ミキシングバランス表示装置
【課題】主音声(声音)および副音声(背景音)が別個の方向から提示される場合、または主音声および副音声の少なくとも一方が複数チャンネルで構成される場合にもミキシングバランスの良否度合いを表示できる装置を提供する。
【解決手段】声音信号SVのレベルLVを検出する声音信号レベル検出部2と、背景音信号SBのレベルLBを検出する背景音信号レベル検出部3と、声音AVおよび背景音ABの提示方向に関する情報IDを設定する提示方向情報設定部4と、提示方向情報ID、声音信号SVおよび背景音信号SBに基づいて背景音信号レベルLBを補正する補正部5と、声音信号レベルLVと補正部5から出力される補正後背景音信号レベルLB'に基づいて声音AVと背景音ABとのミキシングバランスを表す表示値Dを決定する表示値決定部6と、表示値Dを声音信号レベル検出部2で検出された声音信号レベルLVに応じて表示する表示部7と、を備える。
【解決手段】声音信号SVのレベルLVを検出する声音信号レベル検出部2と、背景音信号SBのレベルLBを検出する背景音信号レベル検出部3と、声音AVおよび背景音ABの提示方向に関する情報IDを設定する提示方向情報設定部4と、提示方向情報ID、声音信号SVおよび背景音信号SBに基づいて背景音信号レベルLBを補正する補正部5と、声音信号レベルLVと補正部5から出力される補正後背景音信号レベルLB'に基づいて声音AVと背景音ABとのミキシングバランスを表す表示値Dを決定する表示値決定部6と、表示値Dを声音信号レベル検出部2で検出された声音信号レベルLVに応じて表示する表示部7と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はミキシングバランス表示装置に係り、特に、主音声と副音声とをミキシングする際に主音声と副音声の提示方向の相違を考慮してミキシングバランスの良否度合いを表示することのできるミキシングバランス表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ラジオ放送あるいはテレビジョン放送で取り扱う音声はナレーション等の主音声と音楽、効果音等の副音声とに大別されるが、主音声と副音声を番組に相応しいバランスにミキシングすることが必要となる。
【0003】
従来、主音声の電気変換信号である主音声信号と副音声の電気変換信号である副音声信号をミキシングする場合、調整技術者(ミキサ)が実際に音声を聴取しながら調整卓のフェーダを手動調節していた。
【0004】
しかし、手動調整で最適なミキシングを実現するには熟練を要するため、本出願人は客観的なミキシングバランス値を表示することのできるミキシングバランス表示装置を既に提案している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−124892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された従来のミキシングバランス表示装置は、基本的にはモノラルの主音声信号とモノラルの副音声信号とをミキシングしてモノラルの音声信号とする場合を対象としたものであり、主音声および副音声が別個の方向から提示される場合、あるいは主音声および副音声の少なくとも一方が複数チャンネルで構成される場合には、表示値に従ってミキシングしても必ずしも最適なミキシングバランスとはならないという課題があった。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであって、主音声および副音声が別個の方向から提示される場合、あるいは主音声および副音声の少なくとも一方が複数チャンネルで構成される場合にもミキシングバランスの良否度合いを表示することのできるミキシングバランス表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るミキシングバランス表示装置は、主音声の電気信号である主音声信号のレベルを検出する主音声信号レベル検出部と、副音声の電気信号である副音声信号のレベルを検出する副音声信号レベル信号検出部と、前記主音声および前記副音声の提示方向に関する情報である提示方向情報を設定する提示方向情報設定部と、前記提示方向情報、前記主音声信号および前記副音声信号に基づいて前記副音声信号レベル検出部で検出された副音声信号レベルを補正する補正部と、前記主音声信号レベルと前記補正部から出力される補正後副音声レベルに基づいて前記主音声と前記副音声のミキシングバランスの良否度合いを表す表示値を決定する表示値決定部と、前記表示値を前記主音声信号レベル検出部で検出された主音声信号レベルに応じて表示する表示部と、を備える構成を有している。
【0009】
この構成によれば、主音声および副音声が別個の方向から提示される場合にもミキシングバランスの良否度合いを表示することができることとなる。
【0010】
本発明に係るミキシングバランス表示装置は、前記補正部が、前記主音声の聴取者の左耳で聴取される成分と右耳で聴取される成分との間の相関値を算出する主音声信号相関値算出要素と、前記副音声の聴取者の左耳で聴取される成分と右耳で聴取される成分との間の相関値を算出する副音声信号相関値算出要素と、前記主音声信号相関値算出部で算出された主音声信号相関値と前記副音声信号相関値算出部で算出された副音声信号相関値に基づいて相関補正量を算出する相関補正量算出要素と、前記提示方向情報に基づいて提示方向補正量を算出する提示方向補正量算出要素と、前記副音声信号レベルに前記相関補正量および前記提示方向補正量を加算して前記補正後副音声信号レベルを算出する補正量加算要素と、を備える構成を有している。
【0011】
この構成によれば、主音声および副音声の少なくとも一方が複数チャンネルで構成される場合にもミキシングバランスの良否度合いを表示することができることとなる。
【0012】
本発明に係るミキシングバランス表示装置は、前記表示値決定部が、前記補正後副音声信号レベルと前記主音声信号レベルのレベル差を算出するレベル差算出要素と、前記レベル差算出要素で算出されたレベル差を前記主音声信号レベルに応じて重み付けして重み付けレベル差を算出する重み付けレベル差算出要素と、前記重み付けレベル差算出要素で算出された重み付けレベル差を時間平均して平均レベル差を算出する平均レベル差算出要素と、前記主音声信号レベルを時間平均して平均主音声信号レベルを算出する平均主音声信号レベル算出要素と、前記平均レベル差算出要素で算出された平均レベル差と前記平均主音声信号レベル算出要素で算出された平均主音声信号レベルとに基づいて表示値を決定する表示値決定要素と、を備える構成を有している。
【0013】
この構成によれば、主音声が途絶えたときに良否度合いとして無意味な表示値が生成されることを防止できることとなる。
【0014】
本発明に係るミキシングバランス表示装置は、前記表示部が、前記主音声信号レベルに基づいて表示制御信号を生成する表示制御信号生成要素と、前記表示値を前記表示制御信号生成部で生成された表示制御信号の制御のもとに表示する表示要素と、を備える構成を有している。
【0015】
この構成によれば、主音声の短期間の途絶えによる不自然な表示を防止できることとなる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係るミキシングバランス表示装置によれば、主音声および副音声が別個の方向から提示される場合、あるいは主音声および副音声の少なくとも一方が複数チャンネルで構成される場合にもミキシングバランスの良否の度合いを表示することができることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係るミキシングバランス表示装置の実施形態のブロック線図である。
