説明

マルチ・ピース車両ホイール・カバー保持システムおよびそれを生産する方法

【課題】車両ホイール、マルチ・ピースホイール・カバーおよび保持システム、ならびにそれを生産する方法を提供する。
【解決手段】マルチ・ピース車両ホイール保持システムが、ホイール・ディスク、第1のホイール・カバー、および第2のホイール・カバーを備える。第1のホイール・カバーは、ホイール・ディスクに固定され、ホイール・ディスクのアウトボード・タイヤ・ビード・シート保持フランジの部分全体を覆う。第2のホイール・カバーが、第1のホイール・カバーに固定され、ホイール・ディスクのアウトボードに面するホイール表面の少なくとも一部分を覆う。第1のホイール・カバーの第2のレッグの少なくとも一部分が、第2のホイール・カバーのインボード面に接するように延在し、第2のホイール・カバーはインボード表面に設けられた表面フィーチャによって第1のホイール・カバーに固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、車両ホイールに関し、特に改善されたマルチ・ピース車両ホイール・カバーおよび保持システム、ならびにそれを生産する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
取り外し可能なタイプの全体的または部分的な車両ホイール・カバーが既知であり、従来の型打ちされたホイール・ディスクの体裁を向上させるために長年使用されてきた。また、接着剤を使用して全体的または部分的な車両ホイール・カバーを車両ホイールに永久的に固定することが知られている。
【0003】
永久的に固定されたホイール・カバーを有する車両ホイールの1つの例が、ドイツ特許第2,813,412号に開示されている。そのドイツ特許では、ホイール・カバーの縁部は、カバーをホイールに固定するために、ホイールのアウトボード面に設けられた嵌合溝内にクランプ留めまたはフック留めされるように輪郭を定められている。さらに、カバーは、ホイールに糊付け接合することもできる。
【0004】
永久的に固定されたホイール・カバーを有する車両ホイールの別の例が、Derlethの米国特許第3,669,501号に開示されている。そのDerlethの特許では、クロムめっきされたプラスチック・ホイール・カバーが、ホイールのアウトボード・タイヤ・ビード・シート保持フランジの上に張り出す外周フランジ、ハブ・スリーブのアウトボード表面に対して設置される内周フランジ、およびホイールの面から外側に間隔を置いて配置された中間部分を含む。膨張する接着材料が、ホイールのアウトボード表面に塗布される。接着材料が膨張した場合、接着材料は、ホイールとホイール・カバーの間の空間を満たして、ホイール・カバーをホイールのアウトボード面に永久的に固定するように機能する。
【0005】
永久的に固定されたホイール・カバーを有する車両ホイールの別の例が、Oakeyの米国特許第5,031,966号に開示されている。Oakeyの特許では、鋳造アルミニウムのホイール・カバーが、高密度構造用接着剤を使用して鋼ホイールのディスクに固定される。
【0006】
永久的に固定されたホイール・カバーを有する車両ホイールの別の例が、Beamの米国特許第5,368,370号に開示されている。Beamの特許では、クロムめっきされたステンレス鋼ホイール・カバーが外周縁を含み、その外周縁が押されて、外側のリム・フランジに形成された受け具の背後に係合し、接着剤が硬化する間にホイール・カバーを定位置に保持する。
【0007】
永久的に固定されたホイール・カバーを有する車両ホイールの別の例が、Beithの米国特許第3,726,566号に開示されている。Beithの特許では、鋼、アルミニウム、またはプラスチック・ホイール・カバーがホイールに固定され、ホイールのアウトボード・タイヤ・ビード・シート保持フランジの縁部を把持する様に形成されたリップを有する終端フランジを含む。
【0008】
永久的に固定されたホイール・カバーを有する車両ホイールの別の例が、Ferriss等の米国特許第6,152,538号に開示されている。Ferriss等の特許では、マルチピース・ホイール・カバー・アセンブリが提供され、そのアセンブリが関連する車両ホイールに固定される。
【0009】
永久的に固定されたホイール・カバーを有する車両ホイールの別の例が、Kinstlerの米国特許第6,406,100号およびKinstler等の米国特許第6,609,763号に開示されている。これらの特許の両方において、マルチピース・ホイール・カバー・アセンブリが提供され、そのアセンブリが関連する車両ホイールに固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】ドイツ特許第2,813,412号
【特許文献2】米国特許第3,669,501号
【特許文献3】米国特許第5,031,966号
【特許文献4】米国特許第5,368,370号
【特許文献5】米国特許第3,726,566号
【特許文献6】米国特許第6,152,538号
【特許文献7】米国特許第6,406,100号
【特許文献8】米国特許第6,609,763号
【特許文献9】米国特許第5,533,261号
【特許文献10】米国特許第5,188,429号
【特許文献11】米国特許第5,421,642号
【特許文献12】米国特許第5,360,261号
【特許文献13】米国特許第5,340,418号
【特許文献14】米国特許第5,564,792号
【特許文献15】米国特許出願番号(整理番号1−50442)
【特許文献16】米国特許出願番号(整理番号1−5xxxx)
【特許文献17】米国特許第6,502,308号
【発明の概要】
【0011】
本発明は、
軸およびアウトボードに面するホイール表面を画定し、アウトボード・タイヤ・ビード・シート保持フランジを含むホイール・ディスクであって、アウトボード・タイヤ・ビード・シート保持フランジが、周囲の径方向外側に面する溝が形成された内側表面を含む、ホイール・ディスクと、
ホイール・ディスクに固定された第1のホイール・カバーであって、概してU字形状の外側端部、軸に対して概して平行に延在する第1のレッグ、および第1のレッグに対して概して垂直に延在する第2のレッグを含み、ホイール・ディスクのアウトボード・タイヤ・ビード・シート保持フランジの部分全体を覆う、第1のホイール・カバーと、
