力されたオーディオ信号を、制御プログラム信号の継続期間は出力しないようにして、スピーカ27に出力する。それにより、スピーカ27から被施療者に、制御プログラム信号の音が除去された状態で、選択された曲の音が伝達される。
【0092】
一方、マッサージ動作割当回路72は入力された制御プログラム信号を伸張するとともにそれに基づいて各マッサージ動作の動作期間を割り当て、その割当信号を制御信号化回路73に入力する。制御信号化回路73は、入力された割当信号に従った期間と動作モード設定装置81で設定されたパターンでもって各マッサージ動作が遂行されるよう制御信号を生成して、それを各駆動回路に出力する。それにより、マッサージ機構4,5(図7参照)によって、選択された曲に同期して、所定の間隔でたたき、揉み、及び振動の各動作が順次被施療者に施行される。
【0093】
これにより、被施療者は、選択した音楽を聴きながら、音楽にマッチして各マッサージ動作が順次施行されるマッサージを体感することができる。また、被施療者は、動作モード設定装置81を操作して、各マッサージ動作の順序及び動作パターンを変えることができる。しかも、CDプレーヤAから分岐回路75に至る伝送ラインが通常のオーディオ信号の伝送ラインで構成されるので、汎用のCDプレーヤを外部音源Aとして利用することができる。
【0094】
次に、本実施の形態の変形例を説明する。図18は、制御プログラムの他の構成例を示す図であって、(a)は制御プログラムのデータ構造を示す図、(b)は各マッサージ動作のデータ構造を示す図である。本変形例では、制御プログラム信号が元の状態、すなわち、復号化及びアナログ化されかつ伸張された状態で、図18(a)に示すようなデータ構造を有している。すなわち、制御プログラム信号321,322は、図17(b)に示すような矩形波信号、すなわちLowとhighの2レベルで変化するデジタル信号で構成されている。そして、このデジタル信号自体が、アナログ信号をサンプリングして量子化及び符号化して得られたものである。そして、例えば、Lチャネルの制御プログラム信号321は、たたき動作の内容を表すたたきデータ331、揉み動作の内容を表す揉みデータ332が交互に配置されて構成されている。一方、Rチャネルの制御プログラム信号322は、未使用(空き)データ領域333、振動動作の内容を表す振動データ334が交互に配置されて構成されている。そして、図18(b)に示すように、たたきデータ331、揉みデータ332、及び振動データ334は、それぞれ、モータの電圧を表す電圧データ331a,332a,334aとその電圧の継続時間を表す時間データ331b,332b,334bとで構成されている。このような制御プログラム信号321,322が所定の比率で圧縮され、その圧縮されたものが個々の曲のオーディオ信号の先頭に付加されてサンプリングされ量子化及び符号化されてCDに記録される。そして、再生の際には、それが復号化及びアナログ化され、さらに曲部分から分離されて伸張される。ここで、この制御プログラム信号321,322は、上記実施の形態の制御信号311,312と比較すると、より複雑になっている分長くなっている。その一方、CDプレーヤに内蔵されているノイズ除去用のバンドパスフィルタを通過させる必要がある。そこで、本変形例では、この制御プログラム信号321,322の周波数及び長さを、それぞれ、数KHz及び数十秒に設定している。このような周波数であれば、制御プログラム信号321,322は殆ど支障なく当該バンドパスフィルタを通過することができ、かつこのような長さであれば制御プログラム信号321,322の存在によって生じるスピーカからの音響出力の遅れに対し被施療者がさほど違和感を抱くこともない。図15を参照して、この伸張されたデジタルの制御プログラム信号がマッサージ動作割当回路72でさらに復号化及びアナログ化されて制御信号化回路73に出力される。これ以降の動作は上記実施の形態と同様である。このような構成とすると、各マッサージ動作をパラレルに遂行することができるとともに、それらを個別に設定することができるので、音楽にマッチしたよりきめ細かいマッサージ動作を実現することができる。
