説明

マリンホース

【課題】輸送流体がその流路から漏洩した場合にホース外部への漏洩を防止しつつ、その流路からの漏洩の有無を外部から確実に視認することが可能なマリンホースを提供する。
【解決手段】ホース本体2とその一端又は両端に液密に挿入される接続部材3とホース本体2の外周面を液密に被覆するホース外装体4とを備え、接続部材3がその一端側にホース本体2に挿入される挿入部31と挿入部31に隣接した凸条部32とを備え、凸条部32には貫通孔33が設けられ、貫通孔33内にはロッド部材34が設置され、ロッド部材34の進出方向後端側には貫通孔33と液密に連通する液漏れ感知室4111が設けられ、ロッド部材34の進出方向先端側にはロッド部材34の進出により破袋可能な標識剤入り袋体37が凸条部32外に設置され、ホース外装体4が液漏れ感知室4111を液密に被覆したマリンホース1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原油等の輸送に使用されるマリンホースに関するものであり、より詳述すれば、輸送流体がその流路から漏洩した場合にホース外部への漏洩を防止しつつ、しかも、その流路からの漏洩の有無を外部から視認可能に構成した、漏洩検知機構を備えたマリンホースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、沖合に係船するタンカーと陸上とを直接結んで原油等の移送作業を行なう際には、原油等の輸送流体を海中に漏洩することなく確実に移送可能なホース(いわゆる「マリンホース」)が多数連結されて使用されている。
ここで、悪天候時の風雨や波の衝撃、マリンホース連結作業時の乱雑な取扱いによる衝撃、或いは流体移送の際の極端な負荷等により、マリンホースが折れ曲がったり湾曲したりする場合がある。かかる折れ曲がりや湾曲等によりホース内部に損傷が生じた場合にも、輸送流体がマリンホース外に漏洩しないこと、及び、ホース内部に損傷が生じたことが外部から直ちに確認可能にマリンホースが構成されていることが、海洋の油濁防止の観点から非常に重要である。
【0003】
本出願人は先に、特許文献1:特開平5−99782号公報や特許文献2:特許第3430211号明細書において、ホース本来の流路を逸脱して漏洩した輸送流体の有する押圧力を利用してロッド部材をホース外表面に進出させることにより、漏洩の事実を外部から視認可能としたマリンホースを提案している。また、特許文献3:特開2001−132876号公報においては、ペイント剤が収容されたプラスチックボールをホース内部に設置し、ホース本来の流路を逸脱して漏洩した輸送流体の押圧力により、ロッド部材を進出させてプラスチックボールに貫通させ、ペイント剤をホース外へ放出させることにより、漏洩事実に対する外部からの視認性をより向上させたマリンホースを提案している。
【0004】
しかしながら、上記特許文献1や特許文献2に開示されたマリンホースにおいては、その構造上ホース外表面に進出するロッド部材の寸法に制限があり、ロッド部材の寸法が比較的小さなものにならざるを得ず、輸送流体の漏洩を外部から速やかに検知することが困難な場合がある。一方、上記特許文献3記載のマリンホースにおいてはそのような事情に鑑み、視認対象をロッド部材そのものからペイント剤に置き換えることで漏洩事実の外部視認性をより向上させることとしているが、以下のような懸念の生じる場合がある。
【0005】
(a)マリンホースの構造上、ホース内に収容されるプラスチックボールの大きさが制限されるため、ペイント剤容量も制限されることとなる。マリンホース内から海水中へ放出されたペイント剤が海中に完全に拡散してしまう前に検知せねばならないことから、海流によっては輸送流体の漏洩を外部から検知可能な期間が比較的短い場合がある。
(b)ペイント剤が収容されたプラスチックボールに対して外部からロッド部材を貫通させる機構を採用する場合、ロッド部材のストロークが短くならざるを得ないことから、充分にプラスチックボールを開口させることができない虞がある。また、ペイント剤がプラスチックボール中に残留し、漏洩検知に充分に寄与しないペイント剤が生じる場合もある。これらのような場合には上記(a)の傾向がより顕著になる。
【0006】
