説明

ミーリング工具及びミーリング・インサート・キット

【課題】本発明は、被削材の溝をミーリングするミーリング工具及びミーリング・インサート・キットを提供する。
【解決手段】工具は、回転軸(C1)を規定する工具本体(1)を備えると共に、第1の端部(3)、反対側の第2の端部(4)及び第1の端部と第2の端部との間の回転軸の周りを延びる外周面(8)とを有する。線(x)に沿って工具本体に交互に配置され、対応する数の交換可能なミーリングインサート(2a,2b)を受承する多数の分離したインサート座(9a,9b)は、互いに対して収束する第1の主切れ刃(24)と第2の主切れ刃(25)とを備える。ミーリングインサートは、回転軸からの第1の長さ(a)によって工具本体から突出する外側ミーリングインサート(2a)と、回転軸からの第2の長さ(b)によって工具本体から突出する内側ミーリングインサート(2b)とを備える。第1の長さ(a)は第2の長さ(b)よりも長い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溝削り、スロット削り、歯切りなどのミーリング、特に、いわゆるホブ切りのためのミーリング工具に関する。より特別には、本発明は、特許文献1が参照される請求項1の前提部分に記載のミーリング工具、及び請求項17の前提部分に記載のミーリング・インサート・キットに関する。
【0002】
工具本体を切削加工することによって形成されたミーリングインサートを有する歯車ミーリング工具を製造することは知られている。本発明はミーリング工具に関し、ミーリングインサートは、工具本体の周囲に延びる連続線に沿って交互に配置された複数の交換可能なインサートである。
【背景技術】
【0003】
ミーリング工具は、製造される歯車のサイズに依存する様々なモジュールMnの歯車を歯切りするために提供される。非常に小さな歯車のモジュールMn=1から、非常に大きな歯車のモジュールMn=22又はそれ以上のモジュールが存在する。全てのモジュールの歯車に本発明に係る工具を使用することができるが、モジュールMn=6〜22を有する歯車、特に、モジュールMn=8〜16を有する歯車を歯切りするのに適する。
【0004】
特許文献1は、歯車、ラックなどの歯を有するように被削材をホブ切りするために形成されたミーリング工具を示す。このミーリング工具は工具本体を具備し、工具本体は、回転軸線を画定し、第1の端部と、反対の第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間の回転軸線の周囲に拡がる外周面とを有する。多数の分離したインサート座は、一定のピッチを有する蔓巻き線に沿って工具本体に交互に配置されている。対応する多数の交換可能なミーリングインサートのそれぞれは、下面と、切り屑面を形成する上面と、上面及び下面に接続する外周面と、上面及び下面を貫通して延びる軸と、互いに交差すると共に上面と出会う箇所に形成される少なくとも一つの主切れ刃及び副切れ刃とを備える。個々のインサート座は、被削材に溝を切削加工するために工具本体から突出する個々のミーリングインサートを受承するために形成される。ミーリングインサートは、上面から下面までミーリングインサートの偏心孔を延びるねじで固定される。ミーリングインサートは、インサート座の溝と係合する隆起を下面に有する。切り屑面は、切削される歯のインボリュートのエラーが得られるように、回転軸に関する半径方向の面に対して傾いている。
【0005】
特許文献2は、歯車、ラックなどの歯を有する被削材をホブ切りするために形成されたミーリング工具を示す。このミーリング工具は、工具本体を具備し、工具本体は、一定のピッチを有する蔓巻き線に沿って配置される多数のインサート座を有する。ミーリング工具は、3つの刃の列を有する対応する数のミーリングインサートを有する。個々の刃は、被削材の溝と係合するように形成されている。個々のミーリングインサートは、切り屑面を画成する上面を有する。3つの刃の切り屑面は、切り屑面に垂直な共通する面にあり、少なくとも二つの刃の切り屑面と交差する螺旋の接線方向に対して鋭角を形成する。
【0006】
特許文献3は、ホブ切りの切削工具の別の例を示す。ミーリング工具は、多数のミーリングインサートを備え、個々のインサートは切り屑面を形成する刃の列を形成する。切り屑面は、特許文献1に示すミーリング工具と同じように、回転軸に関する半径方向の面に対して傾いている。
【0007】
特許文献1〜3及び本発明は、切削インサートのインサート座が本質的に半径方向に延びるミーリング工具に関する。切削インサートのインサート座が本質的に接線方向に延びる、ホブ切りのためのミーリング工具も存在する。接線方向のインサート座を有するこのような工具の例は特許文献4に示されている。
【0008】
歯切りのためのミーリング工具には、ドイツ規格DINにしたがって様々な公差等級が付与される。最良の等級がAAAである。次いで、AA,A,B,C,Dと続く。公差等級A及びBが、自動車のギヤボックス用の歯車を製造するのに必要とされる。本発明によるミーリング工具に関しては、少なくとも公差等級Bが目的とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来のミーリング工具では、大きな又は深い溝を有する被削材、例えばモジュールMn=6より大きな数の多数の歯を有する被削材の製造に適する大きさのミーリングインサートを製造することが難しいという問題があった。焼結によって超硬合金の大きなミーリングインサートを製造する方法に関し、製造技術上の限界があった。今日の利用可能なモールディング機械は制限された大きさのミーリングインサートのみを取り扱っている。
【0010】
