説明

ミストサウナ装置

【課題】本発明は、浴室内のカビの繁殖を抑制するミストサウナ装置を提供すること。
【解決手段】空気を加熱する空気加熱手段および送風で浴室内の空気を循環させる循環送風手段による暖房運転を一定時間実施して、浴室内の空気および壁面を含む浴室内面を温度上昇し、カビを失活させることによりカビの繁殖を抑制する。また温度検知手段10、湿度検知手段11、浴室周囲空気温度検知手段7によってカビが繁殖しやすい環境であるか判定し、必要な場合のみ暖房運転を実施する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室内にミストを発生させるミストサウナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のミストサウナ装置として、蒸発したミストを浴室内へ供給するミストサウナ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。以下、そのミストサウナ装置について図8を参照しながら説明する。
【0003】
図8に示すように、ミストサウナ装置101は、給湯暖房機102とループ状の循環管路で接続している熱交換器103と熱交換器上に流されて加熱され、蒸発してミストとなる温水を供給する給湯配管104から構成され、給湯配管104には、給湯加熱部に入る前の位置に流水スイッチ105が設けられ、お湯流量調整弁106が設けてある。また、ミスト発生手段108によりミスト化した水の粒子を浴室内に送り込むための送風機109、凝集した水滴を排水する排水受110を設けている。また、乾燥、暖房運転を制御する手段として浴室内の温湿度を検出する手段107が設けられたものである。
【0004】
浴室内に繁殖するカビを抑制するために、ミストサウナ装置101内部に換気扇を設け、浴室の使用が終了すると、浴室を乾燥させるために換気扇を運転するものもある(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特許第3699289号公報
【特許文献2】特開2002−126033号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような従来のミストサウナ装置では、浴室内のカビの繁殖を抑制するためには、浴室内を乾燥させて浴室内に付着した水分を除去する工程が必要であるが、換気運転や加熱循環送風運転などによって浴室内の水分を完全に除去するためには長時間運転させなければならず、壁面の目地や床面、気流が直接あたりにくい部分などでは水分が乾燥しきらずカビの繁殖を抑制することができないという課題がある。
【0006】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、浴室内を乾燥させた場合に水分が完全に除去されない場合にあっても、浴室内のカビの繁殖を抑制するミストサウナ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のミストサウナ装置は、上記目的を達成するために、空気を加熱する空気加熱手段および送風で浴室内の空気を循環させる循環送風手段を用いた暖房運転によって、浴室の壁面を含む浴室内面および浴室内の空気をカビの発生しない温度にせしめることを特徴としたものであり、浮遊カビだけでなく、浴室内面に付着したカビの繁殖を抑制することができるミストサウナ装置を提供することができる。
【0008】
また、請求項2記載のミストサウナ装置は、請求項1記載のミストサウナ装置において、防カビ運転制御手段により、浴室の壁面を含む浴室内面の温度を40℃以上50℃以下にせしめることを特徴としたものであり、乾燥しにくい部分などに水分が乾燥しきらずに残っていてもカビの繁殖を抑制することができるミストサウナ装置を提供することができる。
【0009】
また、請求項3記載のミストサウナ装置は、請求項1または2記載のミストサウナ装置において、防カビ運転制御手段により、浴室の壁面を含む浴室内面の温度を40℃以上50℃以下にせしめ、一定時間以上持続させることを特徴としたものであり、浴室内面に付着したカビがやや耐熱性が高いものであっても繁殖抑制できるミストサウナ装置を提供することができる。
【0010】
また、請求項4記載のミストサウナ装置は、請求項1から3のいずれかに記載のミストサウナ装置において、浴室内の温度を検出する温度検知手段、浴室内の湿度を検出する湿度検知手段、浴室周囲の空気温度を検知する浴室周囲空気温度検知手段とを備えたことを特徴としたものであり、カビが繁殖しやすい季節や環境であるかどうかを検知することができ、カビが繁殖しやすい条件であっても抑制することができるミストサウナ装置を提供することができる。
【0011】
また、請求項5記載のミストサウナ装置は、請求項1から4のいずれかに記載のミストサウナ装置において、防カビ運転制御手段において、浴室周囲空気温度検知手段によって検出した浴室周囲の空気の温度に応じて運転方法を設定することを特徴としたものであり、カビが繁殖しやすい季節や環境であるかどうかを検知して、必要な場合のみ運転することができるミストサウナ装置を提供することができる。
【0012】
また、請求項6記載のミストサウナ装置は、請求項1から5のいずれかに記載のミストサウナ装置において、防カビ運転制御手段において、温度検知手段および湿度検知手段によって検出された浴室内空気の温湿度および空気温度検知手段によって検出された浴室周囲の空気の温度に応じて運転方法を設定することを特徴としたものであり、浴室内の空気と、屋根裏に代表される浴室周囲の空気とによって決まる浴室内面近傍の空気がカビが繁殖しやすい条件であるかどうかを正確に判定することができるミストサウナ装置を提供することができる。
