説明

マルチキャスト通信中継装置およびマルチキャスト通信中継システム

【課題】 互いに異なる体系を有するネットワークにおいて相互のマルチキャスト通信を容易に実現することができるマルチキャスト通信中継装置およびそのシステムを提供すること。
【解決手段】 あるアドレス管理体系に属する配信装置からグループに対してマルチキャストされたパケットをこの体系と異なる体系に属する通信端末に向けて中継する中継部11と、配信装置の体系と同じ体系のRPとグループとを対応させた対応情報を記憶する対応情報記憶部12と、通信端末が属する体系に対しRPの代理を行う代理部13とを備え、通信端末がグループに参加するための参加情報を中継部11が受信したとき、代理部13は、対応情報に基づいて受信した参加情報が示すグループと対応するRPに参加情報を送信し、中継部11は、参加情報を送信したRPを介して、配信装置からマルチキャストされたパケットを通信端末に向けて中継するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチキャストされたパケットを通信端末に中継するマルチキャスト通信中継装置およびマルチキャスト通信中継システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、PIM−SM(Protocol Independent Multicast-SparseMode)に準拠したマルチキャスト対応のルータは、マルチキャストされたパケットを効率の良く配信するために、パケットを配信するための転送経路を決定し、決定した転送経路に従ってパケットを配信するようになっている。この転送経路は、ツリー構造を形成し、1つのグループによって識別される。通信端末が転送経路からマルチキャストされたパケットを受信したいときには、通信端末がグループに参加するための参加情報をランデブーポイントに送信する必要がある。なお、ランデブーポイントは、転送経路の中継点にあるルータ等の通信装置であり、マルチキャストされたパケットを転送経路を通じて通信端末に配信するようになっている。
【0003】
このようなPIM−SMを利用した従来の装置としては、ランデブーポイントとなるルータが故障もしくは輻輳時に、別のルータにランデブーポイントを委譲するように指示するものが知られている(例えば特許文献1参照。)。
【0004】
一方、企業内や企業間等に敷設されるネットワークの構成が、近年、複雑になっており、閉域網とインターネットとの間にNAT(Network Address Translation)に準拠した通信装置(以下、NAT装置という)を接続して構築されたネットワークが、利用される形態も知られている(例えば特許文献2参照。)。
【0005】
ところで、上述した従来の技術を利用して、ネットワークカメラ等をある閉域網に接続し、ネットワークカメラからマルチキャストされたパケットを受信する通信端末を他の閉域網に接続した形態では、それぞれの閉域網に接続されたNAT装置を介して、通信端末が、マルチキャストされたパケットを受信することが考えられる。
【0006】
なお、このような形態では、それぞれの閉域網に属するアドレスの管理体系がそれぞれ独立し、閉域網毎に一意のアドレスが付与されるような管理がなされる(例えば、一般に192.0.0.0から始まるプライベートアドレスが使われることが多い。)ため、それぞれの閉域網に接続される通信装置それぞれには、同一のアドレスが付与されてしまうこともある。従って、ネットワーク管理者等が、NAT装置が有するアドレス変換表に、それぞれの閉域網に接続される全ての通信装置に付与されたアドレスが重複しないような設定を行う必要がある。
【特許文献1】特開2002−252630号公報
【特許文献2】特開平11−298527号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した形態において、それぞれの閉域網に接続される全ての通信装置に付与されたアドレスを意識しながらアドレス変換表に設定を行うことは、ネットワーク管理者等にとって煩雑である。さらには、互いに異なるアドレス管理体系を有するネットワークにおいて、それぞれの体系を意識しながらマルチキャストを実現可能なネットワークを構築することは、ネットワーク管理者等にとって煩雑なものにしていた。
【0008】
本発明は、従来の課題を解決するためになされたもので、互いに異なる体系を有するネットワークにおいて相互のマルチキャスト通信を容易に実現することができるマルチキャスト通信中継装置およびマルチキャスト通信中継システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のマルチキャスト通信中継装置においては、あるアドレス管理体系に属する配信装置からマルチキャストグループに対してマルチキャストされたパケットを、前記アドレス管理体系と異なるアドレス管理体系に属する通信端末に向けて中継する中継部11と、前記配信装置のアドレス管理体系と同じアドレス管理体系のランデブーポイントと前記グループとを対応させた対応情報を記憶する対応情報記憶部12と、前記通信端末が属するアドレス管理体系に対して前記ランデブーポイントの代理を行う代理部13とを備え、前記通信端末が前記グループに参加するための参加情報を前記中継部11が受信したとき、前記代理部13は、受信された参加情報が示すグループと対応するランデブーポイントを前記対応情報に基づいて特定し、特定したランデブーポイントに前記参加情報を送信し、前記中継部11は、前記参加情報を送信したランデブーポイントを介して、前記配信装置からマルチキャストされたパケットを前記通信端末に向けて中継する構成を有している。