第1のホイール・カバーに固定され、ホイール・ディスクのアウトボードに面するホイール表面の少なくとも一部分を覆い、アウトボード表面およびインボード表面を含む第2のホイール・カバーとを備え、
第1のホイール・カバーの第2のレッグの少なくとも一部分が、第2のホイール・カバーのインボード表面に隣接するように第2のホイール・カバーの背後に延在し、第1のホイール・カバーの第2のレッグの少なくとも一部分が、第2のホイール・カバーのインボード表面のみに設けられた表面フィーチャ内に配置された第2のレッグの少なくとも一部分によって第2のホイール・カバーに少なくとも固定されている、マルチ・ピース車両ホイール保持システムに関する。
【0012】
本発明の別の実施形態では、マルチ・ピース車両ホイール保持システムが、
軸およびアウトボードに面するホイール表面を画定し、アウトボード・タイヤ・ビード・シート保持フランジを含むホイール・ディスクであって、アウトボード・タイヤ・ビード・シート保持フランジが、周囲の径方向外側に面する溝が形成された内側表面を含む、ホイール・ディスクと、
プラスチックから形成され、ホイール・ディスクに固定された第1のホイール・カバーであって、概してU字形状の外側端部、軸に対して概して平行に延在する第1のレッグ、および第1のレッグに対して概して垂直に延在する第2のレッグを含み、ホイール・ディスクのアウトボード・タイヤ・ビード・シート保持フランジの部分全体を覆う第1のホイール・カバーと、
鋼から形成され、第1のホイール・カバーに固定され、ホイール・ディスクのアウトボードに面するホイール表面の少なくとも一部分を覆い、アウトボード表面およびインボード表面を含む第2のホイール・カバーとを備え、
第1のホイール・カバーの第2のレッグの少なくとも一部分が、第2のホイール・カバーのインボード表面に隣接するように第2のホイール・カバーの背後に延在し、第1のホイール・カバーの第2のレッグの少なくとも一部分が、第2のホイール・カバーのインボード表面のみに設けられた表面フィーチャ内に締まり嵌めで配置され、それによって第1のホイール・カバーと第2のホイール・カバーを共に固定する。
【0013】
本発明の別の実施形態では、マルチピース・ホイール・カバー・アセンブリが、
軸を画定し、概してU字形状の外側端部を含む第1のホイール・カバーと、
軸に対して概して平行に延在する第1のレッグと、
第1のレッグに対して概して垂直に延在する第2のレッグと、
第1のホイール・カバーに固定され、アウトボード表面およびインボード表面を含む第2のホイール・カバーとを備え、
第1のホイール・カバーの第2のレッグの少なくとも一部分が、第2のホイール・カバーのインボード表面に隣接するように第2のホイール・カバーの背後に延在し、第1のホイール・カバーの第2のレッグの少なくとも一部分が、第2のホイール・カバーのインボード表面のみに設けられた表面フィーチャ内に配置された第2のレッグの少なくとも一部分によって第2のホイール・カバーに少なくとも固定されている。
【0014】
別の実施形態では、マルチ・ピース車両ホイール保持システムを生成する方法が、
a)軸およびアウトボードに面するホイール表面を画定し、アウトボード・タイヤ・ビード・シート保持フランジを含むホイール・ディスクを提供するステップであって、アウトボード・タイヤ・ビード・シート保持フランジが、周囲の径方向外側に面する溝が形成された内側表面を含む、ステップと、
b)概してU字形状の外側端部、軸に対して概して平行に延在する第1のレッグ、および第1のレッグに対して概して垂直に延在する第2のレッグを含む第1のホイール・カバーを提供するステップであって、第1のホイール・カバーがホイール・ディスクのアウトボード・タイヤ・ビード・シート保持フランジの部分全体を覆うステップと、
c)ホイール・ディスクのアウトボードに面するホイール表面の少なくとも一部分を覆う第2のホイール・カバーを提供するステップあって、第2のホイール・カバーが、アウトボード表面およびインボード表面を含むステップと、
d)第1のホイール・カバーと第2のホイール・カバーを互いに固定するステップであって、第1のホイール・カバーの第2のレッグの少なくとも一部分が、第2のホイール・カバーのインボード表面に隣接するように第2のホイール・カバーの背後に延在し、第1のホイール・カバーの第2のレッグの少なくとも一部分が、第2のホイール・カバーのインボード表面のみに設けられた表面フィーチャ内に配置された第2のレッグの少なくとも一部分によって第2のホイール・カバーに少なくとも固定されているステップと、
e)ステップd)の組み立てられたホイール・カバーをマルチ・ピース車両ホイール保持システムを生成するために、ホイール・ディスクに固定するステップとを含む。
【0015】
本発明の他の利点が、添付の図面に照らして読めば、当業者には好ましい実施例の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】マルチ・ピース車両ホイール保持システムの第1の実施形態の分解斜視図である。
【図2】関連するマルチ・ピース車両ホイール・カバーの部分を示す、図1に示された車両ホイール・カバー保持システムの一部分の平面図である。
【図3】図2の線3−3に沿った断面図である。
【図4】図2の線4−4に沿った断面図である。
【図5】図1に示すマルチ・ピース車両ホイール・カバー保持システムの関連するホイール・カバーの最初の組み付けを示す図である。
【図6】図5の線6−6に沿った断面図である。
【図7】図5の線7−7に沿った断面図である。
【図8】図1に示されたマルチ・ピース車両ホイール・カバー保持システムの関連する車両ホイール・カバーのアセンブリの次のステップを示す図である。
【図9】図8の線9−9に沿った断面図である。
【図10】図8の線10−10に沿った断面図である。
【図11】図1に示されたマルチ・ピース車両ホイール・カバー保持システムの関連する車両ホイール・カバーのアセンブリの最終ステップを示す図である。
【図12】図11の線12−12に沿った断面図である。
【図13】図11の線13−13に沿った断面図である。
【図14】第1の実施形態による、組み立てられたマルチ・ピース車両ホイール・カバー保持システムの一部分を通る断面図である。
【図15】マルチ・ピース車両ホイール保持システムの第2の実施形態の分解斜視図である。