【0013】
また、請求項7記載のミストサウナ装置は、請求項1から6のいずれかに記載のミストサウナ装置において、防カビ運転制御手段において、温度検知手段によって検出される浴室内の温度が25℃以上50℃未満でかつ湿度検知手段によって検出される浴室内の湿度が60%RH以上100%RH未満でかつ浴室周囲空気温度検知手段によって検出される浴室周囲の空気温度が25℃以上50℃未満の場合、一定時間暖房運転を行うことを特徴としたものであり、浴室内にカビが生えやすく、換気運転によってもカビ抑制効果が得られにくい場合にも、カビを抑制できるミストサウナ装置を提供することができる。
【0014】
また、請求項8記載のミストサウナ装置は、請求項1から6のいずれかに記載のミストサウナ装置において、防カビ運転制御手段において、温度検知手段によって検出される浴室内の温度が25℃以上50℃未満でかつ湿度検知手段によって検出される浴室内の湿度が60%RH以上100%RH未満でかつ浴室周囲空気温度検知手段によって検出される浴室周囲の空気温度が5℃以上25℃未満の場合、換気運転及び/又は循環送風運転を行うことを特徴としたものであり、浴室内がカビの生えやすい環境条件にあり、外気交換によってカビが抑制できる場合に空気加熱手段による熱エネルギーを使用することなくカビを抑制できるミストサウナ装置を提供することができる。
【0015】
また、請求項9記載のミストサウナ装置は、請求項1から6のいずれかに記載のミストサウナ装置において、防カビ運転制御手段において、温度検知手段によって検出される浴室内の温度が25℃以上50℃未満でかつ湿度検知手段によって検出される浴室内の湿度が10%RH以上60%RH未満でかつ浴室周囲空気温度検知手段によって検出される浴室周囲の空気温度が5℃以上25℃未満の場合、換気運転及び/又は循環送風運転を行うことを特徴としたものであり、浴室内空気より浴室周辺空気の温度が低いために浴室内面近傍の相対湿度が上昇し、カビが繁殖しやすい環境にあった場合にカビを抑制できるという効果があり、かつ外気交換によってカビが抑制できる場合に過熱手段による熱エネルギーを使用せずにカビ抑制を行うことができるミストサウナ装置を提供することができる。
【0016】
また、請求項10記載のミストサウナ装置は、請求項8または9に記載のミストサウナ装置において、防カビ運転制御手段において、換気運転及び/又は循環送風運転を行った場合、温度検知手段によって検出されるによって検出される浴室内の温度が5℃以上25℃未満となった場合に、換気運転及び/又は循環送風運転を停止することを特徴としたものであり、浴室内がカビの繁殖を抑制できる環境になったことを判断し、直ちに停止させることで運転エネルギーを削減できるミストサウナ装置を提供することができる。
【0017】
また、請求項11記載のミストサウナ装置は、請求項10に記載のミストサウナ装置において、防カビ運転制御手段において、換気運転及び/又は循環送風運転を行った場合、温度検知手段によって検出される浴室内の温度が5℃以上25℃未満となってから一定時間経過した後、換気運転及び/又は循環送風運転を停止することを特徴としたものであり、浴室内がカビの繁殖を抑制できる空気条件になった後、浴室内面の空気循環し難い場所がカビの繁殖を抑制できる環境条件になるまでの追加の乾燥時間を与えることができ、浴室全体のカビ繁殖を抑制することができるミストサウナ装置を提供することができる。
【0018】
また、請求項12記載のミストサウナ装置は、請求項1から11のいずれかに記載のミストサウナ装置において、脱衣室に設けた操作手段に、防カビ運転制御手段を起動するための起動手段を備えたことを特徴としたものであり、カビの繁殖状況や掃除状況に合わせて、必要な場合のみ運転させることができるミストサウナ装置を提供することができる。
【0019】
また、請求項13記載のミストサウナ装置は、請求項1から12のいずれかに記載のミストサウナ装置において、防カビ運転制御手段による暖房運転の吹出し空気温度が40℃以上60℃未満となるように制御する加熱温度制御手段を備えたことを特徴としたものであり、浴室周囲温度の影響により温度上昇しにくい浴室内面を温度上昇させることができ、さらに浴室内に設置された機器の熱劣化を防止することができるミストサウナ装置を提供することができる。
【0020】
また、請求項14記載のミストサウナ装置は、請求項1から13のいずれかに記載のミストサウナ装置において、防カビ運転制御手段において、循環送風手段による気流吹出し方向を制御する気流制御手段を備えたことを特徴としたものであり、浴室壁面の4方向の温度上昇の差を低減化することができるミストサウナ装置を提供することができる。
【0021】
また、請求項15記載のミストサウナ装置は、請求項1から14のいずれかに記載のミストサウナ装置において、防カビ運転制御手段において、ミスト発生手段によるミストサウナ運転を一定時間行ったのち暖房運転を一定時間行うことを特徴としたものであり、加熱空気の気流が当たりにくい場所であってもミストサウナの拡散によって浴室内の温度差を少なくすることができ、更に暖房運転に切り替えることでミストサウナによって上昇した温度を一定時間維持し、かつミストサウナにかかるエネルギーを削減することができるミストサウナ装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、高温状態にすることで浮遊カビだけでなく、浴室内面に付着したカビの繁殖を抑制するという効果が得られる。
