説明

マルチリモコン制御装置

【課題】操作時のマルチリモコンの位置が変化した際に、機器選択リストへの再度の登録処理を行うことなく、機器選択リストを更新するマルチリモコン制御装置を提供する。
【解決手段】操作機器認識部104は、操作制御部103から通知された機器情報を用いて、基準となる操作対象機器の最新の機器情報の認識を行い、機器選択リスト更新部107は、基準となる操作対象機器の使用中の機器選択リスト内の機器情報と、認識した最新の機器情報とから、移動量を算出し、算出した移動量を用いて、機器選択リスト内の基準となる操作対象機器以外の操作対象機器の機器情報を補正し、補正後の機器情報で機器選択リストを更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電気機器を1つのリモートコントロール装置により遠隔操作するマルチリモコンを制御するマルチリモコン制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、テレビやビデオ、DVDプレーヤ、エアコンといった電気機器(以下、機器と称す)を遠隔操作する装置としてリモコンが日常的に広く使用されている。さらに、複数の機器を操作することが可能なリモコンとしてマルチリモコンが使用されている。
【0003】
マルチリモコンは、操作対象の機器を登録設定することで、設定済みの機器を操作することが可能となる。
【0004】
従来のマルチリモコン技術として、マルチリモコンの操作信号の送出部分を向けた方向(以下、マルチリモコンの方向と記載する)とその操作信号の送出方向に存在する機器を対応させた機器選択リストをサーバに登録し、ユーザがマルチリモコンを使用する際に、方向検出装置がマルチリモコンの方向を検出し、操作対象の機器が機器選択リストに従って選択される技術があった(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−279424号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の構成では、操作可能な機器が複数配置された部屋において、マルチリモコンを操作する際のユーザの位置が一定でないことから、マルチリモコンの方向に存在する機器と機器選択リストに登録された機器が正しく対応していない場合があり、マルチリモコンの向きと操作したい機器が対応するよう再度機器選択リストに登録するまで、正しく操作を行うことができない、という課題があった。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、マルチリモコンを操作する際のユーザの位置、つまりマルチリモコンの位置が変化した時、機器選択リストへの再度の登録処理を行うことなく、機器選択リストを更新することができるマルチリモコン制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、本発明のマルチリモコン制御装置は、複数の操作対象機器の遠隔操作の制御を行うマルチリモコン制御装置であって、前記操作対象機器毎に、種類、方向、傾き、距離からなる機器情報を機器選択リストとして管理する機器選択リスト管理手段と、遠隔操作の開始時に、周辺の操作対象機器の位置に関する情報と、自装置の位置に関する情報を取得情報として受け取る操作制御手段と、前記操作制御手段から通知された前記取得情報を用いて、前記周辺の操作対象機器の中から1つの操作対象機器を選択し、前記選択した操作対象機器の最新の機器情報を認識する操作機器認識手段と、前記操作機器認識手段で認識した前記選択した操作対象機器の最新の機器情報が、前記機器選択リスト管理手段で管理される前記機器選択リストの機器情報と一致しない場合、前記機器選択リスト管理手段で管理される前記機器選択リストを更新すると判定する機器選択リスト更新判定手段と、前記機器選択リスト更新判定手段で前記機器選択リストを更新すると判定した場合、前記機器選択リスト管理手段で管理される前記機器対象リストから前記選択した操作対象機器の使用中の機器情報を取得し、前記取得した使用中の機器情報と前記認識した最新の機器情報とを用いて自装置の移動量を算出し、前記機器対象リストから前記選択した操作対象機器以外の前記操作対象機器の使用中の機器情報を取得し、前記取得した使用中の機器情報と前記算出した移動量を用いて前記機器情報を補正し、前記機器選択リストの前記機器情報を更新する機器選択リスト更新部と、を有している。
【0008】
