説明

マット、車両用内装材及び車両の座席表装材

【課題】健康で健やかな生活環境の保持に大きく寄与することができ、特にはα線やβ線、γ線やX線などの放射線や電磁波、振動、音、衝撃、放射線などのエネルギーを効果的に低減することができ、かつ優れた抗菌性、抗ウイルス性、抗アレルゲン性、消臭性を有するマット、車両用内装材及び車両の座席表装材を提供すること。
【解決手段】繊維表皮層12の裏面側にバッキング層13を形成したマット11であって、前記繊維表皮層12及びバッキング層13の少なくとも1つに、有機減衰性フィラーや放射線低減フィラー(●印)およびヨウ素複合体やアレルゲン低減フィラー(△印)が含まれていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内に敷設されるカーペット、コンピュータのオペレーション用チェアマット、部屋の出入り口に敷設される床面用マット、玄関マット、エレベータ内やエレベータホールの開閉扉前に敷設される床面用マット、あるいは自動車や電車、飛行機などの室内に敷設される床マットに適用されるマット、ファーストカーペット、天井材、リアパッケージトレイ、ドアトリム、フロアインシュレータ、トランクトリム、ダッシュインシュレータなどの車両用内装材及び車両の座席表装材に関する。詳細にはα線やβ線、γ線やX線などの放射線や電磁波、振動、音、衝撃、放射線などのエネルギーを効果的に低減することができ、かつ優れた抗菌性、抗ウイルス性、抗アレルゲン性、消臭性を有するマット、車両用内装材及び車両の座席表装材に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車、特にハイブリッド車やEV車の普及に伴い、モーター、バッテリー、タイヤから発生する電磁波の影響、例えば車載されている計器類の誤作動や健康被害への対策が頻繁に取り沙汰されるようになっている。ハイブリッド車やEV車などには、600ボルトを超える大型バッテリーが搭載されており、そこから発生する電磁波は携帯電話や電子レンジから発生する電磁波とは比較にならないほど大きく、その万全な対策が求められる。
【0003】
一方、私たちの身の回りには、細菌やウイルスが蔓延しており、その被害を受け易いのは、抵抗力の低い老人や子供、或いは病人などであり、健やかな生活環境を保つことが求められる。
【0004】
従来、細菌やウイルスの被害を抑制することを目的として、銅を含むパイル糸とアルミニウムを含むパイル糸とが、放電性繊維シートに打ち込まれていることを特徴とする抗菌性制電繊維シートが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0005】
一方、無機フィラーを配合した樹脂シートや連続気孔構造を持つ樹脂シートを採用することで振動や音のエネルギーの減衰を図ったエネルギー減衰シートも多く提案されている(例えば特許文献2、3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6−248562号公報
【特許文献2】特開2000−190418号公報
【特許文献3】特開2005−84606号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、健康で健やかな生活環境の保持に大きく寄与することができ、特にはα線やβ線、γ線やX線などの放射線や電磁波、振動、音、衝撃、放射線などのエネルギーを効果的に低減することができ、かつ優れた抗菌性、抗ウイルス性、抗アレルゲン性、消臭性を有するマット、車両用内装材及び車両の座席表装材を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、有機減衰性フィラー、ヨウ素複合体、放射線低減フィラー及びアレルゲン低減フィラーから選択される1種若しくは2種以上が含まれていることを特徴とするマット、車両用内装材及び車両の座席表装材をその要旨とした。
【0009】
請求項2に記載の発明は、繊維表皮層の裏面側にバッキング層を形成したマット、車両用内装材及び車両の座席表装材であって、前記繊維表皮層及びバッキング層の少なくとも1つに、有機減衰性フィラー、ヨウ素複合体、放射線低減フィラー及びアレルゲン低減フィラーから選択される1種若しくは2種以上が含まれていることを特徴とする請求項1に記載のマット、車両用内装材及び車両の座席表装材をその要旨とした。
【0010】
請求項3に記載の発明は、繊維表皮層が、パイル糸打ち込み用基布と、前記基布に打ち込まれたパイル糸とからなり、前記基布及びパイル糸の少なくとも一方に、有機減衰性フィラー、ヨウ素複合体、放射線低減フィラー及びアレルゲン低減フィラーから選択される1種もしくは2種以上が含まれていることを特徴とする請求項2に記載のマット、車両用内装材及び車両の座席表装材をその要旨とした。
【0011】
請求項4に記載の発明は、繊維表皮層が、パイル糸打ち込み用基布と、前記基布に打ち込まれたパイル糸と、前記パイル打ち込み用基布の裏面側に積層される静電気を空中放電させる導電性繊維を含む放電シートとからなり、前記パイル打ち込み用基布と放電シートとにパイル糸が打ち込まれており、前記基布、パイル糸及び放電シートの少なくとも一方に、有機減衰性フィラー、ヨウ素複合体、放射線低減フィラー及びアレルゲン低減フィラーから選択される1種もしくは2種以上が含まれていることを特徴とする請求項2に記載のマット、車両用内装材及び車両の座席表装材をその要旨とした。
【0012】
請求項5に記載の発明は、パイル糸打ち込み用基布が金属フタロシアニン化合物またはそれらの誘導体を含有する不織布からなることを特徴とする請求項3に記載のマット、車両用内装材及び車両の座席表装材をその要旨とした。
【0013】
請求項6に記載の発明は、パイル糸打ち込み用基布が金属メッキした導電性繊維を含有する不織布からなることを特徴とする請求項3記載のマット、車両用内装材及び車両の座席表装材をその要旨とした。
【0014】
請求項7に記載の発明は、パイル糸打ち込み用基布が金属フタロシアニン化合物またはそれらの誘導体を含有する不織布からなることを特徴とする請求項4記載のマット、車両用内装材及び車両の座席表装材をその要旨とした。
【0015】
請求項8に記載の発明は、パイル糸打ち込み用基布が金属メッキした導電性繊維を含有する不織布からなることを特徴とする請求項4記載のマット、車両用内装材及び車両の座席表装材をその要旨とした。
【0016】
請求項9に記載の発明は、パイル糸打ち込み用基布の裏面側にプレコートが施されており、前記プレコート中に有機減衰性フィラー、ヨウ素複合体、放射線低減フィラー及びアレルゲン低減フィラーから選択される1種もしくは2種以上が含まれていることを特徴とする請求項3に記載のマット、車両用内装材及び車両の座席表装材をその要旨とした。
【0017】
請求項10に記載の発明は、パイル糸打ち込み用基布の裏面側にプレコートが施されており、前記プレコート中に有機減衰性フィラー、ヨウ素複合体、放射線低減フィラー及びアレルゲン低減フィラーから選択される1種もしくは2種以上が含まれていることを特徴とする請求項3に記載のマット、車両用内装材及び車両の座席表装材をその要旨とした。
【0018】
請求項11に記載の発明は、パイル糸が金属メッキした導電性繊維を含有することを特徴とする請求項9に記載のマット、車両用内装材及び車両の座席表装材をその要旨とした。
【0019】
請求項12に記載の発明は、パイル糸が金属メッキした導電性繊維を含有することを特徴とする請求項10に記載のマット、車両用内装材及び車両の座席表装材をその要旨とした。
【0020】
請求項13に記載の発明は、バッキング層が樹脂シートからなり、該樹脂シート中に有機減衰性フィラー、ヨウ素複合体、放射線低減フィラー及びアレルゲン低減フィラーから選択される1種もしくは2種以上が含まれていることを特徴とする請求項2に記載のマット、車両用内装材及び車両の座席表装材をその要旨とした。