【0023】
また、乾燥しにくい部分などに水分が乾燥しきらずに残っていてもカビの繁殖を抑制するという効果が得られる。
【0024】
また、浴室内面に付着したカビがやや耐熱性が高いものであっても繁殖抑制できるという効果が得られる。
【0025】
また、カビが繁殖しやすい季節や環境であるかどうかを検知することができ、カビが繁殖しやすい条件であっても抑制することができるという効果が得られる。
【0026】
また、カビが繁殖しやすい季節や環境であるかどうかを検知して、必要な場合のみ運転することができるため、省エネルギーの効果が得られる。
【0027】
また、浴室内の空気と、屋根裏に代表される浴室周囲の空気とによって決まる浴室内面近傍の空気がカビが繁殖しやすい条件であるかどうかを正確に判定することができるという効果が得られる。
【0028】
また、浴室内にカビが生えやすく、換気運転によってもカビ抑制効果が得られにくい場合にも、カビを抑制できるという効果が得られる。
【0029】
また、浴室内にカビが生えやすい環境で、外気交換によってカビが抑制できる場合に、空気加熱手段による熱エネルギーを使用することなくカビを抑制できるため、省エネルギーの効果が得られる。
【0030】
また、浴室内空気より浴室周辺空気の温度が低いために浴室内面近傍の相対湿度が上昇し、カビが繁殖しやすい環境にあった場合にカビを抑制できるという効果があり、かつ外気交換によってカビが抑制できる場合に加熱手段による熱エネルギーを使用せずにカビ抑制を行えるため、省エネルギーの効果が得られる。
【0031】
また、浴室内がカビの繁殖を抑制できる環境になったことを判断し、直ちに停止させることで余分な運転エネルギーを使用せず、省エネルギーの効果が得られる。
【0032】
また、浴室内面で空気循環し難い場所がカビの繁殖を抑制できる環境とするまでの時間を与えることができ、浴室全体のカビ繁殖を抑制する正確性を高められるという効果が得られる。
【0033】
また、カビの繁殖状況や掃除状況に合わせて、必要な場合のみ運転させることができるため、省エネルギーの効果が得られる。
【0034】
また、浴室周囲温度の影響により温度上昇しにくい浴室内面を温度上昇させることができ、さらに浴室内に設置された機器の熱劣化を防止することができるという効果が得られる。
【0035】
また、浴室壁面の4方向を確実に温度上昇させることができるという効果が得られる。
【0036】
また、加熱空気の気流が当たりにくい場所であってもミストサウナの拡散によって浴室内の温度差を少なくすることができ、更に暖房運転に切り替えることでミストサウナによって上昇した温度を一定時間維持し、かつミストサウナにかかるエネルギーを削減することができるという効果が得られる。
【0037】
また、浴室内の清潔性を高めることができるという効果が得られる。
【0038】
また、塩素などの防カビ剤を使用することなく、カビを抑制することができるため、環境負荷を低減することができるという効果が得られる。
【0039】
また、カビの胞子の発芽活性と菌糸の成長を停止させることで、浴室内のカビ数を著しく低減させ、防カビ運転の頻度を低減することができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
本発明の請求項1記載の発明は、空気を加熱する空気加熱手段および送風で浴室内の空気を循環させる循環送風手段を用いた暖房運転によって、浴室の壁面を含む浴室内面および浴室内の空気をカビの発生しない温度にせしめる防カビ運転制御手段を設けたことを特徴としたものであり、浴室内が乾燥しきらず水分が残っている場合であっても、浮遊カビ胞子の発芽活性を停止させ、浴室内面に付着したカビ胞子の発芽活性および菌糸成長を停止させるという作用を有する。
【0041】
また、請求項2記載の発明は、請求項1に記載の発明において、防カビ運転制御手段により、浴室の壁面を含む浴室内面の温度を40℃以上50℃以下にせしめることを特徴としたものであり、乾燥しにくい部分などに残っている水滴内部までカビの繁殖を抑制できる温度に上昇させるという作用を有する。
【0042】
また、請求項3記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、防カビ運転制御手段により、浴室の壁面を含む浴室内面の温度を40℃以上50℃以下にせしめ、一定時間以上持続させることを特徴としたものであり、浴室内面に付着したカビがやや耐熱性が高いものであっても繁殖抑制できるという作用を有する。
【0043】
また、請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれかに記載の発明において、浴室内の温度を検出する温度検知手段、浴室内の湿度を検出する湿度検知手段、浴室周囲の空気温度を検知する浴室周囲空気温度検知手段とを備えたことを特徴としたものであり、カビが繁殖しやすい季節や環境であるかどうかを検知することができるという作用を有する。
【0044】
また、請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれかに記載の発明において、防カビ運転制御手段において、浴室周囲空気温度検知手段によって検出した浴室周囲の空気の温度に応じて運転方法を設定することを特徴としたものであり、カビが繁殖しやすい季節や環境であるかどうかを検知して、運転する条件を選択することができるという作用を有する。
【0045】
