説明

マニュアル作成情報管理装置、方法及びプログラム

【課題】マニュアルの作成や改版に関する情報を管理することによりマニュアルの作成や改版を支援することができるマニュアル作成情報管理装置、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】マニュアル作成情報管理装置は、機種のバージョンとタグにより特定されるテキストの内容に関する内容識別子を示す管理用タグが挿入されたマニュアル文書データを読み込み、管理用タグにより特定されるテキストを、管理用タグが示すバージョン及び内容識別子と対応付けたデータテーブルを生成して記憶する。マニュアル作成情報管理装置は、機種毎のデータテーブルを参照して、各データテーブルに含まれる内容識別子をそのデータテーブルに付与されている機種名と対応付けた特徴対応表を生成して記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マニュアル作成情報管理装置、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な製品のマニュアル作成では、同一機種や類似機種のマニュアルデータを用いて、そのマニュアルの中から流用可能な記載を流用し、機種固有の特徴等を記載することが多い。近年、このようなマニュアルの作成や改版を支援するためのシステムが実現されている。
【0003】
例えば特許文献1には、新たなマニュアルを作成するための編集マニュアルを、モデルの仕様情報に基づいて作成するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−277460号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
マニュアル作成や改版においては、マニュアルデータ自体の作成・管理とともに、マニュアル作成や改版に関する種々の情報管理が必要となる。例えば、機種のバージョンやマニュアルの版数、改版履歴等の情報を管理する必要がある。また、モデルチェンジによる複数世代の機種の一つや同一世代の機種であって複数のバリエーションを有するものの一つについてマニュアルの改変が生じた場合に、関連する他の機種についてもマニュアルを改変する必要があり、このための情報の管理も必要である。しかし、特許文献1のようなシステムでは、このようなマニュアル作成や改版に関する情報をシステムで管理することはできなかった。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、マニュアルの作成や改版に関する情報を管理することによりマニュアルの作成や改版を支援することができるマニュアル作成情報管理装置、方法及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、機種のバージョンを示す管理用タグが挿入されたマニュアル文書データを読み込み、前記管理用タグにより特定されるテキストを、前記管理用タグが示すバージョンと対応付けたデータテーブルを生成して記憶することを特徴とするマニュアル作成情報管理装置である。
【0008】
本発明は、機種のバージョンを示す管理用タグが挿入されたマニュアル文書データを読み込み、前記管理用タグにより特定されるテキストを、前記管理用タグが示すバージョンと対応付けたデータテーブルを生成して記憶することを特徴とするマニュアル作成情報管理方法である。
【0009】
本発明は、コンピュータに、機種のバージョンを示す管理用タグが挿入されたマニュアル文書データを読み込み、前記管理用タグにより特定されるテキストを、前記管理用タグが示すバージョンと対応付けたデータテーブルを生成して記憶する処理を実行させることを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、マニュアルの作成や改版に関する情報を管理することによりマニュアルの作成や改版を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は本発明の第1の実施形態に係るマニュアル作成情報管理装置の構成を示す図である。
【図2】図2はデータ一覧表の一例を示す図である。
【図3】図3は版数対応表の一例を示す図である。
【図4】図4は特徴対応表の一例を示す図である。