【0021】
請求項14に記載の発明は、バッキング層が1〜30倍の発泡倍率で発泡された発泡樹脂構造を有し、その表面には無数の孔が開口していると共に、短繊維を含んでおり、硬度が10〜40度であることを特徴とする請求項13に記載のマット、車両用内装材及び車両の座席表装材をその要旨とした。
【0022】
請求項15に記載の発明は、バッキング層中に含まれる短繊維が、ポリアミド繊維、ビニロン繊維、ビニリデン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリクラール繊維、レーヨン繊維、アセテート繊維、綿、麻、羊毛繊維及び羽毛繊維の繊維群の中からいずれか1種若しくは2種以上であることを特徴とする請求項14に記載のマット、車両用内装材及び車両の座席表装材をその要旨とした。
【0023】
請求項16に記載の発明は、バッキング層の裏面側には多数のズレ防止用の係止突起が設けられており、前記各係止突起の周面には、係止力が無い部分又は係止力が他の部分に比べて小さい部分が形成されており、前記各係止突起の係止力が無い部分又は係止力が他の部分に比べて小さい部分が一定方向に向いて形成されていることを特徴とする請求項13に記載のマット、車両用内装材及び車両の座席表装材をその要旨とした。
【0024】
請求項17に記載の発明は、バッキング層の裏面側には多数のズレ防止用の係止突起が設けられており、前記各係止突起の周面には、係止力が無い部分又は係止力が他の部分に比べて小さい部分が形成されており、前記各係止突起の係止力が無い部分又は係止力が他の部分に比べて小さい部分が一定方向に向いて形成されていることを特徴とする請求項14に記載のマット、車両用内装材及び車両の座席表装材をその要旨とした。
【0025】
請求項18に記載の発明は、バッキング層がフェルト、織物、編物、不織布或いはこれらの複合物からなる繊維シートからなり、該繊維シート中に有機減衰性フィラー、ヨウ素複合体、放射線低減フィラー及びアレルゲン低減フィラーから選択される1種もしくは2種以上が含まれていることを特徴とする請求項2に記載のマット、車両用内装材及び車両の座席表装材をその要旨とした。
【0026】
請求項19に記載の発明は、バッキング層の裏面側にはズレ防止用の裏張り材が取り付けられており、前記裏張り材は、モノフィラメントで構成されたループ状パイル糸を用いて編成又は織成されたパイル編成物又はパイル織成物からなり、前記ループ状パイル糸はカットされ、そのカット端が床面を係止する係止部として突出していることを特徴とする請求項18に記載のマット、車両用内装材及び車両の座席表装材をその要旨とした。
【0027】
請求項20に記載の発明は、バッキング層が繊維表皮層に接着剤層を介して接合されており、前記接着剤層中に有機減衰性フィラー、ヨウ素複合体、放射線低減フィラー及びアレルゲン低減フィラーから選択される1種もしくは2種以上が含まれていることを特徴とする請求項2に記載のマット、車両用内装材及び車両の座席表装材をその要旨とした。
【0028】
請求項21に記載の発明は、有機減衰性フィラーが、p−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、および4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)から選択される1種もしくは2種以上の化合物からなり、ヨウ素複合体が、ヨウ素を担体に担持、吸蔵させて複合化したヨードホール、あるいは前記ヨードホールをゲスト分子として、これをホスト分子に包接させたヨウ素包接体であり、放射線低減フィラーが、金属フタロシアニン化合物及びその誘導体から選択される有機系フィラー、タングステン、インジウム、セシウム、鉛、水酸化鉛、バリウム、水酸化バリウム、ステアリン酸バリウム、三窒化硼素及びガドリニウム塩から選択される金属系フィラー及びそれらの組合せの中から選ばれる1種若しくは2種以上からなり、アレルゲン低減フィラーが、金属フタロシアニン化合物又はその誘導体、粘土鉱物及びテルペノイド類の中から選ばれる1種若しくは2種以上からなることを特徴とする請求項1〜20のいずれか1項に記載のマット、車両用内装材及び車両の座席表装材をその要旨とした。
【発明の効果】
【0029】
本発明のマット、車両用内装材及び車両の座席表装材にあっては、有機減衰性フィラー、ヨウ素複合体、放射線低減フィラー及びアレルゲン低減フィラーから選択される1種もしくは2種以上を含むことから、α線やβ線、γ線やX線などの放射線や電磁波、振動、音、衝撃、放射線などのエネルギーを効果的に低減することができ、かつ優れた抗菌性、抗ウイルス性、抗アレルゲン性、消臭性を有する。特に本発明のマット、車両用内装材及び車両の座席シートは、有機減衰性フィラー及び放射線低減フィラーが電磁波や放射線を確実に低減できることから、ハイブリット車やEV車における電磁波や放射線の対策に大きく寄与するものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明のマットの一形態を示す拡大断面図。
【図2】本発明のマットの別の形態を示す拡大断面図。
【図3】本発明のマット裏面のバッキング層を示す要部平面図。
【図4】図3に示すバッキング層に形成された係止突起の拡大平面図。
【図5】図3に示すバッキング層に形成された係止突起の拡大斜視図。
【図6】図3に示すマットを床面に敷設した時の後ろ側から前側を見た要部拡大断面図。
【図7】本発明のマット裏面のバッキング層の別例を示す要部平面図。
【図8】図7に示すバッキング層に形成された係止突起の拡大平面図。
【図9】図8に示すバッキング層に形成された係止突起の拡大正面図。
【図10】図8に示すバッキング層に形成された係止突起の拡大側面図。
【図11】本発明のマット裏面のバッキング層のさらに別の例を示す要部平面図。
【図12】図11に示すバッキング層に形成された係止突起の拡大平面図。
【図13】図11に示すバッキング層に形成された係止突起の拡大斜視図。
【図14】本発明のマット裏面のバッキング層のさらに別の例を示す要部平面図。
【図15】図14に示すバッキング層に形成された係止突起の拡大平面図。
【図16】図14に示すバッキング層に形成された係止突起の拡大正面図。
【図17】図14に示すバッキング層に形成された係止突起の拡大側面図。
【図18】本発明のマット裏面のバッキング層のさらに別の例を示す要部平面図。
【図19】図18に示すバッキング層に形成された係止突起の拡大平面図。
【図20】図18に示すバッキング層に形成された係止突起の拡大正面図。
【図21】図18に示すバッキング層に形成された係止突起の拡大側面図。
【図22】本発明のマット裏面のバッキング層のさらに別の例を示す要部平面図。
【図23】図22に示すバッキング層に形成された係止突起の拡大平面図。
【図24】図22に示すバッキング層に形成された係止突起の拡大正面図。
【図25】図22に示すバッキング層に形成された係止突起の拡大側面図。
【図26】本発明のマットのさらに別の例を示すマットの要部拡大断面図。
【図27】図26に示す裏張り材の要部拡大平面図。
【図28】本発明のマットを床面のカーペット上に敷設したときの状態を示す断面図。
【図29】本発明のマットのさらに別の例を示す平面図。
【図30】図2に示すマットについての電磁波減衰性能の評価結果を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明は、室内に敷設されるカーペット、コンピュータのオペレーション用チェアマット、部屋の出入り口に敷設される床面用マット、玄関マット、エレベータ内やエレベータホールの開閉扉前に敷設される床面用マット、あるいは自動車や電車、飛行機などの室内に敷設される床マットに適用されるマット、ファーストカーペット、天井材、リアパッケージトレイ、ドアトリム、フロアインシュレータ、トランクトリム、ダッシュインシュレータなどの車両用内装材及び車両の座席表装材に関するものである。
