説明

マンコンベアの音声案内装置

【課題】騒音に対する音声案内の音圧と周波数、さらに乗客の位置を考慮して、乗客がより聞き取り易い音声案内を行うマンコンベアの音声案内装置を提供する。
【解決手段】フーリエ解析手段33でマンコンベア乗降口付近の騒音をフーリエ解析し最高音圧の主周波数成分とその音圧を求め、人感検出手段12で乗降口付近の可変の感知領域で乗客を感知し人感知信号を出力し、案内処理制御手段31で人感知信号により駆動制御信号を出力し、音声信号生成手段35で駆動制御信号により騒音より高音圧で異なる主周波数成分の音声を発生する音声信号を出力し、音声発生手段40で乗降口付近で音声信号に従い音声を発生し、感知領域制御手段37で感知領域を騒音の音圧値の閾値との比較に基づき、高ければ人感検出手段12の位置を基準に狭く低ければ広くさせる感知領域変更信号を人感検出手段12に出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、マンコンベアの音声案内装置の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の装置として、下記特許文献1に記載されているように、マンコンベア設置付近に放送を行う自動放送装置において、マンコンベア設置付近の騒音を検出する検出手段と、この騒音レベルに応じて放送装置の音圧を可変する手段とを備えたものが知られている。かかる自動放送装置によれば、マンコンベアの利用客に対して適切な音圧により案内することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭57−151580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記自動放送装置では、周囲の騒音の音圧の感知が主となっており、騒音の音圧に基づいて案内の音声の音圧を可変としていたので、音圧値が大きくなり易く、音圧値が大きいわりには、乗客には音声が聞き取りにくいという課題があった。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、騒音に対する音声案内の音圧と周波数、さらに乗客の位置を考慮して、乗客がより聞き取り易い音声案内を行うマンコンベアの音声案内装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、マンコンベアの乗降口付近の騒音を検出する騒音検出手段と、検出された騒音をフーリエ解析して最も音圧が高い主周波数成分値と該主周波数成分の音圧値を求めるフーリエ解析手段と、前記マンコンベアの乗降口付近に設けられ乗客を感知するための領域可変の第1の感知領域を有し、乗客を感知したことを示す第1の人感知信号を出力する第1の人感検出手段と、前記第1の人感知信号が入力されると、第1の駆動制御信号を出力する案内処理制御手段と、前記第1の駆動制御信号が入力されると、前記フーリエ解析手段で求められた騒音の前記音圧値よりも高い音圧値、騒音の前記主周波数成分値と異なる主周波数成分値を有する第1の音声を発生するための音声信号を出力する音声信号生成手段と、前記マンコンベアの乗降口付近に設けられると共に、前記音声信号生成手段からの前記音声信号に従って音声を発生する音声発生手段と、前記第1の感知領域を、前記フーリエ解析手段で求められた騒音の前記音圧値の閾値との比較に基づき、高ければ前記第1の人感検出手段の位置を基準に狭く、低ければ広くさせる感知領域変更信号を前記第1の人感検出手段に出力する感知領域制御手段と、を備え、前記第1の人感検出手段が前記第1の感知領域変更信号に従って第1の感知領域を変更する、ことを特徴するマンコンベアの音声案内装置にある。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、マンコンベアの乗降口付近の騒音を検出してフーリエ分析し、騒音の音圧及び主周波数成分を考慮した適切な音圧値及び主周波数成分値により音声案内を乗客の位置を考慮して行うことで、乗客により聞き取り易き音声案内が行える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の一実施の形態によるマンコンベアの音声案内装置を設けたマンコンベアの一例の概略的な構成を示す図である。
【図2】図1のマンコンベアの人感センサの感知領域を示す乗降口付近の模式的な上面図である。
【図3】図1の案内制御装置の内部構成の一例を示すブロック図である。
【図4】この発明によるマンコンベアの音声案内装置の動作フローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明によるマンコンベアの音声案内装置を実施の形態に従って図面を用いて説明する。なお、各図において、同一もしくは相当部分は同一符号で示し、重複する説明は省略する。
【0010】
実施の形態1.
