ミシンのプーラー装置
【課題】被縫製物が大型である場合も被縫製物の送り効率をアップでき、また被縫製物のずれを防いで真直ぐに搬送できるミシンのプーラー装置を提供する。
【解決手段】ミシン針7の前側であって被縫製物Wの上下面側にそれぞれ配置される針前上プーラー10および針前下プーラー11と、ミシン針7の後側であって被縫製物Wの上下面側にそれぞれ配置される針後上プーラー12および針後下プーラー13とを備えているミシンのプーラー装置において、ミシン針7の右下側の前後であって被縫製物Wの上下面側にそれぞれ配置される針右上プーラー54,56および針右下プーラー55,57とを備える。
【解決手段】ミシン針7の前側であって被縫製物Wの上下面側にそれぞれ配置される針前上プーラー10および針前下プーラー11と、ミシン針7の後側であって被縫製物Wの上下面側にそれぞれ配置される針後上プーラー12および針後下プーラー13とを備えているミシンのプーラー装置において、ミシン針7の右下側の前後であって被縫製物Wの上下面側にそれぞれ配置される針右上プーラー54,56および針右下プーラー55,57とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はミシンのプーラー装置に係り、より詳しくは、特に大型サイズの被縫製物の搬送に好適なミシンのプーラー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、たとえば、段ボール用ミシンのプーラー装置において被縫製物である段ボールの上面側であってミシン針の前後にそれぞれ配置する針前上プーラーおよび針後上プーラーと、前記段ボールの下面側であって前記ミシン針の前後にそれぞれ配置して前記針前上プーラーおよび針後上プーラーとの間で前記段ボールを挟持してミシン針後方側に搬送する針前下プーラーおよび針後下プーラーとを備えたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2006−175157号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記ミシンのプーラー装置では、上下一対の針前上プーラー・針前下プーラーと、上下一対の針後上プーラー・針後下プーラーとの2組のみのプーラーで構成されるため、被縫製物である段ボールが小型サイズである場合は段ボールの搬送時の姿勢および搬送の確実性を十分に保持し得るが、段ボールが大型サイズになると、段ボールの搬送時の姿勢および搬送の確実性に欠け、所望の縫製製品の仕上がり品質が得られないという問題があった。
【0005】
そこで本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、被縫製物が大型である場合も被縫製物の送り効率をアップでき、また被縫製物のずれを防いで真直ぐに搬送できるミシンのプーラー装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、請求項1に記載のように、発明の内容を理解しやすくするために図1〜図14に付した符号を参照して説明すると、ミシン針(7)の前側であって被縫製物(W)の上下面側にそれぞれ配置される上下一対の針前上プーラー(10)および針前下プーラー(11)と、ミシン針(7)の後側であって被縫製物(W)の上下面側にそれぞれ配置される上下一対の針後上プーラー(12)および針後下プーラー(13)とを備え、針前上プーラー(10)および針後上プーラー(12)と、針前下プーラー(11)および針後下プーラー(13)との間で被縫製物(W)を挟持してミシン針後方側に搬送するミシンのプーラー装置において、ミシン針(7)の右下側の前後であって被縫製物(W)の上下面側にそれぞれ配置されて被縫製物(W)を挟持して針前上プーラー(10)、針前下プーラー(11)、針後上プーラー(12)および針後下プーラー(13)と同時に共同してミシン針後方側に搬送する針右上プーラー(54),(56)および針右下プーラー(55),(57)を備えていることに特徴を有するものである。
【0007】
このような構成のミシンのプーラー装置によると、針前上プーラー(10)、針前下プーラー(11)、針後上プーラー(12)、および針後下プーラー(13)のほかに、更に、前後の針右上プーラー(54),(56)および前後の針右下プーラー(55),(57)を付加することによって、被縫製物(W)の搬送方向(前後方向)に対する左右の搬送力にばらつきが生じるのを解消できるため、被縫製物(W)が大型である場合も被縫製物(W)の送り効率をアップでき、また被縫製物(W)のずれを防いで真直ぐに搬送できる。
【0008】
請求項1記載のミシンのプーラー装置は、請求項2に記載のように、更に又、ミシン針(7)の左側の前後であって被縫製物(W)の上下面側にそれぞれ配置されて被縫製物(W)を挟持して針前上プーラー(10)、針前下プーラー(11)、針後上プーラー(12)、針後下プーラー(13)、針右上プーラーおよび針右下プーラーと同時に共同してミシン針後方側に搬送する針左上プーラー(50),(52)および針左下プーラー(51),(53)を備えた構成を採用することができる。これによると、被縫製物(W)の搬送方向(前後方向)に対する左右の搬送力にばらつきが生じるのをより一層確実に解消できるため、被縫製物(W)が大型である場合も被縫製物(W)の送り効率を更にアップでき、また被縫製物(W)のずれをより確実に防ぐことができて真直ぐに搬送できる。
【0009】
