説明

ミトコンドリアを標的化することにより細胞死を誘発し得る分子及びその使用

本発明は、ミトコンドリアを標的化することにより細胞死を誘発するための、Bcl−2ファミリーのタンパク質の膜挿入ヘリックスの誘導体の使用であって、前記誘導体は、Baxタンパク質のα5及び/又はα6領域に、或いはBcl−2ファミリーの他のタンパク質中に存在する同等の領域に、属するペプチドであることを特徴とする、使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の目的は、ミトコンドリアを標的化することにより細胞死を誘発する(induce)ための、単離されたペプチドの使用、及びそれらの生物学的適用である。
【背景技術】
【0002】
細胞生存に不可欠なエネルギーを供給することに加えて、ミトコンドリアは、脊椎動物におけるアポトーシスの調節において本質的な機能を果たしている。
【0003】
ミトコンドリアのアポトーシス経路は、主要な事象:ミトコンドリア外膜の透過化、によって定義され、このことは結果として、通常は膜間スペース中に含まれている毒性タンパク質(例えばチトクロームcなど)の細胞質中への放出をもたらす。
【0004】
この膜の完全性は、Bcl−2ファミリーのタンパク質の支配下にある。このファミリーのタンパク質は、前アポトーシス(Bax及びBidなど)又は抗アポトーシス(Bcl−2及びBcl−xLなど)のいずれかであり、ホモ二量体及びヘテロ二量体を形成し、これらのタンパク質-タンパク質相互作用全体が、アポトーシスの調節に関与する。
【0005】
しかしながら、それらの機能には、Bcl−2ファミリーのタンパク質と、細胞内膜との相互作用が不可欠であることが知られている。それ故、Bcl−2ファミリーの、前アポトーシスタンパク質(Bax及びBidなど)及び抗アポトーシスタンパク質(Bcl−2及びBcl−xLなど)の双方は、インビトロの人工膜中に孔を形成し得る。実験はまた、前アポトーシスタンパク質Bax及びBak(単独で、又は他のタンパク質と組合せて)のオリゴマーによってミトコンドリア外膜中に形成された合成チャネルが、チトクロームcなどの溶質を通過させることも示している。
【0006】
Bcl−2と相同のタンパク質は、6ないし9本の両親媒性アルファ−ヘリックスを含んでなる球状構造(膜孔を形成するある種の細菌毒素のものに類似)を共有する。いくつかの構造研究は、これらのタンパク質の機能に関する本質的な構造上の決定要因の1つが、生体膜中に挿入されること及び孔を形成することが可能な、2つの逆平行な「ヘアピン」アルファ−ヘリックス(Bax中の、アルファ5−アルファ6)からなる超二次(「ヘリックス−ターン−ヘリックス」)モチーフであることを示してきた。Baxの3D構造を、図1に示す。モチーフの各ヘリックスは、3−4残基からなる折り返しによって分離された、約15−20アミノ酸のサイズ(脂質二重層を横切ることができる程度のアルファヘリックスの大きさ)を有する。有効な研究は、このドメインが、Bcl−2ファミリーのタンパク質の人工膜への挿入及びモデル膜系における孔形成に重要であることを支持している(総説としては、非特許文献1参照)が、このモチーフのミトコンドリアレベルでの作用機序については、何ら情報を提供していない。したがって、このモチーフの、Bcl−2ファミリーのタンパク質によるインセルロ(in cellulo)及びインビボでの孔形成に対する正確な寄与は、なお大部分が推論にすぎない。
【0007】
文献では、Baxの中央の膜挿入ヘリックス(アルファ5及びアルファ6)に相当するペプチドが、それ自体によって、リポソーム中に含有される分子の放出を誘発し得ることが報告されている(非特許文献2、3、4)。さらに、最近の構造研究は、Baxのアルファ5ヘリックスに相当するペプチドが、脂質孔を形成することを示している(非特許文献5)。これらの研究は、人工的かつ非細胞の系における孔形成の基本的メカニズムに光を当ててはいるが、用いたペプチドが細胞死を誘発する能力については、何らの指示も見られず、またミトコンドリアに対するそれらの効果については、何らの調査もされていない。
【0008】
1つの研究(非特許文献6)が、アルファ5及び/又はアルファ6ヘリックスを含んでなるBaxフラグメントをコードしている構築物の、細菌又は哺乳類細胞による異所性発現が、毒性効果を及ぼすことを示した。この研究論文の筆者らは、哺乳類細胞を殺し得るBax領域が、ミトコンドリアを欠く細菌の死を誘発するものと同じであると報告している。この研究を基に、発現されたフラグメントの作用機序を調べること、特に哺乳類細胞で観察された細胞毒性活性がミトコンドリアレベルでの作用に依存するかどうかを知ることはできない。とりわけ、この研究は組換えプラスミドの使用についてのみ言及し、Baxのアルファ5及び/又はアルファ6領域に対応するペプチドの効果については、試験していない。
【0009】