【0010】
この構成により、配信装置のアドレス管理体系と異なる通信端末がグループに参加するための参加情報を受信したとき、対応情報に基づいて参加情報が示すグループと対応するランデブーポイントを特定し、特定したランデブーポイントに参加情報を送信し、参加情報を送信したランデブーポイントを介して、配信装置からマルチキャストされたパケットを通信端末に中継することにより、相互のアドレス管理体系におけるマルチキャスト通信を代理するため、互いに異なるアドレス管理体系を有するネットワークにおいて相互のマルチキャスト通信を容易に実現することができる。
【0011】
本発明のマルチキャスト通信中継装置において、前記アドレス管理体系はネットワークと対応し、前記パケットに含まれる送信元のアドレスから、前記通信端末が属するネットワークに対応する自己のアドレスに変換するアドレス変換部14を備え、前記中継部11は、前記アドレス変換部14が前記自己のアドレスに変換した前記パケットを前記通信端末に向けて中継する構成を有している。
【0012】
この構成により、自己のアドレスに変換したパケットを通信端末に中継すると共に、相互のネットワークにおけるマルチキャスト通信を代理するため、従来と比較すればアドレス管理表に対する設定を不要とし、互いに異なるネットワークにおいて相互のマルチキャスト通信を容易に実現することができる。
【0013】
本発明のマルチキャスト通信中継装置において、前記中継部11は、前記配信装置が属するアドレス管理体系の通信装置から対応情報を受信したとき、前記対応情報記憶部12は、受信した対応情報を記憶すると共に、前記代理部13は、受信された対応情報に含まれるランデブーポイントを自己に代え、自己に代えた対応情報を前記通信端末が属するアドレス管理体系の通信装置に対して送信する構成を有している。
【0014】
この構成により、受信した対応情報を記憶すると共に、受信した対応情報に含まれるランデブーポイントを自己に代え、自己に代えた対応情報を通信端末が属するネットワークの通信装置に対して送信するため、自動で対応情報を登録をすることができ、通信端末が属するネットワークの通信装置に対してマルチキャスト通信の代理を行うための設定を不要にすることができる。
【0015】
本発明のマルチキャスト通信中継装置において、前記中継部11は、前記配信装置からマルチキャストされたパケットを受信したとき、前記代理部13は、受信されたパケットに基づいて前記配信装置を特定し、特定した前記配信装置を表す情報を含む前記参加情報を前記配信装置に送信する構成を有している。
【0016】
この構成により、受信したパケットに基づいて配信装置を特定し、特定した配信装置を表す情報を含む参加情報を配信装置に送信するため、所定のマルチキャスト通信のプロトコル等に準拠していれば、マルチキャスト通信における最短転送経路を形成することができる。
【0017】
本発明のマルチキャスト通信中継システムは、あるアドレス管理体系に属する配信装置と、前記アドレス管理体系と異なるアドレス管理体系に属する通信端末と、前記配信装置からマルチキャストグループに対してマルチキャストされたパケットを前記通信端末に中継するマルチキャスト通信中継装置10とを有し、前記マルチキャスト通信中継装置10は、前記パケットを前記通信端末に向けて中継する中継部11と、前記配信装置のアドレス管理体系と同じアドレス管理体系のランデブーポイントと前記グループとを対応させた対応情報を記憶する対応情報記憶部12と、前記通信端末が属するアドレス管理体系に対して前記ランデブーポイントの代理を行う代理部13とを備え、前記通信端末が前記グループに参加するための参加情報を前記中継部11が受信したとき、前記代理部13は、受信された参加情報が示すグループと対応するランデブーポイントを前記対応情報に基づいて特定し、特定したランデブーポイントに前記参加情報を送信し、前記中継部11は、前記参加情報を送信したランデブーポイントを介して、前記配信装置からマルチキャストされたパケットを前記通信端末に向けて中継する構成を有している。
【0018】
この構成により、配信装置のアドレス管理体系と異なる通信端末がグループに参加するための参加情報がマルチキャスト通信中継装置によって受信され、マルチキャスト通信中継装置が、対応情報から参加情報が示すグループと対応するランデブーポイントに参加情報を送信し、参加情報を送信したランデブーポイントを介して、配信装置からマルチキャストされたパケットを通信端末に中継することにより、相互のアドレス管理体系におけるマルチキャスト通信を代理するため、互いに異なるアドレス管理体系を有するネットワークにおいて相互のマルチキャスト通信を容易に実現することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、互いに異なるアドレス管理体系を有するネットワークにおいて相互のマルチキャスト通信を容易に実現することができるマルチキャスト通信中継装置およびマルチキャスト通信中継システムを提供するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態に係るマルチキャスト通信中継システムについて、図面を用いて説明する。
【0021】