【図16】関連する車両ホイール・カバーの部分の組み立て前を示す、図15に示されたマルチ・ピース車両ホイール・カバー保持システムの一部分の平面図である。
【図17】関連する車両ホイール・カバーの部分の組み立ての後を示す、図15に示されたマルチ・ピース車両ホイール・カバー保持システムの一部分の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、図1を参照すると、本発明による、全体的に10で示すマルチ・ピース車両ホイール・カバー保持システムの第1の実施形態の分解斜視図が示される。本発明は、本明細書に開示された特定の車両ホイール構造と共に図示および説明されているが、本発明は、必要であれば他のタイプの車両ホイール構造と共に使用できることが理解されよう。たとえば、本明細書に示すように、またはそれに対する修正と共に、本発明は、たとえば鋼、アルミニウム、およびその合金などの、任意の適切なタイプの1つまたは複数の材料から形成された関連する車両ホイールと共に使用することができ、たとえばKemmererの米国特許第5,533,261号の図5Aに示すような「フルフェース(full face)」タイプのホイール、Heck等の米国特許第5,188,429号の図4に示すような「ビード・シート取付け(bead seat attached)」ホイール、Heck等の米国特許第5,188,429号の図3に示すような「ファブリケイテッド・ウェル取付け(fabricated well attached)」ホイール、Wei等の米国特許第5,421,642号に示すような、アルミニウム・ディスクおよびスチール・リムを含む「バイメタル」ホイール構造、Archibald等の米国特許第5,360,261号に示すような「モジュラー・ホイール」構造、Weiの米国特許第5,340,418号に示すよう鋳造アルミニウム・ホイール、またはArchibaldの米国特許第5,564,792号に示すようユーロフランジ・タイプのホイールなどの任意の適切なタイプのホイール構造とすることができ、これらの特許の全ての開示が、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。
【0018】
図に示すように、マルチ・ピース車両ホイール・カバー保持システム10の第1の実施形態は、車両ホイール12と、インサート14と、第1の「外側」ホイール・カバー16および第2の「内側」ホイール・カバー18を含むマルチピース・ホイール・カバーとを含む。例示された実施形態では、車両ホイール12は、ファブリケイテッド・フルフェース車両ホイール(図14に最もよく示されている)であり、外側のフルフェース・ホイール・ディスク20と内側の部分ホイール・リム22を含み、それらは1つまたは複数の溶接部Wによって互いに接合されている。
【0019】
ホイール・ディスク20は、たとえば、鋼、アルミニウム、その合金、マグネシウム、またはチタンなどの任意の適切な材料から形成することができる。例示された実施形態では、ホイール・ディスク20は、ホイール軸Xを画定し、概して中央に配置された内側ホイール取付け表面または部分24、外側環状部分26を含み、車両ホイール10の外側表面またはアウトボード面20Aを画定する。ホイール・ディスク20の内側装着表面24は、中央のハブ・ホール24A、および中央のハブ・ホール21Aの周りに円周方向に間隔を置いて配置された複数のラグ・ボルト取付け穴24Bを備える。ラグ・ボルト受け穴24Bが、車両の軸(図示せず)上に車両ホイール10を固定するための、ラグ・ボルト(図示せず)およびナット(図示せず)を受けるようになされている。外側環状部分26は、車両ホイール10のアウトボード・タイヤ・ビード・シート保持フランジを画定する外側端部26Aを含む。また、この実施形態に示すように、ホイール・ディスク20は、各組のスポーク20Cの間に形成された複数のウインドウまたは開口20Bをさらに含む。あるいは、上記に論じたように、ホイール・ディスク20の構造、材料、および/または組成は、必要であれば、例示された以外のものとすることができる。
【0020】
ホイール・リム22は、たとえば鋼、アルミニウム、その合金、マグネシウム、またはチタンなどの任意の適切な材料から形成することができる。例示された実施形態では、ホイール・リム22は、インボード・タイヤ・ビード・シート保持フランジ32、インボード・タイヤ・ビード・シート34、ウェル36、およびアウトボード・タイヤ・ビード・シート38を含む。あるいは、上記に論じたように、ホイール・リム22の構造、材料、および/または組成は、必要であれば、例示された以外のものとすることができる。
【0021】
例示された実施形態では、インサート14は、たとえば適切な発泡体材料などの適切な材料から形成された予備形成インサートであることが好ましい。あるいは、インサート14は、他の適切な材料から形成することができ、かつ/または必要であれば車両ホイール12と、組み立てられたホイール・カバー16および18との間でその場で形成できる。また、車両ホイール12、ならびに組み立てられたホイール・カバー16および18の特定の形状に応じて、インサート14は、必要でない可能性がある。しかし、図14に示すように、例示された実施形態では、車両ホイール12、ならびにカバー16および18の特定の構造により、インサート14を使用し、ホイール12のアウトボード面20Aと、少なくとも第2のホイール・カバー18の関連する内側表面との間に形成された空間を満たし、第1のカバー16および第2のカバー18を人が「叩いた」場合に「中空の」音ではなく「固い」音になるようにすることが好ましい。
【0022】
例示された実施形態では、インサート14は、ホイール12のアウトボード面20Aと、少なくともホイール・カバー18の関連する内側表面との間に形成された空間の形状に概して一致することが好ましい。あるいは、必要であれば、インサート14は、ホイールのアウトボード面20Aと、ホイール・カバー16の少なくとも一部分の関連する内側表面との間に形成された空間の少なくとも一部分も満たすこともできる。インサート14、第1のホイール・カバー16、および第2のホイール・カバー18のうちの1つまたは複数は、同時係属の米国特許出願番号(整理番号1−50442)に論じられているように永久的に装着された構成要素であっても、同時係属の米国特許出願番号(整理番号1−5xxxx)に論じられているように永久的に装着された構成要素でなくてもよく、その開示は本明細書に参照によってその全体が組み込まれる。