Bcl−2ファミリーのタンパク質の膜挿入領域が、進化によって、動物細胞のミトコンドリア膜中に特異的に組み込まれるよう選択されてきたことは充分考えられる。これらの領域が、それらを含有するタンパク質の全体的な状況の範囲を超えて、ミトコンドリアに影響を及ぼすこと、その構造(例えば、その膜など)及び/又は機能(例えば、その膜電位など)に干渉すること、及び細胞死を引き起こすことが可能か否かを実験的に試験することは重要である。現時点では、この膜挿入モチーフ由来のペプチドの、それ自体でミトコンドリアに作用することによりアポトーシスプロセスを開始させる能力は、何ら実験的証拠によって支持されてはいない。かかるペプチドは、細胞死を開始させるのに使用された、非常に活性が高いわけではなく、それ故産業開発に好適とはいえない、人工的なカチオン性ペプチド(非特許文献7)に取って代わり得るものであった。
【0010】
本発明者らによる研究は、これらの領域に由来するペプチドが、それ自体でミトコンドリア膜を標的とし、かつアポトーシスによって細胞死を引き起こし得るか否かを決定するための研究に関するものであった。
【0011】
得られた結果は、Bcl−2ファミリーのタンパク質と膜との相互作用を指示する、最少の構造決定基の同定を可能にした。有利なことに、いくつかの領域は、ミトコンドリアを標的化すること、及びミトコンドリア膜を不安定化することに関し、大いに関心がもたれることが証明された。これらの領域に基づき、治療に使用し得る新規分子に近づく道を開く、生物活性ペプチドが開発されてきた。
【0012】
これらの新規分子は、「ポロペプチド」(ギリシャ語 Poros ΠΟΡΟΣから:穴、又は海の入口;比喩的に:困難を回避するための有効な手段)と記され、ポロペプチドは、脂質膜中に孔を形成するか、又はミトコンドリア膜などの生体膜を不安定化させる能力を有するペプチドを表わす。
【0013】
Bcl−2ファミリーのタンパク質の膜挿入領域に基づきデザインされたポロペプチドは、したがって、例えば、腫瘍細胞などの有害な細胞のアポトーシスを誘発し得ることが証明されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】ペトロス(Petros)ら、「Biochim.Biophys.Acta.」、2004年
【非特許文献2】ガルシア−サエズ(Garcia−Saez)ら、「Biophys J」、2005年
【非特許文献3】Garcia−Saezら、「FEBS J」、2006年
【非特許文献4】Garcia−Saezら、「Biophys J」、2007年
【非特許文献5】キアン(Qian)ら、「Proc Natl Acad Sci USA」、2008年
【非特許文献6】イシバシ(Ishibashi)ら、「Biochem Biophys Res Commun」、1998年
【非特許文献7】エラビー(Ellerby)ら、「Nat Med」、1999年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
それ故、本発明の目的は、その配列がBcl−2ファミリーのタンパク質の膜挿入領域に由来するペプチドの、ミトコンドリアを標的化することにより細胞死を誘発するための使用である。
【0016】
本発明はまた、これらの領域から開発されたペプチドからなる新規分子を提供することに関する。
【0017】
本発明はまた、これらの様々な分子を用いて、癌細胞にアポトーシスプロセスを再発動させると同時に、周囲の健康な細胞への影響をできるだけ制限するために、極めて有効な手段を提供することに関する。この標的化工程は、例えば、腫瘍部位のレベルでその選択的標的化を与える一方で健康な組織は助ける、ホーミング分子へカップリングさせることによる、ペプチドのベクトル化に基づくこともできる。生体の全ての生細胞(健康又は病的)は、ミトコンドリアを有することから、ミトコンドリアの透過性の破壊を誘発するポロペプチドを用いて、多くの細胞型の死を誘発し得る。治療用の標的化技術の進歩により、生体に有害な、ある細胞集団の選択的除去を実施し得ることが考えられる。
【0018】
したがって本発明は、ミトコンドリアを標的化することにより細胞死を誘発するための、Bcl−2ファミリーのタンパク質の膜挿入ヘリックスの誘導体の使用であって、該誘導体が、Baxタンパク質のα5及び/又はα6領域に、或いはBcl−2ファミリーの他のタンパク質中に存在する同等の領域に、相当するペプチドであることを特徴とする、該使用に関する。
【0019】
本発明はまた、上記ペプチドの誘導体、多様体、突然変異体、又はフラグメントにも関係する。
【0020】
上記に定義されたものに由来する合成ペプチドは、例えば、細胞貫通又は特定の細胞型の認識のための手段を含んでなる。
【0021】
有利な手段は、標的化された細胞内へのそのインターナリゼーションを可能にする、形質導入モチーフに相当する。これは特に、ポリアルギニンモチーフであり、好都合には8個のアルギニン残基を含んでなる。他の修飾は、1つ以上のアミノ酸の欠失及び/又は置換に対応する。それ故、前記領域の1つ以上のシステイン残基は、セリン又はグリシンモチーフで置き換え得る。
【0022】
