説明

マンゴ切断器

いずれもが、果物または野菜をスライスする切断エッジ(25)を有する、概ね長円形状の中央切断刃(22)と、該中央切断刃から外方に伸長し、かつ、互いに対して横断方向に配設された第1および第2の切断刃(23、24)とを有する切断構造体(21)、および、第1および第2切断刃に結合された取っ手構造体(30)を含む、例えば、マンゴ等の果物または野菜をスライスするための切断器(20)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、広い意味で云えば、台所用品に係わり、具体的には、例えば、マンゴ等の果物の芯または種を取り除き、また、スライスするための台所用品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
果物や野菜を切断し、または、スライスし、同時に芯を抜くようになされた台所用品はよく知られている。例えば、米国特許第4490912号には、パイナップルの芯を抜くための円形の中央切断刃と、同時に該パイナップルを切断するための外側に伸びる複数の切断刃を持つパイナップル切断器が開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、そのような切断器は、マンゴおよびその他の果物などに見られる長円形や不ぞろいの形の核や種を持つ果物や野菜には有効に利用できない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本出願は、例えば、マンゴのような果物や野菜の、スライスを行い、芯または種を取り除くための切断器を開示する。切断器は、概ね長円形状の中央切断刃と、該中央切断刃に結合されて外方に伸長する長手方向切断刃とを持つ切断構造体を有する。中央切断刃および外方に伸長する切断刃の各々は、果物や野菜の切断またはスライスに適する鋭いエッジを有する。取っ手構造体が第1および第2切断刃に結合され、該取っ手構造体は弾性材料で形成された第1および第2取っ手を有することができる。
【0005】
中央切断刃が概ね長円形であるため、本出願で開示する切断器をマンゴ等の果物のスライスに用いる時、中央切断刃が内部の種から果物の果肉を事実上剥ぎ取り、また、長手方向切断刃が果物を概ね半分に切断することが判るだろう。
【0006】
保護を受けようとする主題事項を理解し易くするために、その具体例を添付図面に示した。以下の説明を考え合わせて、それらの図面を点検することによって、保護を受けようとする主題事項、その構造と機能、および、その多くの利点を容易に理解し、かつ、評価できるだろう。
【実施例】
【0007】
一実施例として、本出願の切断器は、例えば、マンゴ等の果物の長楕円形の芯または種を有する果物および野菜を切断またはスライスし、かつ、芯または種を取り除くようになされている。図1、図2に、全体を符号20で指示する本出願切断器の実施例が示されている。切断器20は、概ね長円形の中央切断刃22と、該中央切断刃22から外方に伸長する第1長手方向切断刃23および第2長手方向切断刃24を有する中央切断構造体21を含む。一実施例において、第1および第2長手方向切断刃23、24は、互いに対して、また中央切断刃22に対して横断方向に配置されている。中央切断刃22、および、第1および第2長手方向切断刃23、24は、それぞれ、切断器20の底部に配置された切断エッジ25を有し、該切断エッジは、果物および野菜を切断し、または、スライスするようになされている。切断エッジ25は、果物および野菜のスライスまたは切断に適する鋭いエッジを含む。一例として、切断エッジ25はステンレス鋼製である。別の例では、中央切断刃22および第1、第2切断刃23、24がステンレス鋼製である。
【0008】
一例では、中央切断刃22の長円形状が楕円形であり、楕円の長軸および短軸の範囲が規定される。一例では、長さ対幅の比、または、長軸対短軸の比が、約1.6〜約3.8である。別の例では、長軸沿いの楕円の長さが約50mm〜約75mmであり、かつ、短軸沿いの楕円の幅が約20mm〜約30mmである。
【0009】
切断器は、第1および第2長手方向切断刃23、24の各外端に結合された取っ手構造体30を有してもよい。取っ手構造体30は、エラストマー材で形成することができる第1および第2取っ手31、32を含む。一例では、取っ手構造体30が事実上円形の中央体33を含み、第1および第2の取っ手31、32は、楕円形状の長軸に対して事実上平行に、かつ、互いに対して横断方向に配設されて、中央体33に一体に連なっている。一例として、中央体33はプラスチック材で形成される。