図1はこの発明の一実施の形態によるマンコンベアの音声案内装置を設けたマンコンベアの一例の概略的な構成を示す図、図2は図1のマンコンベアの人感センサの感知領域を示す乗降口付近の模式的な上面図、図3は図1の案内制御装置の内部構成の一例を示すブロック図である。
【0011】
図1及び図2において、マンコンベア1は、乗降口1aを有すると共に、多数の踏段5を有しており、乗降口1a(例えばここでは乗込み口)に乗客M(図2参照)に対して音声によりマンコンベア1の運転方向等を案内する音声案内装置20を備えている。音声案内装置20は、乗降口1aの両側に所定の距離を隔てて設けられた音声案内のための機器を備えた一対の柵11からなる。
【0012】
各柵11はそれぞれポスト11aと柵部11bからなる。一方の柵11のポスト11aには、表示器50(表示手段)と第1の人感センサ12(第1の人感検出手段)が設けられ、他方の柵11のポスト11aには第2の人感センサ14(第2の人感検出手段)が設けられている。表示器50は両側のポスト11aにそれぞれに設けてもよい(その場合、2つの表示器50は並列接続される)。表示器50はLED50L(図3参照)でマンコンベア1の運転方向等を表示することで音声案内をバックアップする。柵部11bはそれぞれのポスト11aに繋がれて、乗降口1aまでの間に延び、横からの乗客Mの侵入を防止する箱状の柵からなる。
【0013】
一方の柵11の柵部11bは、例えばコンピュータ機能を含む案内制御装置30、案内制御装置30により求められた音圧値及び主周波数成分値により音声案内を発生するスピーカ40(音声発生手段)、乗降口1a付近の騒音を検出して騒音検出信号を出力する騒音検出器60(騒音検出手段)を備えている。なお案内制御装置30、スピーカ40、騒音検出器60は両側の柵部11bに分散して設けてもよい。
【0014】
図2に示すように、第1の人感センサ12は、ポスト11aの正面側(乗降口1aの外側)に乗客Mを感知する第1の感知領域A1を有すると共に、乗客Mを感知することにより第1の人感知信号を出力する。第2の人感センサ14は、同様にポスト11aの正面側に乗客Mを感知する上記第1の感知領域A1の乗降口1aに近い側の一部の領域からなる第1の感知領域A1よりも狭い第2の感知領域A2を有する共に、乗客Mを感知することにより第2の人感知信号を出力する。
【0015】
感知領域に関し、この例では、第1の感知領域A1内に第2の感知領域A2が包含されると共に、第2の感知領域A2の一部がさらに第1の感知領域A1を超えて昇降口1aに近い領域まで延びている。さらに第1および第2の感知領域A1,A2は、より広い第1および第2の感知領域A1w,A2w、より狭い第1および第2の感知領域A1n,A2nのようにそれぞれ感知領域が可変となっている。なお、図2の各感知領域は説明がより分かり易いように、各人感センサ12,14が両側の柵11間の中心(踏段5の中央部側)にあるものとして概略的に示したものである。
【0016】
図3の案内制御装置30において、案内処理制御部31(案内処理制御手段)は、第1の人感知信号および第2の人感知信号を取り込み、第1の人感知信号が入力されると音声信号生成部35にこれを駆動させる(動作させる)第1の駆動制御信号、第2の人感知信号が入力されると第2の駆動制御信号、第1の人感知信号および第2の人感知信号が入力されると第2の駆動制御信号を出力する(第2の駆動制御信号を優先出力)。
【0017】
フーリエ解析部33(フーリエ解析手段)は、騒音検出器60からの検出された騒音検出信号をフーリエ解析(変換)して多数の周波数成分のうち最も音圧が高い主周波数成分値と該主周波数成分の音圧値とを求める。
【0018】
音声信号生成部35(音声信号生成手段)は、フーリエ解析部33で得られた騒音の音圧値よりも高い音圧値、騒音の主周波数成分値と異なる主周波数成分値を有する音声であると共に、心地よい音色(波形)の音声を発生するための音声信号を信号合成により生成して出力する。特に、第1の駆動制御信号が入力されると、騒音の音圧値よりも高い音圧値、騒音の主周波数成分値と異なる主周波数成分値の第1の音声を発生するための音声信号を、また第2の駆動制御信号が入力されると、第1の音声よりも音圧値の低い、騒音の音圧値よりも高い音圧値、騒音の主周波数成分値と異なる主周波数成分値の第2の音声を発生させる音声信号をそれぞれ音声合成により生成し、スピーカ40に出力する。