本発明の目的は、この問題を解決することであり、交換可能なミーリングインサートを有するミーリング工具を製造することを可能にし、経済的に好ましい方法で、例えばモジュールMn=6より大きい数の多数の溝又は多数の歯を切削加工するために用いることができる。同時に、被削材の溝又は歯などの高精密な切削加工が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の目的は、複数のミーリングインサートが、回転軸から第1の長さによって工具本体から突出する外側ミーリングインサートと、回転軸から第2の長さによって工具本体から突出する内側ミーリングインサートであり、第1の長さが第2の長さより長いことを特徴とするミーリング工具により達成される。第1の長さは、第2の長さより少なくとも3mm長く、好ましく第2の長さよりも8〜16mm長い。
【0012】
本発明によるミーリング工具において、外側ミーリングインサートは、ルートインサートとして作用し、例えば被削材の隣接する歯間の溝の根本又は底領域を加工する。内側ミーリングインサートは、フランクインサートとして作用し、例えば被削材の二つの隣接する歯間の溝の側面を加工する。全てのミーリングインサートの第1の主切れ刃及び第2の主切れ刃は、個々の溝の側面、例えば被削材の二つの隣接する歯の側面を加工する。従って、第1の主切れ刃及び第2の主切れ刃の両方は、被削材の溝、例えば被削材の個々の歯の側面と同時に係合する。第1の主切れ刃は、溝と最初に係合し、溝の「前」側を加工する主切れ刃であり、第2の主切れ刃は溝の「後」側を加工する。第1の主切れ刃は、切削加工中に第2の主切れ刃よりも負荷を受ける。
【0013】
個々のミーリングインサートは被削材の一つの溝と係合するように形成されているために、切削加工に関して最適な方法で個々のミーリングインサートを位置付けることが可能となり、歯の加工に関する一定の公差レベルが達成される。個々のミーリングインサートは交換可能であるため、メンテナンスを要することなく、ミーリング工具の工具本体は非常に長い工具寿命を得る。ミーリングインサートは、切れ刃が摩耗したときは交換されなければならない。
【0014】
本発明の実施形態によれば、連続線は一定のピッチを有する蔓巻き線(螺旋)である。このようなミーリング工具は、歯をミーリングするホブ切り工具としてふさわしい。外側ミーリングインサートは、ルートインサートとして機能し、二つの歯間の根本又は底領域を加工し、内側ミーリングインサートはフランクインサートとして機能し、二つの隣接する歯の側面を加工する。
【0015】
本発明の追加の実施形態によれば、切り屑面は、第1の主切れ刃及び第2の主切れ刃を備える延長面に延び、法線を有する個々のミーリングインサートの延長線は、延長面に交差する連続線の接線に対して平行である。このような設計は、高い公差レベルに寄与し、ホブ切りの場合、歯のインボリュート形状は所望の形状となる。
【0016】
本発明の追加の実施形態によれば、ミーリングインサートは、複数の列に配置され、個々の列は少なくとも二つのミーリングインサートを備え、連続線の接線に対して垂直である線に沿って延びる。好ましくは、同じ列にあるミーリングインサートのの隣接するペアの延長面は、個々のミーリングインサートのペアのそれぞれに対して、一つの角度、又は一定の角度を形成する。言い換えると、個々のミーリングインサートの延長面は、少なくとも個々のミーリングインサートに関して、しかし、実際には工具の全てのミーリングインサートに関して、固有の平面に存在する。
【0017】
本発明の追加の実施形態によれば、外側ミーリングインサートの主切れ刃及び内側ミーリングインサートの主切れ刃は、突出し、連続線の接線が共通の線に沿って、かつ、異なるがオーバラップする領域に沿って法線を形成する共通の平面内に延びている。このようにして、平坦な面は、加工される歯に保証される。すなわち、面の段差や位置ズレのリスクが回避され、又は少なくとも減少する。
【0018】
本発明の追加の実施形態によれば、インサート座は、外側インサート座と内側インサート座を備え、個々の外側インサート座は外側インサートの一つを受承するために形成され、個々の内側インサート座は内側インサートの一つを受承するために形成されている。好ましくは、個々の外側インサート座は、外周面から突出し、外側ミーリングインサートの外側インサート座の支持面の部分を形成する隆起を備える。このような隆起は、工具本体から外側に支持面を延長し、それによって、支持面は加工中に転削インサートを支持する。
【0019】
本発明の追加の実施形態によると、内側インサート座は、支持面から上方に延びる内側当接面を備え、ミーリングインサートは内側当接面に対して当接する。このような当接面によって、回転軸に関して半径方向にある内側ミーリングインサートの位置は、高精度が保証される。好ましくは、内側ミーリングインサートは、支持面及び当接面に対して内側ミーリングを押す楔形状ブロックによってインサート座に固定される。楔形状ブロックは、ねじで内側ミーリングインサートに対してクランプされる。ねじは、左右ねじとすることができ、楔形状ブロックを通って工具本体のねじ孔に延びる。
【0020】
本発明の追加の実施形態によれば、外側インサート座は、支持面から上方に延びる内側当接面を備え、ミーリングインサートは内側当接面に対して当接する。このような当接面によって、回転軸に関して半径方向にある外側ミーリングインサートの位置は、高精度が保証される。好ましくは、外側ミーリングインサートは、内側ミーリングインサートに利用される楔形状ブロックによってインサート座に固定される。しかしながら、上面と下面を通って延びる固定孔を有する外側ミーリングインサートを提供することも可能である。外側ミーリングインサートは、固定孔を通り、支持面から工具本体に延びるねじ孔に延びる固定ねじでインサート座に固定される。
【0021】