また、請求項6記載の発明は、請求項1から5のいずれかに記載の発明において、防カビ運転制御手段において、温度検知手段および湿度検知手段によって検出された浴室内空気の温湿度および浴室周囲空気温度検知手段によって検出された浴室周囲の空気の温度に応じて運転方法を設定することを特徴としたものであり、浴室内の空気と、屋根裏に代表される浴室周囲の空気とによって決まる浴室内面近傍の空気がカビが繁殖しやすい条件であるかどうかを正確に判定することができるという作用を有する。
【0046】
また、請求項7記載の発明は、請求項1から6のいずれかに記載の発明において、防カビ運転制御手段において、温度検知手段によって検出される浴室内の温度が25℃以上50℃未満でかつ湿度検知手段によって検出される浴室内の湿度が60%RH以上100%RH未満でかつ浴室周囲空気温度検知手段によって検出される浴室周囲の空気温度が25℃以上50℃未満の場合、一定時間暖房運転を行うことを特徴としたものであり、熱によりカビの繁殖を停止させるという作用を有する。
【0047】
また、請求項8記載の発明は、請求項1から6のいずれかに記載の発明において、防カビ運転制御手段において、温度検知手段によって検出される浴室内の温度が25℃以上50℃未満でかつ湿度検知手段によって検出される浴室内の湿度が60%RH以上100%RH未満でかつ浴室周囲空気温度検知手段によって検出される浴室周囲の空気温度が5℃以上25℃未満の場合、換気運転及び/又は循環送風運転を行うことを特徴としたものであり、浴室内にカビが繁殖しにくい空気を取り入れカビの繁殖を抑制するという作用を有する。
【0048】
また、請求項9記載の発明は、請求項1から6のいずれかに記載の発明において、防カビ運転制御手段において、温度検知手段によって検出される浴室内の温度が25℃以上50℃未満でかつ湿度検知手段によって検出される浴室内の湿度が10%RH以上60%RH未満でかつ浴室周囲空気温度検知手段によって検出される浴室周囲の空気温度が5℃以上25℃未満の場合、換気運転及び/又は循環送風運転を行うことを特徴としたものであり、浴室内にカビが繁殖しにくい空気を取り入れカビの繁殖を抑制するという作用を有する。
【0049】
また、請求項10記載の発明は、請求項8または9に記載の発明において、防カビ運転制御手段において、換気運転及び/又は循環送風運転を行った場合、温度検知手段によって検出されるによって検出される浴室内の温度が5℃以上25℃未満となった場合に、換気運転及び/又は循環送風運転を停止することを特徴としたものであり、浴室内がカビの繁殖を抑制できる環境になったことを判断し、直ちに停止させることができるという作用を有する。
【0050】
また、請求項11記載の発明は、請求項10に記載の発明において、防カビ運転制御手段において、換気運転及び/又は循環送風運転を行った場合、温度検知手段によって検出されるによって検出される浴室内の温度が5℃以上25℃未満となってから一定時間経過した後、換気運転及び/又は循環送風運転を停止することを特徴としたものであり、浴室内面で空気循環し難い場所のカビの繁殖を抑制できるという作用を有する。
【0051】
また、請求項12記載の発明は、請求項1から11のいずれかに記載の発明において、脱衣室に設けた操作手段に、防カビ運転制御手段を起動するための起動手段を備えることを特徴としたものであり、運転するかどうかを使用者が選択できるという作用を有する。
【0052】
また、請求項13記載の発明は、請求項1から12のいずれかに記載の発明において、防カビ運転制御手段による暖房運転の吹出し空気温度が40℃以上60℃未満となるように制御する加熱温度制御手段を備えることを特徴としたものであり、浴室内の温度をカビの繁殖抑制可能温度まで上昇させるという作用を有する。
【0053】
また、請求項14記載の発明は、請求項1から13のいずれかに記載の発明において、防カビ運転制御手段において、循環送風手段による気流吹出し方向を制御する気流制御手段を備えることを特徴としたものであり、浴室壁面を短時間に温度上昇させることができるという作用を有する。
【0054】
また、請求項15記載の発明は、請求項1から14のいずれかに記載の発明において、防カビ運転制御手段において、ミスト発生手段によるミストサウナ運転を一定時間行ったのち暖房運転を一定時間行うことを特徴としたものであり、浴室内を効率よく温度上昇させ、カビの繁殖を停止させるという作用を有する。
【0055】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0056】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1のミストサウナ装置の構成を示す図である。
【0057】
ミストサウナ装置1は、浴室内の空気を排気する換気ボックス2と浴室内の乾燥、循環送風、ミストの発生、噴霧を行うミスト発生乾燥循環ボックス3と換気ボックス2内の構成部品、ミスト発生乾燥循環ボックス3内の構成部品を制御する運転制御指示回路4から構成されている。
【0058】
換気ボックス2内には、浴室に設置してあるミスト発生乾燥循環ボックス3を通過し、浴室内の空気を排気するための排気ファン5と浴室内の排気量を制御する排気ダンパー6を設けている。
【0059】
ミスト発生乾燥循環ボックス3内には、給湯暖房機102から給湯配管104を通して供給されるお湯をミスト化するためのミスト発生手段108がある。ミストサウナは、ミスト発生手段108より温水を噴霧し、エルミネータ8で水滴を除去した後、浴室内に噴霧される。これにより発生するミストの粒径は0.1μmから10μm程度の粒径をもつ。エルミネータ8で除去された水滴は、排水受110で集められ、排水される。また浴室内の空気を加熱する空気加熱手段である熱交換器103、浴室内に空気を循環送風させるための循環送風手段として送風機109を設けている。循環送風手段として、浴室内をより効率的に空気を循環送風させるためには、送風機109で吹出した空気の吹出し方向を自動で調整する気流制御手段9を設ける。
