説明

マッサージ装置

【課題】目標の施療部位が回動板の幅方向にずれた場合にも、目標の施療部位を確実にマッサージでき、しかも強弱の異なるマッサージを同時に行うことができるマッサージ機を提供する。
【解決手段】施療子14を設けた回動板11を回動軸部10を中心に回動自在とする。膨張・収縮により回動板11を回動軸部10回りに回動するエアバッグ12を設ける。施療子14を回動軸部10に直交する回動板11の幅方向に複数設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエアバッグにより回動する回動板に施療子を突設したマッサージ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から利用されているマッサージ装置には、例えば特許文献1のように、椅子型で、背凭れ部にエアバッグにより駆動する施療子を設けたものがある。
【0003】
このマッサージ装置は、図20に示すように回動軸部を中心に回動自在となる回動板11と、膨張・収縮により回動板11を回動軸部10回りに回動するエアバッグ12とを備え、エアバッグ12の膨張・収縮を繰り返し行って回動板11を回動軸部10回りに揺動することで、回動板11から突設した施療子14でマッサージ装置に座った施療者の体の一部である目標とする施療部位をマッサージするものである。
【0004】
しかし上記マッサージ装置は、施療者の体格の違い等により目標とする施療部位が回動軸部10に直交する回動板11の幅方向にずれた場合には、施療子14が目標とする施療部位に当たらない。
【0005】
また特許文献2のように施療子を回動軸部の軸方向に長くしたものはあるが、このものも施療子が施療者に対して回動板の幅方向にずれた場合に施療子が目標とする施療部位に当たらない。また特許文献2の施療子は回動軸部の軸方向に長いものであり、この施療子の各部は回動軸部から等距離離れた位置にあるので、施療子の各部から施療部にかかる力は均一となってしまい強弱をつけたマッサージを行えない。
【特許文献1】特開2005−211263号公報
【特許文献2】特開平11−155922号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記従来の問題点に鑑みて発明したものであって、施療者の目標の施療部位が回動板の幅方向にずれた場合にも、目標となる施療部位を確実にマッサージでき、しかも強弱の異なるマッサージを同時に行うことができるマッサージ機を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1のマッサージ装置は、施療子14を突設した回動板11を回動板11の一端に設けた回動軸部10を中心に回動自在とし、膨張・収縮により回動板11を回動軸部10回りに回動するエアバッグ12を設け、前記施療子14を回動軸部10に直交する回動板11の幅方向に複数設けて成ることを特徴とするものである。このように施療子14を回動板11の幅方向に複数設けることで、施療者Hの目標の施療部位が回動板11の幅方向にずれた場合にも、回動板11に設けたいずれかの施療子14を目標となる施療部位に当てることができ、目標となる施療部位を確実にマッサージできる。また各施療子14の回動軸部10までの距離が異なるため、回動軸部10に近い位置にある施療子14から施療部にかかる力と、回動軸部10から離れた位置にある施療子14から施療部にかかる力を異ならせることができ、強弱の異なるマッサージを同時に行うことができる。
【0008】
また各施療子14の回動板11からの突出長さを回動軸部10から離れた施療子14ほど長くすることも好ましい。この場合、回動軸部10から離れた位置にある施療子14を施療部位に確実に当てることができる
また各施療子14の突端面は互いに異なる曲率半径を有する曲面であることが好ましい。各施療子14の施療部位に接触する面積を異ならせることができ、各施療子14で強弱の異なるマッサージを行える。
【0009】
また上記回動板11を、一端に設けた回動軸部10を中心に回動自在とした第1回動板11aと、第1回動板11aに連結される第2回動板11bとで構成し、第2回動板11bをその一端に設けた前記回動軸部10と平行な第2回動軸部22を介して第1回動板11aに回動自在に連結し、上記エアバッグ12として、膨張・収縮により第1回動板11aを回動軸部10回りに回動する第1エアバッグ12aと、膨張・収縮により第2回動板11bを第2回動軸部22回りに回動する第2エアバッグ12bとを設け、第1回動板11aと第2回動板11bの夫々に上記施療子14を突設することも好ましい。第2エアバッグ12bの膨張・収縮を繰り返し行うことで、第1回動板11aに設けた施療子14と第2回動板11bに設けた施療子14とで施療部位を挟み込むようなマッサージを行うことができる。