【図2】補正部の構成を示すブロック図である。
【図3】表示値決定部の構成を示すブロック図である。
【図4】表示部の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明に係るミキシングバランス表示装置の実施形態のハードウエア構成を示すブロック図である。
【図6】ミキシングバランス値算出プログラムのフローチャートである。
【図7】信号レベル検出処理の詳細フローチャートである。
【図8】声音放射位置および背景音放射位置と聴取位置の配置図である。
【図9】スピーカ配置図である。
【図10】補正処理の詳細フローチャートである。
【図11】表示値決定処理の詳細フローチャートである。
【図12】重み付きレベル差算出処理の詳細フローチャートである。
【図13】表示処理の詳細フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しつつ、本発明に係るミキシングバランス表示装置の実施形態について説明する。
【0019】
なお、実施例では、主音声がナレーション等の声音であり、副音声が背景音楽等の背景音であるものとする。
【0020】
図1は、本発明に係るミキシングバランス表示装置1の実施形態のブロック線図であって、声音AVの電気信号である声音信号SVのレベルLVを検出する声音信号レベル検出部2と、背景音ABの電気信号である背景音信号SBのレベルLBを検出する背景音信号レベル検出部3と、声音AVおよび背景音ABの提示方向に関する情報IDを設定する提示方向情報設定部4と、提示方向情報設定部4に設定された提示方向情報ID、声音信号SVおよび背景音信号SBに基づいて背景音信号レベル検出部3で検出された背景音信号レベルLBを補正する補正部5と、声音信号レベル検出部2で検出された声音信号レベルLVと補正部5から出力される補正後背景音信号レベルLB'に基づいて声音AVと背景音ABとのミキシングバランスを表す表示値Dを決定する表示値決定部6と、表示値決定部6で決定された表示値Dを声音信号レベル検出部2で検出された声音信号レベルLVに応じて表示する表示部7と、を備える。
【0021】
図2は補正部5の構成を示すブロック図であって、補正部5は、声音信号SVの聴取者の左耳で聴取される成分と右耳で聴取される成分との間の相関値を算出する声音信号相関値算出要素51と、背景音信号SBの聴取者の左耳で聴取される成分と右耳で聴取される成分との間の相関値を算出する背景音信号相関値算出要素52と、声音信号相関値算出要素51で算出された声音信号相関値CVと背景音信号相関値算出要素52で算出された背景音信号相関値CBに基づいて相関補正量QCを算出する相関補正量算出要素53と、提示方向情報IDに基づいて提示方向補正量QDを算出する提示方向補正量算出要素54と、背景音信号レベルLBに相関補正量QCおよび提示方向補正量QDを加算して補正後背景音信号レベルLB'を算出する加算要素55と、を備える。
【0022】
図3は表示値決定部6の構成を示すブロック図であって、表示値決定部6は、補正後背景音信号レベルLB'と声音信号レベルLVのレベル差ΔLを算出するレベル差算出要素61と、レベル差算出要素61で算出されたレベル差ΔLを声音信号レベルLVに応じて重み付けした重み付きレベル差ΔLWを算出する重み付きレベル差算出要素62と、重み付きレベル差算出要素62で算出された重み付きレベル差ΔLWを時間平均して平均レベル差ΔLWAを算出する平均レベル差算出要素63と、声音信号レベルLVを時間平均して平均声音信号レベルLVAを算出する平均声音信号レベル算出要素64と、平均レベル差算出要素63で算出された平均レベル差ΔLWAと平均声音信号レベル算出要素64で算出された平均主音声信号レベルLVAとに基づいて表示値Dを決定する表示値決定要素65と、を備える。
【0023】
図4は表示部7の構成を示すブロック図であって、表示部7は、声音信号レベルLVに基づいて表示制御信号Rを生成する表示制御信号生成要素71と、表示値Dを表示制御信号生成要素71で生成された表示制御信号Rの制御のもとに表示する表示要素72と、を備える。
【0024】
図5は、本発明に係るミキシングバランス表示装置1の実施形態のハードウエア構成を示すブロック図であって、いわゆるパーソナルコンピュータ(以下PCと記す。)を適用したシステムである。
【0025】
即ち、ミキシングバランス表示装置1はバス10を中心として、CPU11、メモリ12、アナログ・デジタル変換器(以下A/Dと記す。)13、デジタル出力回路(以下D/Oと記す。)14および周辺機器インターフェイス(以下I/Fと記す。)15が相互に結合されている。
【0026】
D/O14には、表示器16が接続されているが、詳細は後述する。
【0027】
I/F15には、ディスプレイパネル、キーボードおよび例えばマウスであるポインティングデバイスで構成される周辺機器17が接続されている。
【0028】
A/D13は、声音信号SVおよび背景音信号SBをミキシングバランス表示装置1に読み込むために使用される。
【0029】
キーボードおよびポインティングデバイスは提示方向情報IDをミキシングバランス表示装置1に入力する提示方向情報設定部4として機能し、ディスプレイおよび表示器16は表示値Dを表示する表示部7として機能する。
【0030】
また、声音信号レベル検出部2、背景音信号レベル検出部3、補正部5および表示値決定部6は、メモリ12にインストールされるプログラムによってPC内にソフトウエア的に構成される。
【0031】
図6はメモリ12にインストールされるミキシングバランス値算出プログラムのフローチャートであって、所定時間ごとの割り込み処理として実行される。
【0032】
CPU11は、信号レベル検出処理(ステップS21)、提示方向情報読み込み処理(ステップS22)、補正処理(ステップS23)、表示値決定処理(ステップS24)および表示処理(ステップS25)を順次実行するが、各処理の詳細は後述する。
【0033】
図7は信号レベル検出処理(ステップS21)の詳細フローチャートであって、まずCPU11は声音信号SVをA/D13を介して読み込む(ステップS211)。
【0034】
なお、分解能16ビット、サンプリング周波数48kHzでA/D変換した1024個の声音データDVを1フレームとして取り扱うことが一般的である。
【0035】
この場合、ミキシングバランス値算出プログラムは21.3ミリ秒(=1024÷48000×1000)ごとに実行されることとなる。
【0036】
次に、CPU11は背景音信号SBをA/D13を介して読み込む(ステップS212)。背景音についても1024個の背景音データDBを1フレームとして取り扱う。
【0037】
次に、CPU11は、声音信号SVのラウドネスレベルである声音信号レベルLVを検出し(ステップS213)、背景音信号SBのラウドネスレベルである背景音信号レベルLBを検出して(ステップS214)、この処理を終了する。
【0038】
ラウドネスレベルの検出方法としては、ISO562規格を適用することができる。また、ラウドネスレベルに代えて声音データDVおよび背景音データDBの自乗平均値をdB換算した平均エネルギレベルを使用することもできる。
【0039】
なお、本実施形態においては、適正ラウドネスレベルの声音信号と背景音信号とをミキシングしたミキシング音信号中の声音信号のラウドネスレベルを"0"で正規化した相対ラウドネスレベルを声音信号レベルおよび背景音信号レベルとしている。
【0040】