本構成によって、操作時のマルチリモコンの位置が変化した時でも、機器選択リストへの再度の登録処理を行うことなく、機器選択リストを更新することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明のマルチリモコン制御装置によれば、操作時のマルチリモコンの位置が変化した時でも、操作対象の機器を機器選択リストへ再度登録処理を行うことなく、機器選択リストを更新することが可能となり、マルチリモコンの方向に存在する操作対象の機器を正しく遠隔操作することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0011】
図1は、本発明の実施の形態におけるマルチリモコン制御装置を備えたマルチリモコンの構成の一例を示すブロック図である。なお、マルチリモコンとしては、複数の機器を遠隔操作する機能のみを有する機器であってもよいし、携帯電話や携帯情報端末等のネットワークに接続可能なモバイル機器で、他の機器を遠隔操作するアプリケーションをインストールするなどしてリモコン機能を動作し、マルチリモコンとしてもよい。
【0012】
図1において、操作要求入力部101は、ユーザがマルチリモコンを部屋の中で移動させてマルチリモコンの方向を操作対象機器に向けた後、キーやタッチパネルなどマルチリモコンの入力デバイスによるユーザからの入力や、マルチリモコン上で動作するアプリケーションからの命令などを受信し、マルチリモコンの操作の開始要求や、特定の操作対象機器に対する操作要求を通知する。
【0013】
外部情報取得部102は、マルチリモコンに内蔵または外付けされた装置、例えば、カメラや方向センターやジャイロなどの動作を制御し、マルチリモコンの外部の情報の取得を行う。ここで取得する情報とは、マルチリモコンの周辺の状態に関する情報(特に、マルチリモコンの方向に位置する操作対象機器に関する情報)や、マルチリモコン自身の状態に関する情報などであり、例えば、カメラならば、カメラが撮影したマルチリモコンから見た周辺の画像情報、方向センサならば、マルチリモコンの方向、ジャイロならば、マルチリモコンの傾きなどである。また、周辺に位置する操作対象機器から発信される音波や、ビーコンなどの光信号や、RFICタグによる無線信号などの信号情報を受信して使用してもよい。
【0014】
操作制御部103は、操作要求入力部101からマルチリモコンの操作の開始要求を通知された場合に、外部情報取得部102に起動要求を通知し、マルチリモコンの外部の情報の取得を指示する。操作制御部103は、外部情報取得部102が取得した情報(以下、取得情報と記載する)を受け取り、操作機器認識部104に通知する。また、操作要求入力部101から操作対象機器に対する操作要求を通知された場合に、外部情報取得部102に取得要求を通知し、マルチリモコン自身の状態に関する情報の取得を指示する。操作制御部103は、外部情報取得102から取得情報を受け取り、操作機器決定部108に受け取った操作要求と取得情報とを通知し、応答として一意に決定した操作対象機器を受け取り、操作指示出力部109に、決定した操作対象機器と受け取った操作要求を通知する。
【0015】
操作機器認識部104は、操作制御部103から通知された取得情報を解析し、操作対象となる機器を認識する。ここでは、カメラにより撮影した画像情報と、方向センサにより取得した方向情報と、ジャイロにより取得した傾き情報と、ビーコンなどの信号情報を取得し、周辺に位置する操作対象機器毎の種類、方向、傾き、距離を認識し、機器情報として出力するものとする。
【0016】
機器選択リスト管理部105は、操作対象機器毎に、種類、方向、傾き、距離などからなる機器情報を管理しており、周辺の操作対象機器に関する現在使用中の機器情報を機器選択リストとして保持している。
【0017】
機器選択リスト更新判定部106は、操作機器認識部104が認識した最新の機器情報が、機器選択リスト管理部105で管理される機器管理リストの機器情報と一致しなければ、機器管理リストを更新する必要があると判定する。
【0018】
機器選択リスト更新部107は、機器選択リスト更新判定部106での判定結果が更新必要の場合、操作機器認識部104が認識した最新の機器情報と、機器選択リスト管理部105が管理する現在使用中の機器選択リストの中の操作機器認識部104で認識した同じ操作対象機器に関する機器情報を用いて、マルチリモコン自身の移動量と移動した方向を算出する。機器選択リスト更新部107は、機器選択リスト管理部105が管理する現在使用中の機器選択リストの中の操作機器認識部104が認識した同じ操作対象機器に関する機器情報を、操作機器認識部104が認識した最新の機器情報に更新すると共に、算出したマルチリモコン自身の移動量と移動した方向を用い、機器選択リスト管理部105が管理する現在使用中の機器選択リストの中の操作機器認識部104で認識した操作対象機器以外の全ての操作対象機器に関する機器情報に対して補正を行う。補正を行った機器選択リストは、機器選択リスト管理部105が管理する現在使用中の機器選択リストとして使用される。