【0023】
例示された実施形態では、第1のホイール・カバー16は、金属材料から形成された予備形成ホイール・カバーであることが好ましい。より好ましくは、第1のホイール・カバー16は、およそ0.020インチの厚さを有するステンレス鋼から形成され、塗装、クロムめっき、または光沢研磨される。あるいは、第1のホイール・カバー16は、必要であれば他の材料から形成することができる。たとえば、第1のホイール・カバー16は、たとえば、アルミニウムおよびプラスチックなどの他の金属および非金属から形成することができる。好ましくは、第1のホイール・カバー16のアウトボード表面は、第2のホイール・カバー18のアウトボード表面と適合するように仕上げられるが、第1のホイール・カバー16および第2のホイール・カバー18は、必要であれば異なる仕上げを有することができる。
【0024】
図2〜4に示すように、第1のホイール・カバー16は、図2に最もよく示されている固有の環形状を生成する型打ち作業によって材料の単一の片から形成されることが好ましい。図に示すように、第1のホイール・カバー16は、概してU字形状、または逆さになった外側端部40、第1のレッグ42、および全体的に44で示す第2のレッグを含む。第1のレッグ42は、軸Xに対して概して平行に延在し、第2のレッグ44は、第1のレッグ42に対して概して垂直に延在する。
【0025】
下記に論じるように、例示された実施形態では、第1のホイール・カバー16の第2のレッグ44はセグメント化され、複数の第1のレッグ部材44Aおよび複数の第2のレッグ部材44Bを含む。第1のレッグ部材44Aは、第1の径方向距離D1だけ延在し、第2のレッグ部材44Bは、第1の径方向距離D1よりも短い第2の径方向距離D2だけ延在する。例示された実施形態では、第1のレッグ部材44Aは、第1の角度範囲C1に延在し、第2のレッグ部材44Bは、第1の角度範囲C1よりも大きい第2の角度範囲C2に延在する。あるいは、第1のホイール・カバー16は、たとえば、所望の形状を有する材料の細片または帯を使用し、細片を環状の輪に形成し、端部を互いに溶接することによるなど、他の適切な方法から形成することができる。また、第1のホイール・カバー16の外側端部40は、関連する車両ホイール10に組み付ける前に予備形成される必要はなく、車両ホイール10に組み付けた後に形成することができる。組み付けた後に外側端部40を形成するための適切な方法が、Kinstlerの米国特許第6,406,100号、Carfora等の米国特許第6,502,308号、およびKinstler等の米国特許第6,609,763号に開示され、これらの各特許の開示は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。あるいは、第1のホイール・カバー16の構造は、必要であれば、図示された以外のものとすることができる。
【0026】
例示された実施形態では、第2のホイール・カバー18は、プラスチック材料から形成されることが好ましく、塗装またはクロムめっきされている。第2のホイール・カバー18は、関連する車両ホイールのアウトボードに向いた表面の特定の構成に概して適合するように予備形成することができ、または図示するように、体裁を整えるために、ホイールのアウトボードに向いた表面から間隔を置いて配置された部分を有することができる。あるいは、第2のホイール・カバー18は、必要であれば、たとえばアルミニウムまたはステンレス鋼などの他の材料から形成することができる。
【0027】
この実施形態に示すように、第2のホイール・カバー18は、図5、8、および11に示すように、アウトボード面または表面50およびインボード面または表面52を含む。第2のホイール・カバー18は、中央のハブ・ホール50Aと、中央のハブ・ホール50Aの周りに円周方向に間隔を置いて配置された複数のラグ・ボルト取付け穴50Bとを備える。また、この実施形態に示すように、第2のホイール・カバー18は、各組の「堅固な」スポーク56の間に形成された複数のホイール・カバー装飾ウインドウ54をさらに含む。
【0028】
図5、8、および11に最もよく示されているように、第2のホイール・カバー18のインボード表面52の全体的に58で示された外周縁は、それによって第1のホイール・カバー16を受け、かつ固定するためのインボード表面52に設けられた表面フィーチャを有する固有の構成を含む。特に、例示された実施形態では、インボード表面52の外周縁58はセグメント化され、全体的に60で示された概して隆起しない、または平坦な連続表面と、複数の間隔を置いて配置された隆起した弧、または表面60から離れて円周方向に間隔を置いて配置された円周方向に延在するフィンガ62とを含む。例示された実施形態では、フィンガ62は、第3の角度範囲C3だけ延在し、図7に示すように、第2のホイール・カバー18の周囲の最も外側の側縁64に向かって外方向に延在するが、その手前で終端する。その結果、周囲のチャネルまたは溝66が、平坦部分60の隣接する反対側の表面60Aおよび62Aと、フィンガ62との間でそれぞれ、第2のホイール・カバー18の外周縁58に形成される。フィンガ62の各組の間に延在する外周縁58の平坦部分60は、第4の角度範囲C4だけ延在する。例示された実施形態では、第1のホイール・カバー16の角度範囲C1は、第2のホイール・カバー18の角度範囲C4よりも少なくともわずかに少なくなっている必要があり、第1のホイール・カバー16の角度範囲C2は、下記に説明する目的で第2のホイール・カバー18の角度範囲C3よりも少なくともわずかに大きくなっている必要がある。
【0029】
例示された実施形態で理解できるように、図6および7では、第2のホイール・カバー18が、その外周縁58に対して内側に隣接する概して均一のカバー厚さT1を画定する。図6に示すように、外周縁58の平坦部分60は、厚さT1よりも少ない厚さT2を画定する。図7に示すように、フィンガ62は厚さT3を画定し、チャネル66は厚さT4を画定する。例示された実施形態で理解できるように、組み合わされた厚さT2、T3、およびT4が厚さT1よりも大きくなっている。あるいは、第2のホイール・カバー18の構造は、必要であれば、図示された以外のものとすることができる。