従って、適正ラウドネスレベルの可聴音信号中の声音信号レベルが70phonであるとすれば、背景音のラウドネスレベルが70phonであれば背景音信号レベルは"0"となり、背景音のラウドネスレベルが75phonであれば背景音信号レベルは"5"となる。
【0041】
ラウドネスレベル(phon値)の差はdB値の差にほぼ等しいので、以下ではphon値の差をdBで表示する。
【0042】
図8は提示方向情報読み込み処理(ステップS22)における提示方向情報IDの入力方法の一例を説明するための声音放射位置PVおよび背景音放射位置PBと聴取位置POの配置図であって、聴取位置POを基準として仰角θに声音放射位置PVが、方位角φに背景音放射位置PBが存在している場合を示している。この場合、仰角θおよび方位角φをキーボードおよびポインティングデバイスを使用して入力することとなる。
【0043】
なお、図8は聴取位置POから声音放射位置PVまでの距離と聴取位置POから背景音放射位置PBまでの距離は等しい場合を示しているが、距離が相違する場合は距離差に応じて声音レベルまたは背景音レベルの補正値σを入力するようにしてもよい。
【0044】
例えば、聴取位置POから声音放射位置PVまでの距離をr0、聴取位置POから背景音放射位置PBまでの距離をrとすると、背景音レベルに対する補正値σは[数1]によって算出することができる。
【0045】
【数1】
【0046】
なお、聴取位置POから背景音放射位置PBまでの距離をr0、聴取位置POから声音放射位置PVまでの距離をrとして、声音レベルを補正するようにしてもよいことは明らかである。
【0047】
また、声音および背景音の少なくとも一方が複数チャンネルを有する場合には、周知の音像合成方法を適用して、声音放射位置PVおよび背景音放射位置PBをそれぞれ一か所に集約するものとする。
【0048】
図9は2チャンネルの声音が2つのスピーカ9Lおよび9Rから放出されている場合のスピーカ配置図であって、2つのスピーカ9Lおよび9Rは聴取位置POから見た角度が2αの位置に配置されている。
【0049】
2つのスピーカ9Lおよび9Rの放出する声音信号レベルをそれぞれLLおよびLRとすると、2チャンネルの声音は、角度2αの二等分線に対して角度βを成す1つの仮想スピーカ9Vから放出されているものとみなすことができる。
【0050】
このとき、[数2]が成り立つ。
【0051】
【数2】
【0052】
背景音に対しても[数2]を適用することができることは明らかである。
【0053】
また、声音あるいは背景音が3チャンネル以上である場合には、[数2]により仮想スピーカの位置を決定する手順を繰り返すことにより、声音放射位置PVおよび背景音放射位置PBをそれぞれ一か所に集約することが可能となる。
【0054】
図10は補正処理(ステップS23)の詳細フローチャートであって、まずCPU11は声音信号相関値CVを算出する(ステップS231)。
【0055】
即ち、声音信号が複数チャンネル存在する場合に、声音信号間の相関の程度を表す数値を算出する。
【0056】
声音信号がSV1およびSV2の2チャンネルで構成される場合には、声音信号相関値CVは[数3]により算出される。
【0057】
【数3】
【0058】
次に、CPU11は声音と同様に背景音について背景音相互相関値CBを算出する(ステップS232)。
【0059】
そして、CPU11は声音信号相関値CVと背景音相互相関値CBから[数4]に基づき相関補正量QCを算出する(ステップS233)。
【0060】
【数4】
【0061】
上式は、MLD(Masking Level Difference)理論によれば、声音と背景音を同時に聴取した場合以下のことが知られている。
1.声音が左右耳で同位相(CV=1)、背景音が左右耳で逆位相(CB=−1)のとき:声音と背景音を同時に聴取すると、背景音は声音に比較して−13dBほどレベルが低減したものとみなすことができる。
2.声音が左右耳で逆位相(CV=−1)、背景音が左右耳で同位相(CB=1)のとき:声音と背景音を同時に聴取すると、背景音は声音に比較して−15dBほどレベルが低減したものとみなすことができる。
3.声音および背景音ともに左右耳で同位相(CV=1、CB=1)あるいは逆位相(CV=−1、CB=−1)であれば、背景音のレベルは低減したものとみなすことはできない。即ち背景音のレベル低減量は0dBである。
【0062】
ここで、簡略化のために1および2の場合のレベル低減量をともに−10dBと仮定すれば、相関補正量QCは[数4]により算出できることとなる。
【0063】
さらに、CPU11は提示方向情報読み込み処理(ステップS22)で読み込まれた提示方向情報IDに基づいて提示方向補正量QDを算出する(ステップS234)。
【0064】
図8に示すように、提示方向情報IDが仰角θおよび方位角φで構成される場合には、提示方向補正量QDは[数5]により算出される。
【0065】
【数5】
【0066】
ここで、Aは水平面上で声音と背景音の提示方向が90°相違する場合に、声音が聞き易くなる度合を表す実験値であり、例えば6dBである。
【0067】
また、Bは鉛直面内で声音と背景音の提示方向が90°相違する場合に、声音が聞き易くなる度合を表す実験値であり、例えば4dBである。
【0068】
なお、[数5]は実験式であるので、方位角φと仰角θを引数とするテーブルから提示方向補正量QDを求めるようにしてもよい。
【0069】
最後に、CPU11は背景音信号レベルLBに相関補正量QCおよび提示方向補正量QDを加算して補正後背景音信号レベルLB'を算出して(ステップS235)、この処理を終了する。
【0070】
図11は表示値決定処理(ステップS24)の詳細フローチャートであって、まずCPU11は補正後背景音信号レベルLB'から声音信号レベルLVを減算してレベル差ΔLを算出する(ステップS241)。
【0071】
次に、CPU11は、声音信号レベルLVに応じてレベル差ΔLを重み付けして重み付きレベル差ΔLWを算出する(ステップS242)。
【0072】
これは、連続した背景音信号に声音信号が断続的に重畳する場合に、声音信号が長期間途絶えている間は声音と背景音とのミキシングバランスという概念自体無意味であり、レベル差ΔLは有意な値ではない。
【0073】
また、声音信号が短期間途絶えたときは、レベル差ΔLの変動が激しく、ミキシングバランスの指標としては実用的ではない。
【0074】
そこで、声音が長期あるいは短期に途絶えて背景音だけとなった時にも連続性のあるミキシングバランス値を表示するために以下の処理をする。
【0075】
図12は重み付きレベル差算出処理の詳細フローチャートであって、CPU11は、声音信号レベルLVが第1の閾値レベルLV1(例えば−30dB)以下であるか否かを判定する(ステップS421)。
【0076】
CPU11は、ステップS431で肯定判定したときは、重み付きレベル差ΔLwを所定の最小値ΔLwMIN(例えば、−50dB)に設定して(ステップS422)この処理を終了する。
【0077】
CPU11は、ステップS421で否定判定したときは、声音信号レベルLVが第2の閾値レベルLV2(例えば−15dB)以上であるか否かを判定する(ステップS423)。
【0078】
CPU11は、ステップS423で肯定判定したときは、重み付きレベル差ΔLwをレベル差ΔL(=LB'−LV)に設定して(ステップS424)この処理を終了する。
【0079】
CPU11は、ステップS423で否定判定したときは、重み付きレベル差ΔLwが急変することを防止するために、声音信号レベルLVが第1の閾値レベルLV1から第2の閾値レベルLV2まで変化するときに重み付きレベル差ΔLwがΔLwMINからΔLまで単調に増加する適当な関数(例えば、声音信号レベルLVの1次関数)G(LV)を使用して重み付きレベル差ΔLwを算出して(ステップS425)、この処理を終了する。
