説明

マルチアパーチャ方式の医用超音波技術を用いた画像形成方法及びアドオンシステムの同期方法

アドオン機器を用いて、マルチアパーチャ方式の超音波プローブの利点が得られるようにしたものである。マルチアパーチャ方式の画像形成の信号処理を好適に行なうには、複数個のトランスデューサ・アレイに含まれる多数のトランスデューサ・エレメントから得られる多数のエコー信号を、互いに同期させ互いに相関させることが何よりも重要である。ここに開示したアルゴリズムは、アドオンシステムを超音波パルスの送出源である別の超音波システムに同期させるために、多数のトランスデューサ・エレメントから得られるエコー信号を好適に処理する方法を教示するものである。多数のトランスデューサ・エレメントの夫々が受信するエコーから、互いに異なったノイズ成分を含む複数の2次元画像を形成することができる。ここに開示した技法は、医用画像形成の分野において広く利用し得るものであり、また特に、2箇所またはそれ以上の肋間隙を利用してマルチアパーチャ方式の心臓画像形成を行なうという用途に理想的に適合したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連特許出願のクロスレファレンス)
本件特許出願は米国特許法第119条に規定された優先権を主張するものであり、この優先権は、米国仮特許出願第61/087571号(出願日:2008年8月8日、発明の名称:UNIVERSAL IMAGING AND SYNCHRONIZATION USING MULTIPLE APERTURE APPARATUS IN MEDICAL ULTRASOUND(マルチアパーチャ方式の医用超音波装置を用いたユニバーサル画像形成方法及び同期方法))、並びに、米国仮特許出願第61/169264号(出願日:2009年4月14日、発明の名称:METHOD FOR AN ADD-ON MULTIPLE APERTURE PROCESSOR TO DETECT START AND DIRECTION OF PULSE FROM A HOST MACHINE(ホスト・マシンから送出されるパルスの送出開始点及び送出方向をマルチアパーチャ方式用アドオン・プロセッサにより検出する方法))に基づくものであり、これら2件の米国仮特許出願の開示内容はこの言及をもって本願開示に組込まれたものとする。
【0002】
本件特許出願の関連特許出願として、米国特許出願第11/532013号(出願日:2007年10月11日、発明の名称:METHOD AND APPARATUS TO VISUALIZE THE CORONARY ARTERIES USING ULTRASOUND(超音波技術を用いて冠動脈を可視化する方法及び装置))があり、同米国特許出願は、米国仮特許出願第60/765887号(出願日:2006年2月6日、発明の名称:METHOD AND APPARATUS TO VISUALIZE THE CORONARY ARTERIES USING ULTRASOUND(超音波技術を用いて冠動脈を可視化する方法及び装置))に基づく優先権を主張するものである。また本件特許出願の更なる関連特許出願として、米国特許出願第11/865501号(出願日:2008年5月1日、発明の名称:METHOD AND APPARATUS TO PRODUCE ULTRASONIC IMAGES USING MULTIPLE APERTURES(マルチアパーチャ方式を用いた超音波画像形成方法及び超音波画像形成装置))があり、同米国特許出願は、米国仮特許出願第60/862951号(出願日:2006年10月25日、発明の名称:METHOD AND APPARATUS TO PRODUCE ULTRASONIC IMAGES USING MULTIPLE APERTURES(マルチアパーチャ方式を用いた超音波画像形成方法及び超音波画像形成装置))、並びに、米国仮特許出願第60/940261号(出願日:2007年5月25日、発明の名称:METHOD AND APPARATUS TO PRODUCE ULTRASONIC IMAGES USING MULTIPLE APERTURES(マルチアパーチャ方式を用いた超音波画像形成方法及び超音波画像形成装置))に基づく優先権を主張するものである。尚、以上に言及した米国特許出願並びに米国仮特許出願の開示内容はこの言及をもって本願開示に組込まれたものとする。
【0003】
(参考文献の開示内容の組込み)
本明細書中において言及する全ての文献並びに特許出願は、この言及をもってそれら文献並びに特許出願の開示内容が本開示に組込まれたものとすることをここに明言し、またこの明言により、それら文献並びに特許出願の各々についてその開示内容が本開示に組込まれたものとすることを明言したものとする。
【0004】
(発明の技術分野)
本発明は広くは医用画像形成方法に関し、より具体的には医用超音波技術に関し、また更に具体的にはマルチアパーチャ方式で超音波画像形成を行なうためにアドオン装置をホスト超音波機器に同期させる方法に関する。
【背景技術】
【0005】
一般的な超音波画像形成方法は、超音波エネルギビームを合焦ビームの形で検査対象の身体組織の中へ送出し、その反射エコーを検出してプロットすることにより画像を形成するものである。特に、心臓超音波検査法(心エコー検査法)では、通常、超音波ビームを1回送出するごとに、超音波ビーム送出角度をプローブ中央角度位置から所定角度ずつ増大させるようにし、そして、送出した超音波ビームの経路に対応したラインに沿って反射エコーをプロットする。一方、腹部超音波検査法では、通常、超音波ビームを1回送出するごとに、超音波ビーム送出位置を横方向に所定距離ずつ移動させることにより、互いに平行な複数のビーム径路を形成し、そして、反射エコーをそれらビーム径路に対応した複数の平行ラインに沿ってプロットする。以下の説明では、心エコー検査法のための、超音波ビーム送出角度を変化させるスキャン方式(これは一般的にセクタ・スキャン(扇形スキャン)と呼ばれている)に本発明を適用した場合について述べる。ただし以下に述べる方式は、僅かな変更を加えるだけで、腹部画像を形成するためのスキャン装置に適用することができる。