【0030】
次に、図8〜10を参照すると、第2のホイール・カバー18に対する第1のホイール・カバー16の組み付けの第1のステップについて論じる。図に示すように、最初に、第1のホイール・カバー16は、第2のホイール・カバー18に隣接して配置され、第1のホイール・カバー16の第2のレッグ44が第2のホイール・カバー18の平坦表面60に隣接している。より具体的には、第1のホイール・カバー16の各第1のレッグ部材44Aのそれぞれが、第2のホイール・カバー18の各組のフィンガ62の間に形成された空間に配置され(図9にも示す)、第1のホイール・カバー16の各第2のレッグ部材44Bのそれぞれが、各第2のホイール・カバー18のフィンガ62のそれぞれに対して上方または外側に配置される(図10にも示す)。
【0031】
次に、第1のホイール・カバー16は、第1のホイール・カバー16の各第1のレッグ部材44Aのそれぞれが、第2のホイール・カバー18の関連する対応する窪み66の中に移動され(図11および13に示すように)、第2のレッグ部材44Bのそれぞれが第2のホイール・カバー18の各組のフィンガ62の間に形成された空間に配置される(図12に示すように)ように、第2のホイール・カバー18に対して時計回りまたは反時計回り方向に回転または「クロックされる(clocked)」ことが好ましい。第1のレッグ部材44Aは、窪み66の中に窪み66との締まり嵌めで受けられることが好ましい。また、適切な接着剤(部分的に図11に70で示す)を使用して、第1のホイール・カバー16を第2のホイール・カバー18に固定するのをさらに補助することができることが好ましい。接着剤70は、上記の「クロッキング(clocking)」ステップの前に、第1のレッグ部材44A、窪み66、またはその両方に塗布することができる。
【0032】
第1のホイール・カバー16および第2のホイール・カバー18を共に固定するステップに続いて、任意の所望の適切な方法によって、仕上げられたマルチ・ピース車両ホイール・カバー保持システム10を生成するために、ホイールの他の構成要素が組み立てられる。図14に示すように、1つまたは複数の接着剤72A、72B、72C、および72Dを使用して、関連する構成要素を互いに固定する。接着剤72A〜72Dは、たとえば、膨張性発泡体接着材料(expanding foam adhesive material)、または非膨張性発泡体接着材料(non−expanding foam adhesive material)などの任意の適切なタイプのものとすることができ、必要であれば、ホイールの関連する構成要素の任意の所望の隣接する表面(すなわち、ホイール12、インサート14、第1のホイール・カバー16、および/または第2のホイール・カバー18)の間に塗布することができる。
【0033】
選択された接着剤は、フル・サーフェス(full surface)のポスト・アセンブリ・パターン(post−assembly pattern)(図示せず)、またはノン・フル・サーフェス(non−full surface)のポスト・アセンブリ・パターン(図14に示すような)、すなわち1つまたは複数の空間または間隙24を有するポスト・アセンブリ・パターンになるように、プリ・アセンブリ・パターン(pre−assembly pattern)で選択的に塗布される。適切なタイプの非膨張性発泡体接着剤には、それには限定されないが、シリコーン、2液エポキシ、ウレタン、両面テープ、膨張性発泡体などからなる群から選択された接着剤のうちの1つ、または複数の組合せの使用を含むことができる。
【0034】
また、選択された接着材料に加えて、第1のホイール・カバー16および/または第2のホイール・カバー18の一部分、あるいはそれに対する別個の構成要素とすることができる、たとえばスナップ・タブおよびファスナなどの、他の「機械的な」手段を使用して、組み立てられたホイール・カバー16および18を車両ホイール12に固定するのを補助することができる。さらに、インサート14は、必要であれば、適切な手段、すなわち接着剤、機械的手段、またはその両方の組合せ(図示せず)によって、第2のホイール・カバー18に固定することができる。上記に論じたように、インサート14、第1のホイール・カバー16、および第2のホイール・カバー18のうちの1つまたは複数は、永久的に装着された構成要素であってもよく、インサート14、第1のホイール・カバー16、および第2のホイール・カバー18のうちの1つまたは複数は、永久的に装着された構成要素でなくてもよい。また、図14に示すように、第1のホイール・カバー16がホイール・バランス・ウエイト74(破線で示す)の取付けに干渉しないように、第1のホイール・カバー16の外側端部40は、アウトボード・タイヤ・ビード保持フランジ26Aの内側表面に形成された、周囲の径方向外側に面する溝76に配置されることが好ましい。
【0035】
次に、図15を参照すると、対応する部品を示すために同様の参照番号を使用して、本発明による、100で全体的に示すマルチ・ピース車両ホイール・カバー保持システムの第2の実施形態の分解斜視図が示される。この実施形態では、第1のホイール・カバー116および第2のホイール・カバー118が提供され、それらが、マルチ・ピース車両ホイール・カバー保持システム10の第1の実施形態と共に、上記に説明した第1のホイール・カバー16および第2のホイール・カバー18と比べて異なる固定方法を使用する。したがって、マルチ・ピース車両ホイール・カバー保持システム100の第2の実施形態が、マルチ・ピース車両ホイール・カバー保持システム10の第1の実施形態と異なるこれらの部分だけを下記に詳細に論じる。さらに、この実施形態では、インサート(114で破線で示す)が、任意で設けられ、特定のホイール構成に応じて必要であることも必要でないこともある。
【0036】