【0080】
CPU11は、補正処理に戻り、重み付きレベル差ΔLwの時間平均値である平均レベル差ΔLwAを算出する(ステップS243)。
【0081】
次に、CPU11は声音信号レベルのパーセント時間率平均値である平均声音信号レベルLVAを算出する(ステップS244)。
【0082】
CPU11は、平均声音信号レベルLVAが予め定められた第3の閾値レベルLV3(例えば−15dB)以上であるか否かを判定する(ステップS245)。
【0083】
CPU11は平均声音信号レベルLVAが第3の閾値LV3以上であると判定したときは表示値Dを平均レベル差ΔLwAに設定して(ステップS246)この処理を終了する。
【0084】
逆に、CPU11は平均声音信号レベルLVAが第3の閾値LV3未満であると判定したときは表示値Dを予め定められた表示値D0に設定して(ステップS347)この処理を終了する。
【0085】
なお、予め定められた表示値D0としては、声音と背景音とが最適バランス状態にあるときの平均レベル差ΔLwA(例えば零dB)とすることが望ましい。
【0086】
図13は表示処理(ステップS25)の詳細フローチャートである。この処理は、声音が短期間途絶えるたびに声音と背景音とのミキシングバランスを示す表示値が変動することを抑制するためのものである。
【0087】
CPU11は声音信号レベルLVが所定の第4の閾値レベルLV4(例えば−15dB)以上であるか否かを判定する(ステップS251)。
【0088】
CPU11は声音信号レベルLVが第4の閾値レベルLV4以上であると判定したときは、声音信号が存在する状態にあることを示すフラグSを"1"に設定(ステップS252)し、声音が途絶えた状態での処理の実行回数を示すカウント値Nをリセット(ステップS253)した後、表示値Dをそのまま表示する(ステップS254)。
【0089】
CPU11はステップS251で声音信号レベルLVが第4の閾値レベルLV4未満であると判定したときは、声音が途絶えた状態に移行したものとしてフラグSが"1"であるか否かを判定する(ステップS255)。
【0090】
CPU11はステップS255でフラグSが"1"であると判定したときは、カウント値Nが予め定められた上限値N0以下であるか否かを判定する(ステップS256)。
【0091】
上限値N0は、声音が途絶えた状態と判定するための処理の実行回数であり、ミキシングバランス値算出プログラムを21.3ミリ秒ごとに実行する場合には、N0を100に設定すれば声音レベル信号が第4の閾値レベルLV4以下である状態が約2秒継続すると声音は長期間途絶えたと判定することとなる。
【0092】
CPU11はステップS256でカウント値Nが上限値N0以下であると判定したときは声音が長期間途絶えていないと判断して、カウント値Nをインクリメント(ステップS257)した後、ステップS254に進み表示値の表示を継続する。
【0093】
CPU11はステップS256でカウント値Nが上限値N0より大きいと判定したときは声音が長期間途絶えたとして、フラグSを"0"に設定(ステップS258)した後、表示値Dを不表示として(ステップS259)、この処理を終了する。
【0094】
CPU11はステップS255でフラグSが"1"でないと判定したときは、ステップS259に進み表示値Dを不表示とする。
【0095】
表示部7への表示値Dの表示方法としては、以下の方法が考えられる。
1)VUメータのようにミキシングバランスを指針により表示する。
2)信号機のような表示器16を使用して、ミキシングバランスをランプの色で表示する。
3)ディスプレイパネル上にミキシングバランスをバーグラフ表示する。
【0096】
実際には、表示値Dを「声音に対して背景音が非常に大きい」、「やや大きい」、「大きい」、「適正」、「小さい」、「やや小さい」、「非常に小さい」の7段階で表示することが現実的である。
【0097】
連続値である表示値Dを7段階表示とするためには、6つの閾値を定めることが必要となる。この閾値としては、例えば、6dB、4dB、2dB、−3dB、−6dB、−9dBを使用することができるが、心理実験を行って定めることが望ましい。
【産業上の利用可能性】
【0098】
以上説明したように、本発明に係るミキシングバランス表示装置は、主音声および副音声が別個の方向から提示される場合、あるいは主音声および副音声の少なくとも一方が複数チャンネルで構成される場合にもミキシングバランス値を表示することができるという効果を有するので、テレビジョン番組あるいはラジオ番組のように主音声と副音声のミキシングが必要な番組の制作時に使用する装置として有用である。
【符号の説明】
【0099】
1...ミキシングバランス表示装置
2...声音信号レベル検出部
3...背景音信号レベル検出部
4...提示方向情報設定部
5...補正部
6...表示値決定部
7...表示部
【技術分野】
【0001】
本発明はミキシングバランス表示装置に係り、特に、主音声と副音声とをミキシングする際に主音声と副音声の提示方向の相違を考慮してミキシングバランスの良否度合いを表示することのできるミキシングバランス表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ラジオ放送あるいはテレビジョン放送で取り扱う音声はナレーション等の主音声と音楽、効果音等の副音声とに大別されるが、主音声と副音声を番組に相応しいバランスにミキシングすることが必要となる。
【0003】
従来、主音声の電気変換信号である主音声信号と副音声の電気変換信号である副音声信号をミキシングする場合、調整技術者(ミキサ)が実際に音声を聴取しながら調整卓のフェーダを手動調節していた。
【0004】
しかし、手動調整で最適なミキシングを実現するには熟練を要するため、本出願人は客観的なミキシングバランス値を表示することのできるミキシングバランス表示装置を既に提案している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−124892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された従来のミキシングバランス表示装置は、基本的にはモノラルの主音声信号とモノラルの副音声信号とをミキシングしてモノラルの音声信号とする場合を対象としたものであり、主音声および副音声が別個の方向から提示される場合、あるいは主音声および副音声の少なくとも一方が複数チャンネルで構成される場合には、表示値に従ってミキシングしても必ずしも最適なミキシングバランスとはならないという課題があった。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであって、主音声および副音声が別個の方向から提示される場合、あるいは主音声および副音声の少なくとも一方が複数チャンネルで構成される場合にもミキシングバランスの良否度合いを表示することのできるミキシングバランス表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るミキシングバランス表示装置は、主音声の電気信号である主音声信号のレベルを検出する主音声信号レベル検出部と、副音声の電気信号である副音声信号のレベルを検出する副音声信号レベル信号検出部と、前記主音声および前記副音声の提示方向に関する情報である提示方向情報を設定する提示方向情報設定部と、前記提示方向情報、前記主音声信号および前記副音声信号に基づいて前記副音声信号レベル検出部で検出された副音声信号レベルを補正する補正部と、前記主音声信号レベルと前記補正部から出力される補正後副音声レベルに基づいて前記主音声と前記副音声のミキシングバランスの良否度合いを表す表示値を決定する表示値決定部と、前記表示値を前記主音声信号レベル検出部で検出された主音声信号レベルに応じて表示する表示部と、を備える構成を有している。
