説明

ミネラル溶融物を製造する方法及び装置

【課題】廃棄ミネラル物質の再利用を可能とするミネラルウールを、前記ミネラル物質の流動特性を維持しながら高レベルのエネルギー効率において製造する方法を提供すること。
【解決手段】本発明は、ミネラル溶融物を製造する装置及び方法に関し:循環燃焼チャンバー(1)を設ける工程;燃料、予熱されたミネラル物質、及び燃焼ガスを循環燃焼チャンバー(1)内に注入する工程;循環燃焼チャンバー(1)において燃料を燃焼させることによって、ミネラル物質を融解させて、ミネラル溶融物を形成し、排気ガスを生成する工程;ミネラル溶融物から排気ガスを分離し、ミネラル溶融物(9)を収集し、そして、排気ガス(10)を熱交換システムに送る工程、を含み、ミネラル物質は、未精錬のミネラル物質である第1のミネラル物質、及び、結合ミネラルウールである第2のミネラル物質を含み、第1のミネラル物質は、第2のミネラル物質よりも高い焼結温度を有し、第1及び第2のミネラル物質は、熱交換システムに別々に供給され、第1のミネラル物質は、排気ガスとの接触により予熱され、次いで、第2のミネラル物質は、排気ガス及び予熱された第1のミネラル物質との接触により予熱されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無機の粒状物質の存在下で可燃物質を燃やすことによって溶融物を形成する、ミネラル溶融物の製造に関する。本発明は、廃棄ミネラル物質の再利用に特に有用である。さらに、この溶融物は、ミネラル線維を形成するよう線維化されるか、又は他の工業的な工程に使用することができる。
【背景技術】
【0002】
従来、スラグ、石、又は岩塊線維の溶融物を生産する通常の方法は、高炉によるもので、その際、炉において、無機の粒状物質から成る自立する堆積物が、可燃物質の燃焼によって加熱される。この堆積物は徐々に融解し、頂上から補給され、一方、溶融物が堆積物から浸みだし落下して、炉の底から排出される。この目的のために通常使われる炉は、キューポラ炉である。
【0003】
堆積物は、自立し、かつ、一般に堆積物中の炭素系物質の燃焼によって生成される燃焼ガスに対して透過的である必要がある。したがって、堆積物中のものは全て、比較的粗く(堆積物が透過可能となるように)、高い物理的強度を持ち、燃焼又は融解が十分進行するまで崩壊しないことが必要である。実際には、このことは、炭素系物質はコークスであり、粒状物質は、粗く砕いた岩、石、又はスラグであることを意味する。
【0004】
廃棄ミネラルウールなどの、ミネラル物質の微粒子を用いる場合、それをブリケット(豆炭)状に成形する出費及び不便を忍ぶ必要がある。ブリケット成形は、通常、石膏を含むポートランドセメントのように、結合剤として硫黄含有物質を使用するが、このことは、排出物の硫黄含量が高くなりがちで、加工を必要とすることを意味する。
【0005】
キューポラ又は他の煙道−炉システムはさらに、炉内条件が常に十分に還元性になる傾向があり、そのため、若干の鉄が還元されて金属鉄となるという欠点を有する。これは、溶融物から金属鉄を分離することを要し、ウール生産を下げ、鉄廃棄物の生成をもたらし、さらに、鉄・スラグ含有セクションにおける腐食危険を引き起こす傾向がある。
【0006】
もう一つの欠点は、このプロセスは高い熱効率を持っていないことである。
【0007】
これらの欠点にも拘わらず、キューポラ又は他の煙道−炉システムを用いるプロセスは、岩、石、又はスラグ線維の製造のために世界中で広く採用されてきた。
【0008】
それに代わる、ミネラル溶融物生産のための、全く異なるシステムが、我々の以前に公刊された特許文献1の中に開示される。このシステムは、予熱された燃焼空気の中に粉末状石炭又はその他の燃料を懸濁させ、かつ、循環燃焼チャンバー、すなわち、サイクロン循環システム又はそれに類似するシステム中で懸濁粒状物質及び空気が循環する燃焼チャンバーにおいて、懸濁粒状ミネラル物質の存在下に懸濁燃料を燃焼させることを含む。これは一般にサイクロン炉と呼ばれる。
【0009】
予熱された空気における石炭懸濁物、及び粒状のミネラル物質は、燃焼チャンバーの頂上、又は頂上近傍から導入される。燃焼チャンバー内では、粒状石炭の燃焼が起こり、粒状物質は溶融物に変換される。この溶融物、及び、まだ融解されていない粒状物質は、循環ガスによってチャンバーの壁に投げつけられ、チャンバーを伝って流れ落ちる。溶融物は、チャンバーの底の沈殿タンクに集められる。
【0010】
特許文献1では、サイクロン炉のエネルギー効率を増すために、1400から1700℃の範囲の温度において循環チャンバーから出てくる排出ガスを、粒状物質の予熱に使用する。特許文献1は、排気ガスを1000から1500℃に急冷し、次いで、ミネラル物質と混ぜて、それを700から1050℃に予熱することを教示する。
【0011】
特許文献2及び3もサイクロンシステムを開示する。
【0012】
サイクロン炉は、キューポラ又は他の煙道−炉と比べ著明な利点を有する。燃料に関して言えば、それは、粒子のブリケット成形を不要とし、かつ、例えば、プラスチックを含む広範な燃料の使用を可能とする。融解性サイクロン炉の使用は、鉱石が鉄に還元される危険性を排除し、環境的に受容可能な排出ガスを放出する。溶融物容量における自由度はキューポラ炉よりもはるかに優れており、このことは、生産を、例えば、容量全体の40%から100%に簡単に素早く切り替えることが可能であることを意味しており、したがって、変化する需要に対応するのに要する時間が大きく短縮されることを意味する。さらに、サイクロン炉における融解は、キューポラ炉の場合よりもはるかに短く、数時間の桁ではなく数分の桁である。
【0013】
したがって、融解サイクロン炉システムの使用は経済的、環境的に望ましく、特許文献1に開示される該システムは優れている。しかしながら、このプロセスに改善の余地がある。
【0014】
特許文献1において、ミネラル物質は、非特異的比率の、結合廃棄ミネラルウールを含むことが好ましい。廃棄物質を再利用可能できれば、一般的に有利である。しかしながら、本発明者らは、結合ミネラルウールが特許文献1のシステムで使用される場合、ミネラル物質は、その自由流動性粒子の特性を失って、粘稠性が高くなる傾向があることを発見した。これは特に、全体ミネラル物質の5%以上という相当量の廃棄ミネラルウールが使用される場合に、そのような事態になる。
【0015】
ミネラル物質の、この自由流動特性の喪失は、熱交換システムにおけるミネラル物質およびガスの効率的流れを妨げ、場合によっては、その流れを妨げる可能性がある。それはさらに、循環燃焼チャンバーの燃焼効率を下げる。なぜなら、大きなミネラル物質凝集塊を融解するには、より細かく分割された粒子を融解するのに必要とされるものよりも大きなエネルギーが必要とされるからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】WO 03/002469
【特許文献2】EP-A-1889876
【特許文献3】WO 2008/019780