(本発明の第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係るマルチキャスト通信中継システムのシステム構成図を図1に示す。図1に示したマルチキャスト通信中継システムは、ネットワーク20とネットワーク30とに接続されたマルチキャスト通信中継装置10を有して構成されている。
【0022】
ネットワーク20またはネットワーク30は、例えば私設網であり、それぞれのネットワークに属するアドレスの管理体系がそれぞれ独立しており、ネットワーク毎に一意のアドレスが付与されるような管理がなされるため、それぞれのネットワークに属する通信装置それぞれには、同一のアドレスが付与されてしまうこともある。なお、ネットワーク20またはネットワーク30は、私設網に限定されず公衆網等の基幹網でもよい。
【0023】
ネットワーク20には、配信装置21、通信端末22、およびマルチキャスト対応のルータ23が属している。ネットワーク30には、配信装置31、通信端末32、およびマルチキャスト対応のルータ33が属している。
【0024】
配信装置21および配信装置31は、例えばネットワークカメラ等、配信するものであれば如何なるものでもよく、画像、音声、文書等を構成するパケットをマルチキャストするようになっている。通信端末22および通信端末32は、例えばパソコン等でもよく、配信装置21または配信装置31のうち少なくとも1つからマルチキャストされたパケットを受信し、受信したパケットを組み立て、組み立てて得られたデータの表示や格納等を行うようになっている。ルータ23およびルータ33は、マルチキャストされたパケットを必要あれば方路数だけコピーし、コピーしたパケットをそれぞれの方路に転送するようになっている。
【0025】
以降、ルータ23の各々を区別する場合には、ルータ23a〜ルータ23dとして記載する。また、ルータ33の各々を区別する場合には、ルータ33a〜ルータ33dとして記載する。
【0026】
本発明の第1の実施の形態では、マルチキャスト通信中継装置10、ルータ23、およびルータ33は、PIM−SMに準拠し、ルータ23bおよびルータ33bがブートストラップルータ(BSR:BootStrap Router)およびランデブーポイント(RP:Rendezvous Point)として機能する。なお、マルチキャスト通信中継装置10、ルータ23、およびルータ33の如何なる通信装置でも、BSR、RPになる場合もある。また、BSRとRPとは、別々の通信装置がなる場合もある。
【0027】
また、配信装置21がマルチキャストするパケットに含まれる送信元アドレスには、マルチキャストアドレスが設定されている。なお、マルチキャストアドレスは、例えば、IPアドレスにおけるClass Dの形式等を有するアドレスである。ここで、配信装置21が使用するマルチキャストアドレスをG1とし、配信装置31が使用するマルチキャストアドレスをG2とする。また、マルチキャストアドレスは、マルチキャストグループを識別するものである。
【0028】
本発明の第1の実施の形態に係るマルチキャスト通信中継装置の装置構成図を図2に示す。図2に示したマルチキャスト通信中継装置10は、ネットワークインタフェース、CPU等のプロセッサ、およびメモリ等の記憶装置等によって構成され、中継部11、対応情報記憶部12、代理部13、およびアドレス変換部14を有する。
【0029】
中継部11は、例えば、ネットワークインタフェースによって構成され、ネットワーク20から送信されたパケットを受信し、受信したパケットをネットワーク30に中継するようになっている。また、中継部11は、ネットワーク30から送信されたパケットを受信し、受信したパケットをネットワーク20に中継するようになっている。
【0030】
なお、中継部11には、接続されるネットワークの個数に対応してアドレスが登録されている。例えば、中継部11には、マルチキャスト通信中継装置10のアドレスとして、ネットワーク20に対応するアドレスX1およびネットワーク30に対応するアドレスY1が登録されている。アドレスX1およびアドレスY1は、それぞれのネットワークのアドレスの管理体系に合わせて付与されたアドレスである。
【0031】
対応情報記憶部12は、記憶装置によって構成され、配信装置21のネットワーク20と同じネットワーク20に属するRPとマルチキャストグループG1とを対応させた対応情報を記憶するようになっている。また、対応情報記憶部12は、ネットワーク30と同じネットワーク30に属するRPとマルチキャストグループG2とを対応させた対応情報を記憶するようになっている。なお、対応情報においては、1つのRPに対して複数のマルチキャストグループを対応させてもよい。
【0032】
代理部13は、通信端末32が属するネットワーク30の通信装置に対し、配信装置21が属するネットワーク20のRPとなるルータ23bの代理を行うようになっている。なお、ネットワーク30の通信装置は、通信端末32またはルータ33等である。また、代理部13は、通信端末22が属するネットワーク20の通信装置に対し、配信装置31が属するネットワーク30のRPとなるルータ33bの代理を行うようになっている。なお、ネットワーク30の通信装置は、通信端末22またはルータ23等である。
【0033】
アドレス変換部14は、配信装置21からマルチキャストされたパケットに含まれる送信元のアドレスから、ネットワーク30に対応するマルチキャスト通信中継装置10のアドレスを表すアドレスY1に変換するようになっている。また、アドレス変換部14は、配信装置31からマルチキャストされたパケットに含まれる送信元のアドレスから、通信端末22が属するネットワーク20に対応するマルチキャスト通信中継装置10のアドレスを表すアドレスX1に変換するようになっている。