【0009】
この構成によれば、主音声および副音声が別個の方向から提示される場合にもミキシングバランスの良否度合いを表示することができることとなる。
【0010】
本発明に係るミキシングバランス表示装置は、前記補正部が、前記主音声の聴取者の左耳で聴取される成分と右耳で聴取される成分との間の相関値を算出する主音声信号相関値算出要素と、前記副音声の聴取者の左耳で聴取される成分と右耳で聴取される成分との間の相関値を算出する副音声信号相関値算出要素と、前記主音声信号相関値算出部で算出された主音声信号相関値と前記副音声信号相関値算出部で算出された副音声信号相関値に基づいて相関補正量を算出する相関補正量算出要素と、前記提示方向情報に基づいて提示方向補正量を算出する提示方向補正量算出要素と、前記副音声信号レベルに前記相関補正量および前記提示方向補正量を加算して前記補正後副音声信号レベルを算出する補正量加算要素と、を備える構成を有している。
【0011】
この構成によれば、主音声および副音声の少なくとも一方が複数チャンネルで構成される場合にもミキシングバランスの良否度合いを表示することができることとなる。
【0012】
本発明に係るミキシングバランス表示装置は、前記表示値決定部が、前記補正後副音声信号レベルと前記主音声信号レベルのレベル差を算出するレベル差算出要素と、前記レベル差算出要素で算出されたレベル差を前記主音声信号レベルに応じて重み付けして重み付けレベル差を算出する重み付けレベル差算出要素と、前記重み付けレベル差算出要素で算出された重み付けレベル差を時間平均して平均レベル差を算出する平均レベル差算出要素と、前記主音声信号レベルを時間平均して平均主音声信号レベルを算出する平均主音声信号レベル算出要素と、前記平均レベル差算出要素で算出された平均レベル差と前記平均主音声信号レベル算出要素で算出された平均主音声信号レベルとに基づいて表示値を決定する表示値決定要素と、を備える構成を有している。
【0013】
この構成によれば、主音声が途絶えたときに良否度合いとして無意味な表示値が生成されることを防止できることとなる。
【0014】
本発明に係るミキシングバランス表示装置は、前記表示部が、前記主音声信号レベルに基づいて表示制御信号を生成する表示制御信号生成要素と、前記表示値を前記表示制御信号生成部で生成された表示制御信号の制御のもとに表示する表示要素と、を備える構成を有している。
【0015】
この構成によれば、主音声の短期間の途絶えによる不自然な表示を防止できることとなる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係るミキシングバランス表示装置によれば、主音声および副音声が別個の方向から提示される場合、あるいは主音声および副音声の少なくとも一方が複数チャンネルで構成される場合にもミキシングバランスの良否の度合いを表示することができることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係るミキシングバランス表示装置の実施形態のブロック線図である。
【図2】補正部の構成を示すブロック図である。
【図3】表示値決定部の構成を示すブロック図である。
【図4】表示部の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明に係るミキシングバランス表示装置の実施形態のハードウエア構成を示すブロック図である。
【図6】ミキシングバランス値算出プログラムのフローチャートである。
【図7】信号レベル検出処理の詳細フローチャートである。
【図8】声音放射位置および背景音放射位置と聴取位置の配置図である。
【図9】スピーカ配置図である。
【図10】補正処理の詳細フローチャートである。
【図11】表示値決定処理の詳細フローチャートである。
【図12】重み付きレベル差算出処理の詳細フローチャートである。
【図13】表示処理の詳細フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しつつ、本発明に係るミキシングバランス表示装置の実施形態について説明する。
【0019】
なお、実施例では、主音声がナレーション等の声音であり、副音声が背景音楽等の背景音であるものとする。
【0020】
図1は、本発明に係るミキシングバランス表示装置1の実施形態のブロック線図であって、声音AVの電気信号である声音信号SVのレベルLVを検出する声音信号レベル検出部2と、背景音ABの電気信号である背景音信号SBのレベルLBを検出する背景音信号レベル検出部3と、声音AVおよび背景音ABの提示方向に関する情報IDを設定する提示方向情報設定部4と、提示方向情報設定部4に設定された提示方向情報ID、声音信号SVおよび背景音信号SBに基づいて背景音信号レベル検出部3で検出された背景音信号レベルLBを補正する補正部5と、声音信号レベル検出部2で検出された声音信号レベルLVと補正部5から出力される補正後背景音信号レベルLB'に基づいて声音AVと背景音ABとのミキシングバランスを表す表示値Dを決定する表示値決定部6と、表示値決定部6で決定された表示値Dを声音信号レベル検出部2で検出された声音信号レベルLVに応じて表示する表示部7と、を備える。
【0021】
図2は補正部5の構成を示すブロック図であって、補正部5は、声音信号SVの聴取者の左耳で聴取される成分と右耳で聴取される成分との間の相関値を算出する声音信号相関値算出要素51と、背景音信号SBの聴取者の左耳で聴取される成分と右耳で聴取される成分との間の相関値を算出する背景音信号相関値算出要素52と、声音信号相関値算出要素51で算出された声音信号相関値CVと背景音信号相関値算出要素52で算出された背景音信号相関値CBに基づいて相関補正量QCを算出する相関補正量算出要素53と、提示方向情報IDに基づいて提示方向補正量QDを算出する提示方向補正量算出要素54と、背景音信号レベルLBに相関補正量QCおよび提示方向補正量QDを加算して補正後背景音信号レベルLB'を算出する加算要素55と、を備える。
【0022】
図3は表示値決定部6の構成を示すブロック図であって、表示値決定部6は、補正後背景音信号レベルLB'と声音信号レベルLVのレベル差ΔLを算出するレベル差算出要素61と、レベル差算出要素61で算出されたレベル差ΔLを声音信号レベルLVに応じて重み付けした重み付きレベル差ΔLWを算出する重み付きレベル差算出要素62と、重み付きレベル差算出要素62で算出された重み付きレベル差ΔLWを時間平均して平均レベル差ΔLWAを算出する平均レベル差算出要素63と、声音信号レベルLVを時間平均して平均声音信号レベルLVAを算出する平均声音信号レベル算出要素64と、平均レベル差算出要素63で算出された平均レベル差ΔLWAと平均声音信号レベル算出要素64で算出された平均主音声信号レベルLVAとに基づいて表示値Dを決定する表示値決定要素65と、を備える。
【0023】
図4は表示部7の構成を示すブロック図であって、表示部7は、声音信号レベルLVに基づいて表示制御信号Rを生成する表示制御信号生成要素71と、表示値Dを表示制御信号生成要素71で生成された表示制御信号Rの制御のもとに表示する表示要素72と、を備える。
【0024】