請求項1記載のミシンのプーラー装置は、請求項3に記載のように、針前上プーラー(1お)、針後上プーラー(12)、および針右上プーラー(54),(56)をそれぞれノンクラッシュロールで構成することができる。
【0010】
請求項2記載のミシンのプーラー装置は、請求項4に記載のように、針左上プーラー(50),(52)をノンクラッシュロールで構成することができる。
【0011】
請求項1又は3記載のミシンのプーラー装置は、請求項5に記載のように、針前下プーラー(11)、針後下プーラー(13)および針右下プーラー(55),(57)をそれぞれ外周にラフトップベルトを装着したラフトップベルト装着ロールで構成することができる。
【0012】
請求項2又は4記載のミシンのプーラー装置は、請求項6に記載のように、針左下プーラー(51),(53)を外周にラフトップベルトを装着したラフトップベルト装着ロールで構成することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、被縫製物が大型である場合も被縫製物の送り効率をアップでき、また被縫製物の搬送力のばらつきを解消できて均一に真直ぐに搬送できて縫製製品の仕上がり品質の安定化を図れるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づき説明する。図1は本発明の一実施例のミシンのプーラー装置の全体構成を示す外観斜視図、図2は同ミシンのプーラー装置の正面図、図3は同ミシンのプーラー装置の左側面図、図4は同ミシンのプーラー装置の底面図、図5は図2におけるA−A線断面図、図6は図2におけるB−B線断面図、図7はプーラー装置のみの左側面図、図8はプーラー装置のみの底面図、図9は図7におけるC−C線断面図、図10はプーラー装置のみを左前方から見た斜視図、図11はプーラー装置のみを左後方から見た斜視図、図12はプーラー装置のみを右前方から見た斜視図、図13はプーラー装置の全プーラー配置構成および被縫製物の縫合状態を示す斜視図である。
【0015】
本実施形態では、ミシン針が上下動を行う方向を上下方向(Z軸方向)とし、これと直交するひとつの方向である被縫製物の送り方向を前後方向(X軸方向)とし、上下方向と前後方向の両方に直交する方向を左右方向(Y軸方向)として説明する。
【0016】
本発明の一実施例のミシン1のプーラー装置2は、図1〜図6に示すように、ミシン1の本体フレーム3に取り付けられている。
図7、図10、図11に示されるように、本体フレーム3は、ミシン駆動用サーボモータ9によって回転駆動される上軸(主軸)90、上軸90と平行に配備される中間軸91および下軸92、上軸90上の第1ベルトプーリ93と中間軸91上の第2ベルトプーリ94に掛けた第1タイミングベルト95、中間軸91上の第3ベルトプーリ96と下軸92上の第4ベルトプーリ97に掛けた下軸駆動用タイミングベル98とを備えている。また、図5、図7、図9に示されるように、本体フレーム3には、針板4、針棒5、針駆動機構6を備えており、針棒5の下端にはミシン針7が支持されている。そして、針棒5が上軸90の回転を受け針棒クランク5Cを介して作動する針駆動機構6により上下方向に往復動作されることにより、針板4に形成された針穴に対してミシン針7が針落ちを行うようになっている。針板4の下方にはミシン針7の糸を手繰り、ミシン針7と協働して縫い目を形成するルーパー8を備えている。ルーパー8は、図7、図10に示されるように、下軸92から動力を受け第1ねじ歯車84、ルーパー振元直交軸85、ルーパー振元ロッド87等よりなる周知のルーパー駆動機構を介して作動する。
【0017】
図7〜図12に示すように、プーラー装置2は、ミシン針7の前側であって被縫製物(段ボールあるいは布、樹脂シート等)Wの上下面側に位置するように上下一対の針前上プーラー10および針前下プーラー11を配置し、かつミシン針7の後側であって被縫製物Wの上下面側に位置するように上下一対の針後上プーラー12および針後下プーラー13を配置するとともに、針前上プーラー10および針後上プーラー12に回転駆動力を伝達する上プーラー駆動機構14と、針前下プーラー11および針後下プーラー13に回転駆動力を伝達する下プーラー駆動機構15とを備えている。図5に示すように、針前上プーラー10は、第1支持手段S1により針前下プーラー11に対し上下方向に位置調整可能に本体フレーム3上に支持され、針後上プーラー12は、第2支持手段S2により針後下プーラー13に対し上下方向に位置調整可能に本体フレーム3上に支持される。
【0018】
上プーラー駆動機構14は、図10に示すように、上プーラー駆動用サーボモータ16によって回転駆動される上プーラー駆動軸17から駆動力を得て針前上プーラー10を回転させる針前上プーラー駆動機構18と、上プーラー駆動軸17から駆動力を得て針後上プーラー12を回転させる針後上プーラー駆動機構19とを備える。針前上プーラー駆動機構18は、図7、図10に示すように、上プーラー駆動軸17に前伝動軸20を第2ねじ歯車21を介して交差し、前伝動軸20上の第5ベルトプーリ22と針前上プーラー10の軸23上の第6ベルトプーリ24に第2タイミングベルト25をかけてなる。針後上プーラー駆動機構19は、図7、図10、図11に示すように、上プーラー駆動軸17に後伝動軸26を第3ねじ歯車27を介して交差し、後伝動軸26上の第7ベルトプーリ28と針後上プーラー12の軸29上の第8ベルトプーリ30に第3タイミングベルト31をかけてなる。
【0019】