図15に示すように、この実施形態では、第1のホイール・カバー116が、その第2のレッグ144に設けられた複数の開口またはスロット144Aを備える。図16に示すように、この実施形態では、第2のホイール・カバー118が、その概して平坦な連続表面160から延在する複数の直立タブまたは突起162を備える表面フィーチャを備える。その結果、図17に示すように、開口144Aにタブ162を通過させることによって、第1のホイール・カバー116が、第2のホイール・カバー118に、好ましくは第2のホイール・カバー118との締まり嵌めで固定される。接着剤(図17に172で示す)を使用して、第1のホイール・カバー116を第2のホイール・カバー118に固定するのをさらに補助することができる。接着剤は、上記の組み立てステップの前に、タブ166、開口144Aのいずれか、またはその両方に塗布することができる。あるいは、必要であれば、開口144Aおよび/またはタブ162の形状、数、または構成が、図示された以外のものとすることができる。
【0037】
本発明の1つの利点は、マルチ・ピース車両ホイール・カバー保持システム10、100が、関連する車両ホイールのアウトボード面20Aの実質的に可視領域全体を覆うことである。その結果、マルチ・ピース車両ホイール・カバー保持システム10、100は、下にある関連する基本構造の車両ホイール12の構成を完全に隠す。
【0038】
特許法の規定に従って、本発明の原理および動作モードを、その様々な実施形態で説明および例示した。しかし、本発明は、添付の特許請求の範囲の範囲または趣旨から逸脱せずに、特別に説明および例示した以外の形で実施できることを理解されたい。
【符号の説明】
【0039】
3 線
4 線
6 線
7 線
9 線
10 線
10 マルチ・ピース車両ホイール・カバー保持システム
10 車両ホイール
12 車両ホイール
13 線
14 インサート
16 第1のホイール・カバー
18 第2のホイール・カバー
20 フルフェース・ホイール・ディスク
20 ホイール・ディスク
20A アウトボード面
20B 開口
20C スポーク
22 ホイール・リム
24 内側ホイール取付け表面または部分
24A 中央のハブ・ホール
24B ラグ・ボルト取付け穴または受け穴
26 外側環状部分
26A 外側端部
32 インボード・タイヤ・ビード・シート保持フランジ
34 インボード・タイヤ・ビード・シート
36 ウェル
38 アウトボード・タイヤ・ビード・シート
40 外側端部
42 第1のレッグ
44 第2のレッグ
44A 第1のレッグ部材
44B 第2のレッグ部材
50 アウトボード面または表面
50A 中央のハブ・ホール
50B ラグ・ボルト取付け穴
52 インボード面または表面
54 ホイール・カバー装飾ウインドウ
56 スポーク
58 外周縁
60 平坦部分
60A 表面
62 フィンガ
62A 表面
64 側縁
66 チャネルまたは溝
70 接着剤
72A 接着剤
72B 接着剤
72C 接着剤
72D 接着剤
74 ホイール・バランス・ウエイト
76 溝
100 マルチ・ピース車両ホイール・カバー保持システム
116 第1のホイール・カバー
118 第2のホイール・カバー
144 第2のレッグ
144A 開口またはスロット
160 連続表面
162 直立タブまたは突起
166 タブ
172 接着剤
C1 第1の角度範囲
C2 第2の角度範囲
C3 第3の角度範囲
C4 第4の角度範囲
D1 第1の径方向距離
D2 第2の径方向距離
T1 カバー厚さ
T2 厚さ
T3 厚さ
T4 厚さ
W 溶接部
X 軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸およびアウトボードに面するホイール表面を画定し、アウトボード・タイヤ・ビード・シート保持フランジを含むホイール・ディスクであって、前記アウトボード・タイヤ・ビード・シート保持フランジが、周囲の径方向外側に面する溝が形成された内側表面を含む、ホイール・ディスクと、
前記ホイール・ディスクに固定された第1のホイール・カバーであって、概してU字形状の外側端部、前記軸に対して概して平行に延在する第1のレッグ、および前記第1のレッグに対して概して垂直に延在する第2のレッグを含み、前記第1のホイール・カバーが前記ホイール・ディスクの前記アウトボード・タイヤ・ビード・シート保持フランジの部分全体を覆う、第1のホイール・カバーと、
前記第1のホイール・カバーに固定され、前記ホイール・ディスクの前記アウトボードに面するホイール表面の少なくとも一部分を覆い、アウトボード表面およびインボード表面を含む第2のホイール・カバーとを備え、
前記第1のホイール・カバーの前記第2のレッグの少なくとも一部分が、前記第2のホイール・カバーの前記インボード表面に隣接するように前記第2のホイール・カバーの背後に延在し、前記第1のホイール・カバーの前記第2のレッグの前記少なくとも一部分が、前記第2のホイール・カバーの前記インボード表面のみに設けられた表面フィーチャ内に配置された前記第2のレッグの前記少なくとも一部分によって前記第2のホイール・カバーに少なくとも固定される、マルチ・ピース車両ホイール保持システム。
【請求項2】
前記第2のホイール・カバーの前記インボード表面のみに設けられた前記表面フィーチャが、前記第1のホイール・カバーの前記第2のレッグの前記少なくとも一部分を受ける周囲の溝を含む、請求項1に記載のマルチ・ピース車両ホイール保持システム。
【請求項3】
前記周囲の溝が、前記第2のレッグの前記少なくとも一部分をその部分との締まり嵌めで受ける、請求項2に記載のマルチ・ピース車両ホイール保持システム。
【請求項4】
前記周囲の溝および前記レッグのうちの少なくとも1つに配置された接着剤をさらに含む、請求項3に記載のマルチ・ピース・ファブリケイテッド車両ホイール保持システム。
【請求項5】
前記第1のホイール・カバーの前記第2のレッグが、複数の第1のレッグ部材および複数の第2のレッグ部材を含み、前記第1のレッグ部材が、第1の径方向距離だけ延在し、前記第2のレッグ部材が、前記第1の径方向距離よりも短い第2の径方向距離だけ延在し、前記第1のレッグ部材が第1の角度範囲だけ延在し、前記第2のレッグ部材が前記第1の角度範囲よりも大きい第2の角度範囲だけ延在し、
前記第2のホイール・カバーの前記インボード表面が、概して平坦な連続表面、および前記平坦な連続表面から円周方向に間隔を置いて配置された複数の間隔を置いて隆起した円周方向に延在するフィンガを含む外周縁を含み、前記フィンガが、第3の角度範囲に延在し、前記第2のホイール・カバーの前記外周縁内に周囲の溝を提供するように、前記第2のホイール・カバーの最も外側の周囲の側縁に向かって外側に延在するが、その側縁の手前で終端し、1組の前記フィンガのそれぞれの間に延在する前記外周縁の前記平坦部分が第4の角度範囲だけ延在し、
