マルチディスプレイ装置
【課題】額縁被覆部材を設置することにより額縁を目立たなくさせるとともに、予め定められた視聴位置における視聴者に対し、表示領域がその額縁被覆部材の陰に隠れてしまうという不具合が生じないように構成されたマルチディスプレイ装置を提供する。
【解決手段】マルチディスプレイ装置は、隣接する一対の表示領域間の一対のベゼル21にそれぞれ設置される長尺の額縁被覆部材30であって、長手方向Yに延び、一対のベゼル21に臨んで配置される設置面41と、長手方向Yに延び、設置面41に対して傾斜する2つの傾斜面42,43とを有し、表示領域からの出射光を反射または拡散する額縁被覆部材30を含み、各額縁被覆部材30は、設置対象の一対のベゼル21の縦方向および/または横方向における位置に応じて、その高さ寸法hがそれぞれ異なる。
【解決手段】マルチディスプレイ装置は、隣接する一対の表示領域間の一対のベゼル21にそれぞれ設置される長尺の額縁被覆部材30であって、長手方向Yに延び、一対のベゼル21に臨んで配置される設置面41と、長手方向Yに延び、設置面41に対して傾斜する2つの傾斜面42,43とを有し、表示領域からの出射光を反射または拡散する額縁被覆部材30を含み、各額縁被覆部材30は、設置対象の一対のベゼル21の縦方向および/または横方向における位置に応じて、その高さ寸法hがそれぞれ異なる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチディスプレイ装置に関し、特に、画像を表示することができない額縁を目立たなくさせるように構成されたマルチディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インフォメーションディスプレイおよび業務用ディスプレイとして、画像を表示可能な表示パネルを備える複数の画像表示装置を、平面的に隙間なく並べて配置することによって構築されるマルチディスプレイ装置が用いられるようになっている。
【0003】
マルチディスプレイ装置は、大型の画面を容易に構築することができる反面、各画像表示装置間の継目部分に、ベゼルとも称される額縁が配置されるため、画像を表示することができない領域(以下、「非表示領域」と称する)が形成されることになる。これにより、マルチディスプレイ装置で表示される大型の画面は、格子状の線が入ったように見えてしまい、表示される画像の品位が低下してしまうという問題がある。
【0004】
このような問題を解決するための従来技術は、たとえば特許文献1,2に提案されている。特許文献1に記載される従来技術では、画像光を投影する複数の投影機と、各投影機から投影される画像光を平行光にする複数のフレネルレンズと、平行光にされた画像光の結像位置に設けられ、画像光を前方へ導く複数の導光体によって構成されるスクリーン部とを備え、各導光体において画像光入力端面に対して画像光出力端面が中心側に偏倚するように、各導光体を構成する光ファイバを湾曲させることにより、スクリーン部の前端面に、額縁の生じない統一画像表示面を形成したマルチディスプレイ装置が提案されている。
【0005】
この特許文献1に記載される従来技術は、マルチディスプレイ装置を実現するための構成が複雑となるだけでなく、マルチディスプレイ装置を実現するために、画素数に相当する本数の光ファイバの束が必要となり、製造コストが高額になってしまうという問題がある。
【0006】
また特許文献2に記載される従来技術では、映像表示部と映像表示部の外周に設けられた非表示部とを有する平面型ディスプレイによって構成されるマルチディスプレイ装置において、映像表示部の外周部と該外周部に隣接する非表示部の両部分を跨ぎ、かつ映像表示部の外周辺に平行になるように、シリンドリカルレンズをその上面(または下面)に対して垂直な方向に略均等に4分割した形状を成した光学要素を配置することが提案されている。
【0007】
この特許文献2に記載される従来技術は、映像表示部の周縁部から発せられる光を、その周縁部を覆うシリンドリカルレンズによって屈折させることで非表示部側へ導き、非表示部を見えないようにしている。しかしながら、この従来技術では、映像表示部の周縁部がシリンドリカルレンズによって覆われてしまうため、映像表示部の周縁部における画像の品位が低下してしまうという問題がある。
【0008】
また、たとえば空港などでは、動く歩道など所定の通路を歩行している人を対象に広告などの情報を提供することを意図して、該所定の通路の周辺にマルチディスプレイ装置が設置される場合がある。このようなマルチディスプレイ装置に対して、前述のシリンドリカルレンズのような、額縁を目立たなくさせるために額縁を被覆する部材(以下、「額縁被覆部材」と称する)を、その形状および寸法を統一して、隣接する一対の表示領域間の各額縁上に設置してしまうと、前記所定の通路を歩行している人がマルチディスプレイ装置の画面を見たときに、表示領域の周縁部がその額縁被覆部材の陰に隠れてしまうという不具合が生ずるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2004−177632号公報
【特許文献2】特開2009−162999号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、額縁被覆部材を設置することにより額縁を目立たなくさせるとともに、予め定められた視聴位置における視聴者に対し、表示領域がその額縁被覆部材の陰に隠れてしまうという不具合が生じないように構成されたマルチディスプレイ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、画像を表示可能な表示パネルと該表示パネルにおける画像の表示領域を外囲する額縁とを備える複数の画像表示装置を、縦方向および/または横方向に平面的に並べて構築されるマルチディスプレイ装置であって、
隣接する一対の表示領域間の額縁にそれぞれ設置される長尺の額縁被覆部材であって、長手方向に延び、額縁に臨んで配置される設置面と、長手方向に延び、該設置面に対して傾斜する2つの傾斜面とを有し、表示領域からの出射光を反射または拡散する額縁被覆部材を含み、
前記各額縁被覆部材は、設置対象の額縁の前記縦方向および/または横方向における位置に応じて、額縁からの高さ寸法がそれぞれ決定されることを特徴とするマルチディスプレイ装置である。
【0012】
また本発明は、前記各額縁被覆部材は、設置対象の額縁の前記縦方向および/または横方向における位置に応じて、設置面に対する傾斜面の角度がそれぞれ決定されることを特徴とする。
【0013】
また本発明は、前記額縁被覆部材は、前記長手方向に垂直な断面の形状が三角形の柱状部材であることを特徴とする。
【0014】
また本発明は、前記額縁被覆部材は、前記長手方向に垂直な断面の形状が台形の柱状部材であることを特徴とする。
【0015】
また本発明は、前記額縁被覆部材は、前記傾斜面が湾曲していることを特徴とする。
また本発明は、前記額縁被覆部材は、前記設置面における前記長手方向に垂直な幅方向の中心を含み該設置面に垂直な仮想一平面に関して、非対称に形成されていることを特徴とする。
【0016】
また本発明は、前記額縁被覆部材は、前記長手方向に垂直な断面の形状が、3辺の長さがそれぞれ異なる三角形であることを特徴とする。
【0017】
また本発明は、前記額縁被覆部材は、額縁からの高さ寸法を調整可能な機構を備えて構成されることを特徴とする。
【0018】
また本発明は、前記額縁被覆部材は、設置面に対する傾斜面の角度を調整可能な機構を備えて構成されることを特徴とする。
【0019】
また本発明は、前記額縁被覆部材に固定され、隣接する画像表示装置間の隙間に挿入可能な差込部材をさらに備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、予め定められた視聴位置における視聴者がマルチディスプレイ装置の画面を見たとき、表示領域が額縁被覆部材の陰に隠れてしまうという不具合を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態に係るマルチディスプレイ装置1の構成を示す正面図である。
【図2】図1の切断面線II−IIから見た断面図である。
【図3】図2における1つの額縁被覆部材30付近を拡大して示す断面図である。
【図4】1つの額縁被覆部材30付近を拡大して示す斜視図である。
【図5】マルチディスプレイ装置1に画像を表示させた状態を正面から見た図を示し、図5(a)は、額縁被覆部材30が設置されていない状態のマルチディスプレイ装置1を示し、図5(b)は、額縁被覆部材30を設置した状態のマルチディスプレイ装置1を示している。
【図6】マルチディスプレイ装置1の公共の場所への設置状態を示す側面図である。
【図7】他の実施形態に係る額縁被覆部材130を拡大して示す断面図である。
【図8】他の実施形態に係る額縁被覆部材230を拡大して示す断面図である。
【図9】他の実施形態に係る額縁被覆部材330の設置状態を拡大して示す側面図である。
【図10】他の実施形態に係るマルチディスプレイ装置1Aにおける額縁被覆部材30付近を拡大して示す断面図である。
【図11】他の実施形態に係る額縁被覆部材430の設置状態を拡大して示す側面図である。
【図12】他の実施形態に係るマルチディスプレイ装置1Bにおける額縁被覆部材530付近を拡大して示す断面図である。
【図13】他の実施形態に係る額縁被覆部材630を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、本発明の一実施形態に係るマルチディスプレイ装置1の構成を示す正面図である。図2は、図1の切断面線II−IIから見た断面図である。
【0023】