【0032】
以下、本発明を図面に示したマットに従ってさらに詳しく説明する。図1および図2に示すマット11、21は、繊維表皮層12、22と、その裏面側に形成されるバッキング層13、23と、これらの間に設けた接着剤層14、24とを有するものであり、前記繊維表皮層12、22、バッキング層13、23および接着剤層14、24には、有機減衰性フィラーや放射線低減フィラー(●印)、ヨウ素複合体やアレルゲン低減フィラー(△印)から選択される1種もしくは2種以上が含まれている。
【0033】
有機減衰性フィラーは、電磁波、振動、音、衝撃などのエネルギーを効果的に低減することができるものであり、例えばp−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、および4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)から選択される1種もしくは2種以上の化合物からなるものを挙げることができる。
【0034】
この有機減衰性フィラーは、マット11、21の繊維表皮層12、22、バッキング層13、23、接着剤層14、24を構成する樹脂のマトリックス相中にミクロ相分離した分散相として、あるいは完全相溶した分散相として上記化合物が存在しているのである。またこの分散相は、上記マトリックス相中に平均粒子径1μm以下、より好ましくは平均粒子径0.1μm以下の大きさで存在していることが、エネルギーの減衰効果をより効果的に発揮させる上で望ましい。
【0035】
この分散相を構成する化合物は、マトリックス相を構成する樹脂100重量部に対して1〜60重量部、好ましくは15〜50重量部の割合で含まれていることが望ましい。化合物の含有量が1重量部を下回る場合、十分なエネルギー減衰性を得ることができず、また60重量部を上回る場合には、範囲を超える分だけの減衰性が得られず不経済となるからである。
【0036】
マット11、21の繊維表皮層12、22、バッキング層13、23、接着剤層14、24を構成する樹脂のマトリックス相中には、上記化合物のほかに、例えば、カーボンブラック、マイカ鱗片、ガラス片、グラスファイバー、カーボンファイバー、炭酸カルシウム、バライト、沈降硫酸バリウム、ステアリン酸、エステルオイル等の物質や、腐食防止剤、染料、酸化防止剤、制電剤、安定剤、湿潤剤などを必要に応じて適宜加えることができる。
【0037】
放射線低減フィラーは、α線やβ線、γ線やX線などの放射線を反射または吸収して、透過する放射線量を低減させることができる機能を有するものであり、具体的には下記式に示す金属フタロシアニン化合物及びその誘導体(式中の金属Mは、Fe、Co、Mn、Ti、V、Ni、Cu、Zn、Mo、W、Osから選択される金属である。)から選択される有機系フィラー、タングステン、インジウム、セシウム、鉛、水酸化鉛、バリウム、水酸化バリウム、ステアリン酸バリウム、三窒化硼素及びガドリニウム塩から選択される金属系フィラー及びそれらの組合せの中から選ばれる1種若しくは2種以上を挙げることができる。
【0038】
【化1】

【0039】
放射線低減フィラーの含有量としては特に限定されず、本発明のマット、車両用内装材及び車両の座席表装材が適用される用途や使用形態に合わせて適宜決定して使用すれば良い。
【0040】
放射線低減フィラーは、アクリル樹脂エマルジョン、変性アクリル樹脂エマルジョン、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョンから選ばれるエマルジョン、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリルニトリル−ブタジエンゴムラテックス及びクロロプレンゴムラテックスから選ばれるラテックス、或いはアクリル樹脂、アクリルスチレン樹脂、ウレタン樹脂及びエポキシ樹脂から選ばれる溶剤の中から選ばれるいずれか1種若しくは2種以上の接着成分を介して繊維表皮層やバッキング層(バッキング層が連続気泡型発泡樹脂シートの場合は、その微細な多孔内)に付着する含有形態を採ることができる。
【0041】
一方、ヨウ素複合体は、例えばヨウ素、ヨウ化ナトリウムまたはヨウ化カリウムなどの三ヨウ化物(ヨージド)を、ポリエーテルグリコール類、ポリアクリル酸類、ポリアミド類、ポリオキシアルキレン類、澱粉類、ポリビニルピロリドンおよびポリビニルアルコールなどのヨウ素担体に担持、吸蔵させて複合化したヨードホール、あるいは上記ヨードホールをゲスト分子として、これをα−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、またはサイクロシクロデキストリンなどのシクロデキストリン、ゼラチン、乳糖、カルボキシメチルセルロース、アラビアゴムなどの1種若しくは2種以上の混合物からなるホスト分子に包接させたヨウ素包接体から構成されるものである。
【0042】
このヨウ素包接体は、ホスト分子とゲスト分子とが99:1〜50:50の重量比で存在するように包接させたものが、十分な抗菌効果および熱的安定性を有する点で好ましい。また、上記ヨウ素包接体の中でも、シクロデキストリンをホスト分子としてヨードホールを包接したヨウ素包接体は、ヨウ素保持性に優れ、かつ熱的安定性および分散性に優れる点から好ましい。
【0043】
上記ヨウ素複合体の有効ヨウ素量としては、十分な抗菌性を発揮できるという観点から、少なくとも5%、好ましくは5〜20%の範囲が望ましい。
【0044】
尚、いずれの種類のヨウ素複合体を用いるかは、要求される性能の強弱および持続時間(例えば有効ヨウ素量、ヨウ素の単位時間あたりの放出量など)、製造時の温度や圧力、使用環境などを考慮して適宜決定するとよい。
【0045】
このヨウ素複合体は、マット11、21の繊維表皮層12、22、バッキング層13、23、接着剤層14、24を構成するベース樹脂100重量部に対し0.1〜30重量部の割合で含まれているのが望ましく、より好ましくは1〜25重量部、最適には5〜25重量部である。ヨウ素複合体の含有量が0.1重量部を下回るとき、十分な性能が得られない恐れがあり、含有量が30重量部を越える場合には、効果が強すぎたり、樹脂に均一に分散しなかったり、該ヨウ素複合体を含むマット11、21の繊維表皮層12、22、バッキング層13、23、接着剤層14、24の機械的強度の低下を招いたりするなどの弊害を生じる恐れがある。
【0046】
アレルゲン低減フィラーは、花粉やダニの死骸などのアレルゲンを分解したり吸着したりしてアレルゲン量を低減するものであり、具体的には下記式に示す金属フタロシアニン化合物又はその誘導体(式中の金属Mは、Fe、Co、Mn、Ti、V、Ni、Cu、Zn、Mo、W、Osから選択される金属である。)、テルペン炭化水素、テルペンアルコール、テルペンアルデヒド、テルペンケトンなどのテルペノイド類、ベントナイト、モンモリロナイト、ハイデライト、ヘクトライト、雲母、タルクなどの粘土鉱物から選ばれる1種若しくは2種以上を挙げることができる。
【0047】
【化2】

【0048】
アレルゲン低減フィラーの含有量としては特に限定されず、本発明のマット、車両用内装材及び車両の座席表装材が適用される用途や使用形態に合わせて適宜決定して使用すれば良い。
【0049】