【0006】
一般的な超音波画像形成方法の基本原理を分かりやすく記載した文献としては、例えばHarvey Feigenbaum著、Echocardiography第5版(Lippincott Williams & Wilkins社(Philadelphia)、1993年刊行)の第1章などがある。本明細書においては、従来の一般的な方式と本発明の方式との相違について特に説明する必要があるときを除き、同文献中に記載されている内容については再説を省略する。
【0007】
周知の如く、ヒトの身体組織の中を伝搬する超音波の平均伝搬速度vはおよそ1540m/秒前後であり、特に身体組織が軟組織である場合の平均伝搬速度vは1440〜1670m/秒の範囲内の速度となる(これについては、例えば、P. N. T. Wells著、Biomedical Ultrasonics(Academic Press社(London、 New York、 San Francisco)、1977年刊行)などを参照されたい)。従って、反射エコーを発生させているインピーダンス不連続部の身体表面からの深さは、反射エコーとして戻ってきた超音波ビームの往復伝搬時間にv/2を乗じた積の値に等しく、この積の値を、超音波ビーム径路に対応したライン(スキャン・ライン)上の当該深さに対応した位置にプロットすればよい。全てのスキャン・ライン上に、全てのエコーに対応した点をプロットしたならば、それによって1つの画像が形成される。また通常は更に、スキャン・ラインとスキャン・ラインとの間のギャップに内挿法による補間が施される。
【0008】
身体組織に対してインソニファイする(即ち、身体組織の中へ超音波ビームを送出して身体組織の超音波画像を形成する)には、フェーズド・アレイまたはシェープト・トランスデューサなどにより形成した超音波ビームで、検査対象の身体組織領域をスキャンすることになる。従来は、超音波を形成して送出するシェープト・トランスデューサやフェーズド・アレイなどを、反射エコーを検出するために利用する構成とすることが一般的であった。しかるに、この構成であることが、医用超音波画像形成方法を利用する上での大きな制約を生じさせる中心的要因となっていた。その制約とは、横方向解像度が低いことである。理論的には、超音波プローブのアパーチャ寸法を大型化すれば、横方向解像度を向上させることができるはずである。しかしながら実際には、アパーチャ寸法を大型化すると数々の問題が発生するため、アパーチャ寸法を小さく抑えざるを得ず、そのため横方向解像度は低いままであった。たとえ横方向解像度が低くても、超音波画像形成法は非常に有用な方法であるが、しかしながら横方向解像度を向上させればより効果的な方法となることは疑いがない。
【0009】
例えば心臓学の具体例として、単一のアパーチャ寸法の上限は肋骨と肋骨との間の隙間(肋間隙)の大きさまでとなる。一方、腹部などのその他の部位の画像を形成するスキャン装置の場合であれば、アパーチャ寸法の上限はそれほど明確ではないものの、アパーチャ寸法が超えてはならない上限があることに変わりはない。特に問題となるのは、複数個のエレメントをアレイ状に並べて構成したフェーズド・アレイの形態の超音波プローブにおいて、そのアパーチャ寸法を大型化すると、エレメントどうしの位相を適切に維持することが困難になることである。なぜなら、超音波プローブと検査対象領域との間に介在するビーム伝搬経路上の身体組織の種類が異なれば超音波の伝搬速度も異なるからである。前述のWellsの文献によれば、身体組織が軟組織である場合には、超音波の伝搬速度は軟組織内で±10%の範囲内で変化する。アパーチャ寸法を小さく抑えておけば、介在する身体組織は、一次近似として、全面的に同一であり、どのような差違も無視される。しかるに、横方向解像度を向上させるためにアパーチャ寸法を大型化すると、フェーズド・アレイのエレメントの数が増大するためにエレメントどうしの間で位相がずれるおそれが発生し、そうなると横方向解像度が向上するどころか逆に劣化してしまうことにもなりかねない。
【0010】
横方向解像度を向上させる手段としては、従来の医用機器に広く採用されている1個で送受信の両機能を受け持つ超音波プローブを、それと異なる構成の超音波プローブに交換するよりは、むしろ、アドオンシステム(既存の機器に付加して用いる超音波システム)を適用することで、既存の医用機器の横方向解像度を向上させる方が、より有利な結果が得られ、また費用対効果の点でも優れている。ただし、これによって既存のシステムの解像度を向上させるためには、解決しなければならない数々の課題が存在しており、例えば、アドオンシステムを既存のホスト超音波機器に同期させることなどが課題となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は広くは医用画像形成方法に関し、より具体的には医用超音波技術に関し、また更に具体的にはマルチアパーチャ方式で超音波画像形成を行なうためにアドオン装置をホスト超音波機器に同期させる方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、その1つの局面として、アドオン超音波システムを提供し、このアドオン超音波システムは、ホストプローブから送信された超音波パルスを受信するように構成された超音波レシーバと、前記超音波レシーバに接続されたプロセッサであって、前記アドオン超音波システムを前記ホストプローブに同期させるように構成されたアルゴリズムが組込まれたプロセッサとを備えたことを特徴とするものである。