【0010】
また請求項5のマッサージ装置は、施療子14を突設した回動板11を回動板11の一端に設けた回動軸部10を中心に回動自在とし、膨張・収縮により回動板11を回動軸部10回りに回動するエアバッグ12を設け、前記施療子14は回動軸部10に直交する回動板11の幅方向における長さが回動軸部10の軸方向における長さよりも長いことを特徴とするものである。
【0011】
このように施療子14の回動軸部10に直交する回動板11の幅方向における長さを回動軸部10の軸方向における長さよりも長くすることで、施療者Hの体格の違い等により目標とする施療部位が回動軸部10に直交する方向にずれた場合にも、回動板11の幅方向に長い施療子14のいずれかの部分を目標とする施療部位に確実に当てることができる。また施療子14の回動軸部10に近い部分から施療者Hの体にかかる力と、回動軸部10から離れた部分から施療部位にかかる力を異ならせることができ、異なるマッサージ感を与えることができる。また施療子14を一つ設けるだけで良く部材点数を削減できる。
【0012】
また施療子14の回動板11からの突出長さを回動軸部10から離れる程長くすることも好ましい。施療子14の回動軸部10から離れた部位を近い部位と同様に施療部位に確実に当てることができる。
【0013】
また施療子14を弾性部材21を介して回動板11に設けることも好ましい。施療子14が施療部位に接触した際に施療子14を回動板11側に移動して、施療子14を施療部位の形状に沿う位置に移動できる。
【0014】
また回動軸部10を回動板11の幅方向に移動自在とすることも好ましい。施療子14が施療部位に当たった場合に、回動板11が回動軸部10と共に移動するので、施療部位に施療子14が当たった際に回動板11にかかる力を逃がすことができ、施療子14で柔らかいマッサージを行うことができる。
【0015】
また施療子14を回動軸部10の軸方向に複数設けることも好ましい。施療者Hの体格の違い等により目標とする施療部位が回動軸部10の軸方向にずれた場合にも、回動板11に設けたいずれかの施療子14を目標とする施療部位に確実に当てることができる。
【0016】
また回動板11に収納袋26を設け、収納袋26に施療子14を出し入れ自在に収納することも好ましい。収納袋26から施療子14を設けた収納板27を取り出して、容易に施療子14を取外すことができ、施療子14が邪魔にならない形態とできる。
【発明の効果】
【0017】
本発明では、目標の施療部位が回動板の幅方向にずれた場合にも、目標の施療部位を確実にマッサージできる。また強弱の異なるマッサージを同時に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。図1及び図2に示す本実施形態のマッサージ装置は椅子型であり、座部1と、座部1の後端から立ち上げた背もたれ部2と、座部1の前端から下側に向けて突出する脚載せ部3と、座部1の左右両側に設けた肘掛け部4とを備えている。
【0019】
背もたれ部2は電動で作動するリクライニング機構により座部1に対して起倒自在としており、また脚載せ部3も回動角度変更自在となるように上端を座部1の前端に回動可能に連結している。従って例えば背もたれ部2を後方に倒すと共に脚載せ部3を上方に回動して施療者Hが膝を伸ばした状態で座る等することができるようになっている。
【0020】
背もたれ部2の左右方向の中央部には、機械的なマッサージを行う施療機構部6を内装してあり、施療機構部6には揉み玉のような中央施療子7を前方に向けて突設している。
【0021】
施療機構部6は背もたれ部2内を上下に移動可能としてあり、施療機構部6を上下に移動することで中央施療子7の高さ位置を変更できる。また中央施療子7自体は上下方向、左右方向、前後方向に作動するものであり、中央施療子7の作動により揉み動作、指圧動作、たたき動作等の機械的なマッサージを行えるようになっている。
【0022】
また上記施療機構部6とは別に、背もたれ部2の前面側の上下方向の中程にはマッサージユニット8を一対設けてあり、各マッサージユニット8は既述した背もたれ部2の中央を上下に移動する施療機構部6を挟むように背もたれ部2の両側に夫々配設されている。
【0023】