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の目的は、廃棄ミネラル物質の流動性を維持し、高レベルのエネルギー効率を実現しながら、該ミネラル物質を再利用するために使用することが可能なミネラルウールを製造する方法を提供することである。
【0018】
US 5,006,141は、ガラス製造炉においてガラス製造材料を融解するために燃焼熱を用いるガラス製造法を記載する。この材料は、循環燃焼チャンバーに使用されるものではない。溶融物を生産するために二つの供給原料が使用される、一つはバッチ型原料であり、一つはガラス屑である。ガラス屑は、バッチ型原料の前に予熱される。バッチ型原料は、ガラス屑よりも低い焼結温度を有するという点について教示はない。ガラス屑はあらかじめ約650℃(1200°F)に加熱され、バッチ型原料はあらかじめ約250℃(約490°F)に加熱される。
【課題を解決するための手段】
【0019】
第1の局面によれば、本発明は、ミネラル溶融物を製造する方法であって:循環燃焼チャンバーを提供する工程;燃料、予熱されたミネラル物質、及び燃焼ガスを循環燃焼チャンバー内に注入する工程;循環燃焼チャンバーにおいて燃料を燃焼させることによって、ミネラル物質を融解させて、ミネラル溶融物を形成し、排気ガスを生成する工程;ミネラル溶融物から排気ガスを分離し、ミネラル溶融物を収集し、そして、排気ガスを熱交換システムに送る工程を含み;ミネラル物質は、第1のミネラル物質及び第2のミネラル物質を含み、ここで、第1のミネラル物質は、第2のミネラル物質よりも高い焼結温度を有し、第1及び第2のミネラル物質は、熱交換システムに別々に供給され、第1のミネラル物質は、排気ガスとの接触により予熱され、次いで、第2のミネラル物質は、排気ガス及び予熱された第1のミネラル物質との接触により予熱されることを特徴とする、方法を提供する。
【0020】
第2の局面によれば、本発明は、本発明の第1の局面による方法を実行するのに好適な装置であって:燃料注入口、混合ミネラル物質注入口、及び燃焼ガス注入口を有する、循環燃焼チャンバー、ミネラル溶融物を収集する手段、及び、第1のサイクロンプレヒータを含む熱交換システム、循環燃焼チャンバーから第1のサイクロンプレヒータに至る、排気ガスを輸送するための第1の導管、第1のミネラル物質を第1の導管に輸送するための第1のミネラル物質導管、第1のミネラル物質導管の排出口よりも、循環燃焼チャンバーから遠い地点で、第1の導管中に第2のミネラル物質を注入するための第2のミネラル物質注入口、及び、第1のサイクロンプレヒータから、循環燃焼チャンバーの混合ミネラル物質注入口に至る、混合ミネラル物質導管、を含む装置を提供する。
【0021】
第3の局面によれば、本発明は、ミネラル溶融物を製造する方法であって:循環燃焼チャンバーを提供する工程;燃料、予熱されたミネラル物質、及び燃焼ガスを循環燃焼チャンバー内に注入する工程;循環燃焼チャンバーにおいて燃料を燃焼させることによって、ミネラル物質を融解させ、ミネラル溶融物を形成し、排気ガスを生成する工程;ミネラル溶融物から排気ガスを分離し、ミネラル溶融物を収集し、そして、排気ガスを熱交換システムに送る工程を含み;ミネラル物質は、未精製のミネラル物質である第1のミネラル物質、及び、結合ミネラルウールである第2のミネラル物質を含み、第1及び第2のミネラル物質は、熱交換システムに別々に供給され、第1のミネラル物質は、排気ガスとの接触により予熱され、次いで、第2のミネラル物質は、排気ガス及び予熱された第1のミネラル物質との接触により予熱されることを特徴とする方法を提供する。
【0022】
本発明では、ミネラル物質が、二つのタイプのミネラル物質、第1のミネラル物質及び第2のミネラル物質を含むことが必須である。第1の局面では、第1のミネラル物質が、第2のミネラル物質よりも高い焼結温度を有することが必須である。典型的には、第1のミネラル物質は、「未精製の」すなわち加工されていないものであり、第2のミネラル物質は加工済みである。本発明の第3の局面によれば、第1のミネラル物質が未精製のミネラル物質であり、第2のミネラル物質が結合ミネラルウールであることが必須である。
【0023】
ミネラル線維などの加工済みミネラル物質は、一般に、非結晶構造を有し、有機又は無機の結合剤などの添加剤を含む。これらの特徴はいずれも、典型的には、結晶形を持つ未精製のミネラル物質よりも低い焼結温度をもたらす。
【0024】
加工済みミネラル物質は、例えば、加工されるための要件に合致しなかったミネラルウール、規定外のミネラルウール、又は、例えば、建築断熱材として使用されたミネラルウールであってもよい。このような材料は通常廃棄される。
【0025】
本発明では、加工済みミネラル物質は再利用が可能であり、これは、ゴミ投棄場の深刻な問題を緩和し、節約されるエネルギー及び汚染の低下は、気候変動の緩和に寄与する。
【0026】
WO 03/002469では、ミネラルウールの製造プロセスにおいて、ごく少量の、加工済みミネラル物質、例えば、結合ミネラル線維が使用され、未精製のミネラル物質との混合物の一部として予熱される。しかしながら、未精製のミネラル物質に比べ、加工済みミネラル物質の焼結温度の方がより低いために、加工済みミネラル物質は、排気ガスと接触すると軟化又は融解して粘稠性が高くなり易く、全量のミネラル物質の自由流動性を損ない、上述の多くの問題を引き起こす。
【0027】
ミネラル物質の焼結温度は、ミネラル物質の粒子が合着し、その自由流動性を喪失し始める温度である。したがって、この問題は、異なる焼結温度を有する二つのタイプのミネラル物質が使用されるときに、常に存在する。
【0028】
ミネラル物質の自由流動性の損失を回避するための一つの方法として、最も低い温度で軟化するミネラル物質の焼結温度よりも低くなるように大幅に排気ガスを急冷することが考えられる。しかしながら、急冷プロセスは、必然的に熱エネルギーの損失をもたらし、これは、システムのエネルギー効率を下げる。システムにおいて高いエネルギー効率を実現するためには、排気ガスの熱エネルギーを最大限利用することが重要である。さらに、これは、予熱されたミネラル物質にとって取得可能な最大温度を厳しく制限すると考えられる。なぜなら、これは、急冷排気ガスの温度よりもはるかに低いと考えられるからである。
【0029】
本発明は、これらの問題を、第1のミネラル物質を第2のミネラル物質とは別に供給し、かつ、予熱を2段階で実行することによって解決する。第1の段階は、第1のミネラル物質を排気ガスと接触させることによって、第1のミネラル物質を予熱する。第2の段階は、第2のミネラル物質を、排気ガスと、予熱された第1のミネラル物質とで、予熱することを含む。
【0030】
したがって、排気ガスが、第2のミネラル物質に達する頃には、それらのガスは、第1のミネラル物質との接触によって既に急冷されている(すなわち、冷却される)。このようにして、排気ガスは、第1及び第2のミネラル物質が混ぜ合わされた場合に可能な温度よりも高温で、しかも一方で、自由流動性に悪影響を及ぼす、ミネラル物質の軟化又は融解を回避しながら、第1のミネラル物質を予熱するために使用することが可能である。