【0010】
図3〜図6を見ると、全体として符号100で指示された別例に係わる本出願切断器が示されており、図中、先の実施例のものと事実上同じ部材には同じ符号が付されている。取っ手構造体110は、中央体113に一体に結合された第1および第2取っ手111、112を含む。第1および第2取っ手111、112と、中央体113は、これらをプラスチック材で形成することができる。一例では、第1および第2取っ手111、112が、エラストマー材でそれぞれ形成された取っ手部114、115を有することができる。中央体113は、第1および第2切断刃23、24の第1および第2外端に結合することができ、その際、第1および第2取っ手111、112が長円形状の中央切断刃22の長軸に対して事実上平行に配設される。
【0011】
図7〜図10を見ると、全体として符号200で指示された別例に係わる本出願切断器が示されており、図中、先の実施例のものと事実上同じ部材には同じ符号が付されている。取っ手構造体201は、直立する第1および第2脚部204、205をそれぞれ有する第1および第2切断刃23、24の各外端に結合された第1および第2取っ手202、203を有することができる。一例として、第1および第2取っ手202、203がエラストマー材で形成される。一例として、第1および第2脚部204、205がプラスチック材で形成される。別例では、第1および第2の脚部204、205が第1および第2切断刃23、24と一体に形成される。
【0012】
本出願の全実施例において、例えば、マンゴのような、種または芯を有する果物を、中央切断刃22に対して事実上中央に、かつ、鋭いエッジ25に隣接させて位置づけて、果物側に向う力を第1および第2取っ手に加えた時、鋭いエッジ25が果物を切断するが、その際、中央切断刃22が果物の果肉を内部の種または芯から事実上剥ぎ取るか、または、取り除き、事実上同時に、第1および第2切断刃23,24が概ね半分に果物をスライスすることを理解できるだろう。
【0013】
マンゴのような果物の種を取り除く方法も提供される。
この方法は、一例として、いずれも鋭いエッジを有する、事実上楕円形状の中央切断刃と、互いに対して横断方向に配設され、中央切断刃から外方に伸長する第1および第2切断刃とを含むステンレス鋼製切断構造体を提供することを包含する。
この方法は、
さらに、第1および第2取っ手を有し、かつ、第1および第2切断器に結合された取っ手構造体を提供し、
中央切断刃に対して概ね中央に、かつ、鋭いエッジに隣接して、果物を位置づけ、そして、
果物側に向う力を取っ手に加えて、鋭いエッジを果物に通し、種から果物を取り除き、同時に、概ね半分に果物を切断するという各作業段階を含む。
【0014】
以上、添付図面を用いて説明した事項は、限定的趣旨ではなく、単なる説明として提示したものである。特別な実施例について図示し、かつ、説明したが、出願人の貢献による広い特徴から逸脱せずに、変更および修正を行なってもよいことは、当業者にとって明らかであろう。受けようとする実際の保護の範囲は、先行技術に基づいて適切に見通した時に、特許請求の範囲で定義されるとおりである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】一実施例に係わる本出願切断器の平面図。
【図2】図1に示す切断器の側面図。
【図3】別実施例に係わる本出願切断器の平面図。
【図4】図3に示す切断器の斜視図。
【図5】図3における5−5線で指示される切断器の側面図。
【図6】図3における6−6線で指示される切断器の側面図。
【図7】別実施例に係わる本出願切断器の平面図。
【図8】図7に示す切断器の斜視図。
【図9】図7における9−9線で指示される切断器の側面図。
【図10】図7における10−10線で指示される切断器の側面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
果物または野菜を切断するための切断エッジを、いずれもが具備する、概ね長円形状の中央切断刃と、前記中央切断刃から外方に伸長し、かつ、互いに対して横断方向に配置された第1および第2切断刃とを有する切断構造体と、
前記第1および第2切断刃に結合された取っ手構造体とを含む、果物または野菜をスライスするための切断器。
【請求項2】