【0019】
スピーカ40は、音声信号生成部35からの音声信号に従って音声を発生する。
【0020】
さらに感知領域制御部37(感知領域制御手段)は、フーリエ解析部33で解析された騒音の音圧値と主周波数成分値により、図2に示す第1の人感センサ12の第1の感知領域A1、第2の人感センサ14の第2の感知領域A2を、人感センサ(ポスト)の位置を基準としてそれぞれに、概略、閾値との比較により騒音の音圧値が高ければ狭く、低ければ広くする。
【0021】
さらに、音声信号生成部35により例えば複数の周波数の信号を合成して生成された音声信号によるスピーカ40で発生される第1の音声の音圧値は、騒音の音圧値よりも2ソーン以上高く、2.5〜3ソーン以上高いことが好ましいが、絶対的な音圧値が余り高くなり過ぎると、返って耳ざわりとなるので、音圧の絶対値の制限を90dB以下(従って0dB以上90dB以下の音圧)としている。また第2の音声の音圧値は、騒音の音圧値よりも1.5ソーン以上高く、2ソーン以上高いことが好ましい。
【0022】
また、第1および第2の音声の主周波数成分値は、人の可聴領域となる20Hz以上20KHz以下において騒音の主周波数成分値から1オクターブ以上離れており、2オクターブ以上離れていることが好ましい。主周波数成分値は1KHz以下になると、人に聞こえ難くなるので、1KHz以上10KHz以下の範囲が好ましい。
【0023】
図4にはこの発明によるマンコンベアの音声案内装置の動作フローチャートを示し、以下これに従って動作を説明する。第1の人感センサ12が乗客Mを感知すると第1の人感知信号を出力する(ステップS101)。第1の人感知信号が出力されると、案内処理制御部31は第1の駆動制御信号を出力し、フーリエ解析部33は騒音検出器60で検出されている騒音の騒音検出信号をフーリエ解析して騒音の多数の周波数成分のうち最も音圧が高い主周波数成分値と該主周波数成分の音圧値とを求めて出力する(ステップS103)。案内処理制御部31が第1の駆動制御信号を出力したことで音声信号生成部35はフーリエ解析部33の解析結果に基づき、騒音の音圧値よりも大きい音圧値で、騒音の主周波数成分値と異なる主周波数成分値を有する第1の音声を発生するための音声信号を生成して出力する(ステップS105)。
【0024】
一方、感知領域制御部37は、フーリエ解析部33の解析結果が入力されると、騒音の音圧値に応じて第1および第2の人感センサ12,14の第1および第2の感知領域A1,A2を変更させる感知領域変更信号を第1および第2の人感センサ12,14に出力する。すなわち騒音の音圧値が所定閾値よりも高ければ、感知領域を図2で示す感知領域A1n,A2nのように狭くし、騒音の音圧値が上記所定閾値よりも低ければ、感知領域A1w,A2wのように広くさせる(ステップSl07)。なお、感知領域の変更については、複数の閾値を設けて多段階的に変更させるようにしてもよい。例えば、第1の閾値、第2の閾値(第1の閾値>第2の閾値)とし、騒音の音圧値が第1の閾値以上なら感知領域A1n,A2n、第1の閾値未満第2の閾値以上であれば感知領域A1,A2、第2の閾値未満であれば感知領域A1w,A2w、とするようにしてもよい。
【0025】
スピーカ40は音声信号生成部35から第1の音声を発生するための音声信号が出力されると、該音声信号に従って騒音の音圧値よりも大きい第1の音圧値で、騒音の主周波数成分値と異なる主周波数成分値を有する第1の音声を発生し、音声案内放送として例えば「上り方向です」を流す。またこれに先立ち、人感センサ12からの第1の人感知信号により表示器50がLED50Lを点灯して矢印を表示している(ステップS109)。
【0026】
次に、乗客Mが乗降口1aにさらに接近すると、第1の人感センサ12および第2の人感センサ14が乗客Mを検出してそれぞれ第1の人感知信号、第2の人感知信号を出力する(ステップS109)。
【0027】