前記第1のホイール・カバーの前記第1のレッグ部材が、1組の前記フィンガのそれぞれの間に延在する前記外周縁の前記平坦部分と整列した状態で、前記第1のホイール・カバーが、前記第2のホイール・カバーの前記外周縁に隣接して配置できるようにするために、前記第1のホイール・カバーの第1の角度範囲が、前記第2のホイール・カバーの前記第4の角度範囲よりも少なくともわずかに少なく、前記第1のホイール・カバーの前記第2の角度範囲が、前記第2のホイール・カバーの前記第3の角度範囲よりも少なくともわずかに大きく、それによって、前記第1および第2のホイール・カバーのうちの少なくとも1つを回転させることができ、前記第1のホイール・カバーの前記第1のレッグ部材が、前記第2のホイール・カバーの前記周囲の溝に受け入れられ、それによって、前記第1および第2のホイール・カバーを互いに固定する、請求項1に記載のマルチ・ピース車両ホイール保持システム。
【請求項6】
前記第2のホイール・カバーの前記インボード表面が、前記インボード表面の上に設けられた複数の直立タブを含み、前記第1のホイール・カバーに複数の開口が形成されており、前記タブが前記第1および第2のホイール・カバーを互いに固定するために前記開口を通って延在する、請求項1に記載のマルチ・ピース車両ホイール保持システム。
【請求項7】
インサートが、前記ホイール・ディスクの前記アウトボードに面するホイール表面と、前記第2のホイール・カバーの前記インボード表面との間に設けられる、請求項1に記載のマルチ・ピース車両ホイール保持システム。
【請求項8】
前記第1のホイール・カバーが、金属材料から形成され、前記第2のホイール・カバーがプラスチック材料から形成される、請求項7に記載のマルチ・ピース車両ホイール保持システム。
【請求項9】
軸およびアウトボードに面するホイール表面を画定し、アウトボード・タイヤ・ビード・シート保持フランジを含むホイール・ディスクであって、前記アウトボード・タイヤ・ビード・シート保持フランジが、周囲の径方向外側に面する溝が形成された内側表面を含む、ホイール・ディスクと、
プラスチックから形成され、前記ホイール・ディスクに固定された第1のホイール・カバーであって、概してU字形状の外側端部、前記軸に対して概して平行に延在する第1のレッグ、および前記第1のレッグに対して概して垂直に延在する第2のレッグを含み、前記ホイール・ディスクの前記アウトボード・タイヤ・ビード・シート保持フランジの部分全体を覆う、第1のホイール・カバーと、
鋼から形成され、前記第1のホイール・カバーに固定され、前記ホイール・ディスクの前記アウトボードに面するホイール表面の少なくとも一部分を覆い、アウトボード表面およびインボード表面を含む第2のホイール・カバーとを備え、
前記第1のホイール・カバーの前記第2のレッグの少なくとも一部分が、前記第2のホイール・カバーの前記インボード表面に隣接するように前記第2のホイール・カバーの背後に延在し、前記第1のホイール・カバーの前記第2のレッグの前記少なくとも一部分が、前記第2のホイール・カバーの前記インボード表面のみに設けられた表面フィーチャ内に締まり嵌めで配置され、それによって前記第1および第2のホイール・カバーを互いに固定する、マルチ・ピース車両ホイール保持システム。
【請求項10】
前記第2のホイール・カバーの前記インボード表面のみに設けられた前記表面フィーチャが、前記第1のホイール・カバーの前記第2のレッグの前記少なくとも一部分を受ける周囲の溝を含む、請求項9に記載のマルチ・ピース車両ホイール保持システム。
【請求項11】
インサートが、前記ホイール・ディスクの前記アウトボードに面するホイール表面と、前記第2のホイール・カバーの前記インボード表面との間に設けられる、請求項9に記載のマルチ・ピース車両ホイール保持システム。
【請求項12】
前記周囲の溝および前記レッグのうちの少なくとも1つに配置された接着剤をさらに含む、請求項11に記載のマルチ・ピース車両ホイール保持システム。
【請求項13】
前記第1のホイール・カバーの前記第2のレッグが、複数の第1のレッグ部材および複数の第2のレッグ部材を含み、前記第1のレッグ部材が、第1の径方向距離だけ延在し、前記第2のレッグ部材が、前記第1の径方向距離よりも短い第2の径方向距離だけ延在し、前記第1のレッグ部材が第1の角度範囲だけ延在し、前記第2のレッグ部材が前記第1の角度範囲よりも大きな第2の角度範囲だけ延在し、
前記第2のホイール・カバーの前記インボード表面が、概して平坦な連続表面、および前記平坦な連続表面から円周方向に間隔を置いて配置された複数の間隔を置いて隆起した円周方向に延在するフィンガを含む外周縁を含み、前記フィンガが、第3の角度範囲に延在し、前記第2のホイール・カバーの前記外周縁内に周囲の溝を提供するように、前記第2のホイール・カバーの最も外側の周囲の側縁に向かって外側に延在するが、その側縁の手前で終端し、1組の前記フィンガのそれぞれの間に延在する前記外周縁の前記平坦部分が第4の角度範囲だけ延在し、
前記第1のホイール・カバーの前記第1のレッグ部材が、1組の前記フィンガのそれぞれの間に延在する前記外周縁の前記平坦部分と整列した状態で、前記第1のホイール・カバーが、前記第2のホイール・カバーの前記外周縁に隣接して配置できるようにするために、前記第1のホイール・カバーの第1の角度範囲が、前記第2のホイール・カバーの前記第4の角度範囲よりも少なくともわずかに少なく、前記第1のホイール・カバーの前記第2の角度範囲が、前記第2のホイール・カバーの前記第3の角度範囲よりも少なくともわずかに大きく、それによって、前記第1および第2のホイール・カバーのうちの少なくとも1つを回転させることができ、前記第1のホイール・カバーの前記第1のレッグ部材が、前記第2のホイール・カバーの前記周囲の溝に受け入れられ、それによって、前記第1および第2のホイール・カバーを互いに固定する、請求項9に記載のマルチ・ピース車両ホイール保持システム。
【請求項14】
前記第2のホイール・カバーの前記インボード表面が、前記インボード表面の上に設けられた複数の直立タブを含み、前記第1のホイール・カバーに複数の開口が形成されており、前記タブが前記第1および第2のホイール・カバーを互いに固定するために前記開口を通って延在する、請求項9に記載のマルチ・ピース車両ホイール保持システム。