前記概ね長円形状が事実上楕円形状である請求項1に記載された果物または野菜をスライスするための切断器。
【請求項3】
前記楕円形状の長さ対幅の比が約1.6〜約3.8である請求項2に記載された果物または野菜をスライスするための切断器。
【請求項4】
前記楕円形状が、約50mm〜75mmの長さと、約20mm〜30mmの楕円形状の短軸沿いの幅を有する請求項2に記載された果物または野菜をスライスするための切断器。
【請求項5】
前記切断構造体がステンレス鋼で形成されている請求項1に記載された果物または野菜をスライスするための切断器。
【請求項6】
前記取っ手構造体が、
事実上円形の中央体と、
互いに対して横断方向で、前記楕円形状の長軸に対して事実上平行であり、かつ、前記中央体と一体に結合されている第1および第2伸長形状取っ手とを含む請求項1に記載された果物または野菜をスライスするための切断器。
【請求項7】
前記第1および第2取っ手がエラストマー材で形成されている請求項6に記載された果物または野菜をスライスするための切断器。
【請求項8】
前記切断エッジの各々が鋭いエッジである請求項1に記載された果物または野菜をスライスするための切断器。
【請求項9】
果物を切断するための鋭いエッジを、いずれもが有する、事実上楕円形状の中央切断刃と、互いに対して横断方向に配置され、前記楕円形状の長軸に対して事実上平行に前記中央切断器から外方に伸長する第1および第2切断刃とを有するステンレス鋼製切断構造体と、
前記第1および第2切断刃の第1および第2外端の各々に結合され、かつ、第1および第2取っ手を有する取っ手構造体とを含む、マンゴのような果物の種を取り除くための器具において、
前記中央切断刃に対して事実上中央に、かつ、前記鋭い刃に隣接させて、果物を位置づけ、果物側に向う力を前記第1および第2の取っ手に加えた時、前記鋭いエッジが果物を切断し、前記中央切断刃が果物を事実上種から剥ぎ取り、かつ、前記第1および第2切断刃が概ね半分に果物を切断するようになされている、マンゴのような果物の種を取り除く器具。
【請求項10】
前記楕円形状の長さ対幅の比が約1.6〜約3.8である請求項9に記載されたマンゴのような果物の種を取り除く器具。
【請求項11】
前記楕円形状が、約50mm〜75mmの楕円形状の長軸沿い長さと、約20mm〜30mmの楕円形状の短軸沿い幅とを有する請求項9に記載されたマンゴのような果物の種を取り除く器具。
【請求項12】
前記第1および第2取っ手がエラストマー材で形成されている請求項9に記載されたマンゴのような果物の種を取り除く器具。
【請求項13】
前記取っ手構造体が、事実上円形の中央体を含み、伸長形状の前記第1および第2取っ手が、互いに対して横断方向に、かつ、楕円形状の長軸に対して事実上平行に配設され、また、前記中央体と一体に結合されている請求項9に記載されたマンゴのような果物の種を取り除く器具。
【請求項14】
前記第1および第2取っ手が、前記第1および第2切断刃にそれぞれ結合されている請求項9に記載されたマンゴのような果物の種を取り除く器具。
【請求項15】
マンゴのような果物から種を取り除く方法において、
いずれも鋭いエッジを有する、事実上楕円形状の中央切断刃と、互いに対して横断方向に配設され、中央切断刃から外方に伸長する第1および第2切断刃とを含むステンレス鋼製切断構造体を提供する段階と、
第1および第2取っ手を有し、かつ、第1および第2切断器に結合された取っ手構造体を提供する段階と、
前記中央切断刃に対して概ね中央に、かつ、前記鋭いエッジに隣接して、果物を位置づける段階と、
果物側に向う力を前記第1および第2取っ手に加えて、前記鋭いエッジを果物に通し、種から果物を取り除く段階とを含む、マンゴのような果物から種を取り除く方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2008−526341(P2008−526341A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−549959(P2007−549959)
【出願日】平成17年1月17日(2005.1.17)
【国際出願番号】PCT/IB2005/000115
【国際公開番号】WO2006/075199
【国際公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【出願人】(506410110)ヘレン オブ トロイ リミテッド (23)
【Fターム(参考)】