マッサージユニット8の一例を図3及び図4に示す。各マッサージユニット8は、背もたれ部2の前面側にねじにより固定的に取付けた板状の支持部9と、支持部9に回動軸部10を介して回動自在に接続されて支持部9の前方に配設される回動板11と、支持部9と回動板11との間に配設したエアバッグ12を備えており、エアバッグ12を膨張・収縮して回動板11を回動軸部10を中心に回動できるようにしている。
【0024】
各回動板11は剛体で1枚の矩形状の板で構成したものであり、他のマッサージユニット8側の一辺に設けた回動軸部10を、支持部9の内側端部から前面側に突出した連結部13の先端に連結している。回動軸部10の軸方向は背もたれ部2を起立した状態で上下に向いており、各回動板11は図3の矢印に示すように回動軸部10を中心に前後方向に回動自在となっている。
【0025】
上記各回動板11はエアバッグ12を収縮した状態で背もたれ部2と平行に取付けた板状の支持部9と平行となるものであり、これら各回動板11の支持部9と反対側の面には施療子14を設けている。施療子14は図3のイに示す回動軸部10に直交する回動板11の幅方向(以下単に回動板11の幅方向と記載する)に複数(図3では2個)設けてあり、これら施療子14は回動板11の回動軸部10の軸方向における中央に位置している。各施療子14は支持部9とは反対側に突となる略半球状に形成してあり、その突端面で施療部位を押圧してマッサージ効果を与えるものである。なお本例では各施療子14を同じ形状としている。
【0026】
またマッサージ機には上記回動板11を回動するエアバッグ12を膨張・収縮する図5に示す吸排気装置15を設けている。吸排気装置15は制御回路16、エアポンプ17、フィルタータンク18、電磁式三方弁19にて構成してあり、吸排気装置15の間欠駆動により間欠的に上記各エアバッグ12内のエアが吸気されたり排気されたりするのが繰り返され、これにより各エアバッグ12の膨張・収縮が繰り返される。
【0027】
そして上記吸排気装置15により各エアバッグ12の膨張・収縮を同時に繰り返し行うことで、図3(a)のように各エアバッグ12を膨張して一対の回動板11が近づくように回動する動作と、図3(b)のように各エアバッグ12を収縮して一対の回動板11が遠ざかるように回動する動作とを繰り返し行い、この回動軸部10回りに揺動する各回動板11に設けた施療子14によりマッサージ機に座った施療者Hの上半身を両側から挟みこむようなマッサージを行えるようになっている。また本例では背もたれ部2の両側のマッサージユニット8間の中央に設けた施療機構部6の中央施療子7で前記各施療子14にて挟み込むようにマッサージされる施療者Hをマッサージできるようになっている。
【0028】
ここで本発明のマッサージ機にあっては、施療子14を回動板11の幅方向に複数設けているので、施療者Hの体格の違い等により目標の施療部位が回動板11の幅方向にずれた場合にも、回動板11に設けたいずれかの施療子14を目標となる施療部位に当てることができ、目標となる施療部位を確実にマッサージできる。しかもこの場合、各施療子14の回動軸部10までの距離は異なるため、回動軸部10に近い位置にある施療子14から施療部位にかかる力と、回動軸部10から離れた位置にある施療子14から施療部位ににかかる力を異ならせることができ、各施療子14から強弱の異なるマッサージを同時に行うことができる。
【0029】
また上記各マッサージユニット8は、図6に示すように各施療子14の回動板11からの突出長さを回動軸部10から離れる施療子14ほど長くすることが好ましい。なお図6では最も回動軸部10に近い位置にある施療子14を除く施療子14の突端は回動軸部10と最も回動軸部10に近い施療子14の突端とを通過する仮想線A上に位置するか又は仮想線Aよりもやや回動板11側に位置している。
【0030】
図3の例では各施療子14の回動板11からの突出長さが同じであるため、回動板11を支持部9から離れる方向に回動した場合、回動軸部10に近い位置にある施療子14が先に施療者Hの体に当たり、回動軸部10から離れた位置にある施療子14が施療者Hの体に当たり難いという問題があるが、本例では回動軸部10から離れた位置にある施療子14を近い位置にある施療子14と同様に施療部位に確実に当てることができる。
【0031】
また図7に示すように各マッサージユニット8の各施療子14の突端面を互いに異なる曲率半径を有する曲面としても良い。この場合、各施療子14の施療部位に接触する面積を異ならせることができ、各施療子14で強弱の異なるマッサージを行える。また特に図7の例では回動軸部10から離れた位置にある施療子14ほどその突端面を回動軸部10に近い位置にある施療子14の突端面よりも曲率半径の大きな切断球面状としている。従って回動軸部10から近い位置にある施療子14ほど刺激の強いマッサージを行えるようになっている。