下プーラー駆動機構15は、図7、図10に示すように、下プーラー駆動用サーボモータ32によって回転駆動される回転軸32aから下プーラー駆動用タイミングベルト34を介して下プーラー駆動軸33を回転させ、この下プーラー駆動軸33から駆動力を得て針前下プーラー11を回転させる針前下プーラー駆動機構35と、下プーラー駆動軸33から駆動力を得て針後下プーラー13を回転させる針後下プーラー駆動機構36とを備える。針前下プーラー駆動機構35は、図7、図10に示すように、下プーラー駆動軸33に第1下プーラー伝動軸37を第1傘歯車38を介して交差し、第1下プーラー伝動軸上37の第9ベルトプーリ39と針前下プーラー11の軸40上の第10ベルトプーリ41に第4タイミングベルト42をかけてなる。針後下プーラー駆動機構36は、図7、図10に示すように、第1下プーラー伝動軸上37の第5ベルトプーリ39と針後下プーラー13の軸46上の第11ベルトプーリ47に前記第4タイミングベルト42を共用してかけてなる。
【0020】
しかるときは、被縫製物Wの縫製時にミシン針7の往復動に同期させて互いに反対方向に回転させる針前上プーラー10と針前下プーラー11の間および針後上プーラー12と針後下プーラー13の間で被縫製物Wを挟持してミシン針後方側に間欠的に搬送させることができる。
【0021】
本発明は、上記構成のミシン1のプーラー装置2において、更に、図13に示すように、ミシン針7の左側の前後であって被縫製物Wの上下面側にそれぞれ配置され被縫製物Wを挟持して針前上下プーラー10,11および針後上下プーラー12,13と同時に共同してミシン針後方側に搬送する針左上プーラー50,52および針左下プーラー51,53と、ミシン針7の右下側の前後であって被縫製物Wの上下面側にそれぞれ配置され被縫製物7を挟持して針前上下プーラー10,11、針後上下プーラー12,13、針左上プーラー50,52および針左下プーラー51,53と同時に共同してミシン針後方側に搬送する針右上プーラー54,56および針右下プーラー55,57と、を備えるというものである。
【0022】
図1〜図3に示すように、針左上プーラー50,52は、第3支持手段S3により針左下プーラー51,53に対し上下方向に位置調整可能に本体フレーム3上に支持される。図4に示すように、針右上プーラー54,56は、第4支持手段S4により針右下プーラー55,57に対し上下方向に位置調整可能に本体フレーム3上に支持される。
【0023】
前後の針左上プーラー50,52を針前上プーラー10および針後上プーラー12と同時に駆動するに際し、図10〜図12に示すように、後側の針左上プーラー52は上プーラー駆動機構14における後伝動軸26の延長軸上に第12ベルトプーリ58を固定し、この第12ベルトプーリ58と後側の針左上プーラー52の軸59上の第13ベルトプーリ60とに第5タイミングベルト61を掛けてなり、前側の針左上プーラー50は、後側の針左上プーラー52の軸59上の第14ベルトプーリ62と前側の針左上プーラー50の軸63上の第15ベルトプーリ64とに第6タイミングベルト65を掛けてなる。
前後の針左下プーラー51,53を針前下プーラー11および針後下プーラー13と同時に駆動するに際し、図6に示すように、前側の針左下プーラー51は針前下プーラー軸40の延長軸上に固定し、後側の針左下プーラー53は針後下プーラー軸46の延長軸上に固定してなる。
【0024】
前後の針右上プーラー54,56を、針前上プーラー10、針後上プーラー12、前後の針左上プーラー50,52と同時に駆動するに際し、図8、図12に示すように、前側の針右上プーラー54は上プーラー駆動機構14における上プーラー駆動軸17に上プーラー伝動軸66を第4ねじ歯車67を介して交差し、上プーラー伝動軸66上の第16ベルトプーリ68と前側の針右上プーラー54の軸69上の第17ベルトプーリ70とに第8タイミングベルト71を掛けてなり、後側の針右上プーラー56はこの後側の針右上プーラー56の軸72上の第18ベルトプーリ73と前側の針右上プーラー軸69上の第19ベルトプーリ74とに第8タイミングベルト75を掛けてなる。
前後の針右下プーラー55,57を、針前下プーラー11、針後下プーラー13、前後の針左下プーラー51,53と同時に駆動するに際し、図7、図11に示すように、下プーラー駆動機構15における下プーラー駆動軸33に第3下プーラー伝動軸76を第2傘歯車77を介して交差し、第3下プーラー伝動軸76上の第20ベルトプーリ78と前側の針右下プーラー55の軸79上の第21ベルプーリ80および後側の針右下プーラー57の軸81の第22ベルトプーリ82とに第9タイミングベルト83を掛けてなる。
【0025】
上記のように構成されたプーラー装置2によれば、針前上プーラー10、針後上プーラー12、および針前下プーラー11、針後下プーラー13のほかに、前後の針左上プーラー50,52、前後の針左下プーラー51,53、前後の針右上プーラー54,56、および前後の針右下プーラー55,57を付加することによって、被縫製物Wの搬送方向(前後方向)に対する左右の搬送力にばらつきが生じるのを解消でき、被縫製物Wが大型である場合も被縫製物Wの送り効率をアップできるとともに、被縫製物Wのずれを防いで真直ぐに搬送できる。したがって、大型の被縫製物Wの縫製仕上げ品質を安定化させることができる。
【0026】
針前上プーラー10、針後上プーラー12、前後の針左上プーラー50,52、および前後の針右上プーラー54,56には、ノンクラッシュロールを用い、針前下プーラー11、針後下プーラー13、前後の針左下プーラー51,53および前後の針右下プーラー55,57にはそれぞれ外周にラフトップベルトを装着したラフトップベルト装着ロールを用いることが好ましい。ノンクラッシュロールを使用することにより、被縫製物Wが段ボールである場合、段ボールのフルート(波状の構造)を潰さず、軽く押えて確実に送ることができ、ノンクラッシュロールが放射状に形成したリブが圧力で潰れることで、段ボールの品質を損なわずに搬送でき、また被縫製物Wの厚みが変わっても敢えて調整することなく搬送できる。またラフトップベルト装着ロールを使用することにより、ベルト表面の軟質凹凸模様によりスリップが無く、段ボールの搬送に適している。