【図5】図5はタグが挿入されたマニュアルの文書データの一例を示す図である。
【図6】図6はテンプレート作成部により作成されたテンプレートの一例を示す図である。
【図7】図7は第2の実施形態のマニュアル作成情報管理装置により生成されたテンプレートの一例を示す図である。
【図8】図8は第2の実施形態のマニュアル作成情報管理装置が他の機種のマニュアルデータを作成する処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】図9は第2の実施形態における特徴対応表の一例を示す図である。
【図10】図10は第2の実施形態における版数対応表の一例を示す図である。
【図11】図11は第3の実施形態のマニュアル作成情報管理装置が改版履歴を生成する処理を説明するためのフローチャートである。
【図12】図12は第3の実施形態における改版履歴の出力例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0013】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るマニュアル作成情報管理装置の構成を示すブロック図である。このマニュアル作成情報管理装置は、入力装置1と、データ処理装置2と、記憶装置3と、出力装置4と、を備える。入力装置1と記憶装置3と出力装置4はデータ処理装置2に接続されている。
【0014】
入力装置1は、データ処理装置2にデータを入力するためのものであり、例えば、記録媒体に記録されたデータを読み取ってデータ処理装置2に入力する記録媒体読取装置、インターネットやLAN等のネットワークを介してデータを受信してデータ処理装置2に入力する通信制御装置、マウスやキーボード等を含み、ユーザ操作に対応するデータをデータ処理装置2に入力する入力装置と、を含む。
【0015】
データ処理装置2は、タグ読取部21と、変更箇所提示部22と、テンプレート作成部23と、タグ生成部24と、を備える。
【0016】
タグ読取部21は、マニュアルの文書データに挿入されているタグを読み取ることにより、マニュアルの構造を示すデータ一覧表(データテーブル)を生成して、構造記憶部31に記憶する。マニュアルのデータは、例えばXML等のマークアップ言語を用いて構成されてもよい。本実施形態におけるタグは、マニュアルの本文について、対応する機種のバージョンや内容に関する内容識別子を示す管理用タグを含む。
【0017】
変更箇所提示部22は、タグ読取部21により生成され、構造記憶部31に記憶されたデータ一覧表を読み込み、読み込んだデータ一覧表を用いた解析処理を行い、解析処理結果を変更履歴記憶部33に記憶する。
【0018】
テンプレート作成部23は、構造記憶部31に記憶されたデータ一覧表から、マニュアル改変用のテンプレートを作成し、出力装置4に出力する。
【0019】
タグ生成部24は、マニュアルのデータにタグを挿入する。タグの挿入はユーザによる入力操作に応じて行ってもよい。また、タグ生成部24が所定の挿入ルールに従って行ってもよい。
【0020】
記憶装置3は、構造記憶部31と、版数対応記憶部32と、変更履歴記憶部33と、特徴記憶部34と、を備える。
【0021】
構造記憶部31は、マニュアルの構造を示すデータ一覧表のデータを記憶する。データ一覧表では、マニュアル本文のテキストと、対応する機種バージョンと、内容の特徴を識別するための内容識別子(特徴A、特徴B、特徴C)の情報が対応付けられてもよい。データ一覧表の一例を図2に示す。
【0022】
版数対応記憶部32は、機種毎の版数対応表のデータを記憶する。版数対応表では、機種のバージョンとマニュアルの更新日時とマニュアルの版数の情報が対応付けられてもよい。版数対応表の一例を図3に示す。
【0023】
変更履歴記憶部33は、マニュアルの変更履歴表のデータを記憶する。
【0024】
特徴記憶部34は、各機種が対応している特徴を機種毎に示す特徴対応表のデータを記憶する。特徴対応表では、機種名と特徴の識別子が機種毎に対応付けられてもよい。特徴対応表の一例を図4に示す。
【0025】
出力装置4は、ディスプレイ装置やプリンタ等を含み、データ処理装置2からの出力データを表示や印刷等する。
【0026】
次に、本実施形態に係るマニュアル作成情報管理装置の処理動作について説明する。