【0019】
操作機器決定部108は、操作制御部103から取得情報(マルチリモコン自身の状態に関する情報)を受け取り、機器選択リスト管理部105で管理される現在使用中の機器選択リストと、受け取ったマルチリモコン自身の状態に関する情報により操作対象の機器を一意に決定する。
【0020】
操作指示出力部109は、操作制御部103からの通知を受け取り、受け取った操作対象機器に対する機器操作信号を生成し、生成した機器操作信号の出力を行う。
【0021】
本実施の形態におけるマルチリモコン制御装置の機器認識方法および操作対象機器の選択する動作を、図2、図3を用いて説明する。
【0022】
図2は、具体的にマルチリモコンを操作する際の状態の一例を示している。ある部屋における複数の操作対象機器の配置された位置と破線内の操作対象機器を認識するマルチリモコンを部屋の上部から見た状態を表す図である。
【0023】
部屋には、マルチリモコン201と、操作対象機器となるエアコン202、オーディオ203、パソコン204、テレビ205がそれぞれ図2で示した位置にあるものとする。また、マルチリモコン201は、破線で示した領域206内に位置する各操作対象機器に対する機器情報の認識を行う。また、マルチリモコン201には現在使用中の機器選択リストが設定済みであり、この機器選択リストの一例を図4に示している。図4の機器選択リスト401には、操作対象機器毎に、種類、方向、距離からなる機器情報がリストで保持されている。方向は、マルチリモコン201から見てオーディオ203の方向を基準として0°とし、反時計回りに(パソコン204の向きに)マルチリモコンから見た方向を角度で表している。なお、方向については、東西南北の方位を使用しても構わない。傾きについては、水平方向を基準として0°とし、水平方向より上向きになる場合は正の角度、下向きになる場合は負の角度により表している。ここでは、図2の上側が北である前提で説明を行う。すなわち、エアコン202が部屋の北西、オーディオ203が部屋の西、パソコン204が部屋の南西、テレビ205が部屋の北東に設置されていることを意味する。
【0024】
上記条件にて、ユーザがマルチリモコンを持ったまま、室内を歩くなどにより、マルチリモコン201をマルチリモコン207の位置まで移動させたとする。
【0025】
マルチリモコン207の位置で、ユーザがマルチリモコンをエアコン202に向けて起動操作を行った場合、図4の機器選択リスト401を使用すると、0°の方向にエアコン202が置かれるにもかかわらず、機器選択リスト401には、0°の方向にオーディオ203が設定されているため、実際にはオーディオ203が起動してしまうことになる。マルチリモコン207の位置で、正しくエアコン202が操作対象機器に決定するよう、機器選択リスト401を更新する必要がある。
【0026】
この更新処理の手順について、次に図3のフローチャートを用いて説明する。なお、マルチリモコンには、周辺の状態に関する情報を取得するために、カメラと、方向センサと、ジャイロと、ビーコン受信機能とを備えているものとする。まず、ユーザが、マルチリモコンを持ったまま、室内を歩くなどにより、マルチリモコン201をマルチリモコン207の位置まで移動させ、マルチリモコンの操作の開始要求を、キー入力操作などに入力することで、処理を開始するものとする。
【0027】
操作要求入力部101は、ユーザから入力されたマルチリモコンの開始要求を受け取り、操作制御部103に通知する(ステップS301)。
【0028】
開始要求を受け取った操作制御部103は、外部情報取得部102に起動要求を通知する(ステップS302)。
【0029】
外部情報取得部102は、マルチリモコンに備えられているカメラと、方向センサと、ジャイロと、ビーコン受信機能とを起動し、マルチリモコンの外部の情報の取得を行い、取得した情報を操作制御部103に通知する(ステップS303)。具体的には、起動したカメラで、マルチリモコンから見た周辺の状態を撮影し、撮影した画像情報を取得する。一例として、マルチリモコン207の位置から、マルチリモコン207の方向を調整して、オーディオ203が画像の中心となるように領域206内に位置する操作対象機器を撮影する。この撮影画像を、図5に示している。近くにあるエアコン202は大きく、遠くにあるパソコン204が小さく写っている。また、カメラで撮影を行った際に、操作対象機器から発生されるビーコン信号を受信する。つまり、マルチリモコンの方向に位置する操作対象機器に関する情報として、画像情報とビーコン信号を取得することになる。更に、カメラで撮影を行った際に、方向センサでマルチリモコンの方向情報と、ジャイロでマルチリモコンの傾き情報を取得する。つまり、マルチリモコン自身の状態に関する情報として、方向と傾きを取得することになる。
