説明

マルチ検出器アレイイメージングシステム

イメージングシステム(100)は、検査領域(106)を通る放射線を放出する放射線源(108)及び前記検査領域(106)を通る放射線を検出し、前記放射線を表す信号を発生させる検出システム(114)を含む。前記検出システム(114)は、第1の検出器アレイ(114−114)及び第2の検出器アレイ(114−114)を含む。前記第1及び前記第2の検出器アレイ(114−114)は、別々の異なる検出器アレイであり、前記検出器アレイ(114−114)の少なくとも1つは、放射線ビームに関して移動可能である。再構成器(116)は、前記信号を再構成し、前記信号を表す3次元画像データを発生させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
下記は、一般的に、1つの検出器アレイ(detector array)より多くを受け、使用するよう構成されたイメージングシステムに関連し、コンピューター断層撮影法(CT)と関連して述べられる。しかしながら、他の医療用及び非医療用イメージングアプリケーションも、受け入れる。
【背景技術】
【0002】
コンピューター断層撮影用(CT)スキャナは、通常、X線管と、検査領域に亘って、互いに向き合って、回転ガントリー(rotating gantry)取り付けられた、検出器アレイと、を含む。回転ガントリーは、通常の固定型ガントリーによって回転可能に支持され、検査領域に亘って回転するよう構成される。検出器アレイは、光検出器の1又は2次元アレイを含む。従来の積算用スキャナで、検出器アレイは、光ダイオード・ピクセル(photodiode pixels)のアレイに光学的に結合された、シンチレーター・ピクセル(scintillator pixels)のアレイを含んでいる。
【0003】
スキャニングの目的で、回転ガントリーと、従ってX線管及び検出器アレイとは、検査領域の周りを回転する。X線管は、検査領域(かつ、そこに配置された対象物又は対象者)を通り、検出器アレイを照らす、放射線を放出する。シンチレーター・ピクセルは、放射線を検出し、それについて示す光を発生させる。光ダイオード・ピクセルは、光を検出し、それについて示す信号を発生させる。再構成器(reconstructor)は信号を処理し、スキャンされた対象物又は対象者を示す3次元イメージデータ(volumetric image data)を作り出す。3次元イメージデータは、対象物又は対象者の1つ以上のイメージを発生するよう処理することができる。
【0004】
そのようなスキャナ内の検出器アレイは、スペクトラルCT型(spectral CT)、光子計数型(photon counting)又は高分解能型(high resolution)といった、改良型(advanced)スキャニングモードではなく、所定のセットの、従来のスキャニングモードに関して、構成されている。残念なことに、そのような改良型スキャニングモードを供するよう検出器アレイを適合することは、実施的に、スキャナの全体のコストを増加させる結果になり得る。さらに、そのように検出器アレイを適合することは、従来型スキャニングモードに関して、スキャナの性能を低下させ得る。低下される性能の例としては、縮小された対象範囲(coverage)、低下されたスキャンスピード、低下された最大管電流及び低下された幾何学的効率を含む。
【発明の概要】
【0005】
本出願の目的は、上で参照された問題及び他の問題を対処することである。
【0006】
一様態において、イメージングシステムは、検査領域を通る(traverses)放射線を放出する放射線源と、前記検査領域を通る前記放射線を検出し、それを表す信号を発生させる、検出システムを含む。前記検出システムは、第1の検出器アレイ及び第2の検出器アレイを含む。前記第1の検出器アレイと前記第2の検出器アレイとは、別々の異なる検出器アレイであり、前記検出器アレイの少なくとも一方は、前記放射線ビームに関して移動可能である。再構成器は、前記信号を再構成し、それを表す3次元画像データを発生させる。
【0007】
他の様態において、イメージングシステムを用いてスキャンするための方法は、前記イメージングシステムを用いて対象物又は対象者をスキャンするためのスキャン指令(scan protocol)を示す信号を受信する段階と、前記信号に基づいて検出器アレイタイプを特定する段階と、を含む。前記の特定された検出器アレイタイプは、前記イメージングシステム内に組み込まれた複数の検出器アレイの1つに該当する。前記方法は更に、前記システムの放射線源により発せられた放射線が通る経路の外側に配置された移動可能な検出器アレイを、前記経路へと移動させる段階又は、前記経路内の前記移動可能な検出器アレイを維持して、それに応じて、前記移動可能な検出器アレイを、前記検出器アレイタイプとして識別する段階を含む。