アレルゲン低減フィラーは、アクリル樹脂エマルジョン、変性アクリル樹脂エマルジョン、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョンから選ばれるエマルジョン、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリルニトリル−ブタジエンゴムラテックス及びクロロプレンゴムラテックスから選ばれるラテックス、或いはアクリル樹脂、アクリルスチレン樹脂、ウレタン樹脂及びエポキシ樹脂から選ばれる溶剤の中から選ばれるいずれか1種若しくは2種以上の接着成分を介して繊維表皮層やバッキング層(バッキング層が連続気泡型発泡樹脂シートの場合は、その微細な多孔内)に付着する含有形態を採ることができる。
【0050】
次に、これら有機減衰性フィラーや放射線低減フィラー(●印)およびヨウ素複合体やアレルゲン低減フィラー(△印)から選択される1種もしくは2種以上を含む繊維表皮層12、22、バッキング層13、23、接着剤層14、24について説明する。図1および図2に示すように、繊維表皮層12、22は、パイル糸打ち込み用基布15、25と、前記基布15、25に打ち込まれたパイル糸16、26とからなる。基布15、25としては、例えばポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン系繊維、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系繊維、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド系繊維、ポリアクリロニトリルなどのアクリル系繊維、或いはポリビニルアルコール系繊維といった合成繊維、レーヨン繊維などの再生繊維、アセテート繊維などの半合成繊維、綿や麻などの植物繊維、羊毛繊維や羽毛繊維などの動物性繊維から選ばれる1種若しくは2種以上を構成繊維とする不織布、織物、編物、紙、フェルトあるいはこれらの1種若しくは2種以上を組み合わせた複合体を挙げることができる。図1および図2に示す形態では、基布15、25としてポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等のオレフィン系繊維を構成繊維とする不織布を採用した。尚、基布15、25の素材や構造は特に限定されず、当該マットの用途や使用状態を考慮して適宜決定すればよい。
【0051】
この基布15、25は、上記有機減衰性フィラーや放射線低減フィラー(●印)およびヨウ素複合体やアレルゲン低減フィラー(△印)を含む形態を採ることができ、この場合、基布15、25は、α線やβ線、γ線やX線などの放射線、電磁波、振動、音、衝撃などのエネルギーを効果的に低減することができ、かつ優れた抗菌性、抗ウイルス性、抗アレルゲン性、消臭性を有する基布となる。その含有形態は任意であり、基布15、25の構成繊維として、構成繊維を接着するバインダーとして、あるいは該基布15、25に塗布または含浸される樹脂として含ませることができる。
【0052】
また、基材15、25は導電性繊維18、28を含む形態を採ることができる。導電性繊維18、28を含む基布15、25の形態としては、基布15、25の構成繊維の一部として含む形態と、基布15、25の裏面側に積層一体化させた静電気を空中放電させる機能を持つ放電紙17、27の形態を挙げることができる。導電性繊維18、28としては、ステンレススチールファイバーやアルミニウムファイバーなどの金属繊維、電気メッキや無電解メッキなど従来公知のメッキ処理方法により銀や銅などの金属皮膜をポリエチレン、ポリプロピレンなどの合成繊維表面に形成した金属繊維、金属粉や導電性化合物粉を混合した繊維、カーボン繊維、あるいは上記繊維を混用した繊維などが好適に使用できる。
【0053】
基布15、25の構成繊維の一部として導電性繊維18、28を含む形態とした場合、基布15、25の電気容量は増加し、人体に帯電した静電気を導きやすくし、かつ該導電性繊維18、28がその静電気を空中放電するようになる。特に基布15、25に含まれる導電性繊維18、28として銀や銅などの金属を用いた金属繊維を用いた場合には、金属繊維から放出される銀や銅などの金属イオンにより、優れた静電気除去機能が発揮されると共に、抗菌効果をより一層高めることになる。
【0054】
一方、放電紙の形態としては、例えば図1および図2に示す放電紙17、27は、カーボン繊維などの導電性繊維に、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等の合成繊維、さらに木材パルプ及び繊維状の熱可塑性バインダー(例えばポリビニルアルコール)を所定の比率で混合し、この混合物を叩解機を通して更に細断して均一な混合物とした後、湿式抄紙法によって製造されたものを挙げることができ、その紙表面には前記導電性繊維の一部が垂直方向或いは斜め方向に不規則に突出し、この突出部がアンテナのように作用して静電気が空中放電するようになっている。
【0055】
またこの基布15、25は、下記化学式に示す金属フタロシアニン化合物またはそれらの誘導体を含む形態を採ることもできる。尚、式中の金属Mは、Fe、Co、Mn、Ti、V、Ni、Cu、Zn、Mo、W、Osから選択される金属)である。
【化3】

【0056】
基布15、25がフタロシアニン化合物またはそれらの誘導体を含む形態としては、例えば基布の構成繊維としてフタロシアニン化合物またはそれらの誘導体を担持した合成繊維、半合成繊維、又は天然繊維を混紡したものが挙げられる。フタロシアニン化合物またはそれらの誘導体は、消臭、抗アレルギー機能に優れており、該基布15、25がフタロシアニン化合物またはそれらの誘導体を含むことで、得られるマット11は、上記ヨウ素複合体による抗菌効果にフタロシアニン化合物またはそれらの誘導体による抗菌効果が加わり、より一層優れた抗菌、消臭、抗アレルギー機能を持つことになる。さらに、基布15、26中に導電性繊維18、28として銀や銅などの金属を用いた金属繊維を併用した場合には、ヨウ素複合体、フタロシアニン化合物またはそれらの誘導体並びに金属繊維から放出される銀や銅などの金属イオンによるトリプル効果により、優れた抗菌効果を有する基布となる。
【0057】
上記基布15、25に打ち込まれたパイル糸16、26としては、例えばポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン系繊維、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系繊維、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド系繊維、ポリアクリロニトリルなどのアクリル系繊維、或いはポリビニルアルコール系繊維などの合成繊維、レーヨン繊維などの再生繊維、アセテート繊維などの半合成繊維、綿や麻などの植物繊維、羊毛繊維や羽毛繊維などの動物性繊維を単独で、若しくは複数種組み合わせて混紡し、撚糸して所定の太さ(例えば1800〜4000デシテックス程度)にした糸からなるものを挙げることができる。パイル糸16、26の素材として、ポリアミド系繊維など、極性ポリマーからなるものを採用した場合、該極性ポリマー自体が電磁波などのエネルギー減衰性に優れるため、より好ましい。このパイル糸16、26が基材15、25に所定のボリューム(例えば1インチ間に5〜10本の割合)となるようにタフトされて繊維表皮層12、22が構成されているのである。
【0058】
パイル糸16、26は、上記有機減衰性フィラーや放射線低減フィラー(●印)およびヨウ素複合体やアレルゲン低減フィラー(△印)を含む形態を採ることができ、この場合、パイル糸16、26は、α線やβ線、γ線やX線などの放射線、電磁波、振動、音、衝撃などのエネルギーを効果的に低減することができ、かつ優れた抗菌性、抗ウイルス性、抗アレルゲン性、消臭性を有するものとなる。その含有形態は任意であり、パイル糸16、26を構成する繊維として、あるいは該パイル糸16、26に塗布または含浸される樹脂として含ませることができる。