【0031】
さらに、焼結温度に基づいて複数段階においてミネラル物質を加熱することによって、該ミネラル物質が一段階で予熱された場合に可能な温度よりも高い全体温度に(一方で融解又は軟化を回避しながら)ミネラル物質を予熱することが可能である。その理由は、初めの段階で、第1のミネラル物質を予熱するのに比較的高温の排気ガスを使用することが可能なので、ミネラル物質に移行させることが可能な全体熱エネルギーは、全般的に、第2及び第1のミネラル物質が一緒に予熱される場合よりも高くなるからである。
【0032】
通常よりも低い焼結温度を持つ、高レベルのミネラル物質、例えば、加工済みミネラル物質を、エネルギー効率の高いやり方で再利用することが可能なのは本発明の利点である。もっとも好ましい実施態様では、全体ミネラル物質の25から50%が第2のミネラル物質である。
【0033】
加工済みミネラル物質の再利用における本発明の使用は、通常高い溶融物の品質に悪影響を及ぼさない。好ましい実施態様では、溶融物はミネラル線維の製造に使用される。
【0034】
熱交換システムは、第1のサイクロンプレヒータを含み、排気ガスは、循環燃焼チャンバーから第1の導管を通じてこのプレヒータに輸送される。両タイプのミネラル物質は、プレヒータサイクロンの前に排気ガスの中に導入されることが好ましく、その際、第1のミネラル物質は、第2のミネラル物質の前に排気ガスの中に導入される。
【0035】
エネルギー効率をさらに改善するには、第1のミネラル物質を、循環燃焼チャンバーから第1の導管を通って排気ガスの中に導入する前に、先ず第2のサイクロンプレヒータにおいて加熱することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の好ましい実施態様において使用するのに好適な装置の図である。
【図2】図1のセクションの拡大図である。これらの図面は、模式図であり、実尺ではない。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明の循環燃焼チャンバーは、よくサイクロン炉と呼ばれるタイプのものである。好適なサイクロン炉の構成は、US 3,855,951、US 4,135,904、US 4,553,997、US 4,544,394、US 4,957,527、US 5,114,122、及びUS 5,494,863を含む種々の特許に記載される。
【0038】
チャンバーは、一般に、水平炉ではなく垂直炉である。チャンバーは、通常、燃料、ミネラル物質、及び燃焼ガスが注入される、円筒形頂上セクション、円錐台形底部セクション、及び、溶融物を収集することが可能な基部セクションを有する。それとは別に、チャンバーは、全体が円筒形であってもよい。基部セクションは、チャンバーの一体部分であることが好ましいが、単純に、円錐台形底部領域の末端部分であってもよいし、又は、底部領域末端における円筒セクションであってもよい。基部セクションの直径は、よくチャンバーの基部に容量を強調させたタンクを用いる従来のシステムとは対照的に、頂上セクションの直径以下であることが好ましい。
【0039】
基部セクションは、ミネラル溶融物の排出口であり、溶融物は、流体としてこれを通過する。次に、この流体に対し、任意の通例法を用いて、例えば、カスケード紡績機又は紡績カップ、又は、他の任意の通例の遠心式線維化法を用いて線維化を実行することが可能である。それとは別に、このミネラル溶融物は、他の工業プロセスにおいて使用することも可能である。
【0040】
ミネラル溶融物の排出口がチャンバーの基部セクションから離れる地点において、排出口はすぐに下方に延びるのではなく、むしろ排出口はサイフォンとなることが好ましい。「サイフォン」によって、我々は、通常、管又は溝渠となる排出口が、チャンバーの開口に対し上向き方向を取り、次いで下向き方向を取り、それから線維化装置に導かれることを意味する。これは、溶融物の品質にとって有利である。なぜなら、溶融物の表面に、燃えていない燃料粒子が仮にあったとしても、それらは全てチャンバー内部に保持されるからである。
【0041】
燃料は、循環燃焼チャンバー内に注入される。燃焼可能であればいずれの燃料でも使用が可能である。燃料は、室温で気体状態であってもよく、例えば、ブタン、プロパン、メタン、又は天然ガスであってもよいが、好ましくは、液体又は固体物質である。燃料は、好ましくは、粒状であるが、もっとも好ましくは粒状炭素系物質である。
【0042】
燃料が液体である場合、小滴状として、すなわち、液体燃料の粒として使用される。この実施態様では、燃料は、石油、又は他の炭素系液体の粒子であってもよい。
【0043】
しかしながら、本発明の粒状燃料は固体であることが好ましい。それは、一般に炭素系物質であるが、適切なカロリー値を有するものである限り、いずれの粒状炭素系物質であってもよい。カロリー値は、比較的低くてもよく、例えば、10000 kJ/kgの低レベル、場合によっては5000 kJ/kgの低レベルであってもよい。したがって、それは、例えば、乾燥汚泥又は紙廃棄物であってもよい。燃料は、比較的高いカロリー値を有することが好ましく、アルミニウム工業から排出される槽列消費物、石炭廃石または粉塵石炭などの石炭含有廃棄物であってもよい。
【0044】
好ましい実施態様では、燃料は石炭粉塵であるが、石炭細片であってもよく、好ましくは、石炭のいくらか、通常少なくとも50%、好ましくは少なくとも80%、通常は全てが、石炭塊を、例えば、ボールミルを用いて破砕することによって製造される。石炭は、それが最初に細片または岩塊として供給されるかどうかとは無関係に、良質石炭であってもよく、あるいは、高度の無機含量、例えば、5から50%の無機含量を含み、残りは炭素である石炭廃石であってもよい。好ましくは、石炭は、大部分又は全部が良質石炭、例えば、瀝青炭または半瀝青炭(ASTM D388 1984)であり、発火を促進する揮発性物質を含む。
【0045】
燃料粒子は、好ましくは、50から1000 μm、好ましくは約50から200 μmの範囲の粒径を有する。一般に、粒子の少なくとも90%(重量による)はこの範囲にある。平均は一般に約70 μm径であり、範囲は、90%が100 μm未満である。
【0046】
燃料は、通例法にしたがって供給パイプを通じてチャンバー内に供給され、燃料粒子流を与える。これは、通常、燃料粒子を懸濁させる搬送ガスの使用を含む。搬送ガスは、空気、酸素濃縮空気、または純粋酸素(好ましくは、逆火を避けるため周囲温で)、又は、窒素などの比較的反応性の低いガスであってもよい。搬送ガスは、燃焼ガスの一部と見なされる。
【0047】
燃料の、少なくとも若干、及び好ましくはその大部分は、循環燃焼チャンバーの頂上セクションに注入される。しかしながら、好ましい実施態様では、後述するように、さらに、二次燃料と呼ばれるある燃料が循環燃焼チャンバーの底部セクションに注入される。
【0048】