マルチディスプレイ装置1は、画像情報に応じた画像を表示可能な表示パネル20と、表示パネル20の周縁領域を覆う、額縁であるベゼル21とを備える複数の画像表示装置10を、縦方向および横方向に平面的に並べて構築される。マルチディスプレイ装置1は、各画像表示装置10に対し、1つの画像を表示パネル20の配置に応じて分割した分割画像の画像情報をそれぞれ与えることにより、複数の表示パネル20により構成される大型の画面に、前記1つの画像を表示させることができる。
【0024】
本実施形態に係るマルチディスプレイ装置1は、図1に示すように、25台の画像表示装置10を、縦横5×5のマトリクス状に並べて構築されている。他の実施形態では、たとえば16台の画像表示装置10を、縦横4×4のマトリクス状に並べて構築してもよい。
【0025】
また、マルチディスプレイ装置1を構成する画像表示装置10としては、非発光型の液晶パネルを表示パネル20として備える液晶表示装置、または自発光型のプラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel)を表示パネル20として備えるプラズマディスプレイ装置などによって実現される。
【0026】
以下、各画像表示装置10において、図2に示すように、表示パネル20の厚み方向一方側の表面である表示面20aのうち、ベゼル21に覆われずに、外部に露出している領域を、「表示領域」と称し、参照符V1を付して示す。すなわち、この表示領域V1に、前記分割画像が表示される。
【0027】
また、マルチディスプレイ装置1において、各表示領域V1によって挟まれる領域、すなわち、マルチディスプレイ装置1をその正面側(図2における左側)から見たとき、各画像表示装置10のベゼル21が配置され、画像を表示することができない領域を、「非表示領域」と称し、参照符V2を付して示す。
【0028】
本実施形態に係るマルチディスプレイ装置1は、非表示領域V2の存在に起因して大型の画面に形成されてしまう格子状の線L(図5(a)参照)を可及的に目立たなくさせるために、非表示領域V2に配置される一対のベゼル21をマルチディスプレイ装置1の正面側から被覆するように、額縁被覆部材30が設置されて構成される。
【0029】
以下、本実施形態に係る額縁被覆部材30の構成について詳細に説明する。図3は、図2における1つの額縁被覆部材30付近を拡大して示す断面図である。なお図3では、額縁被覆部材30を除く残余の構成については仮想線で示している。
【0030】
額縁被覆部材30は、長尺に形成され、その長手方向Yに垂直な仮想一平面で切断したときの断面の形状が三角形の柱状部材である。額縁被覆部材30は、その長手方向Yに沿って延びる3つの平坦な外周面のうち、1つの外周面がベゼル21に臨んで配置される設置面41を成し、残余の外周面が傾斜面42,43を成している。
【0031】
ここで、図3に示すように、額縁被覆部材30において、設置面41に平行な方向であって、長手方向Yに垂直な方向を幅方向Xとし、長手方向Yおよび幅方向Xのいずれにも垂直な方向を高さ方向Zとする。
【0032】
また、額縁被覆部材30において、設置面41と一方の傾斜面42との成す角度を第1傾斜角θ1とし、設置面41と他方の傾斜面43との成す角度を第2傾斜角θ2とし、傾斜面42,43どうしの成す角度を頂角θ3(ただし、θ3=180°−θ1−θ2)とする。
【0033】
また、額縁被覆部材30において、高さ方向Zの寸法を高さ寸法hとする。さらに、各ベゼル21における厚み方向の寸法を厚み寸法tとし、一対のベゼル21における幅方向の寸法(すなわち、隣接する表示領域V1間の距離に相当)を幅寸法wとする。
【0034】
本実施形態に係る額縁被覆部材30は、平坦な傾斜面42,43の表面全体に亘って、高い反射率で光を反射する光反射面を形成することによって構成されている。すなわち、本実施形態に係る額縁被覆部材30は、後述するように、表示領域V1からの出射光を反射するように構成されている。このような光反射面は、たとえばアルミニウムなどの金属薄膜を真空蒸着することによって形成される。
【0035】
額縁被覆部材30は、その長手方向Yと、表示領域V1間に配置される一対のベゼル21の延びる方向とが一致し、設置面41が一対のベゼル21に臨むように設置される。すなわち、額縁被覆部材30は、各傾斜面42,43が、その一対のベゼル21に隣接する各表示領域V1にそれぞれ臨むように設置される。
【0036】
図4は、1つの額縁被覆部材30付近を拡大して示す斜視図である。図4に示すように、マルチディスプレイ装置1を稼動させることにより各表示領域V1に画像が表示されると、一対のベゼル21に近接する一方の縁領域V11から表示画像に応じて出射される出射光のうち、一部の出射光A1が、その縁領域V11に臨む傾斜面42にそれぞれ入射する。傾斜面42に入射した出射光A1は、傾斜面42に形成された光反射面で鏡面反射(正反射)することにより進行方向が変えられ、反射光A2として、マルチディスプレイ装置1の正面側へ放射される。他方の縁領域V11から傾斜面43に入射した出射光A1についても同様に振舞う。
【0037】
図5は、マルチディスプレイ装置1に画像を表示させた状態を正面から見た図を示し、図5(a)は、額縁被覆部材30が設置されていない状態のマルチディスプレイ装置1を示し、図5(b)は、額縁被覆部材30を設置した状態のマルチディスプレイ装置1を示している。
【0038】
本実施形態に係る額縁被覆部材30が設置されていない従来のマルチディスプレイ装置では、図5(a)に示すように、非表示領域V2に配置される一対のベゼル21が、大型の画面において格子状の線Lとして視認されてしまい、マルチディスプレイ装置1に表示される画像の品位が低下してしまう。
【0039】
これに対し、本実施形態に係るマルチディスプレイ装置1は、非表示領域V2に配置される一対のベゼル21上に額縁被覆部材30が設置されているので、表示画像に応じた光を、非表示領域V2から前方へ出射させることができる。
【0040】
これにより、正面からマルチディスプレイ装置1の表示画面を視聴する視聴者の目に、非表示領域V2からも表示画像に応じた光を到達させることができるので、図5(b)に示すように、ベゼル21を可及的に目立たなくさせることができる。したがって、各表示領域V1に表示される画像の一体感が増し、マルチディスプレイ装置1に表示される画像の品位の低下を防止することができる。
【0041】
図6は、マルチディスプレイ装置1の公共の場所への設置状態を示す側面図である。図6に示すように、本実施形態に係るマルチディスプレイ装置1は、その縦方向(図6における上下方向)における一対のベゼル21の各位置に応じて、高さ寸法hの異なる額縁被覆部材30がそれぞれ設置されている。
【0042】
具体的には、最上段の一対のベゼル21aに、高さ寸法h1の額縁被覆部材30aが設置され、上から2段目の一対のベゼル21bに、高さ寸法h2の額縁被覆部材30bが設置され、上から3段目の一対のベゼル21cに、高さ寸法h3の額縁被覆部材30cが設置され、上から4段目の一対のベゼル21dに、高さ寸法h4の額縁被覆部材30dが設置されている。
【0043】
なお、本実施形態では、各額縁被覆部材30a〜30dの幅方向Xの寸法はいずれも、設置対象の一対のベゼル21a〜21dの幅寸法wに一致しているものとする。また、各額縁被覆部材30a〜30dはいずれも、第1傾斜角θ1と第2傾斜角θ2とが等しくなるように形成されているものとする。
【0044】
各額縁被覆部材30a〜30dの高さ寸法h1〜h4は、マルチディスプレイ装置1の設置環境および各画像表示装置10のサイズに基づいて、予め定める視聴位置Pから視聴者がマルチディスプレイ装置1の画面を見たときに、すべての表示領域V1が額縁被覆部材30の陰に隠れることのないように決定される。
【0045】
具体的には、各額縁被覆部材30a〜30dの高さ寸法h1〜h4は、視聴者の視線2の高さH1、マルチディスプレイ装置1の床面Fからの設置高さH2、マルチディスプレイ装置1を構成する画像表示装置10の縦方向寸法H3、および、マルチディスプレイ装置1の設置位置Qから予め定める視聴位置Pまでの距離Dに基づいて決定される。なお、設置位置Qから視聴位置Pまでの距離Dは、たとえば所定の通路を歩行する人を視聴対象者として設置するときには、その所定の通路までの距離によって定められる。
【0046】
一実施例では、子供から大人までを想定して視聴者の視線2の高さH1を1200mm〜1500mmと設定し、マルチディスプレイ装置1が、縦方向寸法H3が777mmの画像表示装置10で構成され、かつ設置高さH2が200mmの位置に設置されているものとし、さらに、設置位置Qから視聴位置Pまでの距離Dが2000mmと定められ、ベゼル21a〜21dの厚み寸法tを2mmとし、一対のベゼル21a〜21dの幅寸法wを30mmとするとき、各額縁被覆部材30a〜30dの高さ寸法h1〜h4はそれぞれ、h1=13mm,h2=20mm,h3=26mm,h4=28mmに決定される。
【0047】
なお、この実施例では、最上段および上から2段目の額縁被覆部材30a,30bにおいて、上方に臨む傾斜面42で正反射した反射光A2を、視聴位置Pにおける視聴者に導くことができない。このような傾斜面42については、乱反射面を形成しておくのが好ましい。
【0048】
上記のように本実施形態によれば、マルチディスプレイ装置1の設置環境を考慮して、額縁被覆部材30a〜30dが設置される一対のベゼル21の縦方向位置に応じて、各額縁被覆部材30a〜30dの高さ寸法h1〜h4をそれぞれ適切な値に決定しているので、予め定められた視聴位置における視聴者がマルチディスプレイ装置1の画面を見たとき、表示領域V1が額縁被覆部材30a〜30dの陰に隠れてしまうという不具合を防止することができる。
【0049】
また、縦方向位置に応じて高さ寸法h1〜h4をそれぞれ適切な値に決定することにより、額縁被覆部材30の高さ寸法を縦方向位置に依らずに一律に低減する場合と比較して、額縁被覆部材30の各傾斜面42,43に入射する出射光A1の光量を多くすることができる。すなわち、額縁被覆部材30によるベゼル21を目立たなくさせる効果を向上させることができる。
【0050】