【0034】
なお、代理部13やアドレス変換部14等は、CPU等のプロセッサによって処理されるプログラムのモジュールで構成されるようにしてもよい。
【0035】
以上のように構成された本発明の第1の実施の形態に係るマルチキャスト通信中継システムの動作について、図面を参照して以下に説明する。
【0036】
また、図1に示したネットワーク20に属する配信装置21が、マルチキャストグループG1に対してパケットをマルチキャストし、マルチキャスト通信中継装置10が、ネットワーク30に属する通信端末32にパケットを中継する実施例について説明する。なお、ルータ23、ルータ33、およびマルチキャスト通信中継装置10におけるPIM−SMの隣接関係は、それぞれを結ぶ結線で図示している。
【0037】
(対応情報の登録)
図3は、対応情報の登録の動作について説明するための図である。図3に示すように、まず、BSRであるルータ23bは、RPとなるルータ23bとマルチキャストグループG1とを対応させた対応情報を含むPIM-Bootstrapメッセージ(以下、ブートストラップメッセージという。)を配信する(S11)。配信されたブートストラップメッセージは、ネットワーク20に属するルータ23a、ルータ23c、ルータ23d、およびマルチキャスト通信中継装置10に転送される。
【0038】
マルチキャスト通信中継装置10の中継部11が、転送されたブートストラップメッセージを受信し、対応情報記憶部12は、中継部11が受信したブートストラップメッセージに含まれる対応情報を記憶する。ルータ23a、ルータ23c、およびルータ23dもまた、受信したブートストラップメッセージに含まれる対応情報を記憶する。
【0039】
ここで、ルータ23a、ルータ23c、およびルータ23dが記憶した対応情報の一例を図4(A)に示す。例えば、G1は、マルチキャストグループを表すIPアドレスであり、RP1は、ルータ23bを表すIPアドレスである。
【0040】
また、対応情報記憶部12が記憶した対応情報の一例を図4(B)に示す。ここで、図4(B)中の「ネクストホップ」の欄は、参加情報を受けたときに、次に転送すべき通信装置の識別情報である。これにより、アドレスRP1と同一のアドレスを持つ通信装置が、ネットワーク30に存在するような場合でも、参加情報を適切な転送先へ中継することができる。なお、通信装置の識別情報の代わりに、マルチキャスト通信中継装置10が参加情報を中継して出力したときのインタフェースの識別情報を対応させて記憶するようにしてもよい。
【0041】
対応情報記憶部12が対応情報を記憶したとき、代理部13は、中継部11によって受信された対応情報に含まれるアドレスRP1を自己のアドレス、すなわちアドレスY1に代え、アドレスY1に代えた対応情報を含むPIM-Candidate-RP-Advertisementメッセージ(以下、RP広告メッセージという。)を、通信端末32が属するネットワーク30のBSRであるルータ33bに送信する(S12)。ルータ33bは、RP広告メッセージを受信し、受信したRP広告メッセージから対応情報を抽出し、抽出した対応情報を記憶する。
【0042】
ルータ33bは、記憶した対応情報を含むブートストラップメッセージを配信する(S13)。配信されたブートストラップメッセージは、ネットワーク30に属するルータ33a、ルータ33c、ルータ33d、およびマルチキャスト通信中継装置10に転送される。ルータ33a、ルータ33c、およびルータ33dは、受信したブートストラップメッセージに含まれる対応情報を記憶する。ここで、ルータ33a、ルータ33b、ルータ33c、およびルータ33dが記憶した対応情報の一例を図4(C)に示す。
【0043】
なお、本実施例では、PIM−SMに準拠して各対応情報を登録する形態について説明したが、ネットワーク管理者等がこれらの対応情報を予め登録してもよい。また、ルータ33bがネットワーク30におけるBSRおよびRPとする形態について説明したが、他の実施例では、マルチキャスト通信中継装置10がネットワーク30におけるBSRおよびRPとするような形態でもよく、この形態では、マルチキャスト通信中継装置10が、対応情報を含むブートストラップメッセージをルータ33それぞれに配信することになる。
【0044】
(マルチキャスト)
図5は、マルチキャストグループにおける参加の動作について説明するための図である。図5に示すように、まず、配信装置21がマルチキャストグループG1に対してパケットをマルチキャストする(S21)。なお、マルチキャストされたパケットに含まれる送信元アドレスには、配信装置21を表すアドレスS1が設定され、宛先アドレスには、アドレスG1が設定されている。
【0045】
ルータ23aは、配信装置21からマルチキャストされたパケットを受信したとき、図4(A)に示した対応情報に基づいて、パケットに含まれる宛先アドレスに設定されているアドレスG1と対応するRPを特定すると共にパケットをカプセル化し、カプセル化したパケットを、特定したルータ23bにPIM-Registerメッセージ(以下、登録メッセージという。)として転送する(S22)。ルータ23bは、登録メッセージを受信し、受信した登録メッセージに基づいてアドレスS1とマルチキャストグループG1との対応関係を記憶する。
【0046】
(他のネットワークからのマルチキャストグループ参加)