本発明の他の実施形態によれば、個々の外側ミーリングインサートは、二つの反対側のインサート位置の間で中心軸を形成する回転軸の周りで回転によって交換可能であり、第1のインサート位置に関する第1の主切れ刃及び第2の主切れ刃を有する第1のセットと、第2のインサート位置に関する第1の主切れ刃及び第2の主切れ刃を有する第2のセットを有する。このようにして、外側ミーリングインサートの寿命は延長し、ミーリング工具の全体的な経済性が改良される。好ましくは、本実施形態による外側ミーリングインサートは上述したように、工具本体の固定孔を通って延びる固定ねじで固定される。この場合、固定孔は中心軸に対して同心である中心孔を形成する。
【0022】
本発明の追加の実施形態によれば、外側ミーリングインサートと内側ミーリングインサートは、一つおきのミーリングインサートが外側ミーリングインサートであり、他のミーリングインサートが内側ミーリングインサートであるように、連続線に沿って交互に配置される。このようにして、製造される歯の平坦面が保証される。従って、この実施形態によれば、同じ数の内側ミーリングインサートと外側ミーリングインサートがある。しかしながら、異なる数の内側ミーリングインサート及び外側ミーリングを持つことも可能であることに留意されたい。例えば、全ての第3のミーリングインサートが内側ミーリングインサート又は外側ミーリングインサートとしてもよい。ミーリングインサートが第3の長さによって回転軸から突出する中間ミーリングインサートであって、第3の長さが第1の長さより小さく、第2の長さより大きい中間ミーリングインサートを備えてもよい。中間ミーリングインサートは、フランクインサートとして作用し、内側ミーリングと外側ミーリングとの間に配置された歯の部分を加工する。このような設計は、例えばモジュールMn=18及びそれ以上の非常に大きな歯に対して効果的である。
【0023】
本発明の追加の実施形態によれば、個々の外側ミーリングインサートは、第1の主切れ刃と第2の主切れ刃との間に延びる少なくとも一つの端部切れ刃を備える。端部切れ刃は、直線又は主切れ刃に対する小さい曲率半径の移行切れ刃を有する直線部とすることができる。端部切れ刃は、第1の主切れ刃と第2の主切れ刃とによって加工される二つの隣接する歯間の底面を加工する。内側ミーリングインサートは、第1の主切れ刃と第2の主切れ刃との間に延びる少なくとも一つの端部切れ刃を備える。この端部切れ刃は、切削作用はなく、被削材と係合しない。
【0024】
本発明の追加の実施形態によれば、延長面は、少なくとも第1の主切れ刃と第2の主切れ刃の微少領域で稜線側と鋭角を成し、ミーリングインサートは少なくとも主切れ刃に関してはポジティブ切削幾何学形状を得るが、好ましくは、端部切れ刃に関しても同様である。このようなポジティブ切削幾何学形状によって、ミーリングインサートがミーリングに関して適切な方法で位置決めされるので、高精度が保証される。したがって、ミーリングインサートがミーリング工具に配置されることにより、所望の公差レベルが達成され、延長面の法線が連続線の接線に対して平行に延びる。これによって、加工される被削材の歯のインボリュートが所望の形状を得ることができる。
【0025】
本発明の追加の実施形態によれば、個々のミーリングインサートは、軸に垂直な対象線を有し、第1の主切れ刃と第2の主切れ刃は対称線に対して対称になる。好ましくは、対称線は、第1の主切れ刃と第2の主切れ刃の一つに対して圧力角αを形成し、圧力角αは18゜〜32゜の間である。第1の変更例によれば、圧力角αは20゜である。第2の変更例によれば、圧力角αは30゜である。
【0026】
本発明の追加の実施形態によれば、個々のインサート座の支持面は、この支持面から延び、ミーリングインサートの下面の対応する凹所に係合する突出部を備え、ミーリングインサートの位置を保証する。このような突出部によって、インサート座のミーリングインサートの位置が、半径方向及び軸方向で保証される。好ましくは、突出部は、半径方向の細長い隆起を備え、隆起は第1の半径方向の延長部を有し、ミーリングインサートの軸方向での位置を保証する。このような半径方向の細長い隆起は、上述した内側当接面に対して十分な補足物であり、ミーリングインサートの位置を十分に保証する。好ましくは、突出部は軸方向の細長い隆起を備えることもでき、この隆起は第1の軸方向の延長部を有し、半径方向のミーリングインサートの位置を保証する。このような、軸方向の細長い隆起は、インサート座が十分な当接面を有しないとき効果的であり、半径方向の細長い隆起と共に、ミーリングインサートの位置を保証する。
【0027】
本発明の追加の実施形態によれば、連続線に沿う隣接するミーリングインサートの延長面の間の角距離(angular distance)は、個々の対の隣接するミーリングインサートに関して等しい。
【0028】
上述した目的は、第1のミーリングインサートの後端点の間の距離が第2のミーリングインサートの前端点の間の距離より大きいことを特徴とするミーリング・インサート・キットによって達成される。このようなミーリングインサートのキットは、大きなサイズ又は深い溝をミーリングするときに高精度を保証するために、適切なミーリングインサートを有する歯車ミーリング工具又はスロットミーリング工具などの溝ミーリング工具を提供する上で好ましい。ミーリング・インサート・キットの追加の実施形態は、請求項1〜16で規定され、外側ミーリングインサートを形成するために構成された第1のミーリングインサートと、内側ミーリングインサートを形成するために構成された第2のミーリングインサートに関する特徴を含む。
【0029】
本発明は、添付される図面を参照して異なる実施形態の記載によってより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明による複数のミーリングインサートを有するミーリング工具を備える工作機械の部分の斜視図である。
【図2】側面からみたときの図1のミーリング工具の第1の実施形態を示す図である。