【0027】
上記実施例では、針前上プーラー10、針後上プーラー12、針左上プーラー50,52、および針右上プーラー54,56は上プーラー駆動用サーボモータ16で駆動し、針前下プーラー11、針後下プーラー13、針左下プーラー51,53および針右下プーラー55,57は下プーラー駆動用サーボモータ32でそれぞれ駆動する方式を採用するが、これに限定されない。すなわち、針前上プーラー10、針後上プーラー12、針左上プーラー50,52、および針右上プーラー54,56の上プーラー群のみを駆動させるか、または針前下プーラー11、針後下プーラー13、針左下プーラー51,53および針右下プーラー55,57の下プーラー群のみを駆動させる方式のいずれかを採用することもできる。
【0028】
上プーラー駆動用または下プーラー駆動用のサーボモータ16,32に代えて、ゼネバ機構等を採用することもできる。
【0029】
ミシン1による網目形式は本縫い、二重環縫い、単環縫い等いずれの縫目形式を採用することもできる。
【0030】
本発明は、図13に示すように段ボールや樹脂シート等の被縫製物Wを直角に折り曲げてその折曲部の縫合部Hを縫製する場合以外に、図14に示すように被縫製物Wを鋭角に折り曲げてその折曲部の縫合部Hを縫製する場合にも同様に適用できることは言うまでもない。
【0031】
また、本発明では上記実施例のように針前上下プーラー10,11、針後上下プーラー12,13、針左上プーラー50,52、針左下プーラー51,53、針右上プーラー54,56および針右下プーラー55,57の組み合わせによるプーラー装置を採用することが大型サイズの被縫製物Wの送り効率を向上させ、またその被縫製物Wのずれを防いで真直ぐに搬送させるうえで最も好ましいが、必ずしもその組み合わせに限定されるものではない。そのほかに、針左上プーラー50,52および針左下プーラー51,53を省いた、針前上下プーラー10,11、針後上下プーラー12,13、針右上プーラー54,56および針右下プーラー55,57の組み合わせによるものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施例のミシンのプーラー装置の全体構成を示す外観斜視図である。
【図2】同ミシンのプーラー装置の正面図である。
【図3】同ミシンのプーラー装置の左側面図である。
【図4】同ミシンのプーラー装置の底面図である。
【図5】図2におけるA−A線断面図である。
【図6】図2におけるB−B線断面図である。
【図7】プーラー装置のみの左側面図である。
【図8】プーラー装置のみの底面図である。
【図9】図7におけるC−C線断面図である。
【図10】プーラー装置のみを左前方から見た斜視図である。
【図11】プーラー装置のみを左後方から見た斜視図である。
【図12】プーラー装置のみを右前方から見た斜視図である。
【図13】プーラー装置の全プーラー配置構成および被縫製物の縫合状態を示す斜視図である。
【図14】他の実施例を図13に相応して示す断面図である。
【符号の説明】
【0033】
1 ミシン
2 プーラー装置
7 ミシン針
10 針前上プーラー
11 針前下プーラー
12 針後上プーラー
13 針後下プーラー
50,52 前後の針左上プーラー
51,53 前後の針左下プーラー
54,56 前後の針右上プーラー
55,57 前後の針右下プーラー
W 被縫製物
【技術分野】
【0001】
本発明はミシンのプーラー装置に係り、より詳しくは、特に大型サイズの被縫製物の搬送に好適なミシンのプーラー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、たとえば、段ボール用ミシンのプーラー装置において被縫製物である段ボールの上面側であってミシン針の前後にそれぞれ配置する針前上プーラーおよび針後上プーラーと、前記段ボールの下面側であって前記ミシン針の前後にそれぞれ配置して前記針前上プーラーおよび針後上プーラーとの間で前記段ボールを挟持してミシン針後方側に搬送する針前下プーラーおよび針後下プーラーとを備えたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2006−175157号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記ミシンのプーラー装置では、上下一対の針前上プーラー・針前下プーラーと、上下一対の針後上プーラー・針後下プーラーとの2組のみのプーラーで構成されるため、被縫製物である段ボールが小型サイズである場合は段ボールの搬送時の姿勢および搬送の確実性を十分に保持し得るが、段ボールが大型サイズになると、段ボールの搬送時の姿勢および搬送の確実性に欠け、所望の縫製製品の仕上がり品質が得られないという問題があった。
【0005】