【0059】
また、このパイル糸16、26は上記基布15、25と同じく導電性繊維18、28を含む形態を採ることができる。この場合、パイル糸16、26に含まれる導電性繊維18、28が人体に帯電した静電気を導きやすくし、かつ該導電性繊維18がその静電気を空中放電するようになる。特にパイル糸16、26に含まれる導電性繊維18、28として銀や銅などの金属を用いた金属繊維を用いた場合には、金属繊維から放出される銀や銅などの金属イオンにより、優れた静電気除去機能が発揮されると共に、抗菌効果をより一層高めることになる。
【0060】
図1及び図2に示すマット11、21では、繊維表皮層12、22の裏面にパイル糸16、26の抜け止めとともに、バッキング層13や接着剤層24との馴染みを良くすることを目的として、プレコート30、40が施されている。このプレコート30、40には、例えばスチレンーブタンジエンースチレン共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、アクリルニトリルーブタジエン系共重合体、ウレタン樹脂等の高分子、スチレンーブタンジエンゴム、アクリルニトリルーブタンジエンゴム、ブタンジエンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム等のゴム系高分子、またはこれらを複数種混合したものなどの樹脂を用いることができる。このプレコート30、40は、例えば前記樹脂をエマルジョン形態として繊維表皮層12、22の裏面にスプレー散布するなどの方法で形成することができる。本発明のマットは、このプレコート30、40中に上記有機減衰性フィラーや放射線低減フィラー(●印)およびヨウ素複合体やアレルゲン低減フィラー(△印)を含む形態を採ることができる。この場合、プレコート30、40は、α線やβ線、γ線やX線などの放射線、電磁波、振動、音、衝撃などのエネルギーを効果的に低減することができ、かつ優れた抗菌性、抗ウイルス性、抗アレルゲン性、消臭性を有するものとなる。
【0061】
図1および図2に示すバッキング層13、23は、上記有機減衰性フィラーや放射線低減フィラー(●印)およびヨウ素複合体やアレルゲン低減フィラー(△印)を含む形態を採ることができる。この場合、バッキング層13、23は、α線やβ線、γ線やX線などの放射線、電磁波、振動、音、衝撃などのエネルギーを効果的に低減することができ、かつ優れた抗菌性、抗ウイルス性、抗アレルゲン性、消臭性を有するものとなる。
【0062】
図1に示すバッキング層13は樹脂シートからなるものである。このバッキング層を構成する樹脂としては、例えばスチレンーブタンジエンースチレン共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、アクリルニトリルーブタジエン系共重合体、ウレタン樹脂等の高分子、スチレンーブタンジエンゴム、アクリルニトリルーブタンジエンゴム、ブタンジエンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム等のゴム系高分子、またはこれらを複数種混合したものなどを例示することができる。また、上記樹脂には必要に応じて充填剤、発泡剤、増粘剤、分散剤を加えてもよい。
【0063】
充填剤としては、例えば、ポリアクリル酸ソーダ、カルボキシメチルセルロース、タルク、水酸化アルミニウム、酸化アンチモンなどが例示できる。発泡剤としては、例えば脂肪酸石けん、アルキルアリルスルホン酸ナトリウム、高級アルコール硫酸エステルナトリウム、Nーオクタデシルスルホコハク酸モノアミドジナトリウムなどが挙げられる。増粘剤としては、例えばポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルアルコール、カゼイン、発酵多糖類などが挙げられるが、好ましくは低分子量のポリアクリル酸ソーダである。分散剤としては、例えばトリポリリン酸ソーダ、ヘキサメタリン酸ソーダなどが例示できる。
【0064】
またバッキング層13は、1〜30倍の発泡倍率で発泡された発泡樹脂構造を有し、その表面には無数の孔が開口していると共に、短繊維を含んでおり、硬度が10〜40度である形態を採ることができる。このような構造を採ることにより該バッキング層13は粘性を生じることになり、床面との間における摩擦係数が飛躍的に増大し、ズレが生じ難く、しかも軽量という効果を得ることができる。また短繊維を含む発泡樹脂からなることから、該マット11に加わる外力によっても容易に破損しない強度を備えることになる。
【0065】
また、図1に示すマット11のバッキング層13の硬度を10〜40度の柔らかさとすることで、該マット11の位置が仮に前方にズレが生じて、アクセルペダルやブレーキペダルに引っ掛かったとしても、該マットの先端が簡単に折れ曲がり、アクセルペダルやブレーキペダルから速やかに外れるにようになり、該マットがアクセルペダルやブレーキペダルに干渉し、そのペダル操作に影響を及ぼすおそれがないという効果を奏することになる。バッキング層13の硬度が上記範囲外の場合、フロアマットに加わる外力に十分に対抗できる強度と、該マットがずれてもペダルに干渉しない程度の柔らかさを得ることができなくなる。
【0066】
バッキング層13の発泡倍率は、1倍を下回る場合、床面との間における摩擦係数を飛躍的に増大させると共に軽量化する十分な効果を得ることができず、30倍を超える場合には、脆くなり、マットに加わる外力に十分に対抗できなくなる恐れがある。
【0067】
この形態の場合、バッキング層13中に短繊維が含ませることで、該バッキング層13の硬度が10〜40度に調整されている。バンキング層13に含まれる短繊維としては、例えば、ポリアミド繊維、ビニロン繊維、ビニリデン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリクラール繊維などの合成繊維、レーヨン繊維などの再生繊維、アセテート繊維などの半合成繊維、綿や麻などの植物繊維、羊毛繊維や羽毛繊維などの動物性繊維、金属繊維、カーボン繊維、ガラス繊維、セラミック繊維の中からいずれか1種若しくは2種以上を挙げることができる。短繊維がバッキング層中に混入することにより、硬度が調整されるほか、発泡樹脂層内には無数の空間が形成されることから、より吸音性が高くなる。尚、バッキング層に含まれる短繊維の繊維径、繊維長としては特に限定されないが、バッキング層を構成する樹脂中に均一に分散できるという点から、繊維径としては10デシテックス以下、好ましくは5デシテックス以下、最適には5デシテックス以下であり、繊維長は1mm以下、好ましくは0.1mm以下、最適には0.01mm以下である。
【0068】
またバッキング層13中には、例えばジビニルベンゼン、ジメタクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、トリアクリルホルマール、トリメタクリル酸トリメチロールプロパン、メタクリル酸アリル、ジメタクリル酸1, 3−ブチルグリコール、トリアリルイソシアネート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレートなどの架橋剤が含む形態を採ることもできる。これにより該バッキング層13の発泡樹脂構造のさらなる強化を図ることができる。
【0069】
架橋剤の含有量は限定されないが、ベース樹脂100質量部に対して0.1〜2質量部が好ましく、0.1〜1.5質量部がより好ましい。
【0070】