【0013】
様々な実施の形態のうちには、前記アドオン超音波システムが更に、前記プロセッサから供給される超音波画像を表示するためのディスプレイを備えているようにしたものがある。このディスプレイは、例えばGUI(グラフィカル・ユーザ・インターフェース)として構成されたものとするとよい。
【0014】
様々な実施の形態のうちには、前記アドオン超音波システムが、複数個の超音波レシーバを備えているようにしたものがある。それら超音波レシーバの個数は、例えば2個、3個、或いはそれ以上の個数とすることもできる。
【0015】
本発明はその1つの局面として、受信超音波パルスに処理を加えることにより前記アドオン超音波システムを前記ホスト超音波プローブに同期させるように構成したアルゴリズムを提供するものである。様々な実施の形態のうちには、前記アルゴリズムが送信超音波パルスのフレーム開始点を求めるようにしたものがある。このフレーム開始点は、様々な方法で求めることができる。様々な実施の形態のうちには、前記アルゴリズムが、パルス繰り返しインターバルよりも明らかに長い振幅ピーク間インターバルを判別することでフレーム開始点を求めるようにしたものがある。また別の実施の形態として、前記アルゴリズムが、連続したスキャン・ラインの間でピーク振幅値が大きく変化したことを判別することでフレーム開始点を求めるようにしたものもある。このピーク振幅値の大きな変化は、例えば低値から高値への変化であってもよく、高値から低値への変化であってもよい。
【0016】
本発明の更に別の1つの局面として、前記アドオン超音波システムが更に、前記ホスト超音波プローブを前記アドオン超音波システムに接続しているタップを備えているようにするのもよい。このタップを介して、前記ホスト超音波プローブの全てのデータを入手できるため、前記アドオン超音波システムのプロセッサを、前記タップを介して得られるデータに処理を加えることで前記アドオン超音波システムを前記ホスト超音波プローブに同期させるように構成したプロセッサとすることができる。
【0017】
本発明の別の1つの局面は、アドオン超音波システムをホスト超音波プローブに同期させる方法であり、この方法は、前記ホスト超音波プローブから超音波パルスを送信する送信ステップと、前記アドオン超音波システムにより前記超音波パルスを受信する受信ステップと、プロセッサにより前記アドオン超音波システムを前記ホスト超音波プローブに同期させる同期ステップとを含むことを特徴とするものである。
【0018】
様々な実施の形態のうちには、前記受信ステップにおいて、更に、前記アドオン超音波システムの受信用プローブにより前記超音波パルスを受信するようにしたものがある。また様々な実施の形態のうちには、前記受信ステップにおいて、更に、前記アドオン超音波システムの複数の受信用プローブにより前記超音波パルスを受信するようにしたものがある。
【0019】
本発明の様々な局面のうちには、前記同期ステップにおいて、更に、送信された前記超音波パルスに基づいて、前記プロセッサにより前記アドオン超音波システムを前記ホスト超音波プローブに同期させることがある。また、前記プロセッサに組込まれているアルゴリズムにより前記アドオン超音波システムを前記超音波プローブに同期させるようにするのもよい。
【0020】
様々な実施の形態のうちには、前記アルゴリズムが、送信超音波パルスのフレーム開始点を求めるようにしたものがある。また、前記アルゴリズムが、パルス繰り返しインターバルよりも大幅に長い振幅ピーク間インターバルを判別することでフレーム開始点を求めるようにするのもよい。また別の実施の形態として、前記アルゴリズムが、連続するスキャン・ラインの間でピーク振幅値が大きく変化したことを判別することでフレーム開始点を求めるようにしたものがある。このピーク振幅値の大きな変化は、例えば低値から高値への変化であってもよく、高値から低値への変化であってもよい。
【0021】
様々な実施の形態のうちには、前記同期ステップにおいて、前記ホスト超音波プローブを前記アドオン超音波システムに接続しているタップを介して得られるデータに処理を加えるように構成された前記プロセッサにより、前記アドオン超音波システムを前記ホスト超音波プローブに同期させるようにしたものがある。
【0022】
本発明の別の局面として、前記アドオン超音波システムからディスプレイへ超音波画像を供給するようにするのもよい。また、前記超音波パルスを身体組織の中へ送出するようにするとよく、その場合に、前記超音波画像は当該身体組織の画像となる。
【0023】
本発明の様々な新規な特徴は、特許請求の範囲に明記した通りのものである。本発明のそれら特徴について、並びに、本発明の様々な利点については、本発明の原理を採用した具体的な実施の形態についての以下の詳細な説明と、添付図面とを参照することによって明瞭に理解することができる。添付図面については以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1A】ホスト超音波機器と組合せて用いることにより高解像度の超音波画像を提供するアドオンシステムであって、単一の受信用プローブを備えたアドオンシステムを示した図である。
【図1B】ホスト超音波機器と組合せて用いることにより高解像度の超音波画像を提供するアドオンシステムであって、複数の受信用プローブを備えたアドオンシステムを示した図である。
【図2A】アドオンシステムをホスト超音波機器に同期するためにアドオンシステムのアルゴリズムが実行する一連の動作の1つの実施の形態を示したフローチャートである。
【図2B】アドオン超音波システムが収集するデータを示した線図である。
【図3A】ホスト超音波機器と組合せて用いることにより高解像度の超音波画像を提供するアドオンシステムであって、単一の受信用プローブを備え、更に高インピーダンスのタップを備えたアドオンシステムを示した図である。