他の実施形態では、マルチディスプレイ装置1の縦方向だけでなく、マルチディスプレイ装置1の横方向(図6における紙面に垂直な方向)についても、一対のベゼル21の横方向位置に応じて、高さ寸法hをそれぞれ適切な値に決定した額縁被覆部材30を設置してもよい。これにより、表示領域V1が額縁被覆部材30の陰に隠れてしまうという不具合を確実に防止することができる。
【0051】
また他の実施形態では、額縁被覆部材30が、第1傾斜角θ1と第2傾斜角θ2とが異なるように形成されていてもよい。たとえば上記実施例において、最上段の額縁被覆部材30aを、高さ寸法h1=25mm、第1傾斜角θ1=41.91°、第2傾斜角θ2=87.36°となるように形成し、さらに、上から2段目の額縁被覆部材30bを、高さ寸法h2=30mm、第1傾斜角θ1=53.13°、第2傾斜角θ2=75.96°となるように形成してもよい。なお、傾斜面42は、上方に臨む面であるものとし、傾斜面43は、下方に臨む面であるものとする。
【0052】
このような形状の額縁被覆部材30a,30bを設置することにより、反射光A2を正反射で視聴位置Pにおける視聴者に導くことができるようになるため、傾斜面42に乱反射面を形成する必要がなくなる。また、表示領域V1からの出射光A1の額縁被覆部材30における受光量を最大限確保しつつ、表示領域V1が額縁被覆部材30の陰に隠れてしまうという不具合を確実に防止することができる。
【0053】
図7は、他の実施形態に係る額縁被覆部材130を拡大して示す断面図である。本実施形態に係る額縁被覆部材130は、上記実施形態に係る額縁被覆部材30に類似し、同一の構成については同一の参照符を付して説明を省略する。
【0054】
本実施形態に係る額縁被覆部材130は、その長手方向Yに垂直な仮想一平面で切断したときの断面の形状が台形の柱状部材である。額縁被覆部材130は、その長手方向Yに沿って延びる4つの平坦な外周面のうち、1つの外周面がベゼル21に臨んで配置される設置面41を成し、設置面41に隣接する2つの外周面が傾斜面42,43を成し、各傾斜面42,43に隣接し、設置面41に平行な外周面が上面44を成す。
【0055】
本実施形態に係る額縁被覆部材130は、平坦な傾斜面42,43の表面全体に亘って、高い反射率で光を正反射する光反射面を形成し、上面44の表面全体に亘って、乱反射面を形成することによって構成されている。
【0056】
本実施形態では、前記のような形状に額縁被覆部材130が形成されているので、額縁被覆部材130の高さ寸法hを低減することができ、また、表示領域V1からの出射光A1が傾斜面42,43で反射するときの反射角度を容易に最適化することができる。また、上面44には乱反射面が形成されているので、マルチディスプレイ装置1の周辺の照明や人間などの映り込みを防止することができる。
【0057】
図8は、他の実施形態に係る額縁被覆部材230を拡大して示す断面図である。本実施形態に係る額縁被覆部材230は、上記実施形態に係る額縁被覆部材30に類似し、同一の構成については同一の参照符を付して説明を省略する。
【0058】
本実施形態に係る額縁被覆部材230は、傾斜面42,43が、外方に向かって凸の湾曲面を成すように形成されている。このように傾斜面42,43を湾曲面とすることにより、表示領域V1からの出射光A1が傾斜面42,43で反射するときの反射角度を容易に最適化することができる。他の実施形態では、傾斜面42,43が、中心に向かって窪む凹状の湾曲面を成すように形成されてもよい。
【0059】
これらの額縁被覆部材30,130,230は、1つのマルチディスプレイ装置1において、適宜組み合わせて設置することができる。
【0060】
図9は、他の実施形態に係る額縁被覆部材330の設置状態を拡大して示す側面図である。本実施形態に係る額縁被覆部材330は、上記実施形態に係る額縁被覆部材30に類似し、同一の構成については同一の参照符を付して説明を省略する。
【0061】
本実施形態に係る額縁被覆部材330は、設置面41における幅方向Xの中心を含み、設置面41に垂直な仮想一平面に関して、非対称に形成されている。より詳細には、マルチディスプレイ装置1において縦方向位置の異なる一対のベゼル21f,21gに対し、傾斜面42,43の上下を反転させるだけで設置できるような形状に形成されている。
【0062】
本実施形態によれば、1つの形状の額縁被覆部材330を用いて、縦方向位置の異なる2段分の一対のベゼル21f,21gを被覆することができるので、製造すべき額縁被覆部材の種類を低減することができる。
【0063】
図10は、他の実施形態に係るマルチディスプレイ装置1Aにおける額縁被覆部材30付近を拡大して示す断面図である。本実施形態に係るマルチディスプレイ装置1Aは、隣接する画像表示装置10間に僅かな隙間dを有するように、複数の画像表示装置10が並べられて構築され、上記実施形態に係る額縁被覆部材30を一対のベゼル21上に設置するための部材であって、前記隙間dに挿入可能な差込部材50を備えて構成される。
【0064】
差込部材50は、大略的にL字状に形成された板状部材であり、額縁被覆部材30に連結される連結部51と、連結部51に対し直角に屈曲し、隣接する画像表示装置10間の隙間dに挿入される挿入部52とを含んで構成される。
【0065】
連結部51は、設置面41を介して、ビスなどの締結具61により額縁被覆部材30に締結固定される。挿入部52は、隣接する画像表示装置10間の隙間dに挿入されたとき、隣接する一対のベゼル21の各側面211間に亘って突っ張った状態で保持されるように、板ばね構造52aを備えている。また、隣接する画像表示装置10間の隙間dから不用意に離脱してしまうことを防止するために、抜け止め構造52bを備えている。
【0066】
本実施形態によれば、このような差込部材50を備えているので、額縁被覆部材30を一対のベゼル21に対して容易に設置することができる。なお、差込部材50は、額縁被覆部材30に限らず、前記実施形態に係る額縁被覆部材130,230,330を設置する際にも用いることができる。
【0067】
上記実施形態に係る額縁被覆部材30,130,230,330を一対のベゼル21上に設置する際には、本実施形態のように、差込部材50を用いるほか、接着シートなどで接着固定することにより行われてもよい。
【0068】
図11は、他の実施形態に係る額縁被覆部材430の設置状態を拡大して示す側面図である。本実施形態に係る額縁被覆部材430は、上記実施形態に係る額縁被覆部材30に類似し、同一の構成については同一の参照符を付して説明を省略する。
【0069】
本実施形態に係る額縁被覆部材430は、長手方向Yに垂直な断面の形状が、3辺の長さがそれぞれ異なる三角形と成るように形成されている。より詳細には、長手方向Yに沿って延びる3つの平坦な外周面441,442,443を有し、マルチディスプレイ装置1において縦方向位置の異なる一対のベゼル21i,21j,21kに対し、それぞれ異なる外周面をベゼル21に臨んで配置させるだけで設置できるような形状に形成されている。また、額縁被覆部材430は、平坦な外周面441,442,443の各表面全体に亘って、高い反射率で光を反射する光反射面を形成することによって構成されている。
【0070】
本実施形態によれば、1つの形状の額縁被覆部材430を用いて、縦方向位置の異なる3段分の一対のベゼル21i,21j,21kを被覆することができるので、製造すべき額縁被覆部材の種類をさらに低減することができる。このような額縁被覆部材430をベゼル21に設置する際には、接着シートによって接着固定してもよく、磁力を利用して設置してもよい。
【0071】
図12は、他の実施形態に係るマルチディスプレイ装置1Bにおける額縁被覆部材530付近を拡大して示す断面図であり、額縁被覆部材530を除く残余の構成については仮想線で示している。本実施形態に係る額縁被覆部材530は、上記実施形態に係る額縁被覆部材30に類似し、同一の構成については同一の参照符を付して説明を省略する。以下、額縁被覆部材530の構成について詳細に説明する。
【0072】
額縁被覆部材530は、長尺に形成される長尺部材であり、その長手方向Yと、表示領域V1間に配置される一対のベゼル21の延びる方向とが一致するように、その一対のベゼル21上に設置される。額縁被覆部材530は、透光性を有する無色の棒状部材70と、棒状部材70に形成される光拡散部71とを含んで構成される。
【0073】
棒状部材70は、たとえばポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ABS(Acrylonitrile-Butadiene-Styrene)樹脂、ガラスなどの材料から成り、三角柱状、詳細には、長手方向Yに垂直な仮想一平面で切断したときの断面の形状が三角形となるように形成される。
【0074】
棒状部材70は、長手方向Yに沿って延びる3つの平坦な外周面のうち、1つの外周面がベゼル21に臨んで配置される設置面541を成し、残余の外周面が傾斜面542,543を成している。
【0075】
額縁被覆部材530は、棒状部材70における設置面541が一対のベゼル21に臨むように設置され、これにより、設置状態では、各傾斜面542,543がそれぞれ、その一対のベゼル21に隣接する各表示領域V1に臨むように配置される。
【0076】
光拡散部71は、本実施形態では、棒状部材70における各傾斜面542,543の表面全体に亘って形成される。光拡散部71は、光拡散部71へ入射する光の一部を、拡散を生じて反射させるとともに、光拡散部71へ入射する光の一部を、拡散を生じて透過させる機能を有する。
【0077】
このような光拡散部71は、たとえば、無色透明なバインダ樹脂に、アクリル樹脂などから成る無色透明な球状ポリマー粒子(拡散ビーズ)を分散させたものを、棒状部材70における各傾斜面542,543に層状に塗布することによって形成することができる。また、他の方法として、棒状部材70における各傾斜面542,543にブラスト加工を施すことによって形成してもよい。さらに他の方法としては、棒状部材70の成型時に、各傾斜面542,543に相当する表面に微細な凹凸を賦形することによって形成してもよい。