【0027】
初めに、改版の大本となるマニュアルの文書データを読み込む場面について説明する。
まず、データ処理装置2は、例えば機種XXXXXXについて初版のマニュアル等の文書データを入力装置1を介して読み込む。読み込む方法は任意であり、例えば、記録媒体読取部が記録媒体から読み取った文書データを読み込んでもよい。読み込んだ文書データには、予めタグが挿入されていてもよく、また、タグが挿入されていないテキストデータを読み込み、タグ生成部24がタグを挿入してもよい。タグが挿入されたマニュアルの文書データの一例を図5に示す。
【0028】
図5の例では、501は機種名の表記に対応し、機種名を識別するためのタグに続いて機種名が記載される。502は一段目の見出しに対応する。503は、バージョンと特徴を示すタグ(管理用タグ)である。504は、二段目の見出しに対応する。505は、段落の区切りとしての空行である。506は、注意事項を表記するタグである。507は、特徴Bと関連付けられるVer.3からVer.5まで記載されていた内容である。508は、日付を記載している部分である。例えば、版数対応表における日時はこの部分から取得されてもよい。509は、マニュアル本文の一例である。
【0029】
次に、タグ読取部21は、入力装置1を介して読み込んだマニュアルのデータについて、挿入されているタグを読み取る処理を行う。具体的には、マニュアルデータの初めからデータを読み取っていき、所定のタグを検出した場合には、区切り子”<”、”>”の中の文字列(タグ文字列)と、これに対応するマニュアル本文の文字列を読み取り、所定の格納ルールに従って、構造記憶部31のデータ一覧表において対応する格納領域に格納していく。例えば、バージョンと特徴を示す管理用タグを検出した場合に、当該タグにより囲まれている文字列を、データ一覧表における該当項目に格納するとともに管理用タグが示す内容識別子を該当項目に格納してもよい。
【0030】
図2のデータ一覧表の例でいえば、バージョンと特徴を示す管理用タグにより囲まれた文字列が、マニュアル本文のデータとしてデータ一覧表の項目「内容」201に格納され、その管理用タグにおけるバージョンを表す文字列(Ver.3 - Ver.5等)が、項目「バージョン」202に格納され、その管理用タグにおける”tag:”に続く特徴を示す文字列(特徴A等)が、項目「特徴」203に格納されている。
【0031】
変更箇所提示部22は、版数対応記憶部32の該当する機種名の版数対応表(図3)に、バージョン(図3では”Ver.”)と、日付(例えば、マニュアル本文の日付タグから取得する)と、マニュアルの版数(図3では”Rev.”)と、のデータを格納する。バージョン”Ver.”は、マニュアルに変更を加えるごとにファイルが作成されるため、その変更内容とファイルの関連付けを示す。また、マニュアルの版数は、実際にマニュアルとしてデータ化されるごとに1つ版数を上げる。図3の例では、”
Ver.1”はマニュアル1版に内容が反映されていることが301に示され、” Ver.6”はマニュアル2版に内容が反映されていることが302に示される。
【0032】
また、変更箇所提示部22は、機種XXXXXXが対応する特徴の情報を特徴記憶部34に記憶されている特徴対応表に格納する。例えば、機種XXXXXXのデータ一覧表における「特徴」項目を参照して、「特徴」項目に含まれている各特徴については機種XXXXXXは対応している旨のデータを特徴対応表に格納し、「特徴」項目に含まれない特徴については、機種XXXXXXは対応していない旨のデータを特徴対応表に格納する。
【0033】
つぎに、構造記憶部31に記憶されているマニュアルデータに基づいてマニュアルを改変する場面について説明する。
【0034】
変更箇所提示部22は、テンプレート作成部23と協働してマニュアル改変に関する各種処理を行う。
【0035】
まず、変更箇所提示部22が、構造記憶部31に記憶されているマニュアルデータのうち、最新のバージョンのマニュアルデータを読み出す。
【0036】