【図3B】ホスト超音波機器と組合せて用いることにより高解像度の超音波画像を提供するアドオンシステムであって、複数の受信用プローブを備え、更に高インピーダンスのタップを備えたアドオンシステムを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
これより超音波画像形成システムの様々な実施の形態について説明する。
【0026】
超音波画像形成においては、反射エコーの検出をインソニファイ用プローブとは別の任意に配置される無指向性の受信用プローブにより行なうようにすることも可能である(その場合のインソニファイ用プローブは送信用プローブとなる)。またその場合に、無指向性の受信用プローブ(受信用トランスデューサ)の位置は、インソニファイ用プローブの音響ウィンドウとは異なった音響ウィンドウを持つ位置とすることができる。無指向性の受信用プローブは、広い視野角において感度を持つように設計されているため、全方向性あるいは受信用プローブと呼ばれることもある。
【0027】
インソニファイ用プローブ(インソニファイ用トランスデューサともいう)から次々と送出される複数の超音波パルスの夫々のエコーを受信用プローブで検出し、各々のエコーごとの検出データを個別に格納することで、単一の受信用プローブによって得られるデータから完全な2次元画像を形成することができる。更に、全方向性プローブから成る受信用プローブの数を複数とし、それら複数の受信用プローブが、インソニファイ用プローブから送出される同じ一連の超音波パルスから夫々にデータを収集するようにするならば、それによって複数枚の2次元画像を形成することが可能となる。
【0028】
1つの実施の形態として、受信機能のみを有する超音波機器としてアドオン装置を構成し、超音波パルスの送出は既存の超音波機器のインソニファイ用プローブによって行なうようにすることができ、そのようにすれば、そのアドオン装置の製造者とは異なる製造者により製造された既存の超音波機器に対しても、そのアドオン装置を組合せて使用することができる。また、この構成とすれば、医療診断に関連した研究施設や医療施設において、既存の超音波機器を交換することなく、その超音波機器のBモード、Mモード、及びドップラーモードの解像度を向上させることができる。
【0029】
図1Aないし図1Bに示した体外装着式のアドオンシステム100は、身体組織101の画像を形成するためにホスト送受信用超音波プローブ104とホスト超音波システム102とともに使用されるものである。図1Aに示したアドオン超音波システム100は、単一の受信用プローブ106を備えたものであり、図1Bに示したアドオン超音波システム100は、2つの受信用プローブ106及び108を備えたものである。それら受信用プローブ106及び108は、例えば送信機能を持たず受信機能のみを有するものである。別の実施の形態として、それら受信用プローブ106及び108を、送信機能と受信機能との両方を備えたものとしてもよい。他の実施の形態として、アドオンシステムは、例えば3つ以上の多数の受信用プローブを備えることができる。図1Aないし図1Bに示したように、アドオン超音波システム100が更に、アドオン・プロセッサ110とディスプレイ112とを備えているようにするのもよい。ディスプレイ112は、グラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)として構成されたものとしてもよく、或いは、その他の適宜の構成のディスプレイとしてもよい。ディスプレイ112には更に、タイム・ゲイン調節部、総合ゲイン設定部、ソフトボタンによる画像後処理特性曲線設定部、圧縮レベル設定部、深度設定部などを備えたものとするのもよい。他の制御を、ディスプレイに便利なように加えることもできる。
【0030】
本明細書において説明するアドオン超音波システムにとっては、受信用プローブをホスト超音波プローブに同期させることが不可欠である。受信用プローブをホスト超音波プローブに同期させることができなければ、アドオン超音波システム100はホスト超音波プローブから送信される超音波パルスを利用する術がないからである。アドオン超音波システム100をホスト超音波システム102及びホスト超音波プローブ104に同期させるための方法及びアルゴリズムは、以下に説明するアドオン・プロセッサ110に組込んでおくとよい。
【0031】
本明細書において説明するアドオン超音波システム及びホスト超音波システムでは、超音波パルスの送出は、送受信用プローブ及びホスト超音波システム(標準的な超音波機器はそのように構成されている)により行なわせ、一方、超音波パルスの受信並びに超音波画像のディスプレイ上での表示は、アドオン超音波システムに行なわせることができるようにしている。アドオン超音波システムを、このアドオン超音波システムの大多数の製造者とは別の製造者により製造された既存のないしは将来導入される超音波装置(例えばホスト超音波プローブ及びホスト超音波システムなど)の多くのものに付加して使用できるようにするには、アドオンシステムが、ホスト機器から得られるデータ、ないしは、受信した超音波信号(超音波パルス)から得られるデータだけに基づいて、ホスト機器の様々な特性の大部分を判定可能であるようにしておく必要がある。
【0032】