本発明では、予熱されるミネラル物質が循環燃焼チャンバー内に注入される。二つのタイプのミネラル物質、第1及び第2のミネラル物質の使用は必須である。本発明の第1の局面では、第1のミネラル物質が、第2のミネラル物質よりも高い焼結温度を有することが必須である。これはさらに、第1のミネラル物質が未精製のミネラル物質であり、第2のミネラル物質が結合ミネラルウールである、本発明の第3の局面にも当てはまる。
【0049】
ミネラル物質の焼結温度は、適切であるならばいずれの方法で測定してもよく、その多くが当該技術分野で使用される。焼結温度を測定するためにどの方法が使用されるかは、二つのミネラル物質に対して同じ方法が使用される限り、絶対的重要性を持たない。その理由は、本発明において重要なのは、異なる焼結温度を持つミネラル物質が分離されることであり、したがって、絶対焼結温度よりは、相対的焼結温度を正確に定量できることがもっとも重要だからである。
【0050】
使用可能な一つの方法は下記の通りである:試験サンプルを、焼結プレートを登載した管状反応器に登載する。反応器は、スチール又は水晶であってもよい。900℃を超える温度まで加熱することが可能な管状電熱オーブンに、反応器を設置する。20 mm厚の層を形成するのに十分な、未精製の物質の試験サンプルを、管状反応器の焼結プレートの上に載せ、次いで、これを、予熱させた管状電熱オーブン中に登載する。オーブンを、800-1000℃の範囲の温度に加熱する。ガス気流を、焼結プレート及び試験物質中を通過させ、電気炉の温度が徐々に上昇する際の、焼結プレート及び試験物質上の圧降下を測定する。温度が上昇するにつれ、試験サンプル又はその一部は、初期焼結温度に近づき、この温度が超えられると、粒子は凝集を開始し、これは、試験サンプル上における圧降下の増加として見られる場合がある。焼結温度は、圧降下の増加が検出される温度に一致する。
【0051】
第1の及び第2のミネラル物質は、共に、正確に同じ化学的組成または化学的構造を持たず、したがって、同じ焼結温度を持たない物質の混合物から構成されていてもよい。重要なことは、そのミネラル物質が、自由流動性を喪失する温度である。したがって、一旦物質のいずれかが軟化すると、その物質全体がその焼結温度に達したと言われる。第1のミネラル物質は、通常、第2のミネラル物質よりも少なくとも30℃高い、好ましくは、第2のミネラル物質よりも少なくとも50、100、又は200℃、又は場合によっては少なくとも400または500℃高い焼結温度を有する。
【0052】
ミネラル物質は土から得られ、よく岩、石、またはスラグと呼ばれる。第1のミネラル物質は、通常、「未精製の」ミネラル物質である。未精製のミネラル物質とは、その化学的組成又は内部構造を大きく変えるやり方で加工されたことがなく、融解過程を経過したことがないミネラル物質を意味する。未精製のミネラル物質は、一般に、結晶構造を有し、有機添加物を含まず、典型的には、土から直接得られる。未精製のミネラル物質は、本発明では、粒状形として使用され、粒状を取得するために、圧潰及び/又は磨砕を施す。
【0053】
第2のミネラル物質は、第1のミネラル物質よりも低い焼結温度を有する未精製のミネラル物質であってもよい。しかしながら、これは加工済み物質であることが好ましい。加工済みミネラル物質とは、化学組成又は構造を変える加工を経験するか、又は、有機結合剤などの添加物によって加工されるミネラル物質を意味する。
【0054】
ミネラル物質を加工すること、例えば、それを融解すること、それを加工してミネラル線維に変えることは、その物質の化学構造を変えることが知られる。詳しく言うと、未精製のミネラル物質は、上述したように、典型的には結晶構造を有するが、一方、ミネラル線維などの加工済みミネラル物質は、典型的には非結晶構造を有する。融解過程が、ミネラル物質の化学構造を結晶質から非晶質に変化させると考えられる。物質の化学構造は、その物理的特徴、例えば、焼結温度及び融点などに影響を及ぼすが、一般に、結晶形の物質は、同じ組成ならば、非晶形の物質よりも高い焼結温度を有する。したがって、第2のミネラル物質は、第1のミネラル物質と正確に同じ組成を持ちながら、それは、結晶形の未精製のミネラル物質ではなく、非晶形の加工済みミネラル物質であるという事実のために、より低い焼結温度を有することが可能である。
【0055】
一般に、第2のミネラル物質は、加工されて非晶形となっているミネラル物質であるが、さらに、該物質の焼結温度を下げる添加物を含んでもよい。典型的加工済みミネラル物質は、別にミネラルウールとも呼ばれる結合ミネラル線維である。
【0056】
第1及び第2のミネラル物質は、共に粒状であることが好ましい。ミネラル物質は、適切であれば、いずれの粒径を有していてもよい。例えば、第1のミネラル物質は、一般に、2から3 mmの粒径を、特にそれが未精製のミネラル物質である場合は、有する。第2のミネラル物質は、100から500 μmの粒径を有する。定められた粒径を取得するために、ミネラル物質は圧潰又は/及び磨砕する。第1及び第2のミネラル物質は、ミネラル線維の製造に好適なタイプであることが好ましく、それは、グラスファイバー、又は、岩、石、またはスラグ線維であってもよい。ミネラル物質は、岩、石、又はスラグ線維の製造に好適であることが好ましい。
【0057】
グラスファイバーは、典型的には、酸化物重量に基づき、10% Na2O + K2Oより上、FeOとして3%鉄より下、20% CaO + MgOより下、50% SiO2より上、及び、5% Al2O3より下の化学分析を有する。岩、石、またはスラグ線維は、典型的には、酸化物重量に基づき、10% Na2O + K2Oより下、20% CaO + MgOより上、FeOとして3%鉄より上、50% SiO2より下、及び、多くの場合、10% Al2O3より上の化学分析を有する。この組成を持つ岩、石、またはスラグタイプの線維は、本発明の方法の最終産物として好ましい。
【0058】
本発明では、ミネラル物質が、循環燃焼チャンバー内に注入される前に予熱されることは必須である。この予熱は後述する。
【0059】
チャンバーにおいて融解しミネラル溶融物を産む予熱されたミネラル物質は、チャンバーの頂上セクション中に導入され、そのため、該ミネラル物質は、チャンバー内のガスの中に懸濁される。予熱されたミネラル物質が添加される時点は、事の正否を決定するほど重要ではなく、該ミネラル物質は、燃料と混ぜ、燃料供給パイプを通じて注入することが可能である。しかしながら、粒状ミネラル物質を燃焼中の燃料に添加することが好ましい。これは、通例の方法にしたがって、例えば、チャンバーの頂上又は頂上近傍において注入口から粒状ミネラル物質をチャンバー内に加えることによって実現することが可能である。
【0060】
燃焼ガスもまた、チャンバーの頂上セクション中に導入されるが、周囲温であってもよいし、又は予熱されてもよい。ガスが加熱される場合、一次燃焼ガスが予熱される望ましい最大温度は、600℃周辺であるが、好ましい予熱は、300と600℃の間であり、もっとも好ましくは500から550℃周辺である。燃焼ガスは空気であってもよいし、又は、酸素濃縮空気であってもよい。酸素濃縮空気によって、我々は、ガスが、天然で空気中に存在する酸素よりも多く含むこと、及びさらに、天然で空気中に存在する別のガスを含むことが可能であることを意味する。それはさらに、酸素の合計レベルが通常空気中に存在するものを上回っている限り、通常空気中に存在しないガス、例えば、プロパン又はメタンを含んでもよい。