案内処理制御部31は第1および第2の人感知信号が出力されると、第2の駆動制御信号を出力する。案内処理制御部31から第2の駆動制御信号が出力されると、音声信号生成部35はフーリエ解析部33の解析結果に基づき、騒音の音圧値よりも大きい音圧値で、騒音の主周波数成分値と異なる主周波数成分値を有し、かつ第1の音声よりも音圧値の低い第2の音声を発生させる音声信号を生成して出力する。スピーカ40は音声信号生成部35から第2の音声を発生するための音声信号が出力されると、該音声信号に従って騒音の音圧値よりも大きい音圧値で、騒音の主周波数成分値と異なる主周波数成分値を有し、かつ第1の音声の第1の音圧値よりも音圧値の低い第2の音圧値の第2の音声により音声案内放送を継続する。また、第1の人感センサ12からの第1の人感知信号および第2の人感センサ14からの第2の人感知信号の少なくとも一方により表示器50の表示が継続される(ステップS113)。
【0028】
そしてステップS115で、各感知領域から乗客Mがいなくなると、第1の人感センサ12からの第1の人感知信号および第2の人感センサ14からの第2の人感知信号の出力がなくなり、これにより案内処理制御部31の第1および第2の駆動制御信号の出力が止まると、音声信号生成部35は音声信号の生成、出力を止め、スピーカ40からの音声が停止され、また人感知信号の出力がなくなったことで表示器50がLED50Lを消灯して、音声案内を停止する(ステップS117)。
【0029】
なお、第1および第2の人感センサ12,14は、乗客Mを感知している間だけそれぞれ第1の人感知信号、第2の人感知信号を出力し、乗客Mを感知していない間は出力停止するか、または第1および第2の人不感知信号を出力するように構成してもよい。
【0030】
また案内処理制御部31、フーリエ解析部33、表示器50は第1の人感センサ12からの第1の人感知信号および第2の人感センサ14からの第2の人感知信号の少なくとも一方が出力されている間だけ動作するようにしてもよく、さらに騒音検出器60、感知領域制御部37にも第1および第2の人感知信号を供給して、人感知信号が出力されている間だけ動作するようにしてもよい。感知領域制御部37はフーリエ解析部33の解析結果が入力されている間だけ動作するようにしてもよい。
【0031】
案内処理制御部31は、第1の人感知信号および第2の人感知信号、またはさらに第1の人不感知信号および第2の人不感知信号を取り込むと共に、音声信号生成部35に対し、例えば第1の人感知信号、第2の人感知信号が入力されている間だけそれぞれに第1の駆動制御信号、第2の駆動制御信号を出力し、第1の人感知信号および第2の人感知信号が共に無い間、または第1の人不感知信号および第2の人不感知信号がある間はそれぞれの駆動制御信号を出力しない、または停止制御信号を出力するようにしてもよい。
なお駆動・停止制御信号として、第1の駆動制御信号と第2の駆動制御信号の論理積信号である駆動制御信号と停止制御信号を図3に破線で示すようにフーリエ解析部33、感知領域制御部37、表示器50、騒音検出器60の少なくとも1つに供給するようにしてもよく、その場合には該当部への第1および第2の人感センサ12,14からの第1および第2の人感知信号、第1および第2の人不感知信号の供給は不要となる。
【0032】
フーリエ解析部33は、第1および第2の人感センサ12,14からの第1および第2の人感知信号の少なくとも一方がある間だけ、または案内処理制御部31からの駆動制御信号がある間だけは駆動し、第1および第2の人感センサ12,14からの第1および第2の人感知信号が共にない間、または第1および第2の人不感知信号がある間、または案内処理制御部31からの駆動制御信号がない間、または停止制御信号がある間は停止するようにしてもよい。
【0033】
感知領域制御部37も、第1および第2の人感センサ12,14からの第1および第2の人感知信号の少なくとも一方がある間だけ、または案内処理制御部31からの駆動制御信号がある間だけは駆動し、第1および第2の人感センサ12,14からの第1および第2の人感知信号が共にない間、または第1および第2の人不感知信号がある間、または案内処理制御部31からの駆動制御信号がない間、または案内処理制御部31からの停止制御信号がある間は停止するようにしてもよい。
【0034】