【0095】
なお、上記では、オーディオ信号がステレオである場合を説明したが、図17及び図18に示すマッサージ動作のパターンを減らせばオーディオ信号がモノラル、すなわち1チャネルである場合でも同様に実施できることは明らかである。
【0096】
また、さらなる変形例として、オーディオ信号の振幅を縮小(ゲインを落とす)するとともに、これに、交互に正/負の値を取る所定周期のパルス信号を重畳したものを変調してCD76に記録し、再生時にこれを復調し、その復調した信号を増幅してスピーカ27に流す一方、その復調した信号のパルスの正負にモータのオン・オフタイミングが対応するような制御信号を生成するように構成してもよい。この場合、パルスの周波数は、例えばバンドパスフィルタ79の通過域である20KHz程度とする。かかる構成とすると、CD76の再生開始に対するスピーカ27からの音響出力の遅れを生じることなく、汎用のCDプレーヤを外部音源Aとして利用することができる。
【0097】
また、他の変形例として、以下のように構成してもよい。すなわち、オーディオ信号と、擬似デジタル信号からなる制御プログラム信号とをそれぞれ量子化及び符号化して合成し、それらを一般のCDにおけるオーディオ信号のLチャネル及びRチャネルの一方及び他方の信号としてCD76に記録し、再生時にそれらを復調して分離し、一方のチャネルのオーディオ信号をスピーカ27に流す一方、他方のチャネルの制御プログラム信号を上記実施の形態と同様に制御信号に対応させる。この場合、擬似デジタル信号として、例えば、正弦波の存在する有音期間と正弦波の存在しない無音期間とが所定周期で交互に存在する波形の信号を用い、その有音期間と無音期間との対を1ビットとして扱うことにより、一般の矩形波をデジタル信号として用いた場合と同様に制御プログラム信号を制御信号に対応させることができる。また、正弦波の周波数は、例えばバンドパスフィルタ79の通過域である10KHz程度とする。かかる構成としても、CD76の再生開始に対するスピーカ27からの音響出力の遅れを生じることなく、汎用のCDプレーヤを外部音源Aとして利用することができる。
【0098】
[実施の形態4]
図19は本発明の実施の形態4に係るマッサージ装置の制御系統の構成を示すブロック図、図20は図19のCDに記録された音響データの構造を示す模式図であって、(a)は音響データ全体を示す図、(b)は(a)の音響データの曲データ及びサブコーディングの部分の拡大図、(c)は符号の意味を示す表、図21は図19のCDに記録された曲と制御プログラムとの対応関係を示すグラフである。図19、図20においてそれぞれ図15、図16と同一符号は同一又は相当する部分を示す。
【0099】
図19において、本実施の形態では、CDプレーヤAが本実施の形態に係るマッサージ装置1Eに内蔵されている。但し、ハードウエアとしてのCDプレーヤAは図1のマッサージ装置1の本体1aとは別体に作成され、両者間が配線で接続されている。そして、CDプレーヤAのD/A変換回路80が制御信号化回路84に接続されるとともにバンドパスフィルタ85を介してスピーカ27に接続されている。バンドパスフィルタ85は、実施の形態3で説明したバンドパスフィルタと同様の周波数帯域のみを通過させるノイズ除去用のフィルタである。本実施の形態では、この個所にバンドパスフィルタ85を配設することによって、スピーカ27にはノイズが除去されたオーディオ信号を供給するとともに、制御プログラム信号がこのバンドパスフィルタ85を通過しなくて済むようにしている。そして、デコード回路78及びD/A変換回路80が分岐回路83を構成しており、本実施の形態に係る制御装置86に分岐回路83及び制御信号化回路84等が設けられている。また、前記制御信号化回路84は、D/A変換回路80から与えられた制御プログラム信号に基づき、制御信号を生成して出力するように構成されている。また、動作モード設定装置81が制御信号化回路84及びCDプレーヤAに接続されており、動作モード設定装置81によってCDプレーヤAのオン・オフ、選曲等ができる他、制御信号化回路84に指示して各マッサージ動作の強度等を選択できるようになっている。その他の点は、実施の形態3と同様である。