【0060】
図2に、気流制御手段9の一例を示す。気流制御手段9はルーバーなどの気流ガイドからなり、浴室内のパネル上に設け、運転時には自動でスイングし、浴室内に広く気流を行き届かせることができる。吹出し方向に対して縦方向のスイングと、横方向のスイングをそれぞれ行えるようにすることが好ましい。また、防カビ運転制御手段においては、予めスイング方法と角度を時間ごとに変化させられるようプログラムしておくことが好ましい。
【0061】
浴室内の温度を検出する温度検知手段10と浴室内の湿度を検出する湿度検知手段11と浴室内の湯気を凝集させる水蒸気凝集フィルタ13と凝集した水蒸気の水滴を排水する水滴回収受12をミスト発生乾燥循環ボックス3に設けている。
【0062】
また、浴室内壁および断熱材の外側には浴室周囲空気温度検知手段7を設けているが、浴室内壁および断熱材の外側に面していれば、換気ボックス2またはミスト発生乾燥循環ボックス3のいずれかに設けることが好ましい。この場合、屋根裏の空気を浴室周囲空気温度として測定する。一方、浴室周囲のより温度が低い側面または床面の周囲まで配線で伸ばして設置することもできる。この場合、より低い空気温度を測定することができるため、浴室壁面から発散された熱により温められた空気が天井付近にたまっている場合に、屋根裏温度に設定した場合に比べて、実際の空気温度よりも高めに検出されてしまうことを防ぐことができ、正確性を高めることができる。
【0063】
循環送風手段として、浴室内をより効率的に空気を循環送風させるためには、送風機109で吹出した空気の吹出し方向を自動で調整する気流制御手段9を設ける。図2に、気流制御手段9の一例を示す。気流制御手段9はルーバーなどの気流ガイドからなり、浴室内のパネル上に設け、運転時には自動でスイングし、浴室内に広く気流を行き届かせることができる。吹出し方向に対して縦方向のスイングと、横方向のスイングをそれぞれ行えるようにすることが好ましい。また、防カビ運転制御手段においては、予めスイング方法と角度を時間ごとに変化させられるようプログラムしておくことが好ましい。
【0064】
運転制御指示回路4はミスト噴霧運転、暖房運転、循環送風運転、乾燥運転、換気運転を切り替えるものである。ここで、ミスト噴霧運転とは、給湯暖房機102から給湯配管104を通して供給されるお湯をミスト発生手段108によりミスト化したものを循環送風手段である送風機109により浴室内に噴霧する運転であり、また乾燥運転とは、排気ファン5を運転し、開放された排気ダンパー6より浴室内の空気を浴室外へ排気する運転、または浴室内の空気を浴室外へ排気しつつ熱交換器103により加熱された空気を循環送風手段によって浴室内に循環送風させる運転のことを指す。暖房運転とは、空気加熱手段である熱交換器103を通過した加熱空気を循環送風手段である送風機109によって、浴室内に循環送風し、浴室内を温度上昇させるための運転方法である。このとき、乾燥運転とは異なり、換気ボックス2内の排気ファン5および排気ダンパー6を使用しないため、暖められた空気は浴室外へ放出させず、効率的に浴室内を温度上昇させることができる。暖房運転の吹出し空気温度は加熱温度制御手段によって40℃から60℃の間になるように調整する。加熱温度制御手段は、熱交換器103に供給されるお湯の温度を調整する手段と、供給するお湯流量調整弁106、吹出し空気温度を検知する手段によって構成され、吹出し空気温度が設定範囲内に入るように運転制御を行うものである。
【0065】
運転制御支持回路4は、送風機109、排気ファン5、排気ダンパー6や、給湯配管104上に設けたお湯流量調整弁106などの電磁弁、気流の風向を制御するための気流制御手段9、温度検知手段10、湿度検知手段11、浴室周囲空気温度検知手段7などと配線で接続されている。また、操作手段として、浴室内リモコン14(リモートコントローラー)及び脱衣室リモコン15を設け、運転方法や運転温度、運転時間などを使用者がボタン操作で選択、実行することができる。防カビ運転制御手段の起動は、リモコンに起動手段16としてボタンを設置し、使用者がボタン操作で実行できるようにするが、好ましくは脱衣室リモコン15に設けることがよい。
【0066】
浴室内の温度検知手段10および浴室周囲空気温度検知手段7としては、赤外線などにより、表面温度を計測するセンサがあるが、水滴が付着すると表面温度の計測ができないことがあるため、例えば、水滴が付着しにくく、耐水性を施した熱電対センサが好ましい。また、表面に撥水または疎水処理を施すのも有効である。浴室内の温度検知手段10は浴室内の温度を検出するものであり、例えば実際に浴室で起こりうる温度範囲である5℃以上60℃以下を検出できるものであるのが好ましい。
【0067】
浴室内の温度検知手段10は図1に示した通り、ミストサウナ装置1のミスト発生乾燥循環ボックス3の内部に設けるのが好ましいが、浴室内であればこれに限定されない。しかし、浴室内の水滴が付着する部位に設置する場合は、水滴の付着による検出阻害が起こらない手段を選択する必要がある。また、浴室内の温度検知手段10で浴室内の温度50℃以上を検知した場合は、浴室部材、浴室内テレビやラジオといった備品への悪影響を最小限に抑えるために、自動でミスト噴霧運転または乾燥運転が停止される運転制御手段を運転制御指示回路4に組み込むのが好ましい。