【0008】
他の様態において、方法は、イメージングシステムによって発せられた放射線が通る経路内に固定型検出器アレイを組み込む段階及び前記イメージングシステム内に移動可能な検出器アレイを導入する段階を含み、前記移動可能な検出器アレイは、対象物又は対象者をイメージ化するために、前記経路内へとかつ経路外へと選択的に移動するよう構成される。
【0009】
本発明は、種々の構成要素及び構成要素の配置、かつ、種々段階及び段階の配置の形態を取り得る。図面は、単に、好ましい実施形態の説明する目的のためだけであり、本発明を制限するよう構成されない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、例示するイメージングシステムを説明する。
【図2】図2は、検出器アレイの間の相対運動を説明する。
【図3】図3は、検出器アレイの間の相対運動を説明する。
【図4】図4は、検出器アレイを移動させるための手段を説明する。
【図5】図5は、検出器アレイを移動させるための手段を説明する。
【図6】図6は、種々のスキャニング構成を説明する。
【図7】図7は、種々のスキャニング構成を説明する。
【図8】図8は、種々のスキャニング構成を説明する。
【図9】図9は、種々のスキャニング構成を説明する。
【図10】図10は、移動可能な、分割した検出器アレイを説明する。
【図11】図11は、移動可能な、分割した検出器アレイを説明する。
【図12】図12は、移動可能な、分割した他の検出器アレイを説明する。
【図13】図13は、移動可能な、分割した他の検出器アレイを説明する。
【図14】図14は、等しいサイズの、(複数の)検出器アレイを有する実施形態を説明する。
【図15】図15は、選択的に配置可能な(positionable)検出器アレイを説明する。
【図16】図16は、例示する方法を説明する。
【図17】図17は、例示する方法を説明する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
先ず図1を参照して、CTスキャナといった、イメージングシステム100が説明される。スキャナ100は、固定型ガントリー102及び、固定型ガントリー102により回転可能に支持される回転ガントリー104を含む。回転ガントリー104は、長手方向又はZ軸に関して、検査領域106の周りを回転する。
【0012】
X線管といった放射線源108は、回転ガントリー104によって支持され、それと一緒に回転し、フォーカルスポット110から放射線を放出する。線源のコリメータ112は、検査領域106を通る、通常、円錐形、扇形、V字型又は他の形状の放射線ビームを形成するために、X軸及びZ軸に沿って放たれた放射線の視準を合わせる。
【0013】
放射線検出システム114は、放射線源108の向かいであって、検査領域106の反対側に、角度を有する弧(angular arc)を含み(subtends)、回転ガントリー104により支持される。放射線検出システム114は、N個の物理的に異なった検出器アレイ114から114までを含み、Nは、2と等しい又は2より大きい整数である。検出器アレイ114間の距離間隔及び検出器アレイの図示されたX軸範囲又は対象範囲は、例示する目的のためであり、制限するものではない。
【0014】
下記に詳細の述べられるように、検出器アレイ114の少なくとも1つは、放射線ビームに関して選択的に配置可能であり、検出器アレイ114は、システム100に依存して、独立して及び/又は組み合わせて使用することができる。これにより、少なくとも1つの従来型(non−advanced)検出器アレイ(例えば、非分解能シンチレーター/光センサー検出器アレイ)と、少なくとも1つの改良型検出器アレイ(例えば、スペクトラル形、光子計数型又は高分解能型、等)と、を含む、少なくとも2つの異なる検出器アレイを有するシステム100を構成することができる。さらに、システム100は、同じ又は異なる検出器を有する、少なくとも2つの改良型検出器アレイを備えるよう構成することができる。いずれの例において、改良型検出器アレイは、シングルタイプの改良型検出器又はマルチタイプの改良型検出器を含んでも良い。
【0015】
スキャニングの間使用される検出器アレイ114は、検査領域106を通る放射線を検出し、それを表す信号を発生させる。再構成器116は、信号を再構成し、中に対象物又は対象者を含む、検査領域106を示す3次元イメージデータを作り出す。1つより多くの検出器アレイ114がスキャニングの間使用され、1つ以上の検出器アレイにより発生した信号が、3次元画像データを作り出すよう再構成される。適切な再構成アルゴリズムは、フィルター逆投影、反復及びそれと同様のものを含む。3次元イメージデータは、対象物又は対象者の1つ以上のイメージを作り出すよう使用することができる。