【0100】
図20に示すように、本実施の形態では、フレーム309のユーザーズビット305に制御プロブラムが組み込まれている。すなわち、ユーザーズビット305のうち、R〜Uのビットに揉み動作、Vのビットにたたき動作、Wのビットに振動動作がそれぞれ組み込まれている。図21に示すように、これら揉み、たたき、振動の各マッサージ動作は、曲に合わせてプログラムされている。ここで、図21において、各マッサージ動作を表す曲線の振幅はモータ電圧、換言すれば各動作のスピードを表している。そして、例えば、揉み動作は、曲の音量の大きい部分で、たたき動作は曲の静かな部分で、そして振動は曲の後半部でそれぞれ速くなるようにプログラムされている。なお、Pは曲と曲との境界部を表している。この図21は元の状態、すなわち復調された状態を示している。そして、このように曲に対応させられた制御プログラムとその曲とがそれぞれサンプリング、量子化、及び符号化された後合成されて、図20に示すフレーム309が得られる。
【0101】
次に、以上のように構成されたマッサージ装置1Eの動作を説明する。図19〜図21において、被施療者は、CD76をCDプレーヤAに装着し、動作モード設定装置81によって所望の曲を選択した後、再生を開始させる。すると、CD76から制御プログラムを伴った曲のフレーム309が再生ヘッド77によって順次読み出され、デコード回路78で復号化される。このとき、曲と各マッサージ動作の制御プログラム信号とが互いに分離される。これら分離された信号がD/A変換回路80でアナログ化され、そのうち、曲を表す信号はオーディオ信号としてスピーカ27へ出力される。一方、各マッサージ動作を表す信号は、図21に示すようなアナログ化された制御プログラム信号として制御信号化回路84にそれぞれ入力される。制御信号化回路84は、入力された制御プログラム信号の振幅をモータ電圧に対応させるようにして制御信号を生成し、それを各駆動回路に出力する。以降の動作は実施の形態3と同様である。これにより、被施療者が選択した曲がスピーカ27から流れる一方、その曲に合わせて作成された制御プログラムに従ったマッサージ動作が、被施療者に施行されるので、被施療者は、音楽にマッチしたマッサージを体感することができる。また、被施療者は、動作モード設定装置81を操作して、好みの曲の選択及びマッサージ動作の強度等の選択をすることができる。なお、上記の説明では、デコード回路78で分離された制御プログラム信号をD/A変換回路80でアナログ化しているが、これを直接制御信号化回路84に入力し、そこでデジタル信号のまま制御信号に対応させるように構成してもよい。
【0102】
次に、本実施の形態の変形例を説明する。図22は、本変形例の制御系統の構成を示すブロック図である。図22に示すように、本変形例に係るマッサージ装置1Fでは、CDプレーヤが外部音源Aとして用いられ、そのCDプレーヤAから出力されるオーディオ信号がスピーカへ出力されるとともに本変形例に係る制御装置87が備える制御信号化回路88に直接入力されている。制御信号化回路88は、入力されるオーディオ信号のLチャネル及びRチャネルの各信号の各マッサージ動作への割り当てとその各信号の構成要素と制御信号の構成要素との対応付けを行う。例えば、オーディオ信号のLチャネル及びRチャネルの各信号の振幅を制御信号の電圧に対応させる。すると、オーディオ信号、換言すれば曲の強弱に応じてマッサージ動作のスピードが変化する。また、揉み、たたき、振動等の各マッサージ動作がそれぞれLチャネル又はRチャネルの音の変化に従って変化する。よって、このような構成としても、被施療者は、音楽にマッチしかつ変化に富んだマッサージを体感することができる。
【0103】
また、他の変形例として、図19及び図21において、図21に示す曲とその曲に対応した制御プログラムとをCD76の別個のトラックにそれぞれ記録し、再生ヘッド77がそれらを同時に読み出してデコード回路78に入力するように構成してもよい。かかる構成としても上記実施の形態と同様の効果が得られる。