このバッキング層13は、その表裏を貫通する貫通孔19を有しており、その裏面側にはズレ防止用の係止突起20が設けられている。係止突起20としては特に限定されないが、例えば図3〜図25に示すように、バッキング層13の裏面側の多数のズレ防止用の係止突起20の周面に係止力が無い部分又は係止力が他の部分に比べて小さい部分を形成し、これら各係止突起20の係止力が無い部分又は係止力が他の部分に比べて小さい部分が一定方向に向くようにすることができる。例えばこのような形態のマットを自動車の床面に敷設するフロアマットに適用する場合、自動車の進行方向とは逆の方向に各係止突起20の係止力が無い部分又は係止力が他の部分に比べて小さい部分が向くように設けると、自動車の進行方向には係止突起の係止力が働くので、運転中の運転者や乗員によって自動車の進行方法に荷重が加わっても、その力に対抗し、各係止突起が該マットのズレを効果的に抑制することになる。
【0071】
一方、自動車の進行方向とは逆の方向には、各係止突起20の係止力が無い部分又は係止力が他の部分に比べて小さい部分が向いているので、各係止突起の係止力は働かず、マットの取り外しや位置調節をスムーズに行うことができる。
【0072】
図3〜図6に示す係止突起20は、略円錐状をなし、その周面の一部が該係止突起の頂部から底部にかけて切り欠かれており、この切欠部20aによって係止力がない部分が構成されている。図3及び図6に示す形態は、本発明のマット11を自動車のフロアマットに適用した例を示しており、バッキング層13裏面の各係止突起20は、その係止力がない切欠部20aが、該マット11を自動車床面に敷設したとき、自動車のリア側方向に向くように配されている。このため、運転中に運転者または乗員によって自動車の進行方向(フロント側方向)に荷重が加わったときには、各係止突起20が自動車床面のカーペット内部に入り込んでこれを係止し、該マットのズレを確実に防止するようになっている。
【0073】
一方、このマットを床面上の所定の位置に敷設しようとする場合、該マットをリア側方向に引っ張るときには、各係止突起20の周面に形成された係止力がない切欠部20aがリア側方向に向いて配されていることから、該マットは、スムーズに位置調節ができるようになっている。
【0074】
図7〜図10に示す形態では、バッキング層13の裏面に略円錐状をなす多数の係止突起20が形成されており、その周面の一部が該係止突起のほぼ中央部から底部にかけて切り欠かれており、この切欠部20aが他の部分に比べて高さが低く、その分だけ係止力が小さく構成されている。
【0075】
図11〜図13に示す形態では、バッキング層13の裏面に星形の錐状をなす多数の係止突起20が形成されており、その周面の一部が該係止突起の頂部から底部にかけて切り欠かれており、この切欠部20aによって係止力がない部分が構成されている。
【0076】
図14〜図17に示す形態では、バッキング層13の裏面に星形の錐状をなす多数の係止突起20が形成されており、その周面の一部が該係止突起のほぼ中央部から底部にかけて切り欠かれており、この切欠部20aが他の部分に比べて高さが低く、その分だけ係止力が小さく構成されている。
【0077】
図18〜図21に示す形態は、バッキング層13の裏面側に多数の係止突起20を設けたものであって、各係止突起20周面に複数の係止片20bを形成したものである。図18〜図21に示す形態は、係止突起20の周面の一部に係止片20bがない部分が形成されており、この部分によって係止力がない部分が構成されている。
【0078】
図22〜図25に示す形態は、バッキング層13の各係止突起20の周面には多数の係止片20bが形成されており、該係止突起20周面の一部には係止片20bに比べて高さが低い係止片20cが形成されており、この切欠片20cが他の部分に比べて高さが低く、その分だけ係止力が小さく構成されている。
【0079】
図2に示すマット21におけるバッキング層23は、例えばポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン系繊維、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系繊維、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド系繊維、ポリアクリロニトリルなどのアクリル系繊維、或いはポリビニルアルコール系繊維などの合成繊維、レーヨン繊維などの再生繊維、アセテート繊維などの半合成繊維、綿や麻などの植物繊維、羊毛繊維や羽毛繊維などの動物性繊維、金属繊維、カーボン繊維、ガラス繊維、セラミック繊維の中から選ばれる1種若しくは2種以上を構成繊維とするフェルト、織物、編物、不織布或いはこれらの複合物からなる繊維シートである。
【0080】
このバッキング層23の裏面側にはズレ防止用の裏張り材29が取り付けられている。裏張り材29としては特に限定されないが、モノフィラメントで構成されたループ状パイル糸を用いて編成又は織成されたパイル編成物又はパイル織成物からなり、前記ループ状パイル糸はカットされ、そのカット端が床面を係止する係止部として突出しているものを挙げることができる。例えば図2に示す裏張り材29は、表面と裏面とを有する経編み緯糸挿入編物(図示しない)の前記表面と裏面とを接続するループ状経糸をカットした編物であって、前記縦糸のカット端29aが係止部として突出してズレ防止機能が発揮されるようにしたものである。
【0081】
また裏張り材29は、そのカット端が床面を係止する係止部として一方向に傾斜して突出している形態を採ることもできる。例えば図26及び図27に示す例では、2本のモノフィラメントを地糸で構成されるベース編地に菱形状に編み込んでループ状パイル糸50が形成されており、そのループ状パイル糸50の先端をカットすることで、2本のカット端50aが編成方向に傾斜すると共に各カット端50aが略V字状に開いた状態になっている。尚、カット端50aを確実に一定方向に傾斜させるため、先端をカットしたループ状パイル糸を有するパイル編成物又はパイル織成物(先端をカットしていないループ状パイル糸を有するパイル編成物又はパイル織成物でもよい)をそのカット端(ループ状パイル糸)を下側にして熱板上に置き、上方から斜め後方に押圧しながら熱処理することで、前記カット端(ループ状パイル糸)を一定方向に傾斜させると共にその形状を固定することもできる。
【0082】
図26及び図27に示すマット21の裏張り材29は、ループ状パイル糸50のカット端50aが一方向にのみ傾斜している。このため、例えばこのマット21を自動車のフロアマットとして用いる場合、ループ状パイル糸50のカット端50aが自動車のフロント側方向に向かって傾斜して突出するように裏張り材29をマット21に取り付けたならば、図28に示すように、運転中、運転者や乗員によって自動車の進行方法に荷重が加わっても、ループ状パイル糸50のカット端50aが自動車床面(カーペット)内に入り込んで係止部として作用するので、マット21のズレが確実に防止されるようになる。また、逆の方向(自動車のリア側方向)には、カット端50aが自動車床面(カーペット)内に入り込むことはなく、係止部として作用しないため、マットの取り外しや位置調節をスムーズに行うことができる。
【0083】
また、別の形態としては、図29に示すように、ループ状パイル糸のカット端が床面を係止する係止部として一方向に傾斜して突出している裏張り材であって、ループ状パイル糸の密度が細かい裏張り材29aと密度が粗い裏張り材29bを用意し、この2種類の裏張り材29a、29bをマットの裏面に取り付けることもできる。例えば自動車のフロアマットに適用する場合、マットのフロント側に密度が細かい裏張り材29aを取り付け、リア側に密度が粗い裏張り材29bを取り付けるのである。このマットを床面(カーペット)上に敷設した時、運転中、運転者や乗員によってマットのフロント側には大きな荷重が加わるが、ループ状パイル糸の密度が細かい裏張り材29aは密度が大きい分だけ係止力も大きく、その大きな荷重に対抗することができる。一方、リア側のループ状パイル糸の密度が粗い裏張り材29bは密度が小さい分だけ係止力も小さいので、マットの位置調整はよりスムーズに行うことができる。