【0016】
カウチ(couch)といった支持物118は、検査領域106内の対象物又は対象者を支持する。支持物118は、らせん形、軸方向又は他の所望のスキャニング軌道を容易にするために、回転ガントリー104の回転と連携して、Z軸に沿って移動可能である。汎用コンピュータシステムは、ディスプレイ及び/又はプリンタといった人間に解読可能な出力デバイスと、キーボード及び/又はマウスといった入力デバイスを含む、オペレータコンソール120としての役目を果たす。コンソール120上の常駐ソフトウェアにより、操作者は、少なくとも2つの検出器アレイ114の特定の1つを使用する或いは少なくとも2つの検出器アレイ114の1つより多くを同時に使用する、スキャン指令を選択することができる。
【0017】
上で簡潔に言及されたように、改良型検出器アレイの例は、制限されないが、スペクトラル型、光子計数型、高分解能型検出器アレイを含む。非制限的な例であるスペクトラル型検出器アレイは、積層型シンチレーターと、照射している(impinging)放射線の方向でシンチレーターの下に若しくは照射している放射線に垂直な方向で、積層型シンチレーターに隣接して、配置される光センサーと、を有する二段重ねの検出器を含む。適切な光子計数型検出器アレイは、テルル化カドミウム(CdTe)又はテルル化カドミウム亜鉛(CZT)又は同様のものといった、直接変換の材料を含む。適切な高分解能型検出器アレイは、通常、検出面で1ミリメーター(1 mm)より小さいX軸及び/又はZ軸アパーチャー(aperture)を有し、それは、従来型検出器アレイに関するアパーチャーよりも小さい。
【0018】
上述された改良型検出器アレイ(即ち、スペクトラル型、光子計数型、高分解能型、など)は、通常、従来型検出器アレイよりも、単位検出領域当たり、よりコストがかかる。そのような例において、改良型検出器アレイは、コストを削減するために、縮小されたX軸及び/又はZ軸対象範囲を有するよう構成することができる。少なくとも1つの従来型検出器アレイと、縮小された対象領域を有する少なくとも1つの改良型検出器アレイとを有するシステムを構成することは、縮小されない対象範囲を有する改良型検出器アレイを備えるシステムと比較して、システム100の全体のコストを減らすことができ、その上、従来型検出器アレイに関する対象範囲を維持することができる、
光子計数型検出器を有する検出器アレイといった、改良型検出器アレイは、従来型検出器アレイと比較して、より低いフラックス速度能力(flux rate capability)を有し得る。これにより、改良型検出器アレイを使用するとき、従来型検出器アレイを使用するときに比較して、放射線源の最大の電流制限及び/又は回転ガントリーの最大の回転速度を減らすことができる。少なくとも1つの従来型検出器アレイと、光子計数型検出器を有する少なくとも1つの改良型検出器アレイと、を有するシステムを構成することにより、光子計数モードでシステム100を操作することができ、その上、従来型検出器アレイを用いてスキャニングするときに、放射線源の電流制限及び回転ガントリーの回転速度を維持することができる。
【0019】
高分解能型検出器を有する検出器アレイといった、改良型検出器アレイは、従来型検出器アレイと比較して、より低い幾何学的効率を有し得る。少なくとも1つの従来型検出器アレイと、高分解能型検出器を有する少なくとも1つの日改良型検出器アレイと、を有するシステムを構成することにより、高分解モードでシステム100を操作することができ、その上、従来型検出器アレイでスキャニングするときに、幾何学的効率を維持することができる。さらに、高分解能型検出器を有する改良型検出器アレイは、コム(comb)又は他のデバイスが、高分解能スキャニングのための、従来型検出器アレイと併せて使用される構成と比較して、線量効率(dose efficiency)を改善する(かつ患者線量を減らす)ことができる。
【0020】
図2及び図3は、N=2に関する放射線検出システム114の一例の実施形態を説明する。この例において、検出器アレイ114は、検出システム114内に固定し取り付けられ、検出器アレイ114は、検出システム114内に移動可能に取り付けられる。検出器アレイ114は、少なくとも第1の位置202と第2の位置204との間で移動するよう構成される。
【0021】