【0078】
本実施形態に係る額縁被覆部材530には、さらに、棒状部材70の内部を通って設置面541に入射する光を高い反射率で反射するように、設置面541の表面全体に亘って光反射面が形成されている。このような光反射面は、光の反射性に優れた白色を呈するPETなどの合成樹脂製シートを、設置面541に貼着することによって、容易に形成することができる。
【0079】
また、他の方法としては、アルミニウム、銀などを材料とする金属膜が形成された反射シートを、設置面541に貼着することによって形成してもよく、アルミニウムなどの金属薄膜を真空蒸着することによって形成してもよい。さらに他の方法としては、光の反射性に優れた白色を呈する塗料を、設置面541に塗装することによって形成してもよい。
【0080】
額縁被覆部材530の設置は、たとえば接着シートなどを用いて、設置面541をベゼル21の表面に接着固定することにより行われる。また、他の方法として、図10に示すような差込部材50を用いて設置してもよい。
【0081】
本実施形態に係る額縁被覆部材530を一対のベゼル21上に設置した状態で、マルチディスプレイ装置1を稼動させることにより各表示領域V1に画像が表示されると、一対のベゼル21に近接する各縁領域V11から表示画像に応じて出射される出射光のうち、一部の出射光A1が、その縁領域V11に臨む各傾斜面542,543にそれぞれ入射する。
【0082】
一方の傾斜面542に入射する出射光A1のうち、一部の光は、一方の傾斜面542に形成されている光拡散部71によって、拡散を生じて反射し、一部の光は、拡散を生じて透過する。光拡散部71を透過した光は、棒状部材70の内部へ入射し、その大半が、直接、あるいは設置面541における反射を介して、他方の傾斜面543へ導かれ、他方の傾斜面543に形成されている光拡散部71によって、一部の光は拡散を生じて反射し、一部の光は拡散を生じて透過する。他方の傾斜面543に入射した出射光A1についても同様に振舞う。
【0083】
これにより、傾斜面543からは、一方の縁領域V11から出射した出射光A1のうち、当該傾斜面543に形成されている光拡散部71で拡散反射した拡散反射光と、他方の縁領域V11から出射した出射光A1のうち、棒状部材70の内部へ入射し、その光拡散部71を拡散透過した拡散透過光とが混じった光が、マルチディスプレイ装置1の正面側へ放射される。
【0084】
本実施形態に係る額縁被覆部材530を設置すると、額縁被覆部材530の各傾斜面542,543からは、縁領域V11に表示される画像に応じた光が、正面側へ向けて放射される。これにより、ベゼル21を目立たなくさせることができる。したがって、各表示領域V1に表示される画像の一体感が増し、マルチディスプレイ装置1に表示される画像の品位の低下を防止することができる。
【0085】
また、各傾斜面542,543からは、一方の縁領域V11から出射した出射光A1に由来する拡散反射光と、他方の縁領域V11から出射した出射光A1に由来する拡散透過光とが混合した光が放射されるので、一方の縁領域V11と他方の縁領域V11とにおいて、表示内容が全く異なる画像、つまり表示される色が大きく相違するような画像が表示されるような場合であっても、違和感を感じさせることなく、ベゼル21を目立たなくさせることができる。
【0086】
また、設置面541には、光反射面が形成されているので、棒状部材70の内部へ入射した光が、設置面541を通過してベゼル21に吸収されてしまうことを防止することができる。これにより、各傾斜面542,543から放射される光の光量が低下してしまうことを防止することができる。
【0087】
本実施形態に係るマルチディスプレイ装置1Bは、前述の実施形態に係るマルチディスプレイ装置1と同様に、その縦方向および/または横方向における一対のベゼル21の位置に応じて、高さ寸法hの異なる額縁被覆部材530がそれぞれ設置される。したがって、予め定められた視聴位置における視聴者がマルチディスプレイ装置1の画面を見たとき、表示領域V1が額縁被覆部材530の陰に隠れてしまうという不具合を防止することができる。
【0088】
図13は、他の実施形態に係る額縁被覆部材630を示す断面図であり、図13(a)〜図13(d)は、それぞれ異なる形態に変化させたときの額縁被覆部材630を示している。
【0089】
本実施形態に係る額縁被覆部材630は、複数の可動片631を蝶番によって回動自在に連結することにより構成され、これにより、図13(a)〜図13(d)に示すように、所期の形態に容易に変化させることができる。なお、変形後の形態をベゼル21上で維持できるように、各可動片631の連結箇所では、回動させるためにある程度の負荷が必要となるように連結されているのが好ましい。可動片631の幅寸法vは、たとえば6mmである。
【0090】
額縁被覆部材630は、本実施形態では、断面が三角形の筒状に変形されてベゼル21上に設置されるものとし、ベゼル21への設置状態において、長手方向Yに沿って延びる3つの外周面のうち、ベゼル21に臨んで配置される外周面を設置面641、および該設置面に対し傾斜する残余の外周面を傾斜面642,643とする。また、額縁被覆部材630は、これら外周面に対し、高い反射率で光を反射する光反射面が形成されて構成されている。
【0091】
図13(a)では、一対のベゼル21からの高さ寸法がu0、各傾斜面642,643の設置面641に対する傾斜角がいずれもθ4となるように変形されたときの額縁被覆部材630を示し、図13(b)では、一対のベゼル21からの高さ寸法がu1、各傾斜面642,643の設置面641に対する傾斜角がいずれもθ5となるように変形されたときの額縁被覆部材630を示している。
【0092】
また、図13(c)では、一対のベゼル21からの高さ寸法がu2、各傾斜面642,643の設置面641に対する傾斜角がいずれもθ6となるように変形されたときの額縁被覆部材630を示し、図13(d)では、一対のベゼル21からの高さ寸法がu3、各傾斜面642,643の設置面641に対する傾斜角がそれぞれθ7,θ8となるように変形されたときの額縁被覆部材630を示している。
【0093】
図13(d)に示す額縁被覆部材630では、各傾斜面642,643の設置面641に対する傾斜角がそれぞれ異なる値となるように、額縁被覆部材630の一端部とベゼル21との間にスペーサ80を介在させて設置されている。
【0094】
このように本実施形態に係る額縁被覆部材630は、一対のベゼル21からの高さ寸法および設置面641に対する傾斜面642,643の傾斜角を容易に調整できるような機構を備えて構成されている。
【0095】
本実施形態によれば、マルチディスプレイ装置1の設置環境を考慮して、一対のベゼル21の縦方向位置に応じて、額縁被覆部材630の高さ寸法および傾斜角をそれぞれ適切な値に容易に調整することができるので、表示領域V1からの出射光A1の額縁被覆部材630における受光量を最大限確保しつつ、予め定められた視聴位置における視聴者がマルチディスプレイ装置1の画面を見たときに、表示領域V1が額縁被覆部材630の陰に隠れてしまうという不具合を防止することができる。
【符号の説明】
【0096】
1 マルチディスプレイ装置
10 画像表示装置
20 表示パネル
20a 表示面
21 ベゼル
30 額縁被覆部材
41 設置面
42,43 傾斜面
V1 表示領域
V11 縁領域
V2 非表示領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチディスプレイ装置に関し、特に、画像を表示することができない額縁を目立たなくさせるように構成されたマルチディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インフォメーションディスプレイおよび業務用ディスプレイとして、画像を表示可能な表示パネルを備える複数の画像表示装置を、平面的に隙間なく並べて配置することによって構築されるマルチディスプレイ装置が用いられるようになっている。
【0003】
マルチディスプレイ装置は、大型の画面を容易に構築することができる反面、各画像表示装置間の継目部分に、ベゼルとも称される額縁が配置されるため、画像を表示することができない領域(以下、「非表示領域」と称する)が形成されることになる。これにより、マルチディスプレイ装置で表示される大型の画面は、格子状の線が入ったように見えてしまい、表示される画像の品位が低下してしまうという問題がある。
【0004】
このような問題を解決するための従来技術は、たとえば特許文献1,2に提案されている。特許文献1に記載される従来技術では、画像光を投影する複数の投影機と、各投影機から投影される画像光を平行光にする複数のフレネルレンズと、平行光にされた画像光の結像位置に設けられ、画像光を前方へ導く複数の導光体によって構成されるスクリーン部とを備え、各導光体において画像光入力端面に対して画像光出力端面が中心側に偏倚するように、各導光体を構成する光ファイバを湾曲させることにより、スクリーン部の前端面に、額縁の生じない統一画像表示面を形成したマルチディスプレイ装置が提案されている。
【0005】
この特許文献1に記載される従来技術は、マルチディスプレイ装置を実現するための構成が複雑となるだけでなく、マルチディスプレイ装置を実現するために、画素数に相当する本数の光ファイバの束が必要となり、製造コストが高額になってしまうという問題がある。
【0006】
また特許文献2に記載される従来技術では、映像表示部と映像表示部の外周に設けられた非表示部とを有する平面型ディスプレイによって構成されるマルチディスプレイ装置において、映像表示部の外周部と該外周部に隣接する非表示部の両部分を跨ぎ、かつ映像表示部の外周辺に平行になるように、シリンドリカルレンズをその上面(または下面)に対して垂直な方向に略均等に4分割した形状を成した光学要素を配置することが提案されている。