【図3】端面からみたときの図2のミーリング工具の第1の実施形態を示す図である。
【図4】図2のミーリング工具の部分を拡大して示す斜視図である。
【図5a】図4のミーリング工具の外側ミーリングインサートの一つの図である。
【図5b】図4のミーリング工具の外側ミーリングインサートの他の一つの図である。
【図5c】図4のミーリング工具の外側ミーリングインサートの他の一つの図である。
【図5d】図4のミーリング工具の外側ミーリングインサートの他の一つの図である。
【図6a】図4のミーリング工具の内側ミーリングインサートの一つの図である。
【図6b】図4のミーリング工具の内側ミーリングインサートの他の一つの図である。
【図6c】図4のミーリング工具の内側ミーリングインサートの他の一つの図である。
【図6d】図4のミーリング工具の内側ミーリングインサートの他の一つの図である。
【図7】異なる位置で、図4のミーリング工具のインサートが被削材に係合している状態を前から見た図である。
【図8】係合している状態の斜視図である。
【図9】第2の実施形態によるミーリング工具の部分の斜視図である。
【図10】図9のミーリング工具の内側ミーリングインサートの斜視図である。
【図11a】図9のミーリング工具の外側ミーリングインサートの一つの図である。
【図11b】図9のミーリング工具の外側ミーリングインサートの他の一つの図である。
【図11c】図9のミーリング工具の外側ミーリングインサートの他の一つの図である。
【図11d】図9のミーリング工具の外側ミーリングインサートの他の一つの図である。
【図12】第3の実施形態によるミーリング工具の部分の斜視図である。
【図13】図12のミーリング工具の外側ミーリングインサートを下から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、歯車切削、より詳細には歯を有する被削材Wのいわゆるホブ切りのために形成されたミーリング工具を含む工作機械の第1の実施形態を示す。ミーリング工具は、異なる被削材W、歯車、ラック、スプライン、油圧ポンプのインペラー及び歯車要素などを切削するのに適する。
【0032】
ミーリング工具の第1の実施形態は図2〜4に示されている。ミーリング工具は、鋼で作られた工具本体1と、鋼より硬質の材料、例えば超硬合金で作られた多数の交換可能なミーリングインサート2a,2bとを備える。工具本体1は、回転軸C1を規定し、第1の端部3及び反対側の第2の端部4とを有する。回転軸C1は第1の端部3及び反対側の第2の端部4とを通って延びている。
【0033】
ミーリング工具は、図3に示すように、例えばDIN規格に従うロッド7を受承する直線溝6を有する貫通軸孔5を備える。ロッド7は、図1に示すミーリングカッタ又は多機能機械などの工作機械の主軸S1内でミーリング工具を固定するために形成されている。工具本体1は、回転軸C1の周りで回転方向R1に(主軸S1の内側からみたときに反時計方向に)回転可能である。被削材Wは被削材主軸(図示しない)に固定され、回転軸C3の周りを回転方向R3に回転可能である。
【0034】
工具本体1は、図2に示すように、第1の端部3と第2の端部4との間を回転軸C1の周りに延びる外周面8を有する。工具本体1は、特に図4に示すように、外周面8に配置された多数の分離したインサート座9a,9bを備える。工具本体1は、例えば少なくとも30個のインサート座9a,9b、好ましくは少なくとも100〜300個のインサート座9a,9bを備える。個々のインサート座9a,9bは一つのミーリングインサート2a,2bを受承するために形成されている。インサート座9a,9b及びミーリングインサート2a,2bは、図2に示すように、一定のピッチを有する蔓巻線として構成された連続線xに沿って交互に配置されている。図示する実施形態において、連続線xのピッチ方向は右である。ピッチ方向は、製造される歯に依存して左とすることも可能である。ピッチ角βは1〜10゜にすることができる。
【0035】
個々のインサート座9a,9bは、ミーリングインサート2a,2bを支持する支持面10を備え、ミーリングインサート2a,2bは、インサート座9a,9bに装着され、図1に示すように被削材Wの溝と係合して切削するために工具本体1から突出する。
【0036】
したがって、インサート座9a,9bと、ミーリングインサート2a,2bとは、複数の列に配置されている。図示する実施形態において、ミーリング工具は、図3に示すように、このようなミーリングインサート2a,2bの列を備える。しかしながら、ミーリング工具は、例えば4から24より多い数のミーリングインサート2a,2bの列を備えて良いことに留意されたい。個々の列は、少なくとも二つのミーリングインサート2a,2bとインサート座9a,9bを備える。図示する実施形態において、個々の列は6〜7のミーリングインサート2a,2b及びインサート座9a,9bを備える。
【0037】
ミーリングインサート2a,2b及びインサート座9a,9bの個々の列は、図2に示すように、連続線xの接線方向に垂直である個々の線Lに沿って延びている。ミーリングインサート2a,2b及びインサート座9a,9bの隣接する列間の距離は等しく、すなわち、距離は個々の対の列に関して等しい。従って、連続線xに沿う隣接するミーリングインサート2a,2b間の距離は等しく、すなわち、この距離は隣接するミーリングインサート2a,2bの個々の対に関して等しい。より詳細には、連続線xに沿う隣接するミーリングインサート2a,2bの延長面間の角距離は等しく、すなわち、隣接するミーリングインサート2a,2bの個々の対に関して等しい。
【0038】