テンプレート作成部23は、この最新のマニュアルデータについて、エディタ機能により、マニュアルの本文の追記や削除等の変更を受け付ける。追記されるデータは、例えばタグが挿入されたテキストデータである。テンプレート作成部23は、最新版のマニュアルデータに変更が加えられたデータついて、タグの修正等を行う。具体的には、例えば、指定された新バージョンが”Ver.7”であり、<Ver.3 - Ver.5 tag:特徴B>のタグで囲まれた部分(例えば、図2の307)が追記された場合、図6に例示されるマニュアルデータの607のように、該当部分のタグに”Ver.7”の記載を追加する修正をして<Ver.3 - Ver.5,Ver.7 tag:特徴B>とする。タグ”<Ver.1 - tag:特徴A>”については、新バージョンが含まれるとみなされるので、このままとする。また、<日付>タグにて囲まれているところはユーザに入力を行わせるため、図6に示すように”( )”の形にて表示し、編集した日付の入力を受け付ける。
【0037】
マニュアルの編集が完了した場合、テンプレート作成部23は、編集されたマニュアルデータを構造記憶部31に記憶する。タグ読取部21は、編集されたマニュアルデータについて、データ一覧表を生成して構造記憶部31に記憶する。
【0038】
変更箇所提示部22は、編集されたマニュアルについて機種名が変更されない場合、マニュアルデータの<タイトル 機種名>のタグに続く文字列を機種名として抜き出し、版数対応記憶部32の該当する機種名の版数対応表(図3)に、バージョンと、日付(例えば、マニュアル本文の日付タグから取得する)と、マニュアルの版数と、のデータを格納する。また、変更箇所提示部22は、特徴記憶部34に記憶されている特徴対応表の該当する機種について各特徴に対応するか否かを示すデータを格納する。
【0039】
また、変更箇所提示部22は、特徴記憶部34に記憶されている特徴対応表等を参照し、変更部分に該当する特徴を有する他の機種が存在する場合には、その機種の最新のマニュアルデータを構造記憶部31から読み出し、同様の修正を行う。例えば、機種XXXXXXのマニュアルデータについて、図6の特徴Bの部分に709の本文”機種2と同時起動不可”を追加した場合、変更箇所提示部22は、特徴対応表を参照して特徴Bに対応する他の機種を特定し、特定した機種のマニュアルデータを読み出して、特徴Bのタグにより特定される部分の該当する箇所”機種2と同時起動不可”を追加する修正を行う。また、この修正時に、該当部分のタグのバージョンを新バージョンが含まれるように併せて修正してもよい。
【0040】
以上のように、第1の実施の形態によれば、マニュアルのデータにバージョンや改版に関する情報を示すタグを埋め込み、このタグを用いて各機種のバージョンやマニュアルの改版を管理することができる。また、タグを不可視として出力装置4に出力することにより、そのままマニュアルとして使用することができる。
【0041】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係るマニュアル作成情報管理装置は、ある機種のマニュアルデータを用いて、他の機種のマニュアルデータを作成する機能を備える。第2の実施形態のマニュアル作成情報管理装置は第1の実施形態と同様の構成を有する。以下、第1の実施形態との相違点について説明する。
【0042】
第2の実施形態のマニュアル作成情報管理装置における変更箇所提示部22及びテンプレート作成部23により作成されたマニュアルデータの一例を図7に示す。図7は、図5に例示する機種名XXXXXXのマニュアルデータを用いて作成された機種名CCCCCCのマニュアルデータを例示する。707等に示すように、バージョン等を示すタグについて、もとの機種のバージョン及び機種名と、新たな機種のバージョンを示すように(例えば<XXXXXX Ver.3 - Ver.5/ Ver.1 - tag:特徴B>)変換処理を施す。これにより、今後は新たな機種のバージョンで管理することができる。なお、図7の707の部分については、機種XXXXXXのVer.5のマニュアルデータを流用して、機種CCCCCCのマニュアルデータを作成したこととなる。
【0043】
第2の実施形態のマニュアル作成情報管理装置が他の機種のマニュアルデータを作成する処理について図8のフローチャートを参照して説明する。ここでは、前身機種のマニュアルデータから後継機種のマニュアルデータを作成する場合を例に説明する。
【0044】
入力装置1より入力された、例えば図5に示すような前身機種のマニュアルのデータを、タグ読取部21で処理した上で、変更箇所提示部22に供給する(ステップA1)。