【0032】
また図8に示すように各マッサージユニット8の各施療子14を弾性部材21を介して回動板11に設けても良い。図8では施療子14を回動板11の幅方向に3個設けてあり、各施療子14と回動板11を回動板11の厚み方向に伸縮するばねからなる弾性部材21で接続している。これにより各施療子14が施療者Hの体に接触した際には各施療子14を回動板11側に逃がして各施療子14を施療部位の形状に合わせて沿わせることができる。
【0033】
また図9に示す例では、各マッサージユニット8の各回動板11を、一端に設けた回動軸部10を中心に回動自在とした第1回動板11aと、第1回動板11aの幅方向の中央部に連結される第2回動板11bとで構成している。第1回動板11aの外側部分の前方(即ち支持部9と反対側)に位置する第2回動板11bはその一端に設けた回動軸部10と平行な第2回動軸部22を介して第1回動板11aに回動自在に連結している。また本例ではエアバッグ12として、第1エアバッグ12aを第1回動板11aと支持部9の間に配設し、第2エアバッグ12bを第1回動板11aと第2回動板11bとの間に配設している。従って第1エアバッグを膨張・収縮することで第1回動板11aを回動軸部10回りに回動でき、且つ第2エアバッグを膨張・収縮することで第2回動板11bを第2回動軸部22回りに回動できるようになっている。なお第1エアバッグは第2回動板11bに対応する部分も含めて第1回動板11aの略全体に亘って設けられている。そして施療子14は第1回動板11a及び第2回動板11bの夫々の支持部9と反対側の面に1個づつ設けている。なお本例では第1エアバッグ12aの膨張と第2エアバッグ12bの膨張が同じタイミングで行われるように第1エアバッグ12aの膨張・収縮と第2エアバッグ12bの膨張・収縮は同期している。
【0034】
そして本例では上記第2エアバッグ12bの膨張・収縮を繰り返し行うことで、図9のように第2回動板11bを第1回動板11aに近づけたり離れたりする方向に回動でき、第1回動板11aに設けた施療子14と第2回動板11bに設けた施療子14とで施療者Hの体の一部を挟み込むようなマッサージを行うことができる。
【0035】
また図10〜図12に示すように各マッサージユニット8の回動板11に設けた施療子14の回動板11の幅方向の長さを回動軸部10の軸方向の長さよりも長くしても良く、以下これらの例について詳述する。
【0036】
図10の例では各回動板11に回動板11の幅方向に長い略直方体形状の施療子14を一つだけ設けている。このように施療子14の回動板11の幅方向の長さを回動軸部10の軸方向の長さよりも長くすることで、上記図3の例と同様、施療者Hの体格の違い等により施療者Hの体の任意の部位が回動軸部10に直交する方向にずれた場合にも、回動板11の幅方向に長い施療子14のいずれかの部分を目標とする施療部位に確実に当てることができる。また施療子14の回動軸部10に近い部分から施療部位にかかる力と、回動軸部10から離れた部分から施療部位にかかる力を異ならせることができ、異なるマッサージ感を与えることができる。また施療子14を一つ設けるだけで良く図3の例と比較して部材点数を削減できる。
【0037】
また図11の例では上記回動板11の幅方向に長い施療子14の回動板11からの突出長さを回動軸部10から離れる程長くしている。ここで図11の施療子14は施療面となる回動板11と反対側の面を回動軸部10から離れる程回動板11から徐々に離れるように傾斜した傾斜面としている。またこの施療子14の傾斜面はその全部が回動軸部10と傾斜面の回動軸部10側の端とを通過する仮想線B上に位置するか又は仮想線Bよりもやや回動板11側に位置している。
【0038】
図10の例では施療子14の各部の回動板11からの突出長さが同じであるため、回動板11を支持部9から離れる方向に回動した場合、施療子14の回動軸部10に近い部位先に施療者Hの体に当たり、回動軸部10から離れた部位が施療者Hの体に当たり難いという問題があるが、本例では施療子14の回動軸部10から離れた部位も近い部位と同様に施療者Hの体の部位に確実に当てることができる。
【0039】
また図12の例では施療子14を弾性部材21を介して回動板11に設けてあり、弾性部材21は施療子14と回動板11を接続するばねからなる。これにより施療子14が施療者Hの体に接触した際には施療子14を若干回動板11側に逃がして施療子14を施療者Hの体の形状に合わせて沿わせることができる。
【0040】