【0061】
好ましい実施態様では、燃焼ガスは、容量にして、少なくとも25%または30%、好ましくは少なくとも50%、もっとも好ましくは少なくとも70%の酸素、又は、純粋酸素を含む、酸素濃縮空気である。本明細書及び特許請求項を通じて、「純粋酸素」によって、我々は、圧変動酸素濃縮法(VPSA)によって取得される、純度92%以上の酸素を意味するが、それは、蒸留法によって取得されるほぼ100%純粋な酸素であってもよい。酸素濃縮空気の使用は、必要とされる燃焼ガスの総容量を下げるので有利である。このことは、空気が使用される場合よりも小さい循環燃焼チャンバーの使用が可能であることを意味する。チャンバーのサイズ及び燃焼ガスの容量は、共に、ミネラル線維を生産するのに必要なエネルギー及びその後のエネルギー損失と相関するので、本発明は、より高いエネルギー効率を持つシステムをもたらす。これは、経済的実行可能性の増大及び環境影響の低下という点で著明な利点を有する。一実施態様では、酸素の使用に関連するエネルギー節約を、空気と比較した場合の酸素のコスト増大を含めて最適化すると、空気は、25から50%の酸素を含む。純粋酸素を使用する場合、それは、予熱せず、周囲温であることが好ましい。
【0062】
燃焼ガスは、特に該ガスが比較的低温にある場合は、その中に懸濁される燃料と共に供給パイプを通じて導入されてもよい。燃料は、それがチャンバーに入る前に、供給パイプ内で燃焼してはならない(「逆火」と呼ばれる現象)。したがって、この実施態様では、低いガス温度が必要とされる。しかしながら、好ましくは、燃焼ガスは、燃料供給パイプの近傍に配置することが可能な、一つ以上の燃焼ガス注入口を通じて、別々に、効率的混合を可能とするように、燃焼ガスが、燃料と同じ領域においてチャンバー内を進行するように導入される。
【0063】
一緒に導入されるかどうかとは無関係に、燃焼ガスがチャンバー内に注入される速度は、装置の摩耗を最小とするために、比較的低い(好ましくは、1から50 m/sの間)。燃料及びミネラル物質が燃焼ガスの中に懸濁されるとき、速度は、5から40 m/sであることが好ましい。別々に導入される場合--これが好ましいが--燃料の注入速度は、好ましくは、20から40 m/sである。
【0064】
予熱された燃料は、燃焼ガスと、速やかに、十分に混ぜ合わされることが好ましい。なぜなら、これによって、チャンバーへの導入のほとんど直後に、燃料が速やかに点火され、燃料が熱分解を受けること、すなわち、燃焼の初期段階が確保されるからである。十分な混合はさらに、一次燃焼ガスにおける燃料粒子の滞在時間がより均一となるため、より効率的な燃料燃焼を確実なものとする。
【0065】
速やかで、十分な混合の確保を助長するため、本発明の一実施態様では、循環燃焼チャンバーの頂上セクション中に添加ガスを導入してもよい。このガスは、燃焼ガス及び粒状燃料よりも高速で移動し、その速度差によって、燃料粒子の流れにおいて渦を巻き起こし、該流れを攪乱し、速やかな混合を確保する。この添加ガスは、一般に、燃焼ガスよりもはるかに容量が小さく、典型的には、燃焼チャンバー内に注入される全体ガスの40%未満、好ましくは10と30%の間である。添加ガスは、空気、窒素、酸素を含む任意のガス、又は、プロパン又はブタンなどの可燃性ガスであってもよい。添加ガスは、チャンバーにおいて燃料粒子の流れに近接するように注入口から注入されてもよいが、燃料注入口を同心円状に取り囲む注入口に注入されることが好ましい。この同心円状配置は、特に添加ガス注入口がその開口部に集中ノズルを有している場合、効率的混合を実現する。添加ガスは、燃料及び燃焼ガスよりも、好ましくは少なくとも100 m/s、通常は少なくとも250 m/s、好ましくは少なくとも300 m/s速く移動する。もっとも好ましい実施態様では、添加ガスの注入速度は、ソニック、すなわち、音速以上である。
【0066】
循環燃焼チャンバーの頂上セクション中に注入される燃焼ガスの外に、さらにある燃焼ガスを底部セクションに注入することが好ましい。これを二次燃焼ガスと呼んでもよい。主要燃焼ガスと同様、二次燃焼ガスも、周囲温、又は予熱されてもよく、好ましくは少なくとも25%の酸素を含む。好ましくは、二次燃焼ガスは、容量にして、少なくとも30%又は35%、好ましくは少なくとも50%、もっとも好ましくは少なくとも70%の酸素、又は30から50%の酸素、又は純粋酸素を含む、酸素濃縮空気である。二次燃焼ガスは、通例の任意の方法で導入することが可能であるが、別にランスとも呼ばれる、集中ノズルを有する注入口を用いて導入されることが好ましい。
【0067】
二次燃焼ガスは、下方セクションの一注入口から注入することが可能であるが、少なくとも二つ、もっとも好ましくは2を超える数、例えば、3、4、5、または6個、好ましくは4個の注入口から注入される。
【0068】
本発明者らは、循環燃焼チャンバーの底部セクションに燃焼ガスを添加するのが、燃料粒子の完全燃焼を確保するのにきわめて有効であることを見出した。この地点に酸素を添加する方が、単に、上方セクションにおいて一次燃焼空気と共に追加酸素を加えるよりもはるかに効果的であることが判明したのである。この二次燃焼ガスの組成は、主要燃焼ガス、二次燃焼ガス、及び、導入される、任意の可燃性追加ガスを含む全体燃焼ガスの半分未満である。好ましくは、二次燃焼ガスの組成は、燃焼ガスの合計パーセントの10から50%、好ましくは20から40%である。
【0069】
好ましい実施態様では、追加の(二次)、固体、液体、または気体燃料が底部セクションに注入され、二次燃焼ガスの存在下に燃焼し、底部セクションにおいて炎を形成する。これは、燃焼ガスとして酸素濃縮空気が使用される場合、低い容量ではエネルギー効率の効果的な増加が要求されるので、特に重要である。二次燃焼ガス及び二次燃料における酸素の相対量は、二次ガスにおける二次燃料の完全燃焼後にも余分の酸素が存在するように選ばれる。
【0070】
底部セクションへの二次燃料の注入は、それを、底部セクションに集まる溶融物の温度調節に使用することが可能なので、有利である。頂上セクションにおける主要燃焼の外に底部セクションにおいて炎を形成することは、それが、溶融物温度を変えることのできる機構となるので有利である。特に、循環燃焼チャンバーの基部セクションでは、ミネラル溶融物が壁を流れ落ち、基部セクションに集められる。したがって、この領域では、溶融物は、チャンバー壁上では薄い層として、基部セクションでは溜まりとして存在し、溜まりは通常浅い。この区域に輻射熱を印可することは、それが溶融物全体を簡単に透過することが可能なので、特に有効である。したがって、この領域において炎を使用することは、溶融物を、均一に、速やかに、かつ、正確なパラメータ内において加熱するのに特に有効であり、したがって、この領域における燃料及びガスの流速を変えることによって、溶融物の温度を正確な限度内に維持することが可能である。