転削インサート2a,2bは、二つのタイプのミーリングインサート、すなわち、外側ミーリングインサート2aを形成する第1のミーリングインサートと内側ミーリングインサート2bを形成する第2のミーリングインサートとを備える。外側ミーリングインサート2aは回転軸C1から第1の長さaによって工具本体1から突出している。内側ミーリングインサート2bは回転軸C1から第2の長さbによって工具本体1から突出している。特に図3に示すように、第1の長さaは第2の長さbよりも長い。インサート座9a,9bは、二つのタイプのインサート座、すなわち、外側インサート座9aと内側インサート座9bとを備える。図4に示すように、個々の外側インサート座9aは外側ミーリングインサート2aの一つを受承するために形成され、個々の内側インサート座9bの内側ミーリングインサート2bの一つを受承するために形成されている。従って、外側インサート座9aは、内側インサート座9bの半径方向外側に位置する。一つ以上の第1のミーリングインサート2a及び一つ以上の第2のミーリングインサート2bは、ここに示されているように、工具本体1に対して提供されるミーリング・インサート・キットを形成する。
【0039】
図示される実施形態において、外側ミーリングインサート2aと内側ミーリングインサート2bは、全ての偶数列のミーリングインサートが外側ミーリングインサート2aであり、全ての奇数列のミーリングインサートが内側ミーリングインサート2bであるように、連続線xに沿って交互に配置されている。図示する実施形態においては、図3に示すように、これは全ての第1の列が外側ミーリングインサート2aの列であり、全ての第2の列が内側ミーリングインサート2bの列である。従って、図示の実施形態によれば、内側ミーリングインサート2aの数は外側ミーリングインサート2bの数に等しい。しかしながら、異なる数の内側ミーリングインサート2bと外側ミーリングインサート2aを有していてもよいことに留意されたい。例えば、第3のミーリングインサートが内側ミーリングインサート2b又は外側ミーリングインサートとしてもよい。
【0040】
個々の外側インサート座9aは、工具本体1の外周面から突出する隆起12を備える。隆起12は、外側ミーリングインサート2aの支持面10の部分を形成する。第1の実施形態において、図4に示すように、個々の外側インサート座9aは支持面10から上に延びる内側当接面13を備える。内側当接面13は、内側当接面13に当接する外側ミーリングインサート2aを支持し、回転軸C1に関する外側ミーリングインサート2aの半径方向位置が保証される。
【0041】
個々の外側インサート座9の支持面10は、突出部、好ましくは半径方向に細長い隆起14の形態であり、支持面から延びる突出部を備える。半径方向の細長い隆起14は、二つの傾斜している側面を有し、側面は支持面10と半径方向の細長い隆起14の上面との間に延びる。二つの側面は互いに対して鈍角をなす。この角度は、90〜140゜、例えば120゜とすることができる。上面は、平面であり、支持面10に対して平行にすることができる。
【0042】
個々のインサート座9bは、支持面10から上方に延びる内側当接面15を備える。内側当接面15は内側ミーリングインサート2bを内側当接面15に当接させて支持する。回転軸Cに関する内側ミーリングインサート2bの半径方向位置が保証される。
【0043】
個々のインサート座9bの支持面10は、好ましくは支持面10から延長すると共に二つの半径方向に細長い隆起の形態である突出部を備える。半径方向に細長い隆起16のそれぞれは、支持面10と半径方向の細長い隆起16の上面との間を延びる二つの傾斜側面を有する。二つの側面は、互いに対して鈍角をなす。この角度は、90〜140゜、例えば120゜とすることができる。上面は、平坦であり、支持面10に対して平行にすることができる。外側インサート座9aと内側インサート座9bの半径方向の細長い隆起14,16の数を変えることができることに留意されたい。例えば、内側インサート9bの支持面10は一つの半径方向に細長い隆起16のみを備えることができる。
【0044】
図5a〜5d及び6a〜6dに示すように、個々のミーリングインサート2a,2bは、下面21、切りくず面を形成する上面22、上面22と下面21とに接続する外周側面23とを備える。軸Aは、上面22及び下面21を通って延びている。個々のミーリングインサート2a,2bは、互いに対して収束し、側面23が上面22と交差する部分に形成される少なくとも一つの第1の主切れ刃24と第2の主切れ刃25とを備える。
【0045】
図示される実施形態において形成されている切りくず面は、第1の主切れ刃24と第2の主切れ刃25を含む延長面P内で延びる上面22と一致する。個々のミーリングインサート2a,2bの延長面Pは、延長面Pと交差する連続線xの接線に対して平行な垂線を有する。
【0046】
個々のミーリングインサート2a,2bは、軸Aに対して垂直である対称線Sを有する。第1の主切れ刃24及び第2の主切れ刃25は、対称線Sに対して対称である。対称線Sは、第1の主切れ刃24及び第2の主切れ刃25に対して圧力角αを形成する。圧力角αは、18〜32゜の範囲内にあり、例えば約20゜又は約30゜である。
【0047】
延長面Pは、少なくとも主切れ刃24,25の微少領域内で側面23に対して鋭角をなし、ミーリングインサート2a,2bはポジティブの切削幾何学形状を得る。
【0048】
図5a〜5dに示すように、個々の外側ミーリングインサート2aは、第1の主切れ刃24と第2の主切れ刃25との間で延びる端部切れ刃26を備える。外側ミーリングインサート2aの第1の主切れ刃24と第2の主切れ刃25は、対称線Sの片側に対称的に配置され、一対の後端点Raから一対の前端点Fa又は端部切れ刃26まで収束する。延長面Pは、端部切れ刃26の微少領域で側面23に対して鋭角を形成し、外側ミーリングインサート2aは、削材Wの隣接する歯の間の底面を切削する端部切れ刃26に関するポジティブの切削幾何学形状となる。
【0049】