また図13に示すように図3や図10等に例示した各マッサージユニット8における回動軸部10を回動軸部10を回動板11の幅方向に移動自在としても良い。
【0041】
図13では幅方向に複数の施療子14を設けた回動板11の回動軸部10を回動板11の幅方向に移動自在としている。支持部9と回動板11の回動軸部10は左右方向(即ちエアバッグ12収縮時における回動板11の幅方向と平行な方向)に伸縮するばね25の一端を支持部9から突出した連結部13の先端に接続すると共に他端を回動板11の回動軸部10に接続して連結している。
【0042】
このように回動軸部10を回動板11の幅方向に移動自在とすることで、エアバッグ12を膨張して施療子14が施療部位に当たった場合には、この反力により回動板11が回動軸部10と共に連結部13から離れる方向に移動する。従って施療子14が施療部位に当たった際に回動板11にかかる力を逃がすことができ、施療子14で柔らかいマッサージを行うことができる。また本例では回動軸部10を移動自在とするにあたってばね25を用いているのでエアバッグ12を収縮した際には回動板11は回動軸部10と共にばね25の弾性力により連結部13にに近づく方向に移動して復帰する。
【0043】
また図14のように図3や図10等に例示した各マッサージユニット8の施療子14を回動軸部10の軸方向に複数設けても良い。図14では回動板11の幅方向に複数(図示例では2個)設けた施療子14の列を回動板11の軸方向に複数列(図示例では3列)設けてあり、各列の施療子14は隣の列の施療子14と回動板11の幅方向において同位置にある。このように施療子14を回動軸部10の軸方向に複数設けることで、施療者Hの体格の違い等により目標とする施療部位が回動軸部10の軸方向にずれた場合にも、回動板11に設けたいずれかの施療子14を目標とする施療部位に確実に当てることができる。
【0044】
また図15及び図16のように図3や図10等に例示した各マッサージユニット8の回動板11の支持部9と反対側の面に収納袋26を一つ設け、収納袋26に施療子14を出し入れ自在に収納しても良い。図15及び図16では、施療子14は回動板11とは別部材である矩形板状(詳しくは長方形板状)の収納板27の片面に突設している。ここで収納板27には略半球状で同形状の施療子14を回動板11の幅方向に複数設けている。収納板27は略同じ大きさの収納袋26内に施療子14側の面が回動板11とは反対側を向くように収納されている。このように回動板11に設けた収納袋26内に施療子14を出し入れ自在に収納することで、収納袋26から施療子14を設けた収納板27を取り出して、容易に施療子14を取外すことができる。従って施療部位を施療子14でマッサージしたくない時には、施療子14を取外し、施療子14が施療者Hに当たることによって生じる着座時の違和感を解消できる。
【0045】
また図17のように上記収納板27に設ける各施療子14の突端面は図7の例の施療子14と同様に互いに異なる曲率半径を有する曲面であっても良い。この場合、例えば図16に示すように収納袋26に収納する収納板27の向きを反転して、回動板11に対する各施療子14の位置関係を逆にする等、形状の異なる各施療子14の回動板11に対する位置を変更できる。
【0046】
また図18及び図19のように上記収納袋26を回動板11の支持部9とは反対側の面に回動板11の幅方向に複数(図では3個)設け、上記施療子14を設けた収納板27を前記複数の収納袋26の中から選択された一つの収納袋26に収納しても良い。この場合、施療子14を設けた収納板27の回動板11に対する回動板11の幅方向における位置を変更でき、異なる体格を有する施療者Hにより一層対応できるようになる。なお各収納袋26は例えば図19のように隣接する収納袋26の前面側に重ねた状態となっているものとする。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示すマッサージ機の全体斜視図である。
【図2】同上のマッサージ機に施療者が着座した状態を示す側面視説明図である。
【図3】同上のマッサージユニットを示すものであり、(a)はエアバッグ収縮時の平面視説明図であり、(b)はエアバッグ膨張時の平面視説明図である。
【図4】同上のマッサージユニットのエアバッグ膨張時の斜視図である。
【図5】同上の吸排気装置及びエアバッグの関係を示すブロック図である。
【図6】他例のマッサージユニットのエアバッグ膨張時の平面視説明図である。
【図7】更に他例のマッサージユニットのエアバッグ収縮時の平面視説明図である。