【0071】
このことが目的なので、好ましくは、二次燃料は、基部セクションに接近するように、底部セクションの下端に向けて、好ましくはチャンバー底部の円錐台セクションの下半分において注入される。二次燃料は、いかなる燃料であってもよい。一実施態様では、二次燃料は、石炭などの粒状炭素系物質のような固体燃料のみを含む。なぜなら、この方が一般にコスト有効性がきわめて高く、NOxの生産を下げることが可能だからである。別の実施態様では、二次燃料は、すぐに完全燃焼する、若干の液体または気体燃料を含む。好ましくは、二次燃料は、若干の、石炭などの固体燃料を、例えば、二次燃料全体の10から90%、好ましくは50から90%、もっとも好ましくは70から90%の量として含む。その際、二次燃料の残りは、液体または気体燃料である。好ましい非固体燃料は、プロパン、メタン、または天然ガスである。二次燃料は、粒状燃料よりも低量で存在し、その組成は、全燃料エネルギーの40%未満、典型的には5から15%である。
【0072】
この実施態様では、二次燃焼ガスは純粋酸素であることが好ましく、燃焼が直ちに起こるよう、燃料と共にバーナー口から導入される。それとは別に、二次燃焼ガスは、二次燃料の注入口に近接する注入口から導入し、混合をチャンバー内で起こすことも可能である。
【0073】
循環燃焼チャンバーにおけるガス及び懸濁粒状物質の一般的運動は、サイクロン運動である。これは、燃焼ガスの外、粒状燃料とミネラル物質を、渦巻き運動を維持するのに適切な角度において導入することによって産みだされる。さらに二次燃焼ガスも、使用される場合は、循環流を維持するように同じ方向に導入されるのが好ましい。
【0074】
排気ガスは、チャンバーの基部に収集されるミネラル溶融物とは分離され、通常、循環燃焼チャンバーの頂上における流れを介して熱交換システムに送られる。次に、排気ガスは、ミネラル物質、及び必要に応じてさらに燃焼ガスを予熱するために使用される。典型的には、排気ガスは、1300から1900℃、通常1500から1750℃、例えば、1550から1650℃周辺の温度において循環燃焼チャンバーを離れる。
【0075】
本発明では、第1及び第2のミネラル物質は、熱交換システムに別々に供給されることが必須である。上述したように、第1のミネラル物質は、第2のミネラル物質よりも高い焼結温度を有することが必須である。第1のミネラル物質は、典型的には、1200から1400℃の焼結温度を有する未精製のミネラル物質であり、一方、第2のミネラル物質は、典型的には、結合ミネラル線維など加工されたミネラル物質であり、900から1100℃の焼結温度を有する。
【0076】
最大エネルギー効率を実現するには、排気ガスの熱エネルギーをできるだけ完全に利用することがきわめて重要である。さらに、熱効率のため、及び、ミネラル物質の流動特性を良好に維持し、したがってプロセス効率を良好に維持するには、ミネラル物質が、予熱の間、融解又は軟化されないことが重要である。本発明は、第2のミネラル物質の前に第1のミネラル物質を予熱することによって、これらの配慮点の両方に応える方法を提供する。特に、第1のミネラル物質は、第2のミネラル物質の前に、熱交換システムに加えられる。これは、第1のミネラル物質が、第2のミネラル物質の排気ガスの上流において加えられることを意味する。第1のミネラル物質との接触後、第1のミネラル物質は予熱され、排気ガスは冷却され、この予熱された第1のミネラル物質と進み、第2のミネラル物質を予熱する。
【0077】
第1のミネラル物質との接触前に排気ガスを急冷するのが普通である。第1のミネラル物質の軟化又は融解を避けるために、排気ガスは、典型的には、1400℃周辺に急冷される。急冷は、空気などの任意の適切なガス、又は、アンモニアなどの任意の適切な液体によって実行される。
【0078】
排気ガスが第1のミネラル物質に接触すると、それを予熱し、それ自体は冷却される。第1の予熱段階では、好ましくは、第1のミネラル物質は、300から600℃、より好ましくは400から500℃の温度に予熱される。好ましくは、排気ガスと第1のミネラル物質の相対量は、第1のミネラル物質が、第2の予熱段階の終了までに、第2のミネラル物質の焼結温度よりも僅かに低く、通常850から950℃に予熱されるように選ばれる。
【0079】
次いで、第2のミネラル物質が熱交換システムに加えられ、排気ガス、及び、排気ガス中に懸濁される第1のミネラル物質に接触する。第2のミネラル物質は、この接触によって予熱される。好ましくは、第2のミネラル物質は、少なくとも700℃、より好ましくは800℃、もっとも好ましくは850から950℃に予熱される。
【0080】
多くの場合、第2のミネラル物質は、有機結合剤などの、有機介在因子を含む加工済み産物である。第2のミネラル物質は、これらの有機添加物が完全に燃焼される温度及び条件にまで予熱しておくと特に有利である。
【0081】
第2のミネラル物質が結合ミネラルウールである場合、有機結合剤を完全燃焼させるには、それを、少なくとも2%の酸素を含む雰囲気条件下に少なくとも1から2秒間少なくとも600から800℃に予熱しなければならない。
【0082】
好ましくは、熱交換システムは、少なくとも一つの、好ましくは二つの、場合によっては三つのプレヒータサイクロンを含む。典型的には、第1及び第2のミネラル物質は、循環燃焼チャンバーから第1のサイクロンプレヒータに排気ガスを輸送する第1の導管に加えられる。第1のサイクロンプレヒータにおいて、排気ガスは、ミネラル物質から分離される。第1及び第2のミネラル物質を含むミネラル物質は、混合ミネラル物質導管を通じて循環燃焼チャンバーに送られ、融解される。
【0083】
第1のサイクロンプレヒータにおいて窒素酸化物(NOx)の還元条件が生成されることが好ましい。NOxは、排気ガスが大気に放出可能となる前に排気ガスから除去しなければならない環境廃ガスである。これは、通常、選択的非触媒型還元(SNCR)によって実行される。しかしながら、本発明では、第1のサイクロンプレヒータにおいて選択的非触媒型還元(SNCR)によってNOxを著明に減らすこと、好ましくは事実上除去することが可能であると有利である。これは、排気ガスからNOxを除去するための、経済的で、便利な方法である。
【0084】
NOx還元条件は、サイクロンプレヒータの中に、該プレヒータを支配する条件下にNOxを還元する窒素含有物質を含むことによって生成される。この窒素含有物質は、プレヒータに供給される高温排気ガスに含ませてもよいし、又は、プレヒータに直接加えられてもよい。
【0085】