本発明はまた、上記に定義されたものに由来するペプチドと、内皮を認識する分子などの標的化分子とを含有するコンジュゲートであって、ある種の腫瘍細胞又は血管形成内皮細胞などの、特定の組織又は細胞型を標的化させることが可能な、該コンジュゲートにも関係する。
【0023】
本発明はまた、上記に定義されたペプチドの機能的等価物、例えば、糖鎖付加などの翻訳後修飾から、或いは、脂質、糖、ヌクレオチド配列、又はアミノ酸配列とのカップリングなどの化学的修飾から、結果として得られる修飾を含んでなるペプチドにも関係するが、但しこれらの修飾は、以下の実験のセクションで示した試験により、前記ペプチドの前アポトーシス活性を修飾しないことを条件とする。機能的等価物はまた、その1つ以上のアミノ酸がD−コンフォメーションアミノ酸であるペプチドも含んでなる。本発明はまた、レトロペプチド及びレトロインベルソ(retro−inverso)ペプチドもカバーする。
【0024】
本発明は、特に、α5及びα6領域に由来するペプチド、例としては、配列番号1:NH−NWGRVVALFYFASKLVLKALSTKVPELIR−COOHのペプチドに関する。
【0025】
インターナリゼーションの後、これらの「ミトコンドリア毒性」化合物は、ミトコンドリア膜、特にミトコンドリア外膜を不安定化させることにより、アポトーシスを開始することができる。有利なことに、それらはミトコンドリアの膜間スペース中に含まれていた多数の毒性分子、特にチトクロームcの放出を誘発する。
【0026】
実施例によって例示されるように、それらの細胞毒性活性は、インセルロで証明された。
【0027】
したがって、別の態様によれば、本発明は、上記に定義されたペプチドの、医薬品としての使用に関する。
【0028】
本発明の医薬組成物は、上記に定義された少なくとも1つのペプチドの治療有効量を、薬学的に許容されるビヒクルと組合せて含んでなることを特徴とする。
【0029】
本発明はまた、有効成分として、既に定義された少なくとも1つのペプチドを、前記組成物中に少なくとも1つの薬学的に許容されるビヒクル、希釈剤、又は賦形剤と組合せて含んでなる、該医薬組成物にも関係する。
【0030】
本発明による医薬組成物の投与は、治療剤のために許容される投与法のいずれか1つにより、当業者に公知の技術によって実施し得る。これらのプロセスは、全身、局所、経口、又は、他の中枢投与、例えば外科手術によるか、さもなければ眼内投与によるものを含んでなる。生分解性インプラントの皮下移植もまた挙げられる。
【0031】
本発明によるペプチドの投与のための薬用量は、個体のタイプ、種、年齢、体重、性別、及び医学的状態;治療されるべき症状の重症度;投与の経路;個体の腎及び肝臓機能の状態、及び用いる特定の化合物、又は塩の性質を含む、多くの要因によって選択される。通常の経験のある当業者は、治療されるべき症状の進行を予防し、妨げ、又は停止するための有効量を、決定すること及び処方することができる。
【0032】
ミトコンドリアの透過性に対するその直接的な作用のおかげで、上記の化合物は、腫瘍細胞又は腫瘍に潅注する新生血管の細胞へのインターナリゼーションの後に、アポトーシスプロセスを開始するのに特に有利である。
【0033】
ミトコンドリアを標的化するその能力の故に、本発明の目的はまた、アポトーシスを誘発する目的で、化合物又はポリペプチドをミトコンドリア膜に送達するためのミトコンドリア標的化分子としての、上述のペプチドの使用である。
【0034】
それらは一般に、リウマチ様関節炎又は肥満などの、血管新生が増加した状況において使用し得る。その理由は、持続的な血管形成が、関節炎の重篤な形態と肥満中の脂肪塊の維持とを特徴付けるからある。病的血管形成はまた、乾癬及びある型の糖尿病においても見られる。
【0035】
前記ポロペプチドの別の有利な実施態様によれば、それらは、特定の他のタイプの有害細胞、例えば、自己を認識しかつ自己免疫性疾患を引き起こす免疫細胞に対処するために使用される。
【0036】
上記に定義されたポロペプチドは、抗菌ペプチドの全ての性質:両親媒性、カチオン性、脂質膜の不安定化、を示す。それ故本発明の目的はまた、抵抗性細菌を殺すことができる抗菌性をもつ分子を調製するための、上記に定義されたペプチドの使用である。
【0037】
一般に、治療用ペプチドは通常、従来の薬物よりも容易に代謝されかつ除去され、患者に回復のよりよい機会を与えると同時に、標準的な治療に付随する合併症の最小化を可能にする。
【0038】
さらに、ポロペプチドを、本発明によって従来の薬物を補足するアジュバントとして使用してもよく、それ故その用量及び副作用の低減が可能となる。
【0039】
別の態様によれば、本発明は、上記に定義された少なくとも1つのペプチドを、化粧品学的に許容されるビヒクルと組合せて、その有効成分中に含有する、化粧品用組成物に関する。
【0040】
有利なことに、本発明のペプチドは、これらの組成物に関し、安定化特性を示す。
【0041】