【0030】
操作制御部103は、外部情報取得部102から取得情報を受け取り、操作機器認識部104に通知する(ステップS304)。
【0031】
操作機器認識部104は、操作制御部103から通知された取得情報を用いて、基準となる操作対象機器の認識を行い、認識した最新の機器情報を、機器選択リスト更新判定部106に通知する(ステップS305)。操作機器認識部104は、ある1つの操作対象機器を基準機器と設定して、カメラで撮影した映像から操作対象機器の種類、方向、傾き、操作対象機器までの距離を認識する。操作対象機器の種類と操作対象機器までの距離を認識することが可能な機能として、ここでは、操作対象機器に取り付けられた2箇所のビーコンを用いるものとする。ビーコンによる光信号の色から、対象の操作対象機器がどのような種類の機器であるかを判断し、また、2箇所のビーコンによる光の点滅から、対象の操作対象機器からマルチリモコンまでの距離を認識することができる。なお、撮影した画像の中心に写った操作対象機器を、基準となる操作対象機器として認識を行う。操作機器認識部104は、図5に示した画像情報を用いて、基準となる操作対象機器が中心に写っていることから、オーディオ203と決定し、ビーコン信号を用いて距離r1’であると認識する。また、操作機器認識部104は、通知された方向情報と傾き情報を用いて、撮影時のマルチリモコン自身の状態を方向45°、傾き0°であると認識する。このようにして認識した基準となる操作対象機器の最新の機器情報を、操作機器認識部104は、機器選択リスト更新判定部106に通知する。
【0032】
機器選択リスト更新判定部106は、操作機器認識部104から、基準となる操作対象機器の最新の機器情報を受け取り、機器選択リスト401の更新が必要か否かを判定する(ステップS306)。機器選択リスト更新判定部106は、基準となる操作対象機器について、操作機器認識部104から受け取った最新の機器情報と、機器選択リスト管理部105で管理される機器管理リストのデータとの比較を行い、一致しなければ、機器選択リスト401を更新する必要があると判定する。ここでは、マルチリモコン201をマルチリモコン207の位置まで移動させたことで、機器選択リスト401のオーディオ203の方向と操作機器認識部104が認識した方向とが異なるため、更新が必要であると判定することになる。
【0033】
機器選択リスト更新判定部106が更新必要と判定した場合(ステップS306が更新必要)、機器選択リスト更新判定部106は、機器選択リスト更新部107に、受け取った最新の機器情報を通知して更新を指示する(ステップS307)。一方、機器選択リスト更新判定部106が更新不要と判定した場合(ステップS306が更新不要)、機器選択リスト更新判定部106は、操作制御部103に完了を通知し(ステップS311)、処理を終了する。
【0034】
機器選択リスト更新部107は、機器選択リスト更新判定部106から更新が指示されると、受け取った基準となる操作対象機器の最新の機器情報を用いて、マルチリモコンの移動量の算出を行う(ステップS308)。機器選択リスト更新部107は、補正に使用するマルチリモコンの移動量208を算出するため、まず、機器選択リスト管理部105で管理されている現在使用中の機器選択リスト401から、基準となる操作対象機器の機器情報を取得する。次に、機器選択リスト更新部107は、機器選択リスト更新判定部106から受け取った最新の機器情報と、取得した現在使用中の機器情報とを用いて、マルチリモコンの移動量を算出する。つまり、オーディオ203、移動前のマルチリモコン201、移動後のマルチリモコン207の3点を結ぶ三角形を想定した場合、2辺とその間の角度(オーディオ203〜移動前のマルチリモコン201、オーディオ203〜移動後のマルチリモコン207の2辺とオーディオ203の角度)が情報としてあるので、マルチリモコンの移動量208を算出することが可能となる。ここでは、マルチリモコンの移動量208は、移動距離r5、方向270°となる。
【0035】
機器選択リスト更新部107は、マルチリモコンの移動量208を算出した後、機器選択リスト管理部105で管理されている現在使用中の機器選択リスト401の基準となる操作対象機器の機器情報を、受け取った基準となる操作対象機器の最新の機器情報で更新する(ステップS309)。
【0036】