【0007】
この特許文献2に記載される従来技術は、映像表示部の周縁部から発せられる光を、その周縁部を覆うシリンドリカルレンズによって屈折させることで非表示部側へ導き、非表示部を見えないようにしている。しかしながら、この従来技術では、映像表示部の周縁部がシリンドリカルレンズによって覆われてしまうため、映像表示部の周縁部における画像の品位が低下してしまうという問題がある。
【0008】
また、たとえば空港などでは、動く歩道など所定の通路を歩行している人を対象に広告などの情報を提供することを意図して、該所定の通路の周辺にマルチディスプレイ装置が設置される場合がある。このようなマルチディスプレイ装置に対して、前述のシリンドリカルレンズのような、額縁を目立たなくさせるために額縁を被覆する部材(以下、「額縁被覆部材」と称する)を、その形状および寸法を統一して、隣接する一対の表示領域間の各額縁上に設置してしまうと、前記所定の通路を歩行している人がマルチディスプレイ装置の画面を見たときに、表示領域の周縁部がその額縁被覆部材の陰に隠れてしまうという不具合が生ずるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2004−177632号公報
【特許文献2】特開2009−162999号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、額縁被覆部材を設置することにより額縁を目立たなくさせるとともに、予め定められた視聴位置における視聴者に対し、表示領域がその額縁被覆部材の陰に隠れてしまうという不具合が生じないように構成されたマルチディスプレイ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、画像を表示可能な表示パネルと該表示パネルにおける画像の表示領域を外囲する額縁とを備える複数の画像表示装置を、縦方向および/または横方向に平面的に並べて構築されるマルチディスプレイ装置であって、
隣接する一対の表示領域間の額縁にそれぞれ設置される長尺の額縁被覆部材であって、長手方向に延び、額縁に臨んで配置される設置面と、長手方向に延び、該設置面に対して傾斜する2つの傾斜面とを有し、表示領域からの出射光を反射または拡散する額縁被覆部材を含み、
前記各額縁被覆部材は、設置対象の額縁の前記縦方向および/または横方向における位置に応じて、額縁からの高さ寸法がそれぞれ決定されることを特徴とするマルチディスプレイ装置である。
【0012】
また本発明は、前記各額縁被覆部材は、設置対象の額縁の前記縦方向および/または横方向における位置に応じて、設置面に対する傾斜面の角度がそれぞれ決定されることを特徴とする。
【0013】
また本発明は、前記額縁被覆部材は、前記長手方向に垂直な断面の形状が三角形の柱状部材であることを特徴とする。
【0014】
また本発明は、前記額縁被覆部材は、前記長手方向に垂直な断面の形状が台形の柱状部材であることを特徴とする。
【0015】
また本発明は、前記額縁被覆部材は、前記傾斜面が湾曲していることを特徴とする。
また本発明は、前記額縁被覆部材は、前記設置面における前記長手方向に垂直な幅方向の中心を含み該設置面に垂直な仮想一平面に関して、非対称に形成されていることを特徴とする。
【0016】
また本発明は、前記額縁被覆部材は、前記長手方向に垂直な断面の形状が、3辺の長さがそれぞれ異なる三角形であることを特徴とする。
【0017】
また本発明は、前記額縁被覆部材は、額縁からの高さ寸法を調整可能な機構を備えて構成されることを特徴とする。
【0018】
また本発明は、前記額縁被覆部材は、設置面に対する傾斜面の角度を調整可能な機構を備えて構成されることを特徴とする。
【0019】
また本発明は、前記額縁被覆部材に固定され、隣接する画像表示装置間の隙間に挿入可能な差込部材をさらに備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、予め定められた視聴位置における視聴者がマルチディスプレイ装置の画面を見たとき、表示領域が額縁被覆部材の陰に隠れてしまうという不具合を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態に係るマルチディスプレイ装置1の構成を示す正面図である。
【図2】図1の切断面線II−IIから見た断面図である。
【図3】図2における1つの額縁被覆部材30付近を拡大して示す断面図である。
【図4】1つの額縁被覆部材30付近を拡大して示す斜視図である。
【図5】マルチディスプレイ装置1に画像を表示させた状態を正面から見た図を示し、図5(a)は、額縁被覆部材30が設置されていない状態のマルチディスプレイ装置1を示し、図5(b)は、額縁被覆部材30を設置した状態のマルチディスプレイ装置1を示している。
【図6】マルチディスプレイ装置1の公共の場所への設置状態を示す側面図である。
【図7】他の実施形態に係る額縁被覆部材130を拡大して示す断面図である。
【図8】他の実施形態に係る額縁被覆部材230を拡大して示す断面図である。
【図9】他の実施形態に係る額縁被覆部材330の設置状態を拡大して示す側面図である。
【図10】他の実施形態に係るマルチディスプレイ装置1Aにおける額縁被覆部材30付近を拡大して示す断面図である。
【図11】他の実施形態に係る額縁被覆部材430の設置状態を拡大して示す側面図である。
【図12】他の実施形態に係るマルチディスプレイ装置1Bにおける額縁被覆部材530付近を拡大して示す断面図である。
【図13】他の実施形態に係る額縁被覆部材630を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、本発明の一実施形態に係るマルチディスプレイ装置1の構成を示す正面図である。図2は、図1の切断面線II−IIから見た断面図である。
【0023】
マルチディスプレイ装置1は、画像情報に応じた画像を表示可能な表示パネル20と、表示パネル20の周縁領域を覆う、額縁であるベゼル21とを備える複数の画像表示装置10を、縦方向および横方向に平面的に並べて構築される。マルチディスプレイ装置1は、各画像表示装置10に対し、1つの画像を表示パネル20の配置に応じて分割した分割画像の画像情報をそれぞれ与えることにより、複数の表示パネル20により構成される大型の画面に、前記1つの画像を表示させることができる。
【0024】
本実施形態に係るマルチディスプレイ装置1は、図1に示すように、25台の画像表示装置10を、縦横5×5のマトリクス状に並べて構築されている。他の実施形態では、たとえば16台の画像表示装置10を、縦横4×4のマトリクス状に並べて構築してもよい。
【0025】
また、マルチディスプレイ装置1を構成する画像表示装置10としては、非発光型の液晶パネルを表示パネル20として備える液晶表示装置、または自発光型のプラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel)を表示パネル20として備えるプラズマディスプレイ装置などによって実現される。
【0026】
以下、各画像表示装置10において、図2に示すように、表示パネル20の厚み方向一方側の表面である表示面20aのうち、ベゼル21に覆われずに、外部に露出している領域を、「表示領域」と称し、参照符V1を付して示す。すなわち、この表示領域V1に、前記分割画像が表示される。
【0027】
また、マルチディスプレイ装置1において、各表示領域V1によって挟まれる領域、すなわち、マルチディスプレイ装置1をその正面側(図2における左側)から見たとき、各画像表示装置10のベゼル21が配置され、画像を表示することができない領域を、「非表示領域」と称し、参照符V2を付して示す。
【0028】
本実施形態に係るマルチディスプレイ装置1は、非表示領域V2の存在に起因して大型の画面に形成されてしまう格子状の線L(図5(a)参照)を可及的に目立たなくさせるために、非表示領域V2に配置される一対のベゼル21をマルチディスプレイ装置1の正面側から被覆するように、額縁被覆部材30が設置されて構成される。
【0029】
以下、本実施形態に係る額縁被覆部材30の構成について詳細に説明する。図3は、図2における1つの額縁被覆部材30付近を拡大して示す断面図である。なお図3では、額縁被覆部材30を除く残余の構成については仮想線で示している。
【0030】
額縁被覆部材30は、長尺に形成され、その長手方向Yに垂直な仮想一平面で切断したときの断面の形状が三角形の柱状部材である。額縁被覆部材30は、その長手方向Yに沿って延びる3つの平坦な外周面のうち、1つの外周面がベゼル21に臨んで配置される設置面41を成し、残余の外周面が傾斜面42,43を成している。
【0031】
ここで、図3に示すように、額縁被覆部材30において、設置面41に平行な方向であって、長手方向Yに垂直な方向を幅方向Xとし、長手方向Yおよび幅方向Xのいずれにも垂直な方向を高さ方向Zとする。
【0032】
また、額縁被覆部材30において、設置面41と一方の傾斜面42との成す角度を第1傾斜角θ1とし、設置面41と他方の傾斜面43との成す角度を第2傾斜角θ2とし、傾斜面42,43どうしの成す角度を頂角θ3(ただし、θ3=180°−θ1−θ2)とする。
【0033】
また、額縁被覆部材30において、高さ方向Zの寸法を高さ寸法hとする。さらに、各ベゼル21における厚み方向の寸法を厚み寸法tとし、一対のベゼル21における幅方向の寸法(すなわち、隣接する表示領域V1間の距離に相当)を幅寸法wとする。
【0034】
本実施形態に係る額縁被覆部材30は、平坦な傾斜面42,43の表面全体に亘って、高い反射率で光を反射する光反射面を形成することによって構成されている。すなわち、本実施形態に係る額縁被覆部材30は、後述するように、表示領域V1からの出射光を反射するように構成されている。このような光反射面は、たとえばアルミニウムなどの金属薄膜を真空蒸着することによって形成される。