騒音検出器60および表示器50も、第1および第2の人感センサ12,14からの第1および第2の人感知信号の少なくとも1方がある間だけ、または案内処理制御部31からの駆動制御信号がある間だけは駆動し、第1および第2の人感センサ12,14からの第1および第2の人感知信号が共にない間、または第1および第2の人感センサ12,14からの第1および第2の人不感知信号がある間、または案内処理制御部31からの駆動制御信号がない間、または案内処理制御部31からの停止制御信号がある間は停止するようにしてもよい。
【0035】
以上のように、マンコンベア1の乗降口1a付近の騒音を検出する騒音検出器60と、検出された騒音をフーリエ解析して最も音圧が高い主周波数成分値と該主周波数成分の音圧値を求めるフーリエ解析部33と、マンコンベアの乗降口付近に設けられ乗客を感知するための領域可変の第1の感知領域を有し、乗客を感知したことを示す第1の人感知信号を出力する第1の人感センサ12と、第1の人感知信号が入力されると、第1の駆動制御信号を出力する案内処理制御部31と、第1の駆動制御信号が入力されると、フーリエ解析手段で求められた騒音の音圧値よりも高い音圧値、騒音の前記主周波数成分値と異なる主周波数成分値を有する第1の音声を発生するための音声信号を出力する音声信号生成部35と、マンコンベアの乗降口付近に設けられると共に、音声信号生成部35の音声信号に従って音声を発生するスピーカ40と、第1の感知領域を、フーリエ解析部33で求められた騒音の音圧値の閾値との比較に基づき、高ければ第1の人感センサ12の位置を基準に狭く、低ければ広くさせる感知領域変更信号を第1の人感センサ12に出力する感知領域制御部37と、を備え、第1の人感センサ12が第1の感知領域変更信号に従って第1の感知領域を変更するようにした。
【0036】
これにより、フーリエ解析された騒音に対して音量値が高く、主周波数成分が異なる音声を発生でき、しかも、第1の人感センサ12は解析された騒音の音圧値および主周波数成分値に基づいて第1の感知領域を変更するので、マンコンベア付近の騒音を考慮して第1の感知領域を変更するので、騒音を考慮した感知領域にいる乗客に対して適切な音圧値および主周波数成分値により生成された音声による案内が提供できる。
【0037】
また、マンコンベア1の乗降口1a付近に設けられ乗客を感知するための、第1の感知領域の乗降口に近い側の一部の領域からなる領域可変の第2の感知領域を有し、乗客を感知したことを示す第2の人感知信号を出力する第2の人感センサ14をさらに備え、案内処理制御部31が第2の人感知信号が入力されると前記第1の駆動制御信号の代わりに第2の駆動制御信号を出力し、音声信号生成部35が、第2の駆動制御信号が入力されると、スピーカ40に、フーリエ解析部33で求められた騒音の音圧値よりも高い音圧値、騒音の主周波数成分値と異なる主周波数成分値を有し、かつ第1の音声よりも音圧値の低い第2の音声を発生させる音声信号を出力するので、第2の人感センサ14が乗客を検出したことにより第1の音声よりも音圧値の低い第2の音声を発生するので、乗客のいる感知領域に対応して適切な音圧値により音声案内が提供できる。
【0038】
また、感知領域制御部37が、第2の感知領域を、フーリエ解析部33で求められた騒音の音圧値の閾値との比較に基づき、高ければ第2の人感センサ14の位置を基準に狭く、低ければ広くさせる感知領域変更信号を第2の人感センサ14に出力し、第2の人感センサ14が感知領域変更信号に従って第2の感知領域を変更するので、マンコンベア付近の騒音を考慮して第2の感知領域を変更するので、適切な第2の感知領域内において乗客に音声案内を行える。
【0039】
また、第1および第2の人感センサ12,14が、乗客を感知している間だけ第1の人感知信号、第2の人感知信号を出力し、案内処理制御部31が、第1の人感知信号、第2の人感知信号がある間だけそれぞれ第1の駆動制御信号、第2の駆動制御信号を出力し、音声信号生成部35が、第1または第2の駆動制御信号がある間だけ音声信号を出力するので、マンコンベアの利用者に適切な音声案内をしつつ、不要な音声案内をできる限り削減して騒音を減少できる。
【0040】