ここで、図5に示すように、通信端末32がマルチキャストグループG1に参加するための参加情報を送信する(S31)。ルータ33cは、通信端末32から送信された参加情報を受信したとき、図4(C)に示した対応情報に基づいて、参加情報に含まれるマルチキャストグループG1と対応するRPを特定し、特定したアドレスY1のマルチキャスト通信中継装置10に参加情報を送信する。送信された参加情報は、PIM-Joinメッセージ(以下、参加メッセージという。)として、マルチキャスト通信中継装置10にルータ33dを介して転送される(S32)。
【0047】
マルチキャスト通信中継装置10の中継部11は、通信端末32から送信された参加情報を受信したとき、代理部13は、図4(B)に示した対応情報に基づいて、受信された参加情報が示すマルチキャストグループG1と対応するRPを特定し、特定したルータ23bに参加情報を参加メッセージとして中継部11を介して送信する(S33)。送信された参加情報は、ルータ23dおよびルータ23cを介してルータ23bに転送される。
【0048】
なお、この参加情報には、マルチキャストグループG1が含まれるが、マルチキャスト元である配信装置21のアドレスが不明であるため含まれない。
【0049】
参加情報を受信したルータ23bは、登録メッセージのカプセル化を解除し、解除したパケットは、ルータ23cおよびルータ23dを介してマルチキャスト通信中継装置10に転送される(S34)。マルチキャスト通信中継装置10の中継部11は、転送されたパケットを受信し、アドレス変換部14は、受信したパケットの送信元のアドレスに設定されているアドレスS1から、通信端末32が属するネットワーク30に対応するマルチキャスト通信中継装置10のアドレスを表すアドレスY1に変換する。
【0050】
中継部11は、アドレス変換部14がマルチキャスト通信中継装置10のアドレスに変換したパケットを通信端末32に中継し、中継されたパケットは、ルータ33dおよびルータ33cを介して通信端末32に転送される(S35)。
【0051】
勿論、第1の実施の形態では、配信装置21と同じネットワーク20に属する通信端末22がマルチキャストグループG1に参加することもできる。
【0052】
(最短転送経路の形成)
ネットワーク20に属するラストホップルータとなるマルチキャスト通信中継装置10の中継部11は、マルチキャストされたパケットを受信した場合、代理部13は、マルチキャストされたパケットに含まれる送信元アドレスから、マルチキャスト元のアドレスを特定することができる。
【0053】
図6は、最短転送経路の形成の動作について説明するための図である。マルチキャスト通信中継装置10の代理部13は、マルチキャストグループG1に参加するための参加情報を参加メッセージとして、マルチキャスト元である配信装置21に送信し、参加情報は、最短転送経路、すなわち、ルータ23dおよびルータ23aを経由して送信される(S41)。なお、この参加情報には、マルチキャストグループG1が含まれ、マルチキャスト元である配信装置21を表すアドレスS1も含まれる。ルータ23aは、マルチキャスト通信中継装置10から参加情報を受信したとき、受信した方路に切替えてパケットを転送するようになる(S42)。
【0054】
一方、ネットワーク30に属するラストホップルータとなるルータ33cは、マルチキャストされたパケットを受信した場合、マルチキャストグループG1に参加するための参加情報を、マルチキャスト元の代理となっているマルチキャスト通信中継装置10に送信する(S43)。ただし、このときのネットワーク30内の転送経路は、最短であるため変更されない。
【0055】
なお、本実施例では、配信装置21が、マルチキャストグループG1に対してパケットをマルチキャストし、マルチキャスト通信中継装置10が、マルチキャストされたパケットを通信端末32に中継する動作について説明したが、本実施例と同様に、配信装置21に加えて配信装置31が、マルチキャストグループG2に対してパケットをマルチキャストし、マルチキャスト通信中継装置10が、マルチキャストされたパケットを通信端末22に中継することもできる。
【0056】
なお、このような配信装置31がマルチキャストする実施例では、BSRであるルータ33bが、RPとなるルータ33bとマルチキャストグループG2とを対応させた対応情報を含むブートストラップメッセージを配信することを契機として、ルータ33a、ルータ33c、およびルータ33dには、図7(A)に示す対応情報が登録され、また対応情報記憶部12には、図7(B)に示す対応情報が登録される。また、代理部13が、対応情報に含まれるアドレスRP2をアドレスX1に代え、アドレスX1に代えた対応情報を含むRP広告メッセージをBSRであるルータ23bに対して送信することを契機として、ルータ23a、ルータ23b、ルータ23c、およびルータ23dには、図7(C)に示す対応情報が登録される。
【0057】
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態に係るマルチキャスト通信中継システムにおいて、例えば、通信端末32がマルチキャストグループG1に参加するための参加情報を送信し、マルチキャスト通信中継装置10は、送信された参加情報を受信したとき、図4(A)に示した対応情報に基づいて、参加情報が示すマルチキャストグループG1と対応するRPを特定し、特定したルータ23bに参加情報を送信し、参加情報を送信したルータ23bを介して、配信装置21からマルチキャストされたパケットを通信端末32に中継することにより、相互のネットワークにおけるマルチキャスト通信を代理するため、互いに異なるネットワークを有するネットワークにおいて相互のマルチキャスト通信を容易に実現することができる。