【0104】
また、さらなる変形例として、図19において、制御プログラム信号を超音波領域に変調してノイズ除去用フィルタを迂回し、それを音響信号と合成して制御装置86に入力し、そこで音響信号から分離して復調し、それを制御信号に変換するように構成してもよい。このような構成としても、制御プログラム信号と音響信号とを同一のラインで伝送することができる。
【0105】
[実施の形態5]
図23は本発明の実施の形態5に係るマッサージ装置の制御系統の構成を示すブロック図、図24は図23のビデオテープのトラックとそこに記録される信号との関係を示す図であって、(a)はビデオテープの模式図、(b)は表である。図23において、図19と同一符号は同一又は相当する部分を示す。
【0106】
図23に示すように、本実施の形態では、ビデオデッキが外部音源Aとして用いられ、そのビデオデッキAの再生ヘッド91から出力されるオーディオ信号502がマッサージ装置1Gの入力端子26bを介してスピーカ27へ入力されるとともに、該再生ヘッド91から出力される制御プログラム信号503がマッサージ装置1Gの入力端子26aを介して制御装置93が備える制御信号化回路92に直接入力されている。また、制御信号化回路92には、動作モード設定装置94が接続されている。その他の点は、図7のマッサージ装置の構成と同様である。
【0107】
図24を併せて参照して、本実施の形態では特製のビデオテープ95を使用する。すなわち、ビデオテープ95には、Lチャネル及びRチャネルのステレオ化されたオーディオ信号を記録するオーディオ用のトラックとR、G、Bの3原色の映像信号を記録する映像用のトラックとが設定されているが、本実施の形態では、この映像用のR、G、Bの各トラックに、それぞれ、揉み動作、たたき動作、振動動作の制御プログラム信号が記録されている。この制御プログラム信号はアナログ信号であって、例えば、図21で曲に対応させたのと同様にして、オーディオ信号に対応して作成されている。制御信号化回路92は、図19の制御信号化回路84と同様に、入力される制御プログラム信号の振幅をモータ電圧に対応させるようにして制御信号を生成し、それを各駆動回路に出力する。以降の動作は実施の形態4と同様である。
【0108】
このように構成されたマッサージ装置1Gでは、所望のビデオテープ95をビデオデッキAに装着して、再生を開始させると、ビデオテープ95のオーディオ用のトラックに記録されたオーディオ信号が再生ヘッド91からスピーカ27に入力され、スピーカから、そのオーディオ信号が変換された音楽が流れる。一方、ビデオテープ95の映像用のトラックに記録された制御プログラム信号が再生ヘッド91から制御信号化回路92に入力される。すると、制御信号化回路92は、その入力された制御プログラム信号の振幅をモータ電圧に対応させるようにして制御信号を生成し、それを各駆動回路に出力する。これにより、スピーカ27から流れる音楽に合わせて作成された制御プログラムに従ったマッサージ動作が、被施療者に施行される。
【0109】
本実施の形態によれば、アナログで複合化音響信号を記録した記録媒体の再生装置を音源として、被施療者が、音楽にマッチしたマッサージを体感することができる。
【0110】
なお、本変形例において、ビデオテープ95に制御プログラム専用のトラックを設けるとともに、再生ヘッド91をその専用トラックをも読み取り可能なように構成し、スピーカ27に代えてビデオの画像及び音声を出力可能なテレビ受像機を設置するようにしてもよい。このような構成とすると、音楽だけでなくさらに映像に合ったマッサージを体感することができる。
【0111】
なお、上記実施の形態では、放音装置にスピーカを用いたが、音響信号を音響に変換する装置であればよく、これ以外に、例えばイヤホン、ヘッドホン等を用いることができる。
【0112】
また、上記実施の形態では、駆動源としてモータを用いたが、アクチュエータ等の他の駆動源を用いてもよい。
【0113】
また、上記実施の形態では、時分割多重を用いたが、周波数分割等、他の多重化手法を用いてもよい。
【0114】