そこで本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、被縫製物が大型である場合も被縫製物の送り効率をアップでき、また被縫製物のずれを防いで真直ぐに搬送できるミシンのプーラー装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、請求項1に記載のように、発明の内容を理解しやすくするために図1〜図14に付した符号を参照して説明すると、ミシン針(7)の前側であって被縫製物(W)の上下面側にそれぞれ配置される上下一対の針前上プーラー(10)および針前下プーラー(11)と、ミシン針(7)の後側であって被縫製物(W)の上下面側にそれぞれ配置される上下一対の針後上プーラー(12)および針後下プーラー(13)とを備え、針前上プーラー(10)および針後上プーラー(12)と、針前下プーラー(11)および針後下プーラー(13)との間で被縫製物(W)を挟持してミシン針後方側に搬送するミシンのプーラー装置において、ミシン針(7)の右下側の前後であって被縫製物(W)の上下面側にそれぞれ配置されて被縫製物(W)を挟持して針前上プーラー(10)、針前下プーラー(11)、針後上プーラー(12)および針後下プーラー(13)と同時に共同してミシン針後方側に搬送する針右上プーラー(54),(56)および針右下プーラー(55),(57)を備えていることに特徴を有するものである。
【0007】
このような構成のミシンのプーラー装置によると、針前上プーラー(10)、針前下プーラー(11)、針後上プーラー(12)、および針後下プーラー(13)のほかに、更に、前後の針右上プーラー(54),(56)および前後の針右下プーラー(55),(57)を付加することによって、被縫製物(W)の搬送方向(前後方向)に対する左右の搬送力にばらつきが生じるのを解消できるため、被縫製物(W)が大型である場合も被縫製物(W)の送り効率をアップでき、また被縫製物(W)のずれを防いで真直ぐに搬送できる。
【0008】
請求項1記載のミシンのプーラー装置は、請求項2に記載のように、更に又、ミシン針(7)の左側の前後であって被縫製物(W)の上下面側にそれぞれ配置されて被縫製物(W)を挟持して針前上プーラー(10)、針前下プーラー(11)、針後上プーラー(12)、針後下プーラー(13)、針右上プーラーおよび針右下プーラーと同時に共同してミシン針後方側に搬送する針左上プーラー(50),(52)および針左下プーラー(51),(53)を備えた構成を採用することができる。これによると、被縫製物(W)の搬送方向(前後方向)に対する左右の搬送力にばらつきが生じるのをより一層確実に解消できるため、被縫製物(W)が大型である場合も被縫製物(W)の送り効率を更にアップでき、また被縫製物(W)のずれをより確実に防ぐことができて真直ぐに搬送できる。
【0009】
請求項1記載のミシンのプーラー装置は、請求項3に記載のように、針前上プーラー(1お)、針後上プーラー(12)、および針右上プーラー(54),(56)をそれぞれノンクラッシュロールで構成することができる。
【0010】
請求項2記載のミシンのプーラー装置は、請求項4に記載のように、針左上プーラー(50),(52)をノンクラッシュロールで構成することができる。
【0011】
請求項1又は3記載のミシンのプーラー装置は、請求項5に記載のように、針前下プーラー(11)、針後下プーラー(13)および針右下プーラー(55),(57)をそれぞれ外周にラフトップベルトを装着したラフトップベルト装着ロールで構成することができる。
【0012】
請求項2又は4記載のミシンのプーラー装置は、請求項6に記載のように、針左下プーラー(51),(53)を外周にラフトップベルトを装着したラフトップベルト装着ロールで構成することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、被縫製物が大型である場合も被縫製物の送り効率をアップでき、また被縫製物の搬送力のばらつきを解消できて均一に真直ぐに搬送できて縫製製品の仕上がり品質の安定化を図れるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づき説明する。図1は本発明の一実施例のミシンのプーラー装置の全体構成を示す外観斜視図、図2は同ミシンのプーラー装置の正面図、図3は同ミシンのプーラー装置の左側面図、図4は同ミシンのプーラー装置の底面図、図5は図2におけるA−A線断面図、図6は図2におけるB−B線断面図、図7はプーラー装置のみの左側面図、図8はプーラー装置のみの底面図、図9は図7におけるC−C線断面図、図10はプーラー装置のみを左前方から見た斜視図、図11はプーラー装置のみを左後方から見た斜視図、図12はプーラー装置のみを右前方から見た斜視図、図13はプーラー装置の全プーラー配置構成および被縫製物の縫合状態を示す斜視図である。
【0015】
本実施形態では、ミシン針が上下動を行う方向を上下方向(Z軸方向)とし、これと直交するひとつの方向である被縫製物の送り方向を前後方向(X軸方向)とし、上下方向と前後方向の両方に直交する方向を左右方向(Y軸方向)として説明する。
【0016】
本発明の一実施例のミシン1のプーラー装置2は、図1〜図6に示すように、ミシン1の本体フレーム3に取り付けられている。
図7、図10、図11に示されるように、本体フレーム3は、ミシン駆動用サーボモータ9によって回転駆動される上軸(主軸)90、上軸90と平行に配備される中間軸91および下軸92、上軸90上の第1ベルトプーリ93と中間軸91上の第2ベルトプーリ94に掛けた第1タイミングベルト95、中間軸91上の第3ベルトプーリ96と下軸92上の第4ベルトプーリ97に掛けた下軸駆動用タイミングベル98とを備えている。また、図5、図7、図9に示されるように、本体フレーム3には、針板4、針棒5、針駆動機構6を備えており、針棒5の下端にはミシン針7が支持されている。そして、針棒5が上軸90の回転を受け針棒クランク5Cを介して作動する針駆動機構6により上下方向に往復動作されることにより、針板4に形成された針穴に対してミシン針7が針落ちを行うようになっている。針板4の下方にはミシン針7の糸を手繰り、ミシン針7と協働して縫い目を形成するルーパー8を備えている。ルーパー8は、図7、図10に示されるように、下軸92から動力を受け第1ねじ歯車84、ルーパー振元直交軸85、ルーパー振元ロッド87等よりなる周知のルーパー駆動機構を介して作動する。