別の態様によれば、本発明はまた、少なくとも1つの上記に定義されたペプチドを、作物栽培学的に許容されかつ食品産業において許容されるビヒクルと組合せて、その有効成分中に含有する、作物栽培用組成物又は食品加工用組成物に関する。
【0042】
本発明の他の特徴及び利点は、以下の実施例において示される。これらの実施例においては、各々が以下を表わす図1ないし11が参照される:
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】A)コリシンAの「チャネル」ドメイン;B)Baxの3D構造;C)Bcl−2ファミリーのタンパク質のα−ヘリックスヘアピンモチーフ(Bax中のアルファ5−アルファ6)を示す図である。
【図2】GFP(緑色蛍光タンパク質)と前アポトーシスタンパク質Baxの種々の膜挿入又はアンカー領域との間の融合物をコードする、構築物を示す図である。
【図3】ウエスタンブロッティングによる、Bax領域の発現の分析結果を示す図である。
【図4】前記領域に関し、GFPの細胞内局在を示す図である。
【図5】GFP又は本発明により使用されたペプチドへ融合されたGFPを発現する細胞の、細胞死率を示す図である。
【図6】野生型マウス胚性線維芽細胞(MEF)又はBax及びBakを欠損するマウス胚性線維芽細胞(MRF−DKO)の、アポトーシスレベルを示す図である。
【図7】GFP又は本発明により使用されたペプチドへ融合されたGFPを発現する細胞の、ミトコンドリア膜電位を示す図である。
【図8】本発明のペプチドのヘリコイダルホイール(Helicoidal wheel)図である。
【図9】単離されたミトコンドリアに対する本発明のポロペプチドの効果を示す図である。
【図10】胚(図9)及び細胞(図10)の生存率及び形態学に対するBaxのペプチドフラグメントのマイクロインジェクションの効果を示す図である。
【図11】胚(図9)及び細胞(図10)の生存率及び形態学に対するBaxのペプチドフラグメントのマイクロインジェクションの効果を示す図である。
【図12】本発明のポロペプチドの前アポトーシス効果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
【実施例】
【0045】
GFPに融合された1つ以上のBax領域:アミノ酸1−192(全Baxタンパク質:α1−α2−α3−α4−α5−α6−α6’−α7−α8−α9)、20−37(α1)、106−134(α5)、130−150(α6)、102−150(α5−α6)、102−192(α5−α6−α6’−α7−α8−α9又はα5−α9)、169−192(α9)、をコードする核酸に相当するインサートを含んでなるプラスミド構築物
前アポトーシスBaxタンパク質上に存在する種々の膜挿入又はアンカー領域をコードする核酸を、pEGFP−C1プラスミド中にクローニングした。挿入された配列を、図2に示す。ポリペプチド GFP−KLAKLAKKLAKLAKをコードする構築物(GFP−KLAK)も作成した。KLA配列を多く含む人工ペプチドは、負に帯電した細菌膜を標的とし、かつ抗菌作用を示すことが知られている。
【0046】
組換えプラスミドは、分子シーケンシングにより確認した。ウエスタンブロッティングにより実施したBaxインサートの発現の分析を、図3に報告する:上部は、上記のプラスミド構築物で一過性にトランスフェクトされたHT1080線維肉腫細胞の溶解物の、抗GFP抗体を用いたウエスタンブロッティングによる分析に対応し;中央部分は、アポトーシスにより切断されたPARPフラグメントを認識する抗体を用いて得られたイムノブロットを示し;下部は、活性化型カスパーゼ3を認識する抗体を用いて得られたイムノブロットを示す。
【0047】
様々な構築物を、インビトロで培養されたヒト細胞(HT−1080及びSK−MEL−28)にトランスフェクトし、次に、GFPに融合されたBax膜挿入フラグメントにより誘発される、細胞内局在及び細胞毒性を測定した。
【0048】
図4は、GFPに融合されたBax膜挿入フラグメントからなるインサートのものと比較した、完全GFPタンパク質の細胞内局在を示す。MRF−DKO細胞を、種々のBaxインサートをコードするpEGFP−C1プラスミドと、MitoDsRedベクターとによりコトランスフェクトした。Bax膜挿入ヘリックス及び/又はTMドメインに相当する、又は含んでなるペプチドは、GFP(緑色)をミトコンドリア膜(ミトコンドリア標的化配列CoxVIIIを含んでなるMitoDsRedタンパク質のせいで、赤色に標識される)に標的化させるのに充分であることが観察される。同様の結果が、Hsp70ミトコンドリアタンパク質に対して作られた抗体を用いて得られた(下部の挿入図)。これらの共焦点顕微鏡結果は、Baxタンパク質の短いフラグメント(特に、アミノ酸106−134、130−150、及び169−172に相当する領域)が、ミトコンドリアに対するそれらの特異的標的化に必要な決定基を含有することを示している。
【0049】