なお、上記説明ではマンコンベアの乗込み口を例に挙げて説明したが、マンコンベアの降り口でフロアや乗継ぎマンコンベアや出口等の案内を行う場合においても適用可能である。
【符号の説明】
【0041】
1 マンコンベア、1a 昇降口、5 踏段、11 柵、11a ポスト、11b 柵部、12 第1の人感センサ、14 第2の人感センサ、20 音声案内装置、30 案内制御装置、31 案内処理制御部、33 フーリエ解析部、35 音声信号生成部、37 感知領域制御部、40 スピーカ、50 表示器、60 騒音検出器、M 乗客。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マンコンベアの乗降口付近の騒音を検出する騒音検出手段と、
検出された騒音をフーリエ解析して最も音圧が高い主周波数成分値と該主周波数成分の音圧値を求めるフーリエ解析手段と、
前記マンコンベアの乗降口付近に設けられ乗客を感知するための領域可変の第1の感知領域を有し、乗客を感知したことを示す第1の人感知信号を出力する第1の人感検出手段と、
前記第1の人感知信号が入力されると、第1の駆動制御信号を出力する案内処理制御手段と、
前記第1の駆動制御信号が入力されると、前記フーリエ解析手段で求められた騒音の前記音圧値よりも高い音圧値、騒音の前記主周波数成分値と異なる主周波数成分値を有する第1の音声を発生するための音声信号を出力する音声信号生成手段と、
前記マンコンベアの乗降口付近に設けられると共に、前記音声信号生成手段からの前記音声信号に従って音声を発生する音声発生手段と、
前記第1の感知領域を、前記フーリエ解析手段で求められた騒音の前記音圧値の閾値との比較に基づき、高ければ前記第1の人感検出手段の位置を基準に狭く、低ければ広くさせる感知領域変更信号を前記第1の人感検出手段に出力する感知領域制御手段と、
を備え、
前記第1の人感検出手段が前記第1の感知領域変更信号に従って第1の感知領域を変更する、
ことを特徴するマンコンベアの音声案内装置。
【請求項2】
前記マンコンベアの乗降口付近に設けられ乗客を感知するための、前記第1の感知領域の前記乗降口に近い側の一部の領域からなる領域可変の第2の感知領域を有し、乗客を感知したことを示す第2の人感知信号を出力する第2の人感検出手段をさらに備え、
前記案内処理制御手段は前記第2の人感知信号が入力されると前記第1の駆動制御信号の代わりに第2の駆動制御信号を出力し、
前記音声信号生成手段が、前記第2の駆動制御信号が入力されると、前記音声発生手段に、前記フーリエ解析手段で求められた騒音の前記音圧値よりも高い音圧値、騒音の前記主周波数成分値と異なる主周波数成分値を有し、かつ前記第1の音声よりも音圧値の低い第2の音声を発生させる音声信号を出力する、
ことを特徴とする請求項1に記載のマンコンベアの音声案内装置。
【請求項3】
前記感知領域制御手段が、前記第2の感知領域を、前記フーリエ解析手段で求められた騒音の前記音圧値の閾値との比較に基づき、高ければ前記第2の人感検出手段の位置を基準に狭く、低ければ広くさせる前記感知領域変更信号を前記第2の人感検出手段に出力し、
前記第2の人感検出手段が前記感知領域変更信号に従って第2の感知領域を変更する、
ことを特徴とする請求項2に記載のマンコンベアの音声案内装置。
【請求項4】
前記第1および第2の人感検出手段が、乗客を感知している間だけ前記第1の人感知信号、第2の人感知信号を出力し、
前記案内処理制御手段が、前記第1の人感知信号、第2の人感知信号がある間だけそれぞれ前記第1の駆動制御信号、第2の駆動制御信号を出力し、
前記音声信号生成手段が、前記第1または第2の駆動制御信号がある間だけ音声信号を出力することを特徴とする請求項2または3に記載のマンコンベアの音声案内装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−246132(P2012−246132A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−121712(P2011−121712)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(591036457)三菱電機エンジニアリング株式会社 (419)
【Fターム(参考)】