原油のように高速、高圧で移送される輸送流体を取り扱う場合、漏洩なく確実な移送を確保するためには、二重、三重の漏洩防止手段を講ずるのみならず、万一漏洩が生じた場合には漏洩事実を速やかに検知し、ホースの交換や移送圧力の調整等を行なうことが特に重要である。
漏洩事実をより確実に確認することが可能なマリンホースの開発が望まれていた。
【0007】
【特許文献1】特開平5−99782号公報
【特許文献2】特許第3430211号明細書
【特許文献3】特開2001−132876号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、輸送流体がその流路から漏洩した場合にホース外部への漏洩を防止しつつ、しかもその流路からの漏洩の有無を外部から確実に視認することが可能なマリンホースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を達成するために、本発明に係る漏洩検知機能を備えたマリンホースは、筒状流路を有するホース本体と、このホース本体の一端開口部又は両端開口部に液密に挿入される筒状の接続部材と、少なくとも前記ホース本体外周面を液密に被覆するホース外装体とを備えたマリンホースにおいて、
前記接続部材がその一端側に前記ホース本体の開口部に挿入される挿入部と、この挿入部に隣接し、外周面上に周方向に沿って環状に凸設された凸条部とを備え、この凸条部には前記筒状流路方向に沿った貫通孔が少なくとも1本設けられ、この貫通孔内には前記接続部材の他端側へと進出可能なロッド部材が設置され、前記ロッド部材の進出方向先端側にはロッド部材の進出により破袋可能な標識剤入り袋体が前記凸条部外に設置され、前記ロッド部材の進出方向後端側には前記貫通孔と連通する液漏れ感知室が設けられ、且つ前記ホース外装体が前記液漏れ感知室を液密に被覆すると共に、
前記筒状流路を流通する輸送流体が前記ホース本体と前記接続部材との液密な接合界面に生じた亀裂を通じて漏洩した漏洩流体、乃至前記ホース本体の筒状流路壁面に生じた亀裂を通じて漏洩した漏洩流体が前記液漏れ感知室に導入され、当該漏洩流体の有する押圧力によって前記ロッド部材が前記貫通孔内から貫通孔外へと押出されて前記袋体を破袋することにより、前記標識剤が外部に開放されるように構成されたことを特徴とする。
【0010】
本発明のマリンホースは上記の通り、輸送流体がその流路から漏洩して浸出する先と考えられる部分がホース外装体によって液密に被覆されているため、輸送流体がその流路から漏洩した場合でも、ホース外へ漏洩することが防止される。
また、本発明のマリンホースは漏洩検知機構として、漏洩流体の有する押圧力でロッド部材をホース外部へ進出させ、貫通孔外に設置された標識剤入り袋体を破袋することにより標識剤を放出させる機構を有するものであるが、標識剤入りの袋体が上記貫通孔外(上記凸条部外)に設置されているため、マリンホースの構造によりもたらされる袋体の大きさの制限が緩やかであり、漏洩検知に寄与する標識剤を大量に確保することが可能となる。しかも、貫通孔内の空間をロッド部材用の空間として大きく確保することが可能となることから、進出するロッド部材のストロークをより長くすることができ、貫通孔外に設置された標識剤入り袋体をより確実に破袋し、標識剤を充分に袋体外へ拡散させることが可能となる。即ち、大量の標識剤を外部(海水中、海水表面、又は大気中)に拡散させ得るため、漏洩事実を外部から視認可能な期間乃至領域を、より大きく確保することができる。
【0011】
上記袋体として、前記ロッド部材の進出により貫通可能な壁面を有する箱体内に収容されている袋体を採用すると、保存時に上記袋体が適切に保護され、不用意に破袋する可能性を低減できるため好適である。
【0012】
また、上記標識剤として海面着色剤を採用すると、海面上に色(蛍光色)を帯びた一定の領域が形成され、遠方からの目視も可能となって好適である。なお、海面着色剤とは、ヨットに乗る者やダイバー等が万一海上で遭難した場合に、救助具として用いられるものの一種である。
【発明の効果】
【0013】
以上述べたように、本発明によれば、輸送流体が漏洩した場合にホース外部への漏洩を防止しつつ、漏洩の有無を外部から確実に視認することが可能なマリンホースが提供される。
【発明を実施するための最良の形態及び実施例】