【請求項15】
軸を画定し、概してU字形状の外側端部、前記軸に対して概して平行に延在する第1のレッグ、および前記第1のレッグに対して概して垂直に延在する第2のレッグを含む、第1のホイール・カバーと、
前記第1のホイール・カバーに固定され、アウトボード表面およびインボード表面を含む第2のホイール・カバーとを備え、
前記第1のホイール・カバーの前記第2のレッグの少なくとも一部分が、前記第2のホイール・カバーの前記インボード表面に隣接するように前記第2のホイール・カバーの背後に延在し、前記第1のホイール・カバーの前記第2のレッグの前記少なくとも一部分が、前記第2のホイール・カバーの前記インボード表面のみに設けられた表面フィーチャ内に配置された前記第2のレッグの前記少なくとも一部分によって前記第2のホイール・カバーに少なくとも固定される、マルチピース・ホイール・カバー・アセンブリ。
【請求項16】
前記第2のホイール・カバーの前記インボード表面のみに設けられた前記表面フィーチャが、前記第1のホイール・カバーの前記第2のレッグの前記少なくとも一部分を受ける周囲の溝を含む、請求項15に記載のマルチピース・ホイール・カバー・アセンブリ。
【請求項17】
前記周囲の溝が、前記第2のレッグの前記少なくとも一部分をその部分との締まり嵌めで受ける、請求項16に記載のマルチピース・ホイール・カバー・アセンブリ。
【請求項18】
前記周囲の溝および前記レッグのうちの少なくとも1つに配置された接着剤をさらに含む、請求項17に記載のマルチピース・ホイール・カバー・アセンブリ。
【請求項19】
前記第1のホイール・カバーの前記第2のレッグが、複数の第1のレッグ部材および複数の第2のレッグ部材を含み、前記第1のレッグ部材が、第1の径方向距離だけ延在し、前記第2のレッグ部材が、前記第1の径方向距離よりも短い第2の径方向距離だけ延在し、前記第1のレッグ部材が第1の角度範囲だけ延在し、前記第2のレッグ部材が前記第1の角度範囲よりも大きな第2の角度範囲だけ延在し、
前記第2のホイール・カバーの前記インボード表面が、概して平坦な連続表面、および前記平坦な連続表面から円周方向に間隔を置いて配置された複数の間隔を置いて隆起した円周方向に延在するフィンガを含む外周縁を含み、前記フィンガが、第3の角度範囲に延在し、前記第2のホイール・カバーの前記外周縁内に周囲の溝を提供するように、前記第2のホイール・カバーの最も外側の周囲の側縁に向かって外側に延在するが、その側縁の手前で終端し、1組の前記フィンガのそれぞれの間に延在する前記外周縁の前記平坦部分が第4の角度範囲だけ延在し、
前記第1のホイール・カバーの前記第1のレッグ部材が、1組の前記フィンガのそれぞれの間に延在する前記外周縁の前記平坦部分と整列した状態で、前記第1のホイール・カバーが、前記第2のホイール・カバーの前記外周縁に隣接して配置できるようにするために、前記第1のホイール・カバーの第1の角度範囲が、前記第2のホイール・カバーの前記第4の角度範囲よりも少なくともわずかに少なく、前記第1のホイール・カバーの前記第2の角度範囲が、前記第2のホイール・カバーの前記第3の角度範囲よりも少なくともわずかに大きく、それによって、前記第1および第2のホイール・カバーのうちの少なくとも1つを回転させることができ、前記第1のホイール・カバーの前記第1のレッグ部材が、前記第2のホイール・カバーの前記周囲の溝に受け入れられ、それによって、前記第1および第2のホイール・カバーを互いに固定する、請求項15に記載のマルチピース・ホイール・カバー・アセンブリ。
【請求項20】
前記第2のホイール・カバーの前記インボード表面が、前記インボード表面の上に設けられた複数の直立タブを含み、前記第1のホイール・カバーに複数の開口が形成されており、前記タブが前記第1および第2のホイール・カバーを互いに固定するために前記開口を通って延在する、請求項15に記載のマルチピース・ホイール・カバー・アセンブリ。
【請求項21】
マルチ・ピース車両ホイール保持システムを生成する方法において、
a)軸およびアウトボードに面するホイール表面を画定し、アウトボード・タイヤ・ビード・シート保持フランジを含むホイール・ディスクを提供するステップであって、前記アウトボード・タイヤ・ビード・シート保持フランジが、周囲の径方向外側に面する溝が形成された内側表面を含む、ホイール・ディスクと、
b)概してU字形状の外側端部、前記軸に対して概して平行に延在する第1のレッグ、および前記第1のレッグに対して概して垂直に延在する第2のレッグを含む第1のホイール・カバーを提供するステップであって、第1のホイール・カバーが前記ホイール・ディスクの前記アウトボード・タイヤ・ビード・シート保持フランジの部分全体を覆うステップと、
c)前記ホイール・ディスクの前記アウトボードに面するホイール表面の少なくとも一部分を覆う第2のホイール・カバーを提供するステップあって、前記第2のホイール・カバーが、アウトボード表面およびインボード表面を含むステップと、
d)前記第1のホイール・カバーを第2のホイール・カバーに互いに固定するステップであって、前記第1のホイール・カバーの前記第2のレッグの少なくとも一部分が、前記第2のホイール・カバーの前記インボード表面に隣接するように前記第2のホイール・カバーの背後に延在し、前記第1のホイール・カバーの前記第2のレッグの前記少なくとも一部分が、前記第2のホイール・カバーの前記インボード表面のみに設けられた表面フィーチャ内に配置された第2のレッグの前記少なくとも一部分によって前記第2のホイール・カバーに少なくとも固定されているステップと、
e)ステップd)の組み立てられたホイール・カバーを前記マルチ・ピース車両ホイール保持システムを生成するために、前記ホイール・ディスクに固定するステップとを含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−16518(P2011−16518A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−152061(P2010−152061)
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【出願人】(500204393)ヘイズ、レマズ、インタナシャナル、インク (10)