【0017】
図7〜図12に示すように、プーラー装置2は、ミシン針7の前側であって被縫製物(段ボールあるいは布、樹脂シート等)Wの上下面側に位置するように上下一対の針前上プーラー10および針前下プーラー11を配置し、かつミシン針7の後側であって被縫製物Wの上下面側に位置するように上下一対の針後上プーラー12および針後下プーラー13を配置するとともに、針前上プーラー10および針後上プーラー12に回転駆動力を伝達する上プーラー駆動機構14と、針前下プーラー11および針後下プーラー13に回転駆動力を伝達する下プーラー駆動機構15とを備えている。図5に示すように、針前上プーラー10は、第1支持手段S1により針前下プーラー11に対し上下方向に位置調整可能に本体フレーム3上に支持され、針後上プーラー12は、第2支持手段S2により針後下プーラー13に対し上下方向に位置調整可能に本体フレーム3上に支持される。
【0018】
上プーラー駆動機構14は、図10に示すように、上プーラー駆動用サーボモータ16によって回転駆動される上プーラー駆動軸17から駆動力を得て針前上プーラー10を回転させる針前上プーラー駆動機構18と、上プーラー駆動軸17から駆動力を得て針後上プーラー12を回転させる針後上プーラー駆動機構19とを備える。針前上プーラー駆動機構18は、図7、図10に示すように、上プーラー駆動軸17に前伝動軸20を第2ねじ歯車21を介して交差し、前伝動軸20上の第5ベルトプーリ22と針前上プーラー10の軸23上の第6ベルトプーリ24に第2タイミングベルト25をかけてなる。針後上プーラー駆動機構19は、図7、図10、図11に示すように、上プーラー駆動軸17に後伝動軸26を第3ねじ歯車27を介して交差し、後伝動軸26上の第7ベルトプーリ28と針後上プーラー12の軸29上の第8ベルトプーリ30に第3タイミングベルト31をかけてなる。
【0019】
下プーラー駆動機構15は、図7、図10に示すように、下プーラー駆動用サーボモータ32によって回転駆動される回転軸32aから下プーラー駆動用タイミングベルト34を介して下プーラー駆動軸33を回転させ、この下プーラー駆動軸33から駆動力を得て針前下プーラー11を回転させる針前下プーラー駆動機構35と、下プーラー駆動軸33から駆動力を得て針後下プーラー13を回転させる針後下プーラー駆動機構36とを備える。針前下プーラー駆動機構35は、図7、図10に示すように、下プーラー駆動軸33に第1下プーラー伝動軸37を第1傘歯車38を介して交差し、第1下プーラー伝動軸上37の第9ベルトプーリ39と針前下プーラー11の軸40上の第10ベルトプーリ41に第4タイミングベルト42をかけてなる。針後下プーラー駆動機構36は、図7、図10に示すように、第1下プーラー伝動軸上37の第5ベルトプーリ39と針後下プーラー13の軸46上の第11ベルトプーリ47に前記第4タイミングベルト42を共用してかけてなる。
【0020】
しかるときは、被縫製物Wの縫製時にミシン針7の往復動に同期させて互いに反対方向に回転させる針前上プーラー10と針前下プーラー11の間および針後上プーラー12と針後下プーラー13の間で被縫製物Wを挟持してミシン針後方側に間欠的に搬送させることができる。
【0021】
本発明は、上記構成のミシン1のプーラー装置2において、更に、図13に示すように、ミシン針7の左側の前後であって被縫製物Wの上下面側にそれぞれ配置され被縫製物Wを挟持して針前上下プーラー10,11および針後上下プーラー12,13と同時に共同してミシン針後方側に搬送する針左上プーラー50,52および針左下プーラー51,53と、ミシン針7の右下側の前後であって被縫製物Wの上下面側にそれぞれ配置され被縫製物7を挟持して針前上下プーラー10,11、針後上下プーラー12,13、針左上プーラー50,52および針左下プーラー51,53と同時に共同してミシン針後方側に搬送する針右上プーラー54,56および針右下プーラー55,57と、を備えるというものである。
【0022】
図1〜図3に示すように、針左上プーラー50,52は、第3支持手段S3により針左下プーラー51,53に対し上下方向に位置調整可能に本体フレーム3上に支持される。図4に示すように、針右上プーラー54,56は、第4支持手段S4により針右下プーラー55,57に対し上下方向に位置調整可能に本体フレーム3上に支持される。
【0023】
前後の針左上プーラー50,52を針前上プーラー10および針後上プーラー12と同時に駆動するに際し、図10〜図12に示すように、後側の針左上プーラー52は上プーラー駆動機構14における後伝動軸26の延長軸上に第12ベルトプーリ58を固定し、この第12ベルトプーリ58と後側の針左上プーラー52の軸59上の第13ベルトプーリ60とに第5タイミングベルト61を掛けてなり、前側の針左上プーラー50は、後側の針左上プーラー52の軸59上の第14ベルトプーリ62と前側の針左上プーラー50の軸63上の第15ベルトプーリ64とに第6タイミングベルト65を掛けてなる。