【0035】
額縁被覆部材30は、その長手方向Yと、表示領域V1間に配置される一対のベゼル21の延びる方向とが一致し、設置面41が一対のベゼル21に臨むように設置される。すなわち、額縁被覆部材30は、各傾斜面42,43が、その一対のベゼル21に隣接する各表示領域V1にそれぞれ臨むように設置される。
【0036】
図4は、1つの額縁被覆部材30付近を拡大して示す斜視図である。図4に示すように、マルチディスプレイ装置1を稼動させることにより各表示領域V1に画像が表示されると、一対のベゼル21に近接する一方の縁領域V11から表示画像に応じて出射される出射光のうち、一部の出射光A1が、その縁領域V11に臨む傾斜面42にそれぞれ入射する。傾斜面42に入射した出射光A1は、傾斜面42に形成された光反射面で鏡面反射(正反射)することにより進行方向が変えられ、反射光A2として、マルチディスプレイ装置1の正面側へ放射される。他方の縁領域V11から傾斜面43に入射した出射光A1についても同様に振舞う。
【0037】
図5は、マルチディスプレイ装置1に画像を表示させた状態を正面から見た図を示し、図5(a)は、額縁被覆部材30が設置されていない状態のマルチディスプレイ装置1を示し、図5(b)は、額縁被覆部材30を設置した状態のマルチディスプレイ装置1を示している。
【0038】
本実施形態に係る額縁被覆部材30が設置されていない従来のマルチディスプレイ装置では、図5(a)に示すように、非表示領域V2に配置される一対のベゼル21が、大型の画面において格子状の線Lとして視認されてしまい、マルチディスプレイ装置1に表示される画像の品位が低下してしまう。
【0039】
これに対し、本実施形態に係るマルチディスプレイ装置1は、非表示領域V2に配置される一対のベゼル21上に額縁被覆部材30が設置されているので、表示画像に応じた光を、非表示領域V2から前方へ出射させることができる。
【0040】
これにより、正面からマルチディスプレイ装置1の表示画面を視聴する視聴者の目に、非表示領域V2からも表示画像に応じた光を到達させることができるので、図5(b)に示すように、ベゼル21を可及的に目立たなくさせることができる。したがって、各表示領域V1に表示される画像の一体感が増し、マルチディスプレイ装置1に表示される画像の品位の低下を防止することができる。
【0041】
図6は、マルチディスプレイ装置1の公共の場所への設置状態を示す側面図である。図6に示すように、本実施形態に係るマルチディスプレイ装置1は、その縦方向(図6における上下方向)における一対のベゼル21の各位置に応じて、高さ寸法hの異なる額縁被覆部材30がそれぞれ設置されている。
【0042】
具体的には、最上段の一対のベゼル21aに、高さ寸法h1の額縁被覆部材30aが設置され、上から2段目の一対のベゼル21bに、高さ寸法h2の額縁被覆部材30bが設置され、上から3段目の一対のベゼル21cに、高さ寸法h3の額縁被覆部材30cが設置され、上から4段目の一対のベゼル21dに、高さ寸法h4の額縁被覆部材30dが設置されている。
【0043】
なお、本実施形態では、各額縁被覆部材30a〜30dの幅方向Xの寸法はいずれも、設置対象の一対のベゼル21a〜21dの幅寸法wに一致しているものとする。また、各額縁被覆部材30a〜30dはいずれも、第1傾斜角θ1と第2傾斜角θ2とが等しくなるように形成されているものとする。
【0044】
各額縁被覆部材30a〜30dの高さ寸法h1〜h4は、マルチディスプレイ装置1の設置環境および各画像表示装置10のサイズに基づいて、予め定める視聴位置Pから視聴者がマルチディスプレイ装置1の画面を見たときに、すべての表示領域V1が額縁被覆部材30の陰に隠れることのないように決定される。
【0045】
具体的には、各額縁被覆部材30a〜30dの高さ寸法h1〜h4は、視聴者の視線2の高さH1、マルチディスプレイ装置1の床面Fからの設置高さH2、マルチディスプレイ装置1を構成する画像表示装置10の縦方向寸法H3、および、マルチディスプレイ装置1の設置位置Qから予め定める視聴位置Pまでの距離Dに基づいて決定される。なお、設置位置Qから視聴位置Pまでの距離Dは、たとえば所定の通路を歩行する人を視聴対象者として設置するときには、その所定の通路までの距離によって定められる。
【0046】
一実施例では、子供から大人までを想定して視聴者の視線2の高さH1を1200mm〜1500mmと設定し、マルチディスプレイ装置1が、縦方向寸法H3が777mmの画像表示装置10で構成され、かつ設置高さH2が200mmの位置に設置されているものとし、さらに、設置位置Qから視聴位置Pまでの距離Dが2000mmと定められ、ベゼル21a〜21dの厚み寸法tを2mmとし、一対のベゼル21a〜21dの幅寸法wを30mmとするとき、各額縁被覆部材30a〜30dの高さ寸法h1〜h4はそれぞれ、h1=13mm,h2=20mm,h3=26mm,h4=28mmに決定される。
【0047】
なお、この実施例では、最上段および上から2段目の額縁被覆部材30a,30bにおいて、上方に臨む傾斜面42で正反射した反射光A2を、視聴位置Pにおける視聴者に導くことができない。このような傾斜面42については、乱反射面を形成しておくのが好ましい。
【0048】
上記のように本実施形態によれば、マルチディスプレイ装置1の設置環境を考慮して、額縁被覆部材30a〜30dが設置される一対のベゼル21の縦方向位置に応じて、各額縁被覆部材30a〜30dの高さ寸法h1〜h4をそれぞれ適切な値に決定しているので、予め定められた視聴位置における視聴者がマルチディスプレイ装置1の画面を見たとき、表示領域V1が額縁被覆部材30a〜30dの陰に隠れてしまうという不具合を防止することができる。
【0049】
また、縦方向位置に応じて高さ寸法h1〜h4をそれぞれ適切な値に決定することにより、額縁被覆部材30の高さ寸法を縦方向位置に依らずに一律に低減する場合と比較して、額縁被覆部材30の各傾斜面42,43に入射する出射光A1の光量を多くすることができる。すなわち、額縁被覆部材30によるベゼル21を目立たなくさせる効果を向上させることができる。
【0050】
他の実施形態では、マルチディスプレイ装置1の縦方向だけでなく、マルチディスプレイ装置1の横方向(図6における紙面に垂直な方向)についても、一対のベゼル21の横方向位置に応じて、高さ寸法hをそれぞれ適切な値に決定した額縁被覆部材30を設置してもよい。これにより、表示領域V1が額縁被覆部材30の陰に隠れてしまうという不具合を確実に防止することができる。
【0051】
また他の実施形態では、額縁被覆部材30が、第1傾斜角θ1と第2傾斜角θ2とが異なるように形成されていてもよい。たとえば上記実施例において、最上段の額縁被覆部材30aを、高さ寸法h1=25mm、第1傾斜角θ1=41.91°、第2傾斜角θ2=87.36°となるように形成し、さらに、上から2段目の額縁被覆部材30bを、高さ寸法h2=30mm、第1傾斜角θ1=53.13°、第2傾斜角θ2=75.96°となるように形成してもよい。なお、傾斜面42は、上方に臨む面であるものとし、傾斜面43は、下方に臨む面であるものとする。
【0052】
このような形状の額縁被覆部材30a,30bを設置することにより、反射光A2を正反射で視聴位置Pにおける視聴者に導くことができるようになるため、傾斜面42に乱反射面を形成する必要がなくなる。また、表示領域V1からの出射光A1の額縁被覆部材30における受光量を最大限確保しつつ、表示領域V1が額縁被覆部材30の陰に隠れてしまうという不具合を確実に防止することができる。
【0053】
図7は、他の実施形態に係る額縁被覆部材130を拡大して示す断面図である。本実施形態に係る額縁被覆部材130は、上記実施形態に係る額縁被覆部材30に類似し、同一の構成については同一の参照符を付して説明を省略する。
【0054】
本実施形態に係る額縁被覆部材130は、その長手方向Yに垂直な仮想一平面で切断したときの断面の形状が台形の柱状部材である。額縁被覆部材130は、その長手方向Yに沿って延びる4つの平坦な外周面のうち、1つの外周面がベゼル21に臨んで配置される設置面41を成し、設置面41に隣接する2つの外周面が傾斜面42,43を成し、各傾斜面42,43に隣接し、設置面41に平行な外周面が上面44を成す。
【0055】
本実施形態に係る額縁被覆部材130は、平坦な傾斜面42,43の表面全体に亘って、高い反射率で光を正反射する光反射面を形成し、上面44の表面全体に亘って、乱反射面を形成することによって構成されている。
【0056】
本実施形態では、前記のような形状に額縁被覆部材130が形成されているので、額縁被覆部材130の高さ寸法hを低減することができ、また、表示領域V1からの出射光A1が傾斜面42,43で反射するときの反射角度を容易に最適化することができる。また、上面44には乱反射面が形成されているので、マルチディスプレイ装置1の周辺の照明や人間などの映り込みを防止することができる。
【0057】
図8は、他の実施形態に係る額縁被覆部材230を拡大して示す断面図である。本実施形態に係る額縁被覆部材230は、上記実施形態に係る額縁被覆部材30に類似し、同一の構成については同一の参照符を付して説明を省略する。
【0058】
本実施形態に係る額縁被覆部材230は、傾斜面42,43が、外方に向かって凸の湾曲面を成すように形成されている。このように傾斜面42,43を湾曲面とすることにより、表示領域V1からの出射光A1が傾斜面42,43で反射するときの反射角度を容易に最適化することができる。他の実施形態では、傾斜面42,43が、中心に向かって窪む凹状の湾曲面を成すように形成されてもよい。
【0059】
これらの額縁被覆部材30,130,230は、1つのマルチディスプレイ装置1において、適宜組み合わせて設置することができる。
【0060】