また、機器選択リスト更新部107は、機器選択リスト401の各操作対象機器の機器情報について補正を行う(ステップS310)。機器選択リスト更新部107は、機器選択リスト管理部105で管理されている現在使用中の機器選択リスト401から、基準となる操作対象機器以外の操作対象機器の機器情報を取得し、マルチリモコンの移動量と合成することで補正し、機器選択リスト401の機器情報を、補正後の機器情報で更新する。つまり、基準となる操作対象機器でないエアコン202、パソコン204、テレビ205の操作対象機器は、マルチリモコンの移動量208を機器選択リスト401にある方向、距離とベクトル合成することで補正を行う。なお、基準となる操作対象機器であるオーディオ203については、既にステップS309で更新済みである。また、図6に、機器選択リスト更新部107により機器選択リスト401を補正することにより更新された機器選択リスト601を示す。
【0037】
機器選択リスト更新部107は、機器選択リストの更新完了を操作制御部103に通知し(ステップS311)、処理を終了する。
【0038】
以上により、本発明のマルチリモコン制御装置によれば、操作時のマルチリモコンの位置が変化した時でも、操作対象の機器を機器選択リストへ再度登録処理を行うことなく、機器選択リストを更新することが可能となり、マルチリモコンの方向に存在する操作対象の機器を正しく遠隔操作することが可能となる。
【0039】
つまり、マルチリモコン201がマルチリモコン207の位置まで移動した後に、使用中の機器選択リスト内の操作対象機器に対する機器情報が、最新の機器情報に更新されることになり、マルチリモコン207の位置において、更新された機器選択リスト601を用いて、マルチリモコン207からみた方向、傾きにある操作機器を選択することが可能となる。つまり、マルチリモコン207の位置で、ユーザがマルチリモコンを0°に位置するエアコン202に向けて起動操作を行った場合、機器選択リスト601には、0°の方向にエアコン202が設定されているため、0°方向にあるエアコン202を起動することができる。
【0040】
なお、本実施の形態では、マルチリモコンの移動量208に傾きが含まれていないが、傾きがマルチリモコンの移動量に含まれる場合は、機器選択リスト更新部107は傾きもベクトル合成することで補正を行う。
【0041】
なお、機器選択リスト更新判定部106において、機器選択リストの方向、傾き、距離について機器補正不要範囲が設定されている場合、端末情報取得部103が取得したマルチリモコンの方向と傾き、操作機器認識部104が認識した操作対象となる機器の距離と、機器選択リストの方向と傾きと距離が、それぞれ機器補正不要範囲内で一致していれば機器選択リストの更新は不要と判断してもよい。
【0042】
なお、操作機器決定部108において、機器選択リスト更新部107による補正後の機器選択リストの機器までの距離が一定以下の場合、すなわち、マルチリモコンと機器との距離が近すぎて操作が困難な場合、該当する機器は操作不可と決定してもよい。
【0043】
なお、機器選択リスト管理部105において、複数の機器選択リストを管理することが可能な場合、機器選択リスト更新判定部106が更新と判定後、機器選択リスト更新部107は現在使用中の機器選択リストを補正することなく、該当する機器選択リストを機器選択リスト管理部105から取得し使用する機器選択リストに変更するとしてもよい。
【0044】
なお、操作制御部103、操作機器認識部104、機器選択リスト管理部105、機器選択リスト更新判定部106、機器選択リスト更新部107の各機能ブロックは典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されても良いし、一部又は全てを含むように1チップ化されても良い。
【0045】
ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0046】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field ProgrammableGate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用しても良い。
【0047】