【図8】更に他例のマッサージユニットの回動板及び施療子を示す平面視説明図である。
【図9】更に他例のマッサージユニットの第1エアバッグ及び第2エアバッグが共に膨張している状態を示す平面視説明図である。
【図10】更に他例のマッサージユニットを示すものであり、(a)はエアバッグ膨張時の平面視面視説明図であり、(b)はエアバッグ膨張時の斜視図である。
【図11】更に他例のマッサージユニットのエアバッグ膨張時の平面視説明図である。
【図12】更に他例のマッサージユニットの回動板及び施療子を示す平面視説明図である。
【図13】更に他例のマッサージユニットの回動板及び施療子を示し、(a)はエアバッグ収縮時における平面視説明図であり、(b)はエアバッグ膨張時における平面視説明図である。
【図14】更に他例のマッサージユニットを示す斜視図である。
【図15】更に他例のマッサージユニットを示す平面視説明図である。
【図16】同上のマッサージ機の全体斜視図である。
【図17】更に他例のマッサージユニットを示し、(a)は曲率半径の小さな施療子が曲率半径の大きな施療子に対して内側に配置された状態を示す平面視説明図であり、(b)は(a)における収納板をマッサージ機の正面側から見た説明図であり、(c)は曲率半径の小さな施療子が曲率半径の大きな施療子に対して外側に配置された状態を示す平面視説明図であり、(d)は(c)における収納板をマッサージ機の正面側から見た説明図である。
【図18】更に他例のマッサージユニットを示す平面視説明図である。
【図19】同上のマッサージ機の斜視図である。
【図20】従来のマッサージ機の要部断面図である。
【符号の説明】
【0048】
H 施療者
10 回動軸部
11 回動板
11a 第1回動板
11b 第2回動板
12 エアバッグ
12a 第1エアバッグ
12b 第2エアバッグ
14 施療子
22 第2回動軸部
26 収納袋
27 収納板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
施療子を突設した回動板を回動板の一端に設けた回動軸部を中心に回動自在とし、膨張・収縮により回動板を回動軸部回りに回動するエアバッグを設け、前記施療子を回動軸部に直交する回動板の幅方向に複数設けて成ることを特徴とするマッサージ装置。
【請求項2】
各施療子の回動板からの突出長さを回動軸部から離れた施療子ほど長くしたことを特徴とする請求項1に記載のマッサージ装置。
【請求項3】
各施療子の突端面は互いに異なる曲率半径を有する曲面であることを特徴とする請求項1に記載のマッサージ装置。
【請求項4】
上記回動板を、一端に設けた回動軸部を中心に回動自在とした第1回動板と、第1回動板に連結される第2回動板とで構成し、第2回動板をその一端に設けた前記回動軸部と平行な第2回動軸部を介して第1回動板に回動自在に連結し、上記エアバッグとして、膨張・収縮により第1回動板を回動軸部回りに回動する第1エアバッグと、膨張・収縮により第2回動板を第2回動軸部回りに回動する第2エアバッグとを設け、第1回動板と第2回動板の夫々に上記施療子を突設して成ることを特徴とする請求項1に記載のマッサージ装置。
【請求項5】
施療子を突設した回動板を該回動板の一端に設けた回動軸部を中心に回動自在とし、膨張・収縮により回動板を回動軸部回りに回動するエアバッグを設け、前記施療子は回動軸部に直交する回動板の幅方向における長さが回動軸部の軸方向における長さよりも長いことを特徴とするマッサージ装置。
【請求項6】
施療子の回動板からの突出長さを回動軸部から離れる程長くしたことを特徴とする請求項5に記載のマッサージ装置。
【請求項7】
施療子を弾性部材を介して回動板に設けて成ることを特徴とする請求項1又は請求項5に記載のマッサージ装置。
【請求項8】
回動軸部を回動板の幅方向に移動自在としたことを特徴とする請求項1又は請求項5に記載のマッサージ機。
【請求項9】
施療子を回動軸部の軸方向に複数設けて成ることを特徴とする請求項1又は請求項5に記載のマッサージ装置。
【請求項10】
回動板に収納袋を設け、収納袋に施療子を出し入れ自在に収納して成ることを特徴とする請求項1又は請求項5に記載のマッサージ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2007−167458(P2007−167458A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−371032(P2005−371032)
【出願日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】