図5は、本発明に係るミキシングバランス表示装置1の実施形態のハードウエア構成を示すブロック図であって、いわゆるパーソナルコンピュータ(以下PCと記す。)を適用したシステムである。
【0025】
即ち、ミキシングバランス表示装置1はバス10を中心として、CPU11、メモリ12、アナログ・デジタル変換器(以下A/Dと記す。)13、デジタル出力回路(以下D/Oと記す。)14および周辺機器インターフェイス(以下I/Fと記す。)15が相互に結合されている。
【0026】
D/O14には、表示器16が接続されているが、詳細は後述する。
【0027】
I/F15には、ディスプレイパネル、キーボードおよび例えばマウスであるポインティングデバイスで構成される周辺機器17が接続されている。
【0028】
A/D13は、声音信号SVおよび背景音信号SBをミキシングバランス表示装置1に読み込むために使用される。
【0029】
キーボードおよびポインティングデバイスは提示方向情報IDをミキシングバランス表示装置1に入力する提示方向情報設定部4として機能し、ディスプレイおよび表示器16は表示値Dを表示する表示部7として機能する。
【0030】
また、声音信号レベル検出部2、背景音信号レベル検出部3、補正部5および表示値決定部6は、メモリ12にインストールされるプログラムによってPC内にソフトウエア的に構成される。
【0031】
図6はメモリ12にインストールされるミキシングバランス値算出プログラムのフローチャートであって、所定時間ごとの割り込み処理として実行される。
【0032】
CPU11は、信号レベル検出処理(ステップS21)、提示方向情報読み込み処理(ステップS22)、補正処理(ステップS23)、表示値決定処理(ステップS24)および表示処理(ステップS25)を順次実行するが、各処理の詳細は後述する。
【0033】
図7は信号レベル検出処理(ステップS21)の詳細フローチャートであって、まずCPU11は声音信号SVをA/D13を介して読み込む(ステップS211)。
【0034】
なお、分解能16ビット、サンプリング周波数48kHzでA/D変換した1024個の声音データDVを1フレームとして取り扱うことが一般的である。
【0035】
この場合、ミキシングバランス値算出プログラムは21.3ミリ秒(=1024÷48000×1000)ごとに実行されることとなる。
【0036】
次に、CPU11は背景音信号SBをA/D13を介して読み込む(ステップS212)。背景音についても1024個の背景音データDBを1フレームとして取り扱う。
【0037】
次に、CPU11は、声音信号SVのラウドネスレベルである声音信号レベルLVを検出し(ステップS213)、背景音信号SBのラウドネスレベルである背景音信号レベルLBを検出して(ステップS214)、この処理を終了する。
【0038】
ラウドネスレベルの検出方法としては、ISO562規格を適用することができる。また、ラウドネスレベルに代えて声音データDVおよび背景音データDBの自乗平均値をdB換算した平均エネルギレベルを使用することもできる。
【0039】
なお、本実施形態においては、適正ラウドネスレベルの声音信号と背景音信号とをミキシングしたミキシング音信号中の声音信号のラウドネスレベルを"0"で正規化した相対ラウドネスレベルを声音信号レベルおよび背景音信号レベルとしている。
【0040】
従って、適正ラウドネスレベルの可聴音信号中の声音信号レベルが70phonであるとすれば、背景音のラウドネスレベルが70phonであれば背景音信号レベルは"0"となり、背景音のラウドネスレベルが75phonであれば背景音信号レベルは"5"となる。
【0041】
ラウドネスレベル(phon値)の差はdB値の差にほぼ等しいので、以下ではphon値の差をdBで表示する。
【0042】
図8は提示方向情報読み込み処理(ステップS22)における提示方向情報IDの入力方法の一例を説明するための声音放射位置PVおよび背景音放射位置PBと聴取位置POの配置図であって、聴取位置POを基準として仰角θに声音放射位置PVが、方位角φに背景音放射位置PBが存在している場合を示している。この場合、仰角θおよび方位角φをキーボードおよびポインティングデバイスを使用して入力することとなる。
【0043】
なお、図8は聴取位置POから声音放射位置PVまでの距離と聴取位置POから背景音放射位置PBまでの距離は等しい場合を示しているが、距離が相違する場合は距離差に応じて声音レベルまたは背景音レベルの補正値σを入力するようにしてもよい。
【0044】
例えば、聴取位置POから声音放射位置PVまでの距離をr0、聴取位置POから背景音放射位置PBまでの距離をrとすると、背景音レベルに対する補正値σは[数1]によって算出することができる。
【0045】
【数1】
【0046】
なお、聴取位置POから背景音放射位置PBまでの距離をr0、聴取位置POから声音放射位置PVまでの距離をrとして、声音レベルを補正するようにしてもよいことは明らかである。
【0047】
また、声音および背景音の少なくとも一方が複数チャンネルを有する場合には、周知の音像合成方法を適用して、声音放射位置PVおよび背景音放射位置PBをそれぞれ一か所に集約するものとする。
【0048】
図9は2チャンネルの声音が2つのスピーカ9Lおよび9Rから放出されている場合のスピーカ配置図であって、2つのスピーカ9Lおよび9Rは聴取位置POから見た角度が2αの位置に配置されている。
【0049】
2つのスピーカ9Lおよび9Rの放出する声音信号レベルをそれぞれLLおよびLRとすると、2チャンネルの声音は、角度2αの二等分線に対して角度βを成す1つの仮想スピーカ9Vから放出されているものとみなすことができる。
【0050】
このとき、[数2]が成り立つ。
【0051】
【数2】
【0052】
背景音に対しても[数2]を適用することができることは明らかである。
【0053】
また、声音あるいは背景音が3チャンネル以上である場合には、[数2]により仮想スピーカの位置を決定する手順を繰り返すことにより、声音放射位置PVおよび背景音放射位置PBをそれぞれ一か所に集約することが可能となる。
【0054】
図10は補正処理(ステップS23)の詳細フローチャートであって、まずCPU11は声音信号相関値CVを算出する(ステップS231)。
【0055】
即ち、声音信号が複数チャンネル存在する場合に、声音信号間の相関の程度を表す数値を算出する。
【0056】
声音信号がSV1およびSV2の2チャンネルで構成される場合には、声音信号相関値CVは[数3]により算出される。
【0057】
【数3】
【0058】
次に、CPU11は声音と同様に背景音について背景音相互相関値CBを算出する(ステップS232)。
【0059】
そして、CPU11は声音信号相関値CVと背景音相互相関値CBから[数4]に基づき相関補正量QCを算出する(ステップS233)。
【0060】
【数4】
【0061】
上式は、MLD(Masking Level Difference)理論によれば、声音と背景音を同時に聴取した場合以下のことが知られている。
1.声音が左右耳で同位相(CV=1)、背景音が左右耳で逆位相(CB=−1)のとき:声音と背景音を同時に聴取すると、背景音は声音に比較して−13dBほどレベルが低減したものとみなすことができる。
2.声音が左右耳で逆位相(CV=−1)、背景音が左右耳で同位相(CB=1)のとき:声音と背景音を同時に聴取すると、背景音は声音に比較して−15dBほどレベルが低減したものとみなすことができる。
3.声音および背景音ともに左右耳で同位相(CV=1、CB=1)あるいは逆位相(CV=−1、CB=−1)であれば、背景音のレベルは低減したものとみなすことはできない。即ち背景音のレベル低減量は0dBである。