図2に示されるように、第1の位置202において、検出器アレイ114は、検出器アレイ114とフォーカルスポット110との間であって、検出器アレイ114の上で、放射線源108によって発せられる中心の光線(center ray)が通る経路内に、位置される。図3に示すように、第2の位置204において、検出器114は、経路206の外側に位置される。
【0022】
この実施形態において、検出器アレイ114のx軸対象範囲は、検出器アレイ114のx軸対象範囲より狭い。他の実施形態において、検出器アレイ114のx軸対象範囲と、検出器アレイ114のx軸対象範囲と、は、実質的に等しい。更に他の実施形態において、検出器アレイ114のx軸対象範囲は、検出器アレイ114のx軸対象範囲よりも広い。同様に、検出器アレイ114のz軸対象範囲は、検出器アレイ114のz軸対象範囲、と実質的に同様(図示されるように)、より広い又はより狭い。
【0023】
説明された実施形態において、検出器アレイ114は、従来型検出器を含み、検出器アレイ114は、改良型検出器を含む。他の実施形態において、検出器アレイ114は、改良型検出器を含み、検出器アレイ114は、従来型検出器を含む。更に他の実施形態において、検出器アレイ114及び114は両方、従来型検出器又は改良型検出器のいずれかを含む。
【0024】
説明された実施形態において、検出器アレイ114は、Z軸に沿って移動する。他の実施形態において、検出器アレイ114は、X軸に沿って移動する。更に他の実施形態において、検出器アレイ114は、Z軸及びX軸の両方に沿って移動する。
【0025】
図4及び図5は、図2及び図3で示された第1の位置と第2の位置との間で、放射線ビームに相対的に、検出器アレイ114を移動させるための、非制限的な手段を説明する。
【0026】
説明された実施形態において、プラットホーム(platform)又は移動可能な支持体402は、検出器アレイ114を支持する。移動可能な支持体402は、ベアリング(bearing)406の第1の位置404の一部とする(図示されるように)又はそれに取り付けることができる。ベアリング406の第2の位置408は、検出システム114に固定して取り付けられる。適切なベアリングは、制限されないが、ボール型ベアリング(ball bearing)、スライド型ベアリング(slide bearing)、磁性の及び流体のベアリングを含む。
【0027】
モータ410は、第1の位置202(図4)と第2の位置(図5)との間で、移動可能な支持体402(及びそれ故に、検出器アレイ114)を駆動する。制御装置412は、選択されたスキャン命令又は別の方法に基づいて、モータ410を制御する。エンコーダ又はそれと同種のものは、制御装置412に関する移動可能な支持体の位置情報を供するために使用することができる。他の実施形態において、移動可能な支持体402は、水力学又は他の方法を介して、位置202と位置204との間で移動する。
【0028】
図6、7、8及び9は、図2及び3に関連して、述べられた構成に関して、種々のスキャニングモードを説明する。
【0029】
先ず図6を参照して、この実施形態において、検出器アレイ114は、第1の位置202にある。この位置において、検出器アレイ114は、検出器アレイ114の上で、放射線ビーム602の経路内に位置される。コリメータ112は、ビーム602の視準を合わせ、X軸ビーム角α604と、z軸ビーム角605βと、を有するビームを発生させる。この実施形態において、検出器アレイ114により発生した信号は再構成され、3次元イメージデータを作り出す。
【0030】
図7になって、この実施形態において、検出器アレイ114は、第2の位置204にある。この位置において、検出器アレイ114は、放射線ビーム602の外側に位置される。コリメータ112は、ビーム602の視準を合わせ、x軸ビーム角γ702とz軸ビーム角δ703とを作り出す。この実施形態において、検出器アレイ114により発生した信号は、再構成され、3次元イメージデータを作り出す。さらに、まるで検出器アレイ114がシステム100から除外されているかのように、検出器アレイ114を、同じ対象範囲、速度、幾何学的効率及び/又は流動速度(flux rate)を維持することを含んで、作動することができる。
【0031】
図6及び図7内で留意すべきは、検出器アレイ114及び114のz軸対象範囲(角度β及びδで定義されるような)は実質的に等しく、その上、検出器アレイ114のx軸対象範囲(角度αで定義されるような)は、検出器アレイ114のx軸対象範囲(角度γで定義されるような)より狭い。他の実施形態において、検出器アレイ114及び114のz軸対象範囲は、実質的に等しく、検出器アレイ114及び114のx軸対象範囲は、実質的に等しい。更に他の実施形態において、検出器アレイ114及び114のx軸対象範囲は、実質的に等しく、その上、検出器アレイ114のz軸対象範囲は、検出器アレイ114のz軸対象範囲より狭い。更に他の実施形態において、検出器アレイ114のz軸対象範囲及びx軸対象範囲は、各々、検出器アレイ114のz軸対象範囲及びx軸対象範囲より狭い。