図5は、様々な構築物の発現により誘導される、細胞毒性を示す。図5Aは、GFP単独、又はBaxデスタンパク質の種々の膜挿入フラグメントとの融合物を発現する、HT−1080細胞の死亡率(アポトーシス/壊死)を示す。細胞を、全カスパーゼ阻害剤 zVAD.fmk(100μM)で処理した(+)か、又は処理しなかった(−)。細胞死は、トランスフェンクションの24時間後に、落射蛍光顕微鏡下で緑色の細胞(GFP発現性)の数を計数することにより定量化した。細胞死のタイプ(アポトーシス及び壊死)を、ヨウ化プロピジウムに対する膜透過性(壊死)及び、ヘキスト(Hoechst)33342で染色後の核の形態学(凝縮又は断片化した核)(アポトーシス)によって判定した。ヨウ化プロピジウムに陰性であり、かつピクノーシス核を呈する緑色の細胞を、アポトーシスであるとして計数した。結果は、3回の実験の平均値(標準偏差付き)を表わす。
【0050】
用いた試験において、ピクノーシス核を呈する緑色の細胞(構築物発現性)は、アポトーシスの状態にあり、ヨウ化プロピジウムで赤色に染色されるものは、壊死の状態にある。
【0051】
Baxの中央のヘリックス(GFP−Bax−α5α6、GFP−Bax−α5、及びGFP−Bax−α6)をコードしている構築物は、強い細胞毒性があり、かつ主としてアポトーシス型の細胞死を誘発することが観察される。Bax膜挿入フラグメントの発現により引き起こされる細胞死のアポトーシス性は、特異抗体を用いたウエスタンブロッティング技術により証明された、PAPRPタンパク質の切断及びカスパーゼ−3の活性化(図3)により、また広スペクトルのカスパーゼ阻害剤(zVAD.fmk)を用いたアポトーシスの阻止(図5A)によって確認される。加えて、アポトーシス細胞死の開始は、アポトーシス状態にある細胞によって外在化されたホスファチジルセリンを特異的に認識する、アネキシン(Annexin)−Vで標識することにより証明される(図5B)。この実験で細胞死は、興味のプラスミドによる細胞の一過性のトランスフェクションの24時間後に、フローサイトメトリーによるアネキシン−V−シアニン(Cyanine)3試験を用いて定量化した。GFP−Bax−α5及びGFP−Bax−α6構築物が、GFP−KLAK構築物よりも、アポトーシスの誘発に関し、より有効であることに注目されるべきである。
【0052】
図6は、インサートによってコードされた毒性タンパク質が、内在するBax及びBak前アポトーシスタンパク質によって作用するのではないことを示しているが、その理由は、Bax及びBakを欠損するマウス線維芽細胞(MEF−DKO)が、それらの発現により誘発されるストレスに抵抗性ではないことである(図3も参照のこと)。グラフ(図6A)は、MEF−DKOマウス線維芽細胞に比較した、MEF野生型マウス線維芽細胞の、細胞死のタイムコース(アネキシンV−Cy3試験により、フローサイトメトリーによって定量した)に相当する。Bax−及びBak−欠損性線維芽細胞は、野生型マウス線維芽細胞と同様に、GFP−Bax−アルファ5タンパク質の発現によるアポトーシスの誘発に対し感受性であることが観察される。同時に、MEF−DKO細胞は、スタウロスポリンにより誘発されるアポトーシスに対し抵抗性である(図6B)。これらの結果は、Bax−アルファ5領域が、アポトーシスによってMEF−DKO細胞を殺し得ることを示しており、前記細胞は、多くのアポトーシス刺激に対し抵抗性であると記載されている(ウェイ(Wei)ら、「Science」、2001年)。
【0053】
図7は、Baxのα5及び/又はα6ヘリックスを含んでなるポリペプチドを発現する細胞(HT−1080)が、それらのミトコンドリア膜電位(ΔΨm)に、GFPのみを発現する細胞とは対照的に、かなりの降下を体験することを示し、アポトーシスの誘発におけるミトコンドリア依存性経路の関与を示唆している。細胞を、トランスフェクションの24時間後にミトトラッカー(Mitotracker)で染色し、フローサイトメトリーにより分析した(図7A)。ヒストグラムは(図7B)は、緑色の細胞(GFP発現性)のフローサイトメトリーによる定量化の3回の実験の平均値を示し、ミトトラッカーの取り込みの欠損を示している(すなわち、低いΔΨm)。
【0054】
提示した結果は、アミノ酸106−104及び130−150に対応する、Bax前アポトーシスタンパク質の領域が、ミトコンドリア膜を標的化し得ること、及びアポトーシスによる細胞自死を誘発し得ることを示す。これらの領域は、完全なBaxタンパク質内ではαヘリックスとして構築され(スズキ(Suzuki)ら、「Cell」、2000年、第103巻、p.645−654)、生体膜の不安定化に好適な両親媒性を有する。
【0055】
配列番号1の配列のポロペプチド
それは、溶液中のBaxタンパク質の3D構造から推測されるα5ヘリックスよりも長い、両親媒性ペプチドである(図8参照)(スズキ(Suzuki)ら、2000年)。それは、ジスルフィド結合形成を制限するべく天然のシステイン残基の代わりに126位に取り込まれた、セリン残基を含んでなる。
【0056】
・単離されたミトコンドリアとのインキュベーションによる、その作用様式のキャラクタリゼーション