【0062】
ここで、簡略化のために1および2の場合のレベル低減量をともに−10dBと仮定すれば、相関補正量QCは[数4]により算出できることとなる。
【0063】
さらに、CPU11は提示方向情報読み込み処理(ステップS22)で読み込まれた提示方向情報IDに基づいて提示方向補正量QDを算出する(ステップS234)。
【0064】
図8に示すように、提示方向情報IDが仰角θおよび方位角φで構成される場合には、提示方向補正量QDは[数5]により算出される。
【0065】
【数5】
【0066】
ここで、Aは水平面上で声音と背景音の提示方向が90°相違する場合に、声音が聞き易くなる度合を表す実験値であり、例えば6dBである。
【0067】
また、Bは鉛直面内で声音と背景音の提示方向が90°相違する場合に、声音が聞き易くなる度合を表す実験値であり、例えば4dBである。
【0068】
なお、[数5]は実験式であるので、方位角φと仰角θを引数とするテーブルから提示方向補正量QDを求めるようにしてもよい。
【0069】
最後に、CPU11は背景音信号レベルLBに相関補正量QCおよび提示方向補正量QDを加算して補正後背景音信号レベルLB'を算出して(ステップS235)、この処理を終了する。
【0070】
図11は表示値決定処理(ステップS24)の詳細フローチャートであって、まずCPU11は補正後背景音信号レベルLB'から声音信号レベルLVを減算してレベル差ΔLを算出する(ステップS241)。
【0071】
次に、CPU11は、声音信号レベルLVに応じてレベル差ΔLを重み付けして重み付きレベル差ΔLWを算出する(ステップS242)。
【0072】
これは、連続した背景音信号に声音信号が断続的に重畳する場合に、声音信号が長期間途絶えている間は声音と背景音とのミキシングバランスという概念自体無意味であり、レベル差ΔLは有意な値ではない。
【0073】
また、声音信号が短期間途絶えたときは、レベル差ΔLの変動が激しく、ミキシングバランスの指標としては実用的ではない。
【0074】
そこで、声音が長期あるいは短期に途絶えて背景音だけとなった時にも連続性のあるミキシングバランス値を表示するために以下の処理をする。
【0075】
図12は重み付きレベル差算出処理の詳細フローチャートであって、CPU11は、声音信号レベルLVが第1の閾値レベルLV1(例えば−30dB)以下であるか否かを判定する(ステップS421)。
【0076】
CPU11は、ステップS431で肯定判定したときは、重み付きレベル差ΔLwを所定の最小値ΔLwMIN(例えば、−50dB)に設定して(ステップS422)この処理を終了する。
【0077】
CPU11は、ステップS421で否定判定したときは、声音信号レベルLVが第2の閾値レベルLV2(例えば−15dB)以上であるか否かを判定する(ステップS423)。
【0078】
CPU11は、ステップS423で肯定判定したときは、重み付きレベル差ΔLwをレベル差ΔL(=LB'−LV)に設定して(ステップS424)この処理を終了する。
【0079】
CPU11は、ステップS423で否定判定したときは、重み付きレベル差ΔLwが急変することを防止するために、声音信号レベルLVが第1の閾値レベルLV1から第2の閾値レベルLV2まで変化するときに重み付きレベル差ΔLwがΔLwMINからΔLまで単調に増加する適当な関数(例えば、声音信号レベルLVの1次関数)G(LV)を使用して重み付きレベル差ΔLwを算出して(ステップS425)、この処理を終了する。
【0080】
CPU11は、補正処理に戻り、重み付きレベル差ΔLwの時間平均値である平均レベル差ΔLwAを算出する(ステップS243)。
【0081】
次に、CPU11は声音信号レベルのパーセント時間率平均値である平均声音信号レベルLVAを算出する(ステップS244)。
【0082】
CPU11は、平均声音信号レベルLVAが予め定められた第3の閾値レベルLV3(例えば−15dB)以上であるか否かを判定する(ステップS245)。
【0083】
CPU11は平均声音信号レベルLVAが第3の閾値LV3以上であると判定したときは表示値Dを平均レベル差ΔLwAに設定して(ステップS246)この処理を終了する。
【0084】
逆に、CPU11は平均声音信号レベルLVAが第3の閾値LV3未満であると判定したときは表示値Dを予め定められた表示値D0に設定して(ステップS347)この処理を終了する。
【0085】
なお、予め定められた表示値D0としては、声音と背景音とが最適バランス状態にあるときの平均レベル差ΔLwA(例えば零dB)とすることが望ましい。
【0086】
図13は表示処理(ステップS25)の詳細フローチャートである。この処理は、声音が短期間途絶えるたびに声音と背景音とのミキシングバランスを示す表示値が変動することを抑制するためのものである。
【0087】
CPU11は声音信号レベルLVが所定の第4の閾値レベルLV4(例えば−15dB)以上であるか否かを判定する(ステップS251)。
【0088】
CPU11は声音信号レベルLVが第4の閾値レベルLV4以上であると判定したときは、声音信号が存在する状態にあることを示すフラグSを"1"に設定(ステップS252)し、声音が途絶えた状態での処理の実行回数を示すカウント値Nをリセット(ステップS253)した後、表示値Dをそのまま表示する(ステップS254)。
【0089】
CPU11はステップS251で声音信号レベルLVが第4の閾値レベルLV4未満であると判定したときは、声音が途絶えた状態に移行したものとしてフラグSが"1"であるか否かを判定する(ステップS255)。
【0090】
CPU11はステップS255でフラグSが"1"であると判定したときは、カウント値Nが予め定められた上限値N0以下であるか否かを判定する(ステップS256)。
【0091】
上限値N0は、声音が途絶えた状態と判定するための処理の実行回数であり、ミキシングバランス値算出プログラムを21.3ミリ秒ごとに実行する場合には、N0を100に設定すれば声音レベル信号が第4の閾値レベルLV4以下である状態が約2秒継続すると声音は長期間途絶えたと判定することとなる。
【0092】
CPU11はステップS256でカウント値Nが上限値N0以下であると判定したときは声音が長期間途絶えていないと判断して、カウント値Nをインクリメント(ステップS257)した後、ステップS254に進み表示値の表示を継続する。
【0093】
CPU11はステップS256でカウント値Nが上限値N0より大きいと判定したときは声音が長期間途絶えたとして、フラグSを"0"に設定(ステップS258)した後、表示値Dを不表示として(ステップS259)、この処理を終了する。
【0094】
CPU11はステップS255でフラグSが"1"でないと判定したときは、ステップS259に進み表示値Dを不表示とする。
【0095】
表示部7への表示値Dの表示方法としては、以下の方法が考えられる。
1)VUメータのようにミキシングバランスを指針により表示する。
2)信号機のような表示器16を使用して、ミキシングバランスをランプの色で表示する。
3)ディスプレイパネル上にミキシングバランスをバーグラフ表示する。
【0096】
実際には、表示値Dを「声音に対して背景音が非常に大きい」、「やや大きい」、「大きい」、「適正」、「小さい」、「やや小さい」、「非常に小さい」の7段階で表示することが現実的である。
【0097】