複数個の受信超音波パルスのうち、最初に受信され、そして、おそらくは最も大きな強度を有する受信超音波パルスは、送信用プローブから受信用プローブへ直接伝搬して受信された超音波パルスである。この直接伝搬した受信超音波パルスは、送信超音波パルスの送出後に最初に受信されることによって、また、非常に大きな強度を有することによって、深部の身体組織で反射したエコーから成る受信超音波パルスとは容易に区別することができる。このように受信された超音波信号(超音波パルス)に基づいて、パルス繰り返しインターバル(PRI)の長さを判定することができ、また、エンド・オブ・フレーム(フレーム終了点)の後にギャップ・タイムが存在する場合にはそのギャップ・タイムの長さも判定することができ、更には、トータル・フレーム・インターバル(TFI)長さと、最大透過深度とを判定することもできる。尚、パルス繰り返しインターバル(PRI)というのは、ある1個の送信超音波パルスの送出開始点(送出開始時刻)から、それに続く次の送信超音波パルスの送出開始点(送出開始時刻)までの経過時間であり、この経過時間内にスキャン・ライン1本分のエコー・データの収集が行なわれる。また、最大透過深度は、PRIの値と、身体組織の中を伝搬する超音波の伝搬速度の値(これは既知値である)とから算出される。実際に画像として表示される透過深度の範囲は、超音波システムのユーザが適宜選択できるようにしておくのもよく、或いは、最大透過深度に対して所定割合の深さの範囲が画像として表示されるようにしておいてもよい。
【0033】
以上に言及したパラメータのうち、特に重要度が高く、しかも判定することが比較的困難なパラメータは、送信超音波パルスの送出開始点(送出開始時刻)である。もし、送信超音波パルスの送出後に最初に受信される超音波パルスの受信開始時刻をもって、送出開始点を判定するための基準としたならば、それによって、送出開始点の判定結果に過大なノイズが入り込むため、スキャン・ラインごとのジッタが不都合なほど大きくなり、その結果として、画質の劣化を来たしてしまう。それゆえ、ある1つの仮定を導入するのがよく、その仮定とは、ホスト超音波システムの設定が一旦なされたならば、その設定が変更されない限りPRIは一定不変であるというものである。この仮定によれば、セクタ・スキャンの第N番目のスキャン・ラインにおける送信超音波パルスの送出開始点は、(第1番目のスキャン・ラインにおける送信超音波の送出開始点)+(n−1)×(パルス繰り返しインターバル)で与えられる。従って、あとは、セクタ・スキャンの第1番目のスキャン・ラインにおける送信超音波パルスの送出開始点を求めればよい。
【0034】
図1Aないし図1Bに示したように、ホスト超音波システム及びホスト超音波プローブにより生成されて送出される送信超音波パルスの送出開始点は、ホスト超音波プローブによって送信されるとともに、ホスト超音波プローブのいずれかの側に配置された受信用プローブの1つによって受信される超音波パルスに基づいて求めることができる。送信超音波パルスの送出後に最初に受信されて検出される受信超音波パルスの検出開始点(検出開始時刻)は、送信超音波パルスの送出開始点(送出開始時刻)より遅れることになり、これは、送出された超音波パルスが受信用プローブに到達するまでに、ある距離を伝搬しなければならないからである。ただしこの時間遅れの大きさは、ホスト超音波プローブと受信用プローブとの相対位置から算出することができ、即ち、受信超音波パルスの検出開始点からこの時間遅れの分を差し引くことで、送信超音波パルスの送出開始点を求めることができる。
【0035】
このように、送信超音波パルスの送出開始点を求める上では、ホスト超音波システムの設定が変更されない限りPRIが一定不変であるということが重要な必要条件となる。また、PRIが一定不変であれば、いわゆる「フライホイール」アルゴリズムを用いて個々のスキャン・ラインの開始点を求めることができる。そして、PRIが変化することはめったにないため、こうして求めたPRIの値は、多数回のスキャン・サイクルに亘って使用することができる。
【0036】
以下に、アドオン超音波システムをホスト超音波プローブに同期させる方法の1つの実施の形態について説明する。図1Aないし図1Bに示したアドオンシステム100に関して、ホスト超音波プローブ104は、身体組織101の中へ超音波パルスを送出することができる。その送出された超音波パルスを、アドオンシステム100が受信することができるようにしてあり、例えば受信用プローブ106により受信する。アドオン超音波システムの様々な実施の形態のうちには、図1Bに示した実施の形態のように、送出された超音波信号(超音波パルス)を受信するためのプローブとして、複数の受信用プローブ(図示例では受信用プローブ106及び108)を備えたものがある。以上において、アドオン・プロセッサ110が、アドオンシステムをホスト超音波プローブに同期させることができるようにしてある。アドオン・プロセッサ110は、然るべきアルゴリズムを用いてアドオンシステムをホスト超音波プローブに同期させる。アドオンシステムをホスト超音波プローブに同期させたならば、アドオンシステムは、対象領域の身体組織の高解像度の画像をGUIなどのディスプレイに供給できるようになる。
【0037】
図2Aに示したフローチャート200は、ホストシステムから送出された送信超音波パルスの送出開始時間を判定するためのフライホイール・アルゴリズムの1つの実施の形態を示したものである。また、図2Bに示した線図201は、そのフライホイール・アルゴリズムがアドオンシステムをホスト機器に同期させるために収集して使用するデータ一式を示した線図である。図2Bに示したように、アルゴリズムが収集するデータには、パルス繰り返しインターバル(PRI)2の長さ、振幅ピーク4の位置(時刻)、インター・フレーム・ギャップ(IFG)6の長さ、フレーム開始点(SOF)8の位置(時刻)、それにトータル・フレーム・インターバル(TFI)10の長さが含まれている。ここに説明するアルゴリズムは、通常、上述のアドオン・プロセッサ110によって実行される。このアルゴリズムは、ファームウェア、ソフトウェア、ハードウェア、ないしはこれら3つの組合せの形態で、アドオン・プロセッサにプログラムとして組込むことができる。
【0038】