【0084】
また、図1及び図2に示すように、上記繊維表皮層12、22(基布15、25)とバッキング層13、23とは接着剤層14、24を介して接着されている。この接着剤層14、24はホットメルト樹脂からなる。ホットメルト樹脂としては、ポリアミド系ホットメルト樹脂、ポリスチレン系ホットメルト樹脂、ポリエチレン系ホットメルト樹脂、EVA系ホットメルト樹脂などを好適に使用できる。ホットメルト樹脂は、蜘蛛の巣状のフィルム形態として前記繊維表皮層12、22(基布15、25)とバッキング層13、23との間に介在させることができる。また、エマルジョン形態で両者間に付与することもできる。尚、図1に示すマット11の場合、半溶融状態のバッキング層13を繊維表皮層12に熱圧着させることで、バッキング増13の一部を繊維表皮層12中に浸透させて固化させることで接着剤層を省くこともできる。
【0085】
この接着剤層14、24は、上記有機減衰性フィラーや放射線低減フィラー(●印)およびヨウ素複合体やアレルゲン低減フィラー(△印)を含む形態を採ることができる。この場合、接着剤層14、24は、α線やβ線、γ線やX線などの放射線、電磁波、振動、音、衝撃などのエネルギーを効果的に低減することができ、かつ優れた抗菌性、抗ウイルス性、抗アレルゲン性、消臭性を有するものとなる。
【0086】
尚、本発明の範囲は、「請求の範囲」に定義されたとおりのものであり、例えば繊維表皮層とバッキング層とからなる車両用内装材に代えて、プラスチック板、プラスチックフォーム、熱硬化性樹脂性フェルト或いはこれらの複合物からなる車両用内装材として、これらの構成素材中に有機減衰性フィラーや放射線低減フィラーおよびヨウ素複合体やアレルゲン低減フィラーを含ませたり、繊維表皮層とバッキング層とからなる車両の座席表装材に代えて発泡樹脂シートや織物、或いはこれらの複合物からなる座席表装材を用い、この座席表装材に中に有機減衰性フィラーや放射線低減フィラーおよびヨウ素複合体やアレルゲン低減フィラーを含ませるなど、特許請求の範囲に含まれる全ての変更、形態を採ることができる。
【実施例】
【0087】
図1に示すマット11であって、金属フタロシアニン化合物またはそれらの誘導体と銀メッキした導電性繊維とを含有する不織布からなるパイル糸打ち込み用基布15と、前記パイル打ち込み用基布15からなる繊維表皮層12を備え、前記パイル打ち込み用基布15には銀繊維18を含むパイル糸16が打ち込まれている。
【0088】
また、繊維表皮層12の裏面側には有機減衰性フィラー(●印)およびヨウ素複合体(△印)を含むプレコート14が施されており、プレコート14を介して繊維表皮層12の裏面側にはスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体をベースとし、麻の短繊維を含む連続気泡構造を有する発泡樹脂シートからなるバッキング層13が形成されたものである。またこのバッキング層13には、多数の貫通孔19とズレ防止用の突起20が形成されている。また、繊維表皮層12には放射線低減フィラー(●印)及びアレルゲン低減フィラー(△印)が含まれている。
【0089】
上記マットについて電磁波減衰特性を評価した。電磁波減衰特性の評価は、スペクトラムアナライザ(R3132、アドバンテスト社製)を用い、KEC法(近傍電界、近傍磁界(MA8602B、アンリツ社製)により、1MHz〜1GHzの周波数領域における電磁波減衰特性(dB)を測定することにより行った。その結果を図30に示す。尚、比較のため、ブランクのマット(金属フタロシアニン化合物またはそれらの誘導体及び銀メッキした導電性繊維を含まない不織布からなるパイル糸打ち込み用基布に銀繊維を含まないパイル糸を所定のボリュームに打ち込んだ繊維表皮層を用い、この繊維表皮層の裏面側に有機減衰性フィラー(●印)およびヨウ素複合体(△印)を含まないプレコートを施し、この裏側に同様に発泡樹脂シートからなるバッキング層を形成したもの)についても、同じく電磁波減衰特性(dB)を測定し、その電磁波減衰特性を評価した。
【0090】
図30のグラフから、ブランクのマットについて、1MHz〜1GHzの周波数領域における電磁波の減衰が確認されなかったのに対し、実施例に係るマットにあっては、人体に吸収されやすいとされる30〜300MHzの周波数領域のうち評価した1MHz〜300MHzの周波数領域における電磁波が90〜99.7%という割合で吸収された。また、発がん性への影響、電子機器が誤作動を生じやすいとされる1GHzの周波数における電磁波についても90%という吸収率を示し、実施例に係るマットが電磁波減衰特性に優れていることが確認された。
【0091】
また実施例に係るマットについて抗菌効果を評価した。抗菌効果は、図2に示すマットとブランクのマットとについて、黄色ぶどう球菌、肺炎球菌並びにMRSAをそれぞれ含む菌液に浸けて接種し、接種直後並びに18時間培養後の生菌数を拾うことで評価した。また図2に示すマットについては、5回洗濯した後の抗菌効果も評価した。図2に示すマット及びブランクのマットについての黄色ぶどう球菌、肺炎球菌並びにMRSAに対するそれぞれの抗菌効果を下記表1〜3に示す。
【0092】
【表1】

【0093】
【表2】

【0094】
【表3】

【0095】
表1〜表3から、ブランクのマットについての黄色ぶどう球菌、肺炎球菌並びにMRSAに対する18時間培養後の菌数(実数)が、それぞれ12,589,254、31,622,777並びに12,589,254となっているのに対し、実施例に係るマットの場合、18時間培養後の菌数(実数)は、それぞれ20以下、20以下、並びに32、洗濯5回後の18時間培養後の菌数(実数)は、いずれも20以下となっており、優れた抗菌効果を有することが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明は、健康で健やかな生活環境の保持に大きく寄与することができ、特にはα線やβ線、γ線やX線などの放射線や電磁波、振動、音、衝撃、放射線などのエネルギーを効果的に低減することができ、かつ優れた抗菌性、抗ウイルス性、抗アレルゲン性、消臭性を有するマット、車両用内装材及び車両の座席表装材を提案するものであり、具体的には室内に敷設されるカーペット、コンピュータのオペレーション用チェアマット、部屋の出入り口に敷設される床面用マット、玄関マット、エレベータ内やエレベータホールの開閉扉前に敷設される床面用マット、自動車や電車、飛行機などの室内に敷設される床マットなどのマット、ファーストカーペット、天井材、リアパッケージトレイ、ドアトリム、フロアインシュレータ、トランクトリム、ダッシュインシュレータなどの車両用内装材及び車両の座席表装材を挙げることができる。特には、電磁波の影響、例えば車載されている計器類の誤作動や健康被害への対策が求められるハイブリッド車やEV車の車室内に敷設される床マット、車両用内装材及び車両の座席表装材に好適に使用することができる。
【符号の説明】
【0097】
12、22・・・繊維表皮層
13、23・・・バッキング層
14、24・・・接着剤層
15、25・・・基布
16、26・・・パイル糸
18、28・・・導電性繊維

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機減衰性フィラー、ヨウ素複合体、放射線低減フィラー及びアレルゲン低減フィラーから選択される1種若しくは2種以上が含まれていることを特徴とするマット、車両用内装材及び車両の座席表装材。
【請求項2】
繊維表皮層の裏面側にバッキング層を形成したマット、車両用内装材及び車両の座席表装材であって、前記繊維表皮層及びバッキング層の少なくとも1つに、有機減衰性フィラー、ヨウ素複合体、放射線低減フィラー及びアレルゲン低減フィラーから選択される1種若しくは2種以上が含まれていることを特徴とする請求項1に記載のマット、車両用内装材及び車両の座席表装材。