また、上記実施の形態では、情報記録媒体として、CD、ビデオテープを例示したが、磁気テープ、フレキシブルディスク、ハードディスク、MD等他の情報記録媒体を用いることができる。
【0115】
また、以上の実施形態では駆動モータとして直流モータを使用したが、直流に限定されることはなく、交流モータを使用することも可能である。また、マッサージ動作用モータの個数も三個に限定されることはなく、マッサージの種類に応じて二個以下でも四個以上でもよい。
【0116】
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
【産業上の利用可能性】
【0117】
本発明は、音響信号に同調して機械的刺激によるマッサージを行うマッサージ装置であって、マッサージ機構の駆動系に制御信号に対する応答遅れが存在していても音楽のテンポに合ったマッサージを遂行することができるマッサージ装置、及び情報記録媒体に適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本発明のマッサージ装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1のマッサージ装置におけるマッサージ機構の一例を示す斜視図である。
【図3】図1のマッサージ装置におけるモータの制御装置の一例を示すブロック図である。
【図4】図3の制御装置における整流平滑回路の一例を示す回路図であり、(a)は音響信号の波形を示し、(b)は上記回路を示し、(c)は平滑回路からの出力信号を示している。
【図5】図3の制御装置における整流平滑回路の他の例を示す回路図であり、(a)は音響信号の波形を示し、(b)は上記回路を示し、(c)は平滑回路からの出力信号を示している。
【図6】本発明のマッサージ装置の他の実施形態における制御装置の一例を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施の形態2に係るマッサージ装置の制御系統の概略の構成を示すブロック図である。
【図8】図7の各ブロックの詳細な構成を示すブロック図である。
【図9】MIDIメッセージの構造及び変換方法を示す図であって、(a)はMIDIメッセージの構造を示す模式図、(b)はMIDIメッセージにおけるチャネルと楽器及びマッサージ動作との対応関係を示す表、(c)はMIDI信号と制御信号との対応関係に一例を示す図、(d)はMIDI信号と制御信号との対応関係の他の例を示す図である。
【図10】外部のMIDIシーケンサを用いる場合の制御系統の構成を示すブロック図である。
【図11】鑑賞用音楽の作曲を兼ねてマッサージ動作の制御プログラムを作成する方法を示す図であって、(a)は楽譜を示す図、(b)はモータの電圧を示す図である。
【図12】楽譜を利用してマッサージ動作の制御プログラムを作成する方法を示す図であって、(a)は鑑賞用音楽の楽譜を示す図、(b)は制御プログラム用の楽譜を示す図、(c)はモータの電圧を示す図である。
【図13】マッサージ動作の遅れ対策の一例を示す図であって、(a)は鑑賞用音楽の楽譜を示す図、(b)は制御プログラム用の楽譜を示す図、(c)はモータの電圧を示す図である。
【図14】マッサージ動作の遅れ対策の他の例を示すブロック図である。
【図15】本発明の実施の形態3に係るマッサージ装置の制御系統の構成を示すブロック図である。
【図16】図15のCDに記録された音響データの構造を示す模式図であって、(a)は音響データ全体を示す図、(b)は(a)の音響データの曲データ及びサブコーディングの部分の拡大図、(c)は符号の意味を示す表である。
【図17】図15のCDに記録された制御プログラム信号の処理過程を示す図であって、(a)は復調された制御プログラム信号を示す図、(b)は伸張された制御プログラム信号を示す図、(c)及び(d)は制御プログラム信号の値とマッサージ動作との対応関係を示す図である。
【図18】制御プログラムの他の構成例を示す図であって、(a)は制御プログラムのデータ構造を示す図、(b)は各マッサージ動作のデータ構造を示す図である。