【0014】
以下、図面を参照し本発明の実施形態について更に詳しく説明するが、本発明は以下の実施形態に制限されるものではない。
図1(A)は本発明の一例を示すマリンホース1の概略斜視図であり、図1(B)は図1(A)におけるX−X断面図である。マリンホース1は図1(A),図1(B)に示されるように、筒状流路を有するホース本体2と、このホース本体の一端開口部に液密に挿入される筒状の接続部材3と、ホース本体2の外周全面及び接続部材3の一部表面を液密に被覆するホース外装体4とを備えている。
【0015】
図1(B)においてホース本体2は、耐圧ゴム管21内に耐圧補強層22,23が埋設されて構成されている。耐圧補強層22,23の先端部には、接続部材3との接続が強固に維持されるよう、ビードワイヤ221,231が耐圧補強層22,23のそれぞれの端部に巻き込まれて固定されている。
【0016】
また、図1(B)においてホース本体2の一端開口部に液密に挿入されている接続部材3は、その一端側にホース本体2の開口部に挿入される挿入部31と、この挿入部31に隣接して外周面上に周方向に沿った環状の凸条を有する凸条部32とを備えている。凸条部32上には更にその外周面上に延設された鍔状突起321が凸条部32の一部として設けられていると共に、前記凸条内には前記筒状流路方向に沿った貫通孔33が1本設けられ、この貫通孔内には前記接続部材3の他端側へと進出可能なロッド部材34が設置されている。貫通孔33内に設置されたロッド部材34の進出方向先端側にはロッド部材34の進出動作を安定させる環状部材35が設置されている。
【0017】
なお、前記挿入部31の外周面上には周方向に沿って環状に凸設された鋸刃状リブ311が2条設けられ、ホース本体2との接続が強固に維持されるようになっている。更に、接続部材3には接続部材3の一部としての接続フランジ36が備えられ、接続フランジ36の所定位置にはボルト貫通孔361が設けられている。
【0018】
また、ロッド部材34の進出方向先端側には標識剤入り袋体37が、接続部材3の背面とロッド部材34の進出部の中間に設置されている。図1(B)において袋体37は外容器38に内包されている。外容器38には、ロッド部材34の貫入口381が設けられていると共に、袋体37が破袋した場合に標識剤が適切に拡散されるよう、外容器38の壁面には多数の拡散孔(図示せず)が設けられている。
【0019】
図1(B)においてホース外装体4は、ホース本体2の外周全面、及び鍔状突起321を含む凸条部32の外表面全面を液密に被覆するように設置されている。図1(B)においてホース外装体4は、ホース本体2上にらせん状に捲回される帯状部材41と、このらせん状に捲回された帯状部材41及び鍔状突起321の頂部外周面を被覆するライニングゴム層42と、このライニングゴム層42を更に被覆すると共に鍔状突起321に係止される耐圧補強層43と、この耐圧補強層43を被覆する浮力材44と、この浮力材44の外表面及び凸条部32の外表面を被覆する外皮ゴム層45とから構成されている。耐圧補強層43は前記耐圧補強層22,23と同様、その端部にビードワイヤ431を巻き込んでいる。
【0020】
ここで、帯状部材41の材質としては、高圧漏洩流体の漏洩時の衝撃を緩和してマリンホース1の破損拡大防止を図る観点、及びマリンホース1に浮力をもたらす観点から、発泡弾性体であることが好適である。このような発泡弾性体としては、天然ゴム、ニトリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、ポリエチレン、塩化ビニル樹脂などの発泡体を挙げることができる。
【0021】
なお、帯状部材41はらせん状に捲回されているため、その隣接する条間には帯状部材41に沿った連通空間としての漏洩流体導出通路411が形成されている。この漏洩流体導出通路411は貫通孔33に対し、ロッド部材34の進出方向後端側において液密に連接されている。ロッド部材34の進出方向後端側に液密に連接する一定の空間(漏洩流体導出通路411の一部を構成するものである)を、本発明においては液漏れ感知室4111と呼ぶ。
【0022】