ポロペプチド−Bax(106−134)のエクスセルロ(ex cellulo)活性を、単離されたミトコンドリアの膜間スペースからの、そのチトクロームc放出促進能を測定することにより試験する。得られた結果を図9(A)に示す。
【0057】
ペプチドを、ミトコンドリアと5、15、30、又は60分間インキュベートし、上清(SN)中へのミトコンドリアのチトクロームc放出を、ウエスタンブロッティングにより測定する。ミトコンドリア分画(Mito)を、HSP70又はATPアーゼ(サブユニット6)ミトコンドリアタンパク質に対して作られた抗体を用いてキャリブレートする。ポロペプチド−Bax(106−134)では、チトクロームcは、10μMで、かつ5分間のインキュベーションで、ミトコンドリアの膜間スペースから放出される。配列番号2の配列 KLAKLAKKLAKLAKの、人工的抗菌ペプチド(KLAK)を用いる場合、何ら放出は観察されない。
【0058】
ポロペプチド−Bax(106−134)によって放出が観察される最低濃度に相当する10μMでは、Bax−BH3ペプチド(α5ヘリックスの約30残基上流に局在する、α2ヘリックスに相当するBaxのBH3デスドメイン)については何ら放出が観察されない。チトクロームcのミトコンドリア膜間スペースからの放出は、HEK293T細胞から単離されたミトコンドリアを用いて、25μMから始まり、SK−MEL−28細胞では全く放出されない。ポロペプチド−Bax(106−134)はそれ故、ミトコンドリアの膜間スペースからのチトクロームc放出については、Bax−BH3よりも活性が高い。さらにそれは、最初の5分間という早さで容易に放出させるのに対し、HEK293T細胞でのBH3ペプチドでは30分間待つ必要があることから、より有効である。
【0059】
これらの実験は、配列番号1の配列の、ポロペプチド−Bax(106−134)が、ミトコンドリア膜の透過化の誘発のための強い能力を有することを示している。
【0060】
図9Bは、加えて、ポロペプチド−Bax(106−134)が、膨張(左側のパネル)及び脱分極(右側のパネル)という物理的プロセスを引き起こすことにより、このオルガネラの生理学を非常に傷つけることを示す。ポロペプチド−Bax(106−134)は、ミトコンドリアの膨張(DD50=1.68±0.39μM)と、膜電位の降下(SD50=3.98±0.57μM)とを誘発する。これら2つのパラメータは、ラット肝臓から単離され、種々の濃度のポロペプチド−Bax(106−134)の存在下でインキュベートされた、ミトコンドリアを用いて測定された(NT=処理せず)。
【0061】
インビトロで得られたこれらの結果は、Baxのα5領域によるアポトーシス誘発における、ミトコンドリア依存性の経路の関与を強調している。
【0062】
・誘発された細胞毒性の測定
−ペプチドのエンドジナス投与(マイクロインジェクションによる)
ポロペプチド−Bax[106−134]を、インビトロでマイクロインジェクトした。次の理由から、ゼブラフィッシュ(Danio rerio)モデルを使用した:(i)アポトーシスマシーナリーがヒト細胞と魚細胞との間で保存されていること;(ii)卵は、単離されたミトコンドリアに比較して、統合された細胞系に対応すること;(iii)ゼブラフィッシュ卵は、日常的に注射し易いこと。
【0063】
得られた結果を図10に示す:
(A)ゼブラフィッシュ卵を、1−2細胞期において、ポロペプチド−Bax[106−134]、Bax−BH3ペプチドの濃度を増しながら、又は超純水(‘mock’)と共にマイクロインジェクトした。マイクロインジェクションキャピラリー内の濃度100μMは、卵当たり約6×1012分子のペプチドに相当する。ヒストグラムは、受精後24時間のパーセント死亡率、及び重度の奇形を示す生きた胚のパーセントを表わす。示したデータは、同じ結果を与える2つの独立した実験の代表的なものである。
【0064】
(B)マイクロインジェクション(100μMのペプチド)の24時間後の胚の形態学。BH3ペプチドを注射した群に比較して、ポロペプチド−Bax[106−134]を注射した魚群では、重度の奇形が見られる。
【0065】
次に、ポロペプチド−Bax[106−134]を、デキストラン−フルオレセインの溶液と混合し(落射蛍光顕微鏡により、その可視化を可能にするため)、次いでSK−MEL−28ヒトメラノーマ細胞中にマイクロインジェクトした。次に細胞生存率を、マイクロインジェクションの12時間後にモニターして定量化した。
【0066】
図11は、得られた結果を示す:
(A)デキストラン−FITC蛍光トレーサーを単独で(‘mock’)、又はポロペプチド−Bax[106−134]と混合して注射した、SK−MEL−28ヒトメラノーマ細胞を示す顕微鏡写真。細胞は、マイクロインジェクションの12時間後に写真撮影した。ポロペプチド−Bax[106−134]をマイクロインジェクトされた細胞は、アポトーシスの特徴的な形態学的症状発現(細胞質の出芽、収縮、及び細胞の円形化)を示す。倍率 x800.