【図19】本発明の実施の形態4に係るマッサージ装置の制御系統の構成を示すブロック図である。
【図20】図19のCDに記録された音響データの構造を示す模式図であって、(a)は音響データ全体を示す図、(b)は(a)の音響データの曲データ及びサブコーディングの部分の拡大図、(c)は符号の意味を示す表である。
【図21】図19のCDに記録された曲と制御プログラムとの対応関係を示すグラフである。
【図22】本発明の実施の形態4の変形例の制御系統の構成を示すブロック図である。
【図23】本発明の実施の形態5に係るマッサージ装置の制御系統の構成を示すブロック図である。
【図24】図23のビデオテープのトラックとそこに記録される信号との関係を示す図であって、(a)はビデオテープの模式図、(b)は表である。
【符号の説明】
【0119】
1,1A〜1G マッサージ装置
4,5 マッサージ機構
7 モータ
9 施療子
10 モータ
11 モータ
13 制御装置
14 プリアンプ
15 増幅器(メインアンプ)
16a ハイパスフィルタ
16b ローパスフィルタ
16c バンドパスフィルタ
17 特定周波数帯信号選択装置
18 波形変換装置
29 制御装置
31 バイアス装置
40 分岐回路
41 複合音響信号
43〜45 駆動回路
46 制御装置
55 MIDIインタフェース
57 オーディオ信号化回路
64 遅延回路
201 楽譜
202 楽譜
202’ 電圧
203 所定時間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被施療者の身体に機械的刺激を与えるマッサージ機構と、
該マッサージ機構を駆動するモータと、
該モータの動作を制御する制御装置とを備え、
上記マッサージ機構が、上記モータに連結された、該モータの動作によって振動動作に比べて低周波で周期的に変位する施療子を備え、
上記制御装置が、音源から入力される、音響信号と該音響信号に対応して上記マッサージ機構が動作するよう作成された制御プログラム信号とで構成された複合音響信号のうち、上記制御プログラム信号を制御信号に変換し、該変換した制御信号によって上記モータの動作を制御するように構成されてなるマッサージ機であって、
上記複合音響信号が、被施療者に聴かせるための放音装置に至る信号経路に出力する音響信号に対し、上記制御プログラム信号を所定時間相対的に進めるよう構成されてなるマッサージ装置。
【請求項2】
前記マッサージ機構は、機械的構成を介して前記モータと接続された施療子を有し、該施療子は、一対のアームと該アームの先端に取り付けられた揉み玉とから成り、
更に前記マッサージ機構は、前記一対のアームを相互に近接及び離反させるように動作させることによる揉み動作、又は前記施療子を被施療者に向けて往復動させることによる叩き動作を、前記施療子に実行させるよう構成されており、
前記施療子による前記揉み動作及び叩き動作は、マッサージ動作としての振動動作に比べて低周波数で動作すべく成してあることを特徴とする請求項1に記載のマッサージ装置。
【請求項3】
情報再生装置で情報記録媒体から読み出されマッサージ装置の制御部に入力されて、ある音響作品を表す音響信号に対応するようにマッサージ動作を制御するよう作成された制御プログラムが記録された情報記録媒体であって、
上記制御プログラムが、上記音響作品を表す音響信号に対して、時間軸上で所定時間進んでいるように上記マッサージ動作が遂行されるよう作成され、かつ該音響作品を表す音響信号とともに記録されてなる情報記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2007−160129(P2007−160129A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−31067(P2007−31067)
【出願日】平成19年2月9日(2007.2.9)
【分割の表示】特願2002−547431(P2002−547431)の分割
【原出願日】平成13年12月5日(2001.12.5)
【出願人】(000112406)ファミリー株式会社 (175)
【Fターム(参考)】