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適応等が可能性としてありえる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明にかかるマルチリモコン制御装置は、操作時のマルチリモコンの位置が変化した時に、機器選択リストへの再度の登録処理を行うことなく、機器選択リストを更新する機能を有し、複数の機器を遠隔操作するリモコン機器において有用である。また、携帯電話や携帯情報端末等のネットワークに接続可能なモバイル機器にも応用できる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施の形態におけるマルチリモコン制御装置を備えたマルチリモコンの構成の一例を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態におけるマルチリモコンや操作対象となる複数の機器のレイアウトの一例を示す図
【図3】本発明の実施の形態におけるマルチリモコン制御装置の機器選択リストの更新処理の動作の一例を示すフローチャート
【図4】本発明の実施の形態における機器選択リストの一例を示す図
【図5】本発明の実施の形態における外部情報取得部が撮影した画像の一例を示す図
【図6】本発明の実施の形態における補正後の機器選択リストの一例を示す図
【符号の説明】
【0050】
101 操作要求入力部
102 外部情報取得部
103 操作制御部
104 操作機器認識部
105 機器選択リスト管理部
106 機器選択リスト更新判定部
107 機器選択リスト更新部
108 操作機器決定部
109 操作指示出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の操作対象機器の遠隔操作の制御を行うマルチリモコン制御装置であって、
前記操作対象機器毎に、種類、方向、傾き、距離からなる機器情報を機器選択リストとして管理する機器選択リスト管理手段と、
遠隔操作の開始時に、周辺の操作対象機器の位置に関する情報と、自装置の位置に関する情報を取得情報として受け取る操作制御手段と、
前記操作制御手段から通知された前記取得情報を用いて、前記周辺の操作対象機器の中から1つの操作対象機器を選択し、前記選択した操作対象機器の最新の機器情報を認識する操作機器認識手段と、
前記操作機器認識手段で認識した前記選択した操作対象機器の最新の機器情報が、前記機器選択リスト管理手段で管理される前記機器選択リストの機器情報と一致しない場合、前記機器選択リスト管理手段で管理される前記機器選択リストを更新すると判定する機器選択リスト更新判定手段と、
前記機器選択リスト更新判定手段で前記機器選択リストを更新すると判定した場合、前記機器選択リスト管理手段で管理される前記機器対象リストから前記選択した操作対象機器の使用中の機器情報を取得し、前記取得した使用中の機器情報と前記認識した最新の機器情報とを用いて自装置の移動量を算出し、前記機器対象リストから前記選択した操作対象機器以外の前記操作対象機器の使用中の機器情報を取得し、前記取得した使用中の機器情報と前記算出した移動量を用いて前記機器情報を補正し、前記機器選択リストの前記機器情報を更新する機器選択リスト更新部と、
を備えることを特徴とするマルチリモコン制御装置。
【請求項2】
前記操作制御手段が受け取る取得情報は、カメラで撮影した画像を含み、
前記機器情報は、前記操作対象機器の種類、方向、傾き、距離を示す情報であって、
前記操作機器認識手段は、前記画像の中心に写っている前記操作対象機器を選択することを特徴とする請求項1記載のマルチリモコン制御装置。
【請求項3】
前記操作対象機器に対する遠隔操作の要求を受信し、前記操作制御手段に操作要求を通知する操作要求入力手段と、
前記機器選択リスト管理手段で管理される前記機器選択リストを用いて、前記操作要求に対応する前記操作対象機器を一意に決定する操作機器決定手段と、
前記操作機器決定手段が一意に決定した前記操作対象機器に対する機器操作信号を生成し、前記生成した機器操作信号を出力する操作指示出力手段を備えることを特徴とする請求項2記載のマルチリモコン制御装置。
【請求項4】
前記機器選択リスト管理手段が管理する前記機器選択リストが機器補正不要範囲を保持し、
前記機器選択リスト更新判定手段は、前記操作機器認識手段で認識した前記選択した操作対象機器の最新の機器情報と、前記機器選択リスト管理手段で管理される前記機器選択リストの機器情報との差が、保持している前記機器補正不要範囲である場合、前記機器選択リスト管理手段で管理される前記機器選択リストを更新しないと判定することを特徴とする請求項1記載のマルチリモコン制御装置。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図2】
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【図5】
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