フローチャート200のステップ202では、アドオンシステムを起動する(即ち電源の投入ないしはブートアップを行う)。
【0039】
ステップ204において、アドオンシステムは、インターバルに関するデータの収集を開始する。このデータの収集は、例えば、ホスト超音波プローブからデータを収集するという形態で行なえるようにしておくのもよく、そのような実施の形態のうちには、例えば、ホスト超音波プローブに接続したタップ(接続部)を介してデータを収集するようにしたものがある。このデータの収集に要する時間は数秒程度であり、例えば1〜2秒間で行なえることもある。このとき収集するデータは、振幅ピーク間インターバルの値を含むものである。この振幅ピーク間インターバルは、ある1つの振幅ピークの発生時刻から、その次の振幅ピークの発生時刻までのインターバル(時間間隔)であって、パルス繰り返しインターバル(PRI)に相当するものである(図2BのPRI2参照)。
【0040】
次に、フローチャート200のステップ206では、PRIの長さを表わす値を測定する。上で述べたように、PRIとは、ある1つの超音波パルスの送出開始点(送出開始時刻)から、その次の超音波パルスの送出開始点(送出開始時刻)までの経過時間である。PRIは、アドオン超音波システムのアドオン・プロセッサにより、ステップ204で収集された振幅ピーク間インターバルの複数個の収集値のうちの中央値をもって、算出されることができる。
【0041】
次に、ステップ208において、サンプル検出回数(即ち超音波パルスの検出回数)をカウントする。このカウントはアドオン・プロセッサの積算機構(カウント機構)により実行される。尚、サンプル検出回数のカウントの開始時には、この積算機構を初期化して「0」にする必要がある。この積算機構は、サンプル検出回数をカウントするカウンタであり、このカウンタによって、1つのフレームの長さ(トータル・フレーム・インターバルの長さ)が計測される。
【0042】
次に、ステップ210において、アドオン・プロセッサのアルゴリズムは、引き続きインターバルに関するデータの収集を実行して、連続する複数のスキャン・ラインの各々における信号ピーク位置(図2B中の振幅ピーク4参照)を判別する。
【0043】
ステップ212では、以下に説明する2通りの判別方法のうちのいずれかを用いてフレーム開始点(SOF)の判別を実行する。第1の実施の形態の判別方法は、新たに判定された振幅ピーク間インターバルの長さが、PRIの現在格納値より明らかに長ければ、SOFが検出されたものと判別するというものである。また、そのように判別された場合には、その振幅ピーク間インターバルの長さを表わしている値を、インター・フレーム・ギャップ(IFG)の長さを表わす値として格納する。ただし、IFGの長さとPRIの長さとに大差がない場合(図2B中のIFG6及びPRI2参照)には、これとは別の第2の実施の形態の判別方法を用いてSOFの判別を行なわねばならない。
【0044】
第2の実施の形態の判別方法では、連続したスキャン・ラインにおけるピーク振幅値を比較する。そのとき実行しているスキャン方式が、1つのフレームの中で、ホスト超音波プローブから送出する超音波パルスの送出角度を変化させて行くアングル・スイープ方式(セクタ・スキャン方式)である場合には、同一フレーム内の、あるスキャン・ラインとその次のスキャン・ラインとの間で生じるピーク振幅値の変化は小さなものとなる。そして、あるフレームのスキャンが終了してその次のフレームのスキャンを開始するために、超音波パルスの送出角度をフレーム終了点送出角度からフレーム開始点送出角度へと移行させるときには、その送出角度の変化に対応してピーク振幅値の大きな変化が発生する。このピーク振幅値の大きな変化に基づいて、フレーム開始点(SOF)を判別することができる。これについては図2Bを参照されたい。同図に示したように、SOF8に至らないうちは、あるスキャン・ラインとその次のスキャン・ラインとの間でピーク振幅値(振幅ピーク4における振幅値)が緩やかに変化しているのに対して、SOF8に至ったときにはピーク振幅値が大きく変化している。尚、SOF8に至ったときのピーク振幅値の変化は、図2Bに示したように低値から高値への変化であることもあれば、逆に高値から低値への変化であることもある。
【0045】
ステップ214において、アドオン・プロセッサは、トータル・フレーム・インターバル(TFI)の長さを判定する。トータル・フレーム・インターバル(TFI)とは、ある1つのフレームのSOFの時刻からその次のフレームのSOFの時刻まで(サンプルで)の経過時間である。これを図2BにTOF10で示した。
【0046】
ステップ216において、アドオンシステムは、次のTFIにおけるデータの収集を行なう。
【0047】
ステップ218において、アドオン・プロセッサのアルゴリズムは、PRIの長さないしTFIの長さが変化したか否かを判定する。そして、PRIの長さないしTFIの長さが変化したと判定されたならば、次のステップ220において、アドオンシステムはPRIの新たな格納値ないしTFIの新たな格納値への更新を行なう。
【0048】
ステップ222において、アドオン・プロセッサは、再びステップ216へ戻って新たなデータの収集を行う。更に、アドオン・プロセッサは、ステップ218におけるデータ判定を実行し、そして、PRIないしTFIが変化したと判定されたならば、PRIの格納値ないしTFIの格納値の更新を行なう。
【0049】