図9は、他の実施形態に係る額縁被覆部材330の設置状態を拡大して示す側面図である。本実施形態に係る額縁被覆部材330は、上記実施形態に係る額縁被覆部材30に類似し、同一の構成については同一の参照符を付して説明を省略する。
【0061】
本実施形態に係る額縁被覆部材330は、設置面41における幅方向Xの中心を含み、設置面41に垂直な仮想一平面に関して、非対称に形成されている。より詳細には、マルチディスプレイ装置1において縦方向位置の異なる一対のベゼル21f,21gに対し、傾斜面42,43の上下を反転させるだけで設置できるような形状に形成されている。
【0062】
本実施形態によれば、1つの形状の額縁被覆部材330を用いて、縦方向位置の異なる2段分の一対のベゼル21f,21gを被覆することができるので、製造すべき額縁被覆部材の種類を低減することができる。
【0063】
図10は、他の実施形態に係るマルチディスプレイ装置1Aにおける額縁被覆部材30付近を拡大して示す断面図である。本実施形態に係るマルチディスプレイ装置1Aは、隣接する画像表示装置10間に僅かな隙間dを有するように、複数の画像表示装置10が並べられて構築され、上記実施形態に係る額縁被覆部材30を一対のベゼル21上に設置するための部材であって、前記隙間dに挿入可能な差込部材50を備えて構成される。
【0064】
差込部材50は、大略的にL字状に形成された板状部材であり、額縁被覆部材30に連結される連結部51と、連結部51に対し直角に屈曲し、隣接する画像表示装置10間の隙間dに挿入される挿入部52とを含んで構成される。
【0065】
連結部51は、設置面41を介して、ビスなどの締結具61により額縁被覆部材30に締結固定される。挿入部52は、隣接する画像表示装置10間の隙間dに挿入されたとき、隣接する一対のベゼル21の各側面211間に亘って突っ張った状態で保持されるように、板ばね構造52aを備えている。また、隣接する画像表示装置10間の隙間dから不用意に離脱してしまうことを防止するために、抜け止め構造52bを備えている。
【0066】
本実施形態によれば、このような差込部材50を備えているので、額縁被覆部材30を一対のベゼル21に対して容易に設置することができる。なお、差込部材50は、額縁被覆部材30に限らず、前記実施形態に係る額縁被覆部材130,230,330を設置する際にも用いることができる。
【0067】
上記実施形態に係る額縁被覆部材30,130,230,330を一対のベゼル21上に設置する際には、本実施形態のように、差込部材50を用いるほか、接着シートなどで接着固定することにより行われてもよい。
【0068】
図11は、他の実施形態に係る額縁被覆部材430の設置状態を拡大して示す側面図である。本実施形態に係る額縁被覆部材430は、上記実施形態に係る額縁被覆部材30に類似し、同一の構成については同一の参照符を付して説明を省略する。
【0069】
本実施形態に係る額縁被覆部材430は、長手方向Yに垂直な断面の形状が、3辺の長さがそれぞれ異なる三角形と成るように形成されている。より詳細には、長手方向Yに沿って延びる3つの平坦な外周面441,442,443を有し、マルチディスプレイ装置1において縦方向位置の異なる一対のベゼル21i,21j,21kに対し、それぞれ異なる外周面をベゼル21に臨んで配置させるだけで設置できるような形状に形成されている。また、額縁被覆部材430は、平坦な外周面441,442,443の各表面全体に亘って、高い反射率で光を反射する光反射面を形成することによって構成されている。
【0070】
本実施形態によれば、1つの形状の額縁被覆部材430を用いて、縦方向位置の異なる3段分の一対のベゼル21i,21j,21kを被覆することができるので、製造すべき額縁被覆部材の種類をさらに低減することができる。このような額縁被覆部材430をベゼル21に設置する際には、接着シートによって接着固定してもよく、磁力を利用して設置してもよい。
【0071】
図12は、他の実施形態に係るマルチディスプレイ装置1Bにおける額縁被覆部材530付近を拡大して示す断面図であり、額縁被覆部材530を除く残余の構成については仮想線で示している。本実施形態に係る額縁被覆部材530は、上記実施形態に係る額縁被覆部材30に類似し、同一の構成については同一の参照符を付して説明を省略する。以下、額縁被覆部材530の構成について詳細に説明する。
【0072】
額縁被覆部材530は、長尺に形成される長尺部材であり、その長手方向Yと、表示領域V1間に配置される一対のベゼル21の延びる方向とが一致するように、その一対のベゼル21上に設置される。額縁被覆部材530は、透光性を有する無色の棒状部材70と、棒状部材70に形成される光拡散部71とを含んで構成される。
【0073】
棒状部材70は、たとえばポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ABS(Acrylonitrile-Butadiene-Styrene)樹脂、ガラスなどの材料から成り、三角柱状、詳細には、長手方向Yに垂直な仮想一平面で切断したときの断面の形状が三角形となるように形成される。
【0074】
棒状部材70は、長手方向Yに沿って延びる3つの平坦な外周面のうち、1つの外周面がベゼル21に臨んで配置される設置面541を成し、残余の外周面が傾斜面542,543を成している。
【0075】
額縁被覆部材530は、棒状部材70における設置面541が一対のベゼル21に臨むように設置され、これにより、設置状態では、各傾斜面542,543がそれぞれ、その一対のベゼル21に隣接する各表示領域V1に臨むように配置される。
【0076】
光拡散部71は、本実施形態では、棒状部材70における各傾斜面542,543の表面全体に亘って形成される。光拡散部71は、光拡散部71へ入射する光の一部を、拡散を生じて反射させるとともに、光拡散部71へ入射する光の一部を、拡散を生じて透過させる機能を有する。
【0077】
このような光拡散部71は、たとえば、無色透明なバインダ樹脂に、アクリル樹脂などから成る無色透明な球状ポリマー粒子(拡散ビーズ)を分散させたものを、棒状部材70における各傾斜面542,543に層状に塗布することによって形成することができる。また、他の方法として、棒状部材70における各傾斜面542,543にブラスト加工を施すことによって形成してもよい。さらに他の方法としては、棒状部材70の成型時に、各傾斜面542,543に相当する表面に微細な凹凸を賦形することによって形成してもよい。
【0078】
本実施形態に係る額縁被覆部材530には、さらに、棒状部材70の内部を通って設置面541に入射する光を高い反射率で反射するように、設置面541の表面全体に亘って光反射面が形成されている。このような光反射面は、光の反射性に優れた白色を呈するPETなどの合成樹脂製シートを、設置面541に貼着することによって、容易に形成することができる。
【0079】
また、他の方法としては、アルミニウム、銀などを材料とする金属膜が形成された反射シートを、設置面541に貼着することによって形成してもよく、アルミニウムなどの金属薄膜を真空蒸着することによって形成してもよい。さらに他の方法としては、光の反射性に優れた白色を呈する塗料を、設置面541に塗装することによって形成してもよい。
【0080】
額縁被覆部材530の設置は、たとえば接着シートなどを用いて、設置面541をベゼル21の表面に接着固定することにより行われる。また、他の方法として、図10に示すような差込部材50を用いて設置してもよい。
【0081】
本実施形態に係る額縁被覆部材530を一対のベゼル21上に設置した状態で、マルチディスプレイ装置1を稼動させることにより各表示領域V1に画像が表示されると、一対のベゼル21に近接する各縁領域V11から表示画像に応じて出射される出射光のうち、一部の出射光A1が、その縁領域V11に臨む各傾斜面542,543にそれぞれ入射する。
【0082】
一方の傾斜面542に入射する出射光A1のうち、一部の光は、一方の傾斜面542に形成されている光拡散部71によって、拡散を生じて反射し、一部の光は、拡散を生じて透過する。光拡散部71を透過した光は、棒状部材70の内部へ入射し、その大半が、直接、あるいは設置面541における反射を介して、他方の傾斜面543へ導かれ、他方の傾斜面543に形成されている光拡散部71によって、一部の光は拡散を生じて反射し、一部の光は拡散を生じて透過する。他方の傾斜面543に入射した出射光A1についても同様に振舞う。
【0083】
これにより、傾斜面543からは、一方の縁領域V11から出射した出射光A1のうち、当該傾斜面543に形成されている光拡散部71で拡散反射した拡散反射光と、他方の縁領域V11から出射した出射光A1のうち、棒状部材70の内部へ入射し、その光拡散部71を拡散透過した拡散透過光とが混じった光が、マルチディスプレイ装置1の正面側へ放射される。
【0084】
本実施形態に係る額縁被覆部材530を設置すると、額縁被覆部材530の各傾斜面542,543からは、縁領域V11に表示される画像に応じた光が、正面側へ向けて放射される。これにより、ベゼル21を目立たなくさせることができる。したがって、各表示領域V1に表示される画像の一体感が増し、マルチディスプレイ装置1に表示される画像の品位の低下を防止することができる。
【0085】
また、各傾斜面542,543からは、一方の縁領域V11から出射した出射光A1に由来する拡散反射光と、他方の縁領域V11から出射した出射光A1に由来する拡散透過光とが混合した光が放射されるので、一方の縁領域V11と他方の縁領域V11とにおいて、表示内容が全く異なる画像、つまり表示される色が大きく相違するような画像が表示されるような場合であっても、違和感を感じさせることなく、ベゼル21を目立たなくさせることができる。
【0086】
また、設置面541には、光反射面が形成されているので、棒状部材70の内部へ入射した光が、設置面541を通過してベゼル21に吸収されてしまうことを防止することができる。これにより、各傾斜面542,543から放射される光の光量が低下してしまうことを防止することができる。