前後の針左下プーラー51,53を針前下プーラー11および針後下プーラー13と同時に駆動するに際し、図6に示すように、前側の針左下プーラー51は針前下プーラー軸40の延長軸上に固定し、後側の針左下プーラー53は針後下プーラー軸46の延長軸上に固定してなる。
【0024】
前後の針右上プーラー54,56を、針前上プーラー10、針後上プーラー12、前後の針左上プーラー50,52と同時に駆動するに際し、図8、図12に示すように、前側の針右上プーラー54は上プーラー駆動機構14における上プーラー駆動軸17に上プーラー伝動軸66を第4ねじ歯車67を介して交差し、上プーラー伝動軸66上の第16ベルトプーリ68と前側の針右上プーラー54の軸69上の第17ベルトプーリ70とに第8タイミングベルト71を掛けてなり、後側の針右上プーラー56はこの後側の針右上プーラー56の軸72上の第18ベルトプーリ73と前側の針右上プーラー軸69上の第19ベルトプーリ74とに第8タイミングベルト75を掛けてなる。
前後の針右下プーラー55,57を、針前下プーラー11、針後下プーラー13、前後の針左下プーラー51,53と同時に駆動するに際し、図7、図11に示すように、下プーラー駆動機構15における下プーラー駆動軸33に第3下プーラー伝動軸76を第2傘歯車77を介して交差し、第3下プーラー伝動軸76上の第20ベルトプーリ78と前側の針右下プーラー55の軸79上の第21ベルプーリ80および後側の針右下プーラー57の軸81の第22ベルトプーリ82とに第9タイミングベルト83を掛けてなる。
【0025】
上記のように構成されたプーラー装置2によれば、針前上プーラー10、針後上プーラー12、および針前下プーラー11、針後下プーラー13のほかに、前後の針左上プーラー50,52、前後の針左下プーラー51,53、前後の針右上プーラー54,56、および前後の針右下プーラー55,57を付加することによって、被縫製物Wの搬送方向(前後方向)に対する左右の搬送力にばらつきが生じるのを解消でき、被縫製物Wが大型である場合も被縫製物Wの送り効率をアップできるとともに、被縫製物Wのずれを防いで真直ぐに搬送できる。したがって、大型の被縫製物Wの縫製仕上げ品質を安定化させることができる。
【0026】
針前上プーラー10、針後上プーラー12、前後の針左上プーラー50,52、および前後の針右上プーラー54,56には、ノンクラッシュロールを用い、針前下プーラー11、針後下プーラー13、前後の針左下プーラー51,53および前後の針右下プーラー55,57にはそれぞれ外周にラフトップベルトを装着したラフトップベルト装着ロールを用いることが好ましい。ノンクラッシュロールを使用することにより、被縫製物Wが段ボールである場合、段ボールのフルート(波状の構造)を潰さず、軽く押えて確実に送ることができ、ノンクラッシュロールが放射状に形成したリブが圧力で潰れることで、段ボールの品質を損なわずに搬送でき、また被縫製物Wの厚みが変わっても敢えて調整することなく搬送できる。またラフトップベルト装着ロールを使用することにより、ベルト表面の軟質凹凸模様によりスリップが無く、段ボールの搬送に適している。
【0027】
上記実施例では、針前上プーラー10、針後上プーラー12、針左上プーラー50,52、および針右上プーラー54,56は上プーラー駆動用サーボモータ16で駆動し、針前下プーラー11、針後下プーラー13、針左下プーラー51,53および針右下プーラー55,57は下プーラー駆動用サーボモータ32でそれぞれ駆動する方式を採用するが、これに限定されない。すなわち、針前上プーラー10、針後上プーラー12、針左上プーラー50,52、および針右上プーラー54,56の上プーラー群のみを駆動させるか、または針前下プーラー11、針後下プーラー13、針左下プーラー51,53および針右下プーラー55,57の下プーラー群のみを駆動させる方式のいずれかを採用することもできる。
【0028】
上プーラー駆動用または下プーラー駆動用のサーボモータ16,32に代えて、ゼネバ機構等を採用することもできる。
【0029】
ミシン1による網目形式は本縫い、二重環縫い、単環縫い等いずれの縫目形式を採用することもできる。
【0030】
本発明は、図13に示すように段ボールや樹脂シート等の被縫製物Wを直角に折り曲げてその折曲部の縫合部Hを縫製する場合以外に、図14に示すように被縫製物Wを鋭角に折り曲げてその折曲部の縫合部Hを縫製する場合にも同様に適用できることは言うまでもない。
【0031】
また、本発明では上記実施例のように針前上下プーラー10,11、針後上下プーラー12,13、針左上プーラー50,52、針左下プーラー51,53、針右上プーラー54,56および針右下プーラー55,57の組み合わせによるプーラー装置を採用することが大型サイズの被縫製物Wの送り効率を向上させ、またその被縫製物Wのずれを防いで真直ぐに搬送させるうえで最も好ましいが、必ずしもその組み合わせに限定されるものではない。そのほかに、針左上プーラー50,52および針左下プーラー51,53を省いた、針前上下プーラー10,11、針後上下プーラー12,13、針右上プーラー54,56および針右下プーラー55,57の組み合わせによるものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施例のミシンのプーラー装置の全体構成を示す外観斜視図である。
【図2】同ミシンのプーラー装置の正面図である。
【図3】同ミシンのプーラー装置の左側面図である。
【図4】同ミシンのプーラー装置の底面図である。
【図5】図2におけるA−A線断面図である。
【図6】図2におけるB−B線断面図である。
【図7】プーラー装置のみの左側面図である。
【図8】プーラー装置のみの底面図である。