【0058】
また、マルチキャスト通信中継装置10は、例えば、配信装置21からマルチキャストされたパケットに含まれる送信元のアドレスから自己のアドレスに変換し、変換したパケットを通信端末32に中継すると共に、相互のネットワークにおけるマルチキャスト通信を代理するため、アドレス管理表に対する設定を不要とし、互いに異なるネットワークにおいて相互のマルチキャスト通信を容易に実現することができる。
【0059】
また、マルチキャスト通信中継装置10は、例えば、受信した対応情報を記憶すると共に、受信した対応情報に含まれるRPを自己に代え、自己に代えた対応情報をネットワーク30の通信装置に対して送信するため、自動で対応情報を登録をすることができ、ネットワーク30の通信装置に対してマルチキャスト通信の代理を行うための設定を不要にすることができる。
【0060】
また、マルチキャスト通信中継装置10は、配信装置21からマルチキャストされたパケットに基づいて配信装置21を特定し、特定した配信装置21を表すアドレスを含む参加情報を配信装置21に送信するため、マルチキャスト通信における最短転送経路を形成することができる。
【0061】
なお、第1の実施の形態では、互いに異なる2つのネットワーク20、ネットワーク30を有するマルチキャスト通信中継システムについて説明したが、本発明では、このような実施の形態に係るマルチキャスト通信中継システムに限定されることはない。
【0062】
他の形態の一例としては、アドレス等の管理体系が異なる1つのネットワークに、配信装置、通信端末、マルチキャスト対応のルータ等の通信装置と共にマルチキャスト通信中継装置10を有するマルチキャスト通信中継システムでも実施することもでき、それぞれの体系に属する通信装置に付与されたアドレス等の機密性を高めることが可能である。
【0063】
さらに、他の形態の一例としては、アドレス管理体系が互いに異なる3つ以上のネットワークに接続されたマルチキャスト通信中継装置10を有するマルチキャスト通信中継システムでも実施することもできる。なお、前述のアドレスの管理体系が互いに異なるネットワークとしては、例えば、IPv4で管理されているネットワーク同士ということだけでなく、IPv4で管理されているネットワークとIPv6で管理されているネットワークとの間で実施することもできる。
【0064】
(本発明の第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態に係るマルチキャスト通信中継システムのシステム構成図を図8に示す。図8に示したマルチキャスト通信中継システムは、2つのマルチキャスト通信中継装置10を有している。以降、マルチキャスト通信中継装置10の各々を区別する場合には、マルチキャスト通信中継装置10a、マルチキャスト通信中継装置10bとして記載する。
【0065】
さらに、図8に示したマルチキャスト通信中継システムは、ネットワーク20とネットワーク40とに接続されたマルチキャスト通信中継装置10aと、ネットワーク30とネットワーク40とに接続されたマルチキャスト通信中継装置10bとを有して構成されている。
【0066】
なお、本発明の第2の実施の形態に係るマルチキャスト通信中継システムを構成する構成要素のうち、本発明の第1の実施の形態に係るマルチキャスト通信中継システムを構成する構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、それぞれの説明を省略する。
【0067】
ネットワーク40は、例えば基幹網であり、ネットワーク20、ネットワーク30、およびネットワーク40は、それぞれのネットワークに属するアドレス管理体系がそれぞれ独立している。
【0068】
また、第2の実施の形態では、ネットワーク40がユニキャスト対応のネットワークとし、マルチキャスト通信中継装置10aとマルチキャスト通信中継装置10bとの間の通信は、公知のトンネリング技術等を利用している。
【0069】
なお、マルチキャスト通信中継装置10aの中継部11には、ネットワーク20に対応するアドレスX1およびネットワーク40に対応するアドレスZ1が付与されている。また、マルチキャスト通信中継装置10bの中継部11には、ネットワーク30に対応するアドレスY1およびネットワーク40に対応するアドレスZ2が付与されている。
【0070】
以上のように構成された本発明の第2の実施の形態に係るマルチキャスト通信中継システムの動作について、図面を参照して以下に説明する。
【0071】
なお、ネットワーク20に属する配信装置21が、マルチキャストグループG1に対してパケットをマルチキャストし、マルチキャスト通信中継装置10aおよびマルチキャスト通信中継装置10bが、ネットワーク30に属する通信端末32にパケットを中継する実施例について説明し、特に、マルチキャスト通信中継装置10aおよびマルチキャスト通信中継装置10bの動作について詳細に説明する。
【0072】
(対応情報の登録)
まず、BSRであるルータ23bは、RPとなるルータ23bとマルチキャストグループG1とを対応させた対応情報を含むブートストラップメッセージを配信する。マルチキャスト通信中継装置10aの対応情報記憶部12は、配信された対応情報を記憶する。
【0073】