【0045】
変更箇所提示部22は、前身機種の最新版がいくつかを示す情報を版数対応記憶部32から取得する(ステップA2)。
【0046】
変更箇所提示部22は、特徴記憶部34に格納されている特徴対応表を更新する(ステップA3)。更新された特徴対応表の一例を図9に示す。図9に示す特徴対応表では、前身機種XXXXXXの特徴に関する情報が1001に設定され、それに加えて後継機種CCCCCCの特徴に関する情報が1002に設定されている。
【0047】
変更箇所提示部22は、後継機種CCCCCC向けに生成した機種別の版数対応表を版数対応記憶部32に記憶する(ステップA4)。生成された版数対応表の一例を図10に示す。図10では、流用元である機種別のマニュアルのデータファイルが1101に示される(この図の例では、図3の302に記載されている”Ver.6”に対応する)。また、1102は、後継機種の初版の対応付けを示す。
【0048】
変更箇所提示部22は、マニュアルのデータについて、未変換の所定のタグが存在するかを判定する(ステップA5)。この判定方法は任意であり、例えば、マニュアルデータの最初から、バージョン等が記載されたタグを検索し、該当するタグを検出した場合、バージョン等を示す部分にもとの機種名があるかを判定してもよい。未変換のタグが存在する場合(ステップA5:YES)、前身機種の機種名及び最新バージョンと後継機種の初版のバージョンを示すよう変換する(ステップA6)。この未変換のタグの変換処理をマニュアルデータ全体に対して行う(ステップA7)。
【0049】
これにより、後継機種のマニュアルデータが作成される。なお、上述したように、前身機種のマニュアルデータから後継機種のマニュアルデータを作成する場合は一例であり、例えば、同一世代の派生機種のマニュアルのテンプレートを作成する場合も同様である。
【0050】
以上のように、第2の実施の形態によれば、ある機種のマニュアルデータを用いて、他の機種のマニュアルデータを容易に作成することができる。また、例えば前身機種と後継機種のような複数の機種の関係を特徴対応表にて表現することができる。また、図10の版数対応表に示すように、例えば前身機種と後継機種のような複数の機種のマニュアルを対応付けることにより、一方のマニュアルデータで変更が生じた場合には、変更箇所提示部22が版数対応表等を参照して、変更が生じたマニュアルデータに対応付けられているマニュアルのデータの該当部分について同様の変更を反映させることができる。同様に、一機種のマニュアルデータに複数のマニュアルデータが対応付けられている場合には、一機種のマニュアルデータで変更が生じた場合、変更箇所提示部22が変更が生じたマニュアルデータに対応付けられている複数のマニュアルデータについて変更を反映させることができる。
【0051】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係るマニュアル作成情報管理装置は、マニュアルデータ中に存在するタグを用いてマニュアルの版数や履歴の管理を行う機能を備える。第3の実施形態のマニュアル作成情報管理装置は上述の実施形態と同様の構成を有する。以下、第1の実施形態との相違点について説明する。
【0052】
第3の実施形態のマニュアル作成情報管理装置が改版履歴を生成する処理について図11のフローチャートを参照して説明する。
【0053】
変更箇所提示部22は、指定された機種について、版数対応記憶部32に記憶されている版数対応表から最初の版数を取り出す(ステップB1)。ここで版数は、”Rev.”で表されるものである。また、ここでは、初版に対応するデータ一覧表も取り出す。
【0054】
次に、変更箇所提示部22は、その版数対応表にステップB1で取りだした版数の次の版数が存在するかを判定する(ステップB2)。
【0055】
次の版数が存在する場合には(ステップB2:YES)、変更箇所提示部22は、次の版数に対応するデータ一覧表を取り出し(ステップB3)、その前版のデータ一覧表との差分を探す(ステップB4)。なお、差分の検出処理において例えばマニュアルデータを用いてもよい。また、差分の検出処理の内容は任意である。例えば、一方のデータ一覧表における各行について上から順番に他方のデータ一覧表と一致するか否かを判別し、判別結果に基づいて行の追加や削除等を判断してもよい。