【図9】図7におけるC−C線断面図である。
【図10】プーラー装置のみを左前方から見た斜視図である。
【図11】プーラー装置のみを左後方から見た斜視図である。
【図12】プーラー装置のみを右前方から見た斜視図である。
【図13】プーラー装置の全プーラー配置構成および被縫製物の縫合状態を示す斜視図である。
【図14】他の実施例を図13に相応して示す断面図である。
【符号の説明】
【0033】
1 ミシン
2 プーラー装置
7 ミシン針
10 針前上プーラー
11 針前下プーラー
12 針後上プーラー
13 針後下プーラー
50,52 前後の針左上プーラー
51,53 前後の針左下プーラー
54,56 前後の針右上プーラー
55,57 前後の針右下プーラー
W 被縫製物
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミシン針の前側であって被縫製物の上下面側にそれぞれ配置される上下一対の針前上プーラーおよび針前下プーラーと、ミシン針の後側であって被縫製物の上下面側にそれぞれ配置される上下一対の針後上プーラーおよび針後下プーラーとを備え、前記針前上プーラーおよび針後上プーラーと、前記針前下プーラーおよび針後下プーラーとの間で前記被縫製物を挟持してミシン針後方側に搬送するミシンのプーラー装置において、
前記ミシン針の右下側の前後であって前記被縫製物の上下面側にそれぞれ配置されて前記被縫製物を挟持して前記針前上プーラー、針前下プーラー、針後上プーラーおよび針後下プーラーと同時に共同してミシン針後方側に搬送する針右上プーラーおよび針右下プーラーを備えていることを特徴とする、ミシンのプーラー装置。
【請求項2】
前記ミシン針の左側の前後であって前記被縫製物の上下面側にそれぞれ配置されて前記被縫製物を挟持して前記針前上プーラー、針前下プーラー、針後上プーラー、針後下プーラー、針右上プーラーおよび針右下プーラーと同時に共同してミシン針後方側に搬送する針左上プーラーおよび針左下プーラーを備えている、請求項1記載のミシンのプーラー装置。
【請求項3】
前記針前上プーラー、針後上プーラー、および針右上プーラーはそれぞれノンクラッシュロールで構成されている、請求項1記載のミシンのプーラー装置。
【請求項4】
前記針左上プーラーはノンクラッシュロールで構成されている、請求項2記載のミシンのプーラー装置。
【請求項5】
前記針前下プーラー、針後下プーラーおよび針右下プーラーはそれぞれ外周にラフトップベルトを装着したラフトップベルト装着ロールで構成されている、請求項1又は3記載のミシンのプーラー装置。
【請求項6】
前記針左下プーラーは外周にラフトップベルトを装着したラフトップベルト装着ロールで構成されている、請求項2又は4記載のミシンのプーラー装置。
【請求項1】
ミシン針の前側であって被縫製物の上下面側にそれぞれ配置される上下一対の針前上プーラーおよび針前下プーラーと、ミシン針の後側であって被縫製物の上下面側にそれぞれ配置される上下一対の針後上プーラーおよび針後下プーラーとを備え、前記針前上プーラーおよび針後上プーラーと、前記針前下プーラーおよび針後下プーラーとの間で前記被縫製物を挟持してミシン針後方側に搬送するミシンのプーラー装置において、
前記ミシン針の右下側の前後であって前記被縫製物の上下面側にそれぞれ配置されて前記被縫製物を挟持して前記針前上プーラー、針前下プーラー、針後上プーラーおよび針後下プーラーと同時に共同してミシン針後方側に搬送する針右上プーラーおよび針右下プーラーを備えていることを特徴とする、ミシンのプーラー装置。
【請求項2】
前記ミシン針の左側の前後であって前記被縫製物の上下面側にそれぞれ配置されて前記被縫製物を挟持して前記針前上プーラー、針前下プーラー、針後上プーラー、針後下プーラー、針右上プーラーおよび針右下プーラーと同時に共同してミシン針後方側に搬送する針左上プーラーおよび針左下プーラーを備えている、請求項1記載のミシンのプーラー装置。
【請求項3】
前記針前上プーラー、針後上プーラー、および針右上プーラーはそれぞれノンクラッシュロールで構成されている、請求項1記載のミシンのプーラー装置。
【請求項4】
前記針左上プーラーはノンクラッシュロールで構成されている、請求項2記載のミシンのプーラー装置。
【請求項5】
前記針前下プーラー、針後下プーラーおよび針右下プーラーはそれぞれ外周にラフトップベルトを装着したラフトップベルト装着ロールで構成されている、請求項1又は3記載のミシンのプーラー装置。
【請求項6】
前記針左下プーラーは外周にラフトップベルトを装着したラフトップベルト装着ロールで構成されている、請求項2又は4記載のミシンのプーラー装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−69199(P2010−69199A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−242334(P2008−242334)
【出願日】平成20年9月22日(2008.9.22)
【出願人】(391040401)株式会社タワダ (5)
【出願人】(391005123)株式会社森本製作所 (26)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月22日(2008.9.22)
【出願人】(391040401)株式会社タワダ (5)
【出願人】(391005123)株式会社森本製作所 (26)
【Fターム(参考)】
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