次に、マルチキャスト通信中継装置10aの代理部13は、受信した対応情報に含まれるアドレスRP1を自己のアドレス、すなわちアドレスZ1に代え、アドレスZ1に代えた対応情報をマルチキャスト通信中継装置10bに送信する。なお、アドレスZ1に代えた対応情報は、PIM-Helloメッセージに含めて送信されてもよいし、ブートストラップメッセージに含めて送信されてもよい。マルチキャスト通信中継装置10bは、アドレスZ1に代えた対応情報を受信し、マルチキャスト通信中継装置10bの対応情報記憶部12等に格納する。
【0074】
ここで、マルチキャスト通信中継装置10bの代理部13は、受信した対応情報に含まれるアドレスZ1を自己のアドレス、すなわちアドレスY1に代え、アドレスY1に代えた対応情報を含むRP広告メッセージを、通信端末32が属するネットワーク30のBSRであるルータ33bに対して送信する。
【0075】
(マルチキャスト)
本発明の第1の実施の形態に係るマルチキャストの実施例と同様の動作であるため、説明を省略する。
【0076】
(他のネットワークからのマルチキャストグループ参加)
通信端末32がマルチキャストグループG1に参加するための参加情報を送信したとき、マルチキャスト通信中継装置10bの中継部11は、ルータ33cおよびルータ33dを介して転送された参加情報を参加メッセージとして受信する。マルチキャスト通信中継装置10bの代理部13は、マルチキャスト通信中継装置10bの対応情報記憶部12が記憶した対応情報に基づいて、受信された参加情報が示すマルチキャストグループG1と対応するRPを特定し、特定したマルチキャスト通信中継装置10aに参加情報を参加メッセージとして送信する。
【0077】
マルチキャスト通信中継装置10aの中継部11は、送信された参加情報を受信し、マルチキャスト通信中継装置10aの代理部13は、マルチキャスト通信中継装置10aの対応情報記憶部12が記憶した対応情報に基づいて、参加情報が示すマルチキャストグループG1と対応するRPを特定し、特定したルータ23bに参加情報を参加メッセージとして送信する。
【0078】
参加情報を受信したルータ23bは、登録メッセージのカプセル化を解除し、解除したパケットは、ルータ23cおよびルータ23dを介してマルチキャスト通信中継装置10aに転送される。マルチキャスト通信中継装置10aの中継部11は、転送されたパケットを受信し、マルチキャスト通信中継装置10aのアドレス変換部14は、受信したパケットに含まれる送信元のアドレスから、自己のアドレスとなるアドレスZ1に変換する。
【0079】
マルチキャスト通信中継装置10aの中継部11は、マルチキャスト通信中継装置10aのアドレス変換部14が自己のアドレスに変換したパケットをマルチキャスト通信中継装置10bに中継する。マルチキャスト通信中継装置10bの中継部11は、転送されたパケットを受信し、マルチキャスト通信中継装置10bのアドレス変換部14は、受信したパケットに含まれる送信元のアドレスから、自己のアドレスとなるアドレスY1に変換する。マルチキャスト通信中継装置10bの中継部11は、マルチキャスト通信中継装置10bのアドレス変換部14が自己のアドレスに変換したパケットを通信端末32に中継する。中継されたパケットは、ルータ33dおよびルータ33cを介して通信端末32に転送される。
【0080】
(最短転送経路の形成)
本発明の第1の実施の形態に係る最短転送経路の形成の実施例と同様の動作であるため、説明を省略する。
【0081】
なお、本発明の第2の実施の形態に係る本実施例では、配信装置21が、マルチキャストグループG1に対してパケットをマルチキャストし、マルチキャスト通信中継装置10aおよびマルチキャスト通信中継装置10bが、マルチキャストされたパケットを通信端末32に中継する動作について説明したが、本実施例と同様に、配信装置21に加えて配信装置31が、マルチキャストグループG2に対してパケットをマルチキャストし、マルチキャスト通信中継装置10bおよびマルチキャスト通信中継装置10aが、マルチキャストされたパケットを通信端末22に中継して実施することもできる。
【0082】
以上説明したように、本発明の第2の実施の形態に係るマルチキャスト通信中継システムは、ネットワーク20の通信装置またはネットワーク30の通信装置が、ネットワーク40を経由してマルチキャスト通信を中継する形態でも、本発明の第1の実施の形態に係るマルチキャスト通信中継システムと同様の効果が得られる。
【0083】
なお、第2の実施の形態では、ネットワーク40と隣接する2つのネットワーク20、ネットワーク30を有するマルチキャスト通信中継システムについて説明したが、本発明では、このような実施の形態に係るマルチキャスト通信中継システムに限定されることはない。
【0084】
他の形態の一例としては、アドレス管理体系が互いに異なるネットワークを3つ以上とし、それぞれのネットワークに対応するマルチキャスト通信中継装置10を有し、それぞれのマルチキャスト通信中継装置10を基幹網を介して接続するようなマルチキャスト通信中継システムでも実施することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0085】
以上のように、本発明に係るマルチキャスト通信中継装置は、互いに異なる体系を有するネットワークにおいて相互のマルチキャスト通信を容易に実現することができるという効果を有し、マルチキャストされたパケットを通信端末に中継する通信装置等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るマルチキャスト通信中継システムのシステム構成図