(B)ポロペプチド−Bax[106−134]の、又はBax−BH3、KLAK、若しくはR8ペプチドの、マイクロインジェクション後の細胞生存率。マイクロインジェクトされた細胞を、デキストラン−FITCトレーサーによって可視化した。細胞死は、マイクロインジェクションの12時間後に、対照(デキストラン−フルオレセインを足した超純水のマイクロインジェクション)に比較して、アポトーシスの典型的な形態学的症状発現を示している細胞数を計数することにより推定した。示したデータは、同じ結果を示す独立した2つの実験の代表的なものである。
【0067】
この結果は、ポロペプチド−Bax[106−134]のマイクロインジェクションが、実質的な細胞死を誘発するのに対し、Bax−BH3、又はKLAKをマイクロインジェクトされた細胞には、何ら有意な効果がないことを示す。配列番号3の配列 RRRRRRRR(ポリアルギニン細胞内形質導入モチーフ)からなる対照ペプチド(R8)をマイクロインジェクトされた細胞は、対照に匹敵する生存率を示す。これらのデータは、ポロペプチド−Bax[106−134]が、ゼブラフィッシュ卵内又はインビトロで培養された腫瘍細胞内への導入後に、用量依存性に細胞毒性を及ぼすこと、及びそれが、同じタンパク質に由来する前アポトーシスペプチド(Bax−BH3)よりも、又は膜レベルで活性があることが知られている他のペプチド(KLAK及びR8)よりも、細胞死の誘発に関し、より有効であることを示している。
【0068】
−エクソジナス投与(ポリアルギニン型のトランスデューサーペプチドとのカップリングによる)
グリシン残基で分離された、ポリアルギニンN−末端伸長(R8)を含んでなる、配列番号1の配列のポロペプチドを使用した。フルオレセインイソシアネート(FITC)基を、C−末端位に付加して、落射蛍光顕微鏡によるその可視化を可能にした。R8−Scr−FITCペプチドは、R8−Bax[106−134]−FITCペプチド中に存在する配列の「Scramble(スクランブル)」配列、すなわちその中でアミノ酸(配列中のそれらの順序)が混ぜ合わされている対照配列である。
【0069】
図12は、得られた結果を示す:
(A)ヒーラ細胞を、10μMの、ポロペプチド FITC−R8−Bax[106−134]又は対照ペプチドR8−Bax[Scr](ポロペプチドの「スクランブル」バージョン)の存在下で6時間インキュベートし、次に落射蛍光顕微鏡下で観察した。蛍光性ペプチドの存在下でインキュベートされた細胞は、強い細胞質性の標識化を示す(インキュベーションから1時間で可視)。スケール 10μm。
【0070】
(B)ポロペプチドR8−Bax[106−134]は、用量依存性及びインキュベーション時間依存性の、細胞生存率喪失を誘発する。ヒーラ細胞を、濃度を増していく(5、10、25、及び50μM)ペプチド、R8−Bax[106−134]又はR8−Bax[106−134]で処理した。細胞毒性は、インキュベーションの3、6、又は24時間後に、ラクトースデヒドロゲナーゼ(LDH)の細胞放出を測定することにより判定した(n=4)。ペプチドR8−Bax[Scr]は、試験した濃度では、何らLDHの有意な漏れを誘発しない。結果を、平均値及び標準偏差で示す。
【0071】
(C)全カスパーゼ阻害剤zVAD.fmkは、ポロペプチドR8−Bax[106−134](25μM)により誘発される細胞死を低減する。細胞毒性は、100μMのzVAD.fmk、又はバッファのみ(‘DMSO’)の存在下でのインキュベーションの3、6、又は24時間後に、乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)の細胞放出を測定することにより判定した。結果を、平均値及び標準偏差として示す。
【0072】
(D)ポロペプチドR8−Bax[106−134]で処理されたヒーラ細胞の死亡率(アポトーシス/壊死)。細胞死のタイプは、トランスフェクションの24時間後に、ヨウ化プロピジウムに対する細胞の透過性(壊死)、又はヘキスト33342でDNA染色した後の核の形態学(アポトーシス)を観察することにより判定した。緑色の細胞(GFP発現性)を、落射蛍光顕微鏡により可視化した。実験当たり約300個の細胞を計数した。結果は、3回の独立した実験の平均である(標準偏差も表わされている)。
【0073】