【0087】
本実施形態に係るマルチディスプレイ装置1Bは、前述の実施形態に係るマルチディスプレイ装置1と同様に、その縦方向および/または横方向における一対のベゼル21の位置に応じて、高さ寸法hの異なる額縁被覆部材530がそれぞれ設置される。したがって、予め定められた視聴位置における視聴者がマルチディスプレイ装置1の画面を見たとき、表示領域V1が額縁被覆部材530の陰に隠れてしまうという不具合を防止することができる。
【0088】
図13は、他の実施形態に係る額縁被覆部材630を示す断面図であり、図13(a)〜図13(d)は、それぞれ異なる形態に変化させたときの額縁被覆部材630を示している。
【0089】
本実施形態に係る額縁被覆部材630は、複数の可動片631を蝶番によって回動自在に連結することにより構成され、これにより、図13(a)〜図13(d)に示すように、所期の形態に容易に変化させることができる。なお、変形後の形態をベゼル21上で維持できるように、各可動片631の連結箇所では、回動させるためにある程度の負荷が必要となるように連結されているのが好ましい。可動片631の幅寸法vは、たとえば6mmである。
【0090】
額縁被覆部材630は、本実施形態では、断面が三角形の筒状に変形されてベゼル21上に設置されるものとし、ベゼル21への設置状態において、長手方向Yに沿って延びる3つの外周面のうち、ベゼル21に臨んで配置される外周面を設置面641、および該設置面に対し傾斜する残余の外周面を傾斜面642,643とする。また、額縁被覆部材630は、これら外周面に対し、高い反射率で光を反射する光反射面が形成されて構成されている。
【0091】
図13(a)では、一対のベゼル21からの高さ寸法がu0、各傾斜面642,643の設置面641に対する傾斜角がいずれもθ4となるように変形されたときの額縁被覆部材630を示し、図13(b)では、一対のベゼル21からの高さ寸法がu1、各傾斜面642,643の設置面641に対する傾斜角がいずれもθ5となるように変形されたときの額縁被覆部材630を示している。
【0092】
また、図13(c)では、一対のベゼル21からの高さ寸法がu2、各傾斜面642,643の設置面641に対する傾斜角がいずれもθ6となるように変形されたときの額縁被覆部材630を示し、図13(d)では、一対のベゼル21からの高さ寸法がu3、各傾斜面642,643の設置面641に対する傾斜角がそれぞれθ7,θ8となるように変形されたときの額縁被覆部材630を示している。
【0093】
図13(d)に示す額縁被覆部材630では、各傾斜面642,643の設置面641に対する傾斜角がそれぞれ異なる値となるように、額縁被覆部材630の一端部とベゼル21との間にスペーサ80を介在させて設置されている。
【0094】
このように本実施形態に係る額縁被覆部材630は、一対のベゼル21からの高さ寸法および設置面641に対する傾斜面642,643の傾斜角を容易に調整できるような機構を備えて構成されている。
【0095】
本実施形態によれば、マルチディスプレイ装置1の設置環境を考慮して、一対のベゼル21の縦方向位置に応じて、額縁被覆部材630の高さ寸法および傾斜角をそれぞれ適切な値に容易に調整することができるので、表示領域V1からの出射光A1の額縁被覆部材630における受光量を最大限確保しつつ、予め定められた視聴位置における視聴者がマルチディスプレイ装置1の画面を見たときに、表示領域V1が額縁被覆部材630の陰に隠れてしまうという不具合を防止することができる。
【符号の説明】
【0096】
1 マルチディスプレイ装置
10 画像表示装置
20 表示パネル
20a 表示面
21 ベゼル
30 額縁被覆部材
41 設置面
42,43 傾斜面
V1 表示領域
V11 縁領域
V2 非表示領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示可能な表示パネルと該表示パネルにおける画像の表示領域を外囲する額縁とを備える複数の画像表示装置を、縦方向および/または横方向に平面的に並べて構築されるマルチディスプレイ装置であって、
隣接する一対の表示領域間の額縁にそれぞれ設置される長尺の額縁被覆部材であって、長手方向に延び、額縁に臨んで配置される設置面と、長手方向に延び、該設置面に対して傾斜する2つの傾斜面とを有し、表示領域からの出射光を反射または拡散する額縁被覆部材を含み、
前記各額縁被覆部材は、設置対象の額縁の前記縦方向および/または横方向における位置に応じて、額縁からの高さ寸法がそれぞれ決定されることを特徴とするマルチディスプレイ装置。
【請求項2】
前記各額縁被覆部材は、設置対象の額縁の前記縦方向および/または横方向における位置に応じて、設置面に対する傾斜面の角度がそれぞれ決定されることを特徴とする請求項1記載のマルチディスプレイ装置。
【請求項3】
前記額縁被覆部材は、前記長手方向に垂直な断面の形状が三角形の柱状部材であることを特徴とする請求項1または2記載のマルチディスプレイ装置。
【請求項4】
前記額縁被覆部材は、前記長手方向に垂直な断面の形状が台形の柱状部材であることを特徴とする請求項1または2記載のマルチディスプレイ装置。
【請求項5】
前記額縁被覆部材は、前記傾斜面が湾曲していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のマルチディスプレイ装置。
【請求項6】
前記額縁被覆部材は、前記設置面における前記長手方向に垂直な幅方向の中心を含み該設置面に垂直な仮想一平面に関して、非対称に形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のマルチディスプレイ装置。
【請求項7】
前記額縁被覆部材は、前記長手方向に垂直な断面の形状が、3辺の長さがそれぞれ異なる三角形であることを特徴とする請求項3記載のマルチディスプレイ装置。
【請求項8】
前記額縁被覆部材は、額縁からの高さ寸法を調整可能な機構を備えて構成されることを特徴とする請求項1または2記載のマルチディスプレイ装置。
【請求項9】
前記額縁被覆部材は、設置面に対する傾斜面の角度を調整可能な機構を備えて構成されることを特徴とする請求項2記載のマルチディスプレイ装置。
【請求項10】
前記額縁被覆部材に固定され、隣接する画像表示装置間の隙間に挿入可能な差込部材をさらに備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載のマルチディスプレイ装置。
【請求項1】
画像を表示可能な表示パネルと該表示パネルにおける画像の表示領域を外囲する額縁とを備える複数の画像表示装置を、縦方向および/または横方向に平面的に並べて構築されるマルチディスプレイ装置であって、
隣接する一対の表示領域間の額縁にそれぞれ設置される長尺の額縁被覆部材であって、長手方向に延び、額縁に臨んで配置される設置面と、長手方向に延び、該設置面に対して傾斜する2つの傾斜面とを有し、表示領域からの出射光を反射または拡散する額縁被覆部材を含み、
前記各額縁被覆部材は、設置対象の額縁の前記縦方向および/または横方向における位置に応じて、額縁からの高さ寸法がそれぞれ決定されることを特徴とするマルチディスプレイ装置。
【請求項2】
前記各額縁被覆部材は、設置対象の額縁の前記縦方向および/または横方向における位置に応じて、設置面に対する傾斜面の角度がそれぞれ決定されることを特徴とする請求項1記載のマルチディスプレイ装置。
【請求項3】
前記額縁被覆部材は、前記長手方向に垂直な断面の形状が三角形の柱状部材であることを特徴とする請求項1または2記載のマルチディスプレイ装置。
【請求項4】
前記額縁被覆部材は、前記長手方向に垂直な断面の形状が台形の柱状部材であることを特徴とする請求項1または2記載のマルチディスプレイ装置。
【請求項5】
前記額縁被覆部材は、前記傾斜面が湾曲していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のマルチディスプレイ装置。
【請求項6】
前記額縁被覆部材は、前記設置面における前記長手方向に垂直な幅方向の中心を含み該設置面に垂直な仮想一平面に関して、非対称に形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のマルチディスプレイ装置。
【請求項7】
前記額縁被覆部材は、前記長手方向に垂直な断面の形状が、3辺の長さがそれぞれ異なる三角形であることを特徴とする請求項3記載のマルチディスプレイ装置。
【請求項8】
前記額縁被覆部材は、額縁からの高さ寸法を調整可能な機構を備えて構成されることを特徴とする請求項1または2記載のマルチディスプレイ装置。
【請求項9】
前記額縁被覆部材は、設置面に対する傾斜面の角度を調整可能な機構を備えて構成されることを特徴とする請求項2記載のマルチディスプレイ装置。
【請求項10】
前記額縁被覆部材に固定され、隣接する画像表示装置間の隙間に挿入可能な差込部材をさらに備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載のマルチディスプレイ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−226090(P2012−226090A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−93199(P2011−93199)
【出願日】平成23年4月19日(2011.4.19)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月19日(2011.4.19)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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