【0068】
浴室内の湿度検知手段11として、塩化リチウムやセラミックなどを素材とするセンサが挙げられるが、表面に付着した水滴と結合し、湿度の計測ができないことがある。素材に高分子を用いたこと湿度検知センサを利用すると水滴の付着による湿度計測阻害を最小限にすることが可能である。また、浴室内の湿度検知手段11は浴室内の湿度を検出するだけで良く、例えば、湿度検知範囲は40%RHから100%RHにするのが好ましい。
【0069】
浴室内の湿度検知手段11は図1に示した通り、ミストサウナ装置1の内部に設けるのが好ましいが、浴室内であればこれに限定されない。しかし、浴室内の水滴が付着する部位に設ける場合は、水滴の付着による検出阻害が起こらない手段を選択する必要がある。
【0070】
浴室内の壁面の水滴有無判定手段17は、例えばCCDカメラや赤外線検出ユニットを用い、浴室の壁面から放出される赤外線のエネルギー量を熱起電力に変換して絶対温度を算出し、その変化量が0になった際に、水滴なしと判断するものとする。浴室内の壁面の水滴有無判定手段17の設置場所は、浴室内であれば特に限定されないが、特に、水滴付着量が多い浴室の床面が検知できる方が良いため、浴室の天井面付近に設置する方が好ましい。
【0071】
防カビ運転制御手段は、温度検知手段10、湿度検知手段11、浴室周囲空気温度検知手段7により測定された温湿度によって、運転方法を選択するようプログラムしておく。図2は防カビ運転制御手段の運転方法を判定する手順を示すフローチャートである。これは、夏期のようなカビが生えやすい空気条件(25℃以上、75%RH以上)であるかを判断し、暖房運転による防カビ運転を実施することによって、浴室内のカビの繁殖を効果的に抑制することができる。また、浴室内の温度を上昇させる手段として、ミストサウナ運転も効果が高い。高温の微細なミストを噴霧することにより、浴室内にミストが充満し、壁面や床面の隅なども効果的に昇温させることができる。ミストサウナ運転を行った後、暖房運転に切り替えることで、ミストサウナによるエネルギーを低減しつつ、温度が高い状態を維持させることができる。暖房運転もしくはミストサウナ運転によって、浴室内壁面および浴室内の温度を、カビを抑制することができる40℃以上にせしめることで、浴室内のカビの繁殖を防ぐことができる。この温度条件を1時間以上持続させることで、浴室内のカビの8割以上を抑制することができる。よって、ミスト噴霧運転後に、浴室内の温度が下がり、湿度が上がったとしても、浴室内に繁殖しやすい生きたカビがほとんど存在しないため、カビの繁殖は起こりにくい。
【0072】
一方、カビが繁殖し難い季節、例えば冬期や中間期の外気では、温度も湿度も低く(25℃未満、75%RH未満)カビの繁殖には適さないためカビの成長は少ない。このような季節の場合には、暖房運転を行わなくても、換気及び循環送風により浴室内の温度と湿度を下げることで、十分にカビの繁殖を抑制することが可能となる。このような制御を行うことで、暖房運転にかかるエネルギーを低減することができ、省エネルギーな防カビ運転制御手段とすることができる。また、浴室周囲の空気温度は低い(25℃未満)が、屋内を暖房するなどで浴室内の温度が高い(25℃以上)場合、浴室内の壁面付近は浴室周囲の温度と浴室内温度の温度差によって、湿度が高くなり、カビが繁殖する可能性が高まる。このような場合、浴室内を循環送風運転により壁面の湿度を低減して、更に換気運転によって湿気をもった空気を屋外へ排気することでカビの繁殖を抑制することができる。
【0073】
また、防カビ運転制御手段において、浴室内温度と浴室周囲温度の間に差が見られる場合、湿度検知手段11によって検出される湿度は、浴室内の空気の湿度であるため、実際にカビが繁殖する壁面の湿度を正確に反映していない。そのため、カビの繁殖下限値とされる75%RHに達するときの空気の湿度を運転制御の判定値とする必要があるが、それは図4に示されるように、空気線図から導き出すことができる。これによると、浴室周囲空気温度が5℃以上低い場合、壁面温度は中間程度で約3℃低くなり、このとき約60%RH以上の場合において、壁面付近の湿度が75%RH以上に達するものと考えることができる。そのため、湿度検知手段11で検出される湿度は60%RHを判定の基準として設定することが好ましい。
【0074】
また、浴室内の温度検知手段10の出力値と湿度検知手段11の出力値がそれぞれ一定の値となった場合も、完全に浴室内を乾燥させることができたと考えられ、乾燥運転を停止する。また、浴室内の水滴有無検知手段17により、水滴なしと判断された場合も、完全に浴室内を乾燥させることができたと考えられ、乾燥運転を停止する。このような制御を行うことによって、浴室内が乾燥した後、余分に運転するエネルギーを削減することができ、省エネルギー化することができる。また、浴室内の床面や壁面の端の表面付近など、空気が循環しにくく、浴室内のほかの場所に比べて乾燥しにくい場所では、ミストサウナ装置1で検出される温度および湿度の変化よりもやや遅れて変化するため、乾燥するまでにより多くの時間を要する。そのため、温度検知手段および湿度検知手段により出力された値が一定になった後、一定時間、例えば1時間余分に運転させることによって、浴室内の乾燥しにくい場所においても、十分に乾燥させることが可能であり、カビの繁殖を確実に行うことができる。
【0075】
(実施の形態2)