図6a〜6dに示すように、個々の内側ミーリングインサート2bは、第1の主切れ刃24と第2の主切れ刃25との間で延びる端部切れ刃27を備える。端部切れ刃27は、切削作用せず、被削材Wと係合しない。内側ミーリングインサート2bの第1の主切れ刃24と第2の主切れ刃25は、対称線Sの片側に対称的に配置され、一対の後端点Rbから一対の前端点Fb又は端部切れ刃27まで収束する。
【0050】
特に図6cに示すように、個々の外側ミーリング2bは、二つの細長い溝29の形態である凹所を有している。内側ミーリングインサート2bがインサート座9bに取り付けられるとき、半径方向の細長い隆起16は内側ミーリングインサート2bの下面21の細長い溝29と係合に係合し、回転軸Cに関して内側ミーリングインサート2bの軸方向位置が保証される。細長い溝29のそれぞれは、内側ミーリングインサート2bの下面21と下面21に平行な平坦面とすることができる底面との間を延びる二つの傾斜面を有する。内側ミーリングインサート2bが内側インサート座9bに装着されるとき、半径方向の細長い隆起16の側面は細長い溝29の側面に当接する。好ましくは、隆起16の上面と溝29の底面との間にはギャップがある。外側ミーリングインサート2aと内側ミーリングインサート2bの細長い溝28,29の数は、外側インサート座9a及び内側インサート座9bの半径方向の細長い隆起14,16の数に対応する。
【0051】
第1の実施形態の外側ミーリングインサート2aのそれぞれは、上面22と下面21を通る軸Aに平行に延びる固定孔31を備える。外側ミーリングインサート2aは、外側インサート座9a内で固定孔31を通りねじ孔33に延びる固定ねじ32によって支持面10に固定されている。ねじ孔33は、図4に示すように支持面10を通って延びる。
【0052】
個々の内側ミーリングインサート2bは、内側ミーリングインサート2bの上面22に当接し、内側ミーリングインサート2bを支持面10及び内側当接面15に対して押す楔形状ブロック34によって内側インサート座9bにおいて支持面10に固定されている。図4に示すように、楔形状ブロック34は、楔形状ブロック34を通って係合し、工具本体1のねじ孔36に延びる左右ねじ35によって内側ミーリングインサート2bに対してクランプされている。
【0053】
第1の実施形態によるミーリング工具が使用されるとき、内側ミーリングインサート2bが二つの隣接する歯の外側側面を加工する間に、外側ミーリングインサート2aは根本側領域、すなわち、二つの隣接する歯の内側側面及び被削材Wの二つの隣接する歯の間の底面を加工する。被削材Wに対するミーリングインサート2a,2bの係合は、図7及び8に示されている。示すように、外側ミーリングインサート2aの主切れ刃24,25と内側ミーリングインサート2bの主切れ刃24,25は、突出部において、共通線L4とL5に沿い、かつ、異なるがオーバラップする線L4とL5に沿って延びる。オーバラップは可能な限り短くすべきであるが、一定のオーバラップは加工される歯の側面内において
溝又は段のリスクを減少させるために重要である。
【0054】
図7及び8に示すように、第1のミーリングインサート2aの後端点の間の距離又は最も短い距離は、第2のミーリングインサート2bの前端点の間の距離又は最も短い距離よりも大きい。
【0055】
図9及び11a〜11dは、第1の実施形態とは異なる発明の第2の実施形態を示す。個々の外側ミーリングインサート2aは、中心軸を形成する軸Aの周りで回すことによって交換可能である。外側ミーリングインサート2aは二つの反対側のインサート位置の間で交換可能であり、第1のインサート位置に関する第1の主切れ刃24と第2の主切れ刃25を有する第1のセットと、第2のインサート位置に関する第1の主切れ刃24と第2の主切れ刃25を有する第2のセットを備える。この実施形態において、主切れ刃24,25の個々のセットの後端点は、第1のセットと第2のセットとの間の移行部に配置されている。
【0056】
第2の実施形態において、外側インサート座9aは内側当接面を有さないが、代わりに支持面10の軸方向細長い隆起37を備える。外側ミーリングインサート2aは、特に図11cに示すように、下面21から延びる二つの対応する細長い溝38を有する。外側ミーリングインサート2aは外側インサート座9aに装着されたとき、軸方向の細長い隆起37は、外側ミーリングインサート2aの下面21の細長い溝38と係合する。回転軸Cに関する外側ミーリングインサート2aの半径方向位置が保証される。軸方向の細長い隆起37は、隆起14のように、支持面10と半径方向の細長い隆起37の上面との間を延びる二つの傾斜側面を有する。二つの側面は、互いに対して鈍角を形成する。この角度は90〜140゜の範囲内、例えば120゜とすることができる。上面は、支持面10に対して平行な平坦面である。細長い溝38のそれぞれは、細長い溝28と同じように、外側ミーリングインサート2aの下面21と下面21に平行な平坦面である底面との間を延びる二つの傾斜側面を有する。外側ミーリングインサート2aが外側インサート座9aに装着されるとき、軸方向の細長い隆起37の側面は細長い溝38の側面に対して当接する。この場合、隆起37の上面と溝38の底面との間にギャップがある。
【0057】
第1の実施形態と第2の実施形態との間の差は、後者において、内側インサート座9bが内側当接面を有さず、その代わりに、図9に示すように、内側ミーリングインサート2bの下面の細長い溝40と係合する軸方向の隆起39を備えるという点にある。隆起39と溝40は、二つの側面と、上面と、底面とを有する他の隆起及び溝として形成されている。
【0058】