【0032】
次に図8を参照して、この実施形態において、検出器アレイ114は、図6に関連して述べられたように、第1の位置202にある。しかしながら、コリメータ112は、図7に関連して述べられたような、ビーム角γ702を有するビームを発生させるよう、ビーム602の視準を合わせる。放射線ビーム602は、検出器アレイ114と、検出器アレイ114によりカバーされない、検出器アレイ114の副位置(sub−portions)802及び804と、を照射する。
【0033】
この実施形態において、検出器アレイ114及び114の一方又は両方により発生した信号は、再構成され、3次元イメージデータを作り出す。例として、検出器アレイ114は、狭められたx軸対象範囲による、不完全な若しくは切り取られた画像を作り出しても良い。検出器アレイ114の位置802及び804からの信号は、検出器アレイ114からの信号と結合することができ、不完全な画像を「仕上げる」。
【0034】
図9は、コリメータがビームの視準を合わせ、検出器アレイ114を非対称的に照射するビームを発生させる実施形態を説明する。
【0035】
図10及び図11は、検出器アレイ114が、第1及び第2の、独立して移動可能な部114N1及び114N2を含む、実施形態を説明する。移動可能な部114N1及び114N2は、z軸に沿って移動し、検出器アレイ114を形成するために、検出器アレイ114の上に一体になる。
【0036】
図12及び図13は、検出器アレイ114が、第1及び第2の、独立して移動可能な部114N1及び114N2を含む、他の実施形態を説明する。この実施形態において、移動可能な部114N1及び114N2は、x軸に沿って移動し、検出器アレイ114を形成するために、検出器アレイ114の上に一体になる。
【0037】
図14は、検出器アレイ114及び114が、実質的に同じ対象範囲を有する実施形態を説明する。
【0038】
図15は、検出器アレイ114が、ビーム内に選択的に配置可能である実施形態を説明する。図示される実施形態において、検出器アレイ114は、x軸及びz軸の両方に沿って移動することができ、検出器アレイ114に関して、非対称的に配置される若しくは中心を外れて配置される。図示される実施形態において、検出器アレイ114のエッジ1502は、おおよそ放射線の中心線206にある。他の実施形態において、エッジ1502は、放射線の中心線206に及ぶ。そのような非対称的なビームを使用することにより、図示されるように、検出器の領域を減らすことができ、検出器のコストを削減でき得る。
【0039】
上述された実施形態において、検出器アレイ114は固定され、検出器アレイ114は移動可能である。他の実施形態において、検出器アレイ114は移動可能であり、検出器アレイ114は固定される。更に他の実施形態において、検出器アレイ114及び検出器アレイ114の両方が、移動可能である。
【0040】
図16は、一例となる方法を説明する。1602において、第1の検出器アレイが、イメージングシステム内に組み込まれる。第1の検出器アレイは、放射線源を交差して、検査領域106の反対側に組み込まれる。1604において、第2の検出器アレイが、イメージングシステム内に組み込まれる。同様に、第2の検出器アレイは、放射線源を交差して、検査領域106の反対側に組み込まれる。第1の検出器アレイ114又は第2の検出器アレイ114の一方は、システム100内に固定して取り付けられ、第1の検出器アレイ114又は第2の検出器アレイ114の他方は、システム100内に移動可能に取り付けられる。1606において、システム100は、選択されたスキャニング命令に基づいて、放たれた放射線が通る経路内へ又は経路から外へ、移動可能な検出器を選択的に移動させるよう構成される。1608において、システム100は、放たれた放射線の視準を合わせ、選択されたスキャニング命令に基づいて、検出器アレイの一方又は両方からデータを処理するよう構成される。
【0041】