カビの繁殖抑制効果を以下に示す。浴室内に繁殖するカビとして最も有名なクラドスポリウム属真菌(Cladosporium cladosporioides 、NBRC6348、以下クラドスポリウム)を用いて、温度ショックによる増殖抑制試験を行った。以下にその方法を記す。
【0076】
ポテトデキストロース寒天培地(以下PDA培地)により試験管で斜面培養したクラドスポリウムのコロニーを、滅菌水1mLでピペッティングして胞子を回収した。50mL容の遠沈管に胞子回収液1mLと24mLの滅菌水を加え、室温、200rpmの条件で10分間振とうし、供試液を得た。1.5mL容のマイクロチューブに供試液1mLを入れ、ブロックヒーターを用いて、温度ショックを与えた後、シャーレに入れたPDA培地上に塗布し、25℃で4日間静地培養した。その後、目視でコロニー数をカウントし生存菌数を算出した。温度ショック後の生存菌数を温度ショック前の生存菌数で除し、生存率を算出した。
【0077】
図5に示す通り、25℃または35℃で2時間温度ショックを与えても、クラドスポリウムの生存率はほぼ100%であり、クラドスポリウムの繁殖を抑制することはできなかった。しかし、40℃の温度ショックでは1時間で約80%を抑制でき、2時間では約90%を抑制させることができた。また、45℃の温度ショックでは、0.5時間の暴露でほぼ全滅させることができた。
【0078】
このように、クラドスポリウムは水浸条件において、40℃以上の温度ショックを1時間以上与えることにより死滅させることが可能であることが分かり、浴室内において壁面が水滴や結露濡れている場合も、温度を上昇させることによって乾燥させることなく抑制することが可能であることを示している。
【0079】
同様に、クラドスポリウムを用いて、表面に付着させた胞子への温度ショックによる増殖抑制試験を行った。その方法を以下に記す。
【0080】
ポテトデキストロース寒天培地(以下PDA寒天培地)により試験管で斜面培養したコロニーを滅菌水1mLでピペッティングすることにより、胞子を回収した。50mL容の遠沈管に胞子回収液1mLと24mLの滅菌水を加え、室温、200rpmで10分間振とうし、供試液を得た。25mL容の遠沈管に供試液0.1mLを入れ、約2時間かけて完全に風乾させた後、予め25、35、40または45℃かつ99%RHに設定された恒温恒湿槽に入れて、付着した胞子に温度ショックを与えた。その後、遠沈管に滅菌水5mLを入れてボルテックスすることにより、胞子を滅菌水中に分散させ、シャーレに入れたPDA寒天培地上に塗布して25℃で4日間静地培養した。そして、目視でコロニー数をカウントし生存菌数を算出した。温度ショック後の生存胞子数を温度ショック前の生存胞子数で除し、生存率を算出した。
【0081】
図6に示す通り、クラドスポリウムは40℃、99%RH条件下に1時間暴露させることによりほぼ全滅させることができた。
【0082】
ここで、図7に示す通り、オーレオバシジウム(Aurepbasidium puluans NBRC6353)を用いた実験においても、40℃、99%RH条件下に1時間暴露させることにより、ほぼ全滅させることができた。99%RHという高湿度の状態であっても、40℃条件に1時間暴露させることにより、カビの胞子発芽をほぼ完全に抑制することが可能であった。
【0083】
ここで、ミスト噴霧によるカビ抑制運転後の浴室内へのカビの再流入には注意が必要である。例えば、ミスト噴霧後、浴室内の温度25℃まで下がると、カビの繁殖に良好な温湿度条件になることは自明であり、浴室外から新たにカビが流入した場合、浴室内で増殖する。よって、ミスト噴霧後に浴室内をカビの繁殖しにくい温度25℃以下、湿度75%RH以下にする必要がある。しかし、乾燥運転を行い、浴室内を浴室外と同じ温湿度条件にせしめても、浴室外の温湿度が25℃以上、75%RH以上であるため、カビが繁殖しにくい温湿度にさせることは不可能である。このような場合、ミストサウナ装置に除湿機能を付加し、除湿運転を行うことにより、浴室内の湿度を低下させてカビの繁殖を低減させることができる。もしくは、乾燥運転後に浴室を閉め切った状態で維持することにより、カビの流入を防止でき、カビの繁殖を抑制することができる。
【0084】
以上のように、浴室内のカビの繁殖抑制は、浴室内外の温湿度条件に応じてミスト噴霧または乾燥運転から選択され、必要最低限のエネルギーで運転される。
【産業上の利用可能性】
【0085】
暖房運転による温度上昇によって、浴室内が完全に乾燥しきらない状態であってもカビの繁殖を抑制することができ、浴室内を清潔に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の実施の形態1のミストサウナ装置を示す側面構成図
【図2】同実施の形態1の気流制御手段の動作を示す図
【図3】同実施の形態1の防カビ運転制御手段の運転方法のフローチャート
【図4】同実施の形態1の空気線図により壁面が75%RHに達するときの空気湿度を求める方法を示す図
【図5】本発明の実施の形態2のクラドスポリウム胞子懸濁液への温度ショックによる胞子発芽活性の低下を示す図
【図6】同実施の形態2のクラドスポリウム胞子への温度ショックによる胞子発芽活性の低下を示す図
【図7】同実施の形態2のオーレオバシジウム胞子への温度ショックによる胞子発芽活性の低下を示す図
【図8】従来のミストサウナ装置を示す側面構成図
【符号の説明】
【0087】
1 ミストサウナ装置
2 換気ボックス
3 ミスト発生乾燥循環ボックス
4 運転制御指示回路
5 排気ファン
6 排気ダンパー
7 浴室周囲空気温度検知手段
8 エルミネータ
9 気流制御手段
10 温度検知手段
11 湿度検知手段
12 水滴回収受
13 水蒸気凝集フィルタ