また、耐圧補強層43は、ポリエステルコードやナイロンコード等を重ねて巻きつけた層として形成することができる。そのコード交差角度としては、漏洩流体導出通路411の変形を防止する観点から、静止角とすることが好ましい。
【0023】
そして、上記のようにマリンホース1が構成されていることから、前記筒状流路を流通する輸送流体は以下のようにして液漏れ感知室4111に導入されることとなる。即ち、ホース本体2と接続部材3との液密な接合界面に亀裂が生じた場合には、当該亀裂を通じて漏洩する漏洩流体が接続部材3の外周表面に沿って直接に液漏れ感知室4111に導入される。一方、ホース本体2の筒状流路壁面に亀裂が生じた場合には、ホース本体2の筒状流路からマリンホース1の外表面へ向けて順にライニングゴム層42,耐圧補強層43がそれぞれ漏洩防止壁として作用することにより、前記亀裂を通じて漏洩する漏洩流体は漏洩流体導出通路411を通じて液漏れ感知室4111に導入される。
【0024】
また、上記例においては漏洩流体が液漏れ感知室4111に導入され、この液漏れ感知室4111と液密に連通している貫通孔33内のロッド部材34に対し漏洩流体が押圧力を印加することによって、先端の尖ったロッド部材34を貫通孔33内から外皮ゴム層45を貫通して貫通孔33外へと押出し、外容器38の貫入口381を通じ、更に、標識剤入り袋体37を貫通して破袋させることにより、標識剤を外部に拡散させるように構成されている。
【0025】
なお、ロッド部材34は、その進出方向後端に大径頭部を備えるが、大径頭部の外径を環状部材35の内径よりも大きく設定すれば、ロッド部材34全体が貫通孔33外へ抜け出ることが防止される。また、大径頭部の径を貫通孔33の内径に即して設定すれば、ロッド部材34の進出方向後端側より印加される漏洩流体の押圧力を効果的にロッド部材に伝える作用が期待できる。なお、大径頭部の外周面と貫通孔33の内周面との間には隙間が生じぬ様、O−リングによりシールされていることが好適である。
【0026】
上記標識剤としては、特に限定されるものではないが、例えばアゾ染料、アゾメチン染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、チオインジゴ染料、インジゴール染料、チオインジゴール染料、ジフェニル/トリフェニルメタン染料、アクリジン染料、キサンテン染料、アジン染料、オキサジン染料、チアジン染料、アゾメチン染料、キノリン染料、ニトロソ/ニトロ染料、チアゾール染料、メチン染料、ポリメチン染料、シアニン染料、p−キノンイミン染料、フタロシアニン染料等を挙げることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用しても良い。
【0027】
上記アゾ染料には、塩基性染料、酸性染料、含金属酸性染料、直接染料、アゾイック染料、反応性染料、分散染料、油溶性染料、食用色素染料等が含まれる。上記アントラキノン染料には、酸性染料、媒染染料、建て染め染料、可溶性建て染め染料等が含まれる。また、上記インジゴ染料には、建て染め染料、可溶性建て染め染料等が含まれる。更に、上記フタロシアニン染料には、建て染め染料、合成硫化染料が含まれる。
【0028】
上記標識剤の形状としては、固体状(粉末状等)、液体状、気体状のいずれであっても良く、また、海水中に溶解してもしなくても良い。なお、上記標識剤には標識剤の粘度調整、保存安定性、水への分散性向上、或いは外容器38外への拡散速度をコントロールする観点から、種々の稀釈/分散剤、界面活性剤、添加剤ポリマー等を配合してもよい。稀釈/分散剤としては例えばアルコール、エーテル、グリコール等を挙げることができる。
【0029】
上記、標識剤が海水中に拡散する場合の拡散速度としては、袋体37が破袋して標識剤の拡散が開始してから袋体37内の標識剤が全て海水に置換されるまでの時間として通常4〜10時間、好ましくは6〜7時間である。拡散速度が大きすぎると標識剤を確認可能な時間が短くなりすぎて輸送流体漏洩の検知が困難になる場合があり、一方、拡散速度が小さすぎると、標識剤を海上から視認することが困難になる場合がある。
【0030】