【0056】
変更箇所提示部22は、差分を検出した場合(ステップB4:YES)、その差分を抽出し、改版履歴として変更履歴記憶部33に記憶する(ステップB5)。
【0057】
ステップB5における前版との差分の抽出が完了した場合やステップB4で前版との差分が検出されなかったには、ステップB2に戻って、最新版まで差分の抽出を繰り返す。そして、ステップB2において、次の版がないと判定された場合には(ステップB2:NO)、変更履歴記憶部33に記憶された改版履歴を出力装置4に出力する(ステップB6)。なお、初版の改版履歴については、初版であることを示すデータを生成して記憶し、出力してもよい。
【0058】
改版履歴の出力例を図12に示す。図12の1201は版数及び改版の日時、1202は段落の名称、1203は本文の内容、1204は改版の理由をそれぞれ示す。改版履歴の形式は任意に設定可能であり、例えば、変更箇所提示部22は、既存の特徴について文章が追加された場合には、「以下の文章を追加」という記載の次に追加部分を記載してもよい。既存の特徴について文章が削除された場合には「以下の文章を削除」という記載に削除部分を記載してもよい。また、新たな特徴が追加された場合には、変更箇所提示部22は、「特徴Xのため、記載追加」という記載を入れてもよい。特徴が削除された場合には「特徴Xの記載を削除」という記載を入れてもよく、これとともに削除された記載を入れてもよい。
【0059】
以上のように、第3の実施の形態によれば、タグを解析することにより自動的に改版履歴を生成、表現することができる。また、第3の実施形態を第1の実施形態や第2の実施形態と組み合わせることにより、改版の変更箇所と図6や図7に示すテンプレートとを出力装置4に出力して提示できるため、後継機種等の他機種についての改版作業も容易になる。
【0060】
以上、好ましい実施の形態をあげて本発明を説明したが、本発明は必ずしも上記実施の形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形し実施することが出来る。
【0061】
上述した本発明の実施形態に係るマニュアル作成情報管理装置は、CPU(Central Processing Unit)がメモリに格納された動作プログラム等を読み出して実行することにより実現されてもよく、また、ハードウェアで構成されてもよい。上述した実施の形態の一部の機能のみをコンピュータプログラムにより実現することもできる。
【0062】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0063】
(付記1)
機種のバージョンを示す管理用タグが挿入されたマニュアル文書データを読み込み、前記管理用タグにより特定されるテキストを、前記管理用タグが示すバージョンと対応付けたデータテーブルを生成して記憶する
ことを特徴とするマニュアル作成情報管理装置。
【0064】
(付記2)
前記管理用タグは、当該管理用タグにより特定されるテキストの内容に関する内容識別子をさらに示し、
前記データテーブルの生成において、前記管理用タグにより特定されるテキストを、前記管理用タグが示すバージョン及び内容識別子と対応付けて記憶し、
機種毎のデータテーブルを参照して、各前記データテーブルに含まれる内容識別子を当該データテーブルに付与されている機種名と対応付けた特徴対応表を生成して記憶する
ことを特徴とする付記1に記載のマニュアル作成情報管理装置。
【0065】
(付記3)
マニュアル文書データが修正された場合、当該修正箇所に該当する内容識別子を取得し、前記特徴対応表を参照して、前記取得した内容識別子に対応する機種を特定し、特定した機種のマニュアル文書データの前記内容識別子に対応する箇所を修正する、
ことを特徴とする付記2に記載のマニュアル作成情報管理装置。
【0066】
(付記4)
ある機種のマニュアル文書データに基づいて別の機種のマニュアル文書データを作成する場合、前記ある機種のマニュアル文書データに挿入されている管理用タグについて、前記ある機種のバージョン及び機種名と、前記別の機種のバージョンと、を示すよう変換する、
ことを特徴とする付記1から3のいずれか1項に記載のマニュアル作成情報管理装置。