図17は、一例となる方法を説明する。1702において、選択されたスキャン命令を示す信号が受信される。1704において、検出器アレイのタイプが、スキャン命令に基づいて特定される。検出器アレイのタイプは、イメージングシステム100内に組み込まれた複数のタイプの検出器アレイから選択される。1706において、もし特定された検出器アレイが、固定して取り付けられた検出器アレイであるなら、その後、1708において、如何なる移動可能に取り付けられた検出器アレイが、放たれた放射線が通る経路の外側に維持される又は移動する。さらに、1710において、もし特定された検出器アレイが移動可能に取り付けられた検出器アレイに対応するなら、その後、適切な移動可能に取り付けられた検出器アレイが、放たれた放射線が通る経路の中で維持される又は中に移動する。1712において、スキャンが実行される。
【0042】
上記は、コンピュータプロセッサにより実行されるとき、そのプロセッサに述べられた行為を実行させる、コンピュータ可読の命令を経由して実行することができる。そのような場合、命令は、連関するコンピュータに付随する若しくはそうでなければアクセス可能である、コンピュータ可読の記憶媒体中に記憶される。
【0043】
イメージングシステム100は、ここで述べられたように、かつ、単一の検出器アレイだけを含むよう構成することができるということが、理解されるべきである。そのような例において、1つ以上の追加的な検出器アレイを、後に、システム内に、組み込むことができる。これにより、顧客は、特定のタイプの検出器アレイ114と、後で追加した他のタイプの検出器アレイ114と、を有するスキャナ100を購入することができる。他の例において、種々のタイプの検出器アレイは、その代わりに、単一の検出器アレイと交換することができる。更なる例において、単一の検出器アレイは、従来型若しくは改良型検出器アレイであり得る。更に又は若しくは、追加的な検出器アレイは従来型若しくは改良型検出器アレイであり得る。
【0044】
本発明は、種々の実施形態を参照して、ここで述べられてきた。修正及び変更は、ここでの記載を読んだほかの人たちなら思い当たるであろう。本発明は、そのような修正及び変更が、添付の特許請求の範囲又はそれと同種のものの範囲内で起こるとき、そのような修正及び変更の全てを含むよう構成されるということが、意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査領域を通る放射線を放出する放射線源;
前記検査領域を通る放射線を検出し、前記放射線を表す信号を発生させる検出システムであって、当該検出システムは第1の検出器アレイ及び第2の検出器アレイを含み、前記第1の検出器アレイ及び前記第2の検出器アレイは、別々の異なる検出器アレイであり、前記検出器アレイの少なくとも1つは、放射線ビームに関して移動可能である、検出システム;及び
前記信号を再構成し、前記信号を表す3次元画像データを発生させる再構成器;
を含む、イメージングシステム。
【請求項2】
前記検出器アレイの少なくとも1つは、改良型検出器アレイを含む、請求項1に記載のイメージングシステム。
【請求項3】
前記改良型検出器アレイは、スペクトラル型検出器アレイ、光子計数型検出器アレイ又は高分解能型検出器アレイの1つである、請求項2に記載のイメージングシステム。
【請求項4】
前記検出器アレイの少なくとも1つは、低分解能型検出器アレイを含む、請求項2又は3に記載のイメージングシステム。
【請求項5】
前記検出器アレイの少なくとも1つのうちの1つの、x軸対象範囲又はz軸対象範囲の少なくとも1つは、前記検出器アレイの少なくとも1つのうちのその他の、x軸対象範囲又はz軸対象範囲の対応する方の対象範囲よりも広い、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のイメージングシステム。
【請求項6】
前記検出器アレイの少なくとも1つのうちの1つの、x軸対象範囲及びz軸対象範囲は、前記検出器アレイの少なくとも1つのうちのその他の、x軸対象範囲及びz軸対象範囲と実質的に同じである、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のイメージングシステム。
【請求項7】
前記信号は、前記検出器アレイの少なくとも1つのうちの1つだけによって発生する信号を含む、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のイメージングシステム。
【請求項8】
前記信号は、前記第1の検出器アレイにより発生した第1の信号と、前記第2の検出器アレイにより発生した第2の信号と、
を含む、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のイメージングシステム。
【請求項9】
前記の移動可能な検出器アレイは、少なくとも2つの異なるタイプの改良型検出器を含む、請求項8に記載のイメージングシステム。
【請求項10】
前記の移動可能な検出器アレイは、