図12及び13は、外側インサート座9aが、内側当接面を有さず、支持面10の軸方向の細長い隆起41を備えるという点において、本発明の第3の実施形態は第1の実施形態とは異なることを示す。外側ミーリングインサート2aは、図13に示すように、下面21から延びる対応する細長い溝42を有する。外側ミーリングインサート2aが外側インサート座9aに装着されるとき、軸方向の細長い隆起41は外側ミーリングインサート2aの下面21の細長い溝42と係合し、外側ミーリングインサートの半径方向の位置が中心軸C1に関して保証される。
【0059】
第1の実施形態と第2の実施形態との間の差は、後者において、外側ミーリングインサート2aが固定孔を有さず、その代わりに、外側ミーリングインサート2aの上面22に当接し、外側ミーリングインサート2aを支持面10及び二つの細長い隆起14,41に対して押す楔形状ブロック44によって外側インサート座9aに固定されている。楔形状ブロック44は、楔形状ブロック44を通って係合し、工具本体1内のねじ孔46を延びる左右ねじ45によって外側ミーリングインサート2aに装着されている。
【0060】
第3の実施形態において、内側インサート座9bと内側ミーリングインサート2bは第2の実施形態のように同じ方法で形成されている。
【0061】
第4の実施形態において、連続線xは回転軸C1に垂直である平面内で回転軸C1の周りで、すなわちピッチがゼロで延びている。このようなミーリング工具は、本質的に直線の延長部を有する溝、スロット、他の溝、例えばスプラインの溝のミーリングに適する。第4の実施形態によるミーリング工具は、このような延長線xの一つ又は互いに対して平行であるいくつかの延長線に沿って一組のインサート2a,2bを備える。
【0062】
本発明は、上述した実施形態に制限されないが、請求項の範囲内において改良又は変更され得る。
【0063】
追加の実施形態によると、ミーリング工具は、回転軸からの第3の長さによって突出する中間のミーリングインサートを備えることもできる。第3の長さは、第1の長さよりも小さく、第2の長さよりも大きい。中間のミーリングインサートは、フランクインサートとして機能するが、歯車の部分を加工する。内側ミーリングインサート及び外側ミーリングインサートによって加工される部分の間に配置される歯車の部分を加工する。このような実施形態は、非常に大きな歯車、例えば、モジュールが18及びそれ以上の歯車に公的する。
【0064】
異なる実施形態は、互いに組み合わされることに留意されたい。例えば、第2の実施形態の交換可能なミーリングインサート2aは、第3の実施形態の外側ミーリングインサート2aを置き換えることができる。全ての実施形態において、内側ミーリングインサート2bの半径方向位置は、内側当接面15又は軸方向の細長い隆起39によって保証される。また、内側ミーリングインサート2bを通って延びる固定ねじによって内側ミーリングインサート2bを取り付けることが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溝をミーリングするミーリング工具であって、
回転軸(C1)を規定する工具本体1であって、第1の端部(3)と、反対側の第2の端部(4)と、第1の端部(3)と第2の端部(4)との間の回転軸(C1)の周りを延びる外周面(8)とを有する工具本体(1)と、
連続線(x)に沿って工具本体(1)に交互に配置された多数の分離したインサート座(9a,9b)と、
対応する多数の交換可能なミーリングインサート(2a,2b)であって、個々のミーリングインサート(2a,2b)が、下面(21)と、切り屑面を形成する上面(22)と、上面(22)と下面(21)とに接続する外周側面(23)と、上面(22)と下面(21)とを通って延びる軸(A)と、互いに対して収束すると共に側面(23)が上面(22)と交差する位置に形成された少なくも一つの第1の主切れ刃(24)と第2の主切れ刃(25)とを有する多数の交換可能なミーリングインサート(2a,2b)と、を備え、
個々のインサート座(9a,9b)がミーリングインサート(2a,2b)の一つを受承する支持面(10)を有し、個々のミーリングインサート(2a,2b)が工具本体(1)から突出し、被削材(W)の溝に係合して切削するミーリング工具において、
ミーリングインサート(2a,2b)が、回転軸(C1)から第1の長さ(a)によって工具本体(1)から突出する外側ミーリングインサート(2a)と、回転軸(C1)から第2の長さ(b)によって工具本体(1)から突出する内側ミーリングインサート(2a)とを備え、
第1の長さ(a)が第2の長さ(b)よりも長いことを特徴とするミーリング工具。
【請求項2】
連続線(x)が一定のピッチを有する蔓巻線であることを特徴とする請求項1に記載のミーリング工具。
【請求項3】
切り屑面が、第1の主切れ刃(24)と第2の主切れ刃(25)とを有する延長面(p)内で延び、個々のミーリングインサート(2a,2b)の延長面(p)が、該延長面(p)と交差する連続線(x)の接線に平行である垂線を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のミーリング工具。
【請求項4】
外側ミーリングインサート(2a)の主切れ刃(24,25)と内側ミーリングインサート(2b)の主切れ刃(24,25)とが、突出した状態で、共通線(L4,L5)に沿うと共に、異なるがオーバラップする共通線(L4,L5)の部分に沿って延びることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のミーリング工具。
【請求項5】
インサート座(9a,9b)が、外側ミーリングインサート(2a)の一つを受承するために形成された外側インサート座(9a)と、内側ミーリングインサート(2b)の一つを受承するために形成された内側インサート座(9b)とを備えることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のミーリング工具。
【請求項6】