【請求項3】
繊維表皮層が、パイル糸打ち込み用基布と、前記基布に打ち込まれたパイル糸とからなり、前記基布及びパイル糸の少なくとも一方に、有機減衰性フィラー、ヨウ素複合体、放射線低減フィラー及びアレルゲン低減フィラーから選択される1種もしくは2種以上が含まれていることを特徴とする請求項2に記載のマット、車両用内装材及び車両の座席表装材。
【請求項4】
繊維表皮層が、パイル糸打ち込み用基布と、前記基布に打ち込まれたパイル糸と、前記パイル打ち込み用基布の裏面側に積層される静電気を空中放電させる導電性繊維を含む放電シートとからなり、前記パイル打ち込み用基布と放電シートとにパイル糸が打ち込まれており、前記基布、パイル糸及び放電シートの少なくとも一方に、有機減衰性フィラー、ヨウ素複合体、放射線低減フィラー及びアレルゲン低減フィラーから選択される1種もしくは2種以上が含まれていることを特徴とする請求項2に記載のマット、車両用内装材及び車両の座席表装材。
【請求項5】
パイル糸打ち込み用基布が金属フタロシアニン化合物またはそれらの誘導体を含有する不織布からなることを特徴とする請求項3に記載のマット、車両用内装材及び車両の座席表装材。
【請求項6】
パイル糸打ち込み用基布が金属メッキした導電性繊維を含有する不織布からなることを特徴とする請求項3記載のマット、車両用内装材及び車両の座席表装材。
【請求項7】
パイル糸打ち込み用基布が金属フタロシアニン化合物またはそれらの誘導体を含有する不織布からなることを特徴とする請求項4記載のマット、車両用内装材及び車両の座席表装材。
【請求項8】
パイル糸打ち込み用基布が金属メッキした導電性繊維を含有する不織布からなることを特徴とする請求項4記載のマット、車両用内装材及び車両の座席表装材。
【請求項9】
パイル糸打ち込み用基布の裏面側にプレコートが施されており、前記プレコート中に有機減衰性フィラー、ヨウ素複合体、放射線低減フィラー及びアレルゲン低減フィラーから選択される1種もしくは2種以上が含まれていることを特徴とする請求項3に記載のマット、車両用内装材及び車両の座席表装材。
【請求項10】
パイル糸打ち込み用基布の裏面側にプレコートが施されており、前記プレコート中に有機減衰性フィラー、ヨウ素複合体、放射線低減フィラー及びアレルゲン低減フィラーから選択される1種もしくは2種以上が含まれていることを特徴とする請求項3に記載のマット、車両用内装材及び車両の座席表装材。
【請求項11】
パイル糸が金属メッキした導電性繊維を含有することを特徴とする請求項9に記載のマット、車両用内装材及び車両の座席表装材。
【請求項12】
パイル糸が金属メッキした導電性繊維を含有することを特徴とする請求項10に記載のマット、車両用内装材及び車両の座席表装材。
【請求項13】
バッキング層が樹脂シートからなり、該樹脂シート中に有機減衰性フィラー、ヨウ素複合体、放射線低減フィラー及びアレルゲン低減フィラーから選択される1種もしくは2種以上が含まれていることを特徴とする請求項2に記載のマット、車両用内装材及び車両の座席表装材。
【請求項14】
バッキング層が1〜30倍の発泡倍率で発泡された発泡樹脂構造を有し、その表面には無数の孔が開口していると共に、短繊維を含んでおり、硬度が10〜40度であることを特徴とする請求項13に記載のマット、車両用内装材及び車両の座席表装材。
【請求項15】
バッキング層中に含まれる短繊維が、ポリアミド繊維、ビニロン繊維、ビニリデン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリクラール繊維、レーヨン繊維、アセテート繊維、綿、麻、羊毛繊維及び羽毛繊維の繊維群の中からいずれか1種若しくは2種以上であることを特徴とする請求項14に記載のマット、車両用内装材及び車両の座席表装材。
【請求項16】
バッキング層の裏面側には多数のズレ防止用の係止突起が設けられており、前記各係止突起の周面には、係止力が無い部分又は係止力が他の部分に比べて小さい部分が形成されており、前記各係止突起の係止力が無い部分又は係止力が他の部分に比べて小さい部分が一定方向に向いて形成されていることを特徴とする請求項13に記載のマット、車両用内装材及び車両の座席表装材。
【請求項17】
バッキング層の裏面側には多数のズレ防止用の係止突起が設けられており、前記各係止突起の周面には、係止力が無い部分又は係止力が他の部分に比べて小さい部分が形成されており、前記各係止突起の係止力が無い部分又は係止力が他の部分に比べて小さい部分が一定方向に向いて形成されていることを特徴とする請求項14に記載のマット、車両用内装材及び車両の座席表装材。
【請求項18】
バッキング層がフェルト、織物、編物、不織布或いはこれらの複合物からなる繊維シートからなり、該繊維シート中に有機減衰性フィラー、ヨウ素複合体、放射線低減フィラー及びアレルゲン低減フィラーから選択される1種もしくは2種以上が含まれていることを特徴とする請求項2に記載のマット、車両用内装材及び車両の座席表装材。
【請求項19】
バッキング層の裏面側にはズレ防止用の裏張り材が取り付けられており、前記裏張り材は、モノフィラメントで構成されたループ状パイル糸を用いて編成又は織成されたパイル編成物又はパイル織成物からなり、前記ループ状パイル糸はカットされ、そのカット端が床面を係止する係止部として突出していることを特徴とする請求項18に記載のマット、車両用内装材及び車両の座席表装材。
【請求項20】
バッキング層が繊維表皮層に接着剤層を介して接合されており、前記接着剤層中に有機減衰性フィラー、ヨウ素複合体、放射線低減フィラー及びアレルゲン低減フィラーから選択される1種もしくは2種以上が含まれていることを特徴とする請求項2に記載のマット、車両用内装材及び車両の座席表装材。
【請求項21】
有機減衰性フィラーが、p−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、および4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)から選択される1種もしくは2種以上の化合物からなり、ヨウ素複合体が、ヨウ素を担体に担持、吸蔵させて複合化したヨードホール、あるいは前記ヨードホールをゲスト分子として、これをホスト分子に包接させたヨウ素包接体であり、放射線低減フィラーが、金属フタロシアニン化合物及びその誘導体から選択される有機系フィラー、タングステン、インジウム、セシウム、鉛、水酸化鉛、バリウム、水酸化バリウム、ステアリン酸バリウム、三窒化硼素及びガドリニウム塩から選択される金属系フィラー及びそれらの組合せの中から選ばれる1種若しくは2種以上からなり、アレルゲン低減フィラーが、金属フタロシアニン化合物又はその誘導体、粘土鉱物及びテルペノイド類の中から選ばれる1種若しくは2種以上からなることを特徴とする請求項1〜20のいずれか1項に記載のマット、車両用内装材及び車両の座席表装材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2013−81756(P2013−81756A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−156248(P2012−156248)
【出願日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【出願人】(000149664)株式会社大和 (35)
【出願人】(592083993)株式会社八千代 (34)
【出願人】(592084004)株式会社祥永 (34)
【出願人】(506229970)AS R&D合同会社 (16)
【Fターム(参考)】