プレヒータサイクロンに含まれる窒素含有物質は、好ましくは、アンモニア又はアンモニウム化合物、アミン又は尿素であり、その際、尿素は遊離であってもよいが、より好ましくは、尿素ホルムアルデヒド又はフェノール尿素ホルムアルデヒド樹脂などの樹脂産物である。NOx還元条件は、ミネラル物質の中に、プレヒータサイクロンに供給される第2のミネラル物質として、結合ミネラルウールを含めることによって生成されることが特に好ましい。その際、廃棄結合ミネラルウールは、尿素樹脂(通常フェノール尿素樹脂)及び/又はアンモニア又はアンモニウム化合物(例えば、廃棄ウール中の樹脂に対するバッファー剤として)を含む。したがって、本発明によって、廃棄物の利用及び適切な条件下におけるその反応を同時に実行することが可能であり、それによって、排気ガス中のNOxの相当量が窒素に還元される。
【0086】
アンモニア又はアンモニア誘導体、又はその他のNOx還元性化合物は、NOx 1モル当たり、好ましくは1から4(好ましくは1-2、特に1-1.7)モルであり、反応は、好ましくは、800℃から1050℃の温度で行われる。反応滞在時間は、好ましくは、少なくとも0.3秒、もっとも好ましくは少なくとも1秒である。典型的には、これは、排気ガスが反応温度よりも低く、例えば、800℃よりも低く冷却されるまでの、サイクロンプレヒータにおける粒状ミネラル物質の滞在時間、及び/又は、送管時間であってもよい。これらの条件下で、好ましくは800から1050℃の範囲の温度において、事実上全てのNOxは窒素に還元される。ただし、プレヒータの雰囲気は酸化性であることが好ましい。
【0087】
したがって、本発明の別の好ましい特色によれば、サイクロンプレヒータ中のガス雰囲気は過剰な酸素を含み、ガス雰囲気の容量に対し、好ましくは少なくとも1%又は2%、もっとも好ましくは少なくとも4%、例えば、最大8%を含む。雰囲気の酸化性にも拘わらず、NOxは、該プレヒータに関して定義された条件下において、添加アンモニア又は他の窒素含有化合物によって還元される。
【0088】
このようにして、プレヒータは、NOx還元器として、かつ、循環燃焼チャンバーから硫化水素及び一酸化炭素などの汚染物質を燃焼除去するための酸化性アフターバーナーとして同時に作動することが可能である。
【0089】
溶融物から分離され、次いでサイクロンプレヒータに供給される排気ガスは、サイクロンプレヒータ中に存在する量よりも少ない酸素を含むことが好ましく、したがって、空気、又はその他の酸素供給源が、プレヒータにおいて、又は、溶融物とプレヒータの間において添加されることが好ましい。
【0090】
排気ガスは、第1のサイクロンプレヒータの頂上から、第2の導管を通じて第2のサイクロンプレヒータに送られる。第1のミネラル物質は、第2のサイクロンプレヒータにおいて最初の予熱を受け、次いで、第1の導管に運ばれ、排気ガスによってさらに予熱されることが好ましい。したがって、好ましい実施態様では、第1のミネラル物質は、第2の導管に導入され、300から600℃、好ましくは450から500℃の初期温度に予熱される。次に、排気ガスは、第2のサイクロンプレヒータを離れ、しばしば、間接的熱交換によって燃焼ガスを加熱するのに用いられる。
【実施例】
【0091】
図1は、円筒形頂上セクション、円錐台底部セクション、及び円筒形基部セクションを含む、循環燃焼チャンバー1を示す。粒状燃料は、供給路2から循環燃焼チャンバーに導入されるが、好ましくは石炭である。予熱されるミネラル物質は、混合ミネラル物質導管3を通じて循環燃焼チャンバー内に導入される。石炭及びミネラル物質は、導管4を通じた燃焼空気、および、圧縮空気供給路5において供給され、ランス(図示せず)を通じて循環燃焼チャンバーに導入される二次空気と一緒に、導入される。これは、石炭と燃焼空気の十分な混合を確保し、循環燃焼チャンバー1における、燃焼ガス及び懸濁物質の循環運動を維持するためである。少量の燃焼ガス及び燃料は、循環燃焼チャンバーの頂上セクションに向かう主要原料から逸れて、図1においてそれぞれ6及び7と表示されるルートを通じて、循環燃焼チャンバーの底部セクションに向かう。さらに、二次燃料は、この場合は天然ガスであるが、図1に8と表示される供給路8を通じて、循環燃焼チャンバーの基部セクション中に注入される。
【0092】
石炭は、循環燃焼チャンバーにおいて、好ましくは酸素濃縮空気である燃焼ガス中で燃やされる。それによって得られる溶融物は、循環燃焼チャンバー1の基部ゾーンにおいて集められ、流出口9を通じてチャンバーを出る。排気ガスは、循環燃焼チャンバー頂上の通気管10を通じて第1の導管11に供給され、そこにおいて、排気ガスは、第1及び第2のミネラル物質の加熱に使用される。次に、排気ガスは、第1のサイクロンプレヒータ12に流れ、そこで、この地点では一緒に混じり合っている第1及び第2のミネラル物質から排気ガスは分離される。排気ガスは、第1のサイクロンプレヒータ12から、第2の導管14を通じて第2のサイクロンプレヒータ13に流れる。第2のサイクロンプレヒータ13後、排気ガスは、導管15を通じて集塵サイクロン16に流れ、チャンバー17に入り、そこで、燃焼ガスとの間接的熱交換が行われ、燃焼ガスを予熱する。次に、排気ガスは、大気に送るのに安全とするために、フィルター18などによって処理される。
【0093】
ミネラル物質は、循環燃焼チャンバーに添加される前に予熱される。精しく述べると、典型的には未精製の石材料である第1のミネラル物質は、サイロ19から第2の導管14に供給され、第2のプレヒータサイクロン13において初期予熱を受ける。次に、この第1のミネラル物質は、第1のミネラル物質導管を通じて送られ、第1の導管11に導入され、次いで、第1のプレヒータサイクロンに送られる。第2のミネラル物質は、第1のミネラル物質の下流において、サイロ20から第1の導管に供給される。第2のミネラル物質は、一般に、加工済みミネラル物質、典型的には結合ミネラル線維である。第1のプレヒータサイクロン12においてNOx還元条件が確実に生成されるように、アンモニアなどの窒素含有物質を、第1のプレヒータサイクロン12の直前の位置21において第1の導管11に添加することも可能である。
【0094】
第1のミネラル物質のあるものは、第2のサイクロンプレヒータ13から排気ガスと共に導管15の中を運ばれてもよい。これらは、集塵サイクロン16において排気ガスと分離され、再び戻され、導管22を通じて予熱されたミネラル物質と一緒にされる。
【0095】
図2は、通気管31を通って循環燃焼チャンバーを離れた排気ガス30を示す。排気ガスは、第1の導管32に入り、1500から1900℃の温度、通常1650℃周辺から、1300から1500℃の温度、普通1400℃周辺に冷気33によって急冷される。注入口35から第1の導管32に導入される第2のミネラル物質の下流において、第1のミネラル物質は、注入口34から第1の導管32に導入される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミネラル溶融物を製造する方法であって:
循環燃焼チャンバー(1)を提供する工程;
燃料(1)、予熱されたミネラル物質(2)、及び燃焼ガス(3)を、前記循環燃焼チャンバー(1)内に注入する工程;
前記循環燃焼チャンバー(1)において前記燃料を燃焼させることによって、前記ミネラル物質を融解させて、ミネラル溶融物を形成し、排気ガスを生成する工程;