図3Aないし図3Bに示した体外装着式のアドオンシステム300は、ホスト超音波プローブ304を備えたホスト超音波システム302に組合せて使用することにより身体組織301の画像を形成するための、別の実施の形態に係るアドオンシステムであり、図示例のホスト超音波プローブ304は送受信用プローブである。図3Aないし図3Bに示したシステムは、前述したシステムの構成要素に加えて更に、アドオン超音波システムをホスト超音波システム及びホスト超音波プローブに接続するための高インピーダンスのタップ(接続部)314を備えている。タップ314は例えば配線等である。図3Aないし図3Bにおいて、ホスト超音波システム302、送受信用プローブから成るホスト超音波プローブ304、受信用プローブ306及び308、アドオン・プロセッサ310、及びディスプレイ312は、夫々、図1Aないし図1Bの、ホスト超音波システム102、送受信用プローブから成るホスト超音波プローブ104、受信用プローブ106及び108、アドオン・プロセッサ110、及びディスプレイ112に対応したものである。タップ314によって、ホスト超音波プローブ304をアドオン・プロセッサ310に接続することが可能となっており、これによって、ホスト超音波プローブ304から送出される超音波パルスの送出開始時刻及び送出方向をアドオン・プロセッサ310が検出できるようにしている。この構成によれば、アドオン・プロセッサ310は、送出される全ての超音波パルスに関する情報を、タップ314を介して入手することができるため、図1A、図1B、及び図2を参照して上で説明したアドオンシステムをホストシステムに同期させるためのアルゴリズムを必要としない。
【0050】
タップ314は、ホスト機器の送受信用プローブ(ホスト超音波プローブ)に接続しておくとよく、それによって、送信超音波パルスの送出開始時刻を直接的に検出することができる。更に、それによって、各々の送信超音波パルスの送出方向を検出することもできる。送信超音波パルスの送出方向の検出は、送信アレイ状の複数の送信エレメントのサブセットのパルス送出開始時刻をモニタすることによって行なうことができる。セクタ・スキャンを行なう在来の超音波機器の多くは、その超音波ビームの送出角度を、セクタの一端から他端へ向けて一方向へ変化させて行くように構成されている。ただし、最先端のホスト機器においては、超音波パルスを順次送出する際に、その超音波ビームの送出角度を等角度間隔で単純に増大させて行くのではなく、インターレース方式のビーム送出を行なうようにしたものがある。ホスト超音波システムがそのような超音波機器である場合には、個々の送信超音波パルスごとに、そのビーム送出方向を判定することが必要とされることもある。
【0051】
以下に、アドオン超音波システムをホスト超音波プローブに同期させる方法の別の実施の形態について説明する。図3Aないし図3Bに示したアドオンシステム300に関して、ホスト超音波プローブ304は、身体組織301の中へ超音波パルスを送出することができる。その送出された超音波パルスを、アドオンシステム300が受信することができるようにしてあり、例えば受信用プローブ306により受信する。アドオンシステムの様々な実施の形態のうちには、図3Bに示した実施の形態のように、送出された超音波信号(超音波パルス)を受信するためのプローブとして、複数の受信用プローブ(図示例では受信用プローブ306及び308)を備えたものがある。以上において、アドオン・プロセッサ310が、アドオンシステムをホスト超音波プローブに同期させることができるようにしてあり、この同期は、ホスト超音波プローブをアドオンシステムに接続しているタップ314を介して得られるデータに基づいて行われる。アドオンシステムをホスト超音波プローブに同期させたならば、アドオンシステムは、対象領域の身体組織の高解像度の画像をGUIなどのディスプレイに供給できるようになる。
【0052】
本発明に関するその他の細部特徴として、使用材料及び製造方法などは、当業者の通常の技量の範囲内の様々なものを用いることができる。また、本発明の方法上の特徴に関しても同様に、当業者の通常の技量の範囲内で一般的に採用されておりまた理論的に採用可能な、以上に説明した以外の様々な動作を組込むことができる。更に、以上に説明した本発明の様々な構成例の任意採用可能な様々な特徴は、それら特徴の各々を単独で本明細書及び特許請求の範囲に記載することも、また、その他の特徴と任意に組合せたものを本明細書及び特許請求の範囲に記載することも可能な特徴であるといえる。更には、以上の説明中ではただ1つだけ備えているものとして記載した構成要素を、複数備えるようにすることも可能である。即ち、本明細書並びに特許請求の範囲に単数形で記載した構成要素であっても、文脈から判断して明らかにただ1つしか備えていないと認められる場合を除いて、その構成要素を複数備えるようにすることが可能である。更には、特許請求の範囲の記載は、任意採用可能な特徴を除外した記載とすることが許されている。従って、ここに述べていることは、特許請求の範囲の先行請求項に記載した構成要素を従属請求項において更に限定する際に、「ただ1つしか備えていない」という除外的限定をすることや、当該構成要素を備えていないという「否定的」限定をすることにも、十分な根拠が存在するということである。また、本明細書中で使用している全ての技術用語及び科学用語は、その用語の意味を本明細書中で特に定義している場合を除き、当業者が通常その用語を解釈するところの意味を有するものである。また、本発明の範囲は、本明細書の記載によって限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に使用している用語の本来の意味によってのみ限定されるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アドオン超音波システムをホスト超音波プローブに同期させる方法において、
前記ホスト超音波プローブから超音波パルスを送信する送信ステップと、
前記アドオン超音波システムにより前記超音波パルスを受信する受信ステップと、