14 浴室内リモコン
15 脱衣室リモコン
16 起動手段
17 水滴有無判定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気を加熱する空気加熱手段および浴室内の空気を循環送風させる循環送風手段を用いた暖房運転によって、浴室の壁面を含む浴室内面および浴室内の空気をカビの発生しない温度にせしめる防カビ運転制御手段を設けることを特徴とするミストサウナ装置。
【請求項2】
防カビ運転制御手段により、浴室の壁面を含む浴室内面の温度を40℃以上50℃以下にせしめることを特徴とする請求項1に記載のミストサウナ装置。
【請求項3】
防カビ運転制御手段により、浴室の壁面を含む浴室内面の温度を40℃以上50℃以下にせしめ、一定時間以上持続させることを特徴とする請求項1または2に記載のミストサウナ装置。
【請求項4】
浴室内の温度を検出する温度検知手段、浴室内の湿度を検出する湿度検知手段、屋根裏の空気温度を検知する屋根裏空気温度検知手段とを備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のミストサウナ装置。
【請求項5】
防カビ運転制御手段において、浴室周囲空気温度検知手段によって検出した浴室周囲の空気の温度に応じて運転方法を設定することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のミストサウナ装置。
【請求項6】
防カビ運転制御手段において、温度検知手段および湿度検知手段によって検出された浴室内空気の温湿度および浴室周囲空気温度検知手段によって検出された浴室周囲の空気の温度に応じて運転方法を設定することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のミストサウナ装置。
【請求項7】
防カビ運転制御手段において、温度検知手段によって検出される浴室内の温度が25℃以上50℃未満でかつ湿度検知手段によって検出される浴室内の湿度が60%RH以上100%RH未満でかつ浴室周囲空気温度検知手段によって検出される浴室周囲の空気温度が25℃以上50℃未満の場合、一定時間暖房運転を行うことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のミストサウナ装置。
【請求項8】
防カビ運転制御手段において、温度検知手段によって検出される浴室内の温度が25℃以上50℃未満でかつ湿度検知手段によって検出される浴室内の湿度が60%RH以上100%RH未満でかつ浴室周囲空気温度検知手段によって検出される浴室周囲の空気温度が5℃以上25℃未満の場合、換気運転及び/又は循環送風運転を行うことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のミストサウナ装置。
【請求項9】
防カビ運転制御手段において、温度検知手段によって検出される浴室内の温度が25℃以上50℃未満でかつ湿度検知手段によって検出される浴室内の湿度が10%RH以上60%RH未満でかつ浴室周囲空気温度検知手段によって検出される浴室周囲の空気温度が5℃以上25℃未満の場合、換気運転及び/又は循環送風運転を行うことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のミストサウナ装置。
【請求項10】
防カビ運転制御手段において、換気運転及び/又は循環送風運転を行った場合、温度検知手段によって検出されるによって検出される浴室内の温度が5℃以上25℃未満となった場合に、換気運転及び/又は循環送風運転を停止することを特徴とする請求項8または9に記載のミストサウナ装置。
【請求項11】
防カビ運転制御手段において、換気運転及び/又は循環送風運転を行った場合、温度検知手段によって検出されるによって検出される浴室内の温度が5℃以上25℃未満となってから一定時間経過した後、換気運転及び/又は循環送風運転を停止することを特徴とする請求項10に記載のミストサウナ装置。
【請求項12】
脱衣室に設けた操作手段に、防カビ運転制御手段を起動するための起動手段を備えることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載のミストサウナ装置。
【請求項13】
防カビ運転制御手段による暖房運転の吹出し空気温度が40℃以上60℃未満となるように制御する加熱温度制御手段を備えることを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載のミストサウナ装置。
【請求項14】
防カビ運転制御手段において、循環送風手段による気流吹出し方向を制御する気流制御手段を備えることを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載のミストサウナ装置。
【請求項15】
防カビ運転制御手段において、ミスト発生手段によるミストサウナ運転を一定時間行ったのち暖房運転を一定時間行うことを特徴とする請求項1から14のいずれかに記載のミストサウナ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−39269(P2009−39269A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−206575(P2007−206575)
【出願日】平成19年8月8日(2007.8.8)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】