【0067】
(付記5)
マニュアルの版数と、前記マニュアルに対応する機種のバージョン数と、を対応付けた版数対応表を機種毎に生成して記憶する
ことを特徴とする付記1から4のいずれか1項に記載のマニュアル作成情報管理装置。
【0068】
(付記6)
ある版数とその次の版数とに対応する前記データテーブルを比較して差分を抽出する処理を初版から最新版まで行い、抽出した差分を改版履歴情報として記憶する、
ことを特徴とする付記5に記載のマニュアル作成情報管理装置。
【0069】
(付記7)
機種のバージョンを示す管理用タグが挿入されたマニュアル文書データを読み込み、前記管理用タグにより特定されるテキストを、前記管理用タグが示すバージョンと対応付けたデータテーブルを生成して記憶する
ことを特徴とするマニュアル改版管理方法。
【0070】
(付記8)
前記管理用タグは、当該管理用タグにより特定されるテキストの内容に関する内容識別子をさらに示し、
前記データテーブルの生成において、前記管理用タグにより特定されるテキストを、前記管理用タグが示すバージョン及び内容識別子と対応付けて記憶し、
機種毎のデータテーブルを参照して、各前記データテーブルに含まれる内容識別子を当該データテーブルに付与されている機種名と対応付けた特徴対応表を生成して記憶する
ことを特徴とする付記7に記載のマニュアル作成情報管理方法。
【0071】
(付記9)
マニュアル文書データが修正された場合、当該修正箇所に該当する内容識別子を取得し、前記特徴対応表を参照して、前記取得した内容識別子に対応する機種を特定し、特定した機種のマニュアル文書データの前記内容識別子に対応する箇所を修正する、
ことを特徴とする付記8に記載のマニュアル作成情報管理方法。
【0072】
(付記10)
ある機種のマニュアル文書データに基づいて別の機種のマニュアル文書データを作成する場合、前記ある機種のマニュアル文書データに挿入されている管理用タグについて、前記ある機種のバージョン及び機種名と、前記別の機種のバージョンと、を示すよう変換する、
ことを特徴とする付記7から9のいずれか1項に記載のマニュアル作成情報管理方法。
【0073】
(付記11)
マニュアルの版数と、前記マニュアルに対応する機種のバージョン数と、を対応付けた版数対応表を機種毎に生成して記憶する
ことを特徴とする付記7から10のいずれか1項に記載のマニュアル作成情報管理方法。
【0074】
(付記12)
ある版数とその次の版数とに対応する前記データテーブルを比較して差分を抽出する処理を初版から最新版まで行い、抽出した差分を改版履歴情報として記憶する、
ことを特徴とする付記11に記載のマニュアル作成情報管理方法。
【0075】
(付記13)
コンピュータに、
機種のバージョンを示す管理用タグが挿入されたマニュアル文書データを読み込み、前記管理用タグにより特定されるテキストを、前記管理用タグが示すバージョンと対応付けたデータテーブルを生成して記憶する処理
を実行させることを特徴とするプログラム。
【0076】
(付記14)
前記管理用タグは、当該管理用タグにより特定されるテキストの内容に関する内容識別子をさらに示し、
前記データテーブルを生成する処理は、前記管理用タグにより特定されるテキストを、前記管理用タグが示すバージョン及び内容識別子と対応付けて記憶する処理を含み、
前記コンピュータに、機種毎のデータテーブルを参照して、各前記データテーブルに含まれる内容識別子を当該データテーブルに付与されている機種名と対応付けた特徴対応表を生成して記憶する処理を実行させる
ことを特徴とする付記12又は13に記載のプログラム。
【0077】
(付記15)
前記コンピュータに、マニュアル文書データが修正された場合、当該修正箇所に該当する内容識別子を取得し、前記特徴対応表を参照して、前記取得した内容識別子に対応する機種を特定し、特定した機種のマニュアル文書データの前記内容識別子に対応する箇所を修正する処理を実行させる
ことを特徴とする付記14に記載のプログラム。
【0078】
(付記16)
前記コンピュータに、ある機種のマニュアル文書データに基づいて別の機種のマニュアル文書データを作成する場合、前記ある機種のマニュアル文書データに挿入されている管理用タグについて、前記ある機種のバージョン及び機種名と、前記別の機種のバージョンと、を示すよう変換する処理を実行させる