該検出器アレイが、放出された放射線が通る経路内にある、第1の位置と、
該検出器アレイが、該経路の外側にある、第2の位置と、
の間で移動可能な、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のイメージングシステム。
【請求項11】
前記の移動可能な検出器アレイは、z軸方向に沿って移動可能である、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のイメージングシステム。
【請求項12】
前記の移動可能な検出器アレイは、x軸方向に沿って移動可能である、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のイメージングシステム。
【請求項13】
前記の移動可能な検出器アレイは、x軸及びz軸方向の両方に沿って移動可能である、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のイメージングシステム。
【請求項14】
前記の移動可能な検出器アレイは、前記放射線ビーム内に非対称的に設置されるように構成される、請求項1乃至13のいずれか一項に記載のイメージングシステム。
【請求項15】
イメージングシステムで、対象物又は対象者をスキャニングするための、スキャン命令を示す信号を受信する段階;
前記信号に基づいて検出器アレイタイプを特定する段階であって、前記の特定された検出器アレイは、前記イメージングシステム内に組み込まれた複数の検出器アレイの1つに対応する、段階;及び
移動可能な検出器アレイを、前記検出器アレイタイプと見なすことに対応して、前記システムの放射線源によって放出された放射線が通る経路の外側に位置された前記移動可能な検出器アレイを、前記経路内に移動させる段階、若しくは、前記経路内の前記移動可能な検出器アレイを維持する段階;
を含む、イメージングシステムでスキャニングするための方法。
【請求項16】
前記異なる検出器アレイを前記検出器アレイタイプと見なすことに対応して、前記移動可能な検出器アレイを前記経路の外側に移動させる段階、若しくは、前記移動可能な検出器アレイを前記経路の外側で維持する段階:
を更に含む、請求項15に記載のイメージングシステムでスキャニングするための方法。
【請求項17】
前記検出器アレイの少なくとも1つは、スペクトラル型検出器アレイ、光子計数型検出器アレイまたは高分解能型検出器アレイの1つ以上を含み、前記検出器アレイの他の1つは、低分解能検出器アレイを含む、請求項15又は16に記載のイメージングシステムでスキャニングするための方法。
【請求項18】
スキャンのために、前記検出器アレイの単一の1つを使用する段階:
を更に含む、請求項15乃至17のいずれか一項に記載のイメージングシステムでスキャニングするための方法。
【請求項19】
スキャンのために、前記検出器アレイの2つ以上を同時に使用する段階:
を更に含む、請求項15乃至17のいずれか一項に記載のイメージングシステムでスキャニングするための方法。
【請求項20】
前記の2つ以上の検出器の一方からの投影データを、前記の2つ以上の検出器の他方の不完全な投影データに関して補正するために利用する段階:
を更に含む、請求項19に記載のイメージングシステムでスキャニングするための方法。
【請求項21】
前記の特定された検出器アレイタイプの配置に基づいて、前記イメージングシステムの放射線ビームの視準を選択的に合わせる段階:
を更に含む、請求項15乃至20のいずれか一項に記載のイメージングシステムでスキャニングするための方法。
【請求項22】
イメージングシステムによって放出された放射線が通る経路内に、固定型検出器アレイを組み込む段階;及び
前記イメージングシステム内に移動可能な検出器アレイを組み込む段階;
を含み、
前記移動可能な検出器アレイは、対象物又は対象者をイメージ化するために、前記経路の中へ及び前記経路から外へ選択的に移動させるよう構成される、
方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2012−527934(P2012−527934A)
【公表日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−512474(P2012−512474)
【出願日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際出願番号】PCT/IB2010/051648
【国際公開番号】WO2010/136911
【国際公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】