前記ミネラル溶融物から前記排気ガスを分離し、前記ミネラル溶融物(9)を収集し、そして、前記排気ガス(10)を熱交換システムに送る工程;
を含み、
前記ミネラル物質は、第1のミネラル物質及び第2のミネラル物質を含み、前記第1のミネラル物質は、前記第2のミネラル物質よりも高い焼結温度を有し;
前記第1及び第2のミネラル物質は、前記熱交換システムに別々に供給され、
前記第1のミネラル物質は、前記排気ガスとの接触により予熱され、次いで、
前記第2のミネラル物質は、前記排気ガス及び前記予熱された第1のミネラル物質との接触によって、予熱されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記循環燃焼チャンバー(1)の流出口(9)を通じて収集された前記ミネラル溶融物を、遠心線維化装置に流して線維を形成することによって、前記ミネラル溶融物からミネラル線維を製造する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ミネラル物質が、5から70重量%、好ましくは10から60重量%、もっとも好ましくは25から50重量%の前記第2のミネラル物質を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2のミネラル物質が結合ミネラルウールであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記熱交換システムが、第1のサイクロンプレヒータ(12)、及び、前記循環燃焼チャンバー(1)から前記第1のサイクロンプレヒータ(12)に至り、前記排気ガスがその中を通過する、第1の導管(11)を含み、
前記第1及び第2のミネラル物質は前記第1の導管(11)に注入され、前記第1のミネラル物質は、前記循環燃焼チャンバーに対し、前記第2のミネラル物質よりも近くで注入されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記熱交換システムが、第2のプレヒータサイクロン(13)、及び、前記第1のサイクロンプレヒータ(12)から前記第2のサイクロンプレヒータ(13)に至り、前記排気ガスがその中を通過する、第2の導管(14)をさらに含み、
前記第1のミネラル物質は、前記第2の導管に注入され、前記第1の導管に注入される前に前記第2のサイクロンプレヒータにおいて初期予熱されることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のミネラル物質の初期予熱が、400-500℃の範囲で行われることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記排気ガスは、前記第1のミネラル物質と接触するときに、1300から1500℃の温度にあることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記第2のミネラル物質が、前記排気ガス及び前記予熱された第1のミネラル物質との接触によって、少なくとも800℃、好ましくは850から950℃の温度に予熱されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記ミネラル線維が、岩、石、又はスラグ線維であって、酸化物重量に基づき、10% NaO + K2Oより下、20% CaO + MgOより上、FeOとして計算した際に3%鉄より上、及び50% SiO2より下の化学分析値を有することを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法を実行するのに好適な装置であって、
燃料注入口(2)、混合ミネラル物質注入口(3)、及び燃焼ガス注入口(4)を有する、循環燃焼チャンバー(1)、
ミネラル溶融物(9)を収集する手段、
第1のサイクロンプレヒータ(12)を含む熱交換システム、
前記循環燃焼チャンバー(1)から前記第1のサイクロンプレヒータ(12)に至る、排気ガスを輸送するための第1の導管(11)、
前記第1のミネラル物質を前記第1の導管(11)に輸送するための第1のミネラル物質導管、
前記第1のミネラル物質導管の排出口よりも、前記循環燃焼チャンバー(1)から遠い地点で、前記第1の導管(11)中に前記第2のミネラル物質を注入するための第2のミネラル物質注入口、及び、
前記第1のサイクロンプレヒータから、前記循環燃焼チャンバーの前記混合ミネラル物質注入口に至る、混合ミネラル物質導管(3)、
を含む装置。
【請求項12】
前記熱交換システムが、
第2のサイクロンプレヒータ(13)、
前記排気ガスを輸送するための、前記第1のサイクロンプレヒータ(12)から前記第2のサイクロンプレヒータ(12)に至る、第2の導管(14)、及び、
前記第1のミネラル物質を前記第2の導管に注入するための第1のミネラル物質注入口
をさらに含み、
前記第1のミネラル物質導管が、前記第2のサイクロンプレヒータ(13)から前記第1の導管(11)に至ることを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
ミネラル溶融物を製造する方法であって:
循環燃焼チャンバー(1)を提供する工程;
燃料(1)、予熱されたミネラル物質(2)、及び燃焼ガス(3)を前記循環燃焼チャンバー(1)内に注入する工程;
前記循環燃焼チャンバー(1)において前記燃料を燃焼させることによって、前記ミネラル物質を融解させて、ミネラル溶融物を形成し、排気ガスを生成する工程;
前記ミネラル溶融物から前記排気ガスを分離し、前記ミネラル溶融物(9)を収集し、そして、前記排気ガス(10)を熱交換システムに送る工程
を含み;
前記ミネラル物質は、未精錬のミネラル物質である第1のミネラル物質、及び、結合ミネラルウールである第2のミネラル物質を含み、
前記第1及び第2のミネラル物質は、前記熱交換システムに別々に供給され、
前記第1のミネラル物質は、前記排気ガスとの接触により予熱され、次いで、
前記第2のミネラル物質は、前記排気ガス及び前記予熱された第1のミネラル物質との接触により予熱されることを特徴とする、前記方法。
【請求項14】
請求項2、3、及び5から10のいずれかの発明特定事項をさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2011−518099(P2011−518099A)
【公表日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−501150(P2011−501150)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際出願番号】PCT/EP2009/002209
【国際公開番号】WO2009/118180
【国際公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【出願人】(500336306)ロックウール・インターナショナル・アクティーゼルスカブ (7)
【Fターム(参考)】