連続値である表示値Dを7段階表示とするためには、6つの閾値を定めることが必要となる。この閾値としては、例えば、6dB、4dB、2dB、−3dB、−6dB、−9dBを使用することができるが、心理実験を行って定めることが望ましい。
【産業上の利用可能性】
【0098】
以上説明したように、本発明に係るミキシングバランス表示装置は、主音声および副音声が別個の方向から提示される場合、あるいは主音声および副音声の少なくとも一方が複数チャンネルで構成される場合にもミキシングバランス値を表示することができるという効果を有するので、テレビジョン番組あるいはラジオ番組のように主音声と副音声のミキシングが必要な番組の制作時に使用する装置として有用である。
【符号の説明】
【0099】
1...ミキシングバランス表示装置
2...声音信号レベル検出部
3...背景音信号レベル検出部
4...提示方向情報設定部
5...補正部
6...表示値決定部
7...表示部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主音声の電気信号である主音声信号のレベルを検出する主音声信号レベル検出部と、
副音声の電気信号である副音声信号のレベルを検出する副音声信号レベル信号検出部と、
前記主音声および前記副音声の提示方向に関する情報である提示方向情報を設定する提示方向情報設定部と、
前記提示方向情報、前記主音声信号および前記副音声信号に基づいて前記副音声信号レベル検出部で検出された副音声信号レベルを補正する補正部と、
前記主音声信号レベルと前記補正部から出力される補正後副音声レベルに基づいて前記主音声と前記副音声のミキシングバランスの良否度合いを表す表示値を決定する表示値決定部と、
前記表示値を前記主音声信号レベル検出部で検出された主音声信号レベルに応じて表示する表示部と、を備えるミキシングバランス表示装置。
【請求項2】
前記補正部が、
前記主音声の聴取者の左耳で聴取される成分と右耳で聴取される成分との間の相関値を算出する主音声信号相関値算出要素と、
前記副音声の聴取者の左耳で聴取される成分と右耳で聴取される成分との間の相関値を算出する副音声信号相関値算出要素と、
前記主音声信号相関値算出部で算出された主音声信号相関値と前記副音声信号相関値算出部で算出された副音声信号相関値に基づいて相関補正量を算出する相関補正量算出要素と、
前記提示方向情報に基づいて提示方向補正量を算出する提示方向補正量算出要素と、
前記副音声信号レベルに前記相関補正量および前記提示方向補正量を加算して前記補正後副音声信号レベルを算出する補正量加算要素と、を備える請求項1に記載のミキシングバランス表示装置。
【請求項3】
前記表示値決定部が、
前記補正後副音声信号レベルと前記主音声信号レベルのレベル差を算出するレベル差算出要素と、
前記レベル差算出要素で算出されたレベル差を前記主音声信号レベルに応じて重み付けして重み付けレベル差を算出する重み付けレベル差算出要素と、
前記重み付けレベル差算出要素で算出された重み付けレベル差を時間平均して平均レベル差を算出する平均レベル差算出要素と、
前記主音声信号レベルを時間平均して平均主音声信号レベルを算出する平均主音声信号レベル算出要素と、
前記平均レベル差算出要素で算出された平均レベル差と前記平均主音声信号レベル算出要素で算出された平均主音声信号レベルとに基づいて表示値を決定する表示値決定要素と、を備える請求項1または請求項2に記載のミキシングバランス表示装置。
【請求項4】
前記表示部が、
前記主音声信号レベルに基づいて表示制御信号を生成する表示制御信号生成要素と、
前記表示値を前記表示制御信号生成部で生成された表示制御信号の制御のもとに表示する表示要素と、を備える請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のミキシングバランス表示装置。
【請求項1】
主音声の電気信号である主音声信号のレベルを検出する主音声信号レベル検出部と、
副音声の電気信号である副音声信号のレベルを検出する副音声信号レベル信号検出部と、
前記主音声および前記副音声の提示方向に関する情報である提示方向情報を設定する提示方向情報設定部と、
前記提示方向情報、前記主音声信号および前記副音声信号に基づいて前記副音声信号レベル検出部で検出された副音声信号レベルを補正する補正部と、
前記主音声信号レベルと前記補正部から出力される補正後副音声レベルに基づいて前記主音声と前記副音声のミキシングバランスの良否度合いを表す表示値を決定する表示値決定部と、
前記表示値を前記主音声信号レベル検出部で検出された主音声信号レベルに応じて表示する表示部と、を備えるミキシングバランス表示装置。
【請求項2】
前記補正部が、
前記主音声の聴取者の左耳で聴取される成分と右耳で聴取される成分との間の相関値を算出する主音声信号相関値算出要素と、
前記副音声の聴取者の左耳で聴取される成分と右耳で聴取される成分との間の相関値を算出する副音声信号相関値算出要素と、
前記主音声信号相関値算出部で算出された主音声信号相関値と前記副音声信号相関値算出部で算出された副音声信号相関値に基づいて相関補正量を算出する相関補正量算出要素と、
前記提示方向情報に基づいて提示方向補正量を算出する提示方向補正量算出要素と、
前記副音声信号レベルに前記相関補正量および前記提示方向補正量を加算して前記補正後副音声信号レベルを算出する補正量加算要素と、を備える請求項1に記載のミキシングバランス表示装置。
【請求項3】
前記表示値決定部が、
前記補正後副音声信号レベルと前記主音声信号レベルのレベル差を算出するレベル差算出要素と、
前記レベル差算出要素で算出されたレベル差を前記主音声信号レベルに応じて重み付けして重み付けレベル差を算出する重み付けレベル差算出要素と、
前記重み付けレベル差算出要素で算出された重み付けレベル差を時間平均して平均レベル差を算出する平均レベル差算出要素と、
前記主音声信号レベルを時間平均して平均主音声信号レベルを算出する平均主音声信号レベル算出要素と、
前記平均レベル差算出要素で算出された平均レベル差と前記平均主音声信号レベル算出要素で算出された平均主音声信号レベルとに基づいて表示値を決定する表示値決定要素と、を備える請求項1または請求項2に記載のミキシングバランス表示装置。
【請求項4】
前記表示部が、
前記主音声信号レベルに基づいて表示制御信号を生成する表示制御信号生成要素と、
前記表示値を前記表示制御信号生成部で生成された表示制御信号の制御のもとに表示する表示要素と、を備える請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のミキシングバランス表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−252023(P2010−252023A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−98932(P2009−98932)
【出願日】平成21年4月15日(2009.4.15)
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【出願人】(591053926)財団法人エヌエイチケイエンジニアリングサービス (169)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月15日(2009.4.15)
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【出願人】(591053926)財団法人エヌエイチケイエンジニアリングサービス (169)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]