したがって、2つのペプチド(ポロペプチド FITC−R8−Bax[106−134]、及び「スクランブル」対照ペプチド R8−Bax−[Scr])は、インビトロの培養にあるヒーラ細胞により、迅速にインターナライズされる(1時間未満で)(図12A)。対照ペプチドとは異なり、ポロペプチド R8−Bax[106−134]−FITCは、ヒーラ細胞の生存率を、用量依存及びインキュベーション時間依存の様式で阻害する(図12B)。インビトロで添加されたパン−カスパーゼ阻害剤、zVAD.fmkは、R8−Bax[106−134]−FITCにより誘発される細胞死を有意に阻害し(図12C)、その前アポトーシス活性におけるカスパーゼの関与を示している(図12D)。
【0074】
(E)ポロペプチド FITC−R8−Bax[106−134]、又は対照ペプチド FITC−R8−Bax[Scr]で処理された、野生型マウス線維芽細胞(MEF)、又はBax及びBakデスタンパク質を欠くマウス線維芽細胞(MEF DKO)の、アポトーシスレベル。アポトーシスは、アネキシンV−シアニド3試験を用いて、全カスパーゼ阻害剤zVAD.fmkの存在下又は不在下、処理後6時間又は24時間で、フローサイトメトリーによって定量化した。結果は、各条件下でインターナライズされた蛍光性ペプチドを有するアポトーシス細胞のパーセントに対応する。
【図1A】

【図1B】

【図1C】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミトコンドリアを標的化することにより細胞死を誘発するための、Bcl−2ファミリーのタンパク質の膜挿入ヘリックスの誘導体の使用であって、前記誘導体が、Baxタンパク質のα5及び/又はα6領域に、或いはBcl−2ファミリーの他のタンパク質中に存在する同等の領域に、相当するペプチドであることを特徴とする、使用。
【請求項2】
前記ペプチドが、Baxタンパク質の位置106−134、130−150、及び102−150のアミノ鎖に相当する領域から開発されることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
Baxタンパク質のα5及び/又はα6領域から、又はBcl−2ファミリーの他のタンパク質中に存在する同等の領域から、誘導されたペプチド。
【請求項4】
細胞貫通又は特定の細胞型の認識のための手段を含んでなることを特徴とする、請求項5に記載のペプチド。
【請求項5】
前記手段が、ポリアルギニンモチーフなどの形質導入ドメインに相当することを特徴とする、請求項6に記載のペプチド。
【請求項6】
1つ以上のアミノ酸が、欠失されているか、又は別のもので置換されていることを特徴とする、請求項5から7のいずれか1項に記載のペプチド。
【請求項7】
1つ以上のステイン残基が、セリン又はグリシン残基で置き換えられていることを特徴とする、請求項8に記載のペプチド。
【請求項8】
配列番号1:NH−NWGRVVALFYFASKLVLKALSTKVPELIR−COOHの配列からなるペプチド。
【請求項9】
請求項3から8のいずれか1項に定義された少なくとも1つのペプチドの治療有効量を、薬学的に許容されるビヒクルと組合せて含有することを特徴とする、医薬組成物。
【請求項10】
請求項3から8のいずれか1項に定義された少なくとも1つのペプチドを、化粧品学的に許容されるビヒクルと組合せて、その有効成分中に含有することを特徴とする、化粧品用組成物。
【請求項11】
請求項3から8のいずれか1項に定義された少なくとも1つのペプチドを、作物栽培学的に許容されかつ食品産業において許容されるビヒクルと組合せて、その有効成分中に含んでなる、食品加工用組成物又は作物栽培用組成物。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図12D】
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【図12E】
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【公表番号】特表2013−504559(P2013−504559A)
【公表日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−528491(P2012−528491)
【出願日】平成22年9月8日(2010.9.8)
【国際出願番号】PCT/IB2010/054052
【国際公開番号】WO2011/030296
【国際公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(507199975)サーントゥル ナシオナル ドゥ ラ ルシェルシュ シャーンティフィク セエンエールエス (13)
【出願人】(512061294)ユニヴェルシテ クロード ベルナール リヨン プルミエ (1)
【Fターム(参考)】