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るマルチキャスト通信中継装置の装置構成図
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る対応情報の登録の動作について説明するための図
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る対応情報の一例を示す図
【図5】本発明の第1の実施の形態に係るマルチキャストグループにおける参加の動作について説明するための図
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る最短転送経路の形成の動作について説明するための図
【図7】本発明の第1の実施の形態における対応情報の他の一例を示す図
【図8】本発明の第2の実施の形態に係るマルチキャスト通信中継システムのシステム構成図
【符号の説明】
【0087】
10 マルチキャスト通信中継装置
11 中継部
12 対応情報記憶部
13 代理部
14 アドレス変換部
20、30、40 ネットワーク
21、31 配信装置
22、32 通信端末
23、33 ルータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
あるアドレス管理体系に属する配信装置からマルチキャストグループに対してマルチキャストされたパケットを、前記アドレス管理体系と異なるアドレス管理体系に属する通信端末に向けて中継する中継部11と、
前記配信装置のアドレス管理体系と同じアドレス管理体系のランデブーポイントと前記グループとを対応させた対応情報を記憶する対応情報記憶部12と、
前記通信端末が属するアドレス管理体系に対して前記ランデブーポイントの代理を行う代理部13とを備え、
前記通信端末が前記グループに参加するための参加情報を前記中継部11が受信したとき、前記代理部13は、受信された参加情報が示すグループと対応するランデブーポイントを前記対応情報に基づいて特定し、特定したランデブーポイントに前記参加情報を送信し、
前記中継部11は、前記参加情報を送信したランデブーポイントを介して、前記配信装置からマルチキャストされたパケットを前記通信端末に向けて中継することを特徴とするマルチキャスト通信中継装置。
【請求項2】
前記アドレス管理体系はネットワークと対応し、前記パケットに含まれる送信元のアドレスから、前記通信端末が属するネットワークに対応する自己のアドレスに変換するアドレス変換部14を備え、
前記中継部11は、前記アドレス変換部14が前記自己のアドレスに変換した前記パケットを前記通信端末に向けて中継することを特徴とする請求項1に記載のマルチキャスト通信中継装置。
【請求項3】
前記中継部11は、前記配信装置が属するアドレス管理体系の通信装置から対応情報を受信したとき、前記対応情報記憶部12は、受信した対応情報を記憶すると共に、前記代理部13は、受信された対応情報に含まれるランデブーポイントを自己に代え、自己に代えた対応情報を前記通信端末が属するアドレス管理体系の通信装置に対して送信することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のマルチキャスト通信中継装置。
【請求項4】
前記中継部11は、前記配信装置からマルチキャストされたパケットを受信したとき、前記代理部13は、受信されたパケットに基づいて前記配信装置を特定し、特定した前記配信装置を表す情報を含む前記参加情報を前記配信装置に送信することを特徴とする請求項1から請求項3までの何れかに記載のマルチキャスト通信中継装置。
【請求項5】
あるアドレス管理体系に属する配信装置と、前記アドレス管理体系と異なるアドレス管理体系に属する通信端末と、前記配信装置からマルチキャストグループに対してマルチキャストされたパケットを前記通信端末に中継するマルチキャスト通信中継装置10とを有し、
前記マルチキャスト通信中継装置10は、
前記パケットを前記通信端末に向けて中継する中継部11と、
前記配信装置のアドレス管理体系と同じアドレス管理体系のランデブーポイントと前記グループとを対応させた対応情報を記憶する対応情報記憶部12と、
前記通信端末が属するアドレス管理体系に対して前記ランデブーポイントの代理を行う代理部13とを備え、
前記通信端末が前記グループに参加するための参加情報を前記中継部11が受信したとき、前記代理部13は、受信された参加情報が示すグループと対応するランデブーポイントを前記対応情報に基づいて特定し、特定したランデブーポイントに前記参加情報を送信し、
前記中継部11は、前記参加情報を送信したランデブーポイントを介して、前記配信装置からマルチキャストされたパケットを前記通信端末に向けて中継することを特徴とするマルチキャスト通信中継システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−135508(P2006−135508A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−320725(P2004−320725)
【出願日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【出願人】(000000572)アンリツ株式会社 (838)
【Fターム(参考)】