プロセッサにより前記アドオン超音波システムを前記ホスト超音波プローブに同期させる同期ステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記受信ステップにおいて、前記アドオン超音波システムの受信用プローブにより前記超音波パルスを受信することを更に含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記受信ステップにおいて、前記アドオン超音波システムの複数の受信用プローブにより前記超音波パルスを受信することを更に含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記同期ステップにおいて、送信された前記超音波パルスに基づいて、前記プロセッサにより前記アドオン超音波システムを前記ホスト超音波プローブに同期させることを更に含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記同期ステップにおいて、前記プロセッサに組込まれているアルゴリズムにより前記アドオン超音波システムを前記ホスト超音波プローブに同期させることを更に含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記アルゴリズムは、前記送信超音波パルスのフレーム開始点を求めることを特徴とする請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記アルゴリズムは、パルス繰り返しインターバルよりも明らかに長い振幅ピーク間インターバルを判別することでフレーム開始点を求めることを特徴とする請求項5記載の方法。
【請求項8】
前記アルゴリズムは、連続するスキャン・ラインの間でピーク振幅値が大きく変化したことを判別することでフレーム開始点を求めることを特徴とする請求項5記載の方法。
【請求項9】
前記アルゴリズムは、ピーク振幅値が低値から高値へまたは高値から低値へ変化したことを判別することでフレーム開始点を求めることを特徴とする請求項5記載の方法。
【請求項10】
前記同期ステップにおいて、前記ホスト超音波プローブを前記アドオン超音波システムに接続しているタップを介して得られるデータに処理を加えるように構成された前記プロセッサにより、前記アドオン超音波システムを前記ホスト超音波プローブに同期させることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記アドオン超音波システムからディスプレイへ超音波画像を供給するステップを更に含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項12】
前記超音波パルスを身体組織の中へ送出することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項13】
アドオン超音波システムにおいて、
ホストプローブから送信された超音波パルスを受信するように構成された超音波レシーバと、
前記超音波レシーバに接続されたプロセッサであって、前記アドオン超音波システムを前記ホストプローブに同期させるように構成されたアルゴリズムが組込まれたプロセッサと、
を備えたことを特徴とするアドオン超音波システム。
【請求項14】
前記プロセッサから供給される超音波画像を表示するためのディスプレイを更に備えていることを特徴とする請求項13記載のアドオン超音波システム。
【請求項15】
第2の超音波レシーバを更に備えていることを特徴とする請求項13記載のアドオン超音波システム。
【請求項16】
前記アルゴリズムは、受信超音波パルスに処理を加えることにより前記アドオン超音波システムを前記ホスト超音波プローブに同期させるように構成されていることを特徴とする請求項13記載のアドオン超音波システム。
【請求項17】
前記アルゴリズムは、送信超音波パルスのフレーム開始点を求めるように構成されていることを特徴とする請求項13記載のアドオン超音波システム。
【請求項18】
前記アルゴリズムは更に、パルス繰り返しインターバルよりも明らかに長い振幅ピーク間インターバルを判別することでフレーム開始点を求めるように構成されていることを特徴とする請求項17記載のアドオン超音波システム。
【請求項19】
前記アルゴリズムは更に、連続したスキャン・ラインの間でピーク振幅値が大きく変化したことを判別することでフレーム開始点を求めるように構成されていることを特徴とする請求項17記載のアドオン超音波システム。
【請求項20】
前記アルゴリズムは更に、ピーク振幅値が低値から高値へまたは高値から低値へ変化したことを判別することでフレーム開始点を求めるように構成されていることを特徴とする請求項17記載のアドオン超音波システム。
【請求項21】
前記ホスト超音波プローブを前記アドオン超音波システムに接続しているタップを更に備えていることを特徴とする請求項13記載のアドオン超音波システム。
【請求項22】
前記プロセッサは、前記アドオン超音波システムを前記ホスト超音波プローブに同期させるために、前記タップを介して得られるデータに処理を加えるように構成されていることを特徴とする請求項21記載のアドオン超音波システム。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【公表番号】特表2011−530345(P2011−530345A)
【公表日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−522263(P2011−522263)
【出願日】平成21年8月7日(2009.8.7)
【国際出願番号】PCT/US2009/053096
【国際公開番号】WO2010/017445
【国際公開日】平成22年2月11日(2010.2.11)
【出願人】(511032992)マウイ イマギング,インコーポレーテッド (4)
【Fターム(参考)】