一方、上記外容器38の形状としては特に限定されず、箱形状でも袋形状でも良い。直方体の箱形状とする場合の大きさとしては、接続部材3の外周面からの高さをa(mm)、残り2辺のうち、ロッド部材34の進出方向に沿った辺の長さをb(mm)、ロッド部材34の進出方向に直交する方向に伸びる辺の長さをc(mm)として、20mm≦a≦80mm、10mm≦b≦120mm、10mm≦c≦100mmとすることが好適である。
また、上記外容器38の素材としては、少なくとも海水に接する面には耐水性の素材が使用されることが好ましく、このような耐水性の素材としてはPET,PP,PC,PE等を挙げることができる。
【0031】
上記外容器38の壁面に設けられている分散孔の径としても特に限定されるものではないが、標識剤の拡散速度に鑑み適宜設定され、通常100〜2000μm、好ましくは500〜1000μmである。
【0032】
本発明のマリンホースについて、上述した実施形態をもとに本発明の目的を損なわない範囲で適宜設計変更することは差し支えない。各部材の材質は適宜選定可能であり、各部材間の接着(加硫接着や接着剤の使用による接着等)も適宜なし得る。ロッド部材が設置される貫通孔は複数本であっても良い(図2参照)。各層が強固に固定されるよう、適宜な締め付けコード等の使用も差し支えない。各層内に更なる補強手段(補強ワイヤー等)の埋設やO−リングの挿入等も適宜可能である。標識剤を収容する袋体は、上記ロッド部材の設置位置に対応させる形で接続部材の外周面上に一定容積のものを点在させても良いし、外周面上に一連環状なものとして設置しても良い。
更に、本発明においてはロッド部材の進出により袋体が破袋されるものであるが、その破袋方法については限定されず、ロッド部材先端については尖った形状としてもよいし、しなくともよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一例を示す、マリンホースの概略斜視図、及び断面図である。
【図2】本発明の別の例を示す、マリンホースの断面図である。
【符号の説明】
【0034】
1 マリンホース
2 ホース本体
3 接続部材
31 挿入部
32 凸条部
33 貫通孔
34 ロッド部材
37 標識剤入り袋体
4 ホース外装体
4111 液漏れ感知室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状流路を有するホース本体と、このホース本体の一端開口部又は両端開口部に液密に挿入される筒状の接続部材と、少なくとも前記ホース本体外周面を液密に被覆するホース外装体とを備えたマリンホースにおいて、
前記接続部材がその一端側に前記ホース本体の開口部に挿入される挿入部と、この挿入部に隣接し、外周面上に周方向に沿って環状に凸設された凸条部とを備え、この凸条部には前記筒状流路方向に沿った貫通孔が少なくとも1本設けられ、この貫通孔内には前記接続部材の他端側へと進出可能なロッド部材が設置され、前記ロッド部材の進出方向先端側にはロッド部材の進出により破袋可能な標識剤入り袋体が前記凸条部外に設置され、前記ロッド部材の進出方向後端側には前記貫通孔と連通する液漏れ感知室が設けられ、且つ前記ホース外装体が前記液漏れ感知室を液密に被覆すると共に、
前記筒状流路を流通する輸送流体が前記ホース本体と前記接続部材との液密な接合界面に生じた亀裂を通じて漏洩した漏洩流体、乃至前記ホース本体の筒状流路壁面に生じた亀裂を通じて漏洩した漏洩流体が前記液漏れ感知室に導入され、当該漏洩流体の有する押圧力によって前記ロッド部材が前記貫通孔内から貫通孔外へと押出されて前記袋体を破袋することにより、前記標識剤が外部に開放されるように構成されたことを特徴とするマリンホース。
【請求項2】
前記袋体が、前記ロッド部材の進出により貫通可能な壁面を有する箱体内に収容されている請求項1記載のマリンホース。
【請求項3】
前記標識剤が海面着色剤である請求項1又は2記載のマリンホース。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−107679(P2007−107679A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−301351(P2005−301351)
【出願日】平成17年10月17日(2005.10.17)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】