ことを特徴とする付記13から15のいずれか1項に記載のプログラム。
【0079】
(付記17)
前記コンピュータに、マニュアルの版数と、前記マニュアルに対応する機種のバージョン数と、を対応付けた版数対応表を機種毎に生成して記憶する処理を実行させる
ことを特徴とする付記13から16のいずれか1項に記載のプログラム。
【0080】
(付記18)
前記コンピュータに、ある版数とその次の版数とに対応する前記データテーブルを比較して差分を抽出する処理を初版から最新版まで行い、抽出した差分を改版履歴情報として記憶する処理を実行させる
ことを特徴とする付記17に記載のプログラム。
【符号の説明】
【0081】
1 入力装置
2 データ処理装置
3 記憶装置
4 出力装置
21 タグ読取部
22 変更箇所提示部
23 テンプレート作成部
24 タグ生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機種のバージョンを示す管理用タグが挿入されたマニュアル文書データを読み込み、前記管理用タグにより特定されるテキストを、前記管理用タグが示すバージョンと対応付けたデータテーブルを生成して記憶する
ことを特徴とするマニュアル作成情報管理装置。
【請求項2】
前記管理用タグは、当該管理用タグにより特定されるテキストの内容に関する内容識別子をさらに示し、
前記データテーブルの生成において、前記管理用タグにより特定されるテキストを、前記管理用タグが示すバージョン及び内容識別子と対応付けて記憶し、
機種毎のデータテーブルを参照して、各前記データテーブルに含まれる内容識別子を当該データテーブルに付与されている機種名と対応付けた特徴対応表を生成して記憶する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のマニュアル作成情報管理装置。
【請求項3】
マニュアル文書データが修正された場合、当該修正箇所に該当する内容識別子を取得し、前記特徴対応表を参照して、前記取得した内容識別子に対応する機種を特定し、特定した機種のマニュアル文書データの前記内容識別子に対応する箇所を修正する、
ことを特徴とする請求項2に記載のマニュアル作成情報管理装置。
【請求項4】
ある機種のマニュアル文書データに基づいて別の機種のマニュアル文書データを作成する場合、前記ある機種のマニュアル文書データに挿入されている管理用タグについて、前記ある機種のバージョン及び機種名と、前記別の機種のバージョンと、を示すよう変換する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のマニュアル作成情報管理装置。
【請求項5】
マニュアルの版数と、前記マニュアルに対応する機種のバージョン数と、を対応付けた版数対応表を機種毎に生成して記憶する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のマニュアル作成情報管理装置。
【請求項6】
ある版数とその次の版数とに対応する前記データテーブルを比較して差分を抽出する処理を初版から最新版まで行い、抽出した差分を改版履歴情報として記憶する、
ことを特徴とする請求項5に記載のマニュアル作成情報管理装置。
【請求項7】
機種のバージョンを示す管理用タグが挿入されたマニュアル文書データを読み込み、前記管理用タグにより特定されるテキストを、前記管理用タグが示すバージョンと対応付けたデータテーブルを生成して記憶する
ことを特徴とするマニュアル作成情報管理方法。
【請求項8】
コンピュータに、
機種のバージョンを示す管理用タグが挿入されたマニュアル文書データを読み込み、前記管理用タグにより特定されるテキストを、前記管理用タグが示すバージョンと対応付けたデータテーブルを生成して記憶する処理
を実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−164101(P2012−164101A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−23572(P2011−23572)
【出願日】平成23年2月7日(2011.2.7)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】