個々の外側インサート座(9a)が、外周面(8)から突出し、外側ミーリングインサート(2a)の外側インサート座(9a)の支持面の部分を形成する隆起(12)を備えることを特徴とする請求項5に記載のミーリング工具。
【請求項7】
内側インサート座(9b)が、支持面(10)から上方に延び、内側ミーリングインサート(2b)が当接する内側当接面(15)を備えることを特徴とする請求項5又は6に記載のミーリング工具。
【請求項8】
外側インサート座(9a)が、支持面(10)から上方に延び、外側ミーリングインサート(2a)が当接する内側当接面(13)を備えることを特徴とする請求項5〜7の何れか1項に記載のミーリング工具。
【請求項9】
個々の外側ミーリングインサート(2a)は、二つの対向するインサート位置の間で、中心軸を形成する軸(A)の周りで回すことによって交換可能であり、第1のインサート位置に関する第1の主切れ刃(24)と第2の主切れ刃(25)とを有する第1のセットと、第2のインサート位置に関する第1の主切れ刃(24)と第2の主切れ刃(25)とを有する第2のセットとを備えることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のミーリング工具。
【請求項10】
外側ミーリングインサート(2a)と内側ミーリングインサート(2b)は連続線(x)に沿って工具に配置されており、全ての第1のミーリングインサートが外側ミーリングインサート(2a)であり、全ての第2のミーリングインサートが内側ミーリングインサート(2b)であることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載のミーリング工具。
【請求項11】
個々の外側ミーリングインサート(2a)が、第1の主切れ刃(24)と第2の主切れ刃(25)との間を延びる少なくとも一つの端部切れ刃(26)を備えることを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載のミーリング工具。
【請求項12】
延長面(p)が、少なくとも主切れ刃(24,25)の微小領域内で側面(23)に対して鋭角を成すことを特徴とする請求項1〜11の何れか1項に記載のミーリング工具。
【請求項13】
個々のミーリングインサート(2a,2b)は、軸(A)に垂直な対称線(S)を備え、第1の主切れ刃(24)と第2の主切れ刃(25)とが対称線(S)に関して対称であることを特徴とする請求項1〜12の何れか1項に記載のミーリング工具。
【請求項14】
対称線(S)は、第1の主切れ刃(24)と第2の主切れ刃(25)のそれぞれに対して圧力角αを形成し、圧力角(α)は18〜32゜の範囲内にあることを特徴とする請求項13に記載のミーリング工具。
【請求項15】
個々のインサート座(9a,9b)の支持面(10)が、ミーリングインサート(2a,2b)の位置が保証されるように、支持面(10)から延び、ミーリングインサート(2a,2b)の下面(21)の対応する凹所と係合する突出部を備えることを特徴とする請求項1〜14の何れか1項に記載のミーリング工具。
【請求項16】
連続線(x)に沿う隣接するミーリングインサート(2a,2b)の延長面(p)の間の角距離が各一対の隣接するミーリングインサート(2a,2b)に関して等しいことを特徴とする請求項1〜15の何れか1項に記載のミーリング工具。
【請求項17】
溝をミーリングするミーリング工具用のミーリング・インサート・キットであって、
第1のミーリングインサート(2a)が、対称線(S)を有すると共に、対称線(S)の片側にそれぞれ対称的に配置され、一対の後端点(Ra)から端部切れ刃(26)まで収束する第1の主切れ刃(24)と第2の主切れ刃(25)とを有し、第1の主切れ刃(24)と第2の主切れ刃(25)とのそれぞれが、対称線(S)に関して圧力角(α)を形成し、
第2のミーリングインサート(2b)が、対称線(S)を有すると共に、対称線(S)の片側にそれぞれ対称的に配置され、一対の後端点(Rb)から前端点(Fb)まで収束する第1の主切れ刃(24)と第2の主切れ刃(25)とを有し、第1の主切れ刃(24)と第2の主切れ刃(25)とのそれぞれが、対称線(S)に関して圧力角αを形成し、
圧力角(α)が第1のミーリングインサート(2a)と第2のミーリングインサート(2b)に関して等しいミーリング・インサート・キットにおいて、
第1のミーリングインサート(2a)の二つの後端点(Ra)の間の距離が、第2のミーリングインサート(2b)の二つの前端点(Fb)の間の距離よりも長いことを特徴とするミーリング・インサート・キット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図5d】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【図6d】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11a】
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【図11b】
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【図11c】
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【図11d】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−218150(P2012−218150A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−88682(P2012−88682)
【出願日】平成24年4月9日(2012.4.9)
【出願人】(507226695)サンドヴィク インテレクチュアル プロパティー アーゲー (34)
【Fターム(参考)】